JPH08287610A - オーディオデータの再生装置 - Google Patents

オーディオデータの再生装置

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Publication number
JPH08287610A
JPH08287610A JP11651695A JP11651695A JPH08287610A JP H08287610 A JPH08287610 A JP H08287610A JP 11651695 A JP11651695 A JP 11651695A JP 11651695 A JP11651695 A JP 11651695A JP H08287610 A JPH08287610 A JP H08287610A
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audio data
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JP11651695A
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Hiroshi Kawaguchi
浩 河口
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オーディオ信号を、ノーマル再生時と音程を
変えることなく、可変速再生をする機能を効率よく実現
する。 【構成】 所定時間長分のオーディオデータブロック毎
に圧縮するものであって、前記所定時間長分毎のデータ
ブロックがオーバーラップするようにして音声波形の連
続性を高める圧縮方式で記録されたオーディオデータを
再生するものである。ノーマル再生時にはデータ伸長手
段51〜53の出力データを第1の繋ぎ処理手段57〜
59および64〜66において記録時のオーバーラップ
処理に対応する繋ぎ処理を行なわせる。ノーマル再生時
の再生速度と異なる再生速度で再生を行なう可変速再生
時においては、時間的に不連続となるデータブロックの
部分ではデータ伸長手段51〜53の出力データを第2
の繋ぎ処理手段61〜63において簡易的な繋ぎ処理を
行なわせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばいわゆるミニ
ディスク再生装置に適用して好適なオーディオデータの
再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ信号をデジタルデータとして
データ圧縮して記録した記録媒体として、いわゆるミニ
ディスク(以下、小型光ディスクという)が知られてい
る。この小型光ディスクに採用されている圧縮方式は、
人間の聴覚特性を考慮したATRAC(Adaptive TRans
form Acoustic Coding)と呼ばれるものである。このオ
ーディオデータ圧縮方式は、所定時間長分のオーディオ
データブロックを単位として圧縮処理を行なうものであ
るが、DCT(Discrete Cosine Transform ;離散コサ
イン変換)とウインドウ関数をうまく組み合わせ、隣り
合った前記ブロックがオーバーラップするようにして音
声波形の連続性を高めたもので、MDCT(Modified D
iscrete Cosine Transform)と呼ばれている。
【0003】具体的には、小型光ディスクでは、記録に
当たって、512サンプルごとにサウンドフレームと呼
ばれる単位ブロック毎にデジタルオーディオデータを区
切るが、このサウンドフレームでウインドウ処理を施
し、隣り合うサウンドフレームとの間でデータを、一部
オーバーラップさせた状態にする。このオーバーラップ
の方法は、再生時、所定のウインドウ関数を持って、前
後のサウンドフレームをオーバーラップ処理すること
で、音声波形の連続性が向上するように考慮したもので
ある。そして、以上のようにオーバーラップ処理をした
各サウンドフレームにおいて、DCTを行ない、時間軸
データを周波数軸データに変換しデータ圧縮する。
【0004】そして、2サウンドフレームで1サウンド
グループと呼ばれるブロックを生成し、5.5サウンド
グループを1セクタとしてディスクに記録する。音声が
2チャンネルステレオの場合には、2チャンネルのデー
タは2サウンドフレーム分となるので、時間長として
は、サウンドフレームと、サウンドグループは等しくな
る。つまり、サンプリング周波数が44.1kHzであ
れば、512サンプルは11、61msecとなり、1
つのサウンドフレームには、この時間長の1チャンネル
分のオーディオデータが含まれ、サウンドグループに
は、同じ時間長のステレオ2チャンネル分のオーディオ
データが含まれることになる。
【0005】したがって、小型光ディスクでは、エンコ
ード/デコードが可能な単位は、11.61msec分
のオーディオデータであるが、オーディオデータがモノ
ーラル1チャンネルの場合であれば、それはサウンドフ
レームであり、また、2チャンネルステレオであれば、
それはサウンドグループである。なお、この明細書にお
いて、以下の説明では、繁雑さを避けるため、オーディ
オデータが2チャンネルステレオの場合とし、エンコー
ド/デコードが可能な最小単位は、サウンドグループと
して説明する。
【0006】このオーディオデータの再生においては、
ディスクからピックアップしたデータからサウンドグル
ープのデータを再生し、そして、サウンドグループのデ
ータについて逆MDCTを行なって、前後のサウンドグ
ループとのオーバーラップ部分の繋ぎ処理をウインドウ
関数を用いて行ない、良好な音声の再生を行なう。
【0007】ところで、従来から、音程を変えずに再生
の速度を可変する技術は、デジタルオーディオの分野に
限らず、種々提供されている。この場合に、一般に、音
声は時間領域のデータの形式で記録・保存されている。
そこで、このオーディオデータについて、音程を変えず
に、再生の速度の変化を実現するためには、時間領域の
データを、一旦、周波数領域のデータに変換した後、何
等かの処理を行なって、再び時間領域のデータに戻すと
いう処理が必要になる。
【0008】以上のように、上記の処理を行なうには、
時間領域と周波数領域との間の変換という面倒な処理を
行なう必要があるため、上記の操作を簡易的に行なう方
法が提案されている。この方法は、ある一定領域の再生
を行なって、適当な領域を飛ばしたり、重ね合わせたり
するという処理を行なうもので、前記ある一定の領域の
みで表せる周波数の再生はできる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した簡易的な可変
速再生の方法を、小型光ディスク装置に適用した場合、
この小型光ディスクで採用されている圧縮方式のATR
ACにおいては、エンコード/デコードの最小単位が、
サウンドグループ単位であるため、このサウンドグルー
プ単位あるいは時間的に連続する複数個のサウンドグル
ープ単位で飛び飛びの再生を行なったりすることで、再
生音声の音程を変えずに再生速度を変える可変速再生を
行なうことができる。
【0010】この場合に、時間的に不連続になるオーデ
ィオデータブロック間においては、ノーマル再生時と同
じデコードの繋ぎ処理を行なうと、ノイズが発生する。
このため、可変速再生のためのデコード処理は、ノーマ
ル再生時と別個に行なう必要がある。
【0011】この可変速再生を実現する場合に、ノーマ
ル再生用のオーディオデータのデコードのハードウエア
をそのまま使用し、ソフトウエアで可変速再生用の処理
を実現することが、特にハードウエアとして可変速再生
用のデコーダを設けると、コスト高になると共に、装置
が大きくなってしまう点を考慮すると、望ましい。例え
ば、オーディオデータのデコード手段がDSP(デジタ
ル・シグナル・プロセッサ)で実現されている場合に
は、その内部のCPUで実行するプログラムにより、可
変速再生用のデコード処理を行なうことになる。
【0012】しかしながら、ノイズをできるだけ押さえ
ることができるような繋ぎ処理を可変速再生用のデコー
ド処理プログラムとすると、そのプログラムの設計が比
較的難しいと共に、DSPにおける演算量が非常に増え
てしまう。このため、DSPをより高機能のものに変更
したりする必要が生じてしまう。
【0013】上記のような問題は、小型光ディスクの再
生の場合に限らず、オーディオデータを所定時間長分ご
とに区切ったブロック単位でデータ圧縮するものであっ
て、その前後のブロック間でオーバーラップ処理を行な
って記録・保存されたオーディオデータの可変速再生の
場合に共通の問題である。
【0014】この発明は、以上の点にかんがみ、オーデ
ィオデータの再生装置において、音程を変えない可変速
再生を行なう機能を実現する場合に、例えばDSPでの
演算量が最小限で済むようにしたものを提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明によるオーディ
オデータの再生装置は、所定時間長分のオーディオデー
タブロック毎に圧縮されたものであって、前記所定時間
長分毎のデータブロックが、その前後のもの同士で、一
部がオーバーラップするようにして音声波形の連続性を
高める圧縮方式で記録されたオーディオデータを再生す
る装置において、前記圧縮された状態のオーディオデー
タを、前記データブロック単位毎に伸長するデータ伸長
手段と、前記データ伸長手段で伸長されたデータブロッ
ク単位のオーディオデータについて、前記音声波形の連
続性を高めるように、その前後のデータブロックの一部
とオーバーラップ処理をして、前記データブロック単位
のオーディオデータの繋ぎ処理をする第1の繋ぎ処理手
段と、前記データ伸長手段で伸長されたデータブロック
単位の1〜複数個毎のオーディオデータのブロック群に
ついて、その前後のブロック群のオーディオデータとは
簡易的に繋ぎ処理を行なう第2の繋ぎ処理手段と、ノー
マル再生時には前記データ伸長手段の出力データを前記
第1の繋ぎ処理手段において前記繋ぎ処理を行なわせ、
ノーマル再生時の再生速度と異なる再生速度で再生を行
なう可変速再生時において、時間的に不連続となるデー
タブロックの部分では前記データ伸長手段の出力データ
を前記第2の繋ぎ処理手段において前記繋ぎ処理を行な
わせるように切り換える切り換え手段とを備えることを
特徴とする。
【0016】
【作用】上記の構成のこの発明においては、可変速再生
時に、飛び飛びのブロック単位で時間的に不連続となる
部分での繋ぎのための処理は簡易的なものとされてお
り、この可変速再生時の処理を、ノーマル再生時のデコ
ード処理手段としてのDSPのソフトウエアで実現する
場合、演算量が少なくてよい。そして、可変速再生時の
再生音声は、もともと、それほど高品質をユーザーが要
求するものではなく、しかも、高度の処理を適用しても
それほど、再生音質の向上が図れないことを考慮すれ
ば、以上のような簡易的処理で十分である。
【0017】
【実施例】以下、この発明の一実施例を、前述の小型光
ディスクの記録再生装置に適用した場合を例にとって、
図を参照しながら説明する。先ず、この発明を説明する
前に、この発明が適用される記録再生装置について説明
する。
【0018】図2は、この発明が適用された小型光ディ
スクの記録再生装置の構成を示すものである。この図2
において、1は小型光ディスクである。小型光ディスク
1は、カートリッジ1A内に直径64mmのディスク1
Bを収納して構成されている。この小型光ディスク1に
は、再生専用光ディスク、記録可能な光磁気ディスク、
再生専用領域と記録可能領域が混在するハイブリッドデ
ィスクの3種類のものがある。
【0019】また、ディスク1Bには、予め、光スポッ
ト制御用(トラッキング制御用)のプリグルーブが形成
(プリピット)されているが、特に、この例の場合に
は、このプリグルーブにトラッキング用のウォブリング
信号に重畳して絶対アドレスデータが記録されている。
【0020】小型光ディスク1のディスク1Bは、スピ
ンドルモータ2により回転される。スピンドルモータ2
の回転は、サーボ制御回路5により制御され、ディスク
1Bが線速度一定の状態で回転するように制御される。
小型光ディスク1にはシャッターが設けられており、小
型光ディスク1がディスク装着トレイ上に載置され、装
置に装填されると、シャッターが開かれる。そして、記
録可能な光ディスクの場合には、ディスク1Bのシャッ
ター開口部の上部には記録用の磁気ヘッド3が対向して
配置され、ディスク1Bのシャッター開口部の下部には
光ピックアップ4が対向して配置される。
【0021】光ピックアップ4は、送りモータ6によ
り、ディスク1Bの径方向に移動制御される。また、サ
ーボ制御回路5により、光ピックアップ4のフォーカス
及びトラッキング制御がなされる。
【0022】システムコントローラ20は、マイクロコ
ンピュータを搭載して構成されており、全体の動作を管
理している。このシステムコントローラ20には、キー
群10からキー入力信号が与えられる。このキー群10
は、電源キー、イジェクトキー、再生キー、一時停止キ
ー、停止キー、録音キー、早送り再生キー、早戻し再生
キーなどを備える。
【0023】また、システムコントローラ20には、デ
ィスプレイ30が接続される。このディスプレイ30に
は、装着された小型光ディスクの総演奏時間、演奏中の
曲の経過時間、再生中の曲の残り演奏時間、全体の残り
の演奏時間等の時間情報や、演奏中の曲のトラックナン
バ等が表示される。また、ディスクネームやトラックネ
ームが記録されているディスクでは、ディスクネームや
トラックネームが表示される。さらに、曲やディスクの
記録日時が記録されていれば記録日時が表示される。
【0024】図2の実施例の記録再生信号系の構成は、
IC化によりできるだけ構成を簡略化できるように工夫
されている。なお、記録時と再生時とでは、システムコ
ントローラ20からのモード切換信号により、各部がモ
ード切り換えされるようにされている。
【0025】[記録系の説明]オーディオ信号(図では
簡単のため、1チャンネルであるが、実際は2チャンネ
ルステレオである。以下、同じ)は入力端子31を通じ
て入力される。この入力端子31からのオーディオ信号
は、A/Dコンバータ32において、サンプリング周波
数44.1kHz、量子化ビット数16ビットでデジタ
ル化される。
【0026】このデジタルオーディオ信号は、音声圧縮
エンコード/デコード回路33に供給される。この音声
圧縮エンコード/デコード回路33では、前述したAT
RACによるデータ圧縮処理がなされ、オーディオ信号
が約1/5にデータ圧縮される。すなわち、オーディオ
信号は、前述したように隣り合う符号化単位間のオーバ
ーラップを考慮したDCT処理であるMDCTが用いら
れて、データ圧縮される。
【0027】この場合、回路33においては、元のアナ
ログオーディオ信号の周波数帯域が、低域(0〜5.5
125kHz)、中域(5.5125kHz〜11.0
25kHz)、高域(11.025kHz〜22.05
kHz)の3つの帯域に分割され、各帯域毎にMDCT
の処理がなされる。
【0028】圧縮処理単位である512サンプルのデー
タは、高域に256サンプル、中域と低域とにそれぞれ
128サンプルずつが割り振られる。そして、オーディ
オ信号の変化の多寡により、MDCTの処理単位の大き
さを、それぞれの帯域単位で2通りに選択できるよう
に、ショートモードとロングモードの2つのモードが用
意されている。
【0029】すなわち、時間的に音が激しく変化する部
分ではショートモード、安定した波形が繰り返される部
分ではロングモードとされる。ショートモードのときに
は、MDCT処理単位のサンプル数は、3つの帯域で共
通に32サンプルとし、この32サンプル毎のブロック
についてMDCTを施す。また、ロングモードのときに
は、各帯域のすべてのサンプル数、つまり高域では25
6サンプル、中域と低域とではそれぞれ128サンプル
をMDCT処理単位とする。
【0030】MDCTは、処理単位サンプル数のブロッ
クについて、隣り合うブロック間でオーバーラップする
ようなウインドウを設定して各ブロックをウインドウ処
理し、その処理結果をDCT処理するものであるので、
図3に示すように、各周波数帯域において、ショートモ
ード用のウインドウと、ロングモード用のウインドウが
設定されて、処理が行なわれることになる。図3におい
て、太線の実線はそれぞれロングモードのときのウイン
ドウ波形を示し、点線は、それぞれショートモードのと
きのウインドウ波形を示している。
【0031】この図3から解るように、ロングモードの
処理単位の時間長は、いずれの周波数帯域の場合も、サ
ウンドフレームに等しい11.6msecである。一
方、ショートモードの処理単位の時間長は、高域では
1.45msec、中域および低域では2.9msec
となる。
【0032】このように、2つのモードを設けること
で、時間的に音が激しく変化する部分でも、安定した波
形が繰り返される部分でも、効率的な符号化ができる。
【0033】なお、各サウンドフレームのデータには、
3つの周波数帯域のそれぞれのデータが、いずれのモー
ドでMDCTの処理が行なわれたかを示す識別データが
付加されて記録される。
【0034】音声圧縮エンコード/デコード回路33で
圧縮されたオーディオ信号は、メモリコントローラ34
を介して、このメモリコントローラ34により制御され
るバッファメモリ35に一度蓄えられる。この例の場
合、バッファメモリ35は、データ容量が、4Mビット
のDRAMが用いられる。
【0035】メモリコントローラ34は、記録中に振動
等によりディスク1B上の記録位置が飛んでしまうトラ
ックジャンプが生じなければ、バッファメモリ35から
圧縮データを書き込み速度の約5倍の転送速度で順次読
み出し、読み出したデータを、セクタ構造のデータエン
コード/デコード回路36に転送する。
【0036】また、記録中にトラックジャンプが生じた
ことを検出したときは、メモリコントローラ34は、デ
ータエンコード/デコード回路36へのデータ転送を停
止し、音声圧縮エンコード/デコード回路33からの圧
縮データをバッファメモリ35に蓄積する。そして、記
録位置が修正されたとき、バッファメモリ35からデー
タエンコード/デコード回路36へのデータ転送を再開
するようにする制御を行う。
【0037】この場合のバッファメモリ35のデータ容
量としては、上述から理解されるように、トラックジャ
ンプが生じてから記録位置が正しく修正されるまでの間
の時間分に相当する圧縮データを蓄積できる容量が最低
必要である。この例では、バッファメモリ35の容量と
しては、前記のように4Mビット有し、この容量は前記
の条件を十分に満足するように余裕を持ったものとして
選定されているものである。
【0038】また、この場合、メモリコントローラ34
は、この記録時において、正常動作時は、できるだけバ
ッファメモリ35に蓄積されるデータが少なくなるよう
にメモリ制御を行う。すなわち、バッファメモリ35の
データ量が予め定められた所定量以上になったら、所定
量のデータ、例えば32セクタ分(1セクタは1CD−
ROMセクタ(約2Kバイト)である)のデータだけバ
ッファメモリ35から読み出して、常に所定データ量以
上の書込み空間を確保しておくようにメモリ制御を行
う。
【0039】データエンコード/デコード回路36は、
バッファメモリ35から転送されてきた圧縮データをC
D−ROMのセクタ構造のデータにエンコードする。1
セクタは、サウンドグループの5.5個分を含む。この
場合、前述したように、各サウンドフレームのデータの
先頭には、3つの周波数帯域のそれぞれについて、ショ
ートモードまたはロングモードのいずれの単位でMDC
Tを施したかの識別情報が含まれる。
【0040】なお、オーディオデータの記録再生は、3
2セクタ分のオーディオデータ(元のアナログオーディ
オ信号の約2秒分であるが、データ圧縮により約0.4
秒相当となる)を単位として行うものである。この32
セクタ分のオーディオデータを以下クラスタと称する。
【0041】データエンコード/デコード回路36の出
力データは、EFM及びCIRCエンコード/デコード
回路37に供給される。この回路37では、データにエ
ラー検出訂正用の符号化処理を行うと共に、記録に適し
た変調処理、この例ではEFM(8−14変調)処理を
施す。エラー検出訂正用の符号は、この例ではCDのC
IRC(クロスインターリーブ・リード・ソロモン符
号)に対してインターリーブを変更したものを用いる。
記録データが間欠的なデータであり、1クラスタとして
の32セクタ分のオーディオデータの前後に、クラスタ
接続用の合計4個のセクタ(以下リンキングセクタと称
する)が付加されて、36セクタからなる単位記録デー
タとされる。
【0042】このようにして形成された記録データは、
ヘッド駆動回路38を介して記録用磁気ヘッド3に供給
される。これにより、記録データで変調された磁界がデ
ィスク1B(光磁気ディスク)に印加される。また、光
ピックアップ4からのレーザービームがディスク1Bに
照射される。この記録時は、記録トラックには、再生時
より大きな一定のパワーのレーザ光が照射されている。
この光照射と、磁気ヘッド3による変調磁界とにより、
ディスク1Bには熱磁気記録によってデータが記録され
る。こうして、元のオーディオ信号の約2秒分(1クラ
スタ)のデータが、約0.4秒で、ディスク1Bに記録
される。
【0043】なお、磁気ヘッド3と光ピックアップ4と
は、共に同期してディスク1の半径方向に沿って移動で
きるように構成されている。
【0044】また、この記録時において、光ピックアッ
プ4の出力がRFアンプ39を介してアドレスデコーダ
40に供給されて、ディスク1Bのトラックに沿って設
けられたプリグルーブにウォブル記録されている絶対ア
ドレスデータが抽出され、デコードされる。そして、そ
の検出された絶対アドレスデータがEFM及びCIRC
エンコード/デコード回路37に供給され、記録データ
中に挿入されて、ディスクに記録される。また、絶対ア
ドレスデータは、システム制御回路20に供給され、記
録位置の認識及び位置制御に用いられる。
【0045】また、RFアンプ39からの信号がサーボ
制御回路5に供給され、ディスク1Bのプリグルーブか
らの信号からスピンドルモータ2の線速度一定サーボの
ための制御信号が形成され、スピンドルモータ2が速度
制御される。
【0046】[再生系の説明]次に、再生時について説
明する。すなわち、この再生時には、記録時と同様にし
て、サーボ制御回路5により、スピンドルモータ2が、
プリグルーブからの信号により、ディスク1が記録時と
同じ線速度一定の回転速度制御される。
【0047】再生時、光ピックアップ4は、目的トラッ
クに照射したレーザ光の反射光を検出することにより、
例えば非点収差法によりフォーカスエラーを検出し、ま
た、例えばプッシュプル法によりトラッキングエラーを
検出すると共に、目的トラックからの反射光の偏光角
(カー回転角)の違いを検出して、再生RF信号を出力
する。
【0048】光ピックアップ4の出力は、RFアンプ3
9に供給される。RFアンプ39は、光ピックアップ4
の出力からフォーカスエラー信号やトラッキングエラー
信号を抽出してサーボ制御回路5に供給すると共に、再
生信号を2値化してEFM及びCIRCエンコード/デ
コード回路37に供給する。
【0049】サーボ制御回路5は、前記フォーカスエラ
ー信号が零になるように、光ピックアップ4の光学系の
フォーカス制御を行うと共に、トラッキングエラー信号
が零になるように、光ピックアップ4の光学系のトラッ
キング制御を行う。
【0050】また、RFアンプ39の出力はアドレスデ
コーダ40に供給され、プリグルーブからの絶対アドレ
スデータを抽出してデコードする。そして、このデコー
ダ40からの絶対アドレスデータが回路37を介してシ
ステム制御回路20に供給され、サーボ制御回路5によ
る光ピックアップ4のディスク半径方向の再生位置制御
のために使用される。また、システム制御回路20は、
再生データ中から抽出されるセクタ単位のアドレス情報
も、光ピックアップ4が走査している記録トラック上の
位置を管理するために用いることができる。
【0051】この再生時、後述するように、ディスク1
Bから読み出された圧縮データはバッファメモリ35に
書き込まれ、読み出されて伸長されるが、両データの伝
送レートの違いから、ディスク1Bからの光ピックアッ
プ4によるデータ読み出しは、例えばバッファメモリ3
5に蓄えられるデータが所定量以下にならないように間
欠的に行われる。
【0052】EFM及びCIRCエンコード/デコード
回路37では、RFアンプ39を介して供給された信号
がEFM復調され、エラー訂正処理される。EFM及び
CIRCエンコード/デコード回路37の出力は、セク
タ構造のデータエンコード/デコード回路36に供給さ
れて、CD−ROMのセクタ構造を解き、データを圧縮
された状態の元データにデコードする。
【0053】データエンコード/デコード回路36の出
力はメモリコントローラ34を介して、バッファメモリ
35に一旦記憶される。そして、メモリコントローラ3
4は、再生中に振動等により再生位置が飛んでしまうト
ラックジャンプが生じなければ、回路36からの圧縮さ
れた状態のデータを書き込み速度の約1/5倍の転送速
度で順次読み出し、読み出したデータを、音声圧縮エン
コード/デコード回路33に転送する。この場合、メモ
リコントローラ34は、バッファメモリ35に蓄えられ
ているデータ量が、所定以下にならないようにバッファ
メモリ35の書き込み/読み出しを制御する。
【0054】また、再生中にトラックジャンプが生じた
ことを検出したときは、データエンコード/デコード回
路36からバッファメモリ35へのデータの書き込みを
停止し、回路33へのデータの転送のみを行う。そし
て、再生位置が修正されたとき、回路36からバッファ
メモリ35へのデータ書き込みを再開するようにする制
御を行う。
【0055】また、前述もしたように、メモリコントロ
ーラ34は、正常動作時は、できるだけバッファメモリ
35に必要最小限以上の所定データが蓄積されるように
メモリ制御を行う。例えば、バッファメモリ35のデー
タ量が予め定められた所定量以下になったら、光ピック
アップ4によりディスク1Bからのデータの間欠的な取
り込みを行って、データエンコード/デコード回路36
からのデータの書き込みを行い、常に所定データ量以上
の読み出し空間を確保しておくようにメモリ制御を行
う。
【0056】なお、バッファメモリ35にデータを一杯
に読み込むのにかかる時間は約0.9秒であり、このデ
ータは約3秒間のオーディオデータに相当する。すなわ
ち、バッファメモリにデータが一杯蓄えられている時
に、ディスク1Bの信号が読み取れなくなっても、約3
秒間は再生信号を出力し続けることが可能である。その
間に光ピックアップをもとの位置に再アクセスし、信号
読み取りを再度行なうことで、音飛びの発生を防止でき
る。
【0057】音声圧縮エンコード/デコード回路33
は、逆MDCTの処理を行なって圧縮を解き、3つの周
波数帯域のデータの帯域合成を行なう。圧縮が解かれ、
帯域合成されたデータは、D/Aコンバータ41に供給
され、アナログ信号に戻される。このアナログ信号が出
力端子42から出力される。なお、この例の場合、音声
圧縮エンコード/デコード回路33は、DSPで構成さ
れる。
【0058】[可変速再生の実施例の説明]この実施例
においては、可変速再生時のディスクからのデータの抽
出は、システムコントローラ20により制御されて、次
のようにして実行される。図1および図2は、この可変
速再生の第1の実施例を説明するための図で、図4は、
ノーマル再生より高速の再生を行なう場合の例を、図5
は、ノーマル再生より低速の再生を行なう場合の例を、
それぞれ示している。
【0059】この例の場合、例えばユーザーにより可変
速再生キーが操作されると、システムコントローラ20
は、図4Aあるいは図5Aに示すように時間的に連続す
るディスク上のデータDAを、図4Aおよび図5Aにお
いて、太線枠にして示すように、それぞれ時間的に連続
している複数個のサウンドグループSG毎からなるブロ
ック群GR1、GR2、GR3、…に分割する。
【0060】この場合、各ブロック群GRi(i=1,
2,…)を構成するサウンドグループの個数は、このブ
ロック群GRiの繰り返し周波数が人間の聴覚上、感知
感度が低いもの、例えば20Hz以下となるような個数
とする。前述したように、1サウンドグループの時間長
がステレオの場合には、11.61msecであり、そ
の繰り返し周波数は86Hzであるので、この例では、
4個〜10個の連続するサウンドグループを1ブロック
群GRiとする。図4および図5の例では、1ブロック
群GRiは、連続する5個のサウンドグループSGから
なる。
【0061】そして、高速再生を行なう場合には、図4
Bに示すように、時間的に前後の各ブロック群GRiの
一部をオーバーラップさせるのであるが、そのオーバー
ラップ量を、その選択された速度に応じて変える。例え
ば、この例のように1ブロック群GRiが5個のサウン
ドグループからなるものであれば、ノーマル速度よりも
20%高速にするには、図4Bに示すように、ブロック
群GRiは、その前後のブロック群GRi-1 およびブロ
ック群GRi+1 とそれぞれ1サウンドグループSG分の
オーバーラップを行なうようにする。
【0062】なお、図4Bおよび図5Bにおいて、山形
の曲線波形はウインドウ波形を示しており、これは便宜
上、ロングモードの波形のみを示して時間的な連続、不
連続の状態を示すようにしている。
【0063】なお、オーバーラップ量は、1サウンドグ
ループ単位ではなく、ノーマル再生に対する速度変化に
応じた1サウンドグループ以下の単位となる場合ももち
ろんある。すなわち、図4の例で言えば、20%以下の
高速化であれば、1サウンドグループ以下の時間長のオ
ーバーラップとなる。
【0064】この場合、各ブロック群GRiの中では、
サウンドグループのデータは時間的に連続したものであ
るので、音声圧縮エンコード/デコード回路33を構成
するDSPでは、ノーマル再生時と同様にウインドウ処
理およびオーバーラップの加算処理を行なうことで、ノ
イズを生じない再生が行なわれる。前述もしたように、
ウインドウ処理手段および加算処理手段は、DSPでの
ソフトウエアで実行されるものである。
【0065】そして、ブロック群間のオーバーラップ部
分で、可変速再生用の繋ぎ処理を行なうことになる。こ
の例の場合には、前述したように、可変速再生時は、そ
れほど音質を問題にしないので、ウインドウ関数を用い
た複雑なオーバーラップ部の処理を行なうのではなく、
図6に示すように、隣り合うブロック群GRi-1 とGR
iとの時間的不連続部分のサウンドグループは、ノーマ
ル再生時のウインドウWよりも幅を狭くしたウインドウ
Wnを用いて、オーバーラップをほとんど生じないよう
にしてしまう。この場合には、ウインドウ処理の後のオ
ーバーラップ部分についての加算手段は不要になる。
【0066】次に、低速再生を行なう場合には、図5B
に示すように、各ブロック群GRiの間を、その選択さ
れた速度に応じた時間分だけ空けて再生を行なう。例え
ば、ノーマル速度よりも20%低速にするには、図5B
に示すように、ブロック群GRi間を1サウンドグルー
プ分の時間、空けるようにする。20%以下の低速化で
あれば、ブロック群GRi間の時間空間は、1サウンド
グループSGの時間長以下となる。
【0067】この低速再生の場合には、ブロック群GR
i同士のオーバーラップはないので、ウインドウ処理
は、ブロック群GRi内での処理のみを行ない、ノーマ
ル再生時のウインドウ関数のみを用いて行なう。
【0068】以上のようにすると、MDCTのウインド
ウが不連続となるのは、このブロック単位、つまり連続
する4個のサウンドグループ以上の長さ毎に生じること
になり、ノイズの発生数が1個のサウンドグループ単位
で可変速再生を行なう場合に比べて少なくなる。そし
て、1個のサウンドグループ単位で可変速再生を行なっ
て不連続となった場合には、約86Hzのノイズが生じ
るが、このように4個以上としたときには、その1/4
以下である約20Hz以下のノイズとなり、人間の感知
感度が低い周波数領域に、ノイズを追いやることができ
る。
【0069】この例の場合の音声圧縮エンコード/デコ
ード回路33を構成するDSPは、機能的には、図1に
示すようなブロック構成となる。
【0070】すなわち、この例において、スペクトル復
元処理手段50は、メモリコントローラ34よりの入力
データからスペクトル信号を復元する。このスペクトル
復元処理手段50からは高域、中域、低域の3つの周波
数帯域のスペクトル信号が得られる。そして、高域、中
域、低域の各スペクトル信号は、各周波数帯域用の逆M
DCT処理手段51、52、53にそれぞれ供給され
る。
【0071】逆MDCT処理手段51〜53は、記録時
のMDCTの逆処理を行なうもので、それぞれの帯域の
スペクトル信号を周波数領域から時間領域のデータ、す
なわち、時系列信号に戻してデータ伸長する処理を行な
う。
【0072】逆MDCT処理手段51〜53からの時系
列信号は、それぞれスイッチ回路54、55、56によ
り、ウインドウ処理手段57、58、59あるいはウイ
ンドウ処理手段61、62、63に供給される。スイッ
チ回路54〜56は、システムコントローラ20からの
制御信号を受けるマイコン100からの切り換え信号に
より切り換えられる。
【0073】このスイッチ回路54〜56は、ノーマル
再生時には、ウインドウ処理手段57〜59側に切り換
えられる。また、可変速再生時のブロック群GRi内の
サウンドグループ間の時間的に連続するオーバーラップ
部分でも、スイッチ回路54〜56は、ウインドウ処理
手段57〜59側に切り換えられる。そして、可変速再
生時のブロック群間の時間的に不連続となる部分におい
ては、ウインドウ処理主61〜63側に切り換えられ
る。
【0074】ウインドウ処理手段57〜59は、主とし
てノーマル再生用のもので、システムコントローラ20
からの制御を受けて、記録時に対応して、ショートモー
ドまたはロングモードのモードに応じたウインドウ関数
を生成し、生成したウインドウ関数を掛け算する処理を
行なう。そして、このウインドウ処理手段57〜59の
出力データは、加算処理手段64、65、66に供給さ
れて、オーバーラップ部分の加算処理を行ない、隣り合
う処理単位ブロックでオーバーラップする部分を、これ
を互いに加算するとスムースな繋がりの波形となるよう
にする。
【0075】すなわち、ショートモードであれば、1つ
のサウンドグループ内において、32サンプル単位を1
処理単位ブロックとして、周波数領域のデータを時間領
域のデータに戻すと共に、時間領域のデータについて、
各ブロック同士をオーバーラップさせて繋ぎ処理を行な
う。また、ロングモードであれば、256あるいは12
8サンプル単位を1処理単位ブロックとして、周波数領
域のデータを時間領域のデータに戻すと共に、時間領域
のデータについて、隣り合うサウンドグループについ
て、一部をオーバーラップさせて繋ぎ合わせる処理を行
なう。
【0076】なお、システムコントローラ20は、再生
されたサウンドグループ単位のデータ中の識別情報をデ
コードし、それぞれショートモードまたはロングモード
のいずれのモードで記録されているかを判別し、その判
別結果に応じてそれぞれの逆MDCT処理回路51、5
2、53、ウインドウ処理手段57〜63および加算処
理手段64〜66を制御する。逆MDCT処理回路5
1、52、53、ウインドウ処理手段57〜63および
加算処理手段64〜66では、この制御に基づいてそれ
ぞれのモードに応じた処理を実行する。
【0077】加算処理手段64、65、66の出力デー
タは、それぞれスイッチ回路67、68、69の一方の
入力端に供給される。
【0078】ウインドウ処理手段61〜63は、前述の
図6に示したように、可変速再生時のブロック群間の時
間的に不連続となる部分のサウンドグループについて、
オーバーラップを生じないようなウインドウWnを生成
してウインドウ処理する。なお、図6において、点線で
示すウインドウWは、ノーマル再生時のウインドウ波形
である。
【0079】このウインドウ処理手段61〜63からの
データについては、オーバーラップのための加算処理は
不要であるため、スイッチ回路67、68、69にその
まま供給される。スイッチ回路67〜69は、スイッチ
回路54〜56と同期してマイコン100からの切り換
え信号により切り換えられる。
【0080】帯域合成フィルタ71は、スイッチ回路6
8、69からの中域および低域の時系列データについ
て、同期をとって合成する処理を行なう。遅延回路72
は、帯域合成フィルタ71での処理時間分だけ、スイッ
チ回路67からの高域の時系列データを遅延させる。ま
た、帯域合成フィルタ73は、遅延回路72からの時系
列データと、帯域合成フィルタ71からの中域および低
域が合成された時系列データとの同期をとって合成する
処理を行なう。帯域合成フィルタ73の出力が、音声圧
縮エンコード/デコード回路33の再生出力データとな
る。
【0081】以上のように構成されているので、ノーマ
ル再生時には、スイッチ回路54〜〜56はウインドウ
処理手段57〜59側に、スイッチ回路67〜69は加
算処理手段64〜66側に、それぞれ切り換えられ、前
述したように波形の連続性を保った良好なオーディオデ
ータの伸長デコード処理が行われる。
【0082】一方、可変速再生時の、ブロック群GRi
内のサウンドグループSGの部分では、スイッチ回路5
4〜56はウインドウ処理手段61〜63側に切り換え
られ、スイッチ回路67〜69は加算処理手段64〜6
6側にきりかえれらて、ノーマル再生時と全く同様にし
て時間的に連続するオーディオデータの再生が行われ
て、音声波形の連続性が保たれたノイズのないオーディ
オデータの生成が成され、これが帯域合成フィルタ71
および73で合成され、出力データとされる。
【0083】また、可変速再生時であって高速再生時の
場合、隣接するブロック群GRi間の不連続部分では、
時間的に前となるブロック群GRiの最後のサウンドグ
ループの途中(ウインドウMnがフラットになる位置)
から、時間的に後となるブロック群GRi+1 の最初のサ
ウンドグループの途中(ウインドウMnがフラットにな
る位置)までスイッチ回路54〜56および67〜69
がウインドウ処理手段61〜63側に切り換えられる。
したがって、このブロック群間の時間的に不連続の部分
では、簡易的なウインドウ処理のみが行われて、加算処
理の演算が不要になる。
【0084】さらに、可変速再生時であって低速再生時
の場合、隣接するブロック群GRi間の不連続部分で
は、図5に示したように、時間的に空白部分となるの
で、加算処理は不要である。このとき、ウインドウ処理
手段61〜63では、高速再生時と同じウインドウ処理
を行う。しかし、ウインドウ処理手段61〜63では、
ウインドウ処理は行わずに、この処理手段61〜63を
バイパスするようにしてもよい。
【0085】図7は、上述した音声圧縮エンコード/デ
コード回路33における再生時の処理の流れ図である。
この例では、低速再生時には、ウインドウ処理は行わな
い場合である。
【0086】すなわち、回路33では、まず、スペクト
ル信号の復元が行なわれる(ステップS1)。次に、ユ
ーザーにより指示された再生状態は可変速再生か否か判
断する(ステップS2)。可変速再生でなければ、通常
の逆MDCT、ウインドウ処理および加算処理を行ない
(ステップS3)、3つの周波数の帯域合成を行ない
(ステップS8)、合成後のデータをD/Aコンバータ
に出力して(ステップS9)、この処理ルーチンを終了
する。
【0087】また、ステップS2で可変速再生であると
判断したときには、上述したように1ブロック群GRi
とされる個数のサウンドグループについて、回路33の
処理が終了したか否か判断する(ステップS4)。この
ステップS4で、いまだ、1ブロック群GRi内のサウ
ンドグループの処理であると判断すると、ステップS3
以降に進んで、ノーマル再生時と同じデータ伸長処理を
行なう。これは、1つのブロック群GRi内では、サウ
ンドグループは時間的に連続していて、ノーマル再生時
とまったく同様のウインドウ処理および加算処理を行う
ことが出来るからである。次に、3つの周波数の帯域合
成を行ない(ステップS8)、D/Aコンバータに出力
して(ステップS9)、この処理ルーチンを終了する。
【0088】ステップS4で、1ブロック群GRi内の
すべてのサウンドグループの処理が終了したと判断した
ときには、次のブロック群との処理の準備を行ない(ス
テップS5)、その後、可変速再生用のオーバーラップ
処理等の処理を行なうか否かの判断をし(ステップS
6)、可変速再生用の処理を行なわないのであれば、ス
テップS3に移り、上述したように、通常の逆MDCT
を行ない、帯域合成を行ない(ステップS8)、出力デ
ータをD/Aコンバータに出力して(ステップS9)、
この処理ルーチンを終了する。
【0089】また、可変速再生用のオーバーラップ処理
等を行なう場合には、ステップS6からステップS7に
進み、前述したようなウインドウWnを用いたオーバー
ラップ部分の処理を行なう可変速再生用の逆MDCTを
行ない、次に、ステップS8に進んで、帯域合成を行な
い、出力データをD/Aコンバータに出力して(ステッ
プS9)、この処理ルーチンを終了する。
【0090】[可変速再生時のウインドウ処理の他の実
施例]この実施例においては、図8に示すように、ウイ
ンドウ処理手段61〜63で用いるウインドウWcは、
点線で示すノーマル再生時のウインドウWとは異なり、
隣り合うブロック群GRi-1 とGRiとの時間的不連続
部分では直線的にいわゆるフェードインフェードアウト
のようにクロスフェードさせる簡易型の処理を行なうよ
うにする。この例の場合には、ウインドウ処理手段61
〜63の後段に加算処理手段が必要になるが、その加算
処理構成は非常に簡単になる。
【0091】[可変速再生の他の実施例]図9および図
10は、可変速再生の第2の実施例を説明するための図
で、図9は、ノーマル再生より高速の再生を行なう場合
の例を、図10は、ノーマル再生より低速の再生を行な
う場合の例を、それぞれ示している。なお、図9および
図10において、山形の曲線波形はウインドウ波形を示
しており、これは便宜上、ロングモードの波形のみを示
して連続、不連続の状態を示すようにしている。この第
2の実施例では、1ブロック群GRiは、4個のサウン
ドグループSGで構成されている。
【0092】この例の場合、例えばユーザーにより高速
再生が指示されると、システムコントローラ20は、図
9Aに示すように時間的に連続するディスク上のデータ
DA中から、その指定された速度に応じたデータ抽出を
行なうように光ピックアップ4を制御する。このデータ
抽出は、この例では、前述したブロック群GRi単位で
行なうが、この高速再生の場合には、その速度に応じた
分の個数だけ、サウンドグループSGを飛び越して、ブ
ロック群GRiを抽出して、各ブロック群GRiを時間
的に連続したものとする。
【0093】例えば、ブロック群GRiが4個のサウン
ドグループSGで構成されている場合に、2倍速であれ
ば、図9Bに示すように、4個飛びの4個のサウンドグ
ループSGを1ブロック群GRiとして順次に抽出する
ようにする。また、25%の速度増加であれば、図9C
および図9Dに示すように、データDA中の1個飛びの
4個のサウンドグループSGを1ブロック群GRiとし
て順次に抽出して時間的に連続するように並べるように
する。
【0094】ノーマル再生時の速度よりも遅い速度での
再生は図10に示すようにして行なう。すなわち、この
例の場合に、図10Aに示すように、時間的に連続する
ディスク上のデータDAをブロック群GRi毎に区切
り、各ブロック群GRiのすべてのサウンドグループあ
るいは一部のサウンドグループを繰り返すようにする。
例えば、1/2倍速であれば、図10Bに示すように、
各ブロック群GRiのすべてのサウンドグループを2回
ずつ繰り返し再生する。この場合、繰り返す同じブロッ
ク群間で不連続が生じるので、その部分はノーマル再生
時とは異なるオーバーラップ処理とする。
【0095】また、例えば25%低速とするのではあれ
ば、図10Cおよび図10Dに示すように、データDA
中の2つおきのブロック群GR1、GR4、GR7、…
を抽出すると共に、各ブロック群GR1、GR4、GR
7、…のそれぞれを4回づつ繰り返す。つまり、この第
2の実施例では、低速の速度に応じて、抽出するブロッ
ク群GRiと、その繰り返し回数とを組み合わせて、任
意の低速とすることができる。
【0096】以上のようにすれば、前述の実施例と同様
に、MDCTのウインドウが不連続となるのは、ブロッ
ク群単位、つまり連続する4個のサウンドグループ以上
の長さ毎に生じることになり、ノイズの発生数が1個の
サウンドグループ単位で可変速再生を行なう場合に比べ
て少なくなると共に、人間の感知感度が低い周波数領域
に、ノイズを追いやることができる。ウインドウ処理お
よび加算処理については、前述した第1の実施例と全く
同様に処理できる。
【0097】[可変速再生の第3の実施例]この第3の
実施例は、第2の実施例の発展型である。この例は、連
続するデータ列DAから抽出するブロック群GRiの目
標の大きさは決定しておくが、その目標の大きさから、
例えば1〜3個のサウンドグループの増加、減少を許
し、かつ、全体としては、目的の再生速度に応じた可変
速再生を可能とするものである。
【0098】すなわち、1ブロック群GRiの目標のサ
ウンドグループ数は例えば5個であるが、あるときに6
個のサウンドグループからなるブロック群GRiが生じ
たときには、次のあるいは、それより後に出現するブロ
ック群として4個のサウンドグループからなるものを生
じさせるように制御して、全体として、すべて5個のサ
ウンドグループからなるブロック群で構成した場合とま
ったく同様の可変速再生を行なうようにする。
【0099】このように、1ブロック群GRiの大きさ
の変動を許すことにより、この第3の実施例の場合に
は、次のような可変速再生を実施することができる。
【0100】前述したように、サウンドグループのMD
CT処理は、ショートモードとロングモードとがある。
ショートモードは、音の変化が激しい部分で実行される
ものであるので、このショートモードの部分で時間的不
連続を繋げる処理をすれば、その部分で生じるノイズ
は、目立たない。
【0101】そこで、この第3の実施例では、1ブロッ
ク群を構成するサウンドグループの少なくとも、ブロッ
ク群の両端あるいは一方の端部のサウンドグループはで
きるだけ、ショートモードのサウンドグループとなるよ
うにブロック群を生成するものである。
【0102】これは、ブロック群を生成するときに、そ
の周辺のサウンドグループを検索し、ショートモードの
ものがあれば、それを端部になるようにブロック群を生
成する。ショートモードのサウンドグループがなけれ
ば、規定の目標数のサウンドグループ数でブロック群を
生成することで実現することができる。
【0103】[可変速再生の第4の実施例]この第4の
実施例も、第3の実施例の発展型である。
【0104】この例の方法は、1ブロック群を構成する
サウンドグループの数だけでなく、飛び飛びに抽出する
ブロック群の抽出の方法を可変にする方法である。
【0105】すなわち、例えば1ブロック群は4個のサ
ウンドグループで構成するが、それを飛び飛びに抽出す
るときに、できるだけ、端部にショートモードのサウン
ドグループが来るようにする抽出する方法である。この
場合、前述した第3の実施例のように1ブロック群を構
成するサウンドグループの数に1、〜3個の自由度を設
定しておき、もし、例えば5個目にショートモードのサ
ウンドグループのものがあれば、そのブロック群は5個
のサウンドグループで構成し、他に3個のサウンドグル
ープからなるブロック群を生成して全体のつじつまを合
わせるようにする。
【0106】この例の場合には、ショートモードのサウ
ンドグループで時間的不連続部分が繋げられる可能性が
高くなり、ノイズの聴感上のさらなる低減を図ることが
できる。
【0107】なお、以上の例は、圧縮方式がMDCTの
場合であるが、処理単位ブロック間のオーバーラップ処
理を行なうオーディオデータの圧縮方式であれば、MD
CTに限らず、この発明は適用可能である。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、所定時間長分のオーディオデータブロック毎に圧縮
するものであって、前記所定時間長分毎のデータブロッ
クがオーバーラップするようにして音声波形の連続性を
高める圧縮方式で記録されたオーディオデータを、音程
を変えることなく、ノーマル速度より高速あるいは低速
で再生するに当たって、可変速再生においては音質がそ
れほど問題にならない点と、高度の処理を施しても、音
質の大幅な向上が計れないことから、オーバーラップ部
分の処理をノーマル再生時よりも簡易化するようにした
ので、この可変速再生時のデコード処理をソフトウエア
で実現する場合には、演算量を少なくすることができ、
その分、可変速再生時の別の処理を行う余裕が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるオーディオデータの再生装置の
一実施例の要部の機能ブロック図である。
【図2】この発明によるオーディオデータの再生装置の
一例のブロック図である。
【図3】図3のディスク装置において使用されるオーデ
ィオデータの圧縮方式を説明するための図である。
【図4】この発明によるオーディオデータの再生装置に
適用される可変速再生方法の一実施例を説明するための
図である。
【図5】この発明によるオーディオデータの再生装置に
適用される可変速再生方法の一実施例を説明するための
図である。
【図6】この発明によるオーディオデータの再生装置の
一実施例の要部の説明のための図である。
【図7】この発明による可変速再生方法の一実施例の処
理の流れ図である。
【図8】この発明によるオーディオデータの再生装置の
他の実施例の要部の説明のための図である。
【図9】この発明によるオーディオデータの再生装置に
適用される可変速再生方法の他の実施例を説明するため
の図である。
【図10】この発明によるオーディオデータの再生装置
に適用される可変速再生方法の他の実施例を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
20 システムコントローラ 33 音声圧縮エンコード/デコード回路 50 スペクトル信号復元処理部 51〜53 逆MDCT処理部 54〜56 スイッチ回路 57〜59 ノーマル再生用のウインドウ処理手段 61〜63 可変速再生用のウインドウ処理手段 64、66 加算処理手段 71、73 帯域合成フィルタ 100 マイコン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定時間長分のオーディオデータブロック
    毎に圧縮されたものであって、前記所定時間長分毎のデ
    ータブロックが、その前後のもの同士で、一部がオーバ
    ーラップするようにして音声波形の連続性を高める圧縮
    方式で記録されたオーディオデータを再生する装置にお
    いて、 前記圧縮された状態のオーディオデータを、前記データ
    ブロック単位毎に伸長するデータ伸長手段と、 前記データ伸長手段で伸長されたデータブロック単位の
    オーディオデータについて、前記音声波形の連続性を高
    めるように、その前後のデータブロックの一部とオーバ
    ーラップ処理をして、前記データブロック単位のオーデ
    ィオデータの繋ぎ処理をする第1の繋ぎ処理手段と、 前記データ伸長手段で伸長されたデータブロック単位の
    1〜複数個毎のオーディオデータのブロック群につい
    て、その前後のブロック群のオーディオデータとは簡易
    的に繋ぎ処理を行なう第2の繋ぎ処理手段と、 ノーマル再生時には前記データ伸長手段の出力データを
    前記第1の繋ぎ処理手段において前記繋ぎ処理を行なわ
    せ、ノーマル再生時の再生速度と異なる再生速度で再生
    を行なう可変速再生時において、時間的に不連続となる
    データブロックの部分では前記データ伸長手段の出力デ
    ータを前記第2の繋ぎ処理手段において前記繋ぎ処理を
    行なわせるように切り換える切り換え手段とを備えるオ
    ーディオデータの再生装置。
  2. 【請求項2】前記可変速再生時は、前記オーディオデー
    タブロックの時間的に連続する複数個からなるブロック
    群を一つの処理単位ブロックとしてオーディオデータを
    再生するものであり、 前記切り換え手段は、前記一つの処理単位ブロックであ
    るブロック群内の時間的に連続するオーディオデータブ
    ロックでは、前記第1の繋ぎ処理手段で繋ぎ処理を行な
    わせ、前記ブロック群間では前記第2の繋ぎ処理手段に
    おいて繋ぎ処理を行なわせるように切り換えるようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載のオーディオデータ
    の再生装置。
  3. 【請求項3】前記オーディオデータは、直交変換と、ウ
    インドウ関数とを組み合わせたデータ圧縮であって、前
    記第2の繋ぎ処理手段は、前記ブロック群間ではオーバ
    ーラップしないようにウインドウ関数を設定し、前後の
    ブロック群での繋ぎのための加算処理を削減したことを
    特徴とする請求項1に記載のオーディオデータの再生装
    置。
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