JPH08286679A - 消音装置 - Google Patents

消音装置

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Publication number
JPH08286679A
JPH08286679A JP7116457A JP11645795A JPH08286679A JP H08286679 A JPH08286679 A JP H08286679A JP 7116457 A JP7116457 A JP 7116457A JP 11645795 A JP11645795 A JP 11645795A JP H08286679 A JPH08286679 A JP H08286679A
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JP
Japan
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noise
output
sound wave
muffling
deviation
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Application number
JP7116457A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kondo
弘之 近藤
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Shinko Electric Co Ltd
Original Assignee
Shinko Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Exhaust Silencers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 [目的] 騒音源の騒音を消音しながら聴覚上好ましい
音色の音波を発生させること。 [構成] 係数演算器9の一方の入力端子に遅延器10
の出力rが供給され、他方の入力端子には消音偏差検出
マイク4の出力が増巾された後、A/D変換されて消音
偏差信号eを形成させるが、これを更に目標とする周波
数−音圧レベル特性の音は一定レベルTに関して逆特性
を有するフィルタ20に通す。これによって得られた制
御偏差信号e’を係数演算器9に供給する。これによ
り、アダプティブフィルタ8の消音信号yから得られる
スピーカ3の発生音波から外方に好ましい音色を残した
音波のみが伝播される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は消音装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】図13は従来例のアクテ
ィブ・ノイズ・コントロール(ANC)の構成例を示す
が、これは、例えば騒音源2として自動車のエンジンか
ら放射される騒音を低減するために構成されたものであ
るが、このような騒音に対し、優れた消音効果を得るた
め騒音源2を1つの開口部1aを有する管状の排気管1
で覆い、この騒音の伝播を一次元化することがよく行な
われている。
【0003】すなわち、管1の断面に比べ2倍以上の波
長を有する低周波は、管1内を1次元的に(断面を見た
時、どの部分も音圧が均一になっていること)伝播され
ることが知られており、この音がANCの有効な消音対
象となる。
【0004】エンジン2が発生するダクト騒音を低減す
る場合は、もともとダクトという管が付随した設備であ
るため、騒音伝播の1次元化は容易に行なうことができ
る。
【0005】上記条件を満たさないような波長の短い
中、高周波音については、1次元的な伝播が行なわれ
ず、ANCによる消音はできないが、このような帯域の
音はグラスウールなどのパッシブな消音対策により十分
な消音効果を得ることができる。
【0006】排気管1内に騒音源としてエンジン2があ
り、この騒音源から、排気管1の出口1a側に向って所
定の距離をおいて消音スピーカ3が配設されている。こ
の消音スピーカ3からダクト出口1a側に向って所定の
距離をおいて、更に消音偏差検出マイク4が設置されて
いる。
【0007】騒音源2には振動検出器5が取り付けられ
ており、この検出出力は増巾器6、A/D変換器7を介
してアダプティブ・フィルタ8及び遅延器10に供給さ
れる。又、消音偏差検出マイク4の出力は増巾器13、
A/D変換器14を介してLMS、すなわち係数演算器
9に供給される。アダプティブ・フィルタ8は、N個の
乗算器を有し、その係数が更新可能なデジタルフィルタ
であり、N個の乗算器、すなわちN個のタップを有し、
これらはLMS9の出力によりその係数が更新される。
遅延器10はアダプティブ・フィルタ8の出力端子yか
ら消音偏差信号eまでの伝達特性を有している。すなわ
ち、この時間遅れを考慮して遅延器10の係数を定めて
おり、これは予め計測又は同定されて備えられたもので
ある。
【0008】係数演算器9はアダプティブ・フィルタ8
(以下、ADFと略称する)に与える最適係数を逐次算
出するための適応アルゴリズムであり、この演算器の構
成にはオンライン処理が容易であるように、LMS形が
用いられている。勿論、他の係数演算器も適用可能であ
る。
【0009】従来例のANCは以上のように構成される
が、次にこの作用について説明する。
【0010】振動検出器5で検出され、増巾されたアナ
ログの騒音信号NSは、A/D変換器7でデジタルに変
換され、騒音信号xを得る。この騒音信号xはアダプテ
ィブ・フィルタ8に入力され、消音偏差検出マイク4の
位置S点において騒音と振幅が等しく、かつ逆位相とな
るような消音信号が算出される。すなわち、この端子y
における出力がD/A変換器11及び増巾器12を介し
て消音スピーカ3に供給される。
【0011】消音スピーカ3からの消音音波と管1内の
騒音が合成され、管1内の騒音が低減されるのである
が、一次的には消音誤差を生ずる。これが消音偏差検出
マイク4により検出され、この増巾値がA/D変換され
て消音誤差信号eを得る。係数演算器9がそのアルゴリ
ズムに基づいて、騒音信号xとこの消音誤差信号eに基
づいて誤差e→0となるようにADF8のフィルタ係数
を算出する機能をもっている。
【0012】従って、消音誤差信号eが0になるように
ADF8の係数更新を繰り返し行なうことにより、次第
にeは0になり、S点の騒音が低減される。
【0013】然るに、管1内の音は1次元的な伝播が行
なわれるため、S点で騒音が低減されれば、S点以後
(図において右方)の空間においても同等であり、結果
的には管1の開口部1aから外部に放出される騒音が低
減されることになる。
【0014】又、係数演算器9が消音誤差信号eが0に
なるような最適係数を算出するには、消音誤差信号eと
同時刻の騒音信号xを用いなければならないが、信号e
は信号xに比べ、yの、すなわちADF8の出力端子か
らA/D変換器14の出力までの伝播経路に相当する遅
れを含んででいる。
【0015】従って、騒音信号xについてこの遅れと同
等の伝達関数を備えた遅延器10を通すことにより、騒
音信号xを消音誤差信号eと同時刻まで遅らせ、これを
係数演算器9に入力している。
【0016】図14は第2の従来例のアクティブノイズ
コントロール装置を示す。これは図15に示す自動車の
運転席内に適用される。すなわち、前側の両座席の下部
に音波発生器としてのスピーカS0 、S1 がそれぞれ埋
設されており、エンジンEには第1の従来例と同様に振
動検出器(図示せず)が取り付けられており、これによ
り検知された騒音信号NSが消音装置Qに供給される。
この消音装置Qのブロック図が図14に示されている。
これからの消音信号はそれぞれスピーカS0 、S1 に供
給され、これから消音用の音波が発生するのであるが、
座席の上部に配設されたマイクロフォンM0 、M1 によ
り消音偏差が検出され、これが消音装置Qに供給されて
第1の従来例で述べたように消音偏差信号eをゼロとす
るように制御される。
【0017】図14においてエンジンEに取り付けられ
た振動検出器からの騒音信号NSが増巾器6に供給さ
れ、これがアナログ/デジタル変換器7によりデジタル
変換されて、この出力xがアダプティブフィルタADF
0 に供給され、これからの消音信号y0 がデジタル/ア
ナログ変換器11a、更に増巾器12aに供給されて上
述のスピーカS0 に供給され、これを駆動して消音用の
音波を発生する。他方、同アナログ/デジタル変換器7
の出力xはアダプティブフィルタADF1 にも供給さ
れ、この消音信号y1 は第2のデジタル/アナログ変換
器11bに供給され、更にその出力は増巾器12bで増
巾されて、他方のスピーカS1 に供給される。これらス
ピーカS0 、S1 から発生する音波が消音作用を行なう
のであるが、消音偏差検出用のマイクロフォンM0 、M
1 によって、消音偏差が検出され、それぞれ増巾器13
a、13bに供給され、この増巾出力はアナログ/デジ
タル変換器14a、14bに供給され、この出力は消音
偏差信号e0 、e1 であり、係数演算器9a、9bにそ
れぞれ供給される。又、アナログ/デジタル変換器7の
出力は遅延器D00、D01、D10、D11に供給され、これ
らの出力r00、r01,r10,r11がそれぞれ係数演算器
9a及び9bに供給される。そしてこれら係数演算器9
a、9bの出力がアダプティブフィルタADF0 及びA
DF1 に供給され、消音偏差信号e0 、e1 をそれぞれ
ゼロとするように制御され出力y0 、y1を出力し、こ
れがD/A変換器11a、11bに供給される。更に増
巾器12a、12bで増巾されて、スピーカS0 、S1
から消音信号を発生する。なお、遅延器D00はアダプテ
ィブフィルタADF0 の出力端子(消音信号y0 を発生
する)からD/A変換器11a、増巾器12a、スピー
カS0 、マイクロフォンM0、増巾器13a、A/D変
換器14aまでの信号の伝達遅れ特性を有する遅延器で
あり、予めこの装置の作動開始時には同定化されてい
る。同様に遅延器D01、はアダプティブフィルタADF
0 の出力端子からD/A変換器11a、増巾器12a、
スピーカS0 、マイクロフォンM1 、増巾器13b及び
A/D変換器14bの出力端子までの伝達路の伝達遅れ
特性を有する。遅延器D10は、アダプティブフィルタA
DF1 の出力端子からD/A変換器11b、増巾器12
b、スピーカS1 、マイクロフォンM0 、増巾器13
a、A/D変換器14aの出力端子までの伝達路の伝達
遅れ特性を有する。又、遅延器D11はアダプティブフィ
ルタADF1 の出力端子からD/A変換器11b、増巾
器12b、スピーカS1 、マイクロフォンM1 、増巾器
13b、A/D変換器14bの出力端子までの伝達路に
沿う伝達遅れ特性を有する。
【0018】ADFや係数演算器の基本動作は、上記従
来例と同じであるから、詳細な説明は省略する。まず、
検知器であるマイクロフォンM0 の検出出力に着目して
係数演算器0(9a)はr00とe0 との入力に基づい
て、係数を算出してアダプティブフィルタADF0 の係
数を更新する。また、係数演算器1(9b)はr10とe
0 との入力に基づいて、係数を算出してアダプティブフ
ィルタADF1 の係数を更新する。
【0019】次に他の検知器であるマイクロフォンM1
の検出出力に着目して係数演算器0(9a)はr01とe
1 との入力に基づいて、係数を算出してアダプティブフ
ィルタADF0 の係数を更新する。また、係数演算器1
(9b)はr11とe1 との入力に基づいて、係数を算出
し、アダプティブフィルタADF1 の係数を更新する。
以上を繰り返すことにより、消音偏差信号e0 、e1
共に最小となるようにアダプティブフィルタADF0
ADF1 の係数更新が行なわれ、結果的に車内の騒音が
低減される。
【0020】従来例のANCは以上のように構成され、
かつ作用を行なうのであるが、以下のような欠点を有す
る。すなわち、この構成によってANCが有効な消音帯
域において、どの周波数においてもほぼ同等の消音効果
を得ることができる。その結果、数値上は最も優れた消
音効果が得られるのであるが、環境工学上、あまり望ま
しくない。
【0021】図16Aはエンジンから発生する騒音の消
音前の音圧レベルの周波数分布を示すが、このエンジン
の音はその回転数で決まる基本波と高調波とから成って
いる。このような周波数分布の騒音を図13のアクティ
ブノイズコントロール装置により、消音を行なうのと、
図16(B)に示すような周波数分布の音圧レベルが得
られる。こらから明らかなように、エンジンの騒音その
ものの固有の音色は失われ、白色的な分布になる。すな
わち、何れの周波数においても等しい音圧レベルとな
る。このような消音効果は数値上申し分ないが、音色上
の特色が失われて白色的な、このような音は自然界には
存在しない音であり、人間の感覚から言えば次のような
問題点がある。
【0022】すなわち、却って聴覚上、不快感や違和感
が生ずる。又、エンジンが異常音を発したとしても、そ
の特長のある音を消音してしまうので、異常を検知しに
くくなる。又、スポーツカーやオートバイなど趣味性の
ある車両について言えば、これらの車両にとってエンジ
ンの音は走りのフィーリングを構成する上で重要な音で
あるが、図16(B)で示すような白色的な音色にすれ
ば面白みに欠け、そのフィーリングを堪能するのに重大
な支障をもたらす。
【0023】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上述の問題
に鑑みてなされ、聴感上、快適な音になるように消音す
ることができる消音装置を提供することを目的とする。
【0024】
【問題点を解決するための手段】以上の目的は、音波発
生手段と、消音偏差検出手段と、騒音源の騒音を検出す
る騒音検出手段と、前記消音偏差検出手段の出力と前記
騒音検出手段の出力とを受けて、前記騒音と大きさが等
しく逆位相の音波を前記音波発生手段から発生させるた
めの消音信号を形成させるための演算器とを備えた消音
装置において、前記消音偏差検出手段の検出出力を、目
標とする周波数特性と逆の周波数特性を有するフィルタ
を介して、前記演算器に供給するようにしたことを特徴
とする消音装置、によって達成される。
【0025】又、以上の目的は、音波発生手段と、消音
偏差検出手段と、騒音源の騒音を検出する騒音検出手段
と、前記消音偏差検出手段の出力と前記騒音検出手段の
出力とを受けて、前記騒音と大きさが等しく逆位相の音
波を前記音波発生手段から発生させるための消音信号を
形成させるための演算器とを備えた消音装置において、
雑音発生器の出力を、目標とする周波数特性を有するフ
ィルタを通してマスキングノイズを形成し、該マスキン
グノイズを前記騒音検出手段の出力と前記消音偏差検出
手段の出力との両方又はこれらの何れか一方に加算した
結果を前記演算器に供給するようにしたことを特徴とす
る消音装置、によって達成される。
【0026】又、以上の目的は、音波発生手段と、消音
偏差検出手段と騒音源の騒音を検出する騒音検出手段力
と、前記消音偏差検出手段の出力と前記騒音検出手段の
出力とを受けて、前記騒音と大きさが等しく逆位相の音
波を前記音波発生手段から発生させるための消音信号を
形成させるための演算器とを備えた消音装置において、
目標とする周波数特性を有するフィルタに前記騒音検出
手段の検出出力を通した後、これを前記消音偏差検出手
段の検出出力から減算し、この減算結果を前記演算器に
供給するようにしたことを特徴とする消音装置、によっ
て達成される。
【0027】又、以上の目的は、音波発生手段と、消音
偏差検出手段と騒音源の騒音を検出する騒音検出手段
と、前記消音偏差検出手段の出力と前記騒音検出手段の
出力とを受けて、前記騒音と大きさが等しく逆位相の音
波を前記音波発生手段から発生させるための消音信号を
形成させるための演算器とを備えた消音装置において、
前記騒音検出手段の出力を、目標とする周波数特性を有
するフィルタに供給し、該フィルタの出力を前記演算器
の消音信号に加算して、該加算結果により前記音波発生
手段を駆動し、前記フィルタの出力を遅延器を介して前
記消音偏差検出手段の検出出力から減算し、該減算結果
を前記演算器に供給するようにしたことを特徴とする消
音装置、によって達成される。
【0028】
【作用】請求項1の発明によれば、消音偏差検出手段の
検出出力がフィルタに供給されると、このフィルタの周
波数特性は所望する周波数特性とは逆の特性を有するの
で、演算器には、ある周波数で望ましい音圧レベルと他
の周波数の望ましい音圧レベルとの関係が逆転した出力
がフィルタから得られ、演算器はあたかも、ある周波数
特性の望ましい音圧レベルの音波は効果的に消音された
と判断して音波発生手段から消音のための音波を発生す
るので結果として外方には目標とする望ましい周波数特
性の騒音、もしくは音色を有する音波を発生させること
ができる。
【0029】請求項2の発明によれば、マスキングノイ
ズが演算器に供給されるのでマスキングされた部分が消
音されず、結果として外方には目標とする所望の音波を
発生を伝播させることができる。
【0030】請求項3の発明によれば、消音偏差検出手
段の検出出力から目標とする周波数特性を有する音圧レ
ベル分布は減算されているので、演算器はこれらはあた
かも消音したと判断して結果として、外方には目標とす
る所望の音波を発生させることができる。
【0031】請求項4の発明によれば、音波発生手段か
らの音波は、演算器の出力に、騒音信号を目標とする周
波数特性を有するフィルタに通して得られる信号が加え
られており、この加算結果により音波発生器を駆動さ
せ、又、フィルタの出力を遅延器を介して消音偏差検出
手段の検出出力から減算しているので、結果として外方
には目標とする所望の周波数特性を有する音波を発生さ
せる。
【0032】
【実施例】図1は本発明の第1実施例による消音装置の
ブロック図を示すが、第1従来例に対応する部分につい
ては、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0033】すなわち、本実施例では係数演算器9に
は、消音偏差検知マイクロフォン4の検知出力を増巾
し、かつデジタル変換して消音偏差信号eを形成するの
であるが、これをそのまま供給するのではなくて、目標
逆特性フィルタ20を介して供給され、制御消音偏差信
号e’として係数演算器9に供給される。この目標逆特
性フィルタ20は、図2において実線で示す曲線Uは図
示するような周波数特性−音圧レベルを有するものであ
るが、この周波数特性を持つ音の音色が目標とする音の
音色であり、音圧レベルラインTを軸に上下対称に形成
される周波数−音圧レベル特性のフィルタが目標逆特
性フィルタ20である。
【0034】本発明の第1実施例による消音装置は以上
のように構成されるが、次にこの作用について説明す
る。
【0035】本実施例では上述したように係数演算器9
の一方の入力端子には制御消音信号e’が供給され、他
方、遅延器10の出力rが供給される。消音偏差検知マ
イク4により検知された消音偏差信号は増巾されてアナ
ログ/デジタル変換して、消音偏差信号eとされるので
あるが、これが図2に点線で示す周波数特性のフィル
タ20を通ることにより、消音されなかった音の音圧レ
ベルが点線で示すような特性でフィルタをかけられる
のである。すなわち、音色で欲しい周波数分の音は充分
に消音されたと判断されるように係数演算器9に供給さ
れることになるので、過渡的には開口部1aからは実線
で示すような周波数特性の音圧レベルUの音色を有する
音が発生する。従って、本実施例では騒音源は自動車の
エンジンであるが、これは過渡的な変動が大であるた
め、目標特性が得られ、従ってそのエンジンの基本的な
周波数特性が保持され、何れかの箇所に故障が発生する
と、この音色が変わるが、この外方に伝播される消音装
置からの音から自動車に詳しい運転者は直ちに、どの部
分が故障したかを判断することができる。
【0036】図3は本発明の第2実施例による消音装置
を示すものであるが、上述の第2の従来例に対応する部
分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省
略する。
【0037】すなわち、本実施例においても、目標とす
る周波数−音圧レベル特性の逆特性を有するフィルタ2
1a及び21bに第1の消音偏差信号e0 及びe1 を通
過させて、制御消音偏差信号e0 ’及びe1 ’として、
係数演算器9a、9bに供給する。他方、これらには遅
延器D00、D01、D10、D11の出力r00、r01、r10
11が供給され、アダプティブフィルタADF0 及びA
DF1 により、消音信号y0 、y1 を形成し、スピーカ
0 、S1 を駆動するのであるが、第1実施例と同様に
運転者の周りにはエンジンの基本的な周波数特性を有す
る音色の音波が発生され、又、これは消音偏差が立体的
に検出されて発生されるので、3次元的に効果を奏する
のである。
【0038】図4は本発明の第3実施例による消音装置
を示すが、上記実施例と対応する部分については、同一
の符号を付し、その詳細な説明は省略するが、更に図示
していない構成は上記第1実施例と同様である。
【0039】すなわち、本実施例では白色ノイズを発生
する雑音発生器24が設けられ、この出力を目標とする
音色の周波数特性Uを有する目標特性フィルタ25を通
されて、マスキングノイズNを形成し、これが第1の加
算器22及び第2の加算器23に供給される。すなわ
ち、騒音信号rとNとは加算されて、その加算結果r’
が係数演算器9に供給され、消音偏差信号eは第2の加
算器23でマスキングノイズNと加算され、その加算結
果e’が係数変換器9に供給される。
【0040】本発明の第3実施例は以上のように構成さ
れるのであるが、基本的な作用は上記第1実施例及び第
2実施例と同様であるので、異なる作用について説明す
ると、雑音発生器24は白色ノイズを発生し、これが目
標特性フィルタ25に通される。消音偏差信号の各周波
数の音圧レベルが図11のような分布であり、ハッチン
グで示すような周波数特性を目標特性とすれば、又、こ
れをマスキングノイズと称しており、係数演算器9にと
って、これはシステムノイズとして判断され、消音した
くない部分をマスキングすることにより図11において
ハッチングしている部分から突出している部分が、係数
演算器9で消音すべき信号として消音され、結局、図1
2に示すように、マスキングノイズNと同波形の周波数
特性、すなわち、この第3実施例の消音装置からの外方
には運転者には好ましい音色の音波を発生する。
【0041】図5は、本発明の第4実施例の消音装置を
示すが、第2実施例に対応する部分については同一の符
号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0042】すなわち、本実施例においても雑音発生源
24が設けられ、これを目標とする周波数特性を有する
フィルタ25に通過させ、マスキングノイズNを形成す
る。これは第1の加算器30、31、32、33に供給
され、ここで遅延器D00〜D11の出力r00〜r11を加算
されて、その結果が係数演算器9a、9bに供給され
る。他方、第2の加算器34、35においては、消音偏
差信号e0 、e1 と加算され、その加算結果、e0 ’、
1 ’が供給される。これにより自動車の運転席内では
心地良いエンジンの音が運転者の耳に達する。
【0043】図6は本発明の第5実施例による消音装置
を示すが、第1実施例に対応する部分については、その
詳細な説明は省略する。
【0044】遅延器10の出力rは目標とする音色の周
波数特性を有するフィルタ25に通され減算器40で消
音偏差信号eから減算されて制御偏差信号e’とされ、
これが係数演算器9に供給される。
【0045】本発明の第5実施例による消音装置は以上
のように構成されるが、次にこの作用について説明す
る。
【0046】本実施例では遅延器10の出力rは目標特
性フィルタ25を通されるので、これにより望ましい周
波数成分は消音偏差信号eから減算されて供給されるこ
とにより、結果として目標とする周波数特性を有する成
分は係数演算器9には供給されず、消音されないので、
外部に発生される音色はフィルタ25の出力uによって
形成される音波と同一である。
【0047】図7は本発明の第6実施例による消音装置
を示し、第1実施例に対応する部分については同一の符
号を付し、その詳細な説明は省略し、かつ図示されてい
ない部分は第1実施例と同様である。
【0048】すなわち、本実施例においては、第5実施
例と異なり遅延器10の出力rは第2のアダプティブフ
ィルタ80(第2のアダプティブフィルタ80は、第1
のアダプティブフィルタと内容を等しくする)を介して
フィルタ25に供給され、上述と同様にして目標信号
u’が形成されるのであるが、これは加算器41におい
て消音偏差信号eと加算され、その加算結果e’が係数
演算器9に形成されるのであるが、第2のアダプティブ
フィルタ80の消音信号がフィルタ25に供給されるの
で、上述の実施例とは加算器41においては位相が反転
しているので、加算されて係数演算器9に供給される。
従って、第6実施例と同様な効果を奏することは明らか
である。
【0049】図8は本発明の第7実施例による消音装置
を示し、第2実施例に対応する部分については、同一の
符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0050】すなわち、本実施例においては、目標とす
る周波数特性を有するフィルタ25に遅延器D00
01、D10、D11の出力r00、r01、r10,r11を通
し、目標とする音色の音波信号を形成し、これが減算器
42に供給され、第5実施例と同様に目標とする音色は
すでに消音されたものと判断させて、係数演算器9a、
9bに供給され、アダプティブフィルタADF0 、AD
1 から消音信号y0 、y1を発生し、これによりスピ
ーカS0 、S1 を駆動させ、消音音波を発生する。結果
として、外方の運転席ではエンジン音を心地良く聞くこ
とができる。
【0051】図9は本発明の第8実施例による消音装置
を示し、第1実施例に対応する部分については、その詳
細な説明は省略する。
【0052】すなわち、本実施例においても、目標とす
る周波数特性を有するフィルタ25が用いられるが、こ
れには騒音信号xを通過させ、目標信号uを形成し、こ
れを加算器51において、アダプティブフィルタ8の出
力である消音信号yと加算し、その加算結果がスピーカ
に供給される。目標信号uは係数演算器9の一方の入力
端子に供給される遅延器10の出力rに対すると同様
に、同定化された遅延器50を通して減算器52に供給
され、消音偏差検出マイク4から検出された消音偏差信
号eが供給されて遅延された目標信号uを減算し、制御
消音信号e’として係数演算器9に供給される。遅延器
50は遅延器10と同等であり、y→eまでの伝達経路
に相当する遅れに相当する。これによりフィルタ25に
より目標とする音色を有する音波を含む音波をスピーカ
3から発生し、他方、減算器52において、この目標と
する信号成分を遅延させ、時間的整合をとって目標とす
る成分を減算させているので、結果として係数演算器9
では、目標とする信号分がマスクされて供給されること
になり、結果として外方には目標とする音色の音波を発
生することができる。
【0053】図10は本発明の第9実施例の消音装置を
示し、第2実施例に対応する部分については同一の符号
を付し、その詳細な説明は省略する。
【0054】すなわち、本実施例においても、上記実施
例と同様に目標とする周波数特性を有するフィルタ25
を騒音信号xが通過し、目標信号uを形成し、これが第
1の加算器53及び第2の加算器54に供給され、ここ
で第1のアダプティブフィルタADF0 の出力y0 と第
2のアダプティブフィルタADF1 の出力y1 がそれぞ
れ加算され、これがアナログ変換され増巾されてスピー
カS0 、S1 に、目標とする音色の周波数特性を含む音
波を発生し、消音偏差マイクロフォンM0 、M1 により
消音偏差を検知されるが、これは減算器55、56、5
7、58において消音偏差信号e0 、e1 から遅延器D
00、D01、D10、D11と同様な伝達特性を有する遅延器
59、60、61、62により遅延された目標信号uが
減算され、その減算結果が係数演算器9a、9bに供給
され、この出力がアダプティブフィルタADF0 及びA
DF1 に供給される。上記実施例と同様に自動車の運転
席においてはエンジンの心地良い音を楽しむことができ
る。
【0055】以上、本発明の各実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発
明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0056】例えば以上の第3実施例においては、目標
特性フィルタ25の出力としてのマスキングノイズN
は、第1の加算器22及び第2の加算器23に供給さ
れ、係数演算器9には加算結果r’及びe’が供給され
るようにしたが、第1、第2の加算器22、23の何れ
か一方のみに供給しても目標とする音色の音波を発生す
ることができる。
【0057】又、以上の実施例においては、消音対象は
自動車のエンジンであったが、これに限ることなく、他
の機械であってもよく、その商品イメージに適合した音
色を形成するようにしてもよい。
【0058】又、以上の実施例ではエンジンの騒音を振
動検知器5により検出するようにしたが、これに限るこ
となく、その騒音に相関関係をもって、その騒音を検出
する手段であれば、何でも良い。例えば、マイクロフォ
ンであってもよく、上述の振動検知器はエンジンの何れ
の部分に取り付けるかは説明しなかったが、何れの位置
に取り付けても、その騒音と相関関係を持って騒音を検
出し得ることは明らかである。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように本発明の消音装置は、
消音対象がいかなるものであっても、消音結果をコント
ロールし、すなわち、聴覚上、不快な成分を消音し、好
ましい周波数成分を残留させることで、聴覚上、好まし
い音色を作り出すことができる。
【0060】又、聴覚上の不快感や違和感のない、消音
効果が得られる。例えば、内燃機関付きの自動車やオー
トバイ(二輪車)に対して、実施した場合には、以上の
他に次のような効果がある。すなわち、内燃機関が保有
する固有の音色を保持しつつ、聴覚上、不快な周波数成
分のみを低減することができる。従来は排気管の引き回
しや吸音材、遮音材などによってコントロールしていた
車内音や排気音の音色調整がフィルタに目標特性を与え
るだけで済み、非常に容易となる。又、スポーツカーや
オートバイなど趣味性のある車両について、重要なフィ
ーリングを損なうことなく、不快な音のみ消音できる。
又、排気音に関しては、車内において聴覚上、好ましい
音色を保持しながら、車外に放出される音圧レベルを下
げることができ、近隣住民に対する騒音が低減される。
そして、エンジンが異常音を発しても、その特長音を消
音してしまうことがないので、直ちにそれに対処するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による消音装置のブロック
図である。
【図2】同装置における目標逆特性フィルタの特性図で
ある。
【図3】本発明の第2実施例の消音装置のブロック図で
ある。
【図4】本発明の第3実施例の消音装置の要部のブロッ
ク図である。
【図5】本発明の第4実施例の消音装置の要部のブロッ
ク図である。
【図6】本発明の第5実施例による消音装置のブロック
図である。
【図7】本発明の第6実施例の消音装置の要部のブロッ
ク図である。
【図8】本発明の第7実施例の消音装置のブロック図で
ある。
【図9】本発明の第8実施例の消音装置のブロック図で
ある。
【図10】本発明の第9実施例の消音装置のブロック図
である。
【図11】上記実施例における雑音発生器の出力を目標
特性を有するフィルタを介して得られる周波数と音圧レ
ベル特性の関係を示すグラフである。
【図12】同フィルタを用いて結果として得られた音波
の周波数特性−音圧レベルである。
【図13】第1の従来例の消音装置のブロック図であ
る。
【図14】第2従来例の消音装置のブロック図である。
【図15】図14の消音装置を用いた自動車における各
部材の配置を示す運転席の斜視図である。
【図16】従来例の消音装置にかけられる騒音源の周波
数−音圧レベル特性及びその消音結果を示すが、(A)
が騒音源の周波数−音圧レベル特性、(B)は消音後の
周波数−音圧レベル特性である。
【符号の説明】
20 目標逆特性フィルタ 21a 目標特性フィルタ 21b 目標特性フィルタ 24 騒音発生器 25 目標特性フィルタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音波発生手段と、消音偏差検出手段と、
    騒音源の騒音を検出する騒音検出手段と、前記消音偏差
    検出手段の出力と前記騒音検出手段の出力とを受けて、
    前記騒音と大きさが等しく逆位相の音波を前記音波発生
    手段から発生させるための消音信号を形成させるための
    演算器とを備えた消音装置において、前記消音偏差検出
    手段の検出出力を、目標とする周波数特性と逆の周波数
    特性を有するフィルタを介して、前記演算器に供給する
    ようにしたことを特徴とする消音装置。
  2. 【請求項2】 音波発生手段と、消音偏差検出手段と、
    騒音源の騒音を検出する騒音検出手段と、前記消音偏差
    検出手段の出力と前記騒音検出手段の出力とを受けて、
    前記騒音と大きさが等しく逆位相の音波を前記音波発生
    手段から発生させるための消音信号を形成させるための
    演算器とを備えた消音装置において、雑音発生器の出力
    を、目標とする周波数特性を有するフィルタを通してマ
    スキングノイズを形成し、該マスキングノイズを前記騒
    音検出手段の出力と前記消音偏差検出手段の出力との両
    方又はこれらの何れか一方に加算した結果を前記演算器
    に供給するようにしたことを特徴とする消音装置。
  3. 【請求項3】 音波発生手段と、消音偏差検出手段と騒
    音源の騒音を検出する騒音検出手段力と、前記消音偏差
    検出手段の出力と前記騒音検出手段の出力とを受けて、
    前記騒音と大きさが等しく逆位相の音波を前記音波発生
    手段から発生させるための消音信号を形成させるための
    演算器とを備えた消音装置において、目標とする周波数
    特性を有するフィルタに前記騒音検出手段の検出出力を
    通した後、これを前記消音偏差検出手段の検出出力から
    減算し、この減算結果を前記演算器に供給するようにし
    たことを特徴とする消音装置。
  4. 【請求項4】 音波発生手段と、消音偏差検出手段と騒
    音源の騒音を検出する騒音検出手段と、前記消音偏差検
    出手段の出力と前記騒音検出手段の出力とを受けて、前
    記騒音と大きさが等しく逆位相の音波を前記音波発生手
    段から発生させるための消音信号を形成させるための演
    算器とを備えた消音装置において、前記騒音検出手段の
    出力を、目標とする周波数特性を有するフィルタに供給
    し、該フィルタの出力を前記演算器の消音信号に加算し
    て、該加算結果により前記音波発生手段を駆動し、前記
    フィルタの出力を遅延器を介して前記消音偏差検出手段
    の検出出力から減算し、該減算結果を前記演算器に供給
    するようにしたことを特徴とする消音装置。
JP7116457A 1995-04-18 1995-04-18 消音装置 Pending JPH08286679A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104471638A (zh) * 2012-07-02 2015-03-25 松下知识产权经营株式会社 有源降噪装置以及有源降噪方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104471638A (zh) * 2012-07-02 2015-03-25 松下知识产权经营株式会社 有源降噪装置以及有源降噪方法

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