JPH08285399A - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JPH08285399A
JPH08285399A JP7088904A JP8890495A JPH08285399A JP H08285399 A JPH08285399 A JP H08285399A JP 7088904 A JP7088904 A JP 7088904A JP 8890495 A JP8890495 A JP 8890495A JP H08285399 A JPH08285399 A JP H08285399A
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JP
Japan
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turbine
air
compressor
air conditioner
expander
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JP7088904A
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English (en)
Inventor
Tomiaki Ochiai
富明 落合
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原動機の駆動力を用いず、小型軽量、構造簡
単、低コストにする。 【構成】 エンジンの排気ガスの熱エネルギーで回転す
る排気駆動タービン19と、タービン19によって駆動
されるコンプレッサ23と、コンプレッサ23で高温高
圧にされた空気を冷却する熱交換機5と、熱交換機5か
らの冷気を断熱膨張させて更に冷却するタービン25
と、タービン19に流入する気体の流量を制御するバル
ブ11とを備え、コンプレッサ23とタービン25の各
動翼81、83がタービン19のインペラシャフト53
上で反対向きに支持され、タービン25で発生した冷気
で車室13を空調する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、車両のエア
コンシステムに用いられる空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平4−134198号公報に図4の
ような回転流体機械201が記載されている。
【0003】この回転流体機械201は、空調装置の主
要部を構成するものであり、ブロワ203とラジアルタ
ービン205と水冷の空気冷却器207などから構成さ
れている。ブロワ203とラジアルタービン205の各
インペラ209、211はモータ213の軸215を介
して直結されている。ブロワ203はモータ213によ
って回転駆動され、昇圧された高温の空気は水冷の空気
冷却器207で冷却された後、ラジアルタービン205
で断熱膨張して低温になり、空調などに供される。この
とき、ラジアルタービン205で発生した回転力はブロ
ワ203とモータ213とにフィードバックされてエネ
ルギーが回収される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この空調装置201を
車両に用いる場合は、モータ213はバッテリーで駆動
される。又、空調装置201は、モータ駆動でなく、ブ
ロワ203をエンジンで駆動するように構成される。
【0005】モータ213で駆動する場合でもバッテリ
ーを充電するためにオルタネータをエンジンで駆動しな
ければならないから、空調装置201はエンジンの出力
によって駆動されるように構成されており、空調装置2
01を駆動するための動力損失によってエンジンの燃費
が低下する。特に、エンジン駆動の場合は車両の加速性
に悪影響があり、加速性の低下を防ぐためには、加速時
に空調装置201をエンジンから切り離す装置が必要で
あり、それだけ構造が複雑になり、コストが上昇する。
その上、エンジン駆動の場合は空調装置201を充分に
高速回転させるために、増速機構が必要になり、更に構
造が複雑で大型になり、コストが上昇する。
【0006】そこで、この発明は、車両に用いた場合で
もエンジンの燃費を低下させず、加速性を損なわない、
構造簡単、小型軽量、低コストな空調装置の提供を目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の空調装置は、
高温の気体の熱エネルギーを回転力に変換するタービン
と、このタービンにより回転駆動される圧縮機と、この
圧縮機で発生した高温高圧の冷媒を冷却する冷却器と、
冷却器で冷却された冷媒を断熱膨張させると共に、その
動翼が前記圧縮機の動翼に連結された回転式の膨張機と
を備え、膨張機で発生した低温の冷媒を、直接又は間接
に、空調用に供することを特徴とする。
【0008】請求項2の空調装置は、圧縮機と膨張機の
各動翼が、共通の軸上で互いのスラスト力を打ち消し合
う方向に支持された請求項1の空調装置である。
【0009】請求項3の空調装置は、タービンと圧縮機
と膨張機の各動翼が、共通の軸上に支持され、この軸が
同一のベアリングで支承された請求項1又は2の空調装
置である。
【0010】請求項4の空調装置は、空気を冷媒として
用い、膨張機の断熱膨張で生じた冷気を空調用に供する
請求項1、2又は3の空調装置である。
【0011】請求項5の空調装置は、膨張機で冷却され
た冷媒を空気で加熱すると共に、加熱時に生じた低湿度
の冷気を空調用に供する加熱器を備えた請求項1、2又
は3の空調装置である。
【0012】請求項6の空調装置は、冷却器が空冷式で
あり、冷却器で冷媒を冷却することにより発生した暖気
を空調用に供する請求項1、2、3、4又は5の空調装
置である。
【0013】請求項7の空調装置は、タービンの入口側
に高温の気体をバイパスさせるバルブが配置された請求
項1、2、3、4、5又は6の空調装置である。
【0014】請求項8の空調装置は、高温の気体が車両
のエンジンの排気ガスであり、タービンが排気ガスの熱
エネルギーを回転力に変換する排気駆動タービンであ
り、車両の室内の空調用に用いられる請求項1、2、
3、4、5、6又は7の空調装置である。
【0015】
【作用】各請求項の空調装置は、高温の気体の熱エネル
ギーを回転力に変換するタービンと、このタービンによ
り回転駆動される圧縮機と、この圧縮機で発生した高温
高圧の冷媒を冷却する冷却器と、冷却器で冷却された冷
媒を断熱膨張させると共に、その動翼が前記圧縮機の動
翼に連結された回転式の膨張機とで構成されており、圧
縮機はタービンによって回転駆動され、発生した高温高
圧の冷媒は冷却器で冷却され、更に、膨張機で断熱膨張
して温度が下がり、直接又は間接に、空調用に供され
る。
【0016】このように、圧縮機をタービンで駆動する
ように構成し、従来例と異なってエンジンの出力を用い
ないから、エンジンの出力損失は発生しない。
【0017】又、圧縮機は高速回転のタービンで駆動さ
れるから、圧縮機を高速回転させるための増速機構が不
要になり、それだけ構造簡単、小型軽量、低コストにな
る。
【0018】更に、膨張機で発生した回転が圧縮機とタ
ービンにフィードバックされるから、空調装置の効率が
向上する。
【0019】請求項2の空調装置は、請求項1の空調装
置において、圧縮機と膨張機の各動翼が共通の軸上で互
いのスラスト力を打ち消し合う方向に支持されたもので
あり、これらの動翼を支持する共通軸のベアリング及び
スラスト力を受ける機構の負担が軽減され、これらの耐
久性が向上する。
【0020】請求項3の空調装置は、請求項1又は2の
空調装置において、タービンと圧縮機と膨張機の各動翼
を共通の軸上で支持し、この軸を同一のベアリングで支
承したものであり、タービンと圧縮機と膨張機の各動翼
を個別に支承するためのベアリングが不要であるから、
それだけ軸方向に小型になり、構造が簡単になり、部品
点数が低減し、軽量になる。
【0021】更に、圧縮機と膨張機の各動翼のスラスト
力が互いに打ち消し合う請求項2の構成は、このような
ベアリング個数の少ない支持構成で特に有利であり、軸
を支承するベアリングの負担が軽減し、耐久性が大幅に
向上する。
【0022】請求項4、5、6の各空調装置は、それぞ
れ、膨張機で発生した冷気(請求項4)、加熱器で冷媒
を加熱する際に発生した冷気(請求項5)、冷却器で冷
媒を冷却する際に発生した暖気(請求項6)を、空調に
用いるものであり、構造簡単、小型軽量で、扱い易い。
【0023】請求項7は、請求項1、2、3、4、5又
は6の空調装置において、タービンの入口側に高温の気
体をバイパスさせるバルブを配置したものであり、この
バルブによってタービンを駆動する気体の流量調整を行
えば、空調装置の回転数を制御し、あるいは空調装置を
停止させることが可能であり、例えば、高温の気体の熱
エネルギーが過剰なときに空調装置の過回転と耐久性低
下などを防止することができる。
【0024】請求項8は、請求項1、2、3、4、5、
6又は7の空調装置を車両に用い、排気駆動タービンで
圧縮機を駆動するように構成したものである。
【0025】従来例と異なって、エンジンの出力を圧縮
機の駆動に用いないから、エンジンの出力損失が発生せ
ず燃費が向上する。又、膨張機の回転が圧縮機と排気駆
動タービンにフィードバックされ、空調装置の効率を改
善する。
【0026】更に、高速回転する排気駆動タービンで圧
縮機を駆動するから増速機構が不要である。又、エンジ
ンの出力を用いないから車両の加速性が損なわれず、加
速性の低下を防止するためにエンジンと空調装置とを切
り離す装置が不要である。従って、それだけ低コストに
なると共に、構造簡単、小型軽量であり、車載性が向上
する。
【0027】
【実施例】図1、2により本発明の第1実施例を説明す
る。この実施例は請求項1、2、3、4、7、8の特徴
を備えている。図1は車両に用いられた実施例のエアコ
ンシステム1(空調装置)の構成を示し、図2はこのエ
アコンシステム1の回転機構部3を示している。なお、
符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0028】図1のように、エアコンシステム1は、回
転機構部3、熱交換機5(冷却器)、排気ガスの流入路
7及び流出路9、ウェストゲートバルブ11(バル
ブ)、車室13、車室13への吐き出し流路15、車室
13からの吸い込み流路17などから構成されている。
【0029】図2のように、回転機構部3は、排気駆動
タービン19、ベアリング部21、コンプレッサ23
(圧縮機)、タービン25(膨張機)などから構成され
ている。
【0030】排気駆動タービン19のタービンハウジン
グ27には、その入口29に排気ガスの流入路7が接続
され、出口31に流出路9が接続されている。又、流入
路7と流出路9との間にはバイパス路33が設けられて
おり、ウェストゲートバルブ11はバイパス路33の流
入路7側開口に配置されている。
【0031】矢印35のように、流入路7から流入した
エンジンの排気ガスは排気駆動タービン19のインペラ
37(動翼)を回転させて、矢印39のように、流出路
9から流出する。このとき、ウェストゲートバルブ11
を全開すると、排気ガスはバイパス路33を介して流入
路7から流出路9にバイパスし、排気駆動タービン19
の回転は停止する。又、ウェストゲートバルブ11の開
度を調節すると、排気駆動タービン19の回転数を調節
できる。この排気駆動タービン19は排気ガスの熱エネ
ルギーが低い状態(例えば、アイドリング時のようにエ
ンジン回転数が低い場合)でも作動する。
【0032】図1のように、ベアリング部21は、ベア
リングハウジング41、ベアリングホルダ43、一対の
ボールベアリング45、オイルフィルムダンパ47など
を備えている。
【0033】ベアリングハウジング41は、連結部材4
9とボルト51とでタービンハウジング27に固定され
ている。ボールベアリング45はベアリングホルダ43
の内周に配置されており、インペラ37が固定されたイ
ンペラシャフト53を支承している。ベアリングハウジ
ング41の給油口55には、矢印57のようにオイルが
供給され、このオイルはベアリングハウジング41の内
部を潤滑し冷却して、矢印59のように、排油口61か
ら排出される。オイルフィルムダンパ47はこのオイル
によってベアリングハウジング41とベアリングホルダ
43の外周との間に形成され、振動を吸収しながらベア
リングホルダ43などをフローティング支持する。
【0034】コンプレッサハウジング63は、連結部材
65とボルト67とでベアリングハウジング41に固定
されており、タービンハウジング69は、コンプレッサ
ハウジング63の周溝71に係合した連結部材73とボ
ルト75とでコンプレッサハウジング63に固定されて
いる。各ハウジング63、69の間には断熱材のフラン
ジ77が配置され、コンプレッサ23とタービン25の
間の熱洩れを防止している。又、このフランジ77とタ
ービンハウジング69との間にはコンプレッサ23とタ
ービン25の間の圧洩れを防止するシール79が配置さ
れている。
【0035】コンプレッサ23とタービン25の各イン
ペラ81、83(動翼)は排気駆動タービン19のイン
ペラシャフト53上に支持され、ナット85で脱落を防
止されている。こうして、インペラ81、83はインペ
ラシャフト53(共通の軸)上に支持されることによ
り、ベアリング部21(同一のベアリング)によってイ
ンペラシャフト53を介して片持ち支持されている。
【0036】又、インペラ81、83は互いのスラスト
力が相殺し合うように、反対向きに配置されており、ボ
ールベアリング45、45及びベアリング部21に設け
られたスラスト力を受ける機構に掛かる負担を低減し、
これらの耐久性を大幅に向上させている。
【0037】コンプレッサハウジング63の吸入口87
は吸い込み流路17を介して車室13に接続され、吐出
口89は吐き出し管路91を介して熱交換機5に接続さ
れている。又、タービンハウジング69の入口93は管
路95を介して熱交換機5に接続され、出口97は流路
15を介して車室13に接続されている。
【0038】排気駆動タービン19の回転は、インペラ
シャフト53を介して各インペラ81、83を回転さ
せ、コンプレッサ23とタービン25とを駆動する。
【0039】駆動されたコンプレッサ23は、矢印99
のように、車室13から暖まった空気(冷媒)を吸い込
んで加圧する。熱交換機5はコンプレッサ23で加圧さ
れ高温になった空気を冷却する。タービン25は冷却さ
れた空気を断熱膨張させて更に冷却し、矢印101のよ
うに、この冷気を車室13に吹き込んで空調する。
【0040】こうして、エアコンシステム1が構成され
ている。
【0041】上記のように、エアコンシステム1(回転
機構部3)は、コンプレッサ23を排気駆動タービン1
9で駆動するように構成し、従来例と異なって、エンジ
ンの出力をコンプレッサ23の駆動に用いないから、エ
ンジンの出力損失が発生せず、燃費が向上する。
【0042】又、高速回転する排気駆動タービン19で
コンプレッサ23を駆動するから増速機構が不要である
と共に、エンジンの出力損失がないから車両の加速性が
損なわれず、加速性の低下を防止するためにエンジンと
回転機構部3とを切り離す装置が不要である。従って、
それだけ低コストになると共に、構造簡単、小型軽量で
あり、車載性に優れている。
【0043】更に、各インペラ37、81、83をイン
ペラシャフト53上に配置したから、タービン25で発
生したインペラ83の回転がインペラシャフト53を介
してインペラ81、37にフィードバックされ、コンプ
レッサ23と排気駆動タービン19の回転を促進すると
共に、エネルギーが回収されて、エアコンシステム1の
効率が向上する。
【0044】又、インペラ81、83が互いのスラスト
力を相殺し合うからベアリング部21の負担が低減し耐
久性が大幅に向上する。
【0045】これに加えて、インペラ81、83がイン
ペラシャフト53を介してベアリング部21によって片
持ち支持されているから、これらのインペラ81、83
を個別に支承するためのベアリングが不要であり、それ
だけ軸方向に小型になり、構造が簡単になり、部品点数
が低減し、軽量になる。又、インペラ81、83のスラ
スト力が互いに打ち消し合う構成は、このようにベアリ
ング個数の少ない支持構成で特に有利であり、ベアリン
グ部21の負担が軽減し、耐久性が大幅に向上する。
【0046】更に、ウェストゲートバルブ11の操作に
よって排気駆動タービン19の回転数制御と回転停止な
どを行えるから、エンジンが高速回転し排気ガスの熱エ
ネルギーが過剰なときに回転機構部3の過回転と耐久性
低下などを防止することができる。
【0047】以上のように、エアコンシステム1は回転
機構部3の小型軽量化により、車載性に優れ、低コスト
である。
【0048】次に、図2により本発明の第2実施例を説
明する。この実施例は請求項1、2、3、5、7、8の
特徴を備えており、第1実施例と同様に、車両のエアコ
ンシステム103(空調装置)を構成している。なお、
図2と以下の説明の中で第1実施例と同じ機構及び機能
には同一の符号を与えて引用すると共に、これらの説明
は省く。
【0049】図2のように、エアコンシステム103
は、回転機構部3、熱交換機5(冷却器)、排気ガスの
流入路7及び流出路9、ウェストゲートバルブ11(バ
ルブ)、車室13、吐き出し流路15、吸い込み流路1
7、熱交換機105(加熱器)、ブロア107などから
構成され、回転機構部3は、排気駆動タービン19、ベ
アリング部21、コンプレッサ23、タービン25など
から構成されている。
【0050】熱交換機105は、各流路15、17を介
してタービン25の出口97とコンプレッサ23の吸入
口87との間に接続されており、ブロア107は車室1
3から暖まった空気を熱交換機105に供給し、冷気を
車室13へ吹き込む。タービン21、コンプレッサ2
3、熱交換機5、105の冷媒には、第1実施例と同様
に、空気が用いられている。
【0051】コンプレッサ23は排気駆動タービン19
によって駆動され、系内の冷媒空気を加圧し、熱交換機
5は加圧された空気を冷却し、タービン25は冷却され
た空気を断熱膨張させて更に冷却する。熱交換機105
は車室13で温度が上昇しブロア107によって吹き付
けられた空気を低温の冷媒空気と熱交換し、除湿しなが
ら冷却する。冷却された低湿度の冷気はブロア107に
よって車室13に吹き込まれ、車室13の空調に供され
る。
【0052】又、コンプレッサ23は熱交換機105で
の熱交換によって加熱された冷媒空気を吸入し、圧縮す
る。
【0053】こうして、エアコンシステム103が構成
されている。
【0054】エアコンシステム103は、実施例1のエ
アコンシステム1と同様に、回転機構部3の小型軽量化
により、車載性がよく低コストであると共に、上記のよ
うに、熱交換機105を用いたことによって低湿度の冷
気が得られ車室13の快適性が向上する。
【0055】なお、各実施例のように、熱交換機5(冷
却器)を空冷式にすれば熱交換によって発生した暖気を
空調に用いることができる。
【0056】請求項6は、請求項1、2、3、4又は5
の空調装置をこのように構成したものであり、冷房から
暖房まで幅の広い温度範囲で空調が可能である。又、暖
気を得るためのヒータが不要になるか、又はヒータの容
量を小さくすることができる。
【0057】又、本発明の空調装置は、車両用の空調装
置に限定されない。例えば、ボイラーの蒸気を利用し
て、居住空間あるいは空調が必要な倉庫などの空調にも
用いることができる。
【0058】以上の実施例は、圧縮機と膨張機と圧縮機
を駆動するタービンのそれぞれに遠心式のものを用いた
例であるが、これらは遠心式に限定されない。例えば、
遠心式以外のターボ型のもの、あるいはスクリュ式、ベ
ーン式、スクロール式のような容積形のものでもよい。
【0059】
【発明の効果】各請求項の空調装置は、高温の気体の熱
エネルギーで回転するタービンで圧縮機を駆動し、圧縮
された冷媒を冷却器で冷却し、更に膨張機で断熱膨張さ
せた低温の冷媒を、直接又は間接に、空調用に供する。
【0060】このように、エンジンの出力を用いずに、
圧縮機をタービンで駆動するように構成したから、従来
例と異なってエンジンの出力損失が生じない。
【0061】又、圧縮機を高速回転のタービンで駆動す
るように構成したことにより、圧縮機を高速回転させる
ための増速機構が不要になり、それだけ構造が簡単で、
低コストになる。更に、膨張機の回転が圧縮機とタービ
ンにフィードバックされ、空調装置の効率を向上させ
る。
【0062】請求項2の空調装置は、請求項1の空調装
置において、圧縮機と膨張機の各動翼を共通の軸上で互
いのスラスト力を打ち消し合うように反対向きに支持し
たことにより、これらの動翼を支持する軸のベアリング
及びスラスト力を受ける機構などの負担が軽減され、こ
れらの耐久性が向上する。
【0063】請求項3の空調装置は、請求項1又は2の
空調装置において、タービンと圧縮機と膨張機の各動翼
を共通の軸上で支持し、この軸を同一のベアリングで支
承したことにより、タービンと圧縮機と膨張機の各動翼
を個別に支承するためのベアリングが不要になり、それ
だけ軸方向に小型になり、構造が簡単になり、部品点数
が低減し、軽量になる。
【0064】更に、圧縮機と膨張機の各動翼のスラスト
力が互いに打ち消し合う請求項2の構成は、このような
ベアリング個数の少ない支持構成で特に有利であり、軸
を支承するベアリングの負担が軽減し、耐久性が大幅に
向上する。
【0065】請求項4、5、6の各空調装置は、それぞ
れ、膨張機で発生した冷気(請求項4)、加熱器で冷媒
を加熱する際に発生した冷気(請求項5)、冷却器で冷
媒を冷却する際に発生した暖気(請求項6)を、空調に
用いるものであり、構造簡単、小型軽量で、扱い易い。
【0066】請求項7は、請求項1、2、3、4、5又
は6の空調装置において、タービンの入口側にバルブを
配置して気体の流量を制御することにより、空調装置の
回転数を制御しあるいは空調装置を停止させることを可
能にし、気体の熱エネルギーが過剰なときに空調装置の
過回転と耐久性低下などを防止することができる。
【0067】請求項8は、請求項1、2、3、4、5、
6又は7の空調装置を車両に用い、排気駆動タービンで
圧縮機を駆動するように構成したことにより、従来例と
異なって、エンジンの出力を用いないから、燃費と車両
の加速性とが向上する。又、加速性の低下を防止するた
めの切り離し装置と増速機構とが不要であるから、それ
だけ構造簡単、小型軽量、低コストであり、車載性が向
上する。又、膨張機の回転のフィードバックによって高
い効率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成を示す図である。
【図2】各実施例の回転機構部を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の構成を示す図である。
【図4】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1、103 エアコンシステム(空調装置) 5 熱交換機(冷却器) 11 ウェストゲートバルブ(バルブ) 19 排気駆動タービン(タービン) 21 ベアリング部(同一のベアリング) 23 コンプレッサ(圧縮機) 25 タービン(膨張機) 37、81、83 インペラ(動翼) 53 インペラシャフト(共通の軸) 105 熱交換機(加熱器)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温の気体の熱エネルギーを回転力に変
    換するタービンと、このタービンにより回転駆動される
    圧縮機と、この圧縮機で発生した高温高圧の冷媒を冷却
    する冷却器と、冷却器で冷却された冷媒を断熱膨張させ
    ると共に、その動翼が前記圧縮機の動翼に連結された回
    転式の膨張機とを備え、膨張機で発生した低温の冷媒
    を、直接又は間接に、空調用に供することを特徴とする
    空調装置。
  2. 【請求項2】 圧縮機と膨張機の各動翼が、共通の軸上
    で互いのスラスト力を打ち消し合う方向に支持された請
    求項1の空調装置。
  3. 【請求項3】 タービンと圧縮機と膨張機の各動翼が、
    共通の軸上に支持され、この軸が同一のベアリングで支
    承された請求項1又は2の空調装置。
  4. 【請求項4】 空気を冷媒として用い、膨張機の断熱膨
    張で生じた冷気を空調用に供する請求項1、2又は3の
    空調装置。
  5. 【請求項5】 膨張機で冷却された冷媒を空気で加熱す
    ると共に、加熱時に生じた低湿度の冷気を空調用に供す
    る加熱器を備えた請求項1、2又は3の空調装置。
  6. 【請求項6】 冷却器が空冷式であり、冷却器で冷媒を
    冷却することにより発生した暖気を空調用に供する請求
    項1、2、3、4又は5の空調装置。
  7. 【請求項7】 タービンの入口側に高温の気体をバイパ
    スさせるバルブが配置された請求項1、2、3、4、5
    又は6の空調装置。
  8. 【請求項8】 高温の気体が車両のエンジンの排気ガス
    であり、タービンが排気ガスの熱エネルギーを回転力に
    変換する排気駆動タービンであり、車両の室内の空調用
    に用いられる請求項1、2、3、4、5、6又は7の空
    調装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100813522B1 (ko) * 2007-04-04 2008-03-17 국방과학연구소 기체온도 정밀 조절장치

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