JPH08285008A - 空気ばね式免震構造体 - Google Patents

空気ばね式免震構造体

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JPH08285008A
JPH08285008A JP10795095A JP10795095A JPH08285008A JP H08285008 A JPH08285008 A JP H08285008A JP 10795095 A JP10795095 A JP 10795095A JP 10795095 A JP10795095 A JP 10795095A JP H08285008 A JPH08285008 A JP H08285008A
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plate
air
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air chamber
elastic
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Osamu Onishi
治 大西
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Toyo Tire Corp
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴム状の弾性板および補強板を交互に積層
してなる免震構造体において、この積層体内に空気室を
形成し、この空気室に圧縮空気を充填して空気ばねの機
能を付加することにより、積層体が有する水平方向の柔
らかい弾性を活かし、しかも鉛直方向の剛性を低減して
上下方向の振動吸収能力を向上させ、かつ長期間の使用
による鉛直方向の永久歪みを解消する。 【構成】 弾性板11および補強板12の各中央に1
個の大きな孔を開口して積層体を中空の柱状体10に形
成し、その上面に上面板15を、下面に下面板16をそ
れぞれ固定して柱状体10の中空部を気密な空気室に形
成し、この空気室に圧縮空気供給のための圧力源18を
接続し、この圧縮空気の圧力を調節して柱状体10の高
さを一定に維持するための圧力調節装置を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建物および機械等に
おける上下振動および水平振動の双方を吸収するための
空気ばね式免震構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建物等の地上構造物と基礎との間に介在
させて地震の揺れを吸収し緩衝するための免震構造体と
して、ゴム状の弾性板および補強板(例えば、鋼板)を
交互に積層して柱状としたものが知られている。この免
震構造体は、弾性板と補強板とが互いに接着されていて
外力によるゴムの動きが補強板で拘束されるため、鉛直
方向の圧縮に対しては高い剛性を示し、水平方向の剛性
の1600〜2000倍になって弾性板の膨らみが小さ
くなる反面、水平方向の剪断力に対しては大きく変形
し、かつ元に戻る性質を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の免震構造体は、
鉛直方向には高い剛性を有し、建物等の地上構造物を傾
けることなく所定の高さに支持することができ、かつ比
較的規模の小さい地震に対しては水平方向の柔らかい弾
性によって振動を吸収することができるが、上記のとお
り鉛直方向の剛性が高いため、鉛直方向の強い地震に対
しては免震効果が不十分であった。そして、鉛直方向の
剛性を低くするため、上記ゴム状の弾性板の厚みを増し
て補強板の枚数を減らした場合は、鉛直力による弾性板
の撓みが増すと共に、長期間の使用でゴムのクリープ現
象が生じて鉛直方向の撓みが更に増大し、支持高さが変
化したり、建物等が傾いたりする等の問題があった。
【0004】この発明は、上記の積層体内に空気室を形
成し、この空気室に圧縮空気を充填して空気ばねの機能
を付加することにより、上記の積層体からなる免震構造
体が有する水平方向の柔らかい弾性を活かし、しかも鉛
直方向の剛性を低減して上下方向の振動吸収能力を向上
させ、かつ長期間の使用による鉛直方向の永久歪みを解
消できるようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の空気ばね式免
震構造体は、ゴム状の弾性板および補強板を交互に積層
してなる柱状の免震構造体において、上記の弾性板およ
び補強板の各中央に1個の大きな孔を開口して上記の積
層体を中空の柱状体に形成し、この中空の柱状体の上面
に上面板を、下面に下面板をそれぞれ固定して上記柱状
体の中空部を気密な空気室に形成し、この空気室に圧縮
空気供給のための圧力源を接続し、この圧縮空気の圧力
を調節して上記柱状体の高さを一定に維持するための圧
力調節装置を設けたことを特徴とする。
【0006】上記ゴム状の弾性板は、従来の積層体から
なる免震構造体に使用されたものと同様のものであり、
天然ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、
エチレンプロピレンジエンゴム、ニトリルゴム、ハロゲ
ン化ゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレ
ンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン酢ビゴ
ム、可塑化ビニルゴム等のゴムで成形された板であり、
その剪断弾性率は、3〜20kg/cm2 が、また厚さは5
〜30mmがそれぞれ好ましい。
【0007】また、補強板は、金属、セラミックス、繊
維積層板(ただし、ゴムを含浸して非通気性としたも
の)、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂およびFRP等で製
造することができ、熱可塑性樹脂としてはポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリ
塩化ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアセタ
ール、エチルセルロース等が、熱硬化性樹脂としてはフ
ェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、エポ
キシ樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂等が例示され
る。なお、これらの補強板の厚みは2〜10mmが好まし
い。
【0008】上記の弾性板および補強板は、中央部に比
較的大きい孔を設けた閉曲線形状の環状体であり、その
外形および孔の形状は、円形、正方形、長方形、楕円
形、小判形等の任意形状に形成することができる。そし
て、上記の外形および孔形状は、必ずしも相似形である
必要はなく、外形を円形とし、孔を正方形としたり、外
形を正方形とし、孔を円形としたりすることができる。
ただし、上記弾性板の面積と穴面積(空気室の断面積)
との比率は2/10〜8/10が好ましい。そして、補
強板は弾性板とほぼ同じ形状に、好ましくは弾性板の全
面を被覆する程度に若干大きく形成される。
【0009】上記環状の弾性板および補強板を交互に積
層することにより柱状体が形成されるが、弾性板および
補強板の接触部は、加硫接着によって気密に接合するこ
とが好ましい。また、1個の柱状体を高さの低い複数個
の柱状体に分割した形で個別に加硫接着によって形成
し、得られた高さの低い複数個の柱状体をシール材と交
互に重ねて接合することができる。しかして、柱状体を
構成する弾性板の積層枚数は、2〜30枚が好ましく、
積層体の高さが一定の場合に積層枚数が少ないと、鉛直
方向のばね定数が低くなり、反対に多過ぎると、上記ば
ね定数が大きくなって好ましくない。
【0010】上記柱状体の上面に固定される上面板およ
び下面に固定される下面板は、前記補強板と同様の材料
で作ることができる。この上面板および下面板は、柱状
体の上面および下面の全面を覆う形に形成されるが、柱
状体の上端を構成する弾性板に加硫接着する形で固定し
てもよく、また柱状体の上端を構成する補強板にシール
材を介して重ねて締結により固定してもよい。そして、
この上面板および下面板の少なくとも一方には、柱状体
の内側の空気室に圧縮空気を供給するための通気口が設
けられ、この通気口に圧縮空気の供給源が接続され、更
にこの圧縮空気の圧力を調節して上記柱状体の高さを一
定に維持するための圧力調節装置が設けられる。そし
て、上記の空気室には、該空気室と連通する補助タンク
を接続することができるが、この補助タンクは、上記圧
縮空気の供給側に設けてもよく、反対側に設けてもよ
い。そして、上記の空気室と補助タンクとを接続する連
通路には絞り(オリフィス)を設けて空気の流れの粘性
摩擦による適度な減衰力を得ることができる。
【0011】
【作用】この発明の空気ばね式免震構造体においては、
中空の柱状体を構成する多層の弾性板および空気室に充
填された圧縮空気すなわち空気ばねの部分が並列で鉛直
方向の圧縮荷重を負担する。この場合、上記空気ばね式
免震構造体の全体における鉛直方向のばね定数をKv、
多層の弾性板による鉛直方向のばね定数をKr、空気ば
ね部分のばね定数をKaとすると、上記免震構造体にお
ける鉛直方向のばね定数Kvは式 Kv=Kr+Ka で表される。ここで、上記多層の弾性板によるばね定数
Krは、弾性板の孔が大きいほど補強板による拘束が減
少するため(ただし、弾性板の面積は一定とする)、孔
が大きくなるにしたがって低下する。
【0012】そして、空気ばね部分の受圧面積(空気室
の断面積)をA、空気室内の容積をVs、補助タンクの
容積をVt、封入空気の圧力(ゲージ圧)をP、受圧面
積の鉛直方向変化率をdA/dx、空気のポリトロピッ
ク指数をγとすると、上記空気ばね部分のばね定数Ka
は、一般に式 Ka=γ(1+P)A2 /(Vs+Vt)+P・dA/
dx+K0 で表される。ただし、K0 は一般のゴム膜式空気ばねの
膜剛性であり、この発明では前記多層の弾性板よる鉛直
方向のばね定数Krに相当する。
【0013】すなわち、空気ばね部分の受圧面積(空気
室の断面積)を大きくしたり、空気室の充填空気圧を大
きくしたりして空気ばね部分の荷重分担を大きくし、か
つ上記の免震構造体を、柱状体の撓み(圧縮量)が小さ
く、高さが一定に維持される状態で使用することによ
り、免震構造体の全体のばね定数Kvを小さくし、鉛直
方向の振動を吸収し易くすることができる。特に、補助
タンクを設けた場合は、中空の柱状体の構造や形状を変
えなくても、また空気室の形状や圧縮空気圧を変更しな
くても、補助タンクの容積Vtを大きくすることによ
り、空気ばね部分のばね定数を小さくし、免震性能を一
層向上することができる。
【0014】そして、上記免震構造体の全体のばね定数
Kvを小さくすることにより、鉛直方向の静的撓みが増
大するが、圧縮空気の圧力調節装置で上記空気室の圧縮
空気圧力を調節することにより、上記柱状体の高さを一
定に維持することができ、これによって上記静的撓みの
増大を防ぐことができる。一方、水平振動は、中空の柱
状体を構成する多層の弾性板の剪断変形によって吸収さ
れる。また、水平力による柱状体の断面変形は、上記の
弾性板と交互に積層されている硬質の補強板によって防
止される。
【0015】ただし、弾性板の剪断弾性率が3kg/cm2
未満では、剛性が不足して歪みが大きくなると共に、長
期の使用でクリープが生じて直径方向の永久変形が増大
し、反対に20kg/cm2 を超えると、剛性が過大になっ
て適正な緩衝作用が得られない。また、上記弾性板の厚
さが5mm未満では、剪断歪み率が増大して補強板との接
着部に大きな剪断力が発生して剥離し易くなり、反対に
30mmを超えると、空気室の内圧に対する強度が低下
し、いずれも好ましくない。また、上記の空気ばね式免
震構造体において、弾性板の面積と空気室の断面積との
比率が2/10未満では、空気室の内圧に対する弾性板
の強度が不十分となり、反対に8/10を超えると、空
気室に内圧を充填することの効果が得られなくなる。
【0016】
【実施例】図1において、11はゴムからなる環状の弾
性板で、図5に示すように、円板の中央に同心円形状の
孔11aを設けて形成されている。この弾性板11は、
鋼板からなる環状の補強板12(図1参照)と交互に重
ねられ、相互に加硫接着によって強固に接合され、中空
の柱状体10を形成している。なお、補強板12は、中
央に上記の弾性板11と同じ大きさの孔12aを有して
いるが、外径は弾性板11よりも若干大きく作られてい
る。そして、最上層の弾性板11Aの上面に該弾性板1
1Aに比べて外径が大きく、内径が小さい鋼板製の上面
取付け板13が、また最下層の弾性板11Bの下面に上
記の上面取付け板13と同様の下面取付け板14がそれ
ぞれ加硫接着によってフランジ状に接合されて中空の柱
状体10が形成される。なお、上面取付け板13の内周
縁が最上層の弾性板11Aの内周縁で、また下面取付け
板14の内周縁が最下層の弾性板11Bの内周縁でそれ
ぞれ被覆される。
【0017】上記の上面取付け板13の上には同じく鋼
板製の上面板15が、また下面取付け板14の下には同
じく鋼板製の下面板16がそれぞれ固定される。この上
面板15および下面板16は、上面取付け板13および
下面取付け板14と等しい外径を有する円板の中央部に
通気口15a、16aを突設したものであり、その外周
部分の数箇所がネジ17で上面取付け板13および下面
取付け板14に接続される。このとき、上面板15が上
面取付け板13の内側で最上層の弾性板11Aの内周縁
と、また下面板16が下面取付け板14の内側で最下層
の弾性板11Bの内周縁とそれぞれ接するため、上面板
15および下面板16の取付け面がシールされる。そし
て、上面板15の通気口15aに圧力調整装置を備えた
圧力源18が接続され、下面板16の通気口16aに補
助タンク19が接続される。
【0018】図2は、中空の柱状体10を補助タンク1
9上に乗せ、これらを基礎20と建物21との間に介設
した例を示す。ただし、柱状体10上の上面板15は通
気口を欠如し、下面板16のみが中央に通気口16aを
有し、この通気口16aが補助タンク19の上面に開口
し、この通気口16aに好ましくは絞り(図示されてい
ない)が設けられる。そして、補助タンク19の側面の
給気口19aに空気パイプ23を介して圧力調整弁2
4、空気溜め25および空気圧縮機26が順に接続さ
れ、圧力調整弁24の回転自在の弁体(図示されていな
い)がリンク機構27を介して建物21の下面に連結さ
れ、建物21の昇降に応じて上記弁体を回転させて開度
を調節し、建物21の高さを一定に維持するようになっ
ている。なお、21aは当板である。
【0019】図3に示す柱状体10は、図1の上面取付
け板13を省略し、最上層の弾性板11に上面板15を
加硫接着により直接固定したものである。また、図4に
示す実施例は、中空の柱状体を上下の2部分に分けて成
形し、しかるのち接合したものである。すなわち、上面
板15と補強板12と内径が等しく外径が大きい中間板
12Aとの間に複数枚の弾性板11および補強板12を
交互に重ね、これらを加硫接着によって一体化する一
方、上記同様の中間板12Aと下面板16との間に複数
枚の弾性板11および補強板12を交互に重ね、これら
を加硫接着によって一体化する。そして、上下2枚の中
間板12Aの間に該中間板12Aと同じ形状のシール用
弾性板11Cを挟み、これらを複数組の締結具17Aに
よって接合する。
【0020】図5ないし図8は、ゴム状弾性板の形状を
例示するものであり、図5の弾性板11は前記のとおり
円板の中央に円形の孔を開けたもの、図6の弾性板11
Dは正方形を膨らました外形の板の中央に外形と近似す
る形の孔を開けたもの、図7の弾性板11Eは円板の中
央にほぼ正方形の孔を開けたもの、図8の弾性板11F
は長方形の板に繭形の孔を開けたものである。
【0021】図1の構造を有する空気ばね式免震構造体
の実施例1を試作し、空気室を有しない弾性板と補強板
とからなる比較例1および空気室を有するが、該空気室
に圧縮空気を充填しない比較例2と鉛直剛性(鉛直荷重
10トンを加えて生じる鉛直方向の単位変位当たり鉛直
荷重)および水平剛性(鉛直荷重10トンの下で水平力
を加えて生じる水平方向の単位変位当たり水平力)を比
較した。その結果を下記の表1に示す。
【0022】 表 1 比較例1 比較例2 実施例1 弾性板の弾性率(kg/cm2 ) 8 8 8 弾性板の厚さ(cm) 2 2 2 弾性板の枚数(枚) 8 8 8 弾性板の外径(cm) 35.7 50 46 弾性板の内径(cm) − 35 35 弾性板の面積(cm2 ) 4003.5 4003.5 2797.7 補強板の厚さ(mm) 3.2 3.2 3.2 補強板の枚数(枚) 7 7 7 柱状体の高さ(cm) 206 206 206 空気室の断面積(cm2 ) 0 3846.5 3846.5 空気室の容積(cm3 ) 0 1820 1820 弾性板面積/空気室断面積 0 1.04 0.73 充填空気圧(kg/cm2 ) 0 0 3.12 鉛直剛性(ton /cm) 50.6 10.2 4.5 水平剛性(ton /cm) 500 500 350
【0023】表1に示すとおり、比較例2は、弾性板面
積を比較例1と等しくし、かつ空気室の断面積を弾性板
面積とほぼ等しくしたものであるが、空気室を形成した
ことにより、弾性板に対する補強板の拘束が減少して鉛
直剛性が比較例1の約1/5に低下した。しかし、空気
室に内圧が充填されないため、長期間の使用で弾性板に
永久歪みが発生する。これに対して実施例1は、空気室
断面積を比較例2と等しくし、弾性板面積を比較例2の
70%に狭く設定し、かつ空気室に圧縮空気を充填した
ため、鉛直剛性が比較例1の10%以下(比較例2の半
分以下)に、また水平剛性が比較例1、2の70%にそ
れぞれ低下し、しかも弾性板における永久歪みの発生が
防止される。
【0024】上記実施例1の空気室に補助タンクを接続
して上記同様に10トンの鉛直荷重下で鉛直剛性を比較
した。その結果を下記の表2に示す。 表 2 実施例2 実施例3 実施例4 補助タンクの容量(リットル) 10 30 60 鉛直剛性(ton /cm) 4.44 4.40 4.36
【0025】
【発明の効果】請求項1に記載した発明は、ゴム状の弾
性板および補強板を交互に積層してなる柱状の免震構造
体において、上記の弾性板および補強板の各中央に1個
の大きな孔を開口して上記の積層体を中空の柱状体に形
成し、この中空の柱状体の上面に上面板を、下面に下面
板をそれぞれ固定して上記柱状体の中空部を気密な空気
室に形成し、この空気室に圧縮空気供給のための圧力源
を接続し、この圧縮空気の圧力を調節して上記柱状体の
高さを一定に維持するための圧力調節装置を設けたもの
であるから、弾性板および補強板を交互に積層しただけ
の免震ゴムに比べ、水平方向の剛性をほとんど変えずに
鉛直方向の剛性を大幅に低下させることができる。した
がって、建物等の構造物の免震装置として使用すること
により、水平振動だけでなく、上下方向の大きな振動も
吸収することが可能になる。そして、柱状体の高さを一
定に制御することにより、弾性板に過大な荷重が加わる
のを防ぐことができ、そのため永久歪みが発生しない。
【0026】請求項2に記載した発明は、請求項1に記
載した発明において、空気室に該空気室と連通する補助
タンクが接続されたものであるから、補助タンクが無い
場合に比べて空気ばね部分のばね定数を小さくし、かつ
空気室の圧力変動を小さくすることができる。
【0027】請求項3に記載した発明は、請求項1また
は2に記載された発明において、弾性板の剪断弾性率を
3〜20kg/cm2 とし、厚さを5〜30mmとしたもので
あるから、空気ばね部分と合わせて特に広範囲のばね定
数の選定が可能になる。
【0028】請求項4に記載した発明は、請求項3に記
載された発明において、弾性板の面積および空気室の断
面積の比率を2/10〜8/10に設定したものてある
から、鉛直剛性と水平剛性のバランスが良好で、鉛直方
向および水平方向の振動の双方を一層効果的に吸収する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の縦断面図である。
【図2】圧力調整装置の一例を示す縦断面図である。
【図3】中空柱状体の第2の例を示す縦断面図である。
【図4】中空柱状体の第3の例を示す縦断面図である。
【図5】弾性板の一例を示す横断面図である。
【図6】弾性板の第2の例を示す横断面図である。
【図7】弾性板の第3の例を示す横断面図である。
【図8】弾性板の第4の例を示す横断面図である。
【符号の説明】
10:柱状体 11、11A、11B:11D、11E、11F:ゴム
状弾性板 11a:孔 11C:シール用弾性板 12:補強板 12a:孔 12A:中間板 13:上面取付け板 14:下面取付け板 15:上面板 16:下面板 15a、16a:通気口 17:ねじ 17A:締結具 18:圧力調整装置を備えた圧力源 19:補助タンク 20:基礎 21:建物 23:空気パイプ 24:圧力調整弁 25:空気溜め 26:空気圧縮機 27:リンク機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状の弾性板および補強板を交互に積
    層してなる柱状の免震構造体において、上記の弾性板お
    よび補強板の各中央に1個の大きな孔を開口して上記の
    積層体を中空の柱状体に形成し、この中空の柱状体の上
    面に上面板を、下面に下面板をそれぞれ固定して上記柱
    状体の中空部を気密な空気室に形成し、この空気室に圧
    縮空気供給のための圧力源を接続し、この圧縮空気の圧
    力を調節して上記柱状体の高さを一定に維持するための
    圧力調節装置を設けたことを特徴とする空気ばね式免震
    構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された空気ばね式免震構
    造体において、空気室に絞り付き連通路を介して補助タ
    ンクが接続された空気ばね式免震構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載された空気ばね
    式免震構造体において、弾性板の剪断弾性率が3〜20
    kg/cm2 であり、厚さが5〜30mmである空気ばね式免
    震構造体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された空気ばね式免震構
    造体において、弾性板の面積および空気室の断面積の比
    率が2/10〜8/10である空気ばね式免震構造体。
JP10795095A 1995-04-07 1995-04-07 空気ばね式免震構造体 Pending JPH08285008A (ja)

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