JPH082846Y2 - 回転型のディスクオートチエンジャー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、回転トレイを回転させることにより再生す
るディスクを交換する回転型のディスクオートチェンジ
ャー装置に関し、特に回転トレイを支持する構成を工夫
した回転型のディスクオートチェンジャー装置に関す
る。

（ロ）従来の技術 ディスクを複数枚セットし、再生するディスクを自動
的に交換するディスクオートチェンジャー装置が知られ
ているが、該ディスクオートチェンジャー装置として
は、現在、CD方式の光学式ディスク（CD）用のものが普
及している。この様なディスクオートチェンジャー装置
としては、例えば、特開昭62-239375号公報に示される
如く、回転軸を中心に回転トレイを回転可能にするとと
もに、前記回転軸を中心にしてディスクを載置するディ
スク載置部を前記回転トレイに放射状に複数設け、前記
回転トレイを回転させることにより所望のディスク載置
部をターンテーブル及び光ピックアップ等が設けられた
再生機構に対向する再生位置に移動し、そのディスク載
置部に載置されたディスクの再生を行う様にした回転型
のものが公知である。この様な回転型のディスクオート
チェンジャー装置は、再生するディスクを交換する動作
が前述した如く、回転トレイを回転させるという単純な
動作であるので、複数のディスクを積載した状態で収納
しておき、その中から所望のディスクを取り出して再生
を行うタイプのものと比べてディスク交換に要する時間
を短縮するのに有利であるとともに、構造が簡単であ
り、製造コストの点でも有利である。

（ハ）考案が解決しようとする課題 ところで、回転型のディスクオートチェンジャー装置
の多くは、回転トレイが回転軸の１点でキャビネットに
支持されているので、回転トレイの安定性に問題があっ
た。特に、回転型のディスクオートチェンジャー装置に
は、普及品として回転トレイの上方を覆うべくキャビネ
ットに開閉自在に蓋体が設けられ、該蓋体を開放するこ
とにより上方からディスクの着脱を行う様にした上方開
放方式のものが提案されており、この方式のものは、回
転トレイの回転中であっても該回転トレイに触れること
が出来るので、回転軸の１ヵ所でキャビネットに支持す
る構成であると、回転トレイの外周縁をキャビネットで
こすったり、あるいは前記回転軸に力が集中され、該回
転軸まわりを損傷させる危惧があった。

（ニ）課題を解決するための手段 本考案は、前述の点に鑑みて成された回転型のディス
クオートチェンジャー装置で、回転トレイの下方に該回
転トレイの同心円状に形成されたリムと、キャビネット
の該リムと対向する所定位置に形成された複数の凹部
と、該凹部にそれぞれ回転自在に配置されるとともに、
前記回転トレイの回転に応じて回転しながら前記リムの
下端を当接支持するローラーとを備え、該ローラーのリ
ムとの当接面をゴム材料により構成するとともに、前記
凹部の開口部を前記リムの接線方向に狭める様に突出さ
れる突片を設け、前記ローラーを前記突片に抗して押圧
することにより凹部に嵌入する様に構成したものであ
る。

（ホ）作用 本考案は、回転トレイを回転軸で支持する他に、該回
転トレイの同心円状の所定部分で支持する様にするのに
際し、前記回転トレイの下方に該回転トレイの同心円状
に形成されたリムを複数のローラーにより前記回転トレ
イの回転を阻害しない様に支持するとともに、前記ロー
ラーをキャビネットに取付けるのに際し、キャビネット
に該ローラーを納める凹部と、該凹部の開口部を前記リ
ムの接線方向に狭める様に突片とを設け、かつ前記ロー
ラーのリムとの当接面をゴム材料により構成し、前記ロ
ーラーを前記突片に抗して押圧すると、ゴム材料の弾性
及び突片の可撓性により前記ローラーが前記凹部に嵌入
される様にしている。

（ヘ）実施例 第１図の本考案の一実施例を示す回転型のディスクオ
ートチェンジャー装置の展開斜視図である。同図におい
て、（１）はキャビネット、（２）は該キャビネット
（１）と共に一体成形された軸、（３）は該軸（２）を
回転中心軸として前記キャビネット（１）に対して回転
自在に取付けられるとともに、ディスクが載置される凹
状の載置部（４）が中心から放射状に５個並設された回
転トレイ、（５）は該回転トレイ（３）を上方から押さ
えるべく前記軸（２）にビス止めにより取付けられる円
盤状の押さえ板、（６）は再生位置に変位された載置部
（４）に載置されたディスクを回転させる為のターンテ
ーブル（７）及び前記ディスクに記録された信号を読み
出す為の光ピックアップ（８）を有し、キャビネット
（１）内の所定位置に設けられた再生機構、（９）はデ
ィスクを前記ターンテーブル（７）上に圧着する為のチ
ャック部材（10）が取付けられるとともに、先端が前記
押さえ板（５）に係合され、後端がキャビネット（１）
にビス止めされることによりキャビネット（１）に取付
けられるクランプ板である。

再生機構（６）は、キャビネット（１）に対して昇降
変位可能に支持されているとともに、ターンテーブル
（７）及び光ピックアップ（８）がキャビネット（１）
に形成された孔（11）から覗む位置に配置されている。
そして、前記再生機構（６）が下降した状態において、
前記ターンテーブル（７）及び前記光ピックアップ
（８）は、前記孔（11）から突出されておらず、回転ト
レイ（３）の回転を阻害しない様に成されており、この
状態において、再生するディスクの選択を行うことが出
来る。一方、前記再生機構（６）が上昇した状態におい
て、前記ターンテーブル（７）及び前記光ピックアップ
（８）は、前記孔（11）から突出され、再生位置に変位
された載置部（４）に載置されたディスクが前記ターン
テーブル（７）に装着された状態で押し上げられ、前記
ディスクはクランプ板（９）の前記ターンテーブル
（７）に対向する位置に取付けられたチャック部材（1
0）により前記ターンテーブル（７）上に圧着保持され
る。この状態において、第２図の側方からの断面図に示
す如く、再生位置に変位された載置部（４）に載置され
たディスク（12）は、回転トレイ（３）から離間され、
ターンテーブル（７）を回転させることにより回転され
る状態にあるので、光ピックアップ（８）により前記デ
ィスク（12）の再生を行うことが出来る。

また、回転トレイ（３）には、内周面全周にギア部
（図示せず）が形成されたリム（13）が該回転トレイ
（３）に同心円状に下方に突出されている。そして、前
記回転トレイ（３）は、前記リム（13）のギア部に噛合
されるギア（図示せず）を駆動することにより回転が行
われる。

ところで、回転トレイ（３）のリム（13）の下端は、
それぞれ互いに等間隔に配置される３個のローラー（1
4）により支持される。前記ローラー（14）は、それぞ
れキャビネット（１）のリム（13）と対向する所定位置
に形成された凹部（15）に回転自在に納められている。
その為、前記ローラー（14）は、回転トレイ（３）の回
転に応じてそれぞれ回転しながら該回転トレイ（３）を
支持することになる。ここで、前記ローラー（14）は、
リム（13）と当接する当接面にリング状のゴム製ベルト
（16）が巻装されているので、前記回転トレイ（３）が
回転した際に前記ローラー（14）はスリップすることな
く回転されるとともに、該ローラー（14）のガタ付きが
防止される。

第３図及び第４図は、それぞれローラー（14）を凹部
（15）に納めた状態を示す平面図及び断面図を示すもの
である。同図を用いて次にローラー（14）を凹部（15）
に納める方法を説明する。

キャビネット（１）は、合成樹脂材料により構成され
ており、凹部（15）はキャビネット（１）の成形時に同
時に形成される。前記凹部（15）の開口部には、第３図
に示す如く、該開口部をリム（13）の接線方向に狭める
様にローラー（14）の回転軸に平行する前記開口部のそ
れぞれの辺から凹部（15）の中央に向って突出する突片
（17a）及び（17b）が形成されている。そして、前記突
片（17a）及び（17b）は、第４図に示す如く、キャビネ
ット（１）の他の部分に比べて肉薄に構成されている。

一方、ローラー（14）は、突片（17a）及び（17b）間
の距離と略同一の直径を有する合成樹脂製の本体にゴム
製ベルト（16）が巻装され、全体として前記突片（17
a）及び（17b）間の距離より直径が少許大と成されてい
る。その為、前記ローラー（14）を凹部（15）に納める
べく該ローラー（14）を前記凹部（15）の上方から押圧
すると、前記ローラー（14）のリム（13）との当接面が
前記突片（17a）及び（17b）に当接される。

しかしながら、前記ローラー（14）のゴム製ベルト
（16）の弾性により該ローラー（14）が少許変形される
とともに、前記突片（17a）及び（17b）が有する可撓性
により該突片（17a）及び（17b）は撓むので、前記ロー
ラー（14）を前記突片（17a）及び（17b）に抗して押圧
することにより前記ローラー（14）を凹部（15）に嵌入
させることが出来、該ローラー（14）が前記凹部（15）
に納められる。前記ローラー（14）が前記凹部（15）に
納められると、ローラー（14）のゴム製ベルト（16）及
び突片（17a）及び（17b）は元の形状に戻り、第４図図
示の如く、前記ローラー（14）の直径が前記突片（17
a）及び（17b）間の距離より大となり、前記ローラー
（14）が凹部（15）から脱落しない様になる。前記ロー
ラー（14）が凹部（15）に納められた状態において、ロ
ーラー（14）の軸（14a）は凹部（15）に形成された軸
受（15a）に挿入され、ローラー（14）は回転自在に支
持されている。そして、ローラー（14）の一部は、キャ
ビネット（１）の上面より突出され、その突出部分に回
転トレイ（３）のリム（13）が当接される。その為、回
転トレイ（３）は、回転が阻害されることなく、ローラ
ー（14）により支持される。

したがって、回転トレイ（３）は、軸（２）で支持さ
れるとともに、該回転トレイ（３）に同心円状に配置さ
れた３個のローラー（14）で支持された安定した状態で
回転が行われることになる。

（ト）考案の効果 以上述べた如く、本考案に依れば、回転トレイを回転
軸で支持するとともに、該回転トレイに同心円状に配置
された複数のローラーで支持しているので、前記回転ト
レイの回転を安定した状態で行える回転型のディスクオ
ートチェンジャー装置が提供出来、特に、本考案は、前
記ローラーを凹部の上方から押圧することにより該ロー
ラーが前記凹部に嵌入される様に成されているので、前
記ローラーの取付けが容易であるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図及び第４図は、それぞれ本考案
の一実施例を示すもので、第１図は装置全体を示す展開
斜視図、第２図はディスクの再生を行う状態における側
方からの断面図、第３図及び第４図はそれぞれローラー
を凹部に納めた状態を示す平面図及び断面図である。 主な図番の説明 （１）……キャビネット、（３）……回転トレイ、
（６）……再生機構、（９）……クランプ板、（13）…
…リム、（14）……ローラー、（15）……凹部、（17
a）（17b）……突片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャビネットに回転可能に支持された回転
   トレイに複数枚のディスクが載置出来る様に複数の載置
   部を設け、前記回転トレイを回転させることにより前記
   複数の載置部の中の所定の載置部を再生位置に移動し、
   再生するディスクを選択する回転型のディスクオートチ
   ェンジャー装置において、前記回転トレイの下方に該回
   転トレイの同心円状に形成されたリムと、キャビネット
   の該リムと対向する所定位置に形成された複数の凹部
   と、該凹部にそれぞれ回転自在に配置されるとともに、
   前記回転トレイの回転に応じて回転しながら前記リムの
   下端を当接支持するローラーとを備え、該ローラーのリ
   ムとの当接面をゴム材料により構成するとともに、前記
   凹部の開口部を前記リムの接線方向に狭める様に突出さ
   れる突片を設け、前記ローラーを前記突片に抗して押圧
   することにより凹部に嵌入する様に構成したことを特徴
   とする回転型のディスクオートチェンジャー装置。