JPH082841Y2 - Ｃｄプレ−ヤ−のデイスク着脱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、CDプレーヤーに関し特にディスクの着脱装
置に係る。

（ロ）従来の技術 ディジタル信号に対応する凹凸が刻印されているディ
スク（CD）から光学式ピックアップを用いて信号の読み
出しを行なうCDプレーヤーと呼ばれる音響機器が普及し
ている。斯かるCDプレーヤーは再生中において、前記デ
ィスクが載置されると共に該ディスクを回転させるため
に設けられているターンテーブルにディスクを圧着保持
するディスククランプ装置を備えており、斯かるディス
ククランプ装置としては、例えば特開昭59-139186号公
報に開示されたものがある。斯かるディスククランプ装
置では、ディスクをターンテーブルに圧着保持する付勢
力をスプリングによって得るように構成されているた
め、ディスクに当接して該ディスクを押圧する部材のタ
ーンテーブルに対する安定度が悪いという問題がある。
従って、斯かるディスククランプ装置は、持運び使用が
可能なポータブル型のCDプレーヤーのクランプ装置とし
ては適していないものである。斯かる点を改良した技術
としてマグネットの吸引力を利用してディスクをターン
テーブルに圧着保持するようにしたものがあり、斯かる
技術としては例えば実開昭59-53587号公報に開示された
ものがある。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 マグネットの吸引力を利用したディスククランプ装置
によればディスクをターンテーブル上に安定して保持す
ることが出来るためポータブル型のCDプレーヤーに採用
されている。マグネットの吸引力を利用したディスクク
ランプ装置をディスクの着脱位置と演奏位置との間を回
動可能に設けられているディスクホルダーを備えたCDプ
レーヤーに組込むと次のような問題がある。即ち斯かる
ディスクホルダーを備えたCDプレーヤーは、ディスクの
排出動作時該ディスクホルダーを着脱位置へ回動変位せ
しめるスプリングを備えているが、マグネットの吸引力
が該スプリングの付勢力と反対方向へ作用するため該ス
プリングの弾性力を大きくする必要がある。前記スプリ
ングの弾性力を大きくするとディスクホルダーの演奏位
置から着脱位置への変位動作を確実に行なうことが出来
るものの、ターンテーブルからマグネットが離脱すると
吸引力が無くなるため該ディスクホルダーが急激に着脱
位置へ変位し使用者に不快感を与えることになる。斯か
る点を改良するためにダンパーをディスクホルダーに組
込む方法があるが、斯かる方法では構造が複雑になると
共に高価になるという問題がある。本考案は斯かる点を
改良したディスク着脱装置を提供しようとするものであ
る。

（ニ）問題点を解決するための手段 本考案のディスク着脱装置は、ディスクの着脱位置と
演奏位置との間を回動可能に取付けられていると共に着
脱位置方向へスプリングによって回動付勢されているデ
ィスクホルダーと、電動機によって回転駆動されると共
にディスクが載置され、且つ磁性材より成るターンテー
ブルと、前記ディスクホルダーに遊動可能に取付けられ
ていると共にディスクが演奏位置にあるとき前記ターン
テーブルと共に該ディスクを挾持するクランプ部材と、
該クランプ部材の前記ターンテーブルに対向する面に取
付けられていると共に該ターンテーブルに対する吸引力
によって前記ディスクを該ターンテーブルに圧着する環
状マグネットと、前記ディスクの排出動作時押圧操作さ
れる排出用操作釦と、該排出用操作釦によって変位せし
められると共に前記ディスクホルダーを着脱位置方向へ
押圧変位せしめる押圧部材とより構成されている。

（ホ）作用 本考案は、排出用操作釦によって変位せしめられる押
圧部材によりディスクホルダーを着脱位置方向へ変位せ
しめ、その変位動作により環状マグネットをターンテー
ブルから離脱せしめるようにしたものである。

（ヘ）実施例 図面は何れも本考案に関し、第１図はディスクホルダ
ーが演奏位置にある状態を示す要部の側断面図、第２図
はディスクの排出操作が行なわれた状態を示す要部の側
断面図である。（１）はCDプレーヤーを構成するキャビ
ネット、（２）は該キャビネット（１）内に組込まれて
いるシャーシー、（３）は該シャーシー（２）に固定さ
れている電動機、（４）は該電動機（３）の回転軸
（５）と共に回転するべく該回転軸（５）に取付けられ
ているターンテーブルであり、磁性材にて構成されてい
る。（６）は前記ターンテーブル（４）に一体的に形成
されていると共にディスク（７）が載置される載置部、
（８）は該ターンテーブル（４）に一体的に形成されて
いると共にディスク（７）に設けられている中心孔と嵌
合し該ディスク（７）の位置決めを行なうセンターハブ
であり、テーパー部（９）が設けられていると共にその
中心部に位置決め孔（10）が形成されている。（11）は
前記キャビネット（１）に軸（12）によって第１図に示
した演奏位置とディスクの着脱位置との間を回動可能に
取付けられていると共にスプリング（13）によって着脱
位置方向である時計方向に回動付勢されているディスク
ホルダーであり、ディスク（７）が挿入されるホルダー
部（14）及びクランプ取付部（15）が形成されている。
（16）は前記クランプ取付部（15）に遊動可能に取付け
られていると共に磁性材より成るクランプ部材、（17）
は該クランプ部材（16）の中心部に固定されている半球
状のピボット部材であり、前記ターンテーブル（４）に
形成されている位置決め孔（10）との協働によって該ク
ランプ部材（16）の位置決めを行なう作用を有してい
る。（18）は前記クランプ部材（16）の前記ターンテー
ブル（４）の載置部（６）に対向する面に取付けられて
いる環状マグネットであり、前記ターンテーブル（４）
に作用する吸引力によって前記ディスク（７）を該ター
ンテーブル（４）に圧着する作用を有している。（19）
は前記環状マグネット（18）の前記ディスク（７）に対
向する面に取付けられていると共に該環状マグネット
（18）と同一形状の環状スペーサーであり、ディスク
（７）の面に損傷を与えないように柔軟材にて構成され
ている。斯かる構成において、前記ディスクホルダー
（11）をディスク着脱位置よりスプリング（13）の付勢
力に抗して演奏位置まで回動せしめると該ディスクホル
ダー（11）がロック機構（図示せず）によって該演奏位
置にロック保持されるように構成されている。（20）は
ディスクの排出操作時第１図に示した非排出位置より矢
印（Ａ）方向に変位した排出位置、即ち第２図に示した
位置に押圧変位せしめられると共に前記ディスクホルダ
ー（11）のロック機構によるロックを解除する排出用操
作釦、（21）は前記排出用操作釦（20）の矢印（Ａ）方
向への変位動作によって変位せしめられると共に前記デ
ィスクホルダー（11）をディスク着脱位置方向へ押圧変
位せしめる押圧部材であり、前記シャーシー（２）に軸
（22）によって回動可能に取付けられている第１レバー
（23）及び該第１レバー（23）とピン（24）によって連
結されていると共に前記排出用操作釦（20）と当接した
状態にある第２レバー（25）とによって構成されてい
る。（26）は前記押圧部材（21）を構成する第１レバー
（23）を軸（22）を中心として反時計方向に付勢するス
プリング、（27）はシャーシー（２）に形成されている
と共に前記第１レバー（23）の回動変位位置を規制する
規制ピンである。斯かる構成において、排出用操作釦
（20）の操作に伴なう押圧部材（21）の変位によるディ
スクホルダー（11）の着脱位置方向への変位量はクラン
プ部材（16）に取付けられている環状マグネット（18）
のターンテーブル（４）に対する吸引力が弱くなる位置
まで該マグネット（18）がターン（４）より離間するよ
うに設定されている。

以上の如く本考案のディスク着脱装置は構成されてお
り、次に動作について説明する。ディスクホルダー（1
1）が着脱位置にあるときに該ディスクホルダー（11）
に設けられているホルダー部（14）にディスク（７）を
挿入した後該ディスクホルダー（11）をスプリング（1
3）の付勢力に抗して反時計方向に回動変位せしめると
該ディスクホルダー（11）が第１図に示した演奏位置に
変位せしめられると共にロック機構によって該演奏位置
にロック保持される。このようにしてディスクホルダー
（11）を着脱位置より演奏位置に変位せしめるとクラン
プ部材（16）に固定されているピボット部材（17）のタ
ーンテーブル（４）に形成されている位置決め孔（10）
への嵌入によるセンタリング動作によって第１図に示し
た状態になる。斯かる状態にあるとき前記クランプ部材
（16）に取付けられている環状マグネット（18）のター
ンテーブル（４）に対する吸引力が作用するため、ディ
スク（７）は前記環状スペーサー（19）を介してターン
テーブル（４）に圧着保持せしめられる。そして、斯か
る状態にあるときディスク（７）及びクランプ部材（1
6）は夫々ディスクホルダー（11）に設けられているホ
ルダー部（14）及びクランプ取付部（15）より離間した
状態にある。それ故、電動機（３）の回転によって回転
軸（５）が回転駆動されると該回転軸（５）と共に回転
するべく取付けられているターンテーブル（４）が回転
するので該ターンテーブル（４）の載置部（６）に載置
されているディスク（７）は回転駆動されることにな
る。このようにディスク（７）の回転駆動動作は行なわ
れるが、環状マグネット（18）の吸引力によってディス
ク（７）がターンテーブル（４）に圧着保持されるため
該ディスク（７）の動作位置における保持動作を安定し
て行なうことが出来る。

以上の如くディスク（７）の演奏位置への装着動作は
行なわれるが、次にディスク（７）の排出動作について
説明する。ディスクホルダー（11）が第１図に示した演
奏位置にあるときに排出用操作釦（20）を矢印（Ａ）方
向へ押圧すると該ディスクホルダー（11）の演奏位置に
おけるロック機構によるロック動作が解除されると共に
押圧部材（21）を構成する第２レバー（25）が該排出用
操作釦（20）によって矢印（Ａ）方向への変位力を受け
る。該第２レバー（25）が矢印（Ａ）方向への変位力を
受けると該第２レバー（25）とピン（24）によって連結
されている第１レバー（23）との協働によって押圧部材
（21）は第２図に示したようにくの字状に変形する。そ
して前記押圧部材（21）がくの字状に変形すると第１レ
バー（23）と第２レバー（25）の連結部（Ｃ）がディス
クホルダー（11）を構成する側板（28）の端面（28a）
に当接し、該ディスクホルダー（11）を矢印（Ｂ）方向
へ押圧する。その結果、前記押圧部材（21）の押圧力に
よって前記ディスクホルダー（11）は着脱位置方向であ
る時計方向へ回動変位せしめられて第２図に示した状態
になる。そして、斯かる動作はクランプ部材（16）に取
付けられている環状マグネット（18）のターンテーブル
（４）に対する吸引力に抗して行なわれることになる
が、第２図に示した位置まで変位すると環状マグネット
（18）がターンテーブル（４）より離間しその吸引力が
弱くなる。従って、前記ディスクホルダー（11）は、ス
プリング（13）の付勢力によって第２図に示した位置よ
り更に時計方向に回動変位しディスクの着脱位置まで回
動変位する。そして、前記ディスクホルダー（11）が着
脱位置まで回動変位すると該ディスクホルダー（11）に
形成されているホルダー部（14）によってディスク
（７）がターンテーブル（４）より外され、該ディスク
（７）はディスクホルダー（11）と共に着脱位置に移動
せしめられる。従って、前記ディスク（７）をディスク
ホルダー（11）より取出すことが出来る。

（ト）考案の効果 本考案のディスク着脱装置は、ディスクの排出操作に
よって非排出位置より排出位置に変位せしめられる排出
用操作釦の変位力によりディスクホルダーを着脱位置方
向へ押圧変位せしめ、その変位動作によってディスクを
ターンテーブル上に吸引保持していたクランプ部材を該
ターンテーブルより離脱せしめるようにしたので、ディ
スクホルダーを着脱位置方向へ付勢するべく設けられて
いるスプリングとして弾性力の小さなスプリングを使用
することが出来る。それ故、本考案によれば、ディスク
ホルダーの着脱位置への変位動作を緩やかに行なうこと
が出来、本考案はディスクの排出操作時使用者に不快感
を与えることがないものである。

また、ディスクホルダーを着脱位置方向へ付勢するス
プリングの弾性力が小さくなると、該ディスクホルダー
の演奏位置方向への回動操作力が小さくてすむため、使
用者に優れた操作感を与えるという利点を本考案は有し
ている。

更に、本考案は、ディスクホルダーを排出操作時着脱
位置方向へ押圧変位せしめる機構を互いに連結された第
１レバーと第２レバーにて構成し、該第１レバー及び第
２レバーの非排出状態における直線状配置から排出状態
におけるくの字状配置への形態変化動作を利用して前記
ディスクホルダーを着脱位置方向へ押圧変位せしめるよ
うに構成したので、排出機構を薄型にすることが出来、
本考案は、CDプレーヤーの薄型化に対して非常に大きな
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、何れも本考案の着脱装置に関し、第１図はディ
スクホルダーが演奏位置にある状態を示す要部の側断面
図、第２図はディスクの排出操作が行なわれた状態を示
す要部の側断面図である。 主な符号の説明 （１）……キャビネット、（２）……シャーシー、
（３）……電動機、（４）……ターンテーブル、（７）
……ディスク、（11）……ディスクホルダー、（13）…
…スプリング、（14）……ホルダー部、（15）……クラ
ンプ取付部、（16）……クランプ部材、（18）……環状
マグネット、（20）……排出用操作釦、（21）……押圧
部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクの着脱位置と演奏位置との間を回
   動可能に取り付けられていると共に着脱位置方向へスプ
   リングによって回動付勢されているディスクホルダーを
   備えたCDプレーヤーにおいて、電動機によって回転駆動
   されると共にディスクが載置されるターンテーブルと、
   前記ディスクホルダーに遊動可能に取り付けられている
   と共にディスクが演奏位置にあるとき前記ターンテーブ
   ルと共に該ディスクを挟持するクランプ部材と、前記タ
   ーンテーブル及びクランプ部材に配されると共に前記デ
   ィスクホルダーが演奏位置にあるとき前記ターンテーブ
   ルとクランプ部材との間に磁気吸着力を生じせしめる磁
   性体と、前記ディスクの排出動作時押圧操作されて排出
   位置に変位する排出用操作釦と、シャーシーに一端が回
   動可能に取り付けられている第１レバーと、一端が前記
   第１レバーとピンによって連結されていると共に他端が
   前記排出用操作釦と当接した状態にある第２レバーとよ
   り成り、前記排出用操作釦が非排出位置にあるとき前記
   第１レバー及び第２レバーが互いに直線状になるように
   配置し、前記排出用操作釦の排出位置への変位時前記第
   １レバー及び第２レバーをくの字状に変形せしめ、以っ
   て前記第１レバーと第２レバーの連結部の前記ディスク
   ホルダーを構成する側板の端面への押圧当接力によって
   前記磁性体をもって吸着されているクランプ部材をター
   ンテーブルから離脱せしめるようにしたことを特徴とす
   るCDプレーヤーのディスク着脱装置。