JPH0828368A - エンジンの蒸発燃料処理装置 - Google Patents

エンジンの蒸発燃料処理装置

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JPH0828368A
JPH0828368A JP6158652A JP15865294A JPH0828368A JP H0828368 A JPH0828368 A JP H0828368A JP 6158652 A JP6158652 A JP 6158652A JP 15865294 A JP15865294 A JP 15865294A JP H0828368 A JPH0828368 A JP H0828368A
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fuel
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周一 仲津
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    • F02M25/08Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture adding fuel vapours drawn from engine fuel reservoir
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 エンジンの蒸発燃料処理装置において、パー
ジコントロールバルブやパージカットバルブに液化した
燃料が溜まることを防止する。 【構成】 エンジンの運転条件に応じてパージ通路6の
開口面積を調節するパージコントロールバルブ9と、パ
ージコントロールバルブ9の開弁時にパージ通路6を開
通させるパージカットバルブ13とを備えるエンジンの
蒸発燃料処理装置において、パージコントロールバルブ
9およびパージカットバルブ13をパージ通路6のキャ
ニスター4および吸気通路に対する接続部より高く配置
し、パージコントロールバルブ9とパージカットバルブ
13を互いに略同一高さに配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの蒸発燃料処
理装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等にあっては、燃料タンク内で蒸
発した燃料が大気中に放出されるのを防止するため、エ
ンジンの停止時に蒸発燃料をキャニスター内の活性炭に
吸着させておき、所定の運転条件でパージカットバルブ
およびパージコントロールバルブを開弁させてキャニス
ターと吸気通路を連通させ、エンジンの運転中に発生す
る吸入負圧を利用して、キャニスターに導入した外気で
蒸発燃料をキャニスター内の活性炭から離脱させて吸気
通路に導くようにした蒸発燃料処理装置を備えるものが
ある(特公平5−69987号公報、参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のエンジンの蒸発燃料処理装置にあっては、パ
ージガスがパージ通路を構成する配管内で液化してパー
ジカットバルブまたはパージコントロールバルブの内部
に溜まり、液化した燃料が粘着性をもつガム質化する
と、各バルブの弁体が弁座に固着するスティックが起き
て、作動不良を来す可能性がある。
【0004】本発明は上記の問題点に着目し、エンジン
の蒸発燃料処理装置において、パージカットバルブやパ
ージコントロールバルブに液化した燃料が溜まることを
防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
燃料タンク内で蒸発した燃料を吸着するキャニスター
と、キャニスターを吸気通路に連通するパージ通路と、
エンジンの運転条件に応じてパージ通路を開閉するパー
ジ弁手段とを備えるエンジンの蒸発燃料処理装置におい
て、パージ弁手段をパージ通路のキャニスターおよび吸
気通路に対する接続部より高く配置する。
【0006】請求項2記載の発明は、燃料タンク内で蒸
発した燃料を吸着するキャニスターと、キャニスターを
吸気通路に連通するパージ通路と、エンジンの運転条件
に応じてパージ通路の開口面積を調節するパージコント
ロールバルブと、パージコントロールバルブの閉弁時に
パージ通路を閉塞するパージカットバルブとを備えるエ
ンジンの蒸発燃料処理装置において、パージコントロー
ルバルブおよびパージカットバルブをパージ通路のキャ
ニスターおよび吸気通路に対する接続部より高く配置
し、パージコントロールバルブとパージカットバルブを
互いに略同一高さに配置する。
【0007】請求項3記載の発明は、燃料タンク内で蒸
発した燃料を吸着するキャニスターと、キャニスターを
吸気通路に連通するパージ通路と、エンジンの運転条件
に応じてパージ通路の開口面積を調節するパージコント
ロールバルブと、パージコントロールバルブの閉弁時に
パージ通路を閉塞するパージカットバルブとを備えるエ
ンジンの蒸発燃料処理装置において、パージコントロー
ルバルブおよびパージカットバルブをパージ通路のキャ
ニスターおよび吸気通路に対する接続部より高く配置
し、パージカットバルブをパージコントロールバルブよ
り高く配置し、パージ通路を閉塞するとき、パージカッ
トバルブを先に閉弁作動させ、パージカットバルブが閉
弁した後にパージコントロールバルブを閉弁作動させる
制御手段を設ける。
【0008】請求項4記載の発明は、燃料タンク内で蒸
発した燃料を吸着するキャニスターと、キャニスターを
吸気通路に連通するパージ通路と、エンジンの運転条件
に応じてパージ通路の開口面積を調節するパージコント
ロールバルブと、パージコントロールバルブの閉弁時に
パージ通路を閉塞するパージカットバルブとを備えるエ
ンジンの蒸発燃料処理装置において、パージコントロー
ルバルブおよびパージカットバルブをパージ通路のキャ
ニスターおよび吸気通路に対する接続部より高く配置
し、パージコントロールバルブをパージカットバルブよ
り高く配置し、パージ通路を閉塞するとき、パージコン
トロールバルブを先に閉弁作動させ、パージコントロー
ルバルブが閉弁した後にパージカットバルブを閉弁作動
させる制御手段を設ける。
【0009】
【作用】請求項1記載のエンジンの蒸発燃料処理装置
は、パージガスがパージ通路を構成する配管内で液化し
た燃料は、パージ弁手段から吸気通路またはキャニスタ
ーに向けて下降する配管を通って吸気通路またはキャニ
スターへと流下する。
【0010】このようにして、液化した燃料がパージ弁
手段の内部に溜まることがなく、液化した燃料が粘着性
をもつガム質化してパージ弁手段を構成する弁体が弁座
に固着するスティックを起こすことを防止し、所期の作
動性を維持することができる。
【0011】また、液化した燃料がパージ弁手段または
パージ通路を構成する配管の内部に溜まることがないた
め、パージ弁手段の開弁時に、大量の液化燃料がパージ
通路を通って吸気通路に流入することが防止される。こ
の結果、気筒に供給される混合気が一時的にリッチ化す
ることが避けられ、エンジンの運転性が悪化したり、排
気エミッションが悪化することを防止できる。
【0012】請求項2記載のエンジンの蒸発燃料処理装
置は、パージコントロールバルブおよびパージカットバ
ルブをパージ通路のキャニスターおよび吸気通路に対す
る接続部より高く配置したため、パージガスがパージ通
路を構成する配管内で液化した燃料は、パージ通路を構
成する各配管を通ってキャニスターまたは吸気通路へと
流下する。
【0013】パージカットバルブとパージコントロール
バルブを互いに同一高さに配置したため、両者を結ぶ配
管を水平に配置することが可能となり、パージガスがパ
ージ通路を構成する配管内で液化した燃料は、パージカ
ットバルブまたはパージコントロールバルブを経てキャ
ニスターまたは吸気通路へと流下する。
【0014】このようにして、液化した燃料がパージカ
ットバルブまたはパージコントロールバルブの内部に溜
まることがなく、液化した燃料が粘着性をもつガム質化
して各バルブの弁体が弁座にそれぞれ固着するスティッ
クを起こすことを防止し、所期の作動性を維持すること
ができる。
【0015】また、液化した燃料がパージカットバル
ブ、パージコントロールバルブまたはパージ通路を構成
する各配管の内部に溜まることがないため、パージカッ
トバルブおよびパージコントロールバルブの開弁時に、
大量の液化燃料がパージ通路を通って吸気通路に流入す
ることが防止される。この結果、気筒に供給される混合
気が一時的にリッチ化することが避けられ、エンジンの
運転性が悪化したり、排気エミッションが悪化すること
を防止できる。
【0016】請求項3記載のエンジンの蒸発燃料処理装
置は、パージコントロールバルブおよびパージカットバ
ルブをパージ通路のキャニスターおよび吸気通路に対す
る接続部より高く配置したため、パージガスがパージ通
路を構成する配管内で液化した燃料は、パージ通路を構
成する各配管を通ってキャニスターまたは吸気通路へと
流下する。
【0017】パージカットバルブをパージコントロール
バルブより高く配置したため、両者を結ぶ配管をパージ
カットバルブからパージコントロールバルブに向けて下
降させることが可能となり、パージカットバルブが閉弁
作動してからパージコントロールバルブが閉弁作動する
までの間に、パージカットバルブとパージコントロール
バルブを結ぶ配管内で液化した燃料は、パージコントロ
ールバルブを経てキャニスターまたは吸気通路へと流下
する。
【0018】このようにして、液化した燃料がパージカ
ットバルブまたはパージコントロールバルブの内部に溜
まることがなく、液化した燃料が粘着性をもつガム質化
して各バルブの弁体が弁座にそれぞれ固着するスティッ
クを起こすことを防止し、所期の作動性を維持すること
ができる。
【0019】また、液化した燃料がパージカットバル
ブ、パージコントロールバルブまたはパージ通路を構成
する各配管の内部に溜まることがないため、パージカッ
トバルブおよびパージコントロールバルブの開弁時に、
大量の液化燃料がパージ通路を通って吸気通路に流入す
ることが防止される。この結果、気筒に供給される混合
気が一時的にリッチ化することが避けられ、エンジンの
運転性が悪化したり、排気エミッションが悪化すること
を防止できる。
【0020】請求項4記載のエンジンの蒸発燃料処理装
置は、パージコントロールバルブおよびパージカットバ
ルブをパージ通路のキャニスターおよび吸気通路に対す
る接続部より高く配置したため、パージガスがパージ通
路を構成する配管内で液化した燃料は、パージ通路を構
成する各配管を通ってキャニスターまたは吸気通路へと
流下する。
【0021】パージコントロールバルブをパージカット
バルブより高く配置したため、両者を結ぶ配管をパージ
コントロールバルブからパージカットバルブに向けて下
降させることが可能となり、パージコントロールバルブ
が閉弁作動してからパージカットバルブが閉弁作動する
までの間に、パージコントロールバルブとパージカット
バルブを結ぶ配管内で液化した燃料は、パージカットバ
ルブを経てキャニスターまたは吸気通路へと流下する。
【0022】このようにして、液化した燃料がパージカ
ットバルブまたはパージコントロールバルブの内部に溜
まることがなく、液化した燃料が粘着性をもつガム質化
して各バルブの弁体が弁座にそれぞれ固着するスティッ
クを起こすことを防止し、所期の作動性を維持すること
ができる。
【0023】また、液化した燃料がパージカットバル
ブ、パージコントロールバルブまたはパージ通路を構成
する各配管の内部に溜まることがないため、パージカッ
トバルブおよびパージコントロールバルブの開弁時に、
大量の液化燃料がパージ通路を通って吸気通路に流入す
ることが防止される。この結果、気筒に供給される混合
気が一時的にリッチ化することが避けられ、エンジンの
運転性が悪化したり、排気エミッションが悪化すること
を防止できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0025】図7に示すように、吸気通路8の途中に燃
料を噴射するインジェクタ15が設置される。インジェ
クタ15からの燃料噴射量Teを制御するため、マイク
ロコンピューターからなるコントロールユニット21に
は、エアフロメータ26で検出される吸気量Qと、エン
ジン回転数センサ25で検出されるクランク角度の基準
位置ごと(4気筒エンジンでは180°ごと、6気筒エ
ンジンでは120°ごと)のRef信号と単位クランク
角度ごとの信号と、冷却水温センサ24で検出される冷
却水温度Tw等を入力して、基本燃料噴射量Tpを運転
状態に応じて演算する。
【0026】排気通路10の途中に排気中の酸素濃度を
検出するO2センサ27が設置される。コントロールユ
ニット21は、O2センサ27で検出される排気中の酸
素濃度に応じた出力VO2を入力して、混合気が理論空
燃比となるように燃料噴射量Teをフィードバック制御
して、排気通路10の途中に設置された図示しない三元
触媒での転化効率を最大限に維持するようになってい
る。
【0027】図7において、1は燃料を貯溜する燃料タ
ンク、4は蒸発燃料処理装置を構成するキャニスターで
ある。燃料タンク1内で蒸発した燃料は、チャージ通路
2を介してキャニスター4に導かれ、キャニスター4内
の活性炭4aに吸着される。チャージ通路2の途中には
チェックバルブ3が介装される。
【0028】キャニスター4は吸気絞り弁7より下流の
吸気通路8とパージ通路6を介して連通される。パージ
通路6を開閉するパージ弁手段として、その途中にステ
ップモータで駆動される常閉のパージコントロールバル
ブ9とパージカットバルブ13が直列に設けられる。
【0029】図5、図6に示すように、パージコントロ
ールバルブ9は、ステップモータ31によって軸方向に
変位する弁体32を備える。弁体32は弁座33に着座
してパージ通路6を閉塞し、弁座33から離れるにした
がってパージ通路6の開口面積を増大させ、吸気通路8
に供給されるパージガス量を調節するようになってい
る。
【0030】図3、図4に示すように、パージカットバ
ルブ13は、負圧室41を画成するダイヤフラム42を
備え、ダイヤフラム42に弁体44が取付けられる。弁
体44は弁座45に着座してパージ通路6を閉塞し、弁
座45から離れてパージ通路6を開通させる。
【0031】コントロールユニット21は、パージコン
トロールバルブ9を開弁させてパージガスを導入する条
件になると、ソレノイドバルブ14を同時に開弁させ、
絞り弁7より下流の吸気通路8に生じる負圧をパージカ
ットバルブ13の負圧作動室41に導き、この負圧でリ
ターンスプリング43に抗してダイヤフラム42が図で
上方に引かれて、パージ通路6が開通する。パージガス
を吸気通路8に導入する条件以外の条件では、常閉のパ
ージカットバルブ13でパージ通路6を遮断しておくこ
とで、パージガスを吸気通路8に導入する条件以外でパ
ージガスが吸気通路8に導入されることはない。
【0032】所定の運転条件で、コントロールユニット
21からの信号を受けてソレノイドバルブ14が開かれ
ると、絞り弁7の下流に生じる吸入負圧によりキャニス
ター4の下部(図ではキャニスター4の上部に示してい
る)に設けた新気導入路5から新気がキャニスター4内
に導かれる。この新気で活性炭4aから離脱された蒸発
燃料が新気とともに吸気通路8に導入され、燃焼室で燃
やされる。
【0033】図8のフローチャートはコントロールユニ
ット21において実行されるソレノイドバルブ14を介
してパージカットバルブ13の開閉制御を行うプログラ
ムを示しており、これは一定周期毎に実行される。
【0034】このプログラムについて説明すると、まず
ステップC1で図示しないアイドルスイッチからの信号
に基づいて吸気絞り弁7がアイドル位置にあるかどうか
を判定する。
【0035】アイドル時と判定された場合、ステップC
2に進んで、水温センサ24からの信号に基づいてエン
ジン冷却水温度Twが例えば40°C以下の暖機時かど
うかを判定する。
【0036】暖機時におけるアイドル時と判定された場
合、ステップC3に進んで、後述するフラグFを0とし
た後、ステップC4に進んでソレノイドバルブ14を閉
弁させる。
【0037】暖機後またはアイドル時以外の運転条件と
判定された場合、ステップC5に進んで、フラグFを1
とした後、ステップC6に進んでソレノイドバルブ14
を開弁させる。
【0038】図9はパージコントロールバルブ9に与え
るONデューティ(一定周期の開弁時間割合のこと)を
算出するためのフローチャートで、一定周期(たとえば
1秒ごとに)で実行する。
【0039】ステップ21ではパージ条件であるかどう
かみる。パージ条件は、たとえば暖機後の低負荷域かつ
空燃比フィードバック制御中であることである。
【0040】ステップ22では空燃比学習値αMの更新
を禁止する。パージ条件で学習値αMの更新を禁止する
のは、インジェクターの噴射特性やエアフローメーター
の流量特性に生じるバラツキや経時変化に伴う定常誤差
をなくすのが空燃比学習値αMの本来の目的であるの
に、パージにより空燃比が理論空燃比からはずれてリッ
チやリーンになったときまで、学習値αMを更新する
と、誤学習となってしまうからである。
【0041】ステップ23ではパージガス濃度相当パラ
メーター(後述する)PECと吸気絞り弁7の開度TVO
を読み込み、パージガス濃度相当パラメーターPECから
ステップ24において図10を内容とするテーブルを参
照して、パージ率補正係数K2を、またステップ25で
は回転数Nと基本パルス幅Tpとから所定のマップを参
照して、基本パージ率PR0を求め、ステップ26でパ
ージ率PRを PR=PR0×K2 …(1) の式で計算する。(1)式によりパージ率補正係数K2
で基本パージ率PR0を増量補正するわけである。
【0042】PR0〔%〕=(パージ体積流量/体積吸
入空気量)×100 の式で定義される基本パージ率PR0は基本的に一定値
であるが、キャニスター4に満杯近くの燃料蒸気が吸着
されている場合の始動後すぐは、高濃度のパージガスが
導入されるので、始動直後は小さな値から始めてパージ
率を徐々に大きくしている。
【0043】図10のようにパージ率補正係数K2の値
は、パラメーターPECが負の(パージガス濃度が低い)
ときのほうが正の(パージガス濃度が高い)ときより大
きくしている。これは、パージガス濃度が低いときは、
パージガス流量を増やしても、空燃比フィードバック制
御中の空燃比への影響が小さく、大流量のパージにより
キャニスター4を早く空にすることができるからであ
る。
【0044】ステップ27では、吸気絞り弁開度TVO
から図11を内容とするテーブルを参照して、吸気絞り
弁の開口面積ATHを求め、ステップ28においてパージ
コントロールバルブの目標開口面積APを AP=ATH×PR …(2) の式で計算する。この目標開口面積APをステップ29
で図12を内容とするテーブルを参照して、ONデュー
ティDutyに換算する。
【0045】また、蒸発燃料処理装置の故障診断を行う
ため、新気導入路5に常開のドレインカットバルブ11
が設けられ、チャージ通路2にチェックバルブ3と並列
に常閉のバイパスバルブ12が設けられ、燃料タンク1
から吸気通路8までの配管を閉じた空間として、圧力セ
ンサ22を介して圧力の漏れがあるかどうかを診断する
ようになっている。
【0046】ところで、パージガスがパージ通路6を構
成する配管内で液化してパージカットバルブ13または
パージコントロールバルブ9の内部に溜まり、液化した
燃料が粘着性をもつガム質化すると、各弁体32,44
が各弁座33、45にそれぞれ固着するスティックが起
きて、作動不良を来す可能性がある。
【0047】これに対処して、図1、図2に示すよう
に、パージカットバルブ13をパージ通路6のキャニス
ター4に対する接続部より高く配置し、パージコントロ
ールバルブ9をパージ通路6の吸気通路8に対する接続
部より高く配置し、かつパージカットバルブ13とパー
ジコントロールバルブ9を互いに同一高さに配置する。
【0048】キャニスター4とパージカットバルブ13
を結ぶ配管51は、その上端がパージカットバルブ13
のコネクタチューブ46に接続され、コネクタチューブ
46からキャニスター4へと下方に延びる。
【0049】パージカットバルブ13は、筒状に立ち上
がる弁座45が垂直に配置され、弁座45の下端部に接
続するコネクタチューブ46は水平方向に配置される。
【0050】パージカットバルブ13とパージコントロ
ールバルブ9を結ぶ配管52は一端がパージカットバル
ブ13のコネクタチューブ47に接続され、他端がパー
ジコントロールバルブ9のコネクタチューブ35に接続
される。配管52は、両コネクタチューブ47と35の
間に水平方向に延びる。
【0051】パージカットバルブ13は、筒状に立ち上
がる弁座45の外側に室48が画成され、室48の下端
部にコネクタチューブ47が連通している。コネクタチ
ューブ47は水平方向に配置される。
【0052】パージコントロールバルブ9のコネクタチ
ューブ35は、弁体32と弁座33の接合部より上流側
の室36に連通する。パージコントロールバルブ9のコ
ネクタチューブ37は、弁体32と弁座33の接合部よ
り下流側の室38に連通する。各コネクタチューブ3
5,37は、互いに同一高さでそれぞれ水平方向に配置
される。
【0053】パージコントロールバルブ9と吸気通路8
を結ぶ配管53は、その上端がパージコントロールバル
ブ9のコネクタチューブ37に接続され、コネクタチュ
ーブ37から吸気通路8へと下方に延びる。
【0054】吸気通路8を構成するスロットルチャンバ
ー54とインテークマニホールド55の間にアダプタ5
6が介装される。アダプタ56に配管53を接続させる
コネクタチューブ57が設けられる。コネクタチューブ
57はインテークマニホールド55の各気筒に連通する
分枝管より上流側に連通している。
【0055】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0056】パージカットバルブ13をキャニスター4
に対する接続部より高く配置し、パージコントロールバ
ルブ9を吸気通路8に対する接続部より高く配置したた
め、パージ通路6を構成する配管51,53内で液化し
た燃料は、パージカットバルブ13から配管51を通っ
てキャニスター4へと流下し、パージコントロールバル
ブ9から配管53を通って吸気通路8へと流下する。
【0057】パージカットバルブ13とパージコントロ
ールバルブ9を互いに同一高さに配置したため、両者を
結ぶ配管52を水平に配置することが可能となり、パー
ジガスがパージ通路6を構成する配管52内で液化した
燃料は、パージコントロールバルブ9の開弁時にパージ
コントロールバルブ9から配管53を通って吸気通路8
へと流下する。
【0058】このようにして、液化した燃料がパージカ
ットバルブ13またはパージコントロールバルブ9の内
部に溜まることがなく、液化した燃料が粘着性をもつガ
ム質化して各弁体32,44が各弁座33、45にそれ
ぞれ固着するスティックを起こすことを防止し、所期の
作動性を維持することができる。
【0059】また、液化した燃料がパージカットバルブ
13、パージコントロールバルブ9または各配管51,
52,53の内部に溜まることがないため、パージカッ
トバルブ13およびパージコントロールバルブ9の開弁
時に、大量の液化燃料がパージ通路6を通って吸気通路
8に流入することが防止される。この結果、気筒に供給
される混合気が一時的にリッチ化することが避けられ、
エンジンの運転性が悪化したり、排気エミッションが悪
化することを防止できる。
【0060】なお、パージコントロールバルブ9をパー
ジカットバルブ13よりキャニスター4側(上流側)に
配置してもよい。この場合、パージコントロールバルブ
9をパージ通路6のキャニスター4に対する接続部より
高く配置し、パージカットバルブ13をパージ通路6の
吸気通路8に対する接続部より高く配置する必要があ
る。
【0061】次に、他の実施例について説明する。な
お、図1等との対応部分には同一符号を用いて説明す
る。
【0062】エンジン運転条件に応じてパージ通路6を
閉塞するとき、先にパージカットバルブ13を閉弁作動
させ、パージカットバルブ13が閉弁作動してから所定
の遅延時間が経た後にパージコントロールバルブ9を閉
弁作動させる構成とするとともに、パージカットバルブ
13をパージコントロールバルブ9より高く配置する。
これにより、パージカットバルブ13とパージコントロ
ールバルブ9を結ぶ配管52は、パージカットバルブ1
3からパージコントロールバルブ9に向けて下方に傾斜
する。
【0063】この場合、配管52がパージカットバルブ
13からパージコントロールバルブ9に向けて下降して
いるため、パージカットバルブ13が閉弁作動してから
パージコントロールバルブ9が閉弁作動するまでの間
に、配管52内で液化した燃料は、パージコントロール
バルブ9から配管53を通って吸気通路8へと流下す
る。
【0064】このようにして、液化した燃料がパージカ
ットバルブ13またはパージコントロールバルブ9の内
部に溜まることがなく、液化した燃料が粘着性をもつガ
ム質化して各弁体32,44が各弁座33、45にそれ
ぞれ固着するスティックを起こすことを防止し、所期の
作動性を維持することができる。
【0065】また、液化した燃料がパージカットバルブ
13、パージコントロールバルブ9または各配管51,
52,53の内部に溜まることがないため、パージカッ
トバルブ13およびパージコントロールバルブ9の開弁
時に、大量の液化燃料がパージ通路6を通って吸気通路
8に流入することが防止される。この結果、気筒に供給
される混合気が一時的にリッチ化することが避けられ、
排気エミッションが悪化することを防止できる。
【0066】次に、さらに他の実施例について説明す
る。なお、図1等との対応部分には同一符号を用いて説
明する。
【0067】エンジン運転条件に応じてパージ通路6を
閉塞するとき、先にパージコントロールバルブ9を閉弁
作動させ、パージコントロールバルブ9が閉弁作動して
から所定の遅延時間が経た後にパージカットバルブ13
を閉弁作動させる構成とするとともに、パージコントロ
ールバルブ9をパージカットバルブ13より高く配置す
る。これにより、パージカットバルブ13とパージコン
トロールバルブ9を結ぶ配管52は、パージコントロー
ルバルブ9からパージカットバルブ13に向けて下方に
傾斜する。
【0068】この場合、配管52はパージコントロール
バルブ9からパージカットバルブ13に向けて下降して
いるため、パージコントロールバルブ9が閉弁作動して
からパージカットバルブ13が閉弁作動するまでの間
に、配管52内で液化した燃料は、パージカットバルブ
13から配管54を通ってキャニスター4へと流下す
る。
【0069】このようにして、液化した燃料がパージカ
ットバルブ13またはパージコントロールバルブ9の内
部に溜まることがなく、液化した燃料が粘着性をもつガ
ム質化して各弁体32,44が各弁座33、45にそれ
ぞれ固着するスティックを起こすことを防止し、所期の
作動性を維持することができる。
【0070】また、液化した燃料がパージカットバルブ
13、パージコントロールバルブ9または各配管51,
52,53の内部に溜まることがないため、パージカッ
トバルブ13およびパージコントロールバルブ9の開弁
時に、大量の液化燃料がパージ通路6を通って吸気通路
8に流入することが防止される。この結果、気筒に供給
される混合気が一時的にリッチ化することが避けられ、
排気エミッションが悪化することを防止できる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、燃料タンク内で蒸発した燃料を吸着するキャニスタ
ーと、キャニスターを吸気通路に連通するパージ通路
と、エンジンの運転条件に応じてパージ通路を開閉する
パージ弁手段とを備えるエンジンの蒸発燃料処理装置に
おいて、パージ弁手段をパージ通路のキャニスターおよ
び吸気通路に対する接続部より高く配置したため、液化
した燃料がパージ弁手段の内部に溜まることがなく、液
化した燃料が粘着性をもつガム質化してパージ弁手段を
構成する弁体が弁座に固着するスティックを起こすこと
を防止することができる。また、パージ弁手段の開弁時
に、大量の液化燃料がパージ通路を通って吸気通路に流
入してエンジンに供給される混合気の空燃比が一時的に
リッチ化することが抑制され、エンジンの運転性が悪化
したり、排気エミッションが悪化することを防止でき
る。
【0072】請求項2記載の発明は、燃料タンク内で蒸
発した燃料を吸着するキャニスターと、キャニスターを
吸気通路に連通するパージ通路と、エンジンの運転条件
に応じてパージ通路の開口面積を調節するパージコント
ロールバルブと、パージコントロールバルブの閉弁時に
パージ通路を閉塞するパージカットバルブとを備えるエ
ンジンの蒸発燃料処理装置において、パージコントロー
ルバルブおよびパージカットバルブをパージ通路のキャ
ニスターおよび吸気通路に対する接続部より高く配置
し、パージコントロールバルブとパージカットバルブを
互いに略同一高さに配置したため、液化した燃料がパー
ジカットバルブまたはパージコントロールバルブの内部
に溜まることがなく、液化した燃料が粘着性をもつガム
質化して各バルブの弁体が弁座にそれぞれ固着するステ
ィックを起こすことを防止することができる。また、パ
ージ弁手段の開弁時に、大量の液化燃料がパージ通路を
通って吸気通路に流入してエンジンに供給される混合気
の空燃比が一時的にリッチ化することが抑制され、エン
ジンの運転性が悪化したり、排気エミッションが悪化す
ることを防止できる。
【0073】請求項3記載の発明は、燃料タンク内で蒸
発した燃料を吸着するキャニスターと、キャニスターを
吸気通路に連通するパージ通路と、エンジンの運転条件
に応じてパージ通路の開口面積を調節するパージコント
ロールバルブと、パージコントロールバルブの閉弁時に
パージ通路を閉塞するパージカットバルブとを備えるエ
ンジンの蒸発燃料処理装置において、パージコントロー
ルバルブおよびパージカットバルブをパージ通路のキャ
ニスターおよび吸気通路に対する接続部より高く配置
し、パージカットバルブをパージコントロールバルブよ
り高く配置し、パージ通路を閉塞するとき、パージカッ
トバルブを先に閉弁作動させ、パージカットバルブが閉
弁した後にパージコントロールバルブを閉弁作動させる
制御手段を設たため、液化した燃料がパージカットバル
ブまたはパージコントロールバルブの内部に溜まること
がなく、液化した燃料が粘着性をもつガム質化して各バ
ルブの弁体が弁座にそれぞれ固着するスティックを起こ
すことを防止することができる。また、パージ弁手段の
開弁時に、大量の液化燃料がパージ通路を通って吸気通
路に流入してエンジンに供給される混合気の空燃比が一
時的にリッチ化することが抑制され、エンジンの運転性
が悪化したり、排気エミッションが悪化することを防止
できる。
【0074】請求項4記載の発明は、燃料タンク内で蒸
発した燃料を吸着するキャニスターと、キャニスターを
吸気通路に連通するパージ通路と、エンジンの運転条件
に応じてパージ通路の開口面積を調節するパージコント
ロールバルブと、パージコントロールバルブの閉弁時に
パージ通路を閉塞するパージカットバルブとを備えるエ
ンジンの蒸発燃料処理装置において、パージコントロー
ルバルブおよびパージカットバルブをパージ通路のキャ
ニスターおよび吸気通路に対する接続部より高く配置
し、パージコントロールバルブをパージカットバルブよ
り高く配置し、パージ通路を閉塞するとき、パージコン
トロールバルブを先に閉弁作動させ、パージコントロー
ルバルブが閉弁した後にパージカットバルブを閉弁作動
させる制御手段を設けたため、液化した燃料がパージカ
ットバルブまたはパージコントロールバルブの内部に溜
まることがなく、液化した燃料が粘着性をもつガム質化
して各バルブの弁体が弁座にそれぞれ固着するスティッ
クを起こすことを防止することができる。また、パージ
弁手段の開弁時に、大量の液化燃料がパージ通路を通っ
て吸気通路に流入してエンジンに供給される混合気の空
燃比が一時的にリッチ化することが抑制され、エンジン
の運転性が悪化したり、排気エミッションが悪化するこ
とを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す蒸発燃料処理装置の正面
図。
【図2】同じく蒸発燃料処理装置の斜視図。
【図3】同じくパージカットバルブの平面図。
【図4】同じく図3のA−A線に沿う断面図。
【図5】同じくパージコントロールバルブの側面図。
【図6】同じくパージコントロールバルブの断面図。
【図7】同じく蒸発燃料処理装置のシステム図。
【図8】同じくパージカットバルブの制御プログラムを
示すフローチャート。
【図9】同じくパージコントロールバルブに与えるON
デューティの算出を説明するためのフローチャート。
【図10】同じくパージ率補正係数K2の特性図。
【図11】同じく吸気絞り弁の開口面積ATHの特性図。
【図12】同じく目標開口面積APに対するONデュー
ティの特性図。
【符号の説明】
1 燃料タンク 2 チャージ通路 4 キャニスター 6 パージ通路 7 吸気絞り弁 8 吸気通路 9 パージコントロールバルブ 13 パージカットバルブ 14 ソレノイドバルブ 21 コントロールユニット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンク内で蒸発した燃料を吸着するキ
    ャニスターと、 キャニスターを吸気通路に連通するパージ通路と、 エンジンの運転条件に応じてパージ通路を開閉するパー
    ジ弁手段と、 を備えるエンジンの蒸発燃料処理装置において、 パージ弁手段をパージ通路のキャニスターおよび吸気通
    路に対する接続部より高く配置したことを特徴とするエ
    ンジンの蒸発燃料処理装置。
  2. 【請求項2】燃料タンク内で蒸発した燃料を吸着するキ
    ャニスターと、 キャニスターを吸気通路に連通するパージ通路と、 エンジンの運転条件に応じてパージ通路の開口面積を調
    節するパージコントロールバルブと、 パージ通路を閉塞するパージカットバルブと、 を備えるエンジンの蒸発燃料処理装置において、 パージコントロールバルブおよびパージカットバルブを
    パージ通路のキャニスターおよび吸気通路に対する接続
    部より高く配置し、 パージコントロールバルブとパージカットバルブを互い
    に略同一高さに配置したことを特徴とするエンジンの蒸
    発燃料処理装置。
  3. 【請求項3】燃料タンク内で蒸発した燃料を吸着するキ
    ャニスターと、 キャニスターを吸気通路に連通するパージ通路と、 エンジンの運転条件に応じてパージ通路の開口面積を調
    節するパージコントロールバルブと、 パージ通路を閉塞するパージカットバルブと、 を備えるエンジンの蒸発燃料処理装置において、 パージコントロールバルブおよびパージカットバルブを
    パージ通路のキャニスターおよび吸気通路に対する接続
    部より高く配置し、 パージカットバルブをパージコントロールバルブより高
    く配置し、 パージ通路を閉塞するとき、パージカットバルブを先に
    閉弁作動させ、パージカットバルブが閉弁した後にパー
    ジコントロールバルブを閉弁作動させる制御手段を設け
    たことを特徴とするエンジンの蒸発燃料処理装置。
  4. 【請求項4】燃料タンク内で蒸発した燃料を吸着するキ
    ャニスターと、 キャニスターを吸気通路に連通するパージ通路と、 エンジンの運転条件に応じてパージ通路の開口面積を調
    節するパージコントロールバルブと、 パージ通路を閉塞するパージカットバルブと、 を備えるエンジンの蒸発燃料処理装置において、 パージコントロールバルブおよびパージカットバルブを
    パージ通路のキャニスターおよび吸気通路に対する接続
    部より高く配置し、 パージコントロールバルブをパージカットバルブより高
    く配置し、 パージ通路を閉塞するとき、パージコントロールバルブ
    を先に閉弁作動させ、パージコントロールバルブが閉弁
    した後にパージカットバルブを閉弁作動させる制御手段
    を設けたことを特徴とするエンジンの蒸発燃料処理装
    置。
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