JPH0828356A - 空燃比補正装置 - Google Patents

空燃比補正装置

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JPH0828356A
JPH0828356A JP16839494A JP16839494A JPH0828356A JP H0828356 A JPH0828356 A JP H0828356A JP 16839494 A JP16839494 A JP 16839494A JP 16839494 A JP16839494 A JP 16839494A JP H0828356 A JPH0828356 A JP H0828356A
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JP
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air
fuel ratio
fuel
engine
cylinder
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JP16839494A
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Masaki Oosako
正岐 大迫
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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  • Control Of The Air-Fuel Ratio Of Carburetors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空燃比の補正を簡単に行うことができるため
経年変化に対して容易に対応することができ、しかも、
低速域から高速域にわたる運転領域全てにおいて空燃比
を補正することができる空燃比補正装置を提供する。 【構成】 多気筒エンジンの各気筒毎に設けられたキャ
ブレタ手段C1〜C4と、このキャブレタ手段C1〜C
4における空気および燃料の少なくともいずれか1つの
流量を調整する電磁バルブEV1〜EV4と、各電磁バ
ルブEV1〜EV4を個別に制御して各キャブレタ手段
C1〜C4における空燃比を補正する制御手段30とを
具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動二輪車な
どに搭載した多気筒エンジンの空燃比を補正する空燃比
補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動二輪車の多気筒エンジンに
は、各気筒毎にキャブレタが取り付けられている。この
場合、エンジンに同じ仕様のキャブレタを取り付けて
も、製造のばらつきやその他種々の要因から、各気筒ど
うしの間で空燃比にばらつきが生じることが多い。この
ため、従来においては、空燃比を示す指標の一つである
排ガス中のCOの濃度を測定して、空燃比を補正するよ
うにしている。ここで、空燃比の補正は、各気筒のキャ
ブレタにおける空気あるいは燃料の流量を決定するジェ
ットを交換したり、ネジ状の調整部材で空気や燃料の流
路の開度を調整することによって行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジェッ
トの交換や調整部材の調整によって空燃比を補正する方
法では作業が煩雑であり、しかも、低速域から高速域に
わたる運転領域全てにおいて空燃比を補正することは困
難である。さらに、自動二輪車の各部品には経年変化が
生じるため、補正で均一にした空燃比にも徐々にばらつ
きが生じてくる等の問題があった。
【0004】一方、各気筒のキャブレタ毎に電磁バルブ
を設け、電磁バルブの開度を変えて例えばパイロットエ
アの流量を調整することにより、キャブレタのベンチュ
リー部へ供給する混合気の燃料濃度を調整し、これによ
って、エンジン回転数やスロットル開度等に応じて空燃
比を変更するように構成した電子制御キャブレタも知ら
れている。しかしながら、この電子制御キャブレタにお
いても、各気筒それぞれの電磁バルブに対して独立した
制御を行うものではないため、空燃比のばらつきを補正
することはできなかった。
【0005】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためになされたもので、空燃比の補正を簡単に行うこと
を第1の目的とし、これによって、経年変化に対して容
易に対応することができ、しかも、低速域から高速域に
わたる運転領域全てにおいて空燃比を補正することがで
きる空燃比補正装置を提供することを第2の目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の空燃比
補正装置は、多気筒エンジンの各気筒毎に設けられたキ
ャブレタ手段と、このキャブレタ手段における空気およ
び燃料の少なくともいずれか1つの流量を調整する電磁
バルブと、各電磁バルブを個別に制御して各気筒におけ
る空燃比を補正する制御手段とを具備したことを特徴と
している。
【0007】請求項2に記載の空燃比補正装置は、前記
制御手段が前記各気筒の予め確認された空燃比に対応し
た制御量を記憶し、この制御量に基づいて前記各電磁バ
ルブを制御して空燃比を補正することを特徴としてい
る。
【0008】請求項3に記載の空燃比制御装置は、前記
制御手段がスロットル弁の開度等のエンジン負荷および
エンジン回転数に対応した空燃比目標値を予め記憶して
おり、この空燃比目標値に基づいて前記各電磁バルブを
制御して空燃比を補正することを特徴としている。
【0009】請求項4に記載の空燃比補正装置は、前記
エンジンの排気ガスの成分を検出するセンサを備え、前
記制御手段は、上記センサによる検出結果に基づいて実
際の空燃比を推定し、推定された空燃比からその補正値
を設定し、この補正値に基づいて前記各電磁バルブを制
御して空燃比を補正することを特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1に記載の空燃比補正装置においては、
制御手段がそれぞれの電磁バルブを個別に制御するか
ら、各キャブレタ手段における空気や燃料の流量が調整
されて混合気の燃料濃度が調整され、これによって、空
燃比が補正される。
【0011】各キャブレタ手段における空燃比は、例え
ば排気ガス中のCO濃度を測定することにより知ること
ができる。そして、請求項2に記載の空燃比補正装置に
おいては、予めそのようにして得た各キャブレタ手段の
空燃比に対応した制御量を制御手段が記憶し、制御量に
応じて各電磁バルブを制御するので、各キャブレタ手段
におけるそれぞれの空燃比が確実に均一化される。
【0012】最適な空燃比は、スロットル弁の開度やギ
アポジション、あるいは駆動輪のトルク等のエンジン負
荷やエンジン回転数などの運転条件により異なる。請求
項3に記載の空燃比制御装置においては、そのような運
転条件において最適の空燃比を空燃比目標値として例え
ばマップなどの手段で記憶し、空燃比が目標値に修正さ
れるように制御する。
【0013】請求項4に記載の空燃比補正装置において
は、エンジンの排気ガスの成分から推定される実際の空
燃比を目標空燃比に近づけるフィードバック制御を行う
から、それぞれの気筒における空燃比を最適な値にする
ことができる。
【0014】
【実施例】
A.第1実施例 (1)実施例の構成 以下、図1および図2を参照して本発明の一実施例につ
いて説明する。図1は自動二輪車用4気筒エンジン燃料
供給系統を示す図である。図1に示すように、エンジン
Eの各気筒にはキャブレタ(キャブレタ手段)C1〜C
4が取り付けられている。図2はキャブレタC1〜C4
の詳細を示す側断面図である。まず、キャブレタC1〜
C4の燃料供給のメイン系について説明すると、図2に
おいて符号1はキャブレタC1〜C4の本体を構成する
ミキシングチャンバである。ミキシングチャンバ1の通
路2には、図示しないエアクリーナから供給される空気
が図中左側から右方向へ流れるようになっている。ミキ
シングチャンバ1には、通路2の一部または全部を閉塞
するバキュームピストン3が通路2と直交する方向へ摺
動自在に取り付けられている。
【0015】バキュームピストン3の上端部は、ミキシ
ングチャンバ1に固定されたサクションチャンバ4の内
部に挿入されている。バキュームピストン3の上端部と
サクションチャンバ4との間にはダイヤフラム5が固定
され、ダイヤフラム5の上部空間がサクションホール6
によって通路2と連通されたダイヤフラム室7とされて
いる。また、ダイヤフラム5の下側の空間7aは、外部
と連通されて大気圧とされている。
【0016】バキュームピストン3は比較的弱い力のコ
イルバネ8で通路2側へ押圧され、エンジンEが運転さ
れていないときはバキュームピストン3が通路2を閉じ
るようになっている。そして、エンジンEが運転されて
通路2のベンチュリー部2aが負圧になると、ダイヤフ
ラム室7が負圧となり、バキュームピストン3がコイル
バネ8の付勢力に抗して上方へ吸い上げられる。これに
よりベンチュリー部2aが開き、その開度は、エンジン
Eの回転数に応じた負圧の大きさと、コイルバネ8の付
勢力とがつり合ったところで一定となる。
【0017】次に、図中符号10はフロートチャンバで
ある。フロートチャンバ10には図示しない燃料タンク
から燃料が供給され、フロートバルブあるいはオーバー
フローパイプ(それぞれ図示略)によってにより油面が
一定に保持されるようになっている。フロートチャンバ
10内の燃料Fには、筒状のニードルジェット11の下
端部が浸漬され、ニードルジェット11の下端部には、
スロットル弁20が全開の時の燃料供給量を設定するメ
インジェット12が取り付けられている。
【0018】また、図中符号13は、メインエアジェッ
トであり、メインエアジェット13は、ニードルジェッ
ト11の周囲に空気を供給し、その空気をニードルジェ
ット11の側壁部に形成されたブリード孔11aから内
部へ吸い込ませるようになっている。また、ニードルジ
ェット11には、その上端開口部からバキュームピスト
ン3に取り付けたジェットニードル14が挿入されてい
る。そして、ニードルジェット11内に吸い込まれた空
気は燃料Fとともに混合気とされ、混合気はニードルジ
ェット11とジェットニードル14との隙間を通って通
路2へ噴出されるようになっている。また、その際の混
合気の流量は、スロットル弁20が中開度または高開度
のときにジェットニードル14の上下方向の位置によっ
て規制されるようになっている。
【0019】次に、スロー系について説明する。スロー
系は、例えばアイドリング(全閉)及びスロットル弁2
0が低開度のときに燃料の供給を行うものであるが、自
動二輪車を例えば中速度や高速度で走行させるときにも
メイン系とともに燃料供給を行う。図中符号21はパイ
ロットジェットであり、パイロットジェット21は、燃
料Fの流量を規制するように構成されている。また、パ
イロットジェット21の周囲には、パイロットエアジェ
ット22から空気が供給され、供給された空気は、パイ
ロットジェット21の側壁部に形成されたブリード孔2
1aから内部に吸い込まれるようになっている。
【0020】また、パイロットジェット21には、それ
ぞれ通路2に開口したバイパス23およびパイロットア
ウトレット24が接続されている。そして、スロットル
弁20が全閉の場合であっても、ブリード孔21aを通
ってパイロットジェット21内に吸い込まれた空気と燃
料の混合気が通路2へ供給され、エンジンEが回転する
ようになっている。上記パイロットエアジェット22に
は、アクチュエータにより開度を調整可能とされた電磁
バルブEV1〜EV4が接続されている。この電磁バル
ブEV1〜EV4の開度を調整することにより、スロー
系から通路2に供給される混合気の燃料濃度が調整さ
れ、その結果、空燃比が調整される。
【0021】次に、符号30は上記電磁バルブEV〜E
V4の他、エンジンEの各部を制御するエンジン制御手
段(制御手段)である。エンジン制御手段30には、エ
ンジンEの回転数を示すデータと、スロットル弁20の
開度に対応した負荷情報が供給される。エンジン制御手
段30は、エンジン回転数およびスロットル開度の種々
の値に対応する空燃比のマップを記憶している。そし
て、エンジン回転数とスロットル開度のデータが供給さ
れると、マップを参照してそのデータに対応した空燃比
の値を読み出す。
【0022】また、エンジンEの排気ガス通路には、C
Oの濃度を測定するCOセンサ(図示略)が配置されて
いる。排気ガス中に含まれるCO濃度は、キャブレタC
1〜C4によって生成される混合気の空燃比と相関関係
を有するため、実際の空燃比を推定するために測定され
る。COセンサは、COの濃度に対応した信号をエンジ
ン制御手段30に供給する。COセンサは、エンジンE
の各気筒の排気パイプにそれぞれ配置することができ、
また、各気筒における排気行程がずれているエンジンの
場合には、各排気パイプの末端を集合させて結合した部
分に配置することができる。COセンサを排気パイプの
結合部分に配置する場合には、クランクシャフトのクラ
ンク角をクランク角センサで検出し、検出信号をエンジ
ン制御手段30に供給する。エンジン制御手段は、クラ
ンク角を示す検出信号から、COセンサから送られてく
る刻々の信号が各々どの気筒における排気ガスの濃度を
示すものであるかを判定する。
【0023】そして、エンジン制御手段30は、それら
のデータに基づいて各キャブレタC1〜C4における実
際の空燃比を推定し、マップから読み出した空燃比目標
値との差から空燃比の補正値を設定し、この補正値に基
づいてそれぞれの電磁バルブ26を個別に駆動する。こ
れにより、各キャブレタC1〜C4のパイロットエアジ
ェット22を流通する空気の流量が制御され、バイパス
23およびパイロットアウトレット24から噴出される
混合気の燃料濃度が調整されて、それぞれの気筒におけ
る空燃比の値が目標値に近付く。
【0024】また、エンジン制御手段30は、そのメモ
リに各キャブレタC1〜C4の空燃比に対応した電磁バ
ルブEV1〜EV4の制御量を示すデータを記憶し、そ
の制御量に基づいて電磁バルブEV1〜EV4を制御す
る。例えば、図1においてキャブレタC3だけ他のもの
よりも空燃比が低い傾向があることがCOセンサによる
検出で確認されたと仮定する。この場合、エンジン制御
手段30のメモリには、キャブレタC3の電磁バルブE
V3のアクチュエータを制御して、そのパイロットエア
ジェット22に他よりも多くの空気を供給し、こうして
全ての気筒の空燃比を均一化する。
【0025】(2)実施例の動作 次に、上記構成の空燃比補正装置の動作について図3を
参照しながら説明する。エンジンEの運転中において
は、エンジン制御手段30は、まず、排気ガスのCO濃
度から予め求めた各キャブレタCの空燃比の偏差に基づ
いて各電磁バルブEV1〜EV4を駆動するアクチュエ
ータを制御し、各気筒における空燃比を均一にする。ま
た、エンジン制御手段30は、エンジン回転数等の負荷
情報とエンジン回転数を示すデータに基づき、メモリに
記憶したマップから空燃比目標値を読み出す。
【0026】一方、排気系に配置されたCOセンサから
エンジン制御装置30に、各気筒のCOガス濃度を示す
排ガス情報#1〜#4が供給される。エンジン制御装置
30は、排ガス情報#1〜#4から各気筒の実際の空燃
比を推定するとともに、マップを参照して当該運転条件
における空燃比目標値を読み出し、実際の空燃比と空燃
比目標値から空燃比の補正値を設定する演算#1〜#4
を行う。たとえば、ある運転条件のときの空燃比目標値
が50%であり、推定された実際の空燃比が40%であ
るような場合には、空燃比が50%となるようなアクチ
ュエータ駆動信号#1〜#4を発生する。これらアクチ
ュエータ駆動信号#1〜#4は、各アクチュエータ#1
〜#4へ供給され、これによって、各キャブレタC1〜
C4の電磁バルブ26EV1〜bEV4の開度が増加さ
せられる。
【0027】ここで、排ガス情報#1による推定空燃比
が45%で他の排ガス情報#2〜#4による推定空燃比
が40%であったとすると、アクチュエータ駆動信号#
1は、他のアクチュエータ駆動信号#2〜#4よりも制
御量が小さいものとされる。これにより、アクチュエー
タ#1の駆動量が他のアクチュエータ#2〜#4の駆動
量より少なくなり、このようにして全ての気筒の空燃比
が50%となるように制御する。
【0028】上記構成の内燃機関の燃料供給装置におい
ては、エンジン制御装置30がそれぞれのアクチュエー
タを個別に制御するから、各キャブレタC1〜C4の電
磁バルブEV1〜EV4の開度が調整されて空燃比が補
正され、各気筒の空燃比が均一となる。これによって、
加速応答性がさらに向上するとともに排気ガスを清浄化
することができる。このように、この実施例では、空燃
比の補正を簡単に行うことができ、自動二輪車の各部品
の経年変化による空燃比の変化に対して容易に対応する
ことができるという効果も得られる。
【0029】特に、上記実施例では、製造のばらつき等
で生じた各気筒間の空燃比の偏差をエンジン制御装置3
0に記憶させ、偏差に基づいて空燃比を補正するから、
キャブレタC1〜C4間の空燃比のばらつきを確実に補
正することができる。また、スロットル開度等のエンジ
ン負荷およびエンジン回転数に対応した空燃比を空燃比
目標値として補正を行うので、低速域から高速域にわた
る運転領域全てにおいて空燃比を補正することができ
る。さらに、COセンサの検出結果から空燃比を推定し
てフィードバック制御を行うので、空燃比を当該運転条
件における最適な値に補正することができる。
【0030】B.第2実施例 次に、図4および図5を参照して本発明の第2実施例に
ついて説明する。第2実施例は、前記第1実施例と同様
に4気筒エンジンの各気筒にキャブレタC1〜C4を設
け、各キャブレタC1〜C4を個別に制御する点におい
て共通するが、スタータ系の燃料噴出をエンジン制御手
段30によって制御する点等において異なっている。そ
こで、以下の説明においては、前記第1実施例と共通の
構成要素には同符号を付しその説明を省略する。
【0031】図4に示すように、メインエアジェット1
3には、アクチュエータによってその開度が調整可能と
された電磁バルブ26aが接続されている。また、パイ
ロットエアジェット22には、アクチュエータによって
その開度が調節可能とされた電磁バルブ26bが接続さ
れている。これら電磁バルブ26a,26bは、前記第
1実施例と同様に、エンジン制御装置30によって個別
に制御される。
【0032】次に、スタータ系について説明する。この
実施例では、スタータ系は、寒冷地などでの始動時に混
合気の燃料の割合を増加する機能と、スロットル弁20
が急激に開けられる過渡状態のときに増量の燃料を供給
する機能を有している。図中符号41はスタータジェッ
トであり、スタータジェット41は、燃料Fの流量を規
制するように構成されている。このスタータジェット4
1はスタータチューブ42の下端部に接続され、スター
タチューブ42の周囲には、スタータエアジェット43
から空気が供給され、供給された空気は、スタータチュ
ーブ42の側壁部に形成されたブリード孔(図示略)か
ら内部に吸い込まれるようになっている。ここで、スタ
ータエアジェット43は、ダイヤフラム5の下側の空間
7aに接続されて外部と連通されている。
【0033】スタータチューブ42は通路2に開口させ
られており、通路2に燃料と空気の混合気を噴出するよ
うになっている。また、スタータチューブ42にはアク
チュエータによってその開度が調整可能とされた電磁バ
ルブ26cが介装されている。
【0034】次に、図5は実施例の燃料供給装置の回路
構成を示すブロック図であり、符号30は、エンジンE
および電磁バルブ26a,26b,26cを駆動するア
クチュエータを制御するエンジン制御装置(制御手段)
である。この実施例では、運転者がセルモータを始動さ
せるスタータスイッチを操作すると、所定の条件下で増
量の燃料供給が行われる。スタータスイッチが操作され
ると、スタータスイッチ検出手段51が検出し、その検
出信号s1をエンジン制御装置30の始動増量状態判定
手段31に供給する。
【0035】また、エンジンEにはその温度(または、
冷却水温度)を検出するサーミスタ等のエンジン温度検
出手段52が配置されており、エンジン温度検出手段5
2は、温度データs2を始動増量状態判定手段31に供
給する。また、エンジンEのクランク軸には、エンジン
回転数(回転速度)を検出するエンジン回転数検出手段
53が配置され、エンジン回転数検出手段53は、エン
ジンEの速度データs3を始動増量状態判定手段31と
加速増量状態判定手段32とに供給する。
【0036】次に、ギアポジション検出手段54は、自
動二輪車の変速機のギヤポジションを検出し、その検出
信号s4をエンジン負荷検出手段55に供給する。ま
た、スロットル開度検出手段56は、スロットル弁20
の開度を検出し、開度に比例した開度データs5をエン
ジン負荷検出手段55に供給する。そして、エンジン負
荷検出手段55は、ギアポジションの検出信号s4と開
度データs5とに所定の重み付けをして演算を行い、現
在のエンジン負荷を負荷データs6として始動増量状態
判定手段31と加速増量状態判定手段32とに供給す
る。
【0037】また、開度データs5は過渡状態判定手段
57にも供給され、過渡状態判定手段57は、開度デー
タs5とタイマ等の計時手段58から供給されるパルス
信号から、スロットル弁20が開く動作の速度を演算
し、この演算結果が所定の値以上のときに過渡状態と判
定し、過渡状態を示す信号s7を加速増量状態判定手段
32に供給する。
【0038】次に、増量値算出手段33は、始動増量状
態判定手段31からのデータにより、スタータチューブ
42から噴出する混合気の量を演算し、増量値データs
8をアクチュエータ駆動手段34に供給する。また、も
う一方の増量値算出手段35も、加速増量状態判定手段
32からのデータにより、スタータチューブ42から噴
出する混合気の量を演算し、増量値データs9をアクチ
ュエータ駆動手段34に供給する。
【0039】(2)実施例の動作 次に、第2実施例の空燃比補正装置の動作について説明
する。エンジンEの通常の運転においては、空燃比の制
御は電磁バルブ26a,26bの開度を調整するアクチ
ュエータを制御することにより行われる。すなわち、エ
ンジン制御装置30は、スロットル開度およびギアポジ
ションからなるエンジン負荷と、エンジン回転数とに応
じた最適の空燃比を例えばマップから読み出し、読み出
した空燃比に基づいて電磁バルブ26a,26bを駆動
するアクチュエータを制御する。
【0040】一方、エンジンEの始動時においては、始
動増量状態判定手段31は、スタータスイッチの検出信
号s1が供給されたことを条件として、エンジンEの温
度データs2、速度データs3および負荷データs6に
それぞれの重み付けをして演算を行い、その演算結果が
所定の値以下のときに燃料の増量が必要と判定する。例
えば、温度データs2および速度データs3の値が小さ
く、かつ、負荷データs6の値が大きい程上記演算によ
る値は小さくなる。
【0041】始動増量状態判定手段31は、燃料の増量
が必要と判定すると、増量値算出手段33に演算結果を
データとして供給する。増量値算出手段33は、供給さ
れたデータに基づいて増量すべき燃料の量を演算し、増
量値データs8をアクチュエータ駆動手段34に供給す
る。アクチュエータ駆動手段34は、増量値データs8
の大きさに対応する励磁電流をスタータ系のアクチュエ
ータへ供給し、電磁バルブ26cを所定の開度で開く。
これにより、濃厚な混合気がスタータチューブ42より
通路2へ供給され、通路2を流通する混合気の燃料の割
合が多くなる。したがって、エンジンEが冷えている場
合であっても円滑な始動が行われる。
【0042】次に、エンジンEの運転が継続されるとし
だいにエンジン温度が上昇し、回転数も高くなる。する
と、始動増量状態判定手段31の演算によって得られる
値が大きくなり、エンジン制御装置30は、その値が所
定の値を上回ると燃料の増量は不要と判定する。これに
より、増量値算出手段33へのデータの供給が停止さ
れ、アクチュエータ駆動手段34はアクチュエータを駆
動して電磁バルブ26cを閉じる。よって、その後エン
ジンEは、スタータ系による燃料の増量を行わない通常
運転状態となる。
【0043】一方、通常運転状態のときに、スロットル
弁20を開く動作の速度が所定値以上となると、過渡状
態判定手段57は過渡状態を示す信号s7を加速増量状
態判定手段32に供給する。加速増量状態判定手段32
は、過渡状態を示す信号s7が供給されたことを条件と
して、エンジンEの速度データs3および負荷データs
6にそれぞれの重み付けをして演算を行い、その演算に
よる値が所定の値以下のときに燃料の増量が必要と判定
する。例えば、過渡状態であってもギアポジションが低
くかつエンジン回転数が高い場合には上記演算による値
は高くなる。
【0044】加速増量状態判定手段32は、燃料の増量
が必要と判定すると、増量値算出手段35に演算結果を
データとして供給する。増量値算出手段35は、上記演
算結果のデータに基づいて増量すべき燃料の量を演算
し、増量値データs9をアクチュエータ駆動手段34に
供給する。アクチュエータ駆動手段34は、増量値デー
タs9の大きさに対応する励磁電流をスタータ系のアク
チュエータに供給し、電磁バルブ26cを所定の開度で
開く。これにより濃厚な混合気がスタータチューブ42
より通路2へ供給され、通路2を流通する混合気の燃料
の割合が多くなる。これによって、エンジンEの加速が
促進される。
【0045】エンジンEの加速が行われてエンジン回転
数が上昇すると、加速増量状態判定手段32による演算
の値が上昇し、その値が所定値を上回ると、燃料の増量
は不要と判定する。これにより、増量値算出手段35へ
のデータの供給が停止され、アクチュエータ駆動手段3
4はアクチュエータを駆動して電磁バルブ26cを閉じ
る。よって、その後エンジンEは、スタータ系からの燃
料増量を行わない通常運転状態となる。
【0046】上記構成の空燃比補正装置においては、ス
タータチューブ42から増量燃料の混合気が噴出される
運転が行われて運転条件が所定条件を満たすと、エンジ
ン制御装置30が電磁バルブ26cを閉じて自動的に通
常運転状態となる。したがって、従来のようにスタータ
プランジャを戻す作業を必要とせず、よって、運転者の
負担を軽減することができる。
【0047】特に、上記実施例では、エンジンEの温
度、回転数、およびスロットル開度とギアポジションに
基づいて増量の燃料を始動時に必要とするか否かを判定
するから、必要なときに増量の燃料を確実に供給するこ
とができ、寒冷地での始動をスムーズに行うことができ
る。また、エンジンEの始動後には、上記のような運転
条件に基づいて増量燃料の供給を停止するから、速やか
に通常運転に移行することができる。
【0048】さらに、上記実施例では、スロットル弁2
0が急激に開けられる過渡状態が生じると、加速増量状
態判定手段32がエンジン回転数と、ギアポジションお
よびスロットル開度のエンジン負荷を加味した判定を行
うことにより増量の燃料を供給するから、スロットル弁
20の動作に加速を追従させることができる。加えて、
よりエンジンEの近くに位置するスタータチューブ42
から増量燃料を供給するので、加速応答性をより一層向
上させることができる。加えて、上記実施例では、エン
ジン回転数と、ギアポジションおよびスロットル開度の
エンジン負荷に対応して増量燃料の量を調整するので、
当該運転状態に応じた加速を得ることができる。
【0049】C.変更例 なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
種々の変更が可能である。たとえば、上記第1実施例で
は、パイロットエアジェット22の空気の流量を制御し
ているが、メインエアジェット13に電磁バルブを設け
て個別に制御するようにしても良い。あるいは、キャブ
レタCの下流側に二次エアを供給する通路を設け、この
通路に電磁バルブを配置してその開度を各キャブレタC
毎に制御するようにしても良い。また、上記実施例で
は、キャブレタCにおけるエアの流量を制御している
が、例えばメインジェット12における燃料の流量を制
御するようにしても良い。さらに、上記第1実施例で
は、エンジン制御装置に排ガス情報#1〜#4と、負荷
情報およびエンジン回転数を示すデータを供給して制御
に供しているが、本発明の目的を達成するためには必ず
しも必要ではない。
【0050】例えば、第1実施例ではCOセンサから送
られてくる排ガス情報により空燃比のフィードバック制
御を行っているが、図6に示すように、各気筒間におけ
る空燃比のばらつきを排ガス成分等を予め測定すること
によって確認しておき、その測定結果をエンジン制御装
置30に記憶させておくように構成することができる。
この場合には、エンジン制御装置30は、記憶した測定
結果に基づいて電磁バルブEV1〜EV4の制御量を調
整し、各気筒における空燃比を均一化する。
【0051】上記第1実施例は、本発明を4気筒エンジ
ンに適用したものであるが、本発明は気筒数に限定され
るものではない。また、エンジン制御装置30に供給さ
れる負荷情報としては、スロットル開度およびギアポジ
ションに駆動輪のトルクなどを加えることができ、ある
いはそれらのいずれかを選択して用いることができる。
【0052】上記第2実施例では、エンジンEの温度、
回転数、エンジン負荷の3つの条件により始動時の増量
燃料を供給するか否かを判定する構成であるが、それら
のうちの1または2の条件により判定するようにしても
良い。また、気温、気圧および湿度等の気象条件を判定
のためのデータとすることができる。さらに、エンジン
負荷については、駆動輪のトルクを加えても良く、ま
た、それらエンジン負荷から適宜選択することができ
る。加えて、始動時に燃料の増量を行うか否かを判定せ
ずに、運転者のスイッチ操作により増量を行うようにし
ても良い。
【0053】上記第2実施例では、エンジン回転数とエ
ンジン負荷によって過渡状態での増量燃料を供給するか
否かを判定しているが、いずれか一方の条件によって判
定するようにしても良い。あるいはそれらの条件を加味
せずに、過渡状態判定手段57による判定のみによって
増量燃料を供給するようにしても良い。さらに、増量燃
料の量を上記条件に応じて加減する構成であるが、本発
明の目的達成のためには必ずしも必要ではない。
【0054】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の空燃比補
正装置においては、空燃比の補正を簡単に行うことがで
きる。また、経年変化に対して容易に対応することがで
き、しかも、低速域から高速域にわたる運転領域全てに
おいて空燃比を補正することができる等の効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の空燃比補正装置を示す系
統図である。
【図2】第1実施例におけるキャブレタを示す側断面図
である。
【図3】第1実施例の制御を説明するための図である。
【図4】本発明の第2実施例における空燃比補正装置の
系統図である。
【図5】第2実施例の回路構成を示すブロック図であ
る。
【図6】第1実施例の空燃比補正装置の変更例を示す系
統図である。
【符号の説明】
30…エンジン制御装置(制御装置) C1〜C4…キャブレタ(キャブレタ手段) EV1〜EV4…電磁バルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多気筒エンジンの各気筒毎に設けられた
    キャブレタ手段と、このキャブレタ手段における空気お
    よび燃料の少なくともいずれか1つの流量を調整する電
    磁バルブと、各電磁バルブを個別に制御して各気筒にお
    ける空燃比を補正する制御手段とを具備したことを特徴
    とする空燃比補正装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記各気筒の予め確認
    された空燃比に対応した制御量を記憶し、この制御量に
    基づいて前記各電磁バルブを制御して空燃比を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、スロットル弁の開度等
    のエンジン負荷およびエンジン回転数に対応した空燃比
    目標値を予め記憶しており、この空燃比目標値に基づい
    て前記各電磁バルブを制御して空燃比を補正することを
    特徴とする請求項1または2に記載の空燃比補正装置。
  4. 【請求項4】 前記エンジンの排気ガスの成分を検出す
    るセンサを備え、前記制御手段は、上記センサによる検
    出結果に基づいて実際の空燃比を推定し、推定された空
    燃比からその補正値を設定し、この補正値に基づいて前
    記各電磁バルブを制御して空燃比を補正することを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の空燃比補正
    装置。
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