JPH08283468A - ポリプロピレン系樹脂組成物及び発泡体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物及び発泡体

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JPH08283468A
JPH08283468A JP9101395A JP9101395A JPH08283468A JP H08283468 A JPH08283468 A JP H08283468A JP 9101395 A JP9101395 A JP 9101395A JP 9101395 A JP9101395 A JP 9101395A JP H08283468 A JPH08283468 A JP H08283468A
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weight
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polypropylene resin
foaming agent
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JP9101395A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Kai
敏之 甲斐
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 成分(A):(a)ラジカル重合性酸無水物
を構成モノマーとして含むエチレン系共重合体、(b)
分子内に2個以上の水酸基を有する多価アルコール化合
物及び(c)反応促進剤からなる架橋性樹脂組成物1〜
40重量%と成分(B):ポリプロピレン系樹脂99〜
60重量%を有するポリプロピレン系樹脂組成物及び該
組成物を用いた発泡体。 【効果】 本発明により機械的特性、耐熱性が良好で、
しかも発泡成形性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物
が提供される。また、本発明のポリプロピレン系樹脂組
成物を用いて得られる発泡体は、自動車、車両、船舶等
の内装用材料、電気機器、精密機械等の包装材料、或い
は一般家屋をはじめとする建築用内装材料等の用途に幅
広く利用する事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレン系樹脂
組成物及び該組成物を用いてなる発泡体に関する。更に
詳しくは、機械的強度、耐熱性に優れ、例えば自動車、
車両、船舶等の内装用材料、電気機器、精密機械等の包
装材料、或いは一般家屋をはじめとする建築用内装材料
等として好適に用いることができるリサイクル可能な発
泡体及びその発泡体を得ることのできる樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】フロンや炭化水素等の揮発性発泡剤を用
いてポリオレフィンを発泡させる押出し発泡法において
は、揮発性発泡剤の気化熱を利用して気泡構造を安定さ
せるため、押出機中に発泡剤を注入し、樹脂と混練りし
て押し出すことによって発泡体を得ることができる。こ
の成形の際に、成形温度を高くすると樹脂粘度が急激に
低下してしまい気泡が安定せず、逆に成形温度を低くす
ると樹脂の結晶化が進行してしまい均一な発泡が行われ
ない。発泡に適した粘弾性が得られる成形温度範囲は樹
脂の種類によって異なっており、一般にこの温度範囲を
発泡適性温度範囲と称している。ポリプロピレン系樹脂
は、加工性、機械的強度、耐熱性に優れ多方面にわたり
利用されているが、結晶性が高く粘弾性が僅かな温度変
化によって大きく変化するため、発泡適性温度範囲が非
常に狭く、発泡成形を行うことは非常に困難であった。
これらの欠点の改良として、架橋性樹脂組成物(エチレ
ン系共重合体)をポリプロピレン系樹脂に混ぜる方法が
開示されている(特開昭63−289038、特開平1
−167342)が、架橋度の制御等が問題で充分な発
泡成形性が得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の欠点を解消し、簡易な方法によって機械的特性、耐
熱性が良好で、発泡成形性に優れたポリプロピレン系樹
脂組成物及び該組成物を用いた発泡体を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、前記課題を解決す
るために、発明者らは鋭意研究を重ねた結果、成分
(A):(a)エチレンと少なくともラジカル重合性酸
無水物を構成モノマーとして含む共重合体であり、その
共重合体中のラジカル重合性酸無水物基の成分濃度が
0.1〜20重量%であり、その他のラジカル重合性コ
モノマー基の成分濃度が0〜20重量%であるエチレン
系共重合体、(b)分子内に2個以上の水酸基を有する
多価アルコール化合物及び(c)反応促進剤を含有し、
成分(a)中のラジカル重合性酸無水物に由来する単位
に対し、成分(b)である多価アルコール化合物中の水
酸基の単位のモル比が0.01〜10の範囲であり、且
つ成分(c)である反応促進剤が成分(a)であるエチ
レン系共重合体100重量部に対して0.001〜20
重量部の範囲である架橋性樹脂組成物1〜40重量%と
成分(B):ポリプロピレン系樹脂99〜60重量%よ
りなるポリプロピレン系樹脂組成物、及び該組成物が発
泡成形性を改良できることを見いだした。本発明はかか
る知見に基づいて完成されたものである。
【0005】以下本発明の内容を詳細に説明する。本発
明に関わるポリプロピレン系樹脂組成物の構成樹脂であ
る架橋性樹脂組成物(A)の成分(a)であるエチレン
系共重合体は、少なくともエチレンとラジカル重合性酸
無水物とを共重合してなるエチレン系共重合体である。
本エチレン系共重合体は必要に応じて他のラジカル重合
性コモノマー(以下第3モノマーと言う)を共重合して
用いることができる。本発明に使用するラジカル重合性
酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、
無水エンディック酸、無水シトラコン酸、1−ブテン−
3,4−ジカルボン酸無水物、炭素数が多くとも18で
ある末端に二重結合を有するアルケニル無水コハク酸、
炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有するア
ルカジエニル無水コハク酸等を挙げることができる。こ
れらは2種類以上同時に併用しても差し支えない。この
うち、無水マレイン酸、無水イタコン酸が好適に用いら
れる。
【0006】本発明に関するエチレン系共重合体におい
て、ラジカル重合性酸無水物に由来する単位は0.1〜
20重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜10重量
%の範囲である。該ラジカル重合性酸無水物に由来する
単位が0.1重量%よりも少なくなると、架橋性樹脂組
成物の架橋度が充分でなく、本ポリプロピレン系樹脂組
成物の充分な成形性の改良効果が得られない。また20
重量%を越えると、耐吸湿性等の性質を損なう上、コス
トが高くなるため好ましくない。
【0007】前記ラジカル重合性酸無水物と併用するこ
とができる第3モノマーとしては、エチレン系不飽和エ
ステル化合物、エチレン系不飽和アミド化合物、エチレ
ン系不飽和酸化合物、エチレン系不飽和エーテル化合
物、エチレン系不飽和炭化水素化合物等を挙げることが
できる。
【0008】これらを具体的に記せば、エチレン系不飽
和エステル化合物としては、酢酸ビニル、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ベンジル、フマル酸メチル、フマル酸エチル、フマル酸
プロピル、フマル酸ブチル、フマル酸ジメチル、フマル
酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、
マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸プロ
ピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブ
チル、等を例示する事ができる。
【0009】エチレン系不飽和アミド化合物としては、
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリル
アミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アク
リルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N
−オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミド、等を例示することができる。
【0010】エチレン系不飽和カルボン酸化合物として
は(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、等を例
示することができる。エチレン系不飽和エーテル化合物
としてはメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクタデシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテ
ル、等を例示することができる。エチレン系不飽和炭化
水素化合物及びその他の化合物としてはスチレン、α−
メチルスチレン、ノルボルネン、ブタジエン、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、クロト
ンアルデヒド、トリメトキシビニルシラン、トリエトキ
シビニルシラン等を挙げることができる。これらの第3
モノマーは、必要に応じて2種類以上同時に併用しても
よい。
【0011】上記第3モノマーを併用する場合、本エチ
レン系共重合体中の該第3モノマー成分の含量は20重
量%以下であることが好ましい。20重量%を越える
と、本ポリプロピレン系樹脂組成物の成形性に支障をき
たす。
【0012】エチレン系共重合体のMFR(JIS K
−7210 )は、0.1〜1000g/10分の範囲
が好ましい。本エチレン系共重合体は、一般的に知られ
ている方法、即ち、塊状、溶液、懸濁、またはエマルジ
ョン等の重合プロセスにより製造することができるが、
基本的に通常の低密度ポリエチレンの製造設備および技
術を利用することができる。
【0013】架橋性樹脂組成物の成分(b)である、少
なくとも分子内に水酸基を2つ以上有する多価アルコー
ル化合物としては、具体的には、例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル等のグリコール類;1,4ブタンジオール、1,6ヘ
キサンジオール、1,8オクタンジオール、1,10デ
カンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール等のアルコール化合
物;アルビトール、ソルビトール、ソルビタン、キシロ
ース、アラミノース、グルコース、ガラクトース、ソル
ボース、フルクトース、パラチノース、マルトトリオー
ス、マレジトース等の糖類;エチレン−酢酸ビニル共重
合体の鹸化物、ポリビニルアルコール、水酸基を複数有
するポリオレフィン系オリゴマー、エチレン−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート共重合体等の分子内に水
酸基を複数有する重合体等が挙げられる。
【0014】また、前記多価アルコール化合物として
は、一般式(1)または(2) (R)a C(CH2 OH)b ──────── (1) (式中、Rは水素、炭素原子数1〜12個の鎖状或いは
環状アルキル基またはアラルキル基を表し、aは0〜2
の整数を表し、bは2〜4の整数を表し、且つa+b=
4を満足するように選択される。) HO−CH2 CH(OH)CH2 −[CH2 CH(OH)CH2 −O]n −H ─────── (2) (式中、nは0〜10の整数である。)で示される多価
アルコール化合物にエチレンオキシドまたはプロピレン
オキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレ
ン化合物及び一般式(3) R’−COOH ────────── (3) (式中、R’は炭素原子数2〜25個の鎖状または環状
のアルキル基またはアラルキル基を表す。)で示される
有機カルボン酸化合物と、前記一般式(2)で示される
ポリグリセリンとを脱水縮合して得られる、分子内に2
個以上の水酸基を有するポリグリセリンエステルを用い
ることもできる。さらに、前記多価アルコール化合物と
しては、ソルビタンあるいは分子内に2個以上の水酸基
を有するソルビタン誘導体と、一般式(3)で表される
有機カルボン酸化合物とのソルビタンアルキルエステル
を用いることができる。
【0015】これらのポリオキシアルキレン化合物とし
ては、具体的には例えば、1,3ジヒドロキシプロパ
ン、2,2−ジメチル−1,3−ジヒドロキシプロパ
ン、トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロー
ルプロパン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、
1,1,1−トリメチロールドデカン、2−シクロヘキ
シル−2−メチロール−1,3−ジヒドロキシプロパ
ン、2−(p−メチルフェニル)−2−メチロール−
1,3ジヒドロキシプロパン、ペンタエリスリトール、
グリセリン、ジグリセリン、ヘキサグリセリン、オクタ
グリセリン、デカグリセリン等にエチレンオキシドもし
くはプロピレンオキシドを付加反応させたものが挙げら
れる。
【0016】また、前記のようなポリグリセリンエステ
ルとしては、具体的には例えば、グリセリンモノステア
レート、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノラ
ウレート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモ
ノヘキサノエート、グリセリンモノフェネチルエステ
ル、グリセリンモノプロピオネート、ジグリセリンモノ
ステアレート、ジグリセリンジステアレート、ジグリセ
リンモノオレエート、ジグリセリンモノヘキサノエー
ト、ジグリセリンジオクタノエート、テトラグリセリン
モノステアレート、テトラグリセリントリステアレー
ト、テトラグリセリンテトラステアレート、テトラグリ
セリントリヘキサノエート、テトラグリセリンモノフェ
ネチルエステル、ヘキサグリセリンモノステアレート、
ヘキサグリセリンジステアレート、ヘキサグリセリンペ
ンタステアレート、ヘキサグリセリントリオレエート、
ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンペ
ンタラウレート、デカグリセリンモノステアレート、デ
カグリセリンオクタステアレート、デカグリセリンペン
タオレエート、デカグリセリンジラウレート、ペンタデ
カグリセリンジステアレート、ペンタデカグリセリンデ
カオレエート、オクタデカグリセリンテトラステアレー
ト等が挙げられる。
【0017】さらに、ソルビタンアルキルエステルとし
ては、具体的には例えば、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレ
ート、ソルビタンモノカプリレート、ソルビタンモノヘ
キサノエート、ソルビタンモノフェネチルエステル、ソ
ルビタンモノプロピオネート、ソルビタントリステアレ
ート、ソルビタンテトラステアレート等が挙げられる。
【0018】そして、これら成分(b)の分子内に2個
以上の水酸基を有する多価アルコール化合物は、上記の
多価アルコール化合物のうち、融点300℃以下である
ものが好ましく、特に、ポリオキシアルキレン化合物及
びポリグリセリンエステルが好適に用いられる。そし
て、これらの多価アルコール化合物は、単独で用いても
良く、また2種類以上混合して用いることもできる。成
分(b)の多価アルコールの使用量は、成分(a)のエ
チレン系共重合体中に含まれる不飽和カルボン酸無水物
に由来する単位に対して多価アルコール化合物中に含ま
れる水酸基のモル比が0.01〜10の範囲、より好ま
しくは0.05〜5の範囲であることが望ましい。この
モル比が0.01よりも少ない場合は、架橋性樹脂組成
物の架橋度が充分でなく、本ポリプロピレン系樹脂組成
物における満足な成形性の改良効果が得られない。ま
た、該モル比が10よりも多いとき、架橋性樹脂組成物
の架橋度が充分でなく、本ポリプロピレン系樹脂組成物
の成形性に支障をきたす。また、分子内に2個以上の水
酸基を有する多価アルコール化合物の代わりに、分子内
に2個以上のアミノ基、エポキシ基、イソシアネート基
を有する化合物を使用することもできる。
【0019】架橋性樹脂組成物の(c)成分である反応
促進剤とは、エチレン系二元共重合体もしくはエチレン
系多元共重合体中に含まれる不飽和カルボン酸無水物に
由来する単位に含まれるカルボニルを活性化し、水酸基
と酸無水物との反応を促進させる化合物である。そのよ
うな反応促進剤の一例として、有機カルボン酸の金属塩
が挙げられる。有機カルボン酸の金属塩の例としては、
炭素数1〜30の脂肪酸である酢酸、酪酸、オクタン
酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等のカルボン
酸と、周期表のIA族、IIA族、IIB族、 IIIB族の金
属(例えばLi、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al
等)との金属塩である。
【0020】具体的に示せば、酢酸リチウム、酢酸ナト
リウム、酢酸マグネシウム、酢酸アルミニウム、酪酸カ
リウム、酪酸カルシウム、酪酸亜鉛、オクタン酸ナトリ
ウム、オクタン酸カルシウム、デカン酸カリウム、デカ
ン酸マグネシウム、デカン酸亜鉛、ラウリン酸リチウ
ム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カルシウム、ラ
ウリン酸アルミニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリス
チン酸ナトリウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミ
チン酸ナトリウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マ
グネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カ
リウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、
オレイン酸ナトリウム、ベヘン酸ナトリウム、等を挙げ
る事ができる。好適には、ラウリン酸リチウム、ラウリ
ン酸ナトリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸ア
ルミニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナト
リウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミチン酸ナト
リウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン
酸ナトリウム等が用いられる。
【0021】有機カルボン酸の金属塩の他の例として
は、カルボン酸の金属塩構造を有する樹脂がある。この
ような樹脂としては、エチレンとラジカル重合性不飽和
カルボン酸のIA族、IIA族、IIB族、 IIIB族の金属
(例えばLi、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al等)
塩とを共重合した構造を持つ物、或いはエチレンと該ラ
ジカル重合性カルボン酸の金属塩と他のラジカル重合性
不飽和カルボン酸及び/またはその誘導体とを多元共重
合した構造を持つ物が挙げられる。
【0022】更に、ポリエチレン、ポリプロピレン、遊
離エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系
樹脂に、該ラジカル重合性不飽和カルボン酸の金属塩
(遊離の不飽和カルボン酸を重合し、後で中和しても良
い。)をグラフト重合させた構造を持つ物、ポリオレフ
ィン系樹脂に該ラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他
のラジカル重合性不飽和カルボン酸及び/またはその誘
導体を同時に共グラフト重合した構造を持つ物が挙げら
れる。ここで用いられるラジカル重合性不飽和カルボン
酸及びその誘導体の例としては、(メタ)アクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノメチル、フマル
酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノエ
チル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノブチル、
(メタ)アクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、フマ
ル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチ
ル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル等を挙げる
事ができる。
【0023】反応促進剤の他の例としては、三級アミン
化合物を挙げる事ができる。ここで用いられる三級アミ
ン化合物の具体例としては、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリイソプロピルアミン、トリヘキシルア
ミン、トリオクチルアミン、トリオクタデシルアミン、
ジメチルエチルアミン、メチルジオクチルアミン、ジメ
チルオクチルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、
N,N−ジエチル−4−メチルシクロヘキシルアミン、
ジエチルシクロドデシルアミン、N,N−ジエチル−1
−アダマンタナミン、1−メチルピロリジン、1−エチ
ルピロリジン、1−エチルピペリジン、キヌクジリン、
トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,
N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−m−フェネ
チアジン、4−t−ブチル−N,N−ジメチルアニリン
等が挙げられる。
【0024】反応促進剤のその他の例としては、四級ア
ンモニウム塩を挙げる事もできる。ここで用いられる四
級アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアン
モニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモ
ニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラメチルアン
モニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミ
ド、テトラエチルアンモニウムヨージド、メチルトリ−
n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモ
ニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミ
ド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、フェニルト
リメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルア
ンモニウムクロリド等が挙げられる。更に、反応促進剤
の別の例としては、IIA族、IIB族、 IIIB族の金属の
水酸化物が挙げられる。具体例としては、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を挙
げる事ができる。またIIA族、IIB族の金属のハロゲン
化物が挙げられる。具体例としては、塩化カルシウム、
臭化カルシウム、塩化マグネシウム等を挙げる事ができ
る。
【0025】更に、オキソ酸とIA族、IIA族、IIB
族、 IIIB族の金属の塩を本発明に関わる反応促進剤の
他の例として挙げる事ができる。その具体例としては、
硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛、硝酸マグ
ネシウム、硝酸アルミニウム、燐酸ナトリウム、燐酸カ
ルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリ
ウム、沃素酸ナトリウム等があげられる。
【0026】更には、LiBF4 、NaBF4 、KBF4、NaPF6
KPF6、NaPCl6、KPCl6 、NaFeCl4 、NaSnCl4 、NaSbF6
KSbF6 、NaAsF6、KAsCl6等のルイス酸のアルカリ金属塩
も反応促進剤の他の例として挙げる事ができる。以上に
例示した反応促進剤の内、好適には有機カルボン酸の金
属塩が用いられる。また以上に例示した反応促進剤は、
必要に応じて2種類以上同時に併用しても差し支えな
い。
【0027】ここで用いられる反応促進剤の使用量は、
エチレン系二元共重合体もしくはエチレン系多元共重合
体100重量部に対して0.001重量部以上20重量
部以下の範囲、より好ましくは0.01重量部以上15
重量部の範囲である。この量が0.001重量部よりも
少ない場合は、反応が遅くなり過ぎて架橋性樹脂組成物
中に架橋構造を効果的に導入することが困難となる。ま
たこの量が20重量部よりも多い場合は反応速度を向上
させる点において無意味であるだけでなく経済的にも好
ましくない。
【0028】成分(A)の架橋性樹脂組成物の使用量
は、ポリプロピレン系樹脂組成物に対して1〜40重量
%の範囲、好ましくは5〜30重量%未満の範囲、より
好ましくは10〜20重量%未満の範囲である。この量
が1重量%未満では、ポリプロピレン系樹脂組成物の溶
融張力が小さく、充分な成形性が得られない。逆に40
重量%を越えると、ポリプロピレン系樹脂組成物の耐熱
性、機械的特性が損なわれるため好ましくない。
【0029】本発明の成分(B)であるポリプロピレン
系樹脂としては、プロピレン単独重合体及びプロピレン
とエチレン叉は炭素数4〜10のα−オレフィンとの共
重合体が挙げられる。炭素数4〜10のα−オレフィン
としては、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、
3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメ
チル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘ
キセン等が挙げられる。上記オレフィンがエチレンであ
るときには、共重合エチレン含量が5(好ましくは4)
重量%以下、上記オレフィンが炭素数4〜10のα−オ
レフィンであるときには、共重合α−オレフィン含量が
20(好ましくは16)重量%以下であることが好まし
い。共重合体はランダム共重合体であってもブロック共
重合体であっても良いが、ブロック共重合体が好まし
く、プロピレン−エチレン共重合体がさらに好ましい。
ここで用いられるポリプロピレン系樹脂のMFR(JI
SK7210 表1条件14に従う)は0.01〜10
0g/10分の範囲、好ましくは0.1〜50g/10
分の範囲である。
【0030】本ポリプロピレン系樹脂組成物のMFRは
0.1〜20g/10分の範囲であり、好ましくは0.
5〜10g/10分の範囲である。この範囲を外れてM
FRが小さすぎたり、大きすぎたりした場合は、発泡成
形が困難となり好ましくない。
【0031】本発明に関する発泡剤としては、無機発泡
剤、揮発性発泡剤、分解型発泡剤等を用いることができ
る。揮発性発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、イソブタン、ネオペンタン、イソペンタ
ン、ヘキサン、ブタジエン等の脂肪族炭化水素、シクロ
ブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、さら
には、メチルクロライド、メチレンクロライド、ジクロ
ロフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、ジクロ
ロジフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、ジフル
オロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテト
ラフルオロエタン、モノクロロペンタフルオロエタン、
1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1−クロロ−
1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−2,
2,2−トリフルオロエタン、1,1−ジクロロ−1−
フルオロエタン等のハロゲン化炭化水素を用いることが
できる。
【0032】また、分解型発泡剤としては、アゾジカル
ボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ア
ゾビスイソブチロニトリル、炭酸ナトリウム、重炭酸ナ
トリウム、重炭酸カリウム等を用いることができる。こ
れらの発泡剤は適宜2種類以上を混合して用いることも
できる。
【0033】本発明に関する発泡剤の使用量は、発泡剤
の種類、所望する発泡倍率によっても異なるが、本ポリ
プロピレン系樹脂組成物100重量部に対して0.1〜
30重量部の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.2
〜20重量部の範囲である。0.1重量部未満では発泡
倍率が不十分であり、30重量部を越えると均質微細に
発泡した発泡体を得ることができない。
【0034】また、発泡に際し発泡体の気泡調製剤とし
て「核剤」として知られている少量のタルク、微細珪酸
カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、シリカ等の無機粉末や、多価カルボ
ン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム或いは
重炭酸ナトリウム等との反応混合物等を用いることがで
きる。さらに、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミ
ド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、N−メ
チルステアリン酸アミド、N−エチルステアリン酸アミ
ド、N,N−ジメチルステアリン酸アミド、ジラウリン
酸アミド、ジステアリン酸アミド、ジパルチミン酸アミ
ド等の高級脂肪族アミド、ドデシルアミン、テトラデシ
ルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、
エイコシルアミン、デコシルアミン、N−メチルオクタ
デシルアミン、N−エチルオクタデシルアミン、ヘキサ
デシルプロピレンアミン、オクタデシルプロピレンアミ
ン等の飽和高級アルキルアミン等で代表される発泡収縮
防止剤を用いることができる。
【0035】また、本発明に関するポリプロピレン系樹
脂組成物には、該組成物の特徴を損なわない範囲で各種
の添加剤、配合剤、充填剤を使用することが可能であ
る。これらを具体的に示せば、酸化防止剤(耐熱安定
剤)、紫外線吸収剤(光安定剤)、帯電防止剤、防曇
剤、難燃剤、滑剤(スリップ剤、アンチブロッキング
剤)、ガラスフィラー等の無機充填剤、有機充填剤、補
強剤、着色剤(染料、顔料)、香料等が挙げられる。
【0036】本発明におけるポリプロピレン系樹脂組成
物を製造するには、成分(A)、(B)と各種添加剤な
どを種々の手段で混合すれば良い。混合方法としては、
通常知られている種々の樹脂の混合方法を用いることが
できる。その具体的方法を例示すれば、各成分を溶融状
態で混合する方法、すなわち一般に用いられている加圧
ニーダー、ロール、バンバリーミキサー、スタティック
ミキサー、スクリュー式押出機等を用いる方法を挙げる
ことができる。この際、予めドライブレンドし、得られ
る混合物を溶融混練りすることによって均一な混合物を
得ることができる。
【0037】また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成
物の発泡体成形時に各成分を溶融混合することも可能で
ある。則ち、各成分をペレット、粉体の状態でヘンシェ
ルミキサー、タンブラーのような混合機を用いて混合
(ドライブレンド)し、発泡体の製造段階を利用して溶
融混合することも可能である。本発明のポリプロピレン
系樹脂組成物から発泡体を得る方法としては、一般に用
いられているガス発泡方法により製造することが可能で
ある。具体的にはポリプロピレン系樹脂組成物を発泡剤
とともに加圧下で溶融混練し、大気圧中に押出成形して
発泡体を得ることができる。また、発泡体を得る他の方
法としては、一般に用いられている押出発泡方法により
製造することが可能である。具体的にはポリプロピレン
系樹脂組成物を分解型発泡剤とともに溶融混練しシート
状に押出し、その後シートを加熱して発泡体を得ること
ができる。さらには、ポリプロピレン系樹脂組成物を分
解型発泡剤とともに加圧下で溶融混練し、大気中に押出
成形して発泡体を得ることができる。
【0038】
【実施例】以下実施例によって本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって制限されるものではな
い。 (評価方法) 溶融張力(以下MTと言う)東洋精機(株)社製のメル
トテンションテスター型を用い、測定温度230℃、押
出速度15mm/分、引き取り速度6.3m/分、オリ
フィス径2.095mm、L/D=3.8の条件で樹脂
ストランドを引っ張った時にかかる荷重(g)を表す。 メルトフローレート(以下MFRと言う) JIS K7210表1、条件14に従う。 発泡体の外観 発泡体シートを目視により観察し下記の通り評価した。 ○:表面の荒れや連続気泡の部分が無く、全体が均質な
性状を有する。 ×:表面に荒れや連続気泡の部分が有り、全体が均質な
性状を有していない。
【0039】(A)架橋性樹脂組成物の製造 (参考例1)エチレン−無水マレイン酸−メチルメタア
クリレートの三元共重合体を槽型反応器を有する高圧法
ポリエチレン製造設備を用いて製造した。得られたエチ
レン系共重合体(a)は、MFR20g/10分、無水
マレイン酸に由来する単位が3.0重量%、メチルメタ
アクリレートに由来する単位が11.0重量%であっ
た。尚、共重合体の組成は赤外吸収スペクトルにより決
定した。該エチレン系共重合体(a)100重量部、多
価アルコール化合物(b)として、トリメチロールプロ
パンのプロピレンオキシド(3.0mol)付加体1.
6重量部(水酸基/酸無水物基=0.5)、反応促進剤
(c)として、有機カルボン酸の金属塩、MFR5.5
g/10分、密度0.94g/cm3 であるエチレン−
メタアクリル酸共重合体の部分中和物(メタアクリル酸
含有量18重量%、該メタアクリル酸のうち約10%を
中和した共重合体<ナトリウム塩>:金属塩(1)と略
す)5重量部(金属原子/酸無水物基=0.30)を混
合した。混合にあたっては、3成分をヘンシェルミキサ
ーでブレンドした後、30mmφの異方向2軸押出機を
用いて、230℃で溶融混練りしペレット化し、(A)
架橋性樹脂組成物1を得た。該架橋性樹脂組成物のMF
Rは7.2g/10分であった。
【0040】(参考例2)エチレン系共重合体(a)と
して、エチレン−無水マレイン酸−メチルアクリレート
共重合体、無水マレイン酸に由来する単位が2.5重量
%、メチルアクリレートに由来する単位が16.0重量
%、MFRが40g/10分を使用する(水酸基/酸無
水物基=0.6)以外は参考例1と同様に行い、(A)
架橋性樹脂組成物2を得た。該架橋性樹脂組成物のMF
Rは10.2g/10分であった。
【0041】(参考例3)エチレン系共重合体(a)と
して、エチレン−無水マレイン酸−メチルアクリレート
共重合体、無水マレイン酸に由来する単位が1.0重量
%、メチルアクリレートに由来する単位が9.0重量
%、MFRが10g/分、多価アルコール化合物(b)
としてジグリセリンモノステアレート1.3重量部(水
酸基/酸無水物基=0.9)を使用する以外は、参考例
1と同様に行い、(A)架橋性樹脂組成物3を得た。該
架橋性樹脂組成物のMFRは5.2g/10分であっ
た。
【0042】(参考例4)多価アルコール化合物(b)
として、エチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート
(8重量%)共重合体4.5重量部(水酸基/酸無水物
基=0.1)、反応促進剤(c)として、ステアリン酸
ナトリウム3.0重量部を使用する以外は参考例1と同
様に行い、(A)架橋性樹脂組成物4を得た。該架橋性
樹脂組成物のMFRは6.2g/10分であった。
【0043】(参考例5)多価アルコール化合物(b)
として、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド
(3.0mol)付加体6.4重量部(水酸基/酸無水
物基=2.0)、反応促進剤(c)として金属塩(1)
10重量部を使用する以外は参考例1と同様に行い、
(A)架橋性樹脂組成物5を得た。該架橋性樹脂組成物
のMFRは7.8g/10分であった。
【0044】(参考例6)多価アルコール化合物(b)
としてトリメチロールプロパンのプロピレンオキシド
(3.0mol)付加体0.3重量部(水酸基/酸無水
物基=0.1)、反応促進剤(c)としてステアリン酸
ナトリウム0.3重量部を使用する以外は参考例2と同
様に行い、(A)架橋性樹脂組成物6を得た。該架橋性
樹脂組成物のMFRは12.8g/10分であった。
【0045】(参考例7)エチレン系共重合体(a)と
して、エチレン−無水マレイン酸−メチルアクリレート
共重合体、無水マレイン酸に由来する単位が0.05重
量%、メチルアクリレートに由来する単位が11.0重
量%、MFRが18g/10分、多価アルコール化合物
(b)としてトリメチロールプロパンのプロピレンオキ
シド(3.0mol)付加体0.05重量部(水酸基/
酸無水物基=1.0)、反応促進剤(c)として金属塩
(1)0.5重量部を使用する以外は参考例1と同様に
行い、(A)架橋性樹脂組成物7を得た。
【0046】(参考例8)多価アルコール化合物(b)
として、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド
(3.0mol)付加体16.0重量部(水酸基/酸無
水物基=15.3)を使用する以外は、参考例3と同様
に行い、(A)架橋性樹脂組成物8を得た。該架橋性樹
脂組成物のMFRは9.1g/10分であった。
【0047】(参考例9)多価アルコール化合物(b)
として、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド
(3.0mol)付加体0.02重量部(水酸基/酸無
水物基=0.006)を使用する以外は、参考例1と同
様に行い、(A)架橋性樹脂組成物9を得た。該架橋性
樹脂組成物のMFRは18.1g/10分であった。
【0048】(参考例10)反応促進剤(c)を用いな
い以外は、参考例2と同様に行い、(A)架橋性樹脂組
成物10を得た。該架橋性樹脂組成物のMFRは27.
8g/10分であった。
【0049】(実施例1) (A)架橋性樹脂組成物として、参考例1で得られた架
橋性樹脂組成物19重量%、(B)ポリプロピレン系樹
脂として、MFRが0.5g/10分のプロピレン単独
重合体81重量%、BHT0.1重量部、タルク(平均
粒径約2.0μm)1.0重量部をヘンシェルミキサー
でドライブレンド後、37mmφの同方向二軸押出機を
用いて、220℃で溶融混練しペレット化した。該ポリ
プロピレン系樹脂組成物のMFRは1.0g/10分、
MTは8.1gであった。このペレットを50mmφ押
出機と65mmφ押出機からなるタンデム押出機で22
0℃で混練し、押出機の途中から揮発性発泡剤としてク
ロロジフルオロメタンと1−クロロ−1,1−ジフルオ
ロエタンの40:60(重量基準)の混合物13重量部
を圧入し、リップ幅600mm、0.4mmの間隙を持
つT型ダイスから、ダイ温度160℃で大気中に押出し
発泡シートを得た。成形は特に問題なく実施でき、得ら
れた発泡シートの見かけ密度は0.11g/cm3 であ
り、外観気泡状態は良好であった。
【0050】(実施例2)参考例1で得られた架橋性樹
脂組成物を12重量%、プロピレン単独重合体を88重
量%にする以外は実施例1と同様に行い、MFR0.7
g/10分、MT6.9gのポリプロピレン系樹脂組成
物を得た。該組成物を、発泡剤量15重量部とする以外
は実施例1と同様に発泡成形した。見かけ密度は0.0
9g/cm3 で発泡成形性に問題はなく、外観、気泡状
態は良好であった。
【0051】(実施例3)参考例2で得られた架橋性樹
脂組成物を19重量%使用する以外は、実施例1と同様
に行い、MFR1.4g/10分、MT8.8gのポリ
プロピレン系樹脂組成物を得た。該組成物を、発泡剤量
21重量部とする以外は実施例1と同様に発泡成形し
た。見かけ密度0.06g/cm3 で発泡成形性に問題
はなく、外観、気泡状態は良好であった。
【0052】(実施例4)参考例3で得られた架橋性樹
脂組成物を15重量%、プロピレンの単独重合体を85
重量部使用する以外は、実施例1と同様に行い、MFR
0.9g/10分、MT5.9gのポリプロピレン系樹
脂組成物を得た。該組成物を、発泡剤量15重量部とす
る以外は実施例1と同様に発泡成形した。見かけ密度は
0.10g/cm3 で発泡成形性に問題はなく、外観、
気泡状態は良好であった。
【0053】(実施例5)参考例4で得られた架橋性樹
脂組成物を17重量%、プロピレンの単独重合体を83
重量%使用する以外は、実施例1と同様に行い、MFR
0.8g/10分、MT7.0gのポリプロピレン系樹
脂組成物を得た。該組成物を、発泡剤量17重量部とす
る以外は実施例1と同様に発泡成形した。見かけ密度は
0.09g/cm3 で発泡成形性に問題はなく、外観、
気泡状態は良好であった。
【0054】(実施例6)参考例5で得られた架橋性樹
脂組成物を19重量%、MFR7.0g/10分のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量3.
0重量%)81重量%を使用する以外は、実施例1と同
様に行い、MFR7.2g/10分、MT3.5gのポ
リプロピレン系樹脂組成物を得た。該組成物100重量
部に発泡剤として、アゾジカルボンアミド5重量部を加
え、タンブラーでドライブレンドした後、25mmφ押
出機を有するTダイス成形機を用いて溶融押出し、発泡
性シートを製造した。得られた発泡性シートを230℃
の塩浴に入れ加熱することにより、発泡シートを得た。
見かけ密度は0.18g/cm3 で発泡成形性に問題は
なく、外観、気泡状態は良好であった。
【0055】(実施例7)参考例6で得られた架橋性樹
脂組成物を15重量%、MFR10.0g/10分のプ
ロピレン単独重合体85重量%を使用する以外は、実施
例1と同様に行い、MFR10.8g/10分、MT
3.5gのポリプロピレン系樹脂組成物を得た。該組成
物100重量部に発泡剤として、重炭酸ナトリウムとク
エン酸の50:50(重量基準)の混合物2重量部を加
えて、タンブラーでドライブレンドした後、25mmφ
押出機で溶融押出発泡して発泡シートを製造した。見か
け密度0.52g/cm3 で発泡成形性に問題はなく、
外観、気泡状態は良好であった。
【0056】(比較例1)参考例7で得られた架橋性樹
脂組成物を19重量%使用する以外は、実施例1と同様
に行い、MFR2.4g/10分、MT1.6gのポリ
プロピレン系樹脂組成物を得た。該組成物を、発泡剤量
15重量部とする以外は実施例1と同様に発泡成形を試
みたが、溶融粘度が不足しセル形状や表面状態が不均一
になり、外観の良い発泡体は得られなかった。
【0057】(比較例2)参考例8で得られた架橋性樹
脂組成物を15重量%、プロピレン単独重合体85重量
%使用する以外は、実施例1と同様に行い、MFR2.
1g/10分、MT1.2gのポリプロピレン系樹脂組
成物を得た。該組成物を、発泡剤量20重量部とする以
外は実施例1と同様に発泡成形を試みたが、溶融粘度が
不足しセル形状や表面状態が不均一になり、外観の良い
発泡体は得られなかった。
【0058】(比較例3)参考例9で得られた架橋性樹
脂組成物を19重量%、MFR5.0g/10分のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量2.
0重量%)81重量%使用する以外は、実施例1と同様
に行い、MFR7.4g/10分、MT0.8gのポリ
プロピレン系樹脂組成物を得た。該組成物を、発泡剤量
15重量部とする以外は実施例1と同様に発泡成形を試
みたが、溶融粘度が不足しセル形状や表面状態が不均一
になり、外観の良い発泡体は得られなかった。
【0059】(比較例4)参考例10で得られた架橋性
樹脂組成物を15重量%、MFR10.0g/10分の
プロピレン単独重合体85重量%を使用する以外は、実
施例1と同様に行い、MFR14.0g/10分、MT
0.7gのポリプロピレン系樹脂組成物を得た。該組成
物を、発泡剤量20重量部とする以外は実施例1と同様
に発泡成形を試みたが、溶融粘度が不足しセル形状や表
面状態が不均一になり、外観の良い発泡体は得られなか
った。
【0060】(比較例5)参考例1で得られた架橋性樹
脂組成物を0.5重量%、プロピレンの単独重合体を9
9.5重量%使用する以外は実施例1と同様に行い、M
FR0.6g/10分、MT1.2gのポリプロピレン
系樹脂組成物を得た。該組成物を、発泡剤量15重量部
とする以外は実施例1と同様に発泡成形を試みたが、溶
融粘度が不足しセル形状や表面状態が不均一になり、外
観の良い発泡体は得られなかった。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本発明により機械的特性、耐熱性が良好
で、しかも発泡成形性に優れたポリプロピレン系樹脂組
成物が提供される。また、本発明のポリプロピレン系樹
脂組成物を用いて得られる発泡体は、自動車、車両、船
舶等の内装用材料、電気機器、精密機械等の包装材料、
或いは一般家屋をはじめとする建築用内装材料等の用途
に幅広く利用することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(A):(a)エチレンと少なくと
    もラジカル重合性酸無水物を構成モノマ−として含む共
    重合体であり、その共重合体中のラジカル重合性酸無水
    物基の成分濃度が0.1〜20重量%であり、その他の
    ラジカル重合性コモノマ−基の成分濃度が0〜20重量
    %の範囲であるエチレン系共重合体、(b)分子内に2
    個以上の水酸基を有する多価アルコ−ル化合物及び
    (c)反応促進剤を含有し、成分(a)中のラジカル重
    合性酸無水物に由来する単位に対し、成分(b)である
    多価アルコ−ル化合物中の水酸基の単位のモル比が0.
    01〜10の範囲であり、且つ成分(c)である反応促
    進剤が成分(a)であるエチレン系共重合体100重量
    部に対して0.001〜20重量部の範囲である架橋性
    樹脂組成物1〜40重量%と 成分(B):ポリプロピレン系樹脂99〜60重量%を
    有するポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(B)のポリプロピレン系樹脂が、
    プロピレンの単独重合体及びプロピレンとエチレン叉は
    炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体である請
    求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(b)の多価アルコ−ル化合物が、
    下記一般式(1) (R)a C(CH2 OH)b …………… (1) (式中、Rは水素、炭素原子数1〜12個の鎖状或いは
    環状アルキル基叉はアラルキル基を表し、aは0〜2の
    整数を表し、bは2〜4の整数を表し、且つa+b=4
    を満足するように選択される。)または(2) 【化1】 (式中、nは0〜10の整数である。)で示される多価
    アルコール化合物にエチレンオキシドまたはプロピレン
    オキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレ
    ン化合物及び一般式(3) R’−COOH …………… (3) (式中、R’は炭素原子数2〜25個の鎖状叉は環状の
    アルキル基叉はアラルキル基を表す。)で示される有機
    カルボン酸化合物と、前記一般式(2)で示されるポリ
    グリセリンとを脱水縮合して得られる、分子内に2個以
    上の水酸基を有するポリグリセリンエステルのうちの1
    種以上である請求項1または2記載のポリプロピレン系
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(c)の反応促進剤がカルボキシル
    基を含む重合体の金属塩叉は有機カルボン酸の金属塩で
    ある請求項1ないし3のいずれかに記載のポリプロピレ
    ン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のポ
    リプロピレン系樹脂組成物にさらに発泡剤を添加し発泡
    成形して得られる発泡体。
  6. 【請求項6】 発泡剤が揮発性発泡剤である請求項5記
    載の発泡体。
  7. 【請求項7】 発泡剤が無機発泡剤である請求項5記載
    の発泡体。
  8. 【請求項8】 発泡剤が分解型発泡剤である請求項5記
    載の発泡体。
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