JPH08282874A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JPH08282874A
JPH08282874A JP9367795A JP9367795A JPH08282874A JP H08282874 A JPH08282874 A JP H08282874A JP 9367795 A JP9367795 A JP 9367795A JP 9367795 A JP9367795 A JP 9367795A JP H08282874 A JPH08282874 A JP H08282874A
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JP
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recording
sheet
ink
recording material
recording apparatus
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JP9367795A
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English (en)
Inventor
Sunao Matsumoto
直 松本
Yoshihiro Shigemura
芳裕 茂村
Kenichi Furutoku
顕一 古徳
Masaharu Eguchi
正治 江口
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Feeding Of Articles By Means Other Than Belts Or Rollers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 担持体に保持する被記録材の後端部の浮きを
防止し、記録手段との接触等による画像の乱れを防止す
ること。 【構成】 被記録材を担持体に静電吸着する際に、被記
録材後端部に作用する静電誘引力が、その他の部分に作
用する静電誘引力に比べて強くなるように印加電圧を制
御する構成とすることにより、担持体に静電吸着した被
記録材の表面に生じる電界による不具合を防止しつつ、
該被記録材の浮きを防止することができ、被記録材の後
端と記録手段との接触を防ぎ、該接触による画像の乱れ
を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転ドラムに記録シー
トを保持し、該回転ドラムの軸方向に記録ヘッドを走査
させて画像を記録する記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、様々な記録方式を備えたプリ
ンタ,ファクシミリ,複写機等の画像形成装置が実用化
されており、中でもインクジェット記録方式が比較的安
価で小型化、静音化が可能なため、パーソナルユースか
らオフィスユースまで多岐にわたって用いられている。
例えば、インクジェット記録方式を備えたシリアルタイ
プの記録装置は、図14及び図15に示すように、記録ヘッ
ド101 を被記録材Sの搬送方向とは相対的に矢印a方向
に走査させて画像の記録を行うようになっている。
【0003】図14に示す記録装置は、被記録材Sを平面
状に搬送するタイプの装置であって、矢印b方向に回転
する搬送ローラ102 とこれに従動して回転する押圧ロー
ラ103 とによって被記録材Sを記録ヘッド101 の記録幅
ずつ間欠的に搬送し、該記録ヘッド101 を矢印a方向に
往復動させて順次画像が記録されるようになっている。
【0004】また図15に示す記録装置は、被記録材Sを
回転ドラム104 に巻き付け保持するタイプの装置であっ
て、矢印b方向へ所定の周速で回転する回転ドラム104
によって被記録材Sを回転搬送し、該回転ドラム104 が
一回転する毎に記録ヘッド101 を記録幅ずつ間欠的に移
動させて順次画像が記録されるようになっている。
【0005】上述したインクジェット方式の記録装置で
は、記録ヘッド101 のノズルから吐出されたインクを被
記録材S上の正確な位置に着弾させる必要があるため、
記録ヘッド101 のノズル面と被記録材Sとの間隔(以
後、紙間距離と記す)を狭めることによって高画質な画
像を得るようにしている。実際には約0.5 〜1.0 mmの
紙間距離を保ちながら記録が行われている。
【0006】そこで、上述紙間距離を保ちながら搬送さ
れる被記録材Sには高い平滑性が要求される。しかしな
がら、インクジェット方式の記録装置では、記録が行わ
れるにつれ、被記録材Sがインクを吸湿するため、該吸
湿に伴う変形(コックリング現象)が生じ、記録中常に
平滑性を保つことが難しい。そのため、上記図15に示す
記録装置にあっては、被記録材Sを回転ドラム104 の表
面に吸着保持して搬送を行っている。この吸着方法とし
ては、真空吸引若しくは静電吸着等があり、真空吸引は
吸引する領域を被記録材のサイズに対応させる必要があ
るため、用紙サイズが一定の記録装置に使用されること
が多いが、騒音の増大、装置の大型化等が問題となって
いる。一方、静電吸着は用紙サイズに制限がないことか
ら、一般的な記録装置に用いられている。
【0007】しかしながら、静電吸着した被記録材の表
面には電界が生じるため、元々染料が含まれているイン
クは記録ヘッドのノズルから吐出された後に、その電界
の影響を受けて着弾位置のズレを生じる。また、記録ヘ
ッドのノズルからインクが吐出されたとき同時にインク
ミストが発生し、該インクミストが電界によってノズル
面に逆戻りして付着するといった現象も生じる。しか
し、これらの現象も被記録材の表面電位を約200 V以下
とすることにより防げることがわかっている。従って、
不図示の帯電器等によって被記録材の表面電位が200 V
以下となるように一定電圧を加えて静電吸着を行うよう
にしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のように被記録材の表面電位を200 V以下に抑える
と、当然、被記録材に作用する静電誘引力は低くなるた
め、被記録材の種類によっては十分な吸着を行うことが
できず、例えば被記録材の腰の強さによっては被記録材
の後端が浮いてしまう。その結果、記録ヘッドのノズル
面と被記録材の後端部が接触して、画像が乱れてしまう
という問題があった。
【0009】そこで、この被記録材の後端部の浮きを防
ぐために、後端グリッパを設けることも考えられるが、
ドラム内の構成が複雑になり、製造コストがかかるとい
う問題があった。更には被記録材のサイズに応じた調整
が難しく、被記録材自体の周方向の長さのバラツキに対
応するのが難しいといった問題があり、決定的な解決に
はならなかった。
【0010】そこで、本発明の目的は、担持体に保持す
る被記録材の後端部の浮きを防止し、記録手段との接触
等による画像の乱れを防止することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の代表的な構成は、表面に被記録材を保持して
移動する担持体と、該担持体の表面に保持された被記録
材に画像を記録する記録手段と、該担持体と被記録材と
の間に静電誘引力を発生させる帯電手段と、被記録材に
印加する電圧を制御する制御手段と、を有し、被記録材
後端部に作用する静電誘引力が、その他の部分に作用す
る静電誘引力に比べて強くなるように印加電圧を制御す
ることを特徴とする。
【0012】
【作用】上記構成にあっては、被記録材を担持体に静電
吸着する際に、被記録材後端部に作用する静電誘引力
が、その他の部分に作用する静電誘引力に比べて強くな
るように印加電圧を制御するようになっているため、担
持体に静電吸着した被記録材の表面に生じる電界による
不具合を防止しつつ、該被記録材の浮きを防止すること
ができる。
【0013】
【実施例】次に本発明を適用した画像形成装置の一実施
例について図面を参照して具体的に説明する。
【0014】〔第1実施例〕本発明に係る記録装置の第
1実施例について説明する。図1は本実施例に係る記録
装置の概略構成を示す断面図、図2は記録装置の要部構
成を示す透視斜視図、図3は記録装置の外観斜視図であ
る。
【0015】図1及び図2において、3は多数枚の記録
シートSを積載収容可能とするシートカセットであっ
て、装置本体1の下部に着脱可能に配置されている。
尚、本実施例ではA4サイズの記録シートを積載収容す
る2つのカセット3a,3bが回転ドラム10の軸方向に
並べて配置されている。4は給紙ローラであって、上記
カセット3に取り付けられた分離爪(不図示)との協働
によりシートカセット3内の記録シートSを最上位から
一枚ずつ分離して給紙ガイド5に沿って搬送する。ま
た、6は手差し給紙用の手差しトレイであって、装置本
体1に対して開閉可能に取り付けられており、通常は図
1に示す如く装置本体1に折り畳んで収納されている。
7は切換ガイドであって、カセット3からの給紙時には
図中実線位置になり、手差しトレイ6からの手差し給紙
時には図中破線位置になるように、手差しトレイ6の開
閉に応じて自動的に切り換わるように連結されている。
8はレジストローラ対であって、そのニップ部を使って
シートカセット3又は手差しトレイ6から給紙されてき
た記録シートSの斜行補正を行い、該シートSを搬送ガ
イド9に沿って回転ドラム10へと搬送する。
【0016】回転ドラム10は、記録シートSを巻き付け
保持するための保持部材であって、装置本体1に回転自
在に軸支されており、記録中は図中矢印b方向に回転す
るようになっている。尚、本実施例に係る回転ドラム
は、直径約120 mm、外周長約377 mm、軸方向の長さ
約500 mm程度となるように形成されている。
【0017】14は先端グリッパであって、回転ドラム10
へ送り込まれた記録シートSの先端を挟持して該シート
Sを回転ドラム10に保持する。更に先端グリッパ14は記
録終了後、シート先端をドラム表面から持ち上げて分離
爪16によるシート分離を助ける役目も兼ねている。尚、
先端グリッパ14は回転ドラム10の軸方向の長さと同等の
長さを有しており、本実施例ではA4サイズの記録シー
トを縦に2枚間隔をあけて保持できる程度の長さ(具体
的には約500 mm程度)を有している。
【0018】また、上記回転ドラム10は、静電誘引力に
よって記録シートSを静電吸着して保持するために、導
電体としてのドラムシリンダ11と、該シリンダ表面に固
定され、電荷を保持するための絶縁シート12とにより構
成されている。具体的には、本実施例に係る回転ドラム
10は、導電体としてアルミニウムを切削して成形された
厚さ約5mm程度のドラムシリンダと、該シリンダ表面
に固定され、電荷を保持するため体積抵抗率約1×1015
Ω・cmの絶縁シート(この装置では、ポリエチレンテ
レフタレートを使用)とにより構成されている。これに
より、静電誘引力によって記録シートを静電吸着するこ
とができ、記録シートのインク吸湿による変形(コック
リング現象)で、記録ヘッドのノズル面と記録シートと
が接触して記録面が汚れるのを防止することができる。
【0019】13は記録シートSに静電荷を加える帯電ロ
ーラであって、ドラムシリンダ11は接地されているた
め、予め設定された電荷を記録シートSに加えることに
より、記録シートSと絶縁シート12の間で静電誘引力が
働き、記録シートSが回転ドラム10に吸着保持される。
17はスポンジ等の吸湿性のある材料で構成されたクリー
ニングローラであって、分離爪16と搬送ガイド9の間で
回転ドラム10に近接して位置し、回転ドラム10に対して
接離可能に構成されている。該クリーニングローラ17
は、記録のなされた記録シートSが分離爪16によって分
離された後に回転ドラム10に接して該ドラム表面の汚れ
を拭き取るものであり、インクミスト等が回転ドラム10
の表面に付着して吸着力が低下したり、或いは次に記録
を行う記録シートが汚れてしまうのを防止している。
【0020】また、図1及び図3において、21は透明窓
であって、回転ドラム10に保持された記録シートSの画
像面の状態を装置外部から確認するためのものである。
更に、22は装置外部から回転ドラム10を回転させるため
の手回しノブであって、手回し用のギア23,24を介して
回転ドラム10に連結されている。
【0021】30はインクタンクと記録ヘッド31が一体と
なったヘッドカートリッジであって、該記録ヘッド31に
は回転ドラム10の軸方向と略平行に記録解像度と同じピ
ッチでインクを吐出するノズルが並設されている。
【0022】本装置における記録手段としては、記録ヘ
ッドからインクを吐出して記録するインクジェット記録
方式を用いている。即ち、上記記録ヘッド31は微細な液
体吐出口(オリフィス)、液路及びこの液路の一部に設
けられるエネルギー作用部、該作用部にある液体に作用
させる液滴形成エネルギーを発生するエネルギー発生手
段等を備えている。
【0023】このようなエネルギーを発生するエネルギ
ー発生手段としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用
いた記録方法、レーザー等の電磁波を照射して発熱さ
せ、該発熱による作用で液滴を吐出させるエネルギー発
生手段を用いた記録方法、或いは発熱抵抗体を有する発
熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱して液体を
吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法等があ
る。
【0024】その中でも熱エネルギーによって液体を吐
出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッ
ドは、記録用の液滴を吐出して吐出用液滴を形成するた
めの液体吐出口(オリフィス)を高密度に配列すること
ができるために高解像度の記録をすることが可能であ
る。その中でも電気熱変換体をエネルギー発生手段とし
て用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であり、且
つ最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上
が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に
活用でき、高密度実装化が容易で、製造コストも安価な
ことから有利である。
【0025】また、上記ヘッドカートリッジ30の上側に
は軸受部33が設けられており、キャリッジレール32に回
転自在に支持されている。また、34は記録ヘッド31を回
転ドラム10の軸方向に走査するキャリッジであって、キ
ャリッジレール32とそれに平行な補助レール35に摺動自
在に支持されており、該レール32,35に沿って移動する
ようになっている。
【0026】更にキャリッジ34にはプランジャー36が固
定されており、プランジャー36の先端はヘッドカートリ
ッジ30に連結されている。従って、プランジャー36のO
N/OFFによってヘッドカートリッジ30が図1中実線
位置と破線位置とに移動して位置の切り換えが行われ
る。また、キャリッジ34にはベルト連結部37が設けられ
ており、該キャリッジ34に駆動力を伝達するキャリッジ
ベルト38の一部が固定されている。該キャリッジベルト
38はキャリッジモータ39のモータプーリ46と、反対側の
アイドラプーリ47によって張架されている。また、キャ
リッジ34と電装部40はフレキシブルケーブル41によって
電気的に接続されており、キャリッジ34とヘッドカート
リッジ30とは、ヘッドカートリッジ30をキャリッジ34に
セットしたときに不図示の電気接点が接触して電気的に
接続されるようになっている。これにより、電装部40か
らの電気的な信号がヘッドカートリッジ30に伝えられて
記録ヘッド31が駆動し、記録シートSに対して信号に応
じてインクの吐出が行われ画像の記録がなされる。
【0027】42は回復系ユニットであって、その上部に
は記録ヘッド31のノズル面をキャッピングするためのノ
ズルキャップ部43が設けられ、インクの乾燥による目詰
まりが生じないように上記ノズル面を覆うようになって
いる。44はワイパーブレードであって、不図示のプラン
ジャーによって回復系ユニット42から突出するように構
成されており、ヘッドカートリッジ30が図1中実線位置
から破線位置に移動するときに記録ヘッド31のノズル面
に当接して該ノズル面に付着したインク滴を拭き取るよ
うになっている。また、回復系ユニット42には、ヘッド
機能の回復のためにノズルキャップ部43へ吐出したイン
クや、ノズル内に残ったインクを吸引するためのポンプ
(不図示)が内蔵されており、吸引したインクは廃イン
クパック45へ送出される。該廃インクパック45はスポン
ジ等の吸湿性のある材料で構成されており、装置寿命中
に吸引される廃インクを全て吸収することの可能な容量
を有している。
【0028】次に、図4を用いて本装置の制御系の構成
及び画像データの伝達経路について説明する。図に示す
ように、ホストコンピュータ50から送られてきた画像デ
ータは、I/O部(インターフェース部)52を介して画
像制御を行うコントロール部51に入力される。コントロ
ール部51では、ホストコンピュータ50から転送されてき
た画像データを一度画像メモリ53に保存する。画像メモ
リ53に保存された画像データは、記録を行う記録ヘッド
31を搭載したキャリッジ34の動きに合った順に逐次画像
メモリ53から読み出され、各色(イエロー・マゼンタ・
シアン・ブラック)毎のシリアル画像信号に変換され
る。変換された画像信号は、記録準備の終了したメカト
ロ制御部54が出力する画像信号の転送を要求するトリガ
信号を、コントロール部51が受けることによりメカトロ
制御部54にシリアル転送される。
【0029】コントロール部51に画像信号の転送を要求
するトリガ信号を出力するメカトロ制御部54では、セン
サ部58からの信号及びコントロール部51から転送されて
きた画像信号に合わせて、予め設定された順にキャリッ
ジユニット55,モータユニット56,帯電ユニット57の駆
動制御を行っている。
【0030】キャリッジユニット55では、転送されてき
た画像信号に基づいて、各ノズル毎にヘッドヒート信号
(表記せず)を作り、各ノズル毎にインクを吐出させる
一連の動作制御を行っている。
【0031】モータユニット56では、メカトロ制御部54
からの信号に応じて、記録シートの搬送(給紙・排
紙)、斜行補正、ドラムの回転、キャリッジの移動、各
種プランジャーの駆動、等の動作制御を行っている。
【0032】帯電ユニット57では、メカトロ制御部54か
らの信号によって、記録シートSを回転ドラム10に静電
吸着するための印加電圧を制御している。
【0033】センサ部58では、給紙されてきた記録シー
トSを検知するシート検知センサ18、回転ドラム10の回
転位置を検知する回転位置検知センサ19、回転ドラム10
の回転速度を検知する回転速度検知センサ20、等によっ
て装置本体1の状態を把握することが可能になっている
(図1参照)。
【0034】次に本装置の動作について説明する。コン
トロール部51に対してホストコンピュータ50から連続し
て複数枚の画像記録を行う旨の信号が送られてくると、
該画像信号を受け取ったことを知らせる信号がメカトロ
制御部54に送られる。すると、モータユニット56により
給紙ローラ4が回転駆動し、カセット3a,3bに積載
された記録シートSが一枚ずつ同時に分離給紙され、給
紙ガイド5を介してレジストローラ対8に先端が突き当
たるところまで搬送される。該レジストローラ対8で
は、そのニップ部を使って給紙されてきた記録シートS
の斜行補正が行われる。
【0035】同時に、回転ドラム10が回転位置検知セン
サ19で回転位置を検知されながら回転し、先端グリッパ
14が搬送されてくる記録シートSの先端を保持すること
のできる位置にきたところで一旦停止する。
【0036】そして、斜行補正された記録シートSは、
モータユニット56により回転駆動するレジストローラ対
8によって2枚同時に搬送ガイド9に沿って決められた
移動量だけ搬送され、その先端部が上記回転ドラム10の
先端グリッパ14によって保持される。該先端グリッパ14
によって保持された後、レジストローラ対8は駆動力が
解除され、記録シートSは先端グリッパ14によって保持
されたまま回転ドラム10の矢印b方向への回転によって
巻き付け搬送される。
【0037】上記回転ドラム10によって巻き付け搬送さ
れる2枚の記録シートSは、回転ドラム10と帯電ローラ
13の間を通過する際に、帯電ローラ13によって電荷を加
えられ、回転ドラム10に静電吸着する。該静電誘引力に
よって回転ドラム10に吸着された記録シートSの表面に
は電界が発生しているため、インクジェット記録方式で
は元々染料が含まれているインクはノズルから吐出され
た後に、上記電界の影響によって着弾位置のズレを生じ
るおそれがある。また、ノズルからインクが吐出された
ときにインクミストが発生し、該インクミストが電界に
よってノズル面に逆戻りして付着するといった現象を生
じるおそれもある。その結果、高精細で綺麗な画像を得
ることができなくなる。しかし、これらの現象も記録シ
ートの表面電位を200 V以下にすることにより防ぐこと
ができる。依って記録シートを静電吸着する際に、表面
電位が200 V以下になるような電圧を加えれば良いのだ
が、記録を行うための時間の経過、インクの吸湿による
帯電荷量の低下等により静電誘引力が低下し、シート先
端部は先端グリッパ14によって保持されているため浮き
を生じることはないが、シート後端部は記録シートの種
類によっては腰の強さによって浮きを生じてしまうおそ
れがある。
【0038】そこで、本装置では、図5に示すように、
記録シートの後端部に加えられる印加電圧がそれ以外の
部分に加えられる印加電圧よりも強くなるように制御し
ている。具体的には、例えばA4サイズの記録シート
(297 mm×210 mm)に記録を行う場合、搬送ガイド
9近辺に配置されるシート検知センサ18によってシート
後端部の位置を検知し、回転位置検知センサ19と回転ド
ラム10を駆動する駆動モータを制御し、シート後端から
約8mmの部分に加える印加電圧がそれ以外の部分より
も強くなるように制御している。
【0039】図5は帯電ローラ13が記録シートSに電荷
を加えた際に生じる表面電位(V)を表している。図5
では、横軸に経過時間(sec)をとり、縦軸には帯電
ローラ13が記録シートSに電荷を加えた際の表面電位
(V:破線)と、帯電ローラ13と回転ドラム10の接点か
ら先端グリッパ14に保持された記録シート先端までの距
離(mm:実線)をとっている。
【0040】回転ドラム10は一定の速度で回転しながら
記録シートSを吸着するため、図5中実線で示される帯
電ローラ13と回転ドラム10との接点からシート先端部ま
での距離は一次関数的に増加し、回転ドラム10がちょう
ど一回転(本実施例では377mm)すると上記距離は0
mmになる。この間、帯電ローラ13は記録シートSに着
弾位置のズレが生じないように、シート後端以外の部分
には表面電位が200 V以下になる電圧を加え、シート後
端部には確実に吸着できるだけの電圧を加えている。具
体的には、本装置においては、シート後端以外の部分に
は表面電位が200 Vになる電圧を加え、シート後端には
表面電位が600 Vになる電圧を加えている。
【0041】このようにして、2枚の記録シートSは同
時に搬送ガイド9から搬送されてきて1周目で回転ドラ
ム10への静電吸着が行われる。吸着終了後、帯電ローラ
13は回転ドラム10から離間し、2周目からは回転速度検
知センサ20と回転ドラム10の駆動モータを制御して記録
速度まで加速され、記録ヘッド31のノズルから信号に応
じてインクを吐出して画像の記録が行われる。
【0042】以上の説明から明らかなように、本装置で
は2枚の記録シートを同時に給紙するため、2枚の記録
シートを給紙する時間は、通常の記録シートを1枚給紙
するのに要する時間と同等になる。
【0043】上記記録シートSを回転ドラム10に巻き付
ける一連の給紙動作が行われている間に、キャリッジユ
ニット55では、記録ヘッド31の吸引・空吐出といった回
復動作が行われ、プランジャー36によりヘッドカートリ
ッジ30を図1に示す実線位置から破線位置へ回転移動す
る。即ち、ノズルキャップ部43によりノズル面が保護さ
れていた記録ヘッド31がノズルキャップ部43から離間
し、回転ドラム10に保持された記録シート上の記録位置
に対向して記録待機状態となる。
【0044】そして、回転ドラム10は記録シートSを保
持した状態で不図示の駆動モータの駆動力によって図1
中矢印b方向へ所定の周速で回転し、記録ヘッド31は転
送されてきた画像データに基づいて所定の位置にインク
滴の吐出を行い一定幅の記録を行う。回転ドラム10が一
回転して記録ヘッド31が一定幅の記録を終了すると、ヘ
ッドカートリッジ30を搭載したキャリッジ34がキャリッ
ジモータ39の駆動力によってキャリッジレール32と補助
レール35に沿って上記一定幅分だけ回転ドラム10の軸方
向に移動し、次の記録を同様に行う。これらの動作を繰
り返して1枚目の記録シートSの記録を行う。
【0045】この際に、上述した制御系において記録ヘ
ッド31に転送する画像データを任意に分割して転送す
る。具体的には画像データを1ライン(ドラム1回転
分)又は必要に応じて複数ラインとばして記録し、或い
は記録ドットを1ドット又は必要に応じて複数ドットと
ばして記録する。図6(a)は全データを記録したサン
プルであり、図6(b)は画像データを1ライン間引い
て記録したサンプルであり、図6(c)は画像データを
1ライン間引き更に1ドット間引いて記録したサンプル
である。図6(b),(c)に示すサンプルのように間
引き記録を行った記録シートの画像面を手回しノブ22で
回転させながら透明窓21から確認し、レイアウトや文字
のチェックを行い、修正を行うか否かを判断する。修正
なしに出力する場合には間引いたライン或いはドットを
記録させ、最終の形にして出力する。修正がある場合に
はその記録シートは排出し、修正を行った後再度同様に
して記録を行う。これにより、インクを節約することが
でき、且つ記録に要するトータルの時間を短縮すること
ができる。
【0046】本実施例では、回転ドラム10上に2枚の記
録シートが保持され、連続して複数枚の画像記録の命令
を受けた場合を例示しているので、1枚目の記録が終了
した後、ヘッドカートリッジ30を搭載したキャリッジ34
は、キャリッジモータ39の駆動力によって2枚目の記録
シートの記録開始位置へと移動し、1枚目と同様に引き
続き2枚目の記録を行う。
【0047】2枚目の記録が終了すると、ヘッドカート
リッジ30を搭載したキャリッジ34はキャリッジモータ39
からの駆動力を伝達され、図2に示す如き位置(ホーム
ポジション)まで戻される。その後、プランジャー36に
よりヘッドカートリッジ30を図1に示す実線位置へと回
転移動し、記録ヘッド31がノズルキャップ部43に対向す
る位置へと移動する。その際、ワイパーブレード44は不
図示のプランジャーにより回復系ユニット42から突出
し、プランジャー36によって移動する記録ヘッド31のノ
ズル面に当接し、該ノズル面に付着したインク滴を拭き
取る。また、回復系ユニット42はヘッド機能の回復のた
めにノズルキャップ部43へ吐出したインクや、ノズル内
に残ったインクを内蔵したポンプにより吸引し、廃イン
クパック45へ送出する。
【0048】そして、記録が終了した2枚の記録シート
は、その先端が先端グリッパ14によって持ち上げられ、
分離爪16によって回転ドラム10の表面から分離される。
このとき、先端グリッパ14は2枚の記録シートの先端を
同時に持ち上げ、且つ分離爪16にかかる程度の高さまで
持ち上げる。分離爪16によって回転ドラム10の表面から
分離された2枚の記録シートは、排紙ガイド25に案内さ
れて排紙ローラ対26によって排紙トレイ27上へ2枚同時
に排出される。
【0049】以上の説明から明らかなように、本装置で
は2枚の記録シートを同時に排紙するため、2枚の記録
シートを排紙する時間は、通常の記録シートを1枚排紙
するのに要する時間と同等になる。
【0050】そして、回転ドラム10の表面から2枚の記
録シートが分離爪16によって分離された直後の位置で、
クリーニングローラ17が回転ドラム10に当接し、回転ド
ラム10の表面に付着したインクミスト等を拭き取ってド
ラム表面をクリーニングし、次の記録シートの吸着力が
下がらないように、且つ次に吸着する記録シートを汚さ
ないようにしている。
【0051】以上説明してきたように、本実施例におい
ては、複数枚の記録を行う場合、記録そのものにかかる
時間は同じであっても、2枚同時に給紙・排紙を行うよ
うにしているため、トータルの記録時間を短縮すること
ができる。
【0052】また、記録シートを回転ドラムに静電吸着
する際に、シート後端に加える電圧をその他の部分より
も強くしているため、回転ドラムに静電吸着した記録シ
ートの表面に生じる電界による不具合を防止しつつ、該
記録シートの浮きを防止することができる。
【0053】更に、制御手段によって記録ヘッドに転送
する画像データを任意に分割し、該画像データに基づい
て記録シートに記録を行い、該シートの記録面の状態を
透明窓からチェックすることが可能となっているため、
間違いが見つかって記録し直したとしても間引き記録の
ため、インクの使用量の無駄が少なくて済み、間違いが
なければ間引いた部分を後から正確に記録することがで
き、記録に要するトータルの時間を短縮することができ
る。
【0054】尚、電装部40に記録シート1枚分の画像デ
ータを記憶できるメモリ(不図示)を設けて、1枚目の
記録シートに記録するのと同時に、その画像データをメ
モリに記憶し、その画像データを用いて2枚目の記録シ
ートに記録を行うようにしても良い。これにより、同じ
画像データを連続して記録する場合に、ホストコンピュ
ータ等から本装置へ画像データを転送する操作が一度で
終了し、2枚の記録シートを同時に給紙して、連続して
記録し、同時に排紙が行えるため、トータルの記録時間
を更に短縮することができる。
【0055】〔第2実施例〕次に、本発明に係る記録装
置の第2実施例について図7を参照して説明する。図7
は本実施例に係る記録装置の要部構成を示す透視斜視図
である。尚、記録装置全体の概略構成は上述した実施例
と略同等であるため、ここでは詳しい説明は省略する。
また、図中、上述した実施例と同等の構成及び機能を有
する部材には同一符号を付して説明を援用するものとす
る。以下、本実施例に係る記録装置の特徴について説明
する。
【0056】本実施例では、A4サイズの記録シートを
縦にした状態で2枚保持することの可能な回転ドラム
を、A3サイズの記録シートを横にした状態で1枚保持
することも可能な構成としている。図7に示す記録装置
では、A3サイズの記録シートSを積載収容可能とする
カセット3cを装置底部に着脱可能に取り付けている。
該カセット3cには上述した実施例におけるカセット3
a,3bと同様に不図示の分離爪が取り付けられてお
り、給紙ローラ4(図1参照)との協働により積載され
た記録シートが一枚に分離される。分離された記録シー
トは、上述した実施例と同様にして回転ドラム10にて巻
き付け吸着される。該回転ドラム10の軸方向の長さは上
述した実施例と同様に約500 mm程度になっており、先
端グリッパ14も回転ドラム10の軸方向に平行に略同等の
長さ(約500 mm)になっているので、A3サイズの記
録シートを横にした状態で1枚保持することが可能とな
っている。
【0057】以上のように、回転ドラム10を、縦にした
A4サイズの記録シートを2枚、或いは横にしたA3サ
イズの記録シートを1枚保持できるような構造とするこ
とによって、上述した実施例の効果に加えて、ユーザが
カセットを交換するだけで、同一の本体で複数のサイズ
の記録シートに対応することができ、ユーザにとってよ
り使い勝手の良いものとなるという効果がある。
【0058】〔第3実施例〕次に、本発明に係る記録装
置の第3実施例について図8及び図9を参照して説明す
る。図8は本実施例に係る記録装置の概略構成を示す断
面図、図9は同記録装置の要部構成を示す透視斜視図で
ある。尚、記録装置全体の概略構成は上述した実施例と
略同等であるため、ここでは詳しい説明は省略する。ま
た、図中、上述した実施例と同等の構成及び機能を有す
る部材には同一符号を付して説明を援用するものとす
る。以下、本実施例に係る記録装置の特徴について説明
する。
【0059】本実施例では、装置本体1の下部に、A4
サイズの記録シートSを積載収容するカセット3a,3
bを回転ドラム10の軸方向と平行に並べて配置し、更に
その下部にA3サイズの記録シートSを積載収容するカ
セット3cを配置した構成としている。
【0060】更に、下段のカセット3cから記録シート
Sを一枚ずつ分離給紙する給紙ローラ60、分離された記
録シートSを搬送する搬送ローラ対61、上段のカセット
3a,3bから給紙された記録シートS或いは下段のカ
セット3cから給紙された記録シートSを案内するため
の切換ガイド62が設けられている。尚、切換ガイド62は
上述した実施例と同様にして、不図示のプランジャー等
の駆動機構により、上段のカセット3a,3bからのシ
ート給紙時には図8中実線位置に、下段のカセット3c
からのシート給紙時には図8中破線位置に切り換えられ
るようになっている。
【0061】以上のような構成により、記録シートのサ
イズがA4とA3の2種類に同時に対応できるようにな
り、カセットを交換する等の手間がはぶけ、ユーザにと
って更に使い勝手の良いものとなる。
【0062】尚、上述した実施例における記録シートの
サイズはA4とA3に限定されるものではなく、例えば
B5とB4等のサイズであっても良い。
【0063】〔第4実施例〕次に、本発明に係る記録装
置の第4実施例について図10〜図12を参照して説明す
る。図10〜図12は本実施例に係る記録装置の要部構成を
示す透視斜視図である。尚、記録装置全体の概略構成は
上述した実施例と略同等であるため、ここでは詳しい説
明は省略する。また、図中、上述した実施例と同等の構
成及び機能を有する部材には同一符号を付して説明を援
用するものとする。以下、本実施例に係る記録装置の特
徴について説明する。
【0064】本実施例に係る記録装置は、図10〜図12に
示すように、レール32,35に沿って回転ドラム10の軸方
向に走査しつつ記録を行う記録ヘッド31を2つ備え、更
に各記録ヘッド毎に回復系ユニット42を備えており、記
録動作を2つの記録ヘッドで同時に行うように構成して
いる。図10に示すようにA4サイズの記録シート2枚に
対しては、各記録シートに対応する記録ヘッドで同時に
記録を行い、図11に示すようにA3サイズの記録シート
1枚に対しては、画像データを分担して夫々の記録ヘッ
ドで同時に記録を行い、図12に示す記録装置では記録シ
ートのサイズに応じて、夫々の記録ヘッドで同時に記録
を行うようになっている。
【0065】従って、A4サイズの記録シート2枚に対
しては同時に給紙・記録・排紙が行われ、A3サイズの
記録シート1枚に対しては画像データが分担されて同時
に記録がなされるので、上述した実施例の効果に加え
て、トータルの記録時間を大幅に短縮することができ
る。
【0066】〔第5実施例〕次に、本発明に係る記録装
置の第5実施例について図13を参照して説明する。図13
は帯電ローラから電荷を付与された記録シートの表面電
位の状態図である。尚、記録装置全体の概略構成は上述
した実施例と略同等であるため、ここでは詳しい説明は
省略する。以下、本実施例に係る記録装置の特徴につい
て説明する。
【0067】本実施例では、帯電ローラが回転ドラムに
対して接離可能ではなく、常に回転ドラムに接してお
り、即ち記録開始後も帯電ローラは記録シートを介して
回転ドラムに接していて、図13に示すように、回転ドラ
ムが一回転する毎に除電・帯電を繰り返し行うようにな
っている。これにより時間の経過による静電誘引力の低
下は殆ど無く、記録シートを回転ドラムに確実に吸着す
ることができる。また、直流・交流電圧を同時に印加す
ることにより除電と帯電を行い、回転ドラムが一回転す
る毎に電極を変化させることによって、複数回の印加に
よる記録シートの帯電荷のムラや残留電荷の発生を防い
でいる。尚、本実施例においても、シート後端に印加さ
れる電圧は、その他の部分に印加される電圧よりも強く
なるように制御されている。
【0068】以上のようにすることにより、上述した実
施例の効果に加えて、記録シートのインクの吸湿による
静電誘引力の低下にも対応でき、常に一定の吸着力を維
持することができ、記録シートをより確実に回転ドラム
に保持することができる。
【0069】〔他の実施例〕前述した実施例では記録手
段としてインクジェット記録方式を用いたが、記録信号
に応じて電気熱変換体に通電し、前記電気熱変換体によ
って印加される熱エネルギーにより、インクに生ずる膜
沸騰を利用してインクに生ずる気泡の成長,収縮によ
り、インクを吐出口より吐出して記録を行うように構成
すると更に好ましい。
【0070】その代表的な構成や原理については、例え
ば米国特許第 4723129号明細書、同第 4740796号明細書
に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ま
しい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュア
ス型の何れにも適用可能であるが、特にオンデマンド型
の場合には、液体(インク)が保持されているシートや
液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情
報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与え
る少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、
電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッド
の熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信
号に一対一で対応した液体内の気泡を形成できるので有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介
して液体を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成す
る。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気
泡の成長収縮が行われるので、特に優れた液体の吐出が
達成でき、より好ましい。
【0071】前記パルス形状の駆動信号としては、米国
特許第 4463359号明細書、同第 4345262号明細書に記載
されているようなものが適している。前記熱作用面の温
度上昇率に関する発明の米国特許第 4313124号明細書に
記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行
うことができる。
【0072】記録ヘッドの構成としては、前述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱
作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する
米国特許第 4558333号明細書、同第 4459600号明細書を
用いた構成も本発明に含まれるものである。
【0073】また複数の電気熱変換体に対して、共通す
るスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示す
る特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸
収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭
59−138461号公報に基づいた構成としても本発明の効果
は有効である。即ち、記録ヘッドの形態がどのようなも
のであっても、本発明によれば記録を確実に効率良く行
うことができるようになるからである。
【0074】更に、記録装置が記録出来る記録媒体の最
大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような
記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
て、その長さを満たす構成や、一体的に形成された1個
の記録ヘッドとしての構成の何れでも良い。
【0075】加えて、前述したシリアルタイプのもので
も、キャリッジに固定された記録ヘッド、或いはキャリ
ッジに装着されることで装置本体との電気的な接続や装
置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチッ
プタイプの記録ヘッドを用いても良い。
【0076】またキャリッジに搭載される記録ヘッドの
種類乃至個数についても、例えば単色のインクに対応し
て1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異に
する複数のインクに対応して複数個数設けられるもので
あって良い。即ち、例えば記録装置の記録モードとして
は黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成するか或いは複数個の組合せによ
るか何れでも良いが、異なる色の複色カラー、又は混色
によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも適
用し得る。
【0077】更に加えて、前述した実施例に於いてはイ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化若しくは液化するも
の、或いはインクジェット記録方式ではインク自体を30
℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘
性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般
的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をな
すものであれば良い。加えて、積極的に熱エネルギーに
よる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化
のエネルギーとして使用せしめることで防止するか、ま
たはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化する
インクを用いるかして、何れにしても熱エネルギーの記
録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イン
クが吐出されるものや、記録シートに到達する時点では
既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによっ
て初めて液化する性質のインクを使用する場合も適用可
能である。
【0078】このような場合のインクは、特開昭54-568
47号公報或いは特開昭60-71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部又は貫通孔に液状又は固形物とし
て保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するよ
うな形態としても良い。上述した各インクに対して最も
有効なものは、前述した膜沸騰方式を実行するものであ
る。
【0079】更に、前述したインクジェット記録装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わ
せた複写装置、更には送受信機能を有するファクシミリ
装置の形態をとるもの等であっても良い。
【0080】尚、前述した記録手段としてインクジェッ
ト記録方式を用いた例を説明したが、本発明の記録方式
はインクジェット記録方式に限定する必要はなく、他に
も熱転写記録方式や感熱記録方式、更にはワイヤードッ
ト記録方式等の記録方式、或いはそれ以外の記録方式で
あっても適用し得る。またシリアル記録方式に限定する
必要もなく、所謂ライン記録方式を用いても良い。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、被記録材を担持体
に静電吸着する際に、被記録材後端部に作用する静電誘
引力が、その他の部分に作用する静電誘引力に比べて強
くなるように印加電圧を制御する構成とすることによ
り、担持体に静電吸着した被記録材の表面に生じる電界
による不具合を防止しつつ、該被記録材の浮きを防止す
ることができ、被記録材の後端と記録手段との接触を防
ぎ、該接触による画像の乱れを防止することができる。
【0082】また上記担持体を、導電体としてのドラム
シリンダと、該シリンダ表面に固定され、電荷を保持す
るための絶縁シートとで構成することにより、被記録材
が静電誘引力によって確実に吸着保持される。
【0083】更に上記担持体は、その表面に被記録材の
先端を押さえ付ける押さえ手段を有しているため、上述
効果と合わせて被記録材を確実に保持することができ
る。
【0084】また、上記帯電手段が、担持体が一回転す
る毎に除電・帯電を繰り返し行うことにより、時間の経
過による静電誘引力の低下が殆ど無くなり、被記録材を
担持体に確実に吸着させることができる。
【0085】更に、被記録材に静電誘引力を発生させる
帯電手段に交流電圧と直流電圧を重畳して印加すること
により除電と帯電を行い、担持体が一回転する毎に電極
を変化させることによって、複数回の印加による被記録
材の帯電荷のムラや残留電荷の発生を防ぐことができ、
上述効果が更に向上する。
【0086】また、記録手段としてインクジェット方式
を採用することにより、低騒音且つ高速記録が可能であ
り、また高画質の記録が可能となる。そして、この場合
にインク吐出エネルギーとして熱エネルギーを発生する
ための電気熱変換体を設けることにより、ヘッドのコン
パクト化が容易であり、製造コストも安価になし得る。
更にインク吐出に際して熱エネルギーにより、インクに
生ずる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出させる
ことにより、高精細な画像を得ることが可能となる等の
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る記録装置の概略構成を示す断
面図である。
【図2】同記録装置の要部構成を示す透視斜視図であ
る。
【図3】同記録装置の外観斜視図である。
【図4】同記録装置の制御系のブロック図である。
【図5】帯電ローラから電荷を付与された記録シートの
表面電位の状態図である。
【図6】透明窓から覗いた記録サンプルの状態を例示し
た模式図である。
【図7】第2実施例に係る記録装置の要部構成を示す透
視斜視図である。
【図8】第3実施例に係る記録装置の概略構成を示す断
面図である。
【図9】第3実施例に係る記録装置の要部構成を示す透
視斜視図である。
【図10】第4実施例に係る記録装置の要部構成を示す
透視斜視図である。
【図11】第4実施例に係る記録装置の要部構成を示す
透視斜視図である。
【図12】第4実施例に係る記録装置の要部構成を示す
透視斜視図である。
【図13】第5実施例に係る記録装置において帯電ロー
ラから電荷を付与された記録シートの表面電位の状態図
である。
【図14】従来の記録装置の説明図である。
【図15】従来の記録装置の説明図である。
【符号の説明】
S…記録シート 1…装置本体 3…シートカセット
4…給紙ローラ 5…給紙ガイド 6…手差しトレイ
7…切換ガイド 8…レジストローラ対 9…搬送ガイ
ド 10…回転ドラム 11…ドラムシリンダ 12…絶縁シ
ート 13…帯電ローラ 14…先端グリッパ 16…分離爪
17…クリーニングローラ 18…シート検知センサ 19
…回転位置検知センサ 20…回転速度検知センサ 21…
透明窓 22…手回しノブ 23,24…ギア 25…排紙ガイド 26…
排紙ローラ対 27…排紙トレイ 30…ヘッドカートリッ
ジ 31…記録ヘッド 32…キャリッジレール 33…軸受
部 34…キャリッジ 35…補助レール 36…プランジャ
ー 37…ベルト連結部 38…キャリッジベルト 39…キ
ャリッジモータ 40…電装部 41…フレキシブルケーブ
ル 42…回復系ユニット 43…ノズルキャップ部 44…
ワイパーブレード 45…廃インクパック 46…モータプ
ーリ 47…アイドラプーリ 50…ホストコンピュータ
51…コントロール部 52…I/O部(インターフェース
部) 53…画像メモリ 54…メカトロ制御部 55…キャリッジ
ユニット 56…モータユニット 57…帯電ユニット 58
…センサ部 60…給紙ローラ 61…搬送ローラ対 62…
切換ガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江口 正治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に被記録材を保持して移動する担持
    体と、該担持体の表面に保持された被記録材に画像を記
    録する記録手段と、該担持体と被記録材との間に静電誘
    引力を発生させる帯電手段と、被記録材に印加する電圧
    を制御する制御手段と、を有し、 被記録材後端部に作用する静電誘引力が、その他の部分
    に作用する静電誘引力に比べて強くなるように印加電圧
    を制御することを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 上記担持体は、静電誘引力によって被記
    録材を静電吸着して保持するために、導電体としてのド
    ラムシリンダと、該シリンダ表面に固定され、電荷を保
    持するための絶縁シートとにより構成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 上記担持体は、その表面に被記録材の先
    端を押さえ付ける押さえ手段を有することを特徴とする
    請求項1に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 上記帯電手段は、担持体が一回転する毎
    に除電・帯電を繰り返し行うことを特徴とする請求項1
    に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 被記録材に静電誘引力を発生させる帯電
    手段に交流電圧と直流電圧を重畳して印加することを特
    徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 上記記録装置は、記録手段が信号に応じ
    てインクを吐出して記録を行うインクジェット記録方式
    である請求項1〜請求項5のいずれかに記載の記録装
    置。
  7. 【請求項7】 上記記録装置は、記録手段がインク吐出
    用の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備え
    ていることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 上記記録装置は、記録手段が前記電気熱
    変換体によって印加される熱エネルギーにより、インク
    に生ずる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出させ
    ることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011207210A (ja) * 2010-03-09 2011-10-20 Seiko I Infotech Inc 記録装置および記録方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011207210A (ja) * 2010-03-09 2011-10-20 Seiko I Infotech Inc 記録装置および記録方法

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