JPH082822B2 - 置換フェノキシアルキルアルデヒドジアルキルアセタ−ル類およびその製造方法 - Google Patents

置換フェノキシアルキルアルデヒドジアルキルアセタ−ル類およびその製造方法

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JPH082822B2
JPH082822B2 JP14893387A JP14893387A JPH082822B2 JP H082822 B2 JPH082822 B2 JP H082822B2 JP 14893387 A JP14893387 A JP 14893387A JP 14893387 A JP14893387 A JP 14893387A JP H082822 B2 JPH082822 B2 JP H082822B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規な置換フェノキシアルキルアルデヒドジ
アルキルアセタール類およびその製造方法に関し、さら
に詳しくは、殺虫剤ダニ剤として高い活性を示すフェノ
キシアルキルアミン誘導体の合成中間体として有用な置
換フェノキシアルキルアルデヒドジアルキルアセタール
類およびその製造方法に関する。
(従来の技術) フェノキシアルキルアミン誘導体は殺虫ダニ剤として
高い活性を示すことが知られており、たとえば、特開昭
55−76803号公報にはキナゾリン環を有するフェノキシ
アルキルアミン化合物が、特開昭59−36667号公報には
ピリミジン環またはシクロアルカンが融合したピリミジ
ン環を有するフェノキシアルキルアミン化合物が、また
特開昭59−42387号公報にはチエノピリミジン環を有す
るフェノキシアルキルアミン化合物が開示されている。
フェノキシアルキルアミンは、これらのの化合物の重
要な原料の1つである(特願昭61−56473号明細書)。
フェノキシアルキルアミンの合成方法としては、従来か
ら次に示す方法が用いられてきた。
それは、フェノール類にグリオキシル酸を作用させ、
4位にα−ヒドロキシ酢酸を付加させた後還元し、フェ
ノール酢酸とした後、酸部位を目的とするアルコールと
作用させエステルとし、再度還元し、エーテル部位を合
成する。その後フェノール部位をジハロアルカンを用い
てエーテル部位を合成した後、アンモニアを作用させる
方法である。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、従来の合成方法を用いた場合、工業的
合成法として適さない工程を含む。特に還元工程は部分
還元であり、LiAlH4等のハンドリングの困難な試薬を用
いた方法を取らざるを得ない。しかも、3位にアルキル
基を有するフェノール類の場合には、グリオキシル酸の
付加反応は、立体障害のため著しく収率が低下し、目的
とする化合物は収率よく得られず、しかも副生成物との
分離、精製は容易でない等の問題がある。
したがって、本発明は、簡便に、かつ安価にフェノキ
シアルキルアミンを合成するための中間体を見出すと共
にその製造方法を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ね
た結果、フェノキシアルキルアルデヒドのアセタールを
中間体として用いると、容易にフェノキシアルキルアミ
ンに誘導でき、かつ安価に入手可能な原料から合成可能
であるという知見を得、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、 一般式(I): (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、独立してそれぞれ
低級アルキル基を表し;mは1または2を表し;nは1〜3
の整数を表す) で示される置換フェノキシアルキルアルデヒドジアルキ
ルアセタール類およびその製造方法を提供するものであ
る。
上記式(I)において、低級アルキル基とは炭素数1
〜5の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−
ブチル基、ペンチル基等である。
上記式(I)で示される化合物は、好ましくは、R4
メチル基、R5が3位のメチル基およびmが1、nが2を
表す場合であり、次式、 (式中、R1〜R3は前記と同義である) で示される化合物である 次に前記式(I)で示される化合物の本発明の2通り
の製造方法について述べる。
まず、第1の製造方法は、次に示した反応である。
この反応で、化合物(II)におけるXのハロゲン原子
としては、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。化合物
(III)におけるYがハロゲン原子の場合には、Xと同
義であり、また、YがR6SO3基を基す場合には、R6はフ
ェニル基もしくはメチル基、エチル基等の低級アルキル
基で置換されたフェニル基、例えばp−トリル基等であ
るか、または低級アルキル基である。低級アルキル基は
前述した低級アルキル基と同義である。化合物(III)
は化合物(II)1モルに対し、2.0〜1.0モル使用する。
この反応は、通常のグリニャール反応と同様の条件で
行なうことができる。すなわち、無水の条件下で、テト
ラヒドロフラン(THF)またはジエチルエーテル、メチ
ルエチルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテルを
溶媒として用い、反応温度は70〜−10℃、反応時間は0.
5〜5時間である。
この反応系にCu+イオンを共存させることも有効であ
る。例えばCuCl、CuBr、CuOCOCH3等を基質(化合物II)
に対して10〜3モル%加える。また、P(OEt)を共
存させることも有効であり、基質(化合物II)1モルに
対し、3〜1モル加える。
次に、前記式(I)で示される化合物の本発明の第2
の製造方法について、下記にその工程を示すが、この場
合、nは2または3に限定され、下記式においてこれを
pで表し、得られる化合物を式(I′)で示す。
本反応における第1工程は、グリニャール試薬(化合
物II)を(IV)で示されるアルキレンオキサイドと反応
させるものである。(IV)で示されるアルキレンオキサ
イドは好ましくはエチレンオキサイドである。(IV)は
(II)1モルに対し、1.5〜0.9モル使用し、好ましくは
1.2〜1.0モル使用する。アルキレンオキサイド(IV)は
反応溶媒に溶解させた溶液を反応系に滴下して加える
か、または、気体の場合はそのまま反応系に導入するこ
ともできる。その際、導入は30分〜2時間で行ない、導
入後1〜3時間で反応は完結する。反応温度は−10〜10
0℃、好ましくは20〜50℃である。この工程もグリニャ
ール反応であるから、そのの反応条件は第1の製造方法
と同様に、通常のグリニャール反応の条件で行なうこと
ができる。
第2工程では、第1工程で得られた化合物(V)を単
離精製することなく、水の共存下、相間移動触媒および
塩基を加えて二相系にてジアルキル硫酸[(R32SO4
またはハロゲン化アルキル(R3Z)を作用させて目的と
する化合物(I)を得る。ジアルキル硫酸は、基質(化
合物V)1モルに対し、0.5モル以上使用し、好ましく
は0.6〜1.2モル使用する。ハロゲン化アルキルの場合、
基質1モルに対し、100〜1モル使用し、好ましくは10
〜1モルである。塩基としては、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が使用
され、基質(化合物V)1モルに対して1モル以上、好
ましくは1.2〜2.4モル使用する。相間移動触媒として
は、テトラアルキルまたはベンジルトリアルキル四級ア
ンモニウム塩が使用でき、その際、アルキルとしてはメ
チル、エチル、ブチル等が挙げられる。塩としての形状
は、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、硫酸塩等が挙げら
れる。これらの相間移動触媒は、基質(化合物V)に対
し、0.5〜20モル%使用し、好ましくは2〜10モル%使
用する。反応触媒は、第1工程まで使用していた溶媒の
かわりにベンゼンまたはトルエンを使用する。反応温度
は−10〜150℃、好ましくは30〜100℃であり、反応時間
は1〜6時間である。
第1の製造方法および第2の製造方法において共通の
原料化合物である化合物(II)は、例えば次のようにし
て合成することができる。
上記式中、R4およびR5がメチル基で、R5が5位で置換
されているときには、原料は2,3−キシレノールであ
り、これは工業的に安価に入手可能である。
本発明の置換フェノキシアルキルアルデヒドジアルキ
ルアセタール(I)は、酸性条件下で加水分解すること
により、容易に対応するフェノキシアルキルアミンに誘
導することができ、さらには前述したような殺虫・殺ダ
ニ剤として活性の高いフェノキシアルキルアミン誘導体
を合成することができるので、その合成中間体としての
価値は高いものといえる。
[実施例] 実施例1 (1)2.3−ジメチル−4−プロモフェノールの合成 2,3−キシレノール196g(1.6mol)を酢酸1,4、メタ
ノール0.26混合溶媒に溶解させ、この溶液を−4℃に
冷却した。次いでこの溶液に臭素140g(1.76mol)を1.5
時間かけて滴下した。この間温度は−4℃〜5℃に保っ
た。滴下後、1時間室温で撹拌を続けた。反応終了後、
水8に反応溶液を加え、トルエン1.8で4回抽出し
た。水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後ヘ
キサンを加え、目的物を275g結晶として得た。収率80
%。
(2)2−(2,3−ジメチル−4−プロモフェノキ
シ)アセトアルデヒドジエチルアセタールの合成 (1)で得た2,3−ジメチル−4−ブロモフェノール1
0g(50mmol)、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタ
ール11g(56mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)80ml
に加え激しく撹拌し、100℃で6時間反応を行なった。
反応液を冷却後、水200mlを加えベンゼン100mlで抽出し
た。抽出液を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮することにより目的物12.1gを得た。収率76
%。
(3)2−(2,3−ジメチル−4−エトキシエチルフ
ェノキシ)アセトアルデヒドジエチルアセタールの合成
(第1の製造方法による) (2)で得られた化合物6.3g(19mmol)、マグネシウ
ム0.6(26mmol)を乾燥THF50mlに加え、窒素雰囲気下、
室温で激しく撹拌を続けた。1時間後、THFのリフラッ
クス状態に反応温度を上げ、エトキシエタノールのスル
ホン酸エステル5.3g(21mmol)のTHF(20ml)溶液を30
分かけて滴下した。滴下後30分、同温度で反応を続け
た。反応終了後、反応液を冷却し、水100mlに加え、ク
ロロホルム100mlで抽出した。抽出液を水洗した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、目的物2.5gを得
た。収率42%。▲n25.7 ▼1.4900 生成物の1H−NMRスペクトルデータ[τ(CDCl3)]は
次のとおりであった。
3.04(2H,w)、3.45(2H,w)、 5.15(1H,t)、6.02(2H,w)、 6.18〜6.36(8H,m)、 7.77(3H,s)、7.80(3H,s)、 8.70〜8.82(9H,m) さらに、マススペクトルデータにより、m/z310,219,1
35,103にピークが認められ、構造が確認された。
実施例2 2−(2,3−ジメチル−4−エトキシエチルフェノキ
シ)アセトアルデヒドジエチルアセタールの合成(第2
の製造方法による) 実施例1の(2)で得られた化合物9.5g(30mmol)、
マグネシウム1.0g(41mmol)を乾燥THF50mlに加え、窒
素雰囲気下、室温で激しく撹拌を続けた。1.5時間後、
エチレンオキシド1.45g(33mmol)のTHF溶液20mlを1時
間で滴下した。滴下後2時間室温で撹拌を続けた。その
後THFを留去し、ベンゼン50mlを加え、水100mlを加えて
水洗した。ベンゼン溶液にジエチル硫酸5.2g(33mmo
l)、水酸化ナトリウム1.92g(48mmol)の5ml水溶液、
テトラブチルアンモニウムクロライド0.5g(1.8mmol)
を加え40℃で5時間反応を続けた。反応終了後、ベンゼ
ン層を濃縮して目的物7.0gを得た。収率75%、▲n25.7
▼1.4900 生成物の1H−NMRスペクトルデータ[τ(CDCl3)]は次
のとおりであった。
3.04(2H,w)、3.45(2H,w)、 5.15(1H,t)、6.02(2H,w)、 6.18〜6.36(8H,m)、 7.77(3H,s)、7.80(3H,s)、 8.70〜8.82(9H,m) さらに、マススペクトルデータはm/z310,219,135,103
にピークが認められた。
実施例3 2−(2,3−ジメチル−4−エトキシエチルフェノキ
シ)アセトアルデヒドメチルアセタールの合成 実施例1の(1)で得た2,3−ジメチル−4−ブロモ
フェノール10g(50mmol)、ブロモアセトアルデヒドジ
メチルアセタール9.5g(56mmol)、ヨウ化カリウム0.8g
(5mmol)、炭酸カリウム6.9g(65mmol)をDMF80mlに加
え激しく撹拌し、リフラックス状態で4時間反応を行な
った。反応液を冷却後水200mlを加え、ベンゼン100mlで
抽出した。抽出液を12N−水酸化ナトリウム水溶液で洗
浄し、未反応原料を除去した。ベンゼン溶液を無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、減圧下でベンゼンを留去した。
乾燥THF50mlをこの濃縮液に加え、マグネシウム1.15g
(50mmol)を加えて窒素範囲基下、室温で激しく撹拌を
続けた。2時間後、この反応液にエチレンオキシド2.2g
(50mmol)のTHF溶液(20ml)を1時間かけて滴下し
た。滴下後2時間室温で撹拌を続けた。
反応終了後THFを留去し、ベンゼン75mlを加え、水100
mlを加えて水洗した。ベンゼン溶液にジエチル硫酸6.2g
(40mmol)を加え、さらに水酸化ナトリウム2.6g(65mm
ol)の水溶液(8ml)、テトラブチルアンモニウムブロ
マイド0.5g(1.6mmol)を加えて40℃で5時間反応を続
けた。反応終了後、ベンゼン層を濃縮して目的物6.2gを
得た。収率44%。▲n24.7 ▼1.4964 生成物の1H−NMRスペクトルデータ([τ(CDCl3)]は
次のとおりであった。
2.79(3H,t)、3.75(1H,w)、 3.34(1H,w)、5.22(1H,t)、 6.03(2H,w)、 6.40〜6.59(10H,m)、 7.12(2H,t)、7.77(3H,s)、 7.82(3H,s) さらにマススペクトルデータよりm/z282,223,135にピ
ークが認められ、構造が確認された。
[発明の効果] 本発明によれば、フェノキシアルキルアミン合成にお
ける新規な中間体を提供することができる。また、安価
な原料化合物を用いて有用な化合物であるフェノキシア
ルキルアミン誘導体を製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、独立してそれぞれ
    低級アルキル基を表し;mは1または2を表し;nは1〜3
    の整数を表す) で示される化合物。
  2. 【請求項2】一般式: (式中、R1、R2およびR3は、独立してそれぞれ低級アル
    キル基を表す) で示される特許請求の範囲第1項に記載の化合物。
  3. 【請求項3】一般式 (式中、R1、R2、R4およびR5は、独立してそれぞれ低級
    アルキル基を表し;Xは、ハロゲン原子を表し;mは1また
    は2を表す) で示されるグリニャール試薬と一般式: YCH2 nO−R3 〔式中、R3は低級アルキル基を表し;Yはハロゲン原子ま
    たはR6SO3(式中、R6は置換もしくは非置換のフェニル
    基もしくは低級アルキル基を表す)で示される基を表
    し、nは1〜3の整数を表す〕 で示される化合物を反応させることを特徴とする一般式
    (I): (式中R1、R2、R3、R4、R5、mおよびnは前記と同義で
    ある) で示される化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式: (式中、R1、R2、R4およびR5は、独立してそれぞれ低級
    アルキル基を表し;Xは、ハロゲン原子を表し;mは1また
    は2を表す) で示されるグリニャール試薬と一般式: (式中、pは2または3を表す) で示されるアルキレンオキサイドを反応させた後、
    (R32SO4もしくはR3Z(両式中、R3は低級アルキル基
    を示し、Zはハロゲン原子を表す)で示される化合物を
    反応させることを特徴とする次式(I′): (式中、R1、R2、R3、R4、R5、mおよびpは、前記と同
    義である) で示される化合物の製造方法。
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