JPH0828200B2 - 電磁型レンズ - Google Patents

電磁型レンズ

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JPH0828200B2
JPH0828200B2 JP4238060A JP23806092A JPH0828200B2 JP H0828200 B2 JPH0828200 B2 JP H0828200B2 JP 4238060 A JP4238060 A JP 4238060A JP 23806092 A JP23806092 A JP 23806092A JP H0828200 B2 JPH0828200 B2 JP H0828200B2
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竹志 加納
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁極片の間に磁束分布
を発生させてレンズを形成する電磁型レンズであって、
走査型電子顕微鏡などに用いる電磁型レンズにおいて、
実用上の広い範囲の加速電圧の使用に対応できるレンズ
励磁を得る電磁型レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁型レンズは、高加速電圧の電子ビー
ムを試料面に焦点合わせなどする場合、加速電圧の1/
2乗に比例した高い磁束密度を必要とする。従って、従
来は、高い飽和磁束密度をもつ磁極片を必要とし、この
磁極片を用いて図2の(a)に示すように電磁型レンズ
を作成していた。以下図2の構成および励磁について簡
単に説明する。
【0003】図2は、従来技術の説明図であって、従来
の電磁型レンズの構成を示す。図2において、磁極片2
1、22は、磁束を集めてギャップ25に集中させた
り、レンズ作用を発生させる磁束分布を形成したりする
ためのものである。
【0004】ヨーク23は、コイル24によって発生さ
れた磁束の通路であって、磁気抵抗を可及的に小さくす
るためのものである。コイル24は、電流を流して磁束
を発生させるものである。
【0005】ギャップ25は、空隙であって、磁極片2
1、22によって収束された磁束が所定の分布を持って
形成され、電子線に対してレンズ作用を行う部分であ
る。試料26は、電子線スポットを照射し、放出された
2次電子を収集していわゆる2次電子像をディスプレイ
上に拡大して表示する試料である。
【0006】磁束27は、コイル4によって発生された
磁束である。次に、磁界型レンズの作用について説明す
る。コイル24に電流を流すと磁束27が発生し、強磁
性体で作成したヨーク23および磁極片21、22は磁
気抵抗が極めて小さいので、ほとんどの磁束は、磁極片
21と磁極片22との間のギャップ25に図2の(b)
あるいは図2の(c)に示すように収束され、図示のよ
うに磁束線分布を形成する。これにより、上側から下方
向に電子線が通過したとき、レンズ作用を受け、ここで
は、試料26上に焦点合わせなどされることとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した図2の(a)
の従来の磁界型レンズは、磁極片21、22は、通常、
高い飽和磁束密度を持つ材料で作成する。このため、こ
の磁界型レンズを低い加速電圧で使用する場合、低い磁
束密度で使う必要があり、当該磁極片21、22の材料
や加工による磁性的な不均一などによってレンズ磁場の
ラジアル方向の対象性が得られなくなることがあり、レ
ンズ機能の集束の不均一性やレンズ軸の変化が発生して
性能が悪化してしまう問題があった。
【0008】また、低加速電圧でレンズの性能が良くな
るように高い初期透磁率の磁極片21、22を使うと、
高加速電圧で磁極片21、22が飽和してしまい、所望
の位置に電子線を集束させるに必要な磁束密度が得られ
ないという問題があった。
【0009】更に、走査型電子顕微鏡などの対物レンズ
の場合、低加速電圧時に色収差が重要な点であり、所定
の位置にある磁極片に対する作動距離が当該色収差に大
きく関係し、従来はこの色収差が大きくて電子線を十分
に集束し得ないという問題があった。
【0010】本発明は、これらの問題を解決するため、
磁界型レンズの磁極片に高い初期透磁率の材料および高
い飽和磁束密度の材料の2重構造とし、低加速電圧時に
色収差係数を小さくして電子顕微鏡などの分解能を向上
させることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】図1を参照して課題を解
決するための手段を説明する。図1において、磁極片
1、2は、磁束を集束してギャップ5に集中させるもの
であって、ここでは、高い初期透磁率の材料および高い
飽和磁束密度の材料の2重構造にしたものである。
【0012】ヨーク3は、コイル4によって発生された
磁束を通す磁気抵抗の小さい通路である。コイル4は、
電流を流して磁束を発生させるものである。
【0013】ギャップ5は、磁束分布を発生させる空隙
である。試料6は、電子線プローブを照射する試料であ
る。
【0014】
【作用】本発明は、図1に示すように、1組の円筒状の
磁極片1、2のうち、電子線を照射する試料6に近い方
の磁極片1について、試料6に近い側に高い初期透磁率
の材料にすると共に試料6に遠い側に高い飽和磁束密度
の材料にして一体とし、磁界型レンズを構成するように
している。
【0015】また、1組の円筒状の磁極片のうち、電子
線を照射する試料6に遠い方の磁極片2について、試料
6に近い側に高い初期透磁率の材料にすると共に試料6
に遠い側に高い飽和磁束密度の材料にして一体とし、磁
界型レンズを構成するようにしている。
【0016】また、1組の円筒状の磁極片のうち、いず
れの磁極片1、2も試料6に近い側に高い初期透磁率の
材料にすると共に試料6に遠い側に高い飽和磁束密度の
材料にして一体とし、磁界型レンズを構成するようにし
ている。
【0017】従って、磁界型レンズの磁極片1および/
あるいは磁極片2に高い初期透磁率の材料および高い飽
和磁束密度の材料の2重構造とすることにより、低加速
電圧時に色収差係数を小さくして電子顕微鏡などの分解
能を向上させることが可能となる。
【0018】
【実施例】次に、図1を用いて本発明の実施例の構成お
よび動作を順次詳細に説明する。図1は、本発明の1実
施例構成図を示す。
【0019】図1の(a)は、構成図を示す。図1の
(a)において、磁極片1は、磁束を集束してギャップ
5の部分に集中させるものであって、円筒状のものであ
り、磁極片1aおよび磁極片1bを図示のように貼り合
わせたものである。
【0020】磁極片1aは、磁極片1bと貼り合わせた
ものであって、初期透磁率が磁極片1bよりもはるかに
高い材料で円筒状に作成した磁極片である。この磁極片
1aは、低加速電圧のときに使用する低励磁のときに主
にギャップ5に磁束分布の形成に寄与するものであり、
主面の位置をここでは下方向(試料6に近い方向)にす
るものである。
【0021】磁極片1bは、磁極片1aと貼り合わせた
ものであって、飽和磁束密度が磁極片1aよりもはるか
に高い材料で円筒状に作成した磁極片である。この磁極
片1bは、高加速電圧のときに使用する高励磁のときに
主にギャップ5に磁束分布の形成に寄与するものであ
り、主面の位置をここでは上方向(試料6から遠い方向
で通常の位置)にするものである。
【0022】ヨーク3は、コイル4によって発生された
磁束を通す磁気抵抗の小さい通路であって、強磁性体で
作成したものである。コイル4は、電流を流して磁束を
発生させるものである。
【0023】ギャップ5は、磁極片1と磁極片2との間
に磁束分布を発生させる空隙であって、レンズ作用を行
う部分である。試料6は、走査型電子顕微鏡の場合に
は、電子線プローブを照射する試料である。電子線プロ
ーブを試料6に照射し、発生した2次電子を収集してホ
トマルチプライヤなどで増幅し、ディスプレイ上にいわ
ゆる2次電子像を表示する。
【0024】図1の(b)は、低加速電圧時の磁束7の
分布およびそのときの主面の位置を示す。この低加速電
圧時には、コイル4に低電流を流し、低磁束でよいの
で、試料6に近い側の磁極片1のうち、下側の磁極片1
aの初期透磁率が上側の磁極片1bよりもはるかに大き
いので、上側の磁極片1bよりもこの下側の磁極片1a
からの磁束が多くなり、結果として主面が図示のように
下方向の位置になる。従って、この主面と試料6との距
離Dが短くなり、結果として色収差を小さくかつ縮小率
を小さくできる。
【0025】図1の(c)は、高加速電圧時の磁束7の
分布およびそのときの主面の位置を示す。この高加速電
圧時には、コイル4に大電流を流し、高磁束となるの
で、試料6に近い側の磁極片1のうち、下側の磁極片1
bは飽和するが、上側の磁極片1aは飽和磁束密度が大
きくで飽和しないので、上側の磁極片1bの磁束が下側
の磁極片1aの磁束よりも多くなり、結果として主面が
図示のように上方向の位置になる(通常の磁界型レンズ
とほぼ同じ位置になる)。
【0026】以上のように、試料6に近い方の磁極片1
について、下側の磁極片1aを高い初期透磁率の材料で
作成し、上側の磁極片1bを高い飽和磁束密度の材料で
作成して貼り合わせることにより、低加速電圧時(低励
磁時)には図1の(b)に示すように主面が下方向の位
置となって当該主面と試料6の距離Dが短くなり結果と
して色収差を小さくできる。一方、高加速電圧時(高励
磁時)には図1の(c)に示すように主面が上方向の位
置となって通常の位置となる。これらにより、試料6に
近い磁極片1を構成する磁極片1aを高い初期透磁率の
材料で作成し、磁極片1bを高い飽和磁束密度の材料で
作成し、特に低加速電圧時に色収差を小さくかつ縮小率
を高くし、高分解能の走査型電子顕微鏡などを作成でき
る。
【0027】図1の(d)は、磁極片1および磁極片2
の両者についてそれぞれ高い初期透磁率の材料で作成し
た磁極片1a、2bと高い飽和磁束密度の材料で作成し
た磁極片1b、2bを持つ磁界型レンズの構成を示す。
【0028】このように、磁極片1、2の下側の磁極片
1a、2aを高透磁率の材料で作成することにより、図
1の(b)よりも更に主面が下方向に位置することとな
り、縮小率を小さくかつ色収差を小さくすることができ
る。
【0029】磁極片1、2の上側の磁極片1b、2bを
高い飽和磁束密度の材料で作成することにより、図1の
(c)に示すように主面を上方向として通常の位置にす
ることができる。
【0030】ここで、磁極片1および磁極片2の両者に
ついて磁極片1aと磁極片1b、および磁極片2aと磁
極片2bによって磁界型レンズを構成したが、磁極片2
aと磁極片2bについてのみ2重構造としてもよい。
【0031】また、図1の(d)に示すように、上側の
磁極片2を高い初期透磁率の磁極片2aおよび高い飽和
磁束密度の磁極片2bで構成した場合には、試料6を磁
極片1の下側に図1の(a)のように配置してもよい
し、更に図1の(d)の磁極片2aと磁極片1(あるい
は磁極片1b)との間の強磁束中に配置し、焦点距離を
非常に短くして縮小率を非常に高くし、電子線ビームを
非常に小さく集束するようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁界型レンズの磁極片1および/あるいは磁極片2に高
い初期透磁率の材料および高い飽和磁束密度の材料の2
重構造とする構成を採用しているため、特に低加速電圧
時(低励磁時)に主面と試料との距離を小さくして色収
差係数を小さくかつ縮小率を高くすることができる。こ
の磁界型レンズを走査型電子顕微鏡などの対物レンズに
使用したときに特に低加速電圧時の分解能を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例構成図である。
【図2】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1、2:磁極片 1a、2a:高い初期透磁率の材料で作成した磁極片 1b、2b:高い飽和磁束密度の材料で作成した磁極片 3:ヨーク 4:コイル 5:ギャップ 6:試料 7:磁束(磁束分布)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁極片の間に磁束分布を発生させてレンズ
    を形成する電磁型レンズにおいて、 1組の円筒状の磁極片のうち、電子線を照射する試料
    (6)に近い方の磁極片(1)について、試料(6)に
    近い側に高い初期透磁率の材料で構成すると共に試料
    (6)に遠い側に高い飽和磁束密度の材料で構成したこ
    とを特徴とする電磁型レンズ。
  2. 【請求項2】磁極片の間に磁束分布を発生させてレンズ
    を形成する電磁型レンズにおいて、 1組の円筒状の磁極片のうち、電子線を照射する試料
    (6)から遠い方の磁極片(2)について、試料(6)
    に近い側に高い初期透磁率の材料で構成すると共に試料
    (6)に遠い側に高い飽和磁束密度の材料で構成したこ
    とを特徴とする電磁型レンズ。
  3. 【請求項3】磁極片の間に磁束分布を発生させてレンズ
    を形成する電磁型レンズにおいて、 1組の円筒状の磁極片のうち、いずれの磁極片(1)、
    (2)も試料に近い側に高い初期透磁率の材料で構成す
    ると共に試料に遠い側に高い飽和磁束密度の材料で構成
    したことを特徴とする電磁型レンズ。
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