JPH08281637A - コンクリート切削機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート面を切削する作業を作業員の手
作業によらず機械的に能率良く行う。 【構成】 枠組構造とした外枠フレーム３をパワーショ
ベル４の作業アーム５を使用してコンクリート面１に押
し付け、該外枠フレーム３内に装備してある切削機本体
６により前記コンクリート面１の切削作業を行うコンク
リート切削機であって、外枠フレーム３をコンクリート
面１に押し付けた際に、該コンクリート面１に沿う所定
のスライド方向に移動し得るスライドベース７を外枠フ
レーム３内に配設すると共に、該スライドベース７にコ
ンクリート面１に対し近接離間する方向に移動し得るカ
ッタユニットベース８を設け、該カッタユニットベース
８にコンクリート面１を切削し得るようカッタ９を設
け、これらスライドベース７、カッタユニットベース
８、カッタ９により切削機本体６を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート切削機に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、コンクリート構造物におけるコ
ンクリート面の表層部が劣化した場合、劣化した表層部
を健全面が現れるまで切削した上で補修する必要がある
が、従来、コンクリート面を切削する作業は、作業員が
ディスクグラインダを用いて手作業で行うようにしてい
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多量の
切削粉塵が発生する劣悪な作業環境下で長時間に亘って
コンクリート構造物のコンクリート面全域を手作業で切
削する作業は極めて苛酷であり、作業員の負担が肉体的
にも精神的にも大きいという問題があった。

【０００４】また、作業員による手作業では能率が悪
く、多大な労力と時間が必要となる為、工期の長期化や
工事費の高騰を招くという問題もあった。

【０００５】本発明は上述の実情に鑑みてなしたもの
で、コンクリート面を切削する作業を作業員の手作業に
よらず機械的に能率良く行い得るコンクリート切削機を
提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、枠組構造とし
た外枠フレームを重機の作業アームによりコンクリート
面に押し付け、前記外枠フレーム内に装備してある切削
機本体により前記コンクリート面の切削作業を行うコン
クリート切削機であって、前記切削機本体を、外枠フレ
ームをコンクリート面に押し付けた際に該コンクリート
面に沿う所定のスライド方向に移動し得るよう前記外枠
フレーム内に配設されたスライドベースと、外枠フレー
ムをコンクリート面に押し付けた際に該コンクリート面
に対し近接離間する方向に移動し得るよう前記スライド
ベースに設けられたカッタユニットベースと、該カッタ
ユニットベースにコンクリート面を切削し得るよう設け
られたカッタとにより構成したことを特徴とするもので
ある。

【０００７】

【作用】従って本発明では、コンクリート面の切削作業
を行う際に、重機の作業アームを使用して外枠フレーム
をコンクリート面に押し付け、次いで、カッタを駆動し
てカッタユニットベースをコンクリート面に近接する方
向に前進させ、前記カッタをコンクリート面に押し付け
て切削を開始し、斯かる状態でスライドベースをコンク
リート面に沿う所定のスライド方向に往復移動して前記
カッタによりコンクリート面を所定の切削深さまで切削
する。

【０００８】以上のように所定の押し付け位置における
外枠フレーム内のコンクリート面に対する切削作業が完
了したら、カッタユニットベースをコンクリート面から
離間する方向に後退させてカッタの駆動を停止し、外枠
フレームの押し付け位置をずらして前記と同様の切削作
業を行い、これ以降は、各押し付け位置での切削作業が
完了する毎に外枠フレームの押し付け位置をずらして切
削作業を再開するというサイクルを繰り返してコンクリ
ート面の全域を切削すれば良い。

【０００９】

【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照しつつ説明
する。

【００１０】図１〜図５は本発明の一実施例を示すもの
で、図中１はコンクリート構造物２の側面を形成するコ
ンクリート面、３は後述するパワーショベル４の作業ア
ーム５により前記コンクリート面１に押し付けられた枠
組構造の外枠フレームを示し、図示する例において前記
外枠フレーム３は上下方向に延びる長方形状に形成され
ている。

【００１１】前記外枠フレーム３内には、前記コンクリ
ート面１の切削作業を行う切削機本体６が装備されてお
り、該切削機本体６は、以下に詳述するスライドベース
７、カッタユニットベース８、カッタ９により構成され
ている。

【００１２】前記スライドベース７は、垂直部１０と水
平部１１とにより側面形状がＬ字形状を成す如く形成さ
れており、前記外枠フレーム３の上下方向に延びる二辺
の反押し付け側（図２中左側）に夫々配設されたスライ
ドレール１２に対し、前記スライドベース７の水平部１
１がスライドベアリング１３を介して移動自在に係合さ
れている。

【００１３】更に、前記外枠フレーム３の上下方向に延
びる二辺のうちの一方の内部には、その上下位置に夫々
配設された歯付きプーリ１４，１５に巻き掛けられた無
端状の歯付きベルト１６が収容されており、この歯付き
ベルト１６には、前記スライドベース７の水平部１１に
装備したクランプ１７が上下方向に延びる切欠部１８
（図２参照）を通して取付けられている。

【００１４】また、上側の歯付きプーリ１４には、前記
外枠フレーム３の上部に収容されたスライド用サーボモ
ータ１９が減速機２０を介して接続されており、このス
ライド用サーボモータ１９を駆動して前記歯付きベルト
１６を循環作動させることにより前記スライドベース７
を上下方向に移動し得るようにしてある。

【００１５】更に、前記スライドベース７の水平部１１
の下面には、コンクリート面１に対し近接離間する方向
に向けた一対の進退動レール２１が配設されており、該
進退動レール２１に対し、前記カッタユニットベース８
が進退動ベアリング２２を介して移動自在に係合されて
いる。

【００１６】また、前記カッタユニットベース８の上面
には、前記進退動レール２１と平行に延びるラック２３
が設けられ、該ラック２３に対しては、前記スライドベ
ース７の上面側に配置したピニオン２４がスリット２５
を介して噛合され、前記ピニオン２４には、前記スライ
ドベース７の上面に配設した進退動用サーボモータ２６
が減速機２７を介して接続されており、この進退動用サ
ーボモータ２６を駆動して前記ピニオン２４を回動作動
させることにより前記カッタユニットベース８をコンク
リート面１に対し近接離間する水平方向に移動し得るよ
うにしてある。

【００１７】更に、前記カッタユニットベース８下面の
押し付け側（図２中右側）には、コンクリート面１に沿
う水平方向に軸心を向けたロール型のカッタ９が回動自
在に軸支されており、該カッタ９に対しては、前記カッ
タユニットベース８下面の反押し付け側に配設したカッ
タ駆動用サーボモータ２８がギヤボックス２９内のギヤ
３０，３１，３２を介してトルク伝達可能に接続されて
いる。

【００１８】また、本実施例においては、図１及び図５
に示す如く、前記外枠フレーム３の上下方向に延びる二
辺の外側面に、反押し付け側に向けコの字状に張り出す
ビーム３３の基端部が夫々固定され、該ビーム３３の中
央部には、パワーショベル４の作業アーム５の先端に取
付けた重機側ブラケット３４をボルト締結する為の取付
ブラケット３５が設けられており、該取付ブラケット３
５と前記ビーム３３とにより、外枠フレーム３をパワー
ショベル４の作業アーム５の先端に着脱する為の連結部
３６が構成されている。

【００１９】ここで、前記取付ブラケット３５は、スラ
イドベース７のスライド方向を上下方向として外枠フレ
ーム３を重機側ブラケット３４に取付けたり、或いは、
外枠フレーム３を図示の状態から９０゜回動することに
よりスライドベース７のスライド方向を水平方向として
外枠フレーム３を重機側ブラケット３４に取付けたりす
ることができるように、異なる二種類の向きに対応し得
る形状に形成しておくことが好ましい（図５参照）。

【００２０】また、前記パワーショベル４の作業アーム
５について簡単に説明すると、該作業アーム５は、走行
体３７上部に搭載された旋回体３８に俯仰可能にピン連
結された基端アーム３９と、該基端アーム３９の先端に
揺動可能にピン連結された先端アーム４０とにより構成
されており、前記基端アーム３９の俯仰作動は油圧シリ
ンダ４１によって行われ、また、前記先端アーム４０の
揺動作動は油圧シリンダ４２によって行われるようにな
っており、更に、前記先端アーム４０の先端に通常のシ
ョベルに換えてピン連結された重機側ブラケット３４
は、油圧シリンダ４３によりリンク４４，４５を介して
俯仰作動されるようになっている。

【００２１】尚、図中４６は外枠フレーム３の押し付け
側の適宜位置に配設された壁面凹凸に対する押し付け安
定用のスプリングプランジャを示す。

【００２２】而して、コンクリート面１の切削作業を行
う際には、パワーショベル４の作業アーム５を使用して
コンクリート面１に外枠フレーム３を押し付け、次い
で、カッタ９をカッタ駆動用サーボモータ２８により駆
動し、カッタユニットベース８を進退動用サーボモータ
２６の駆動によりコンクリート面１に近接する方向に前
進させ、前記カッタ９をコンクリート面１に押し付けて
切削を開始する。

【００２３】斯かる状態でスライドベース７をスライド
用サーボモータ１９の駆動によりコンクリート面１に沿
う上下方向に往復移動して前記カッタ９によりコンクリ
ート面１を所定の切削深さまで切削する。

【００２４】以上のように所定の押し付け位置における
外枠フレーム３内のコンクリート面１に対する切削作業
が完了したら、カッタユニットベース８をコンクリート
面１から離間する方向に後退させてカッタ９の駆動を停
止し、外枠フレーム３の押し付け位置をずらして前記と
同様の切削作業を行い、これ以降は、各押し付け位置で
の切削作業が完了する毎に外枠フレーム３の押し付け位
置をずらして切削作業を再開するというサイクルを繰り
返してコンクリート面１の全域を切削する。

【００２５】従って上記実施例によれば、コンクリート
面１を切削する作業を作業員の手作業によらず機械的に
能率良く行うことができるので、作業員の負担を大幅に
軽減することができ、しかも、工期の短縮や工事費の削
減を図ることができる。

【００２６】また、外枠フレーム３の反押し付け側に、
パワーショベル４の作業アーム５の先端に前記外枠フレ
ーム３を着脱し得るよう連結部３６を構成した場合に
は、該連結部３６を介し外枠フレーム３をパワーショベ
ル４の作業アーム５の先端にアタッチメントとして連結
することができるので、パワーショベル４の作業アーム
５を使って簡単に外枠フレーム３の押し付けを行うこと
ができる。

【００２７】尚、本発明のコンクリート切削機は、上述
の実施例にのみ限定されるものではなく、スライドベー
スのスライド方向はコンクリート面に沿う方向であれば
上下方向以外でも良いこと、また、コンクリート面は図
示の如きコンクリート構造物の側面を形成するもの以外
に天井面や床面等を形成するものであっても良いこと、
スライドベース及びカッタユニットベースの移動方式は
図示の構造に限定されないこと、重機はパワーショベル
に限定されないこと、その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。

【００２８】

【発明の効果】上記した本発明のコンクリート切削機に
よれば、コンクリート面を切削する作業を作業員の手作
業によらず機械的に能率良く行うことができるので、作
業員の負担を大幅に軽減することができ、しかも、工期
の短縮や工事費の削減を図ることができるという優れた
効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す側面図である。

【図２】図１の外枠フレーム及び切削機本体の断面図で
ある。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ方向の矢視図である。

【図４】図３のＩＶ−ＩＶ方向の矢視図である。

【図５】外枠フレームの反押し付け側に構成された連結
部の一例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ コンクリート面 ３ 外枠フレーム ４ パワーショベル（重機） ５ 作業アーム ６ 切削機本体 ７ スライドベース ８ カッタユニットベース ９ カッタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大岡 伸吉 東京都江東区木場３丁目７番11号 東亜グ ラウト工業株式会社内 (72)発明者 佐野 栄 東京都江東区木場３丁目７番11号 東亜グ ラウト工業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠組構造とした外枠フレームを重機の作
   業アームによりコンクリート面に押し付け、前記外枠フ
   レーム内に装備してある切削機本体により前記コンクリ
   ート面の切削作業を行うコンクリート切削機であって、 前記切削機本体を、 外枠フレームをコンクリート面に押し付けた際に該コン
   クリート面に沿う所定のスライド方向に移動し得るよう
   前記外枠フレーム内に配設されたスライドベースと、 外枠フレームをコンクリート面に押し付けた際に該コン
   クリート面に対し近接離間する方向に移動し得るよう前
   記スライドベースに設けられたカッタユニットベース
   と、 該カッタユニットベースにコンクリート面を切削し得る
   よう設けられたカッタとにより構成したことを特徴とす
   るコンクリート切削機。