JPH08281360A - 車両用の剛直な長尺部材及びその製造方法並びに製造装置 - Google Patents

車両用の剛直な長尺部材及びその製造方法並びに製造装置

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JPH08281360A
JPH08281360A JP8294695A JP8294695A JPH08281360A JP H08281360 A JPH08281360 A JP H08281360A JP 8294695 A JP8294695 A JP 8294695A JP 8294695 A JP8294695 A JP 8294695A JP H08281360 A JPH08281360 A JP H08281360A
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Tatsuya Tamura
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21CMANUFACTURE OF METAL SHEETS, WIRE, RODS, TUBES OR PROFILES, OTHERWISE THAN BY ROLLING; AUXILIARY OPERATIONS USED IN CONNECTION WITH METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL
    • B21C37/00Manufacture of metal sheets, bars, wire, tubes or like semi-manufactured products, not otherwise provided for; Manufacture of tubes of special shape
    • B21C37/06Manufacture of metal sheets, bars, wire, tubes or like semi-manufactured products, not otherwise provided for; Manufacture of tubes of special shape of tubes or metal hoses; Combined procedures for making tubes, e.g. for making multi-wall tubes
    • B21C37/15Making tubes of special shape; Making tube fittings
    • B21C37/155Making tubes with non circular section
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21CMANUFACTURE OF METAL SHEETS, WIRE, RODS, TUBES OR PROFILES, OTHERWISE THAN BY ROLLING; AUXILIARY OPERATIONS USED IN CONNECTION WITH METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL
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    • B21C37/06Manufacture of metal sheets, bars, wire, tubes or like semi-manufactured products, not otherwise provided for; Manufacture of tubes of special shape of tubes or metal hoses; Combined procedures for making tubes, e.g. for making multi-wall tubes
    • B21C37/08Making tubes with welded or soldered seams
    • B21C37/0803Making tubes with welded or soldered seams the tubes having a special shape, e.g. polygonal tubes

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両用ドアビーム等の剛直な長尺部材及びそ
の製造方法並びに製造装置を提供することである。 【構成】 パイプ状の中央本体部分3の両端部に、横断
面形状が次第に変化する横断面形状変化部分5A,5B
を介して、車両の取り付け部へ取り付けるための端末取
り付け部分7A,7Bを備えてなる車両用の剛直な長尺
部材1である。その製造装置は、平板の1部分を、リブ
9A,9B及び位置決め孔11A1,11A2;11B
1,11B2を備えた平板状に成形加工するための端末
取り付け部分成形加工部29A,29Bと、平板の他の
1部分をパイプ状に成形加工するための中央本体部分成
形加工部33と、平板のその他の部分を、横断面形状が
次第に変化するように成形加工するための横断面形状変
化部分成形加工部31A,31Bとを周面に備えた複数
対の成形ロール23−1,…,23−nを備えた構成で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用の剛直な長尺部
材、その製造方法、並びに製造装置に関し、特に長尺部
材の軸線と交差する方向から荷重や衝撃力を受けたとき
に、その荷重や衝撃力に耐えて、変形や座屈が生じるの
を防ぐ車両用の剛直な長尺部材、その製造方法、並びに
製造装置に関する。
【0002】このような長尺部材の適用例としては、自
動車のドアやフェンダーの内部に取り付けて側方から衝
突されたときにドアが車内側に大きく変形するのを防止
して乗員を保護するためのドアビーム(ガードバーとも
言う)、自動車の前後に配置されるプラスチック製バン
パーやバンパーフェイシァの内面側に取り付けられ、衝
突時にバンパーの変形や車体の損傷を防止するバンパー
リンフォースメント(バンパー補強材、バンパーアーマ
チャとも言う)、あるいは自動車のルーフの上に左右一
対となって前後方向に沿って又は前後一対となって幅方
向に沿って取り付けられ、その上に荷物を載せるための
ルーフラック(ルーフレイルとも言う)などを挙げるこ
とができる。
【0003】本発明の剛直な長尺部材は上記のような適
用例があるが、以下その代表例としてドアビームをとり
あげて説明する。
【0004】
【従来の技術】本発明に係る先行例として、例えば特開
平4−238725号公報(以下、単に先行例と称す)
がある。
【0005】上記先行例の構成は、プレス成形によって
帯金をパイプ状に形成したビーム部の両端側に、ビーム
部側を要とする扇形状のブラケット部を設け、このブラ
ケット部の先端部に取付部を形成した構成である。そし
て、上記取付部は、先端部の幅方向に凹凸部を交互に形
成した構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のごとき先行例の
構成においては、高張力鋼板を使用するものであり、こ
のドアビームの長さが通常は1メートル(バンパーリン
フォースメントでは1.5メートル、ルーフラックでは
2メートル)前後であり、これを一体にプレス成形する
ためには1000トン前後の能力を有する大形のプレス
装置が必要であり、またこれを加工する為のプレス型と
して価格の高い順送り型(プログレシブダイ)を作る必
要がある。
【0007】さらに、プレス加工では必然的にブランク
工程が必要なので使用する板材料にスクラップとなる無
駄な部分が生じる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述のごとき
従来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に記載の
発明は、所定の寸法にスリットされた幅とこの幅よりも
大きい長さの平板状高張力鋼板のストリップ材から、横
断面形状が略環状となるようにロール成形加工で長手方
向に沿って折り曲げ成形されパイプ状に形成された中央
本体部分と、中央本体部分の長手方向端部に横断面形状
が略環状から滑らかに連続して徐々に変化して開口しパ
イプ状の中央本体部分の外形よりも広幅で略溝状をなす
横断面形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付け
るための端末取り付け部分を備え、前記端末取り付け部
分はその長手方向先端の横断面形状が非環状の開放され
た略平板形状をなして前記ストリップ材のスリット幅と
同一であり、かつ全体を板状に展開したときの端末取り
付け部分の展開幅は中央本体部分の展開幅を下回らない
形状であることを特徴とする車両用の剛直な長尺部材で
ある。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、全体を板状に展開したときの中央本体
部分の展開幅と取り付け部分の展開幅とが共に略同一と
なるようにストリップ材がスリットされている構成であ
る。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、全体を板状に展開したとき、取り付け
部分の展開幅が中央本体部分の展開幅よりも大きくなる
ようにストリップ材がスリットされ両部分の間では長手
方向に沿って展開幅が連続して滑らかに変化している構
成である。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1,2又
は3に記載の発明において、中央本体部分は、ストリッ
プ材の側縁が互いに対向した形状のパイプ状に成形され
ている構成である。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1,2又
は3に記載の発明において、中央本体部分は、ストリッ
プ材の側縁部分が互いに重なり合った形状のパイプ状に
成形されている構成である。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項1,2又
は3に記載の発明において、中央本体部分は、ストリッ
プ材の側縁部分が長手方向に沿って内部に突出する補強
用リブを備えた形状のパイプ状に成形されている構成で
ある。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において、補強用リブは、ストリップ材の側縁部
分が長手方向に沿って内部に向けて折り曲げられ中央本
体部分と一体に形成されている構成である。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において、補強用リブは、中央本体部分とは別個
の部材であって、パイプ状に成形された中央本体部分内
に配置して結合してある構成である。
【0016】請求項9に記載の発明は、請求項1〜7又
は8のいずれかに記載の発明において、中央本体部分
は、ストリップ材のパイプ状側縁部分同志が接合されて
いる構成である。
【0017】請求項10に記載の発明は、請求項1〜8
又は9のいずれかに記載の発明において、長尺部材の長
手方向の中心を対称中心として対称形に成形してある構
成である。
【0018】請求項11に記載の発明は、請求項1〜9
又は10のいずれかに記載の発明において、長尺部材が
車両用のドアビームであり、長尺部材はその軸線がほぼ
直線状に形成されている構成である。
【0019】請求項12に記載の発明は、請求項1〜9
又は10のいずれかに記載の発明において、長尺部材が
車両用のバンパーリンフォースメント又はルーフラック
であり、かつ長尺部材はその軸線が中央本体部分の長手
方向の両端部側で車体側に向けて弧状に曲げられている
構成である。
【0020】請求項13に記載の発明は、請求項1〜1
1又は12に記載の発明において、高張力鋼板のストリ
ップ材は、その板厚さが0.8mm〜2.4mmで引っ
張り強さが50kg/mm2 以上である。
【0021】請求項14に記載の発明は、横断面形状が
略環状のパイプ状の中央本体部分と、中央本体部分の長
手方向端部に横断面形状が中央本体部分と異なる横断面
形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付けるため
の端末取り付け部分とを備えてなる車両用の剛直な長尺
部材を製造する方法にして、次の各工程を含む車両用の
剛直な長尺部材の製造方法である。
【0022】(a)所定の寸法にスリットされた幅を有
する平板状高張力鋼板の長尺なストリップ材を、対をな
し、共に外周面の周方向一部に中央本体部分を折り曲げ
加工する環状断面折り曲げ成形部と他の一部にこれに連
続して端末取り付け部分を折り曲げ加工する変化断面折
り曲げ成形部を有し、互いに平行な第一の軸を中心軸と
して同期して互いに反対方向に回転する対をなす第一の
成形ロールの外周面間を通過させて、互いに横断面形状
が異なる中央本体部分と端末取り付け部分のそれぞれの
中間形状に長手方向に連続して成形し長尺部材の第一の
中間材を得る工程、(b)前記中間材を、対をなし、外
周面の周方向では第一の成形ロールと対応関係を保つが
軸方向では第一の成形ロールよりも長尺部材の最終形状
に近付けるよう折曲げ加工する折り曲げ成形部を有し互
いに反対方向に回転する後続の対をなす成形ロールの外
周面間を通過させて横断面形状が長手方向に沿って略環
状から略平板状に、および/又は略平板状から略環状に
連続して変化するようにロール成形する工程。
【0023】請求項15に記載の発明は、横断面形状が
略環状のパイプ状の中央本体部分と、中央本体部分の長
手方向端部に横断面形状が中央本体部分と異なる横断面
形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付けるため
の端末取り付け部分とを備えてなる車両用の剛直な長尺
部材を製造する方法にして、次の各工程を含む車両用の
剛直な長尺部材の製造方法である。
【0024】(a)所定の寸法にスリットされた幅を有
する平板状高張力鋼板の長尺なストリップ材を、対をな
し、共に外周面の周方向一部に中央本体部分を折り曲げ
加工する環状断面折り曲げ成形部と他の一部にこれに連
続して端末取り付け部分を折り曲げ加工する変化断面折
り曲げ成形部を有し、互いに平行な第一の軸を中心軸と
して同期して互いに反対方向に回転する対をなす第一の
成形ロールの外周面間を通過させて、互いに横断面形状
が異なる中央本体部分と端末取り付け部分のそれぞれの
中間形状に長手方向に連続して成形し長尺部材の第一の
中間材を得る工程、(b)前記中間材を、対をなし外周
面に中央本体部分を折曲げ加工する所定形状の成形部を
有し、前記第一の軸と交差する方向の軸を中心軸にして
回転可能な対をなす第一の補助成形ロールの外周面間を
通過させて長尺部材の最終形状に近付けるよう折曲げ加
工して中間材を得る工程、(c)前記中間材を、対をな
し、外周面の周方向では第一の成形ロールと対応関係を
保つが軸方向では第一の成形ロールよりも長尺部材の最
終形状に更に近付けるよう折曲げ加工する折り曲げ成形
部を有し互いに反対方向に回転する後続の対をなす成形
ロールの外周面間を通過させて横断面形状が長手方向に
沿って略環状から略平板状に、および/又は略平板状か
ら略環状に連続して変化するようにロール成形する工
程。
【0025】請求項16に記載の発明は、横断面形状が
略環状のパイプ状の中央本体部分と、中央本体部分の長
手方向端部に横断面形状が中央本体部分と異なる横断面
形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付けるため
の端末取り付け部分とを備えてなる車両用の剛直な長尺
部材を製造する方法にして、次の各工程を含む車両用の
剛直な長尺部材の製造方法である。
【0026】(a)所定の寸法にスリットされた幅を有
する平板状高張力鋼板の長尺な連続したストリップ材
を、対をなし、共に外周面の周方向一部に中央本体部分
を折り曲げ加工する環状断面折り曲げ成形部と他の一部
にこれに連続して端末取り付け部分を折り曲げ加工する
変化断面折り曲げ成形部を有し、互いに平行な第一の軸
を中心軸として同期して互いに反対方向に回転する対を
なす第一の成形ロールの外周面間を通過させて、互いに
横断面形状が異なる中央本体部分と端末取り付け部分の
それぞれの中間形状に長手方向に連続して成形し長尺部
材の第一の中間材を連続して得る工程、(b)前記中間
材を、対をなし、周方向では第一の成形ロールと対応関
係を保つが軸方向では第一の成形ロールよりも長尺部材
の最終形状に近付けるよう折曲げ加工する折り曲げ成形
部を有し互いに反対方向に回転する後続の対をなす成形
ロールの外周面間を通過させて横断面形状が長手方向に
沿って略環状から略平板状に、および/又は略平板状か
ら略環状に連続して変化するように連続してロール成形
する工程、(c)工程(b)の後に、長尺部材1つが中
央本体部分と横断面形状変化部分を含む端末取り付け部
分を有する長さに切断する工程。
【0027】請求項17に記載の発明は、横断面形状が
略環状のパイプ状の中央本体部分と、中央本体部分の長
手方向端部に横断面形状が中央本体部分と異なる横断面
形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付けるため
の端末取り付け部分とを備えてなる車両用の剛直な長尺
部材を製造する方法にして、次の各工程を含む車両用の
剛直な長尺部材の製造方法である。
【0028】(a)所定の寸法にスリットされた幅を有
する平板状高張力鋼板の長尺なストリップ材を、対をな
し、共に外周面の周方向一部に中央本体部分を折り曲げ
加工する環状断面折り曲げ成形部と他の一部にこれに連
続して端末取り付け部分を折り曲げ加工する変化断面折
り曲げ成形部を有し、互いに平行な第一の軸を中心軸と
して同期して互いに反対方向に回転する対をなす第一の
成形ロールの外周面間を通過させて、互いに横断面形状
が異なる中央本体部分と端末取り付け部分のそれぞれの
中間形状に長手方向に連続して成形し長尺部材の第一の
中間材を得る工程、(b)前記中間材を、対をなし、外
周面の周方向では第一の成形ロールと対応関係を保つが
軸方向では第一の成形ロールよりも長尺部材の最終形状
に近付けるよう折曲げ加工する折り曲げ成形部を有し互
いに反対方向に回転する後続の対をなす成形ロールの外
周面間を通過させて横断面形状が長手方向に沿って略環
状から略平板状に、および/又は略平板状から略環状に
連続して変化するようにロール成形する工程、(c)横
断面形状が略環状をなす中央本体部分のストリップ材側
縁部同志を接合する工程。
【0029】請求項18に記載の発明は、請求項14〜
16又は17のいずれかに記載の発明であって、工程
(a)に使用するストリップ材の幅は、端末取り付け部
分を形成する幅も中央本体部分を形成する幅も長手方向
に沿って一定の幅である車両用の剛直な長尺部材の製造
方法である。
【0030】請求項19に記載の発明は、請求項14〜
16又は17のいずれかに記載の発明であって、工程
(a)に使用するストリップ材の幅は、端末取り付け部
分を形成する幅のほうが中央本体部分を形成する幅より
も大きくなるように、予め長手方向に沿って連続的に変
化する形状にスリットされている車両用の剛直な長尺部
材の製造方法である。
【0031】請求項20に記載の発明は、請求項14〜
18又は19のいずれかに記載の発明であって、端末取
り付け部分を車体側に向くように、長手方向の軸線を弧
状に曲げる工程を含む車両用の剛直な長尺部材の製造方
法である。
【0032】請求項21に記載の発明は、横断面形状が
略環状のパイプ状の中央本体部分と、中央本体部分の長
手方向端部に横断面形状が中央本体部分と異なる横断面
形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付けるため
の端末取り付け部分とを備えてなる車両用の剛直な長尺
部材を製造する装置にして、次の各要件を含む車両用の
剛直な長尺部材の製造装置である。
【0033】(a)所定の寸法にスリットされた幅を有
する平板状高張力鋼板の長尺なストリップ材を、対をな
し、共に外周面の周方向一部に中央本体部分を折り曲げ
加工する環状断面折り曲げ成形部と他の一部にこれに連
続して端末取り付け部分を折り曲げ加工する変化断面折
り曲げ成形部を有し、互いに平行な第一の軸を中心軸と
して同期して互いに反対方向に回転する対をなす第一の
成形ロール装置、(b)第一の成形ロール装置の下流側
に位置し、対をなし、外周面の周方向では第一の成形ロ
ールと対応関係を保つが軸方向では第一の成形ロールよ
りも長尺部材の最終形状に近付けるよう折曲げ加工する
折り曲げ成形部を有し第一の軸と平行な軸を中心として
互いに反対方向に回転する対をなす後続成形ロール装
置、
【0034】(c)前記第一の成形ロール装置及び後続
成形ロール装置の、対をなす成形ロールの少なくともい
ずれか一方の成形ロールに連結されて各成形ロールを実
質的に同一回転速度に回転駆動する駆動装置。
【0035】請求項22に記載の発明は、横断面形状が
略環状のパイプ状の中央本体部分と、中央本体部分の長
手方向端部に横断面形状が中央本体部分と異なる横断面
形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付けるため
の端末取り付け部分とを備えてなる車両用の剛直な長尺
部材を製造する装置にして、次の各要件を含む車両用の
剛直な長尺部材の製造装置である。
【0036】(a)所定の寸法にスリットされた幅を有
する平板状高張力鋼板の長尺なストリップ材を、対をな
し、共に外周面の周方向一部に中央本体部分を折り曲げ
加工する環状断面折り曲げ成形部と他の一部にこれに連
続して端末取り付け部分を折り曲げ加工する変化断面折
り曲げ成形部を有し、互いに平行な第一の軸を中心軸と
して同期して互いに反対方向に回転する対をなす第一の
成形ロール装置、(b)第一の成形ロール装置の下流側
に位置し、対をなし、外周面の周方向では第一の成形ロ
ールと対応関係を保つが軸方向では第一の成形ロールよ
りも長尺部材の最終形状に近付けるよう折曲げ加工する
折り曲げ成形部を有し第一の軸と平行な軸を中心として
互いに反対方向に回転する対をなす後続成形ロール装
置、
【0037】(c)前記第一の成形ロール装置と後続成
形ロール装置の間に位置して、対をなし外周面の周方向
に同一形状の折り曲げ加工をする折り曲げ成形部を有
し、第一の軸と交差する方向の軸を中心に回転可能であ
ると共にその軸同志が互いに近接および離反するよう制
御されて移動可能に配置される補助成形ロール装置、
(d)前記第1の成形ロール装置及び後続成形ロール装
置の、対をなす各成形ロールの少なくともいずれか一方
の成形ロールに連結されて各成形ロールを実質的に同一
回転速度に回転駆動する駆動装置。
【0038】請求項23に記載の発明は、請求項21又
は22に記載の発明であって、後続成形ロール装置の成
形ロールの外周面の直径を第一の成形ロール装置の成形
ロールの直径よりも僅かに大きくかつ、後続ロールの下
流側に位置する成形ロールほど直径が僅かに大きくなる
ようにした構成の車両用の剛直な長尺部材の製造装置で
ある。
【0039】請求項24に記載の発明は、請求項21,
22又は23に記載の発明であって、上流側にある成形
ロールとその下流側にある成形ロールとの間隔をLと
し、上流側の成形ロールに対する下流側の成形ロールの
位相角度の差をθとし、かつ下流側の成形ロールの外周
面の直径をdとしたとき、上記間隔LはL=πdθ/3
60度の関係を保つようにして配置した構成の車両用の
剛直な長尺部材の製造装置である。
【0040】請求項25に記載の発明は、請求項21,
22,23又は24に記載の発明であって、後続成形ロ
ール装置の下流に位置し、横断面形状が略環状をなす中
央本体部分のストリップ材の側縁部同志を溶接する溶接
装置が配置されている構成の車両用の剛直な長尺部材の
製造装置である。
【0041】請求項26に記載の発明は、請求項21〜
24又は25のいずれかに記載の発明であって、連続し
て成形された車両用の剛直な長尺部材を少なくとも1つ
の中央本体部分と端末取り付け部分を含む長さに端末取
り付け部分で切断する切断装置を備えている構成の車両
用の剛直な長尺部材の製造装置である。
【0042】請求項27に記載の発明は、請求項21〜
25又は26のいずれかに記載の発明であって、第一の
成形ロール装置の上流に、ストリップ材の幅を長手方向
に沿って変化させる変化幅加工装置を備えている構成の
車両用の剛直な長尺部材の製造装置である。
【0043】
【作用】請求項1に記載の発明は、所定の寸法にスリッ
トされた幅とこの幅よりも大きい長さの平板状高張力鋼
板のストリップ材から、横断面形状が略環状となるよう
にロール成形加工で長手方向に沿って折り曲げ成形され
パイプ状に形成された中央本体部分と、中央本体部分の
長手方向端部に横断面形状が略環状から滑らかに連続し
て徐々に変化して開口しパイプ状の中央本体部分の外形
よりも広幅で略溝状をなす横断面形状変化部分を含む車
体の取り付け部へ取り付けるための端末取り付け部分を
備え、前記端末取り付け部分はその長手方向先端の横断
面形状が非環状の開放された略平板形状をなして前記ス
トリップ材のスリット幅と同一であり、かつ全体を板状
に展開したときの端末取り付け部分の展開幅は中央本体
部分の展開幅を下回らない形状である車両用の剛直な長
尺部材であるから、長尺部材全体が一体構造で別途の取
り付けブラケットなどを溶接する必要がなく、荷重が掛
かったときにも溶接部分から剥がれたりする事がない。
中央本体部分から端末取り付け部分にかけて滑らかに連
続して徐々に変化しているので本体部分に荷重が掛かっ
ても全長に亘って応力が集中する部分がなく安定した強
度が得られる。
【0044】請求項2に記載の発明は、全体を板状に展
開したときの中央本体部分の展開幅と取り付け部分の展
開幅とが共に略同一となるようにストリップ材がスリッ
トされている車両用の剛直な長尺部材であるから、全長
に亘ってストリップ材が同一幅であり、引っ張り強さが
全長に亘って同一になる。また製造する際には材料を効
率的に使用できる(捨てる破材が発生しない)。
【0045】請求項3に記載の発明は、全体を板状に展
開したとき、取り付け部分の展開幅が中央本体部分の展
開幅よりも大きくなるようにストリップ材がスリットさ
れ両部分の間では長手方向に沿って展開幅が連続して滑
らかに変化している車両用の剛直な長尺部材であるか
ら、中央本体部分の外形状に比較して取り付け部分の幅
が広くなり、これにより取り付け部分の面積が広く確保
出来るので取り付け強度を向上させられる(例えば、ス
ポット溶接の打点数を多くとることが出来る)。取り付
け部分の幅を基準とした中央部分の外形状を小さくでき
るので、ドアビームとして使用するときなどはドア内部
の他の機器類との接触を防げる。
【0046】請求項4に記載の発明は、中央本体部分
は、ストリップ材の側縁が互いに対向した形状のパイプ
状に成形されている車両用の剛直な長尺部材であるか
ら、対曲げ強度がアップするので、長尺部材に曲げ荷重
が掛かったときにも、容易に曲がったり、座屈したりす
ることがない。
【0047】請求項5に記載の発明は、中央本体部分
は、ストリップ材の側縁部分が互いに重なり合った形状
のパイプ状に成形されている車両用の剛直な長尺部材で
あるから、請求項4に記載の発明よりも対曲げ強度がさ
らにアップするものである。
【0048】請求項6に記載の発明は、中央本体部分
は、ストリップ材の側縁部分が長手方向に沿って内部に
突出する補強用リブを備えた形状のパイプ状に成形され
ている車両用の剛直な長尺部材であるから、補強用リブ
が梁部として働くのでリブを幅方向に曲げようとする荷
重が掛かったときにも対曲げ強度がさらに向上する。
【0049】請求項7に記載の発明は、補強用リブは、
ストリップ材の側縁部分が長手方向に沿って内部に向け
て折り曲げられ中央本体部分と一体に形成されている車
両用の剛直な長尺部材であるから、中央本体部分の外形
状に比較して端末取り付け部分の幅を大きくとることが
できるとともに対曲げ強度を向上させることができる。
【0050】請求項8に記載の発明は、補強用リブは、
中央本体部分とは別個の部材であって、パイプ状に成形
された中央本体部分内に配置して結合してある車両用の
剛直な長尺部材であるから、中央本体部分は実質的に単
純なパイプ状であるので、成形加工が容易でかつ対曲げ
強度の向上が計れる。
【0051】請求項9に記載の発明は、中央本体部分
は、ストリップ材のパイプ状側縁部分同志が接合されて
いる車両用の剛直な長尺部材であるから、中央本体部分
の剛性が高くなり対曲げ強度がより向上する。
【0052】請求項10に記載の発明は、長尺部材の長
手方向の中心を対称中心として対称形に成形してある車
両用の剛直な長尺部材であるから、長尺部材を車両に取
り付ける際、左右共通部品として使用できる。また製造
のとき左用、右用の別々の成形型を製作する必要がない
ので製造コスト低減にも役立つものである。
【0053】請求項11に記載の発明は、長尺部材が車
両用のドアビームであり、長尺部材はその軸線がほぼ直
線状に形成されている車両用の剛直な長尺部材であるか
ら、車両の側面から衝撃荷重を受けたとき側面の車体パ
ネルが変形して車内側に過度に入り込むのを防止する。
これにより車内の乗員に損傷を与えるのを防ぐことがで
きる。
【0054】請求項12に記載の発明は、長尺部材が車
両用のバンパーリンフォースメント又はルーフラックで
あり、かつ長尺部材はその軸線が中央本体部分の長手方
向の両端部側で車体側に向けて弧状に曲げられている車
両用の剛直な長尺部材であるから、別部品のブラケット
の接続などを必要としない一体構造であり、接続部分に
応力が集中することが無く、安定した強度が得られると
共にルーフラックにあっては外観の装飾性も向上する
(ブラケットとの継ぎ目が目視されない)。
【0055】請求項13に記載の発明は、高張力鋼板の
ストリップ材は、その板厚さが0.8mm〜2.4mm
で引張強さが50kg/mm2 以上である車両用の剛直
な長尺部材であるから、所定の対曲げ強度を得るのに、
引張強さが30kg/mm2程度の通常の冷間圧延鋼板
を使用するのに比べて板厚の薄い材料を使用でき、軽量
化と材料コストの低減ができる。高張力鋼板であって
も、ロール成形で加工されるので、プレス加工に比較し
て成形後の歪みを少なくすることができ、生産性がより
向上するものである。
【0056】請求項14に記載の発明は、横断面形状が
略環状のパイプ状の中央本体部分と、中央本体部分の長
手方向端部に横断面形状が中央本体部分と異なる横断面
形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付けるため
の端末取り付け部分とを備えてなる車両用の剛直な長尺
部材を製造する方法にして、所定の寸法にスリットされ
た幅を有する平板状高張力鋼板の長尺なストリップ材
を、対をなし、共に外周面の周方向一部に中央本体部分
を折り曲げ加工する環状断面折り曲げ成形部と他の一部
にこれに連続して端末取り付け部分を折り曲げ加工する
変化断面折り曲げ成形部を有し、互いに平行な第一の軸
を中心軸として同期して互いに反対方向に回転する対を
なす第一の成形ロールの外周面間を通過させて、互いに
横断面形状が異なる中央本体部分と端末取り付け部分の
それぞれの中間形状に長手方向に連続して成形し長尺部
材の第一の中間材を得る(a)工程と、前記中間材を、
対をなし、外周面の周方向では第一の成形ロールと対応
関係を保つが軸方向では第一の成形ロールよりも長尺部
材の最終形状に近付けるよう折曲げ加工する折り曲げ成
形部を有し互いに反対方向に回転する後続の対をなす成
形ロールの外周面間を通過させて横断面形状が長手方向
に沿って略環状から略平板状に、および/又は略平板状
から略環状に連続して変化するようにロール成形する
(b)工程と、を含むものである。
【0057】すなわち、対を成す第一成形ロールの外周
面間を通過させるので、加工される部分が長手方向に沿
って時間的にずれて加工される(同一時間に長手方向全
長が同時に加工されるのではない)。しかも後続の第
二、…第nと対を成す複数の成形ロールの間を順次通過
させるのでプレス加工に比較して材料にきつい加工を避
けられる。
【0058】請求項15に記載の発明は、横断面形状が
略環状のパイプ状の中央本体部分と、中央本体部分の長
手方向端部に横断面形状が中央本体部分と異なる横断面
形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付けるため
の端末取り付け部分とを備えてなる車両用の剛直な長尺
部材を製造する方法にして、所定の寸法にスリットされ
た幅を有する平板状高張力鋼板の長尺なストリップ材
を、対をなし、共に外周面の周方向一部に中央本体部分
を折り曲げ加工する環状断面折り曲げ成形部と他の一部
にこれに連続して端末取り付け部分を折り曲げ加工する
変化断面折り曲げ成形部を有し、互いに平行な第一の軸
を中心軸として同期して互いに反対方向に回転する対を
なす第一の成形ロールの外周面間を通過させて、互いに
横断面形状が異なる中央本体部分と端末取り付け部分の
それぞれの中間形状に長手方向に連続して成形し長尺部
材の第一の中間材を得る(a)工程と、前記第一の中間
材を、対をなし外周面に中央本体部分を折曲げ加工する
所定形状の成形部を有し、前記第一の軸と交差する方向
の軸を中心軸にして回転可能な対をなす第一の補助成形
ロールの外周面間を通過させて長尺部材の最終形状に近
付けるよう折曲げ加工して中間材を得る(b)工程と、
前記中間材を、対をなし、外周面の周方向では第一の成
形ロールと対応関係を保つが軸方向では第一の成形ロー
ルよりも長尺部材の最終形状に更に近付けるよう折曲げ
加工する折り曲げ成形部を有し互いに反対方向に回転す
る後続の対をなす成形ロールの外周面間を通過させて横
断面形状が長手方向に沿って略環状から略平板状に、お
よび/又は略平板状から略環状に連続して変化するよう
にロール成形する(c)工程と、を含むものである。
【0059】すなわち、補助成形ロールを使用し、しか
もその軸が成形ロールの軸と交差しているので材料に多
方向から力を加えて曲げ加工をできるので効率的に折り
曲げ加工できる。
【0060】請求項16に記載の発明は、横断面形状が
略環状のパイプ状の中央本体部分と、中央本体部分の長
手方向端部に横断面形状が中央本体部分と異なる横断面
形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付けるため
の端末取り付け部分とを備えてなる車両用の剛直な長尺
部材を製造する方法にして、所定の寸法にスリットされ
た幅を有する平板状高張力鋼板の長尺な連続したストリ
ップ材を、対をなし、共に外周面の周方向一部に中央本
体部分を折り曲げ加工する環状断面折り曲げ成形部と他
の一部にこれに連続して端末取り付け部分を折り曲げ加
工する変化断面折り曲げ成形部を有し、互いに平行な第
一の軸を中心軸として同期して互いに反対方向に回転す
る対をなす第一の成形ロールの外周面間を通過させて、
互いに横断面形状が異なる中央本体部分と端末取り付け
部分のそれぞれの中間形状に長手方向に連続して成形し
長尺部材の第一の中間材を連続して得る(a)工程と、
前記中間材を、対をなし、周方向では第一の成形ロール
と対応関係を保つが軸方向では第一の成形ロールよりも
長尺部材の最終形状に近付けるよう折曲げ加工する折り
曲げ成形部を有し互いに反対方向に回転する後続の対を
なす成形ロールの外周面間を通過させて横断面形状が長
手方向に沿って略環状から略平板状に、および/又は略
平板状から略環状に連続して変化するように連続してロ
ール成形する(b)工程と、(b)工程の後に、長尺部
材1つが中央本体部分と横断面形状変化部分を含む端末
取り付け部分を有する長さに切断する(c)工程と、を
含むものである。
【0061】すなわち、連続したストリップ材を使用で
きるので生産性が高いものである。
【0062】請求項17に記載の発明は、横断面形状が
略環状のパイプ状の中央本体部分と、中央本体部分の長
手方向端部に横断面形状が中央本体部分と異なる横断面
形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付けるため
の端末取り付け部分とを備えてる車両用の剛直な長尺部
材を製造する方法にして、所定の寸法にスリットされた
幅を有する平板状高張力鋼板の長尺なストリップ材を、
対をなし、共に外周面の周方向一部に中央本体部分を折
り曲げ加工する環状断面折り曲げ成形部と他の一部にこ
れに連続して端末取り付け部分を折り曲げ加工する変化
断面折り曲げ成形部を有し、互いに平行な第一の軸を中
心軸として同期して互いに反対方向に回転する対をなす
第一の成形ロールの外周面間を通過させて、互いに横断
面形状が異なる中央本体部分と端末取り付け部分のそれ
ぞれの中間形状に長手方向に連続して成形し長尺部材の
第一の中間材を得る(a)工程と、前記中間材を、対を
なし、外周面の周方向では第一の成形ロールと対応関係
を保つが軸方向では第一の成形ロールよりも長尺部材の
最終形状に近付けるよう折曲げ加工する折り曲げ成形部
を有し互いに反対方向に回転する後続の対をなす成形ロ
ールの外周面間を通過させて横断面形状が長手方向に沿
って略環状から略平板状に、および/又は略平板状から
略環状に連続して変化するようにロール成形する(b)
工程と、横断面形状が略環状をなす中央本体部分のスト
リップ材側縁部同志を接合する(c)工程と、を含むも
のである。
【0063】したがって、曲げ剛性が高い長尺部材を高
い生産性を保ったまま製造できる。
【0064】請求項18に記載の発明は、工程(a)に
使用するストリップ材の幅は、端末取り付け部分を形成
する幅も中央本体部分を形成する幅も長手方向に沿って
一定の幅であるから、ストリップ材料に無駄を生じなく
て(破材を生じない)高張力の鋼板の広幅の原板(原反
ともいう)から一定幅にスリットしたままのストリップ
材を使用して効率的に製造できる。
【0065】請求項19に記載の発明は、工程(a)に
使用するストリップ材の幅は、端末取り付け部分を形成
する幅のほうが中央本体部分を形成する幅よりも大きく
なるように、予め長手方向に沿って連続的に変化する形
状にスリットされているものであるから、中央部分の外
形状に比較して取り付け部分の幅が広い長尺部材(スポ
ット溶接で取り付ける場合にはスポットの打点数が多く
とれる)が製造できる。
【0066】請求項20に記載の発明は、端末取り付け
部分を車体側に向くように、長手方向の軸線を弧状に曲
げる工程を含むものであるから、バンパーリンフォース
メントやルーフラック(ルーフレイル)に適用できる長
尺部材を製造できる。
【0067】請求項21に記載の発明は、横断面形状が
略環状のパイプ状の中央本体部分と、中央本体部分の長
手方向端部に横断面形状が中央本体部分と異なる横断面
形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付けるため
の端末取り付け部分とを備えてなる車両用の剛直な長尺
部材を製造する装置にして、所定の寸法にスリットされ
た幅を有する平板状高張力鋼板の長尺なストリップ材
を、対をなし、共に外周面の周方向一部に中央本体部分
を折り曲げ加工する環状断面折り曲げ成形部と他の一部
にこれに連続して端末取り付け部分を折り曲げ加工する
変化断面折り曲げ成形部を有し、互いに平行な第一の軸
を中心軸として同期して互いに反対方向に回転する対を
なす第一の成形ロール装置と、第一の成形ロール装置の
下流側に位置し、対をなし、外周面の周方向では第一の
成形ロールと対応関係を保つが軸方向では第一の成形ロ
ールよりも長尺部材の最終形状に近付けるよう折曲げ加
工する折り曲げ成形部を有し第一の軸と平行な軸を中心
として互いに反対方向に回転する対をなす後続成形ロー
ル装置と、前記第一の成形ロール装置及び後続成形ロー
ル装置の、対をなす成形ロールの少なくともいずれか一
方の成形ロールに連結されて各成形ロールを実質的に同
一回転速度に回転駆動する駆動装置と、を含むものであ
る。
【0068】すなわち、製造装置として複数の成形ロー
ル装置を後続の成形ロール装置が下流側になるように配
置しているので、ストリップ材をこれらの成形ロール装
置を通過させることによって連続して長尺部材を製造で
きる。
【0069】請求項22に記載の発明は、横断面形状が
略環状のパイプ状の中央本体部分と、中央本体部分の長
手方向端部に横断面形状が中央本体部分と異なる横断面
形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取り付けるため
の端末取り付け部分とを備えてなる車両用の剛直な長尺
部材を製造する装置にして、所定の寸法にスリットされ
た幅を有する平板状高張力鋼板の長尺なストリップ材
を、対をなし、共に外周面の周方向一部に中央本体部分
を折り曲げ加工する環状断面折り曲げ成形部と他の一部
にこれに連続して端末取り付け部分を折り曲げ加工する
変化断面折り曲げ成形部を有し、互いに平行な第一の軸
を中心軸として同期して互いに反対方向に回転する対を
なす第一の成形ロール装置と、第一の成形ロール装置の
下流側に位置し、対をなし、外周面の周方向では第一の
成形ロールと対応関係を保つが軸方向では第一の成形ロ
ールよりも長尺部材の最終形状に近付けるよう折曲げ加
工する折り曲げ成形部を有し第一の軸と平行な軸を中心
として互いに反対方向に回転する対をなす後続成形ロー
ル装置と、前記第一の成形ロール装置と後続成形ロール
装置の間に位置して、対をなし外周面の周方向に所定形
状の折り曲げ加工をする折り曲げ成形部を有し、第一の
軸と交差する方向の軸を中心に回転可能であると共にそ
の軸同志が互いに近接および離反するよう制御されて移
動可能に配置される補助成形ロール装置と、前記第一の
成形ロール装置及び後続成形ロール装置の、対をなす各
成形ロールの少なくともいずれか一方の成形ロールに連
結されて各成形ロールを実質的に同一回転速度に回転駆
動する駆動装置と、を含むものである。
【0070】すなわち、請求項21に記載の発明の作用
に加えて、ストリップ材の長手方向軸線を基準にして、
これに多方向から力を加えられるのでより容易に折曲げ
加工できる。
【0071】請求項23に記載の発明は、後続成形ロー
ル装置の成形ロールの外周面の直径を第一の成形ロール
装置の成形ロールの直径よりも僅かに大きくかつ、後続
ロールの下流側に位置する成形ロールほど直径が僅かに
大きくなるようにした構成であるから、後続のロールの
周速度が直前のロールの周速度よりも僅かに大きくなる
のでストリップ材は加工中は長手方向に沿っていつもテ
ンションが掛かっている状態に保たれる。これにより隣
り合う成形ロール間でストリップ材が折れ曲がったりし
ないものである。
【0072】請求項24に記載の発明は、上流側にある
成形ロールとその下流側にある成形ロールとの間隔をL
とし、上流側の成形ロールに対する下流側の成形ロール
の位相角度の差をθとし、かつ下流側の成形ロールの外
周面の直径をdとしたとき、上記間隔LはL=πdθ/
360度の関係を保つようにして配置した構成であるか
ら、ストリップ材が加工されながら下流側に移動する際
に後続成形ロールの加工位置が加工されるストリップ材
の位置に一致する。
【0073】請求項25に記載の発明は、後続成形ロー
ル装置の下流に位置し、横断面形状が略環状をなす中央
本体部分のストリップ材の側縁部同志を溶接する溶接装
置が配置されている構成であるから、ロール成形に連続
して溶接されるので生産性が高いものである。
【0074】請求項26に記載の発明は、連続して成形
された車両の剛直な長尺部材を少なくとも1つの中央本
体部分と端末取り付け部分を含む長さに端末取り付け部
分で切断する切断装置を備えている構成であるから、ロ
ール成形に連続して切断されるので生産性が高いもので
ある。
【0075】請求項27に記載の発明は、第一の成形ロ
ール装置の上流に、ストリップ材の幅を長手方向に沿っ
て変化させる変化幅形成加工装置を備えている構成であ
るから、一定幅にスリットされたストリップ材を使用し
て、製造装置の中で連続してその幅を変化させることが
できるので生産性が高いものである。
【0076】
【実施例】図1を参照するに、第1の製品実施例に係る
車両用の剛直な長尺部材の1例としてのドアビーム1
は、長手方向の中央部にパイプ状の中央本体部分3を備
えており、この中央本体部分3の両端側には、中央部側
から端部側へ向って、横断面形状がパイプ状から平板状
に次第に変化する横断面形状変化部分5A,5Bを備え
ている。ドアビーム1は、引張強さ50kg/mm2
上の強度を有する高張力鋼板のストリップ材をロール成
形したもので、その板厚は0.8mmを超え、2.4m
m以下のものが実際上は好ましい。実際上最も好ましい
のは板厚1.2mm〜2.0mm、引張強さ100〜1
60Mg/mm2 の範囲である。前記横断面形状変化部
分5A,5Bを含み、その更に端部側には、ドアパネル
(図示省略)の取り付け部へ取り付けるための端末取り
付け部分7A,7Bを備えている。
【0077】なお、端末取り付け部分は、横断面形状変
化部分5A,5Bを用いてもよいが、本実施例では好ま
しい例として、横断面形状変化部分5A,5Bから連続
してこれを含み、更に端部側に端末取り付け部分7A,
7Bを形成するものとして説明する。
【0078】上記端末取り付け部分7A,7Bは、実質
的にはほぼ平板状をなすものであって、本実施例におい
ては、図1,図2に示すように、補強用のリブ9A,9
Bが長手方向に沿って形成してあると共に、車体へ取り
付ける際に正確な取り付け位置を確保する為の位置決め
孔11A1,11A2;11B1,11B2が形成して
ある。
【0079】上記リブ9A,9Bは、本実施例では端末
取り付け部分7A,7Bの幅方向の中央部において取り
付け面7Fの反対側へ突出形成してあり、その長さは、
端末取り付け部分7A,7Bの端部7Eから前記横断面
形状変化部分5A,5Bの領域に亘って形成してある。
【0080】前記位置決め孔11A1,11A2;11
B1,11B2は、端末取り付け部分7A,7Bの端部
7Eから所定寸法の位置において、前記リブ9A,9B
を間にして対称位置に設けてある。この位置決め孔11
A1,11A2;11B1,11B2は、ドアビーム1
をドアパネルの取り付け部へ取り付けるとき、上記取り
付け部に備えたダボ等の位置決め用小突起と係合するこ
とにより、取り付け部に対するドアビーム1の位置決め
を正確に行う機能を奏するものである。
【0081】なお、本実施例においては、端末取り付け
部分7A,7Bの幅方向の中央部にリブ9A,9Bを形
成した構成について例示したが、このリブ9A,9Bは
要求される端末取り付け部分7A,7Bの強度によって
決まるもので、不要の場合もあり、逆にリブの数は1本
に限ることなく、例えば図1に想像線で示すように適宜
長さのリブ13A,13Bを適宜に追加した構成とする
ことも可能である。
【0082】前記横断面形状変化部分5A,5Bは、図
3より明らかなように、長尺の平板(ストリップ材)の
両側縁を円弧状に丸めた横断面形状が開口を有する略溝
形の形状をなしており、前記中央本体部分3側の横断面
形状は、開口が閉じた同一形状の略パイプ状であり、端
末取り付け部分7A,7B側へ近ずくに従ってパイプを
次第に開いた略溝状の形の態様に横断面形状が滑らかに
連続して次第に変化している。
【0083】すなわち横断面形状変化部分5A,5B
は、平板状の端末取り付け部分7A,7Bとパイプ状の
中央本体部分3とをノッチ効果による応力集中などの問
題や無理のないように曲面で接続する部分である。な
お、長尺の平板の両側を円弧状に成形して次第にパイプ
状に成形する際、前記横断面形状変化部分5A,5Bの
縁の部分に発生する引張応力により割れを生じ易い場合
には、変形(伸び)が大きくなる部分15を、切断線1
7の部分において滑らかに連続する形状に予め切断して
おくことが望ましい。
【0084】前記中央本体部分3は、図4に示すよう
に、長尺の平板Wを直径D(直径Dは厳密には板厚の中
心であるが、図面中では便宜的に外径を示し、以下同
様)の円パイプ状に丸めた形状であって、上記平板Wの
側縁W1,W2は互いに対向して突き合わせ、接合して
あり、接合部は適宜範囲に亘って金属線供給のアーク溶
接などによって形成される溶接部19によって一体に結
合してある。このとき平板Wの巾はπDとなり、直径D
は平板Wの巾によって決められる。
【0085】上記溶接部19は、側縁W1 ,W2 が口開
きするのを防止、及び断面剛性を向上させるためには中
央本体部分3の全長に亘って設けることが望ましい。し
かし、要求される強度と製作コストを考慮して部分的に
溶接することも可能である。この場合、中央部分3の一
部及び前記横断面形状変化部分5A,5Bから中央本体
部分3に移行する部分の接合部は溶接することが望まし
い。
【0086】但し、溶接部19が必要かどうかは、要求
される強度によって決定されるものであって、ドアビー
ム1の高張力鋼板として、比較的厚い板厚(例えば2.
0mm前後)、高い引張強度(100kg/mm2 〜1
60kg/mm2 )のものを使用するときは、不要のと
きもある。
【0087】既に理解されるように、本実施例に係るド
アビーム1は、冷間圧延された広巾の高張力鋼板の原板
を圧延方向に沿って所定の巾にスリットしたストリップ
材である長尺の平板から成形されるものであり、溶接部
19を取り外して全体を平板状に展開すると、実質的に
は、長手方向に沿う幅が同一幅の長方形状を呈するもの
である。なお、前述したごとく部分15を切り取った場
合、全体の展開時には長方形の1部分に部分15に相当
する部分が凹状を呈するものである。
【0088】また、図1より明らかなように、ドアビー
ム1は、長手方向の中心を対称中心として対称形に形成
してあるので、左右のドアパネルに対して共通に使用す
ることができるものである。これによって、後述する1
つの成形型で左右両部材が成形できるので型コストの負
担が軽減される。
【0089】図5は第2の製品実施例に係るドアビーム
の中央本体部分3Aの横断面図を示すものである。この
実施例においては、中央本体部分3Aは平板Wの側縁部
WR,WLが互いに重なり合った態様のパイプ状に形成
してあり、かつ溶接部19において第1の実施例と同様
に一体的に結合してある。
【0090】この第2の製品実施例においては、中央本
体部分3Aの直径Dを一定に保持して、端末取り付け部
分の幅をより大きくする必要がある場合に有効である。
なお、この場合、平板Wの幅は、(πD+2g)とな
り、第1の製品実施例における平板Wよりも2gだけ幅
広の平板Wを使用するものである。これによって、後述
する車体への取り付け強度を向上さす為のスポット溶接
等の打点数を多くとることができる。また、中央本体部
分3Aの長手方向中間部分において、側縁部WR,WL
の重なり代を中央本体部分3Aの他の部分よりも少なく
して直径Dを中間部分で大きくするようにもできて、対
曲げ強度を向上さすこともできる。
【0091】ドアビームにおける中央本体部分をパイプ
状に成形するとき、前述のごとく平板の側縁部WR,W
Lが互いに重なり合った構成とすることにより、この重
なり合いで対曲げ強度を向上さすことができ、更に平板
の幅に対して中央本体部分の径をより小さくすることが
できると共に、小径であるにも拘らず取り付け強度をよ
り向上することができるものである。
【0092】図6は、前記第1の製品実施例のドアビー
ム1を製造するための製造装置21及びこれに関連する
製造方法を概念的に示したものである。
【0093】本実施例に係る車両用ドアビーム製造装置
21は、後述する駆動装置によってそれぞれが実質的に
同一回転速度で回転駆動される第1,第2,…,第nの
複数対の成形ロール23−1,23−2,…,23−n
を直線的に配置した構成であり、第2成形ロール以降を
後続成形ロールと総称し、上記の後続成形ロール群の下
流側には、溶接装置25が、更にその下流に走行切断装
置71が配置してある。
【0094】すなわち本実施例に係る車両用ドアビーム
製造装置21は、長尺の平板(ストリップ材)S1 をロ
ール成形することによって長手方向に沿って連続的に弧
状断面に折り曲げ加工(以下、折り曲げという)して前
記ドアビーム1を成形加工するものである。したがっ
て、上流側の第1成形ロール23−1から下流側の成形
ロール23−2,…,23−nへ平板を連続して移送供
給することにより、長尺の平板は次第に成形加工され
て、最終的にドアビーム1の形状を呈して前記溶接装置
25へ供給されて、必要な溶接が行われ、更に所定の位
置で所定長さに切断されるものである。
【0095】前記第1,第2,…,第nの各成形ロール
23−1,…,23−nは、対をなす上ロール(雄ロー
ル)27U−1,27U−2,…,27U−nと下ロー
ル(雌ロール)27L−1,27L−2,…,27L−
nを備えている。
【0096】上記各成形ロール23−1,…,23−n
における上下の各ロール27U−1,27L−1;…,
27U−n,27L−nでは、図7に円形の第1成形ロ
ール27U−1の外周の折り曲げ加工面の形状を全周に
わたって便宜的に平板状に展開した概略的展開図として
示す。
【0097】同図において、平板の車両用ドアビーム1
における端末取り付け部分7A,7Bに相当する部分
を、リブ9A,9Bを備えた平板状に成形加工するため
の端末取り付け部分成形加工部29A,29Bと、平板
のドアビーム1における横断面形状変化部分5A,5B
に相当する部分を、端末取り付け部分7A,7Bと中央
本体部分3とを連続した滑らかな曲面で接続するように
横断面形状が次第に変化するように折り曲げ成形加工す
るための横断面形状変化部分成形加工部31A,31B
と、平板のドアビーム1における中央本体部分3に相当
する部分を横断面が環状の一定断面を有するパイプ状に
折り曲げ成形加工するための中央本体部分成形加工部3
3とを周面に備えた構成である。なお、同図において、
実際の第1成形ロール27U−1では29Aと29Bの
長手方向の端末同志は同一位置となる。
【0098】なお、図7には、第1成形ロール23−1
における上ロール27U−1を展開して概略的に例示し
た。ロール成形は、上流側の成形ロール23−1から下
流側の成形ロール23−2,…,23−nへ板材を順次
移送供給することによって次第に製品の形状に成形加工
する構成であるから、各成形ロール23−1,…,23
−nにおける各成形加工部の長手方向、すなわち周方向
においては、第1成形ロール23−1と対応したほぼ同
一の寸法形状を有するが、成形ロールの軸方向では寸法
形状は次第にドアビーム1の最終形状に近づく形状に変
化しているものである。
【0099】前記成形ロール23−1,…,23−nの
構成は、前述した各成形加工部の寸法形状が周方向で対
応し、軸方向で次第に変化している点において相違し、
かつ平板のロール成形による延びに対応すべく下流側の
成形ロールほど僅かに大径(下流側の成形ロールの外周
の直径を直前の成形ロールの外周の直径よりも0.3%
〜1.0%程度大きくするのが好ましい)に構成してあ
る点において相違するのみであって、その他の構成はほ
ぼ同一であるので、第1の成形ロール23−1を用いて
成形ロールの構成について説明する。
【0100】成形ロールの構成を概念的に示した図8を
参照するに、成形ロール23−1における上下のロール
27U−1,27L−1は、ベース35に立設したロー
ル支持スタンド37に回転自在に支持された上下の回転
軸39U,39Lに一体的に取付けてある。
【0101】上記上下の回転軸39U,39Lの一端側
には同径のウオームホイール41U,41Lが連結して
あり、上下のウオームホイール41U,41Lには共通
のウオームギア43が噛合してある。したがって、ウオ
ームギア43を回転すると、上下のウオームホイール4
1U,41Lはそれぞれ逆方向に回転される。
【0102】図8に示した構成は概念的に示した構成で
ある。実際的には、上下の回転軸39U,39Lはロー
ル支持スタンド37に上下調節可能に支持された軸受ブ
ロックに回転自在に支持されるものである。また上下の
回転軸39U,39Lの一端部は、前記上下のウオーム
ホイール41U,41Lを備えた別個の上下の回転軸と
ユニバーサルジョイント及びカップリング等を介して連
結されるものである。
【0103】このような構成にすることによって、成形
ロール23−1,23−2,……を取り外し、交換可能
となり、本実施例におけるドアビーム1とは長さと形状
の異なる前述したバンパーリンフォースメントやルーフ
ラックを製造することができ、製造装置に汎用性を持た
せることができる。
【0104】図8,9,10は、上下のロール27U−
1,27L−1が回転して異なる回転角度の位置でかみ
合っている状態の断面図であり、成形ロール23−1に
おける上下のロール27U−1,27L−1の周面に
は、図8,9,10に示すように、平板Wをドアビーム
1に折り曲げ成形加工するための前記端末取り付け部分
成形加工部29A,29B;横断面形状変化部分成形加
工部31A,31B及び中央本体部分成形加工部33が
凹凸の対をなして形成してあり、端末取り付け部分成形
加工部29A,29Bにはリブ9A,9Bを成形するた
めのリブ成形加工部45A,45B(図7参照)が形成
してある。この上下ロール27U−1,27L−1にお
いては、29A,29B及び31A,31Bの加工部を
入れ子式に製作してロール本体部分から着脱可能にして
おくと、製品形状変更などに対応が容易である。
【0105】なお、図6においては、各成形ロール23
−1,…,23−nの位相角度の差を理解し易く表示す
るために、前記各成形加工部の模様を異にして例示して
ある。
【0106】前述したように、平板Wをドアビーム1に
ロール成形により長手方向に沿って連続して折り曲げ加
工するものであり、かつロール成形時における平板Wの
延びに対応して下流側の成形ロールほど僅かに大径に形
成してあるので、図6に示すように、各成形ロール23
−1,…,23−nの各間隔をLとし、上流側の成形ロ
ールに対する下流側の成形ロールの位相角度の差(例え
ば上流側の成形ロールにおける成形加工部29Aに対す
る下流側の成形ロールにおける成形加工部29Aの位相
角度差)をθとし、かつ下流側の成形ロールのロール径
をdとしたとき、上記間隔Lは、L=πdθ/360度
の関係で表わされるように配置してある。なお、製造装
置において間隔Lは通常は固定的なものであり、この場
合には、上記関係式を満たすように下流側の成形ロール
の位相角を角度θだけずらして取り付けることになる。
【0107】前記ドアビーム1を成形するための板材と
してストリップ材S1を用いるが、本実施例において
は、前記成形ロール23−1の上流側に、ストリップ材
S1をコイル状に巻いたアンコイラ47が配置してあ
る。本実施例では、これに加えて好ましい例としてこの
アンコイラ47と前記第1の成形ロール23−1との間
には、ストリップ材S1を長手方向に沿って変化する所
望の幅に形成するためのスリッタロール(変化幅形成加
工装置)49を配置することができる。
【0108】この変化幅形成加工装置を付加した製造装
置では、図1及び4に示すドアビームと構造は基本的に
同じであるが、図1,4と異なり、端末取り付け部の幅
が、中央本体部の直径DとしたときにπDよりも大きい
寸法を要求されるドアビームを製造するのに使用され
る。
【0109】上記スリッタロール49は、上ロール51
Uと下ロール51Lとを対として備えている。上記上下
のロール51U,51Lの直径は前記第1の成形ロール
23−1における上下のロール27U−1,27L−1
の直径と等しく形成してある。
【0110】上記上下のロール51U,51Lの周面に
は、図11に示すように、ドアビーム1における端末取
り付け部分7A,7Bの幅に対応してストリップ材S1
のスリッティング加工を行う端末取り付け部分スリット
加工部53と、横断面形状変化部分5A,5Bの展開幅
変化に対応してストリップ材S1のスリッティング加工
を行う横断面形状変化部分スリット加工部55と、中央
本体部分3の展開幅に対応してスリッティング加工を行
う中央本体部分スリット加工部57が形成してある。
【0111】そして、前記端末取付部分スリット加工部
53には、前記位置決め孔11A1,11A2;11B
1,11B2を加工するための周面から半径方向外側に
突出するパンチ59A,59B(図6参照)及びダイ孔
(図示省略)が設けてある。なお、上記スリッタロール
49と第1の成形ロール23−1との間隔は、前記式
(L=πdθ/360度)の関係で表わされる関係にあ
る。
【0112】上記スリッタロール49は、ストリップ材
S1の幅を、ドアビーム1を展開したときの形状に対応
してスリッティング加工すると共に位置決め孔11A
1,11A2;11B1,11B2を加工するためのも
のであるから、ストリップ材S1のスリッティング加工
や位置決め孔の加工が不要な場合、及び前記成形ロール
群における第1の成形ロール23−1に対して、予め所
望の長さと変化する幅に切断される等の前加工を施され
た短冊状の板材を移送供給する場合には省略することが
できる。
【0113】なお、短冊状の板材の移送供給を行う場合
には、前記アンコイラ47及び切断装置71を省略する
ことが可能である。
【0114】前記スリッタロール49及び成形ロール群
の各成形ロール23−1,…,23−nを同時に同方向
へ等速で回転駆動するために、図12に示すように、前
記成形ロール群の各成形ロール23−1,…,23−n
における上下の各ウオームホイール41U,41Lを回
転するための各ウオームギア43を備えた駆動軸61に
はウオームギア63が設けてあり、このウオームギア6
3には、前記スリッタロール49における上下のロール
51U,51Lに連動連結した上下のウオームホイール
65U,65Lが噛合してある。
【0115】そして、上記駆動軸61は、プーリ及びベ
ルト等よりなる伝動機構67を介して駆動モータ69と
連動連結してある。
【0116】したがって、上記駆動モータ69を回転駆
動すると、スリッタロール49及び各成形ロール23−
1,…,23−nは上下対のロールでは逆方向に、上流
・下流方向のとなり合うロールでは同時に同方向へ等速
で回転されるものである。
【0117】前記成形ロール群の下流側に配置された前
記溶接装置25は、成形ロール群によって成形加工され
たドアビーム1における接合部を溶接して前記溶接部1
9を形成するためのもので、例えばMIG溶接機等より
なるものである。
【0118】この溶接装置25は、成形ロール群が定速
で移送されて来たドアビーム1の端部7E又は位置決め
孔11A1,11A2或るいは横断面形状変化部分5A
から中央本体部分3Aの変化点を、例えば磁気センサ,
光センサ,イメージセンサ等のごとき適宜の検出器(図
示省略)によって検出して設定時間経過後に、或るいは
検出すると同時に溶接を開始して、中央本体部分3の接
合部を適宜範囲に亘って溶接するものである。
【0119】なお、上記溶接装置25による溶接時間
を、ドアビーム1の送り速度に対応して適宜に制御する
ことにより、中央本体部分3の接合部の全長に亘って、
或るいは上記接合部分を間欠的に溶接することができる
ものである。
【0120】再び図6を参照するに、前記溶接装置25
の下流側には走行切断装置71が配置してある。
【0121】上記走行切断装置71は、連続したストリ
ップ材を使用するときに必要になってくるもので前記溶
接装置25によって接合部を溶接された後、ドアビーム
1の移送方向へ同期移動しつつドアビーム1を、端末取
り付け部分7A,7Bの境界部分において切断するもの
である。
【0122】走行切断装置71としては、上下の剪断刃
を備えた剪断機或るいはディスクカッタを備えた切断機
によって構成することが望ましい。走行切断装置71を
ドアビーム1の移動に同期して移動する構成としては、
サーボモータを駆動することによってドアビーム1の移
動方向に移動速度と同一速度で往復動する構成となし、
前記溶接装置25を経て移送されて来たドアビーム1に
おける中央本体部分3から横断面形状変化部分5Bへの
変化、或るいは端末取り付け部分7Bのリブ9B,位置
決め孔11B1,11B2を、例えば光センサ,イメー
ジセンサなどのごとき適宜のセンサによって検出すると
同時にドアビーム1の移動方向へ同期して移動する構成
となし、例えばリブ9B又は位置決め孔11B1,11
B2等を検出した状態にあって、切断刃が取り付け部分
7A,7Bの境界位置に達してドアビーム1と走行切断
装置71との移動速度が等しくなったときにドアビーム
1の切断を行うものである。
【0123】なお、前述した通りドアビーム1を成形加
工するための板材として、予め所定の長さに切断した短
冊状の平板を用いる場合には、前記走行切断装置71を
省略することができるものである。
【0124】以上のごとき構成において、アンコイラ4
7から巻戻されるストリップ材S1をスリッタロール4
9における上下のロール51U,51Lの間へ移送供給
すると、図13に示すように、上下のロール51U,5
1Lにおける端末取り付け部分スリット加工部53によ
って端末取り付け部分7A,7Bに対応する端末取り付
け部分対応部73A,73B及び位置決め孔11A1,
11A2;11B1,11B2が加工される。
【0125】また、上下のロール51U,51Lの横断
面形状変化部分スリット加工部55によって横断面形状
変化部分5A,5Bに対応する横断面形状変化部分対応
部75A,75Bがスリッティング加工されると共に、
中央本体部分スリッティング加工部57によって中央本
体部分対応部77がスリッティング加工される。
【0126】そして、上記スリッタロール49における
スリッティング加工によって生じたスクラップSCは外
部へ排出される。
【0127】前記スリッタロール49においてスリッテ
ィング加工された後のストリップ材S2は、第1の成形
ロール23−1における端末取り付け部分成形加工部2
9Aにストリップ材S2の端末取り付け部分対応部73
Aが一致するように移送供給される。
【0128】そして、第1の成形ロール23−1におけ
る上下のロール27U−1,27L−1の端末取り付け
部分成形加工部29A,29B;横断面形状変化部分成
形加工部31A,31B及び中央本体部分成形加工部3
3によってストリップ材S2の対応した端末取り付け部
分対応部73A,73B;横断面形状変化部分対応部7
5A,75B及び中央本体部分対応部77の第1段階の
長手方向に沿う折り曲げ成形加工が行われる。
【0129】上記第1成形ロール23−1を経て第1段
階の成形加工が行われたストリップ材S3は第2成形ロ
ール23−2へ移送供給され、第2成形ロール23−2
における上下のロール27U−2,27L−2によって
ドアビーム1の最終形状により近い形状に第2段階の折
り曲げ成形加工が行われる。
【0130】すなわちストリップ材S1は、スリッタロ
ール49によってスリッティング加工された後に、成形
ロール群における第1,…,第nの成形ロール23−
1,…,23−nによってn段階の成形加工が行われ
て、製品の形状に成形された後に溶接装置25へ移送供
給される。
【0131】上記溶接装置25においては、ドアビーム
1における中央本体部分3をパイプ状に成形したときの
ストリップ材の幅方向の側縁同志の接合部分の溶接が行
われる。その後、走行切断装置71へ移送供給され、こ
の走行切断装置71において、接続した状態にある端末
取り付け部分7Bと7Aとの境界位置(端末取り付け部
分7A,7Bの形状が勝手違いの同一形状であるときは
その中間位置)の切断が行われる。すなわち所定長さの
ドアビーム1に切断される。
【0132】すなわち本実施例によれば、コイル状に巻
かれたストリップ材S1から所定寸法のドアビーム1を
連続的にロール成形することができるものである。
【0133】以上の実施例においては、上下方向で一対
をなす成形ロール23−1,23−2,23−3,…2
3−nを使用してドアビーム1を成形するものとして説
明したが、工場建屋等の制約で製造装置のラインの長さ
を短くさせたいような要望が有るときには、各成形ロー
ル23−1,23−2,23−3,…23−nに追加し
て補助成形ロール装置としてのサイドロール装置SRを
所定位置(この実施例では成形ロール23−3の下流か
らでもよいが、好ましくは各成形ロール23−1,23
−2,23−3,…23−nの各々下流側)に各々設け
ると良い。
【0134】なお、上記の補助という用語は補助的な成
形を意味するものではなく、成形ロールと区別する目的
で使用している。
【0135】図6に於いては、後続の最後の成形ロール
23−nの前にサイドロール装置SRを設けるように図
示しているが、これは各成形ロール23−1,23−
2,…の間にサイドロール装置SRを全て図示すると図
面が複雑になり理解を妨げる恐れがあるため、代表例と
して最後の成形ロール23−nの前に図示したものであ
る。
【0136】図17は成形されるドアビームの成形加工
方向と直交する面でのサイドロール装置SRの断面を示
し、同図においてサイドロール装置は左右一対のサイド
ロール123L,123Rが前記の成形ロール23−
1,23−nの軸と直交して交差する方向に立設された
各々支持軸139L,139Rによって回転自在に支持
されている。支持軸139L,139Rはそれぞれ基部
側にスライドブロック141L,141Rを有してお
り、各スライドブロックはともにその中央部分に貫通孔
が形成され、これらの孔に互いに逆方向のメスネジが形
成されている。これらのネジ孔には、両端側に互いに逆
方向のオスネジ143L,143Rを形成したネジ棒1
43が噛み合っており、このネジ棒143は両端末が支
持ブロック137L,137Rで支持され、支持ブロッ
ク137L,137Rは図8に示すベースと共通のベー
ス35に固定されている。またこのネジ棒の一端は図示
しないサーボモーターに連結され、回転方向、回転速度
が制御されて回転可能である。
【0137】サイドロール123L,123Rの外周面
にはドアビームの中央本体部分3に対応するストリップ
材を横断面が環状の一定断面を有するパイプ状に曲げ加
工成形するための成形面133,133が形成されてい
て、この成形面133,133の形状は成形ロール23
−1,23−2,…の成形面の形状とは異なり、全周に
亘って一定である。またその直径は成形されるドアビー
ムの長さとは無関係でよい。
【0138】このサイドロールの作動としては、一対の
成形ロール23−3を通過して中間の形状にロール成形
されたストリップ材が下流側に移送されて来たとき端部
7E、又は位置決め孔11A1,11A2あるいは横断
面形状変化部分5Aから中央本体部分3Aの変化点を、
既述の検出器(図示省略)によって検出し、中央本体部
分3Aの始端に対応する部分のストリップ材がサイドロ
ールSRの位置に達したらサーボモータを駆動してこれ
に連結したネジ棒143をYR方向に回転駆動させるこ
とにより、支持軸139LをZR方向に、139RをZ
L方向に移動させて両方の軸を所定間隔になるように近
接させる。これによりサイドロール123L,123R
はストリップ材に接触して回転するとともに、ストリッ
プ材を加工前の形状(図17で二点鎖線で示す)からよ
り最終形状に近い断面円形状のパイプ状に折り曲げ加工
する。
【0139】この状態を保って中央本体部分3Aに対応
する部分のストリップ材を加工し中央本体部分3Aの終
端に対応する部分のストリップ材がサイドロールSRの
位置に達したらネジ棒143を逆方向、すなわちYL方
向に回転駆動させることにより、支持軸139LをZL
方向に、139RをZR方向に移動させて両方の軸を所
定間隔になるように離間させ、平板状部に対応する部分
では折り曲げ加工をしない。
【0140】支持軸139L,139Rを近接させある
いは離間させる際の移動速度は、ドアビームの横断面形
状変化部分5Aの形状とストリップ材の送り速度によっ
て決定される。
【0141】また、本発明は前記実施例のみに限るもの
ではなく、適宜の変更を行うことによりその他の構成で
もって実施することができるものである。
【0142】すなわち、第3の製品実施例としてドアビ
ーム1における中央本体部分3の構成としては、図14
の(A),(B)に示すように、パイプ状に成形した接
合部分に内方向へ突出した補強用リブ79を備えた構成
とすることも可能である。
【0143】この場合、パイプ状部分の径をDとする
と、端末取り付け部分7A,7Bの幅を、πDより幅広
に構成することができると共に、中央本体部分3の対曲
げ強度をより向上することができる。
【0144】また、第4の製品実施例として図15
(A),(B)に示すように、パイプ状に形成した中央
本体部分3内に別個の部材よりなるリブ部材81を配置
し、溶接部19によって結合する構成とすることもでき
る。
【0145】この構成によれば、リブ部材81として適
宜の材質,断面形状の部材を用いることができ、中央本
体部分3の対曲げ強度をさらに向上することができるも
のである。換言すれば、中央本体部分3の強度を一定に
してより小径とすることも可能なものである。
【0146】さらに、前述の製造装置の実施例で説明し
た前記変化幅形成手段として、前記スリッタロール49
に代えて、図16に示すごとき構成とすることも可能で
ある。
【0147】すなわち、右ねじ83R,左ねじ83Lを
対称形に備えた螺子杆83の上記ねじ部83R,83L
にそれぞれレーザ加工ヘッド等のごとき集中熱エネルギ
ービーム加工ヘッド85R,85Lを螺合装着し、スト
リップ材S1の長手方向の供給量に応じて螺子杆83を
適宜に回転することにより、左右の加工ヘッド85R,
85Lが互いに接近離反する構成とすることも可能であ
る。なお、この場合には変化幅形成手段を必らずしも第
1成形ロール装置23−1の前に配置する必要はなく、
成形ロール装置23−2,23−3の後に配置してもよ
い。
【0148】以上の説明においては、自動車用のドアビ
ームを代表例としたが、これをバンパーリンフォースメ
ントあるいはルーフラックに適用するときには横断面形
状変化部分を含む端末取り付け部分を車体側にむけて弧
状をなすように所定の曲率半径で長尺部材の長手方向の
軸線を接合部19が曲げ内側になるように曲げる必要が
あり、この軸線曲げ加工は所定長さの長尺部材に成形加
工した後に行うのが好ましい。
【0149】なお、以上の実施例の製法と装置の説明に
おいては、長尺部材として1種類のドアビームを製造す
る方法と装置について説明したが、本発明ではこれに限
定されることなく、必要な場合には複数種類のドアビー
ムを同時に製造する事ができる。例えば、図1に示すド
アビームをフロントドア用とし、このフロントドアビー
ムと本質的な構造はほぼ同じであるが中央本体部分の長
さが図1のものよりも短いドアビームをリアドア用とし
て同時に製造する事ができる。この場合には、図6に示
す第1の成形ロール装置23−1のそれぞれの上下ロー
ル27U−1,27L−1の直径をいずれも図1のもの
よりも大きくし、すなわち両方の成形ロールともに、そ
の外周の長さがフロントドアビームとリアドアビームの
それぞれの全長を足した長さに等しくなるように直径を
定めればよい。そして、この成形ロールの外周を周方向
で2つの領域(フロント用の領域とリア用の領域)に別
けて、フロント用の領域ではその領域の長さが図7に示
す長さとなり、これと隣り合って他の1つのリア用の領
域ではその領域の長さが図7とほぼ同様であるが中央本
体部分成形加工部(図7では33の部分)が短い長さと
なるように形成されている。対応する第2成形ロール装
置以降の後続の成形ロール装置についても同様にするこ
とは言うまでもない。
【0150】このようにした成形ロール装置を備えた製
造装置ではフロントドアビームとリアドアビームとが交
互に、しかも1対1の数量の関係を保って製造される。
【0151】以上は中央本体部分の長さが異なる2種類
の長尺部材の製造装置と製造方法であるが、横断面形状
変化部分や他の部分の形状や長さを異ならせることも可
能である。また、3種類以上の形状や長さが互いに異な
る長尺部材についても同様にすれば適用できる。
【0152】本願において、「第1の中間材」「第1の
成形ロール」「第1の成形ロール装置」「第1の軸」な
どの第1という用語は必らずしも「最初の」を意味する
ものではなく、方法の説明においては時間的に前の工程
を、装置の説明においては「上流側」を意味している。
【0153】
【発明の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、請求項1に記載の発明によれば、長尺部材全
体が一体構造で別途の取り付けブラケットなどを溶接す
る必要がなく、荷重が掛かったときにも溶接部分から剥
がれたりする事がない。また、中央本体部分から端末取
り付け部分にかけて滑らかに連続して徐々に変化してい
るので、本体部分に荷重が掛かっても全長に亘って応力
が集中する部分がなく安定した強度が得られる。
【0154】請求項2に記載の発明によれば、全長に亘
ってストリップ材が同一幅であり、引っ張り強さが全長
に亘って同一になる。また製造する際には材料を効率的
に使用できる(捨てる破材が発生しない)。
【0155】請求項3に記載の発明によれば、中央本体
部分の外形状に比較して取り付け部分の幅が広くなり、
これにより取り付け部分の面積が広く確保出来るので取
り付け強度を向上させられる(例えば、スポット溶接の
打点数を多くとることが出来る)。取り付け部分の幅を
基準とした中央部分の外形状を小さくできるので、ドア
ビームとして使用するときなどはドア内部の他の機器類
との接触を防げる。
【0156】請求項4に記載の発明によれば、対曲げ強
度がアップするので、長尺部材に曲げ荷重が掛かったと
きにも、容易に曲がったり、座屈したりすることがな
い。
【0157】請求項5に記載の発明によれば、請求項4
に記載の発明よりも対曲げ強度がさらにアップするもの
である。
【0158】請求項6に記載の発明によれば、補強用リ
ブが梁部として働くのでリブを幅方向に曲げようとする
荷重が掛かったときにも対曲げ強度がさらに向上する。
【0159】請求項7に記載の発明によれば、中央本体
部分の外形状に比較して端末取り付け部分の幅を大きく
とることができるとともに対曲げ強度を向上させること
ができる。
【0160】請求項8に記載の発明によれば、中央本体
部分は実質的に単純なパイプ状であるので、成形加工が
容易でかつ対曲げ強度の向上が計れる。
【0161】請求項9に記載の発明によれば、中央本体
部分の剛性が高くなり対曲げ強度がより向上する。
【0162】請求項10に記載の発明によれば、長尺部
材を車両に取り付ける際、左右共通部品として使用でき
る。また製造のとき左用、右用の別々の成形型を製作す
る必要がないので製造コスト低減にも役立つものであ
る。
【0163】請求項11に記載の発明によれば、車両の
側面から衝撃荷重を受けたとき側面の車体パネルが変形
して車内側に過度に入り込むのを防止する。これにより
車内の乗員に損傷を与えるのを防ぐことができる。
【0164】請求項12に記載の発明によれば、別部品
のブラケットの接続などを必要としない一体構造であ
り、接続部分に応力が集中することが無く、安定した強
度が得られると共にルーフラックにあっては外観の装飾
性も向上する(ブラケットとの継ぎ目が目視されな
い)。
【0165】請求項13に記載の発明によれば、所定の
対曲げ強度を得るのに、通常の冷間圧延鋼板を使用する
のに比べて板厚の薄い材料を使用でき、軽量化と材料コ
ストの低減ができる。高張力鋼板であっても、ロール成
形で加工されるので、プレス加工に比較して成形後の歪
みを少なくすることができ、生産性がより向上するもの
である。
【0166】請求項14に記載の発明によれば、対を成
す第一成形ロールの外周面間を通過させるので、加工さ
れる部分が長手方向に沿って時間的にずれて加工される
(同一時間に長手方向全長が同時に加工されるのではな
い)。しかも後続の第二、…第nと対を成す複数の成形
ロールの間を順次通過させるのでプレス加工に比較して
材料にきつい加工が加えられるのを避けられる。
【0167】請求項15に記載の発明によれば、補助成
形ロールを使用し、しかもその軸が成形ロールの軸と交
差しているので材料に多方向から力を加えて曲げ加工を
できるので効率的に折り曲げ加工できる。
【0168】請求項16に記載の発明によれば、連続し
たストリップ材を使用できるので生産性が高いものであ
る。
【0169】請求項17に記載の発明によれば、曲げ剛
性が高い長尺部材を高い生産性を保ったまま製造でき
る。
【0170】請求項18に記載の発明によれば、ストリ
ップ材料に無駄を生じなくて(破材を生じない)高張力
の鋼板の広幅の原板から一定幅にスリットしたまま効率
的に製造できる。
【0171】請求項19に記載の発明によれば、中央部
分の外形状に比較して取り付け部分の幅が広い長尺部材
(スポット溶接で取り付ける場合にはスポットの打点数
が多くとれる)が製造できる。
【0172】請求項20に記載の発明によれば、バンパ
ーリンフォースメントやルーフラック(ルーフレイル)
に適用できる長尺部材を製造できる。
【0173】請求項21に記載の発明によれば、製造装
置として複数の成形ロール装置を後続の成形ロール装置
が下流側になるように配置しているので、ストリップ材
をこれらの成形ロール装置を通過させることによって連
続して長尺部材を製造できる。
【0174】請求項22に記載の発明によれば、請求項
21に記載の発明の作用に加えて、ストリップ材に多方
向から力を加えられるのでより容易に折曲げ加工でき
る。
【0175】請求項23に記載の発明によれば、後続の
ロールの周速度が直前のロールの周速度よりも僅かに大
きくなるのでストリップ材は加工中は長手方向に沿って
いつもテンションが掛かっている状態に保たれる。これ
により隣り合う成形ロール間でストリップ材が折れ曲が
ったりしないものである。
【0176】請求項24に記載の発明によれば、ストリ
ップ材が加工されながら下流側に移動する際に後続成形
ロールの加工位置が加工されるストリップ材の位置に一
致する。
【0177】請求項25に記載の発明によれば、ロール
成形に連続して溶接されるので生産性が高いものであ
る。
【0178】請求項26に記載の発明によれば、ロール
成形に連続して切断されるので生産性が高いものであ
る。
【0179】請求項27に記載の発明によれば、一定幅
にスリットされたストリップ材を使用して、製造装置の
中で連続してその幅を変化させることができるので生産
性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製品に関する第1実施例に係るドアビ
ームの平面説明図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿った拡大断面説
明図である。
【図3】図1におけるIII−III線に沿った拡大断
面図である。
【図4】図1におけるIV−IV線に沿った拡大断面図
である。
【図5】中央本体部分の第2実施例を示す横断面説明図
である。
【図6】本実施例に係る製造装置の全体的構成を概念的
に示した説明図である。
【図7】成形ロール展開図を概略的に示した説明図であ
る。
【図8】成形ロールを概念的に示した断面説明図であ
る。
【図9】成形ロールの部分的な断面説明図である。
【図10】成形ロールの部分断面説明図である。
【図11】スリッタロールの断面説明図である。
【図12】駆動系の構成を概略的に示した説明図であ
る。
【図13】スリッタロールを経たストリップ材の説明図
である。
【図14】ドアビームの中央本体部分の第3実施例を示
す断面説明図である。
【図15】ドアビームの中央本体部分の第4実施例を示
す説明図である。
【図16】スリッタロールに代る平板の変化幅形成加工
装置の第2実施例を示す説明図である。
【図17】補助ロール成形装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ドアビーム 3 中央本体部分 5A,5B 横断面形状変化部分 7A,7B 端末取り付け部分 9A,9B;79,81 リブ 11A1,11A2,11B1,11B2 位置決め孔 19 溶接部 21 製造装置 23−1,…,23−n 成形ロール 29A,29B 端末取り付け部分成形加工部 31A,31B 横断面形状変化部分成形加工部 33 中央本体部分成形加工部 49 スリッタロール
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】
【実施例】図1を参照するに、第1の製品実施例に係る
車両用の剛直な長尺部材の1例としてのドアビーム1
は、長手方向の中央部にパイプ状の中央本体部分3を備
えており、この中央本体部分3の両端側には、中央部側
から端部側へ向って、横断面形状がパイプ状から平板状
に次第に変化する横断面形状変化部分5A,5Bを備え
ている。ドアビーム1は、引張強さ50kg/mm2
上の強度を有する高張力鋼板のストリップ材をロール成
形したもので、その板厚は0.8mmを超え、2.4m
m以下のものが実際上は好ましい。実際上最も好ましい
のは板厚1.2mm〜2.0mm、引張強さ100〜1
60Kg/mm2 の範囲である。前記横断面形状変化部
分5A,5Bを含み、その更に端部側には、ドアパネル
(図示省略)の取り付け部へ取り付けるための端末取り
付け部分7A,7Bを備えている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60R 9/08 B60R 19/04 M 19/04 B62D 25/00 B62D 25/00 F16S 3/00 F16S 3/00 B60J 5/04 A

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の寸法にスリットされた幅とこの幅
    よりも大きい長さの平板状高張力鋼板のストリップ材か
    ら、横断面形状が略環状となるようにロール成形加工で
    長手方向に沿って折り曲げ成形されパイプ状に形成され
    た中央本体部分と、中央本体部分の長手方向端部に横断
    面形状が略環状から滑らかに連続して徐々に変化して開
    口しパイプ状の中央本体部分の外形よりも広幅で略溝状
    をなす横断面形状変化部分を含む車体の取り付け部へ取
    り付けるための端末取り付け部分を備え、前記端末取り
    付け部分はその長手方向先端の横断面形状が非環状の開
    放された略平板形状をなして前記ストリップ材のスリッ
    ト幅と同一であり、かつ全体を板状に展開したときの端
    末取り付け部分の展開幅は中央本体部分の展開幅を下回
    らない形状であることを特徴とする車両用の剛直な長尺
    部材。
  2. 【請求項2】 全体を板状に展開したときの中央本体部
    分の展開幅と取り付け部分の展開幅とが共に略同一とな
    るようにストリップ材がスリットされていることを特徴
    とする請求項1に記載の車両用の剛直な長尺部材。
  3. 【請求項3】 全体を板状に展開したとき、取り付け部
    分の展開幅が中央本体部分の展開幅よりも大きくなるよ
    うにストリップ材がスリットされ両部分の間では長手方
    向に沿って展開幅が連続して滑らかに変化していること
    を特徴とする請求項1に記載の車両用の剛直な長尺部
    材。
  4. 【請求項4】 中央本体部分は、ストリップ材の側縁が
    互いに対向した形状のパイプ状に成形されていることを
    特徴とする請求項1,2又は3に記載の車両用の剛直な
    長尺部材。
  5. 【請求項5】 中央本体部分は、ストリップ材の側縁部
    分が互いに重なり合った形状のパイプ状に成形されてい
    ることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の車両用
    の剛直な長尺部材。
  6. 【請求項6】 中央本体部分は、ストリップ材の側縁部
    分が長手方向に沿って内部に突出する補強用リブを備え
    た形状のパイプ状に成形されていることを特徴とする請
    求項1,2又は3に記載の車両用の剛直な長尺部材。
  7. 【請求項7】 補強用リブは、ストリップ材の側縁部分
    が長手方向に沿って内部に向けて折り曲げられ中央本体
    部分と一体に形成されていることを特徴とする請求項6
    に記載の車両用の剛直な長尺部材。
  8. 【請求項8】 補強用リブは、中央本体部分とは別個の
    部材であって、パイプ状に成形された中央本体部分内に
    配置して結合してあることを特徴とする請求項6に記載
    の車両用の剛直な長尺部材。
  9. 【請求項9】 中央本体部分は、ストリップ材のパイプ
    状側縁部分同志が接合されていることを特徴とする請求
    項1〜7又は8のいずれかに記載の車両用の剛直な長尺
    部材。
  10. 【請求項10】 長尺部材の長手方向の中心を対称中心
    として対称形に成形してあることを特徴とする請求項1
    〜8又は9のいずれかに記載の車両用の剛直な長尺部
    材。
  11. 【請求項11】 長尺部材が車両用のドアビームであ
    り、長尺部材はその軸線がほぼ直線状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜9又は10のいずれかに記
    載の車両用の剛直な長尺部材。
  12. 【請求項12】 長尺部材が車両用のバンパーリンフォ
    ースメント又はルーフラックであり、かつ長尺部材はそ
    の軸線が中央本体部分の長手方向の両端部側で車体側に
    向けて弧状に曲げられていることを特徴とする請求項1
    〜9又は10のいずれかに記載の車両用の剛直な長尺部
    材。
  13. 【請求項13】 高張力鋼板のストリップ材は、その板
    厚さが0.8mm〜2.4mmで引張強さが50kg/
    mm2 以上であることを特徴とする請求項1〜11又は
    12のいずれかに記載の車両用の剛直な長尺部材。
  14. 【請求項14】 横断面形状が略環状のパイプ状の中央
    本体部分と、中央本体部分の長手方向端部に横断面形状
    が中央本体部分と異なる横断面形状変化部分を含む車体
    の取り付け部へ取り付けるための端末取り付け部分とを
    備えてなる車両用の剛直な長尺部材を製造する方法にし
    て、次の各工程を含むことを特徴とする車両用の剛直な
    長尺部材の製造方法。 (a)所定の寸法にスリットされた幅を有する平板状高
    張力鋼板の長尺なストリップ材を、対をなし、共に外周
    面の周方向一部に中央本体部分を折り曲げ加工する環状
    断面折り曲げ成形部と他の一部にこれに連続して端末取
    り付け部分を折り曲げ加工する変化断面折り曲げ成形部
    を有し、互いに平行な第一の軸を中心軸として同期して
    互いに反対方向に回転する対をなす第一の成形ロールの
    外周面間を通過させて、互いに横断面形状が異なる中央
    本体部分と端末取り付け部分のそれぞれの中間形状に長
    手方向に連続して成形し長尺部材の第一の中間材を得る
    工程、 (b)前記中間材を、対をなし、外周面の周方向では第
    一の成形ロールと対応関係を保つが軸方向では第一の成
    形ロールよりも長尺部材の最終形状に近付けるよう折曲
    げ加工する折り曲げ成形部を有し互いに反対方向に回転
    する後続の対をなす成形ロールの外周面間を通過させて
    横断面形状が長手方向に沿って略環状から略平板状に、
    および/又は略平板状から略環状に連続して変化するよ
    うにロール成形する工程。
  15. 【請求項15】 横断面形状が略環状のパイプ状の中央
    本体部分と、中央本体部分の長手方向端部に横断面形状
    が中央本体部分と異なる横断面形状変化部分を含む車体
    の取り付け部へ取り付けるための端末取り付け部分とを
    備えてなる車両用の剛直な長尺部材を製造する方法にし
    て、次の各工程を含むことを特徴とする車両用の剛直な
    長尺部材の製造方法。 (a)所定の寸法にスリットされた幅を有する平板状高
    張力鋼板の長尺なストリップ材を、対をなし、共に外周
    面の周方向一部に中央本体部分を折り曲げ加工する環状
    断面折り曲げ成形部と他の一部にこれに連続して端末取
    り付け部分を折り曲げ加工する変化断面折り曲げ成形部
    を有し、互いに平行な第一の軸を中心軸として同期して
    互いに反対方向に回転する対をなす第一の成形ロールの
    外周面間を通過させて、互いに横断面形状が異なる中央
    本体部分と端末取り付け部分のそれぞれの中間形状に長
    手方向に連続して成形し長尺部材の第一の中間材を得る
    工程、 (b)前記中間材を、対をなし外周面に中央本体部分を
    折曲げ加工する所定形状の成形部を有し、前記第一の軸
    と交差する方向の軸を中心軸にして回転可能な対をなす
    第一の補助成形ロールの外周面間を通過させて長尺部材
    の最終形状に近付けるよう折曲げ加工して中間材を得る
    工程、 (c)前記中間材を、対をなし、外周面の周方向では第
    一の成形ロールと対応関係を保つが軸方向では第一の成
    形ロールよりも長尺部材の最終形状に更に近付けるよう
    折曲げ加工する折り曲げ成形部を有し互いに反対方向に
    回転する後続の対をなす成形ロールの外周面間を通過さ
    せて横断面形状が長手方向に沿って略環状から略平板状
    に、および/又は略平板状から略環状に連続して変化す
    るようにロール成形する工程。
  16. 【請求項16】 横断面形状が略環状のパイプ状の中央
    本体部分と、中央本体部分の長手方向端部に横断面形状
    が中央本体部分と異なる横断面形状変化部分を含む車体
    の取り付け部へ取り付けるための端末取り付け部分とを
    備えてなる車両用の剛直な長尺部材を製造する方法にし
    て、次の各工程を含むことを特徴とする車両用の剛直な
    長尺部材の製造方法。 (a)所定の寸法にスリットされた幅を有する平板状高
    張力鋼板の長尺な連続したストリップ材を、対をなし、
    共に外周面の周方向一部に中央本体部分を折り曲げ加工
    する環状断面折り曲げ成形部と他の一部にこれに連続し
    て端末取り付け部分を折り曲げ加工する変化断面折り曲
    げ成形部を有し、互いに平行な第一の軸を中心軸として
    同期して互いに反対方向に回転する対をなす第一の成形
    ロールの外周面間を通過させて、互いに横断面形状が異
    なる中央本体部分と端末取り付け部分のそれぞれの中間
    形状に長手方向に連続して成形し長尺部材の第一の中間
    材を連続して得る工程、 (b)前記中間材を、対をなし、周方向では第一の成形
    ロールと対応関係を保つが軸方向では第一の成形ロール
    よりも長尺部材の最終形状に近付けるよう折曲げ加工す
    る折り曲げ成形部を有し互いに反対方向に回転する後続
    の対をなす成形ロールの外周面間を通過させて横断面形
    状が長手方向に沿って略環状から略平板状に、および/
    又は略平板状から略環状に連続して変化するように連続
    してロール成形する工程、 (c)工程(b)の後に、長尺部材1つが中央本体部分
    と横断面形状変化部分を含む端末取り付け部分を有する
    長さに切断する工程。
  17. 【請求項17】 横断面形状が略環状のパイプ状の中央
    本体部分と、中央本体部分の長手方向端部に横断面形状
    が中央本体部分と異なる横断面形状変化部分を含む車体
    の取り付け部へ取り付けるための端末取り付け部分とを
    備えてなる車両用の剛直な長尺部材を製造する方法にし
    て、次の各工程を含むことを特徴とする車両用の剛直な
    長尺部材の製造方法。 (a)所定の寸法にスリットされた幅を有する平板状高
    張力鋼板の長尺なストリップ材を、対をなし、共に外周
    面の周方向一部に中央本体部分を折り曲げ加工する環状
    断面折り曲げ成形部と他の一部にこれに連続して端末取
    り付け部分を折り曲げ加工する変化断面折り曲げ成形部
    を有し、互いに平行な第一の軸を中心軸として同期して
    互いに反対方向に回転する対をなす第一の成形ロールの
    外周面間を通過させて、互いに横断面形状が異なる中央
    本体部分と端末取り付け部分のそれぞれの中間形状に長
    手方向に連続して成形し長尺部材の第一の中間材を得る
    工程、 (b)前記中間材を、対をなし、外周面の周方向では第
    一の成形ロールと対応関係を保つが軸方向では第一の成
    形ロールよりも長尺部材の最終形状に近付けるよう折曲
    げ加工する折り曲げ成形部を有し互いに反対方向に回転
    する後続の対をなす成形ロールの外周面間を通過させて
    横断面形状が長手方向に沿って略環状から略平板状に、
    および/又は略平板状から略環状に連続して変化するよ
    うにロール成形する工程、 (c)横断面形状が略環状をなす中央本体部分のストリ
    ップ材側縁部同志を接合する工程。
  18. 【請求項18】 工程(a)に使用するストリップ材の
    幅は、端末取り付け部分を形成する幅も中央本体部分を
    形成する幅も長手方向に沿って一定の幅であることを特
    徴とする請求項14〜16又は17のいずれかに記載の
    車両用の剛直な長尺部材の製造方法。
  19. 【請求項19】 工程(a)に使用するストリップ材の
    幅は、端末取り付け部分を形成する幅のほうが中央本体
    部分を形成する幅よりも大きくなるように、予め長手方
    向に沿って連続的に変化する形状にスリットされている
    ことを特徴とする請求項14〜16又は17のいずれか
    に記載の車両用の剛直な長尺部材の製造方法。
  20. 【請求項20】 端末取り付け部分を車体側に向くよう
    に、長手方向の軸線を弧状に曲げる工程を含むことを特
    徴とする請求項14〜18又は19のいずれかに記載の
    車両用の剛直な長尺部材の製造方法。
  21. 【請求項21】 横断面形状が略環状のパイプ状の中央
    本体部分と、中央本体部分の長手方向端部に横断面形状
    が中央本体部分と異なる横断面形状変化部分を含む車体
    の取り付け部へ取り付けるための端末取り付け部分とを
    備えてなる車両用の剛直な長尺部材を製造する装置にし
    て、次の各要件を含むことを特徴とする車両用の剛直な
    長尺部材の製造装置。 (a)所定の寸法にスリットされた幅を有する平板状高
    張力鋼板の長尺なストリップ材を、対をなし、共に外周
    面の周方向一部に中央本体部分を折り曲げ加工する環状
    断面折り曲げ成形部と他の一部にこれに連続して端末取
    り付け部分を折り曲げ加工する変化断面折り曲げ成形部
    を有し、互いに平行な第一の軸を中心軸として同期して
    互いに反対方向に回転する対をなす第一の成形ロール装
    置、 (b)第一の成形ロール装置の下流側に位置し、対をな
    し、外周面の周方向では第一の成形ロールと対応関係を
    保つが軸方向では第一の成形ロールよりも長尺部材の最
    終形状に近付けるよう折曲げ加工する折り曲げ成形部を
    有し第一の軸と平行な軸を中心として互いに反対方向に
    回転する対をなす後続成形ロール装置、 (c)前記第一の成形ロール装置及び後続成形ロール装
    置の、対をなす成形ロールの少なくともいずれか一方の
    成形ロールに連結されて各成形ロールを実質的に同一回
    転速度に回転駆動する駆動装置。
  22. 【請求項22】 横断面形状が略環状のパイプ状の中央
    本体部分と、中央本体部分の長手方向端部に横断面形状
    が中央本体部分と異なる横断面形状変化部分を含む車体
    の取り付け部へ取り付けるための端末取り付け部分とを
    備えてなる車両用の剛直な長尺部材を製造する装置にし
    て、次の各要件を含むことを特徴とする車両用の剛直な
    長尺部材の製造装置。 (a)所定の寸法にスリットされた幅を有する平板状高
    張力鋼板の長尺なストリップ材を、対をなし、共に外周
    面の周方向一部に中央本体部分を折り曲げ加工する環状
    断面折り曲げ成形部と他の一部にこれに連続して端末取
    り付け部分を折り曲げ加工する変化断面折り曲げ成形部
    を有し、互いに平行な第一の軸を中心軸として同期して
    互いに反対方向に回転する対をなす第一の成形ロール装
    置、 (b)第一の成形ロール装置の下流側に位置し、対をな
    し、外周面の周方向では第一の成形ロールと対応関係を
    保つが軸方向では第一の成形ロールよりも長尺部材の最
    終形状に近付けるよう折曲げ加工する折り曲げ成形部を
    有し第一の軸と平行な軸を中心として互いに反対方向に
    回転する対をなす後続成形ロール装置、 (c)前記第一の成形ロール装置と後続成形ロール装置
    の間に位置して、対をなし外周面の周方向に所定形状の
    折り曲げ加工をする折り曲げ成形部を有し、第一の軸と
    交差する方向の軸を中心に回転可能であると共にその軸
    同志が互いに近接および離反するよう制御されて移動可
    能に配置される補助成形ロール装置、 (d)前記第1の成形ロール装置及び後続成形ロール装
    置の、対をなす各成形ロールの少なくともいずれか一方
    の成形ロールに連結されて各成形ロールを実質的に同一
    回転速度に回転駆動する駆動装置。
  23. 【請求項23】 後続成形ロール装置の成形ロールの外
    周面の直径を第一の成形ロール装置の成形ロールの直径
    よりも僅かに大きくかつ、後続ロールの下流側に位置す
    る成形ロールほど直径が僅かに大きくなるようにしたこ
    とを特徴とする請求項21又は22に記載の車両用の剛
    直な長尺部材の製造装置。
  24. 【請求項24】 上流側にある成形ロールとその下流側
    にある成形ロールとの間隔をLとし、上流側の成形ロー
    ルに対する下流側の成形ロールの位相角度の差をθと
    し、かつ下流側の成形ロールの外周面の直径をdとした
    とき、上記間隔LはL=πdθ/360度の関係を保つ
    ようにして配置したことを特徴とする請求項21,22
    又は23に記載の車両用の剛直な長尺部材の製造装置。
  25. 【請求項25】 後続成形ロール装置の下流に位置し、
    横断面形状が略環状をなす中央本体部分のストリップ材
    の側縁部同志を溶接する溶接装置が配置されていること
    を特徴とする請求項21,22,23又は24に記載の
    車両用の剛直な長尺部材の製造装置。
  26. 【請求項26】 連続して成形された車両用の剛直な長
    尺部材を少なくとも1つの中央本体部分と端末取り付け
    部分を含む長さに端末取り付け部分で切断する切断装置
    を備えていることを特徴とする請求項21〜24又は2
    5のいずれかに記載の車両用の剛直な長尺部材の製造装
    置。
  27. 【請求項27】 第一の成形ロール装置の上流に、スト
    リップ材の幅を長手方向に沿って変化させる変化幅形成
    加工装置を備えていることを特徴とする請求項21〜2
    5又は26のいずれかに記載の車両用の剛直な長尺部材
    の製造装置。
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