JPH08280B2 - シリコンを含有する鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

シリコンを含有する鋼の連続鋳造方法

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JPH08280B2
JPH08280B2 JP26708486A JP26708486A JPH08280B2 JP H08280 B2 JPH08280 B2 JP H08280B2 JP 26708486 A JP26708486 A JP 26708486A JP 26708486 A JP26708486 A JP 26708486A JP H08280 B2 JPH08280 B2 JP H08280B2
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slab
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continuous casting
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temperature
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忍 宮原
正之 中田
英昭 天満
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日本鋼管株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、4乃至7重量%のシリコン(Si)を含有
し、熱間脆化しやすく圧延しくい高Si鋼を連続鋳造機で
連続鋳造する方法に関する。
[従来の技術] Si含有量が4乃至7重量%(以下、単に%と略す)
で、炭素(C)含有量が低い低C高Si鋼は、凝固過程で
粗大結晶粒を形成しやすい。このため、この鋼種は、熱
間で脆化し、連続鋳造時の微小の外的付加歪(熱応力、
バルジング力又は矯正力等による歪)により、鋳片の表
面及び内部に粒界割れが発生しやすい。このような歪が
著しい場合には、鋳片がブレークアウトを起こしたり、
破断する等の重大事故が発生する危険性もある。
この発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであっ
て、熱間脆化しやすく圧延しにくい高Si鋼を連続鋳造機
にて安定して製造することができ、更に、この鋳片を加
熱炉にいわゆる熱間装入することができるシリコンを含
有する鋼の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] この発明に係るシリコンを含有する鋼の連続鋳造方法
は、4乃至7重量%のシリコンを含有する鋼を連続鋳造
機で連続鋳造する方法において、鋳片の表面から10mm以
内の表層部の凝固時の平均冷却速度を3.0℃/秒以上に
保持し、二次冷却帯及びその後の保熱断熱帯にて鋳片の
表面の温度を600乃至200℃に保持し、外的歪ε及び歪速
度ε′が下記不等式(1)を満足するように冷却条件、
保熱断熱条件及び鋳造条件を選択し、鋳片の切断後、鋳
片の表面温度を600℃以上に保持して加熱炉又は圧延機
まで搬送することを特徴とするシリコンを含有する鋼の
連続鋳造方法。
ε≦0.047(ε′−2.55×10-5−0.32 …(1) [作用] 本願発明者等は、高Si鋼を連続鋳造機にて鋳造する際
の鋳片の温度履歴及び外的歪を適切に選択することによ
り、表面割れ及び内部割れがない鋳片を製造することが
できるとの認識に立ち、種々実験研究を重ねて、鋳片の
冷却速度と結晶粒径との関係、及び微小歪が付加された
ときの粒界割れ発生条件と鋳片の温度との関係等を求め
た。その結果、特許請求の範囲にて規定した冷却条件及
び鋳造条件で鋳造することにより、湾曲型連続鋳造機、
垂直型連続鋳造機及び水平型連続鋳造機により、表面庇
(粒界割れ)及び内部割れがない健全な高Si鋼の連続鋳
造が可能になり、この鋳片を熱間圧延機の加熱炉にいわ
ゆる熱間装入することができることを見出した。
[実施例] 以下、添附の図面を参照してこの発明の実施例につい
て説明する。第1図は横軸に平均冷却速度と試験温度を
とり、縦軸に結晶粒径をとって、冷却速度と結晶粒径と
の関係及び結晶粒径と割れが発生する境界温度との関係
を示すグラフ図である。このデータは、厚さが150乃至3
00mmの鋳片について、小型実験炉で溶解凝固試験を実施
し、更に、凝固後の鋳片から引張り試験を採取して高温
引張り試験を実施して得たものである。第2図は高Si鋼
連続鋳造片のフェライト結晶粒分布を示す鋳片の模式的
断面図である。高Si鋼においては、凝固時にフェライト
結晶粒が形成されるが、鋳塊の表面1は冷却速度が早く
チル晶組織になっている。この鋳片の内部2は、表面1
から軸心部3に向けて延びた柱状晶組織になっており、
軸心部3は、等軸晶が形成されている。このように、結
晶粒径は鋳片の表面に沿う方向についての粒径(短径)
と、鋳片表面に垂直方向についての粒径(長径)とがあ
る。第1図において、左図の実線はこの長径についてそ
の粒径と平均冷却速度との関係を示したものであり、破
線は短径についてその粒径と平均冷却速度との関係を示
すものである。この第1図から明らかなように、長径の
粒径と平均冷却速度との間には、強い相関関係が存在す
る。
第1図の右図は、この凝固して得られた鋳片から採取
した引張り試験片について、単純加熱引張り条件で、歪
速度ε′が10-3/秒、歪量εが10%の定歪付加試験
を実施し、試験後、試験片を顕微鏡観察して粒界割れの
発生状況を調査した結果を示す。この図において、実線
は粒界割れが発生する限界を示し、同一結晶粒径であれ
ば、試験温度がこの実線より低い場合に、また、同一試
験温度であれば、結晶粒径がこの実線より大きい場合
に、粒界割れが発生する。つまり、図中、斜線領域であ
れば、粒界割れが発生しない。
第1図の左図からわかるように、平均冷却速度が3℃
/秒以上であれば、フェライト結晶粒の長径が10mm以下
になり、更に、この条件で、表面温度を600℃以上にす
れば、粒界割れの発生を回避することができる。この場
合に、鋳片の表面から10mm以内の表層部に粒界割れが発
生すると、この割れが表面に開口して表面手入れが必要
になるが、この表層部よりも内部であれば、粒界割れが
表面に開口することはないと共に、内部は高温であるの
で粒界割れの発生のおそれが少ない。このため、鋳片の
表層部(表面から10mm以内)の冷却速度を3℃/秒以上
にすることが必要である。
一方、高Si鋼の高温酸化試験によれば、鋳片の温度が
1200℃を超えると、スケールが溶融し、鋳片の表面に結
晶粒界浸潤が生じ、粒界割れが促進される。このため、
鋳片の表面温度は1200℃以下に保持することが必要であ
る。従って、前述の第1図から導かれる条件と合わせ
て、二次冷却帯及び保熱断熱帯における鋳片の表面温度
を600乃至1200℃に保持する。
第3図は、横軸に歪εをとり、縦軸に歪速度ε
をとって凝固時の内部割れ発生と外的歪との関係を示す
グラフ図である。これは、内部に未凝固溶融を含む鋳片
に歪を付加し、この歪ε及び歪速度ε′と、内部割
れの発生の有無との関係を調査して得たものである。こ
の図において、実線は、割れが発生するか否かの境界を
示し、この実線よりも歪ε又は歪速度ε′が大きい
場合に、内部割れが発生する。
下記第(1)式は、第3図の境界線を数式化し、割れ
が発生しない領域を不等号で現したものである。
ε≦0.047(ε′−2.55×10-5−0.32 …(1) 従って、歪εと歪速度ε′とが上記(1)式の関
係を満足すれば内部割れの発生を回避することができ
る。但し、歪ε及び歪速度ε′は、夫々下記数式
(2)及び(3)にて現される。
ε=17.5[P(i){l(i)}] /[F(i){x(i)}] +300δ(i)/{l(i)} +100{D/2−x(i)}/R …(2) ε′=ε(V/l(i)} (3) 但し、i;二次冷却帯のロール位置を示す自然数(i番
目) P(i);溶鋼静圧 l(i);ロールピッチ x(i);凝固殻の厚さ F(i);表面から0.3x(i)の位置の温度における鋼
の塑性変形抵抗係数 δ(i);ミスアライメント量 D;鋳片の厚さ R;連続鋳造機の曲げ部又は矯正部の曲率半径 v;引き抜き速度 この(2)式は第1項乃至第3項で構成されている
が、第1項及び第2項は、ロール間バルジング及びミス
アライメントにより鋳片に付加される歪であり、垂直型
連続鋳造機及び水平型連続鋳造機のように直線の軌道を
有する連続鋳造機に適用される他、曲げ矯正軌道を有す
る湾曲型連続鋳造機の一定円弧部又は水平部にも適用さ
れる。一方、第3項は、矯正帯で付加される外力による
歪であり、湾曲型連続鋳造機の曲げ矯正部には、この第
3項に第1項及び第2項を加えた歪が印加される。
従って、二次冷却帯及びその後の保熱断熱帯において
は、前記(2)式及び(3)式により算出される歪ε
及び歪速度ε′が、前記(1)式を満足するように鋳
造条件及び冷却条件を選択する。
鋳片が完全に凝固した後、鋳片を切断し、鋳片を加熱
炉まで搬送して高温の状態で熱間装入する。この場合
に、鋳片の温度が600℃より低下しないように、鋳片を
保熱又は断熱し、切断後可及的に速やかに鋳片を加熱炉
に装入する。鋳片の表面温度を600℃以上に保持すれ
ば、熱歪等による表面の粒界割れを防止することがで
き、高品質の鋳片を製造することができると共に、エネ
ルギー上も有利である。
次に、6.5%Si鋼を実機により連続鋳造したこの発明
の実施例についてその比較例と共に説明する。鋳片の断
面サイズは、220mm×900mmであり、鋳片の引き抜き速度
は1.0m/分であった。鋳型内へのパウダ供給量は0.3乃至
0.6kg/m2の間で種々設定し、二次冷却水流量は0.2乃至
1.2l/kgの間で種々設定した。この鋳造条件及び冷却条
件を下記第1表に示す。
但し、単位は、パウダの供給量がkg/m2、温度が℃であ
る。
このようにして連続鋳造した各実施例及び比較例につ
いて、熱間圧延後のコイル表面の品質判定結果及び凝固
内部割れの評点を下記第2表に示す。
このように、この発明の特許請求の範囲にて規定した条
件で連続鋳造した6.5%Si鋼(実施例1,2)には、粒界割
れ及び内部割れが発生せず、熱間圧延後のコイル表面の
性状及び凝固割れ評点も良好であった。これに対し、前
記条件から外れる比較例1乃至9については、コイルの
表面性状又は凝固割れ評点のいずれかが実施例の場合よ
りも劣っている。
[発明の効果] この発明によれば、粒界割れ及び内部割れのいずれも
回避された鋳片を製造することができる。このため、鋳
片を無手入れで、加熱炉に熱間装入することができ、加
熱エネルギ源単位を低減することができる。また、連続
鋳造機と圧延機との設計条件によれば、鋳片を再加熱す
ることなく、直接圧延することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は結晶粒径と平均冷却速度との関係及び割れ発生
条件を規定する結晶粒径と温度との関係を示すグラフ
図、第2図はフェライト結晶分布を示す鋳片の模式的断
面図、第3図は歪及び歪速度と割れの発生の有無との関
係を示すグラフ図である。 1;表面、2;内部、3;軸心部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4乃至7重量%のシリコンを含有する鋼を
    連続鋳造機で連続鋳造する方法において、鋳片の表面か
    ら10mm以内の表層部の凝固時の平均冷却速度を3.0℃/
    秒以上に保持し、二次冷却帯及びその後の保熱断熱帯に
    て鋳片の表面の温度を600内1200℃に保持し、外的歪み
    ε及び歪み速度ε′が下記不等式(1)を満足する
    ように冷却条件、保熱断熱条件及び鋳造条件を選択し、
    鋳片の切断後、鋳片の表面温度を600℃以上に保持して
    加熱炉又は圧延機まで搬送することを特徴とするシリコ
    ンを含有する鋼の連続鋳造方法。 ε≦0.047(ε′−2.55×10-5−0.32 …(1)
JP26708486A 1986-11-10 1986-11-10 シリコンを含有する鋼の連続鋳造方法 Expired - Lifetime JPH08280B2 (ja)

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