JPS5830366B2 - 低炭素熱延鋼材の製造方法 - Google Patents

低炭素熱延鋼材の製造方法

Info

Publication number
JPS5830366B2
JPS5830366B2 JP54016062A JP1606279A JPS5830366B2 JP S5830366 B2 JPS5830366 B2 JP S5830366B2 JP 54016062 A JP54016062 A JP 54016062A JP 1606279 A JP1606279 A JP 1606279A JP S5830366 B2 JPS5830366 B2 JP S5830366B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
rolling
embrittlement
steel
recovery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP54016062A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS55110724A (en
Inventor
武 藤本
國男 渡辺
進 合田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP54016062A priority Critical patent/JPS5830366B2/ja
Publication of JPS55110724A publication Critical patent/JPS55110724A/ja
Publication of JPS5830366B2 publication Critical patent/JPS5830366B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は低炭素熱延鋼材の製造方法に関し、特に連続鋳
造にひきつづき再加熱することなく熱間圧延によって鋼
材を製造する方法に係るものであり、その目的は割れや
疵の発生がすくなくかつ省エネルギーに釦いて格別の効
果を奏する方法を提供することにあり、さらに他の目的
は低コストで経済性に富む製造方法を提供することにあ
り、さらに異なった他の目的は常に良好な性状を有する
と共に従来の鋼塊材のリムド、キャップド鋼を代替でき
る汎用性をもつ低Al鋼材を確実に製造できる信頼性に
富む製造方法を提供することにある。
さて、従来上り鋼塊圧延については、凝固後追中で一旦
温度を低下させることなしに、熱間で圧延すると著しい
熱間脆化を示し、表面疵が多発することが良く知られて
いる。
そこで、一般に造塊場に3いて鋳造された鋼塊や連続鋳
造によって鋳造された鋼片(スラブ、ブルーム、ビレッ
ト等)は一度均熱炉にいれて再加熱するか、あるいは一
度常温1で冷却したのち表面疵を除去し加熱炉に入れて
圧延温度に昇熱し熱間圧延する方法が採用されている。
ところで近時省エネルギー釦よび省力化の目的をもって
製造工程途中の熱損失を少なくし、工程を省略する研究
が行なわれるようになった。
前記目的を達成するには鋳造後、高温状態の鋼塊を冷却
することなく直ちに圧延し目的の製品を製造する方法が
良いことは云う1でもないが、それでは前述のように表
面割れなどの問題が生じるため鋳造後の鋼塊を再加熱す
ることなく熱間圧延する方法はあ1り進展しなかった。
而して操業の経験から、前記高温鋼塊の温度が少し低下
した時点、たとえば900℃〜300℃程度の温度に達
したとき、再加熱して圧延温度、たとえば1280°C
〜1050℃に昇温し圧延することにより表面疵の発生
をかさえて圧延することが可能なことが判ってきた。
以上のことを図面に従って、さらに詳細に説明する。
第1図は横軸に時間をとり縦軸に被圧延材の温度をとっ
たもので、線1は特定の鋼塊たとえばビレット圧延にち
−ける温度変化を示す。
線1は鋼塊が凝固点t1 に達してから逐次温度が降下
し、屈曲個所に釦いて圧延が行なわれた例で、ビレット
では表面疵が問題とされるケースがスラブやブルームは
どでないため、このような再加熱なしの圧延即ち直接圧
延が行なわれていた訳であるが表面疵の発生を温度履歴
の面からはっきりと意図的に抑制すると云う技術的思想
のもとに行なわれたものではない。
次に線2は前述のように凝固点t2で凝固した鋼塊の温
度がたとえば900’Cに低下したのち再加熱を行ない
1200℃から圧延を行なった例を示すもので、これは
経験的に表面疵の発生を少なくし、省エネルギーが可能
な方法として採用されてきた。
しかしながらこの線2に示すような圧延はかならずしも
表面疵の発生防止を保証するものではなく、再加熱につ
いて少なからざる熱エネルギーが入用であり経済的であ
るとは云えない。
次に線3は凝固点t3から常温捷で冷却した鋼塊を圧延
温度捷で再加熱し圧延する周知の方法にち・ける温度変
化を示したグラフで、この方法は前述のように再加熱の
熱損失が非常に大きい。
本発明者等は連続鋳造後の高温状態の鋼塊(以下単に高
温鋼塊もしくは高温鋳片と云う)を再加熱することなく
直ちに熱間圧延する方法(以下直接圧延方法と云う)を
研究し、常に表面疵の発生がなく、安定した操業のでき
る方法を研究した結果、本発明の方法を開発したもので
あり、本発明は特に圧延時に釦ける被圧延材の割れ発生
が製造工程を麻痺させる恐れの多い前記連続鋳造−直接
圧延法を用いる鋼材の製造方法を対象とするものである
さて、本発明者等は前記表面疵の発生機構を研究した結
果、熱間脆化の原因は低融点非金属介在物や約1200
°C以下の温度域で析出する固溶型硫化物にあることを
つきとめそれらに起因する熱間脆化を鋼塊の温度との関
係において防止できる新知見を得て、高温鋼塊の直接圧
延開始を1000〜1180℃と云う高温域で安定して
実施させることに成功した。
前述の通り連続鋳造では高温鋼塊(以下単に高温鋳片と
云う)が連続して得られるため、これを直接圧延すれば
、省エネルギー、省工程、省力に非常に効果的であるこ
とは充分予測されるものでありながら、い渣だに連続鋳
造法と直接圧延法を連続的に実施する方法や設備は実用
化されていない現状であり、現在は高温鋳片を冷却して
、たとえば9000C以下としたものを再加熱炉に装入
し、ついで圧延を行なう所謂ホットチャージ法が提案さ
れるに過ぎない。
これは前述の通り熱間脆化の解明がなされていないこと
が原因であった。
連続鋳造と直接圧延を直列に結んだ工程では、省エネル
ギーの目的達成のために高温鋳片が圧延温度たとえば1
180〜1000℃と云った状態で圧延機にかみ込1せ
る必要があるので、その温度にむいて高温鋳片が熱間脆
化を生じない状態が必要であり、換言すれば、その状態
になるように冷却、即ち温度条件が制御されていなけれ
ばならない。
これらは本発明にむいて始めて明らかにされたことで、
本発明にむいて始めて連続鋳造法と直接圧延法を直列に
結合した効果的な製造方法が実現されることになった。
熱間脆化についての詳細説明をさらに行なう。
さて高温における熱間脆化の原因は、主に低融点非金属
介在物(Fe5−MnS−8i02など)と固溶型硫化
物である。
凝固の状態から冷却し、高温で直接圧延を行なう場合に
、低融点非金属介在物が融液の状態で存在していると、
その部分で表面割れを生じる。
1200’C以下の温度域では、さらに固溶型硫化物が
オーステナイト粒内と粒界に析出する。
粒内の析出物は熱間脆化に対して影響は小さいが、粒界
に析出したものは粒界の凝集力を低下させ、前述の表面
割れがさらに拡大するとともに、新しい表面割れが発生
する。
圧延中湿度の低下とともに、固溶型硫化物は継続して析
出するために、表面割れの拡大や発生も継続することに
なる。
これらの現象は凝固からの冷却速度が大きい場合に非常
に顕著になり、通常表面温度が900℃以下から圧延し
なければ表面割れを防止できないことが確かめられた。
そのことを第2図に従って説明する。
図に訃いて横軸は圧延開始表面温度(°C)、縦軸は割
れ標点(高温鋳片を例とする平圧延における側面割れの
程度、Oは割れ発生なし、5は割れの程度が最も著しい
ことを示す。
)をとったもので、実曲線4は通常の鋼種(C=0.0
2〜0.10%、Mn=0.15〜0.35 % )で
あって、Mn/Sが6〜] 0 、D>200 p p
mの高温鋳片を直接圧延した際に得られた割れ標点成績
を示し、点曲線5は同じ鋼種でMn/Sが14〜20,
0〉200ppmの場合、鎖曲線6は同じ<Mn/Sが
15〜20,0が50〜60 p pmの場合を示す。
(ただし0は圧延後採取したサンプルの酸素量で表示す
るものとし、本発明VC耘ける◎はすべてこの定義で用
いる)。
数多くの実験によって鋼種別にこのような試験を繰返し
た結果直接圧延を行なう際、約900℃以下に圧延開始
温度を下げれば表面割れをおこすことなく圧延が可能で
あることが判ったが、これでは圧延動力が大きくなり過
ぎ実際操業には不適である。
而して、これらの熱間脆化に関する種々の問題点を解決
する手段として、凝固から圧延温度オでの熱履歴につい
て詳細に検討した結果本発明者等は冷却速度と圧延可能
となる脆化回復温度(後に詳述する)との間に非常に深
い関係のあることを見出した。
この関係を第3図に示す。第3図は横軸に高温鋳片の冷
却時間をとり、縦軸に温度(’C’)をとったもので、
特定の鋼種(低炭素鋼)について、高温鋳片を直接圧延
した多数の試験から冷却速度と脆化回復域の関係を示し
たものである。
凝固点7を起点とする曲線8,9゜10.11は冷却曲
線で、点13a〜13dは前記冷却曲線にそって高温鋳
片を冷却して直接圧延を行なったとき脆化を起こさない
境界点の温度、即ち脆化回復温度であり、点13a〜1
3dを結ぶ曲線12は、それ故に脆化回復曲線と称する
ことにする。
この例で明らかなように徐冷すればするほど脆化回復温
度が高くなるが、飽和する傾向がみられる。
従って、圧延開始温度を適宜に設定すれば、それに適合
する冷却条件を定めてむくことができ、設備を新設する
場合、対象鋼種別に高温鋳片に対する冷却設備の設計や
圧延プロセスの設定がより適切に行なえることになる。
このような効果は本発明以前には得られなかったもので
ある。
第3図にむいて脆化回復曲線より高い温度領域は脆化域
で、低い温度領域は脆化回復域である。
而して脆化回復温度とは、定性的に云えば圧延を開始し
ても割れ標点が1.5に達しない温度をいいそれ故に、
実際操業に3ける作業手順としては、前記割れ標点が1
,5以下であれば製品表面疵の懸念なく直接圧延を実施
することができる。
前記割れ標点の具体的決定方法はたとえば次の通りであ
る。
割れ標点0:割れ発生皆無 割れ標点1:鋳片厚さく短辺面の幅を云う)の】 J −〜−以下の長さの小さな浅い割 4 れ、発生数極めて少 割れ標点2:鋳片厚さの1/4〜1/2の長さの浅い割
れ 割れ標点3:鋳片厚さの1/2以上の浅い割れ割れ標点
4:鋳片厚に達する長さの割れでしかも深い割れ 割れ標点5:圧延不可能な大きな割れ さて、前記脆化回復域まで冷却すると化学成分の制約が
大幅に緩和され、たとえば低炭素鋼(cくo、12%)
では、酸素量は120ppm以下、Mn/Sn/電比く
はそれ以上で表面部の低融点非金属介在物による割れ、
および1200℃以下で起こる固溶型硫化物によるオー
ステナイト粒界割れを防止することができる。
捷た凝固からの冷却速度が小さくなるほど脆化回復温度
が上昇するために、前述の通り、この脆化回復曲線を鋼
種ごとに即ち取分に応じて求めてむけば、鋳造凝固後再
熱することなく、当該鋼塊を、予じめ脆化回復温度以下
にとって圧延することが可能となる。
次に本発明の方法は前にも述べた通り連続鋳造と直接圧
延とを結合させたプロセスに釦いて極めて効果的に利用
できるが、とりわけ低炭素鋼スラブの連続鋳造において
、スラブ幅を直接圧延によって変更するような工程に適
用すると著しい利益がある。
即ち、熱延板製造を目的とする連続鋳造におけるスラブ
幅のコントロールは、現在モールドを取替える方法と鋳
造中に連続的に変化させる方法とが用いられている。
しかしながらモールドの交換時間やスラブ幅変化に時間
がかかるなどの欠点がある。
従来圧延機でスラブ幅コントロールを行なう場合には、
高能率であるが、前にも述べた通り凝固からの冷却速度
、圧延温度を考慮しない場合には、圧延中に熱間脆化に
よる表面割れを起こすので、従来直接圧延による前記ス
ラブサイジングは実用化されていなかった訳であるが、
本発明によって連続鋳造にひきつづき、スラブ幅のサイ
ジング圧延、製品圧延を行なう連続的なプロセスが実現
可能となった。
而して本発明の要旨は、C0,02〜0.12%、Si
0.25%以下、Mn O,10〜0.50 %、SO
,025%以下、Po、025%以下、DI20ppm
以下、残部がFe$−よび不可避不純物からなりMn/
Sが6以上の低炭素鋼を連続鋳造してなる高温鋼塊を、
平均冷却速度0.80−0.05°C/secとして冷
却し、1000〜1180℃の温度にち・いて直接圧延
を開始することを特徴とする低炭素熱延鋼材の製造方法
にある。
以下本発明をさらに詳細に説明する。
本発明者等は前記連続鋳造−直接圧延法に釦いてもつと
も経済性を発揮できるとの予想をもとに市場性の高い低
炭素鋼材の製造を対象として研究を行なったものである
本発明にかける前記低炭素鋼の成分の限定理由は次の通
りである。
Cを0.02〜O,12%とするのは、本発明の目的と
する自動車用熱延板あるいは冷延原板、さらにメッキ原
板、プレス用鋼材、深絞り用鋼材等に要求せられる機械
的性質つ1す、抗張力、曲げ、絞り、溶接等の諸元を満
たすことが第1要件であり、0.02%未満では前述の
機械的性質を満足させるのに不安があると共に、0.0
2%未満とすることはコスト高となって実用的でなく、
捷た0、12%を超えると熱間脆化について挙動が異な
って来るために別の制約が必要となるためである。
次にSiを0.25%以下とする理由は、Siが0.2
5%を超えると冷延板にした場合メッキの密着性を害す
るうえに、硬質化して機械加工性が低下するためで、S
iは少ない方がよいけれども、一般的に云って現在の製
鋼技術ではたとえば0.01%未満とすることはコスト
高になる。
つ1り本発明では0.25%以下であれば任意の量でよ
い。
而してSiの含有量の差によって圧延加工性を含む機械
的性質は若干異なるけれども、本発明の目的には支障と
ならない。
次にMnを0110〜0.50%とする理由は、0.1
0%未満では、Cの項で述べたように本発明の目的とす
る諸性質の鋼材をうろことが出来ず、強度、加工性が落
ちて問題が生じ、渣た前述のようにSとの関係でSiを
大幅に低下させねばならず実用性を失なう。
Mnは熱間加工性を良好にし、抗張力を1し靭性を改善
するために有効であり、必須の元素であるが0.50%
を超えると硬度が増加するので好1しくない。
Sを0.025%以下とする理由は、0.025%をこ
えると非金属介在物が増加し加工性が著、シく低下する
からであり、Sはすくないほど軽重しい結果が得られる
Sが増加すると前述の通り熱間脆化が顕著になり、本発
明にむいてもその限界は0.025%であることが数多
くの実験によって確認された。
次にPを0.025φ以下とする理由はこれを越えると
靭性を損ねると共に加工性に著しい悪影響を与えるため
である。
而して本発明にち・いてPが高い割合つ筐り0.025
φ以下でそれに近い割合で含有される場合は、平均冷却
速度はなるべく低いほうが軽重しい。
Pの含有量が0.025%以下でさらに少ない場合には
平均冷却速度を大きくすることが可能である。
lた、Pの含有量を下げることは直接圧延開始温度を高
めることを可能にすることを本発明者等は確かめた。
逆にPの含有量が高く、しかもSと共存すると熱間脆化
が顕著になって軽重しくない。
また本発明法は従来鋼塊法によりリムド、キャップド鋼
として製造して来た鋼を連続鋳造で製造することを目的
とするものであって、これらの従来鋼のもつ優れた特性
を得るためAlの上限が決定される。
すなわち、AlO,015%以上ではAlキルド鋼とし
ての特性が生じて汎用低炭素鋼の用途に適さなくなる。
すなわち、亜鉛メッキ密着性、冷延焼鈍板の硬度が高く
なるなどの問題を生ずる。
次に0を120ppm以下に限定する理由は0が120
ppmを超えると非金属介在物が増加して、直接圧延に
おける割れを防止することが著しく困難になるためであ
り、0は低いほうが好ましいが、120ppmを超えな
い限り問題を生ずる恐れはない。
次にMn/Sを6以上とする理由であるが、Mn/Sが
6未満になると、冷却速度を調整しても割れが発生し易
く好1しくない。
つlり低融点非金属介在物の析出量が増加し直接圧延は
不可能になる。
Mn/Sが6以上になると前述の問題点はほとんど解消
し熱間脆化による割れの問題は生じないことが確かめら
れた。
次に平均冷却速度について説明する。
該速度は平均冷却速度 凝固温度(’C’)−圧延開始温度(℃)注入凝固から
圧延開始温度1での冷却時間(see)として表現でき
るが、なお詳しくは次の(1)式に示す制限を超えない
ことが好ましい。
即ち、最初に冷却速度を過小にとり後に急冷することは
数学上平均冷却速度を満足してもそれは割れ防止の保証
目的から好渣しくなく、つ筐り平均すれば本発明に示す
平均冷却速度を満足するにしても、あ捷り逸脱した冷却
制御は避けることが望ましいと云う意味である。
* 前記係数αは本発明者等が実験的に求めた経験値で
あって1.05以下の範囲で良好な成績が得られた。
その実施例を第1表に示す。第1表の例に釦いて鋼種は
第2表に示す成分のもので平均冷却速度は0.26℃/
see 、直接圧延開始温度は1080℃であった。
本発明に釦いて平均冷却速度を0.80 ’C/ se
c〜0.05℃/secとする理由は、0.80°C/
seeをこえると低融点非金属介在物が低温1で融液状
態で存在しやすくなり、固溶型硫化物の析出が遅れる結
果、割れの問題が生ずることになるためで、これは冷却
速度が大きいと析出した固溶型硫化物の組成が変化し固
溶型硫化物中のMnの増加が遅れ固溶型硫化物の融点が
上昇しないためであると思われる。
本発明者等は冷却速度を小さくすると低融点非金属介在
物が組成変化し、たとえばMn量が増加し、融点が上昇
し、さらに固溶型硫化物が徐冷中に析出し特にオーステ
ナイト粒内析出量が増加し、固溶型硫化物中のFeとM
nが置換してMn量が増加するために、融点が上昇する
こと、および圧延中の析出量が減少するなどの知見を得
た。
これらは脆化回復温度が上昇する理由であると考えられ
る。
ところで0.05℃/see未満では脆化回復温度上昇
は飽和し、冷却時間が長くなる結果圧延開始が遅れて作
業能率が低下する率が高くなるので軽重しくない。
圧延開始温度を1000〜1180°Cとする理由は1
000℃未満とすると圧延に要するエネルギーが大きく
なるうえにどうしても被加工材の端部と中央部の温度差
が大きくなるため形状不良や板厚の不揃いなど圧延上の
事故が多くなり、直接圧延が著しく困難となり、省エネ
ルギー、低コストをねらいとする本発明の目的が達成で
きないからである。
次に1180℃を超えると脆化回復が不充分で、割れを
生じやすく、これ捷た本発明の目的達成ができない。
次に具体的実施例について説明する。
第3表は4種類の鋼種について、注入開始後凝固から種
々の冷却速度で高温鋳片を冷却し、該鋳片のサイジング
圧延開始温度と前記割れ標点との関係を求め、次に割れ
標点が1と1.5の間になる温度(以後脆化回復温度と
云う)を求めたものである。
第3表にトいて明らかに冷却速度が小さくなると脆化回
復温度が上昇することが判る。
オた(])低炭素−低Mn/S系(Mn/S=6〜9
)と(2)低炭素−中Mn/S系(Mn/S=10〜]
5 )とを比較するとMn/S比の大きい低炭素−中
Mn/S系が脆化回復温度が高く、より高温からの圧延
が可能となる。
さらにP量について検討した結果を(3)の低炭素−低
P系として示すように、P量を0.020%から0.0
11φに減少すると脆化の回復が短時間で起り、見掛上
、脆化回復温度が上昇したことと同じ効果があり、直接
圧延にむいてS量の減少(またはMn/S比の増加)だ
けでなく、前述の通りP量を減少させることも非常に重
要なことが判る。
さらに低Al鋼について検討した結果を(4)に示すが
、この場合も上記3鋼種と同等の効果が判る。
第4図に低炭素−低Mn/S系の脆化回復曲線の実例を
示す。
第4図は横軸に冷却経過時間(分)をとり、縦軸に温度
(°C)をとり、高温鋳片について溶鋼温度、即ち注入
開始温度14から圧延可能な脆化回復温度19〜211
でを冷却速度別に示したもので、線15は1.5°C/
seeの冷却速度で冷却した際のものであり、脆化回復
温度19は900°C以下となる。
線16は0.38°C/ se’cの冷却速度の場合で
前記脆化回復温度20は約1070℃程度となり、さら
に線17は0.15°C/secの冷却速度の場合で前
記脆化回復温度21ば1150℃となる。
線18は0,15°C/seeの冷却速度に耘ける平均
的な例を示し、換言すると線18を基準として冷却制御
を行なえば1150°Cに達した点で圧延を開始してよ
いことになる。
第4図はMn/Sばほぼ6〜9であるが、第3表の低炭
素−中Mn/S系と比較すると、M n / Sを大き
くするほど脆化回復曲線22が高温側にずれる(換言す
ると短時間側にずれる)ために、より高温からの圧延が
可能になる。
次に脆化回復温度に及ぼす酸素量の影響についてさらに
詳細に述べる。
第5図は横軸に酸素量(ppm)をとり、縦軸に割れ標
点をとり、Mn/Sはぼ6〜9の低炭素鋼につき、高温
鋳片について溶鋼温度、即ち注入開始温度から2種類の
冷却速度で冷却し、第4図に示す脆化回復曲線22より
高温部にて圧延を行なったものである。
図中実曲線23は冷却速度1.5°C/seeの場合で
、圧延温度はほぼ1050°Cであり、点曲線24は冷
却速度0.30 ’C/ seeの場合で圧延温度11
50℃〜1180°Cの範囲のものについて捷とめたも
のである。
第5図から判る通り、割れ標点に対する酸素量の影響が
非常に大きく、冷却速度0.30℃/ s e cの場
合には酸素量を120ppm以下にすることにより、圧
延可能となり、実質的には脆化回復温度が高くなったこ
とに等しくなり、圧延1での冷却速度を大きくすること
ができるとともに、より高温から直接圧延が可能となる
即ち、予じめ圧延温度を脆化回復域たとえば1000〜
1180℃の温度域に選んで釦き、圧延予定温度に到達
する最適冷却速度で鋳造鋼塊を徐冷し、ついでその温度
到達時に表面割れなどを懸念することなく、圧延を開始
することができる。
次に本発明にむける高温鋼塊の温度について、さらに詳
細に説明する。
比較的大きい鋼塊を凝固の状態から冷却すると表層部と
内部とで温度差を生じる。
このように温度差を生じる場合の表面割れの防止方法と
しては、予じめ、断面台位置の冷却曲線を計算するか、
さたは測定してむく。
つ1す1例として示すと第6図に示すように圧延開始温
度1でに、脆化回復域に到達する臨界の深さを断面内の
柱状晶部の深さもしくは表面から50mm4たはほぼ厚
さく短片面の幅を言う)の1/4の小さい方の値にすれ
ばよいことを本発明者等は知った。
この場合、鋼塊の内部に前にも述べたように脆化域のi
tの部分が存在するが、表面層が脆化回復域に到達して
むれば、この部分では割れの発生することがなく、また
割れも伝播しないために、内部で発生した割れが表面に
開口することはないことが確かめられた。
第6図は連続鋳造装置で鋳造された高温鋳片25の断面
にち−ける脆化回復温度域を模式的に示したもので、2
6が脆化回復温度域を示し、27が脆化温度域を示した
もので、脆化温度域27と高温鋳片25の表面との最短
距離即ち幅方向の距離11.l’IL−よび厚さ方向で
の最短距離121′2が前述のように1例として50m
m以上として良い結果が得られた。
しかして高温鋳片の種別。寸法によって前記最短距離は
異なって来るので、それぞれの実際例に応じて適当な値
を求めるべきである。
本発明は以上詳細に述べた通り、連続鋳造−直接圧延に
おいて割れや疵の発生がなく省エネルギーで経済的な製
造方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は鋼塊の鋳造から圧延1での、熱履歴を示すグラ
フ、第2図は直送圧延における成分別の割れ標点と圧延
開始表面温度との関係を示すグラフ、第3図は脆化回復
曲線の概念説明図、第4図は特定成分の鋼についての脆
化回復温度の実施例を示すグラフ、第5図は割れ標点と
酸素量の関係を示すグラフ、第6図は高温鋳片の脆化回
復温度域に関する模式図である。 1.2,3・・・凝固から圧延捷での熱履歴を示す曲線
、4〜6・・・圧延開始表面温度と割れ標点の関係を示
す曲線、23,24・・・酸素量と割れ標点の関係を示
す曲線、12,22・・・脆化回復曲線。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. I C0,02〜O0】2多、Si0.20多以下、
    Mn 0.10〜0.50 %、30.025%以下、
    PO,025係以下、AlO,015%未満、0120
    ppm以下、残部がFebよび不可避不純物からなりM
    n/Sが6以上の低炭素鋼を連続鋳造してなる高温鋼塊
    を、平均冷却速度0.80〜0.05℃/secとして
    冷却し、1000〜1】80℃の温度において直接圧延
    を開始することを特徴とする低炭素熱延鋼材の製造方法
JP54016062A 1979-02-16 1979-02-16 低炭素熱延鋼材の製造方法 Expired JPS5830366B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP54016062A JPS5830366B2 (ja) 1979-02-16 1979-02-16 低炭素熱延鋼材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP54016062A JPS5830366B2 (ja) 1979-02-16 1979-02-16 低炭素熱延鋼材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS55110724A JPS55110724A (en) 1980-08-26
JPS5830366B2 true JPS5830366B2 (ja) 1983-06-29

Family

ID=11906081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP54016062A Expired JPS5830366B2 (ja) 1979-02-16 1979-02-16 低炭素熱延鋼材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5830366B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5954453A (ja) * 1982-09-21 1984-03-29 Nippon Steel Corp 鋼の連続鋳造方法
JPS60166150A (ja) * 1984-02-10 1985-08-29 Nippon Steel Corp 鋼の連続鋳造法
EP0153062B1 (en) * 1984-02-10 1990-12-05 Nippon Steel Corporation Method for mitigating solidification segregation of steel
EP0186512B1 (en) * 1984-12-28 1990-08-08 Nippon Steel Corporation Method for controlling solidification segregation of steel

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52105520A (en) * 1976-03-02 1977-09-05 Nippon Steel Corp Continuous casting and continuous hot rolling of aluminium-killed stee l

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52105520A (en) * 1976-03-02 1977-09-05 Nippon Steel Corp Continuous casting and continuous hot rolling of aluminium-killed stee l

Also Published As

Publication number Publication date
JPS55110724A (en) 1980-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5893769B2 (ja) ストリップ鋳造法による550MPa級高強度耐候性鋼帯の製造方法
JP5893770B2 (ja) ストリップ連続鋳造法による700MPa級高強度耐候性鋼の製造方法
JP5893768B2 (ja) ストリップ鋳造法による700MPa級高強度耐候性鋼の製造方法
JP6872616B2 (ja) 耐水素誘起割れ性に優れた圧力容器用鋼材及びその製造方法
JP7457843B2 (ja) 極地海洋工事用鋼板及びその製造方法
BRPI0614374B1 (pt) Método para produção de tira de aço magnética com grão orientado
CN101927432B (zh) 一种高强塑高锰带钢的制造方法
US20080257456A1 (en) Method for the Production of a Siderurgical Product Made of Carbon Steel with a High Copper Content, and Siderurgical Product Obtained According to Said Method
WO1994022606A1 (en) Wear- and seizure-resistant roll for hot rolling
CN103173685B (zh) 一种高强度锯片钢卷的生产方法
CN110205461B (zh) 一种高碳高锰耐磨钢板的制造方法
JPS5830366B2 (ja) 低炭素熱延鋼材の製造方法
CN101550515B (zh) 一种含铜高强韧高锰钢
JP4830239B2 (ja) 打ち抜き性に優れた低炭素マルテンサイト系ステンレス熱延鋼板の製造方法
JPS5910846B2 (ja) 高温鋳片直接圧延方法
KR101719515B1 (ko) 주조방법
KR100328017B1 (ko) 미니밀(mini-mill)에의한인장강도36Kg/㎟급강관용열간압연강판의제조방법
JP5093463B2 (ja) 連続鋳造方法及び連続鋳造機
CN110885916A (zh) 一种90°折弯不开裂的热轧普碳钢的生产方法
RU2798438C1 (ru) Горячекатаная двутавровая сталь для прокатки и формования из неё заготовок специальной формы и способ её изготовления
JP5125893B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼の連続鋳造方法
KR100362664B1 (ko) 미니밀에 의한 일반구조용 열연강판의 제조방법8
CN117966032A (zh) 一种35kg级别冷轧耐低温薄钢板及其制造方法
CN115383063A (zh) Sk120超高碳钢板的生产方法
KR19990000198A (ko) 미니밀(mini-mill)에 의한 35Kg/mm2급 일반구조용 열간압연강판의 제조방법