JPH0828094A - 屋根用融雪シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存の屋根に簡単に敷設できると共に、屋根
上に積もる雪を少エネルギーで順次効果的に融解するこ
とのできる簡易な融雪シートを低コストで提供する。 【構成】 適当な広さのフレキシブル性のある素材で形
成された表面シート(1)並びに裏面シート(2)の間に、カ
ーボン性短繊維(3a)を芯線とし該芯線を絶縁被覆材(3b)
で被覆したフレキシブル性のある線状発熱体(3)が適当
な間隔をあけて配置されて直列または並列に電気的に接
続され、これら表面シート(1)並びに裏面シート(2)の周
縁部分並びに中間の面接部分は融着又は接着剤を介して
接合されており、更に、前記線状発熱体(3)に電気を接
続するための接続具(4)を備えている構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、屋根表面に敷設して使
用される融着シートに関するもので、殊にカーボン短繊
維を芯線とし、この芯線の周囲を絶縁性被覆体で被覆し
た線状発熱体を利用した屋根用融雪シートに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】一般に多雪地域において、屋根の除雪作
業は苛酷な労働を必要とすると共に危険が伴って大きな
負担となっている。従って、屋根施工時に融雪用の熱媒
体物を予め組み込んでおくことが考えられるが、断熱効
果の高い既存の瓦材を融雪温度まで加熱することが困難
であるから、瓦材の素材から改変しなければならず、し
かも大掛かりな加熱装置を必要として施工費用が非常に
高くつくといった問題点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明のは、既
存の屋根に簡単に敷設できると共に、屋根上に積もる雪
を少エネルギーで順次効果的に融解することのできる簡
易な融雪シートを低コストで提供し、もって上記した従
来課題を解決することを主たる目的とするものである。

【０００４】更に、本発明の他の目的は、カーボン短繊
維を絶縁性被覆体で被覆した線状発熱体を熱媒体として
使用することによって、優れた熱効率と機械的強度並び
に経済性を確保した屋根用融雪シートを提供するにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
本発明では次のような技術的手段を講じた。即ち、本発
明にかかる融雪シートにあっては、適当な広さのフレキ
シブル性のある素材で形成された表面シート(1)並びに
裏面シート(2)の間に、カーボン短繊維(3a)を芯線とし
該芯線を絶縁被覆材(3b)で被覆したフレキシブル性のあ
る線状発熱体(3)が適当な間隔をあけて配置されて直列
または並列に電気的に接続され、これら表面シート(1)
並びに裏面シート(2)の周縁部分並びに中間の面接部分
は融着又は接着剤を介して接合されており、更に、前記
線状発熱体(3)に電気を接続するための接続具(4)が形成
されている構造としたものである。

【０００６】

【作用】上記の融雪シートは、例えば図５に示すように
既存の屋根(8)の表面に敷設するだけで簡単に使用する
ことができて降り積もる雪を順次融解させることができ
ると共に、融雪シート自体は線状発熱体(3)を表裏シー
ト(1)、(2)で被覆した簡単な構造であるから低コストで
提供することができて設備にかかる費用を大幅に下げる
ことができて極めて経済的である。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の構成を図に示した実施例に基
づき説明する。図１乃至図４において、符号(1)は表面
シートを示し、符号(2)は裏面シートを示すものであっ
て、適当な大きさ、例えば縦３メートル、横２メートル
の広さで形成されている。該シート(1)、(2)は、後述す
る線状発熱体(2)を挟んで物理的に保持できるような強
度と巻き取ることができるようなフレキシブル性を有す
るものであれば、合成樹脂、不織布、織布その他どのよ
うなものでもよいが、防水性のあるものが好ましい。

【０００８】この表面シート(1)並びに裏面シート(2)の
間に、フレキシブル性のある線状発熱体(3)が適当な間
隔をあけて配置されている。該線状発熱体(2)は、図２
に示すように、カーボン短繊維を芯線(3a)とし該芯線(3
a)を耐熱性繊維の織布または編組(3c)を介して耐水性の
絶縁被覆材(3b)で被覆されている。前記芯線(3a)は短繊
維の束であって、高温で焼成炭化させたものを直径３〜
10mmの線に成形したものであり、発熱面積が大きいこと
によって発熱効率がよく、また遠赤外線が出ることによ
って加熱効率が高い。また屈曲性、強度に優れ、且つ希
望の電気抵抗値が容易に設定できるといった点で非常に
有効である。

【０００９】前記線状発熱体(3)は直列又は並列に電気
接続されてシート端縁部分に設けられた電気接続具(4)
に接続されている。本実施例では、この電気接続具(4)
は一対の差込み孔を備えたコンセントで形成されている
が、これに変えて線状発熱体(3)からリード線を延出さ
せてその先端に一対の差込み突起を有するプラグを設け
るようにしてもよい。

【００１０】また、上記の融雪シート(A)の周縁部分に
は隣接して配置される別の融雪シートに連結するための
複数の小孔(5)…が適当な間隔をあけて設けられてい
る。この小孔(5)に代えてホック等の止め具としてもよ
い。

【００１１】上記の融雪シート(A)は、図３に示すごと
く複数のシート(A)…を隣接させて前記小孔(5)を介して
紐(6)により互いに連結してコード(7)、(7)により電気
的に接続し、図４に示すように峰屋根(8)の表面に敷設
して使用される。融雪シート(A)上に降る雪は適度に加
熱されたシート(A)の熱によって順次融解されて積雪さ
れることはない。尚、融雪シート(A)の熱量は線状発熱
体(3)の敷設密度や供給電圧等によって設定されるが、
若し必要ならば、前記コンセント(4)と一体的に、或い
は図３で示すようにコンセント(4)に連なるリード線(7)
のプラグ(9)に電圧変換器(10)を設けて電圧を任意に変
更できるようにするようにしてもよい。これにより、外
気温度や積雪量に応じてシート発熱温度を任意に調整す
ることができるものである。尚本発明にかかる融雪シー
トは図に示した峰屋根に限るものでなく、屋上が平らな
陸屋根にも使用できることは勿論である。

【００１２】以上本発明の代表的と思われる実施例につ
いて説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例構造
のみに限定されるものではなく、本発明の構成要件を備
え、かつ本発明の目的を達成し、下記の効果を奏する範
囲内において適宜改変して実施できるものである。

【００１３】

【発明の効果】上記のごとく本発明の融雪シートは、既
存の屋根の表面に敷設するだけで簡単に使用することが
できて降り積もる雪を順次融解させることができると共
に、融雪シート自体は線状発熱体を表裏シートで被覆し
た簡単な構造であるから低コストで提供することができ
て設備にかかる費用を大幅に下げることができ、また、
熱媒体として、カーボン短繊維を絶縁性被覆体で被覆し
た熱効率のよい丈夫な線状発熱体を使用することによっ
て、少ない消費電力で効果的に且つ長期にわたって使用
することができてトータル的に極めて経済的であり、加
えて表裏シート並びに線状発熱体は共にフレキシブル性
があるから、搬送や保管時にコンパクトに巻き取ること
ができて便利であるといった種々優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る融雪シートの一実施例を示す正面
図。

【図２】上記融雪シートに於ける線状発熱体の斜視図。

【図３】図１に於けるＢ−Ｂ線に沿った断面図。

【図４】上記融雪シートの連結状態を示す断面図。

【図５】上記融雪シートの使用状態を示す断面図。

【符号の説明】

(1) 表面シート (2) 裏面シート (3) 線状発熱体 (3a) 線状発熱体の芯線 (3b) 線状発熱体の被覆 (4) 接続具 (A) 融雪シート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 適当な広さのフレキシブル性のある素材
   で形成された表面シート(1)並びに裏面シート(2)の間
   に、カーボン短繊維(3a)を芯線とし該芯線を絶縁被覆材
   (3b)で被覆したフレキシブル性のある線状発熱体(3)が
   適当な間隔をあけて配置されて直列または並列に電気的
   に接続され、これら表面シート(1)並びに裏面シート(2)
   の周縁部分並びに中間の面接部分は融着又は接着剤を介
   して接合されており、更に、前記線状発熱体(3)に電気
   を接続するための接続具(4)を備えている屋根用融雪シ
   ート。