JPH08280687A - 超音波診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 脂肪層の厚さ等の簡単な診断に適した超音波
診断装置を小型かつ軽量に提供することを目的とする。 【構成】 下部に車輪１２を有し上部に把手１１が設け
られた本体１０を有し、この本体１０内に超音波の受発
信器からなる探触子１３とエンコーダ１４を設け、エン
コーダ１４の検知軸に歯車１４ａを固設するとともに、
この歯車１４ａと噛合する歯車１２ａを車輪１２に固設
し、エンコーダ１４により探触子１３の移動位置を検出
し、このエンコーダ１４の検知出力と探触子１３のエコ
ー信号を画像表示装置に出力し、ディスプレイ等に生体
内組織像等を表示するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、動物の生体に超音波
を発射し、その反射波により診断を行う超音波診断装
置、特に、動物の脂肪層の厚さ診断等に適した構造が簡
単な超音波診断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】畜産農家にあっては、近年、効率的な経
営が強く求められ、肥育の方法や飼料の給餌の方法等が
種々検討されている。ところが、肉牛の肉質や脂肪の付
き具合等は解体しなければ知ることができず、種々試み
た方法の結果を速やかに知ることができず、迅速な対応
を採ることが困難であった。

【０００３】そこで、近年の畜産農家にあっては、超音
波診断装置を用いて肉牛の脂肪層の厚さやロース塊の大
きさ等を計測し、その計測結果を給餌の方法等に反映さ
せることが行われる。超音波診断装置は、超音波の送受
波器である探触子から動物生体に超音波を発射し、異な
る組織の境界で反射した超音波を探触子で受信し、この
反射波に基づき生体内部組織をディスプレイ等に表示す
るものであるが、上述した用途には図３に示すような簡
易型の超音波診断装置が用いられている。

【０００４】この超音波診断装置は、同図３に示すよう
に、相当の長さ（測定範囲）を有する略弓状に湾曲した
２枚の湾曲板１ａ，１ａを所定の間隔を隔て組み付けて
構成されるガイド本体１を有し、この本体１の湾曲板１
ａ，１ａ間に一対のプーリ５，５を湾曲板１ａの長手方
向に離間して支持し（図示せず）、これらプーリ５，５
に探触子２が取り付けられた無端支持ベルト４を掛装す
るとともに、プーリ５を駆動するモータ３と探触子２の
位置を検出するセンサ（図示せず）とを設けて構成され
る。なお、図中、Ｂは肉牛等の動物の生体、Ｂａは脂肪
層、Ｂｂは肉質層を表す。

【０００５】このような超音波診断装置は、ガイド本体
１を持って人間の患者等の体の上に載せ、モータ３によ
り無端支持ベルトを走行させて探触子２を移動させると
ともに、この探触子２の位置をセンサにより検出する。
そして、探触子２が受信した反射波のデータとセンサの
出力に基づき生体内部組織の画像データを生成し、この
画像データにより生体内部組織の画像をディスプレイ等
に表示する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の超音波診断装置にあっては、ガイド本体１が相
当の長さを有する２枚の湾曲板１ａを組み合わせて構成
され、また、ガイド本体１にモータ３とプーリが組み付
けられるため、装置の大型化、重量化が避けられず、取
扱が困難であるという問題があった。この発明は、上記
問題に鑑みてなされたもので、小型かつ軽量で、取扱が
簡便な超音波診断装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかる超音波診断装置は、下部に車輪を
有し、該車輪を動物の生体表面を転動させて走行する本
体と、該本体に下部に臨んで設けられた超音波の探触子
と、前記本体の走行距離を走行開始位置を基準として検
出する位置センサとを備える。

【０００８】

【作用】この発明にかかる超音波診断装置は、動物生体
表面上を車輪を転動させて本体を手動により走行させ、
探触子が超音波を発射して反射波を受波し、また、本体
の走行位置、すなわち、探触子の探触位置を位置センサ
により検出し、探触子が受波した反射波のデータおよび
位置センサの出力を基に画像データを生成してディスプ
レイ等に生体内組織像等を表示する。このため、本体を
小型かつ軽量化でき、診断時の取扱も容易に行える。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図１および図２はこの発明の一実施例にかかる
超音波診断装置を表し、図１がその正面図、図２が側面
図である。図１，２中、１０は中空箱状の本体であり、
本体１０は軽量のプラスチック等から構成される。この
本体１０は、上部に逆Ｕ字状の把手１１が設けられ、下
部の４隅にそれぞれ車輪１２が回転自在に取り付けられ
る。これら車輪１２はその１つに一体回転可能に歯車１
２ａが固設され、この歯車１２ａが後述するエンコーダ
の検知軸の歯車と噛合する。なお、これら４つの車輪１
２は一体に転動するように歯車やベルト等で連結するこ
とも可能である。

【００１０】また、本体１０は、底面に開口（図示せ
ず）が形成され、この開口に臨んで探触子１３が取り付
けられ、さらに、１つの車輪１２に近接してエンコーダ
１４が設けられる。探触子１３は、超音波の送受波器を
有し、ケーブル等によって図外の画像表示装置等に接続
される。この探触子１３は、超音波を発射し、また、こ
の超音波の反射波（エコー）を受信し、受信した反射波
の振幅等を表す信号（エコー信号）を画像表示装置に出
力する。

【００１１】エンコーダ１４は、その検知軸に上述した
歯車１２ａと噛合する歯車１４ａが固設され、検知軸が
車輪１２と一体に回転する。このエンコーダ１４は、前
述した画像表示装置にケーブル等によって接続され、車
輪１２の単位回転角度当たり所定数のパルス信号を画像
表示装置に出力する。

【００１２】図示および詳細な説明は割愛するが、画像
表示装置は、位置演算回路、ビデオ増幅回路、デジタル
スキャンコンバータおよびＣＲＴ等のディスプレイを有
し、エンコーダ１４の出力と探触子１３のエコー信号と
を基にディスプレイに生体内組織像を表示する。

【００１３】この実施例にあっては、図１，２に示すよ
うに、医師等の診断者が把手１１を持って本体１を患者
の体Ｂ上に載せ、手動操作により患者の体Ｂ上を車輪１
２を転動させて本体１０を走行させ、探触子１３は移動
（スキャン）させる。そして、この探触子１３を移動さ
せつつ探触子１３から超音波を発射して体Ｂ内からの反
射波を受信する。すなわち、探触子１３から発射された
超音波は脂肪層Ｂａと肉質層Ｂｂとの境界等で反射する
ため、この反射した超音波（エコー）を探触子１３で受
信してエコー信号を画像表示装置に出力する。したがっ
て、脂肪層Ｂａの厚さ等が容易に診断できる。

【００１４】また、エンコーダ１４は車輪１２の単位回
転角度当たり所定の数のパルス信号を画像表示装置に出
力する。そして、画像表示装置は、本体１０の走行開始
位置を起点として上記エコー信号の各受信位置を特定
し、ディスプレイに生体内組織像を表示する。

【００１５】ここで、この実施例にあっては、車輪１２
を有する本体１０内に探触子１３とエンコーダ１４を収
納することで達成され、全体として小型化と軽量化が図
れる。このため、取扱も診断者が把手１１を片手で持っ
て行うことができ、その操作が容易、簡便に行える。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
超音波診断装置によれば、車輪付きの本体内に超音波を
受発振する探触子と探触子の位置（移動距離）を検出す
る位置センサを設けて構成されるため、その小型化と軽
量化とが図れ、診断の際の操作が容易かつ簡便に行える
ようになるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例にかかる超音波診断装置を
示す正面図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】従来の超音波診断装置を示す正面図である。

【符号の説明】

１０ 本体 １１ 把手 １２ 車輪 １２ａ 歯車 １３ 探触子 １４ エンコーダ Ｂ 体 Ｂａ 脂肪層 Ｂｂ 肉質層

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部に車輪を有し、該車輪を動物の生体
   表面を転動させて走行する本体と、該本体に下部に臨ん
   で設けられた超音波の送受波器と、前記本体の走行距離
   を走行開始位置を基準として検出する位置センサとを備
   えることを特徴とする超音波診断装置。
2. 【請求項２】 前記位置センサは前記車輪と歯車機構を
   介して連結したエンコーダである請求項１記載の超音波
   診断装置。