JPH08279576A - 半導体素子の実装構造体及び半導体素子の実装方法 - Google Patents

半導体素子の実装構造体及び半導体素子の実装方法

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JPH08279576A
JPH08279576A JP7082385A JP8238595A JPH08279576A JP H08279576 A JPH08279576 A JP H08279576A JP 7082385 A JP7082385 A JP 7082385A JP 8238595 A JP8238595 A JP 8238595A JP H08279576 A JPH08279576 A JP H08279576A
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melting point
semiconductor element
layer
low melting
point metal
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Michio Horiuchi
道夫 堀内
Yoichi Harayama
洋一 原山
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Shinko Electric Industries Co Ltd
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Shinko Electric Industries Co Ltd
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    • H01L2224/732Location after the connecting process
    • H01L2224/73201Location after the connecting process on the same surface
    • H01L2224/73203Bump and layer connectors
    • H01L2224/73204Bump and layer connectors the bump connector being embedded into the layer connector

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板に搭載された半導体素子の一面側と基板
の搭載面との間の間隙に絶縁性樹脂を充填して形成した
絶縁性樹脂層と、半導体素子等を覆う低融点金属層との
剥離を防止し、耐久性と熱放散性とが改善された半導体
素子の搭載構造体を提供する。 【構成】 半導体素子12が搭載された基板10の搭載
面に形成されている基板側接続部と、搭載面に対向する
半導体素子12の一面側に形成されている素子側接続部
とが電気的に接続された半導体素子の実装構造体におい
て、該基板10の基板側接続部と半導体素子12の素子
側接続部とを電気的に接続する接続部分を覆う絶縁性樹
脂層2と、半導体素子12及び絶縁性樹脂層22を覆
う、半導体素子12の耐熱温度以下の温度で溶融される
低融点金属から成る低融点金属層24とを具備し、且つ
前記低融点金属層24と接触する絶縁性樹脂層22の表
面に、溶融された低融点金属に対する濡れ性向上層とし
ての金属粉末層30が形成されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体素子の実装構造体
及び半導体素子の実装方法に関し、更に詳細には半導体
素子が搭載された基板の搭載面に形成されている基板側
接続部と、前記搭載面に対向する半導体素子の一面側に
形成されている素子側接続部とが電気的に接続された、
いわゆるフェイスダウン型の半導体素子の実装構造体及
び半導体素子の実装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の高性能化に伴い、電子機器内
に設けられた半導体装置等において、半導体素子の素子
側接続部と基板の基板側接続部との接続が従来以上に高
密度化されつつある。このため、高密度接続が可能な半
導体素子の実装構造体(以下、単に実装構造体と称する
ことがある)としては、図9に示すフェイスダウン型の
実装構造体が採用されている。図9に示す実装構造体に
おいて、基板100の搭載面に搭載された半導体素子1
02には、基板100の搭載面に対向する一面側に形成
された素子側接続部として、はんだバンプ等の接続端子
104、104・・が設けられている。この接続端子1
04、104・・の各々は、基板100の搭載面に形成
された基板側回路パターン106、106・・・の末端
又は途中に設けられた基板側接続部としての接続パッド
108、108・・・の各々に接続され、半導体素子と
基板とが電気的に接続されている。更に、かかる実装構
造体では、素子側接続部と基板側接続部とを電気的に接
続させた状態で封止すべく、図10に示す様に、半導体
素子102の他面側を露出した絶縁性樹脂層110を形
成することがある。
【0003】ところで、図10に示す実装構造体では、
半導体素子102で発生した熱は、半導体素子102の
背面側から放散する必要があるが、通常、搭載された半
導体素子102を封止すべく、キャップ等の被着が行わ
れる。このため、得られた実装構造体は、その構造が極
めて複雑となり、実装工程が長くなって製造コストも高
価となると共に、歩留りも低下する。しかも、半導体素
子102で発生した熱は、半導体素子102を封止する
キャップ等の被着物を経由するため、実装構造体の熱放
散性が低くなり、実装構造体内に熱が蓄積され易い。こ
の様に、半導体素子102を封止するキャップ等の被着
は、半導体素子の実装構造を複雑化し、且つ熱放散性も
低くする。かかる図10に示す実装構造体に対し、特開
平4−32251号公報には、はんだ合金等の低融点金
属によって、絶縁性樹脂層110及び半導体素子102
を覆う低融点金属層を形成した半導体素子の実装構造体
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前掲の公報において提
案されている実装構造体によれば、半導体素子102を
封止するキャップ等の被着を要せず、且つ半導体素子の
他面側(背面側)を低融点金属層に直接接触させること
ができるため、半導体素子102で発生した熱を実装構
造体から容易に放散できる。しかしながら、低融点金属
層は、半導体素子102の他面側とは、通常、半導体素
子102に蒸着された金等の金属層を介して接触してい
るが、絶縁性樹脂層110とも直接接触している。一
方、溶融された低融点金属は、金属層に対して良好な濡
れ性を呈するものの、絶縁性樹脂層110の表面に対す
る濡れ性は劣る。このため、低融点金属層と半導体素子
102の他面側とは、金等の金属層によって密着されて
いるが、絶縁性樹脂層110と低融点金属層とは、その
境界面から剥離することがあり、前掲の公報において提
案されている半導体素子の実装構造体は耐久性に乏しく
実用に供することができない。
【0005】唯、前掲の公報において提案された半導体
素子の実装構造体では、半導体素子で発生した熱の放散
性が良好であるため、熱が発生し易い半導体素子用の実
装構造体には適している。そこで、本発明の目的は、基
板に搭載された半導体素子の一面側と基板の搭載面との
間の間隙に絶縁性樹脂を充填して形成した絶縁性樹脂層
と、半導体素子等を覆う低融点金属層との剥離を防止
し、耐久性と熱放散性とが改善された半導体素子の搭載
構造体及び半導体素子の搭載方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
を達成すべく検討を重ねた結果、絶縁性樹脂層の表面に
金属粉末を固着することによって、溶融された低融点金
属に対する濡れ性を向上することができることを見出
し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、半導体素
子が搭載された基板の搭載面に形成されている基板側接
続部と、前記搭載面に対向する半導体素子の一面側に形
成されている素子側接続部とが電気的に接続された半導
体素子の実装構造体において、該基板の基板側接続部と
半導体素子の素子側接続部とを電気的に接続する接続部
分を覆う絶縁性樹脂層と、前記半導体素子及び絶縁性樹
脂層を覆う、半導体素子の耐熱温度以下の温度で溶融さ
れる低融点金属から成る低融点金属層とを具備し、且つ
前記低融点金属層と接触する絶縁性樹脂層の表面の少な
くとも一部に、溶融された低融点金属に対する濡れ性が
絶縁性樹脂層の他の表面よりも向上された、濡れ性向上
層が形成されていることを特徴とする半導体素子の実装
構造体にある。
【0007】また、本発明は、半導体素子を搭載した基
板の搭載面に形成された基板側接続部と、前記基板の搭
載面に対向する半導体素子の一面側に形成された素子側
接続部とを電気的に接続した後、前記基板の搭載面と半
導体素子の一面側との間隙に絶縁性樹脂を充填して、半
導体素子の素子側接続部と基板の基板側接続部とを電気
的に接続する接続部分を覆う絶縁性樹脂層を形成し、次
いで、前記絶縁性樹脂層の露出面の少なくとも一部に、
半導体素子の耐熱温度以下の温度で溶融される低融点金
属に対する濡れ性が絶縁性樹脂層の他の露出面よりも向
上された、濡れ性向上層を形成した後、前記低融点金属
によって絶縁性樹脂層と半導体素子とを覆う低融点金属
層を形成することを特徴とする半導体素子の実装方法に
ある。尚、本発明でいう「半導体素子の耐熱温度」と
は、半導体素子の回路等が熱によって破壊される温度を
いう。
【0008】かかる構成を有する本願発明において、半
導体素子の他面側を絶縁性樹脂層から露出すると共に、
前記半導体素子の他面側を低融点金属層によって覆うこ
とによって、低融点金属層と半導体素子の他面側とを直
接接触させることができ、半導体素子で発生した熱の熱
放散性を更に向上できる。この低融点金属層を、基板に
設けられたグランド配線に電気的に接続することによっ
て、信号ノズルの低減等を図ることができ、半導体素子
の実装構造体の電気的特性も向上できる。かかる低融点
金属層に、低融点金属よりも高融点の金属粉末を混合さ
せることによって、低融点金属層の熱伝導率を向上する
ことができる。この低融点金属層に混合する高融点の金
属粉末としては、タングステン(W)、モリブデン(M
o)、銀(Ag)、銅(Cu)から選ばれた一種又は二
種以上の金属粉末を使用できる。更に、低融点金属層
に、低融点金属よりも高融点の無機粉末を混合すること
によって、低融点金属層と半導体素子との熱膨張率差を
可及的に縮小することができる。この低融点金属層に混
合する高融点の無機粉末としては、二酸化ケイ素(Si
2 )、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミニウム(A
lN)、窒化ホウ素(BN)、炭素(C)から選ばれた
一種又は二種以上の無機粉末を使用することができる。
【0009】また、低融点金属層と接触する基板面の少
なくとも一部に、溶融された低融点金属に対する濡れ性
が基板面の他の面よりも向上された、濡れ性向上層を形
成することによって、低融点金属層と基板面との密着性
を向上でき、低融点金属層と基板面との剥離を防止でき
る。この様な濡れ性向上層としては、低融点金属層と接
触する絶縁性樹脂層又は基板の低融点金属層の接触面に
固着した、金属粉末から成る金属粉末層、或いは金属箔
から成る金属箔層を形成することによって、濡れ性向上
層を容易に形成できる。この金属粉末又は金属箔を、低
融点金属よりも高融点の金属によって形成することによ
って、絶縁性樹脂層の溶融された低融点金属との濡れ性
を更に向上させることができる。更に、絶縁性樹脂層
に、絶縁性無機成分を混合することによって、絶縁性樹
脂層の熱伝導性等を向上できる。
【0010】この様に、絶縁性樹脂層と半導体素子の他
面側とを覆う低融点金属層の外側面に、放熱用フィンや
ヒートスプレッダ等の放熱用部材を装着することによっ
て、半導体素子の実装構造体の熱放散性を更に一層向上
できる。かかる半導体素子の一面側に形成された素子側
接続部と、基板の搭載面に形成された基板側接続部との
接続を、はんだバンプ等の接続端子によって直接接続す
ることによって、或いはTAB(Tape Automated Bondin
g)用テープの導体パターンを介して接続することによっ
て行うことができる。また、低融点金属層によって、一
枚の基板に搭載した複数個の半導体素子の各素子側接続
部と基板の基板側接続部とを電気的に接続する接続部分
を覆う絶縁性樹脂層及び各半導体素子を覆うことによ
り、複数個の半導体素子を一枚の基板に搭載した半導体
素子の実装構造とすることができる。尚、低融点金属と
しては、450℃以下の温度で溶融されるはんだ等の低
融点合金を好適に使用できる。
【0011】
【作用】従来の半導体素子の実装構造においては、基板
の搭載面と半導体素子の一面との間の間隙に充填された
絶縁性樹脂から成る絶縁性樹脂層の表面は、溶融された
低融点金属に対する濡れ性に乏しく、溶融された低融点
金属を弾いてしまう。このため、絶縁性樹脂層と低融点
金属層とが剥離し易い。この点、本発明によれば、絶縁
性樹脂層の表面の少なくとも一部に、溶融された低融点
金属に対する濡れ性が絶縁性樹脂層の他の表面よりも向
上された、金属粉末から成る金属粉末層等の濡れ性向上
層が形成されている。このため、絶縁性樹脂層の表面
に、溶融した低融点金属を接触すると、絶縁性樹脂層の
表面の濡れ性が向上された部分には低融点金属を付着さ
せることができる。その結果、絶縁性樹脂層と低融点金
属層との密着性を向上でき、絶縁性樹脂層と低融点金属
層との剥離を防止して半導体素子の実装構造の耐久性を
向上できると共に、低融点金属層が半導体素子を覆って
いるため、半導体素子の実装構造体の熱放散性も向上で
きる。更に、低融点金属層に、低融点金属よりも高融点
の金属粉が含有されている場合には、低融点金属層の熱
伝導率を向上できるため、実装構造体の熱放散性を更に
向上でき、或いは低融点金属よりも高融点の無機粉体が
含有されている場合には、半導体素子と低融点金属層と
の熱膨張率差を可及的に小さくできるため、半導体素子
の実装構造の耐久性を更に向上できる。
【0012】
【発明の構成】本発明の半導体素子の実装構造体は、半
導体素子が搭載された基板の搭載面に形成されている基
板側接続部と、搭載面に対向する半導体素子の一面側に
形成されている素子側接続部とが電気的に接続された、
いわゆるフェイスダウン型の半導体素子の実装構造体で
ある。かかるフェイスダウン型の半導体素子の実装構造
体を図1に示す。図1において、セラミック製又はプラ
スチック製の基板10の半導体素子12が搭載された搭
載面に、形成された回路パターン14、14・・の端末
又は途中に基板側接続部としての接続パッド16、16
・・が形成されている。尚、この基板10には、内部配
線パターンが形成されていてもよく、外部端子がはんだ
バンプであるBGA基板、或いは外部端子がリートピン
であるPGA基板であってもよい。また、基板10の搭
載面に対向する半導体素子10の一面側にも、素子側接
続部としての接続端子(バンプ)18、18・・が形成
されている。かかる半導体素子10の素子側接続部とし
ての接続端子(バンプ)18、18・・の各々と、基板
側接続部としての接続パッド16、16・・の各々と
は、TAB(Tape Automated Bonding)用テープの導体パ
ターン20、20によって接続され、半導体素子12と
基板10とが電気的に接続されている。
【0013】更に、半導体素子12と基板10との接続
部分は、半導体素子12の他面側が露出する絶縁性樹脂
層22によって封止されている。かかる絶縁性樹脂層2
2を形成する絶縁性樹脂としては、従来から半導体素子
等の封止に使用されている絶縁性樹脂を使用することが
できるが、エポキシ系樹脂を好適に使用できる。特に、
二酸化ケイ素(SiO2 )のフィラー等の絶縁性無機成
分を配合することによって、絶縁性樹脂層22の熱伝導
性を向上できるため好ましい。尚、基板10の搭載面に
形成された回路パターン14、14・・は、基板側接続
部としての接続パッド16、16・・の各々を除き、ポ
リイミド樹脂等の絶縁性樹脂から成る樹脂膜26によっ
て絶縁されている。
【0014】この絶縁性樹脂層22及び半導体素子12
の他面側は、低融点金属層24によって覆われている。
かかる低融点金属層24を形成する低融点金属として
は、半導体素子12の耐熱温度以下の温度で溶融される
低融点金属を使用できる。この低融点金属としては、4
50℃以下の温度で溶融される低融点金属を使用するこ
とが好ましい。ここで、融点が450℃を越えると、半
導体素子12の耐熱性に問題が発生し易くなる傾向があ
る。かかる観点からは、250℃以下の温度で溶融され
る低融点金属が好ましい。この様な低融点金属として
は、ろう材に使用される合金、特にはんだ合金を好適に
使用できる。はんだ合金としては、Sn−Pb系はんだ
合金、Sn−Pb−Sb系はんだ合金、Sn−Pb−A
g系はんだ合金、Pb−In系はんだ合金、Pb−Ag
系はんだ合金、Sn−Zn系はんだ合金、Sn−Sb系
はんだ合金、Sn−Ag系はんだ合金、Bi−Sn−I
n系はんだ合金等を挙げることができる。尚、本発明で
いう「半導体素子12の耐熱温度」とは、前述した様
に、半導体素子12の回路等が熱によって破壊される温
度をいう。
【0015】この様な低融点金属層から成る低融点金属
層24と半導体素子12の他面側とは、通常、半導体素
子12に蒸着されている金等の金属層によって密着さ
れ、樹脂膜26と低融点金属層24とは、樹脂膜26の
表面に銅等の金属箔や無電解めっきやスパッタ等によっ
て形成された、濡れ性向上層としての金属層28、28
・・によって密着されている。一方、低融点金属層24
と絶縁性樹脂層22とは、絶縁性樹脂層22の表面に形
成された、溶融した低融点金属に対する濡れ性が向上さ
れた濡れ性向上層を介して密着されている。この濡れ性
向上層としては、図2に示す様に、絶縁性樹脂層22の
表面に固着された金属粉末から成る金属粉末層30が好
適である。かかる金属粉末層30は、金属粉末を絶縁性
樹脂層22の表面に振り掛けた後、絶縁性樹脂層22を
加熱雰囲気下でキュアすることによって形成できる。こ
こで使用できる金属粉末としては、低融点金属層24を
形成する低融点金属の融点よりも高融点を有する金属粉
末であって、タングステン(W)、モリブデン(M
o)、銀(Ag)、銅(Cu)の金属粉末を好適に使用
でき、これら金属粉末を単独でも二種以上を混合して使
用してもよい。
【0016】本発明では、図2に示す金属粉末層30に
代えて、図3に示す様に、絶縁性樹脂層22の表面の一
部に形成した金属層32を、濡れ性向上層としてもよ
い。この金属層32は、絶縁性樹脂層22の表面の一部
を平坦化した箇所に、低融点金属の融点よりも高融点を
有する銅等の金属箔や金属めっき等によって形成された
ものである。尚、金属めっきによって金属層32を形成
する場合には、絶縁性樹脂層22の表面の一部を平坦化
しなくてもよい。この様に、絶縁性樹脂層22の表面の
一部に、溶融された低融点金属に対する濡れ性が絶縁性
樹脂層22の他の表面よりも向上された濡れ性向上層が
形成されても、絶縁性樹脂層22と低融点金属層24と
の密着性を向上できる。
【0017】ところで、本発明の低融点金属層24を形
成する低融点金属の熱伝導率は、高々80W/m°Kで
あるが、低融点金属層24内に低融点金属よりも高融点
の金属粉末を含有させることによって、低融点金属層2
4の熱伝導率を向上させることができる。ここで、使用
できる金属粉末としては、タングステン(W)、モリブ
デン(Mo)、銀(Ag)、銅(Cu)から選ばれた一
種又は二種以上の金属粉末を挙げることができる。かか
る金属粉末のうち、例えば銅(Cu)粉又はタングステ
ン(W)粉を、Sn−Pb系はんだ合金(Sn:Pb=
60:40、熱伝導率;約50W/m°K)に50重量
%添加した場合、得られた低融点金属層24の熱伝導率
を約120W/m°K(銅粉添加)或いは約70W/m
°K(タングステン粉添加)とすることができた。尚、
金属粉末のうち、タングステン(W)又はモリブデン
(Mo)の金属粉末を使用する場合には、得られた低融
点金属層24のヤング率が高くなり脆くなることがある
ため、予め実験的に添加量とヤング率との関係を調査し
ておくことが好ましい。
【0018】また、金属粉末のうち、タングステン
(W)又はモリブデン(Mo)の金属粉末を含有する低
融点金属層24は、低融点金属のみによって形成された
場合に比較して熱膨張係数が小さくなる。例えば、タン
グステン(W)粉を、Sn−Pb系はんだ合金(Sn:
Pb=63:37、熱膨張係数;約24×10-6/℃)
に65重量%添加した場合、得られた低融点金属層24
の熱膨張係数を約6×10 -6〜8×10-6/℃とするこ
とができた。このため、半導体素子12と低融点金属層
24との熱膨張差に起因する熱的機械的ストレスを可及
的に低減できる。この様に、低融点金属層24の熱膨張
係数の低減を図るためには、タングステン(W)又はモ
リブデン(Mo)の金属粉末に代えて、低融点金属より
も高融点の無機粉末を含有させてもよい。かかる無機粉
末としては、二酸化ケイ素(SiO2 )、炭化ケイ素
(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素
(BN)、炭素(C)から選ばれた一種又は二種以上の
無機粉末を使用できる。尚、炭化ケイ素(SiC)、窒
化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、炭素
(C)を無機粉末として使用した場合には、得られた低
融点金属層24の熱伝導率を維持し、或いは向上するこ
とができる。
【0019】低融点金属層24中に、タングステン
(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、銅(Cu)
等の金属粉末を配合する際には、低融点金属と金属粉末
との濡れ性を向上すべく、フラックスを添加することが
好ましい。このフラックスとしては、銅粉末ではロジン
系フラックス等の有機系フラックスが好ましく、タング
ステン粉末やモリブデン粉末では塩酸等の無機系フラッ
クスが好ましい。しかし、タングステン粉末やモリブデ
ン粉末では、塩酸等の無機系フラックスを添加しても、
銀(Ag)、銅(Cu)等の金属粉末を配合する場合に
比較して、低融点金属との濡れ性が低い。また、二酸化
ケイ素(SiO2 )、炭化ケイ素(SiC)、窒化アル
ミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、炭素(C)
等の無機粉末を低融点金属中に配合する際にも、フラッ
クスの添加のみでは無機粉末と低融点金属との濡れ性を
向上することが困難である。このため、タングステン粉
末やモリブデン粉末の金属粉末又は無機粉末を使用する
場合には、その表面に低融点金属との濡れ性が良好な金
属層、例えば銅(Cu)、金(Au)、チタン(T
i)、ニッケル(Ni)等の金属層を形成することが好
ましい。かかる金属層の形成は、無電解めっき、カップ
リング剤の使用、イオンプレーティング、混合ドライミ
ル、溶射等によって行うことができる。但し、窒化ホウ
素(BN)粉末や炭素(C)粉末では、充分な強度を有
する金属層の形成が困難であり、緻密な低融点金属層2
4を形成し難いため、低融点金属層24によって半導体
素子12を覆って気密状態を保持せんとする場合には適
当ではない。尚、低融点金属との濡れ性が良好な金属層
を表面に形成した金属粉末又は無機粉末を使用する場合
も、低融点金属にフラックスを添加することが好まし
い。
【0020】この様にして形成された低融点金属層24
と基板10の搭載面に形成された回路パターン14のグ
ランド配線とを電気的に接続することによって、実装構
造体の電気的特性を良好とすることができる。この電気
的な接続は、基板10に形成した回路パターン14、1
4・・のグランド配線と樹脂膜26の表面に形成した金
属層28とをビア等によって電気的に接続すること、或
いは半導体素子12の他面側に蒸着等によって形成され
た金属層と前記グランド配線とを電気的に接続すること
によって行うことができる。図1〜図3に示す実装構造
体では、絶縁性樹脂層22と金属粉末層30又は金属層
32等の濡れ性向上層を介して低融点金属層24が接触
しており、両層の密着性を向上することができ、実装構
造体の耐久性を向上できる。更に、低融点金属層24
は、半導体素子12の他面側と直接接触しており、半導
体素子12で発生した熱を速やかに放散させることがで
き、実装構造体内への熱の蓄積を防止できる。
【0021】かかる図1〜図3に示す実装構造体を製造
する際には、先ず、半導体素子12を搭載した基板10
の搭載面に形成した基板側接続部としての接続パッド1
6、16・・の各々と、基板10の搭載面に対向する半
導体素子12の一面側に形成した素子側接続部としての
接続端子18、18・・の各々とを、TAB用テープの
導体パターン20、20・・によって接続した後、基板
10の搭載面に形成された回路パターン14、14・・
を絶縁すべく、接続パッド16、16・・の各々を除
き、ポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂から成る樹脂膜26
を形成する。次いで、接続パッド16、16・・の各々
と接続端子18、18・・の各々との接続部分を封止す
べく、基板10の搭載面と半導体素子12の一面側との
間の間隙に、エポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を充填して
半導体素子12の他面側が露出した絶縁性樹脂層22を
形成する。この際に、絶縁性樹脂中に二酸化ケイ素(S
iO2 )のフィラー等の絶縁性無機成分を配合すること
によって、絶縁性樹脂層22の熱伝導性を向上できる。
尚、樹脂膜26は、半導体素子12の搭載前に形成して
おいてもよい。
【0022】その後、絶縁性樹脂層22の露出面の少な
くとも一部に、450℃以下で溶融したはんだ合金等の
低融点金属に対する濡れ性を向上できる濡れ性向上層と
しての金属粉末層30又は金属層32を形成する。この
金属粉末層30は、低融点金属層24を形成する低融点
金属の融点よりも高融点を有する金属粉末であって、タ
ングステン(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、
銅(Cu)の一種又は二種以上の金属粉末を、絶縁性樹
脂層22の表面に振り掛けた後、絶縁性樹脂層22を加
熱雰囲気下でキュアすることによって形成できる。ま
た、金属層30は、絶縁性樹脂層22の表面の一部を平
坦化した箇所に、低融点金属の融点よりも高融点を有す
る銅等の金属箔や金属めっき等によって形成できる。
【0023】更に、はんだ合金等の低融点金属を溶融し
て絶縁性樹脂層22と半導体素子12の他面側とを覆う
低融点金属層24を形成する。この低融点金属中に、低
融点金属よりも高融点の金属粉末であって、タングステ
ン(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、銅(C
u)の一種又は二種以上の金属粉末を含有することによ
って、低融点金属層24の熱伝導率を向上させることが
できる。また、低融点金属よりも高融点の無機粉末であ
って、二酸化ケイ素(SiO2)、炭化ケイ素(Si
C)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(B
N)、炭素(C)の一種又は二種以上の無機粉末を含有
させることによって、低融点金属層24と半導体素子1
2との熱膨張率差を可及的に小さくできる。尚、これら
金属粉末と無機粉末とを併用してもよい。
【0024】これまで述べてきた実装構造体において、
半導体素子12と基板10の回路パターン14、14・
・との電気的接続は、半導体素子12の素子側接続部と
しての接続端子18、18・・の各々と、基板側接続部
としての接続パッド16、16・・の各々とを、TAB
用テープの導体パターン20、20によって行っている
が、図4に示す様に、半導体素子12の素子側接続部と
しての接続パッド(半導体素子の電極)の各々と、基板
側接続部としての接続パッド16、16・・の各々と
を、TAB用テープの導体パターン20、20によって
行ってもよい。更に、低融点金属層24の外表面に、図
4に示す様に、放熱を促進する放熱部材としての放熱フ
ィン34を装着することによって、実装構造体の熱放散
性を更に一層向上することができる。かかる放熱部材と
しては、放熱フィン34に代えて、ヒートスプレッダー
や水冷チャネル等を使用することもできる。
【0025】また、図5に示す様に、半導体素子12と
基板10の搭載面に形成された回路パターン14、14
・・・の接続パッド16、16との接続を、基板10の
搭載面に対向する半導体素子の一面側に形成されたはん
だバンプ36、36・・によって行うことができる。更
に、図6に示す様に、一枚の基板10に複数個の半導体
素子12a、12bを搭載し、半導体素子12a、12
bの各一面側と基板10の搭載面との間の間隙に絶縁性
樹脂を充填して絶縁性樹脂層22、22を形成した後、
絶縁性樹脂層22、22と半導体素子12a、12bの
各々とを覆うように、はんだ合金等の低融点金属によっ
て低融点金属層24を形成することもできる。この際
に、放熱フィン34等の放熱部材を低融点金属層24の
外側面に装着することによって、実装構造体の熱放散性
を更に一層向上することができる。
【0026】以上、述べてきた実装構造体は、セラミッ
ク製又はプラスチック製の基板10に半導体素子12が
実装されたものについて説明したきたが、図7に示す様
に、TAB用テープ38から成るフィルム基板に半導体
素子12を実装した実装構造体であってもよい。この図
7に示す実装構造体を形成するTAB用テープ38は、
ポリイミドフィルム等の可撓性フィルムから成るベース
フィルム40の一面側に導体パターン42が形成された
ものであり、半導体素子12を搭載する部分に穿設され
たデバイスホールの周縁から導体パターン42のインナ
ーリード43がデバイスホールの内方に突出している。
更に、半導体素子12を搭載するTAB用テープ38の
搭載面側には、絶縁性のシリコーン系樹脂が塗布されて
樹脂膜50が形成されていると共に、樹脂膜50の表面
側に金属層26が形成されている。この様なTAB用テ
ープ38には、導体パターン42に形成された接続パッ
ドの各々に、外部回路との接続端子として、はんだボー
ル44、44・・が設けられている。尚、フィルム基板
の端面には、絶縁性樹脂が塗布されて樹脂層48、48
が形成され、導体パターン42の絶縁を図っている。
【0027】かかるTAB用テープ38のインナーリー
ド43に搭載された半導体素子12とインナーリード4
3との接続部分は、エポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂によ
って形成された絶縁性樹脂層22で封止されているが、
半導体素子12の他面側は絶縁性樹脂層22から露出し
ている。この半導体素子12の他面側及び絶縁性樹脂層
22は、はんだ合金等の低融点金属から成る低融点金属
層24によって覆われている。両層は、絶縁性樹脂層2
2の露出面の少なくとも一部に形成され、溶融されたは
んだ合金等の低融点金属に対する濡れ性を向上できる濡
れ性向上層としての金属粉末層30(図2)又は金属層
(図3)を介して密着されている。更に、樹脂膜50と
低融点金属層24とも、樹脂膜50の表面側に形成した
濡れ性向上層としての金属層28によって密着されてい
る。また、熱放散性を更に向上することが必要な場合に
は、放熱フィン34等の放熱部材を低融点金属層24の
外側面に装着することができる。尚、図7において、は
んだボール46は、TAB用テープ38の樹脂膜50の
表面側に形成した金属層28に接続されており、実装基
板のグランド配線に接続することによって、実装構造体
の電気特性を向上できる。
【0028】図7に示す実装基板との接続端子を設けた
実装構造体に対して、図8に示す様に、TAB用テープ
38をチップキャリア(基板)として使用してもよい。
この図8に示す実装構造体では、ベースフィルム40の
一面側に導体パターン42が形成されたTAB用テープ
38が使用されている。このTAB用テープ38の導体
パターン42は、半導体素子12を搭載する部分のベー
スフィルム40に穿設されたデバイスホールの内方に突
出するインナーリード43と、ベースフィルム40から
外方に突出するアウターリード45とを具備する。かか
るTAB用テープ38のインナーリード43に搭載され
た半導体素子10は、半導体素子10とインナーリード
43との接続部分が、エポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂層
22によって封止されているが、半導体素子12の他面
側が絶縁性樹脂層22から露出している。この半導体素
子12の他面側及び絶縁性樹脂層22は、はんだ合金等
の低融点金属から成る低融点金属層24によって覆われ
ている。両層は、絶縁性樹脂層22の露出面の少なくと
も一部に形成され、溶融されたはんだ合金等の低融点金
属に対する濡れ性を向上できる濡れ性向上層としての金
属粉末層30(図2)又は金属層(図3)を介して密着
されている。更に、ベースフィルム40と低融点金属層
24とも、ベースフィルム40の表面側に形成した金属
層28を介して密着されている。尚、図1〜図8に示す
実装構造体では、基板10に搭載された半導体素子12
の他面側が絶縁性樹脂層22から露出しているが、半導
体素子12の他面側も絶縁性樹脂層22に覆われていて
もよい。
【0029】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳細に説明す
る。 実施例1 基板面に回路パターン14、14・・が形成されたアル
ミナセラミック製の基板10において、回路パターン1
4、14・・の接続パッド16、16・・を除く基板面
にポリイミド樹脂を塗布して絶縁性の樹脂膜26を形成
する。更に、樹脂膜26の上に、クロム(Cr)層をス
パッタで形成した後、めっきによって銅(Cu)層−ニ
ッケル(Ni)層−金(Au)層の順序で形成し、金
(Au)層が最上層となる金属層(濡れ性向上層)28
を形成する。次いで、回路パターン14、14・・の接
続パッド16、16・・に、TAB用テープの導体パタ
ーン20、20・・のアウター部を接続した後、背面側
にニッケル/金が蒸着された16mm角の半導体素子1
2をTAB用テープの導体パターン20、20・・のイ
ンナーリードに搭載した。この際に、半導体素子12の
基板面と対向する一面側に設けられた接続端子18、1
8・・は、導体パターン20、20・・のインナーリー
ドと接続されている。
【0030】基板10に搭載された半導体素子12の接
続端子18、18・・と、回路パターン14の接続パッ
ド16、16・・との接続部分を、半導体素子12の一
面側と基板10の搭載面側との間の間隙から充填した、
二酸化ケイ素(SiO2 )が含有されたビスフェノール
系エポキシ樹脂によって封止する。かかるエポキシ樹脂
によって形成された絶縁樹脂層22からは半導体素子1
2の他面側(背面側)が露出している。この絶縁樹脂層
22の表面に、銅(Cu)粉末を吹き付けた後、加熱雰
囲気下でキュアを施すことによって、絶縁樹脂層22の
表面に銅(Cu)粉末が固着された金属粉末層30を形
成できる。次いで、Sn−Pb系のはんだペースト(S
n:Pb=63:37)によって、絶縁樹脂層22及び
半導体素子12の他面側を覆う。このはんだペースト
は、無電解めっきによって表面にニッケル層が形成され
た80〜100メッシュのタングステン粉末(約65重
量%)を含有すると共に、タングステン粉末との濡れ性
を向上すべく添加されたロジン系フラックスを含有する
ものである。更に、はんだペーストと接触する接触面
(背面)に、ニッケル及び金めっきを施したアルミニウ
ム製の放熱フィン34を設置した後、基板10の全体を
リフロー炉に挿入して250℃で30秒のリフロー処理
を行った。
【0031】リフロー炉から取り出された半導体素子の
実装構造体は、はんだによって形成された緻密な低融点
金属層24によって半導体素子12及び絶縁製樹脂層2
2が完全に覆われていると共に、放熱フィン34が接合
されているものであった。得られた実装構造体の低融点
金属層24と絶縁製樹脂層22等との密着性は良好であ
り、熱サイクル試験等でも良好な結果であった。また、
実装構造体の熱放散性も良好であった。
【0032】実施例2 BTレジン製の基板10において、半導体素子12を搭
載する搭載面の周縁に、基板10内に形成されたグラン
ド層とスルーホールを介して接続された銅箔から成る金
属層28を形成した後、基板面に形成した回路パターン
14、14・・に、ニッケル(Ni)−金(Au)めっ
き層を形成する。次いで、一面側に接続端子としてのは
んだバンプ36、36・・が形成され、他面側にニッケ
ル/金が蒸着された10mm角の半導体素子12を基板
10に搭載した。搭載された半導体素子12は、半導体
素子12のはんだバンプ36、36・・と回路パターン
14、14・・の接続パッド16、16・・・とが直接
接続される、いわゆるフリップチップ方式で接合されて
いる。更に、半導体素子12の一面側と基板10の搭載
面側との間の間隙から、二酸化ケイ素(SiO2 )が含
有されたビスフェノール系エポキシ樹脂を充填し、はん
だバンプ36、36・・と回路パターン14、14・・
の接続パッド16、16・・・との接続部分を封止す
る。かかるエポキシ樹脂によって形成された絶縁樹脂層
22からは半導体素子12の他面側(背面側)が露出し
ている。
【0033】この絶縁樹脂層22の表面に、銅(Cu)
粉末を吹き付けた後、加熱雰囲気下でキュアを施すこと
によって、絶縁樹脂層22の表面に銅(Cu)粉末が固
着された金属粉末層30を形成できる。その後、Sn−
Pb系のはんだペースト(Sn:Pb=63:37)に
よって、絶縁樹脂層22及び半導体素子12の他面側を
覆う。このはんだペーストは、約100メッシュの銅粉
末(約50重量%)を含有すると共に、銅粉末との濡れ
性を向上すべく添加されたロジン系フラックスを含有す
るものである。更に、はんだペーストと接触する接触面
(背面)に、ニッケル及び金めっきを施したアルミニウ
ム製の放熱フィン34を設置した後、基板10の全体を
リフロー炉に挿入して230℃で30秒のリフロー処理
を行った。
【0034】リフロー炉から取り出された半導体素子の
実装構造体は、はんだによって形成された緻密な低融点
金属層24によって半導体素子12及び絶縁製樹脂層2
2が完全に覆われていると共に、放熱フィン34が接合
されているものであった。得られた実装構造体の低融点
金属層24と絶縁製樹脂層22等との密着性は良好であ
り、熱サイクル試験や放熱性試験等でも良好な結果を得
られた。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、基板と半導体素子との
接続部分を封止する絶縁性樹脂層と、絶縁性樹脂層及び
半導体素子を覆う低融点金属層との密着性を向上するこ
とができるため、半導体素子の実装構造体の良好な熱放
散性を保持しつつ耐久性を向上させることができる。こ
のため、実装構造体の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体素子の実装構造体の一実施
例を示す断面図である。
【図2】図1に示す絶縁性樹脂層22の表面に形成され
た、濡れ性向上層としての金属粉末層30を示す部分断
面図である。
【図3】図1に示す絶縁性樹脂層22の表面に形成され
た、濡れ性向上層としての金属層32を示す部分断面図
である。
【図4】本発明に係る半導体素子の実装構造体の他の実
施例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る半導体素子の実装構造体の他の実
施例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る半導体素子の実装構造体の他の実
施例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る半導体素子の実装構造体の他の実
施例を示す断面図である。
【図8】本発明に係る半導体素子の実装構造体の他の実
施例を示す断面図である。
【図9】従来の半導体素子の実装構造体を説明するため
の断面図である。
【図10】従来の半導体素子の実装構造体を説明するた
めの断面図である。
【符号の説明】
10 基板 12 半導体素子 14 回路パターン 18 素子側接続部としての接続端子 20 TAB用テープの導体パターン 22 絶縁性樹脂層 24 低融点金属層 26 樹脂膜 28 金属層 30 濡れ性向上層としての金属粉末層 32 濡れ性向上層としての金属層 34 放熱フィン 36 はんだバンプ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子が搭載された基板の搭載面に
    形成されている基板側接続部と、前記搭載面に対向する
    半導体素子の一面側に形成されている素子側接続部とが
    電気的に接続された半導体素子の実装構造体において、 該基板の基板側接続部と半導体素子の素子側接続部とを
    電気的に接続する接続部分を覆う絶縁性樹脂層と、 前記半導体素子及び絶縁性樹脂層を覆う、半導体素子の
    耐熱温度以下の温度で溶融される低融点金属から成る低
    融点金属層とを具備し、 且つ前記低融点金属層と接触する絶縁性樹脂層の表面の
    少なくとも一部に、溶融された低融点金属に対する濡れ
    性が絶縁性樹脂層の他の表面よりも向上された、濡れ性
    向上層が形成されていることを特徴とする半導体素子の
    実装構造体。
  2. 【請求項2】 低融点金属層と接触する基板面の少なく
    とも一部に、溶融された低融点金属に対する濡れ性が基
    板面の他の面よりも向上された、濡れ性向上層が形成さ
    れている請求項1記載の半導体素子の実装構造体。
  3. 【請求項3】 半導体素子の他面側が絶縁性樹脂層から
    露出していると共に、前記半導体素子の他面側が低融点
    金属層によって覆われている請求項1又は請求項2記載
    の半導体素子の実装構造体。
  4. 【請求項4】 濡れ性向上層が、低融点金属層と接触す
    る絶縁性樹脂層又は基板の低融点金属層の接触面に固着
    された、金属粉末から成る金属粉末層、或いは金属箔か
    ら成る金属箔層である請求項1〜3のいずれか一項記載
    の半導体素子の実装構造体。
  5. 【請求項5】 金属粉末又は金属箔が、低融点金属より
    も高融点の金属から成る請求項4記載の半導体素子の実
    装構造体。
  6. 【請求項6】 低融点金属層に、低融点金属よりも高融
    点の金属粉末が混合されている請求項1〜5のいずれか
    一項記載の半導体素子の実装構造体。
  7. 【請求項7】 低融点金属層に混合されている高融点の
    金属粉末が、タングステン(W)、モリブデン(M
    o)、銀(Ag)、銅(Cu)から選ばれた一種又は二
    種以上の金属粉末である請求項6記載の半導体素子の実
    装構造体。
  8. 【請求項8】 低融点金属層に、低融点金属よりも高融
    点の無機粉末が混合されている請求項1〜7のいずれか
    一項記載の半導体素子の実装構造体。
  9. 【請求項9】 低融点金属層に混合されている高融点の
    無機粉末が、二酸化ケイ素(SiO2 )、炭化ケイ素
    (SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素
    (BN)、炭素(C)から選ばれた一種又は二種以上の
    無機粉末である請求項8記載の半導体素子の実装構造
    体。
  10. 【請求項10】 絶縁性樹脂層に、絶縁性無機物が配合
    されている請求項1〜9のいずれか一項記載の半導体素
    子の実装構造体。
  11. 【請求項11】 低融点金属層と基板に設けられた回路
    パターンのグランド配線とが電気的に接続されている請
    求項1〜10のいずれか一項記載の半導体素子の実装構
    造体。
  12. 【請求項12】 低融点金属層の外表面に、放熱用フィ
    ンやヒートスプレッダ等の放熱を促進する放熱部材が装
    着されている請求項1〜11のいずれか一項記載の半導
    体素子の実装構造体。
  13. 【請求項13】 半導体素子に形成された素子側接続部
    と、基板に形成された基板側接続部とが、はんだバンプ
    等の接続端子によって直接接続され、或いはTAB(Tap
    e Automated Bonding)用テープの導体パターンを介して
    接続されている請求項1〜12のいずれか一項記載の半
    導体素子の実装構造体。
  14. 【請求項14】 一枚の基板に搭載された複数個の半導
    体素子の各素子側接続部と基板の基板側接続部とを電気
    的に接続する接続部分を覆う絶縁性樹脂層及び各半導体
    素子が、低融点金属層によって覆われている請求項1〜
    13のいずれか一項記載の半導体素子の実装構造体。
  15. 【請求項15】 低融点金属層が、450℃以下の温度
    で溶融されるはんだ等の低融点合金によって形成されて
    いる請求項1〜14のいずれか一項記載の半導体素子の
    実装構造体。
  16. 【請求項16】 半導体素子を搭載した基板の搭載面に
    形成された基板側接続部と、前記基板の搭載面に対向す
    る半導体素子の一面側に形成された素子側接続部とを電
    気的に接続した後、 前記基板の搭載面と半導体素子の一面側との間隙に絶縁
    性樹脂を充填して、半導体素子の素子側接続部と基板の
    基板側接続部とを電気的に接続する接続部分を覆う絶縁
    性樹脂層を形成し、 次いで、前記絶縁性樹脂層の露出面の少なくとも一部
    に、半導体素子の耐熱温度以下の温度で溶融される低融
    点金属に対する濡れ性が絶縁性樹脂層の他の露出面より
    も向上された、濡れ性向上層を形成した後、 前記低融点金属によって絶縁性樹脂層と半導体素子とを
    覆う低融点金属層を形成することを特徴とする半導体素
    子の実装方法。
  17. 【請求項17】 低融点金属層と接触する基板面の少な
    くとも一部に、溶融された低融点金属に対する濡れ性が
    他の基板面よりも向上された、濡れ性向上層を形成する
    請求項16記載の半導体素子の実装方法。
  18. 【請求項18】 半導体素子の他面側が露出するように
    絶縁性樹脂層を形成した後、前記半導体素子の他面側を
    低融点金属層によって覆う請求項16又は請求項17記
    載の半導体素子の実装方法。
  19. 【請求項19】 濡れ性向上層として、絶縁性樹脂層の
    露出面又は低融点金属層を形成する基板面に、金属粉末
    を固着して成る金属粉末層、或いは金属箔を固着して成
    る金属箔層を形成する請求項16〜18のいずれか一項
    記載の半導体素子の実装方法。
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