JPH08279522A - 半導体装置およびその製法 - Google Patents

半導体装置およびその製法

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JPH08279522A
JPH08279522A JP7907495A JP7907495A JPH08279522A JP H08279522 A JPH08279522 A JP H08279522A JP 7907495 A JP7907495 A JP 7907495A JP 7907495 A JP7907495 A JP 7907495A JP H08279522 A JPH08279522 A JP H08279522A
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resin composition
substrate
semiconductor device
contact angle
semiconductor element
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JP7907495A
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English (en)
Inventor
Shinya Akizuki
伸也 秋月
Makoto Kuwamura
誠 桑村
Kazuhiro Ikemura
和弘 池村
Takashi Fukushima
喬 福島
Shinichiro Shudo
伸一朗 首藤
Tatsushi Ito
達志 伊藤
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐湿信頼性に優れ、かつその製造効率およびプ
ロセス信頼性が優れる半導体装置を提供する。 【構成】基板3表面上に半導体素子2が搭載され、この
半導体素子2が樹脂組成物の硬化体1により封止された
半導体装置であって、上記樹脂組成物と基板3とが下記
(A)の関係を有する。 (A)基板3表面に対する溶融状態の樹脂組成物の接触
角の関係であって、上記基板3表面の上記樹脂組成物の
硬化体1と接触しない部分Aでの上記接触角が、上記基
板3表面の上記樹脂組成物の硬化体1と接触する部分B
での上記接触角より、4°以上大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板の上に半導体素子
を搭載し、この半導体素子を樹脂組成物の硬化体で封止
した半導体装置およびその製法に関するものであり、詳
しくは、耐湿信頼性に優れ、その製造効率が高い半導体
装置およびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の半導体装置の分野の技術革新は目
ざましく、多入力/出力(I/O)半導体装置が開発さ
れている。この多I/O半導体装置は、従来の半導体装
置に比べて発熱しやすいため、その実装方法や、マザー
ボードとの配線距離の短縮化が、重要な技術課題となっ
ている。また、このような半導体装置を実装した基板の
製造において、プロセスコストを含め、低コストで高い
信頼性を確保することも、重要な技術課題となってい
る。このような技術課題を全て解決する方法として、プ
ラスチックボールグリッドアレイ(Plastic B
all GridArray,以下「PBGA」とい
う)を始めとする、従来の半導体装置とは異なった構造
の半導体装置が開発されている。図2に示すように、こ
の半導体装置は、基板3aの表面上に半導体素子2が搭
載され、上記半導体素子2が樹脂組成物の硬化体1で封
止されたものである。そして、上記半導体素子2の封止
は、基板3aの表面側のみの片面封止であり、基板3a
裏面には、半田等から形成された略半球状の接続端子4
を備えている。このような構造をとることにより、半導
体装置を大形化することなく接続用端子を多くすること
が可能であり、マザーボードとの配線距離の大幅な短縮
化を達成することができる。また、半導体装置の基板へ
の実装も簡単に行うことが可能となり、信頼性も高いも
のとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、PBGAを始
めとする片面封止タイプの半導体装置の樹脂封止は、つ
ぎのようにして行われている。すなわち、基板表面上に
半導体素子を搭載し、上記半導体素子に対して、溶融状
態の樹脂組成物を滴下してこれを被覆し、この状態で、
上記樹脂組成物を硬化させることにより上記半導体素子
を封止する。
【0004】上記半導体素子の封止において、溶融状態
の樹脂組成物の粘性や硬化反応の調整が、最も注意を要
する工程である。すなわち、この調整がうまくいかず、
滴下した樹脂組成物が流れすぎると、半導体素子の充分
な被覆が行われず、また樹脂組成物の流れ性が悪いと、
半導体素子の周辺において空気を抱き込んだ状態とな
り、この状態で硬化すると、得られる半導体装置の信頼
性が大幅に低下するようになる。
【0005】この問題を解決するために、基板表面上に
おいて、封止領域の周囲をダムで囲う方法が提案されて
いる。しかし、この方法は、煩雑な方法であり、現実の
製造に適用することは困難である。また、この方法の他
に、流れ性のコントロールが容易な常温液状の樹脂組成
物を用いる方法があげられる。しかし、通常、半導体封
止用の樹脂組成物には、多量の充填剤が配合されるた
め、上記常温液状の樹脂組成物では、貯蔵中に充填剤の
沈降が起こることから、超低温での保管が必要となる。
また、この常温液状の樹脂組成物を用いた場合は、滴下
位置の正確なコントールが要求されるため、特別な滴下
装置が必要となって、その製造において、コスト的に不
利となる。そして、常温液状の樹脂組成物において、高
流動性を得るためには、耐湿信頼性の低い材料を採用す
る必要があり、また硬化時に予備加熱を必要とする溶媒
含有系とする必要があるなど、プロセス信頼性の問題が
生じることとなる。さらに、このような常温液状の樹脂
組成物は、従来から半導体封止に使用されている常温固
体状のエポキシ樹脂組成物等に比べると、得られる半導
体装置の耐湿信頼性が低いという欠点もある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、耐湿信頼性に優れ、かつその製造効率およびプ
ロセス信頼性が優れる半導体装置およびその製法の提供
をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基板表面上に半導体素子が搭載され、こ
の半導体素子が樹脂組成物の硬化体により封止された半
導体装置であって、上記樹脂組成物と基板とが下記
(A)の関係を有する半導体装置を第1の要旨とする。 (A) 基板表面に対する溶融状態の樹脂組成物の接触
角の関係であって、上記基板表面の上記樹脂組成物の硬
化体と接触しない部分での上記接触角が、上記基板表面
の上記樹脂組成物の硬化体と接触する部分での上記接触
角より、4°以上大きい。
【0008】また、本発明は、基板表面上に半導体素子
を搭載し、ついで溶融状態の樹脂組成物で上記半導体素
子を被覆し、この状態で、上記樹脂組成物を硬化させて
上記半導体素子を封止する半導体装置の製法であって、
上記樹脂組成物および基板として、下記(B)の関係を
有する樹脂組成物および基板を使用する半導体装置の製
法を第2の要旨とする。 (B) 基板表面に対する溶融状態の樹脂組成物の接触
角の関係であって、上記基板表面の上記樹脂組成物の硬
化体と接触しない部分での上記接触角が、上記基板表面
の上記樹脂組成物の硬化体と接触する部分での上記接触
角より、4°以上大きい。
【0009】
【作用】すなわち、本発明者らは、上記目的を達成する
ために、耐湿信頼性に優れるエポキシ樹脂組成物の適用
を中心に一連の研究を行った。その過程で、溶融状態の
樹脂組成物の流れ性は、樹脂組成物の属性だけではな
く、これが接触する基板の表面状態も大きな要因である
ことに着目した。そして、これに基づき研究を重ねた結
果、基板表面に対する溶融状態の樹脂組成物の接触角の
関係が、上記(A)の関係となる樹脂組成物および基板
を用いて半導体装置を作製するという技術を開発するに
至った。すなわち、図1に示すように、基板3表面にお
いて、樹脂組成物の硬化体1と接触しない部分Aでの接
触角が、樹脂組成物の硬化体1と接触する部分Bでの接
触角より4°以上大きい関係とするのである。このよう
にすると、この基板3表面上に半導体素子2を搭載し、
これに対し溶融状態の樹脂組成物を滴下等により流展さ
せれば、樹脂組成物が半導体素子2を被覆し、かつ基板
3の表面A部分とB部分の境界に到達したところで、こ
の流展が停止して、流れすぎることがなくなる。このた
め、樹脂組成物の粘性や硬化反応性に支配されることが
少なくなり、半導体装置に高い耐湿信頼性を付与するこ
とが可能なエポキシ樹脂組成物を始めとする常温固体状
の樹脂組成物を使用することが可能となる。この結果、
本発明の半導体装置では、耐湿信頼性が向上するように
なり、またその封止工程において、樹脂組成物の粘性や
硬化性をコントロールする必要や、正確な滴下をするた
めの特別の装置等の必要がなくなって、製造効率および
プロセス信頼性が優れるようになる。
【0010】なお、本発明において、接触角とは、界面
科学の分野で使用されるものと同義であり、具体的に
は、図3に示すように、基板3表面と溶融状態の樹脂組
成物1aが形成する接線Lと基板3表面とがなす角θを
いう。
【0011】つぎに、本発明について、詳しく説明す
る。
【0012】本発明の半導体装置は、基板表面上に搭載
された半導体素子が、樹脂組成物の硬化体で片面封止さ
れたものであり、上記基板と上記樹脂組成物とが特殊な
関係を持つものである。
【0013】上記樹脂組成物としては、先に述べたよう
に、常温固体状のものが好ましく、特に好ましくは溶融
粘度が低いものである。このような樹脂組成物として
は、エポキシ樹脂を主成分とし、この硬化剤としてフェ
ノール樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物があげられ
る。そして、上記エポキシ樹脂としては、ビフェニル型
エポキシ樹脂が好ましい。また、上記硬化剤としては、
ノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
【0014】上記エポキシ樹脂組成物には、通常、充填
剤が配合される。この充填剤としては、樹脂組成物の流
動性が高くなるという理由から、シリカ粉末を主成分と
するものが好ましい。特に好ましくは、球状シリカを使
用したものである。シリカ粉末の配合割合は、通常、充
填剤全体の50〜100重量%(以下「%」と略す)、
好ましくは70〜100%、特に好ましくは、80〜1
00%である。また、充填剤の大きさとしては、キャビ
ティー内のワイヤーや半導体素子表面にダメージを与え
ないために、最大粒子径が75μm以下のものが好まし
い。しかし、半導体装置のパシベーションの状況やワイ
ヤーのピッチ状況によっては、上記最大粒子径に制限さ
れるものではない。そして、充填剤の配合割合は、樹脂
組成物全体に対し、通常、65〜90%、好ましくは7
0〜87%、特に好ましくは、72〜85%である。
【0015】また、上記充填剤の他に、硬化促進剤,難
燃剤,難燃助剤,カップリング剤,硬化促進剤,ワック
ス,顔料,低応力化剤等を上記エポキシ樹脂組成物に配
合することができる。
【0016】上記硬化促進剤としては、アミン系のもの
やリン系のものがあげられる。上記アミン系の硬化促進
剤としては、例えば、三級アミン,四級アンモニウム
塩,イミダール類があげられる。また、リン系の硬化促
進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン等があ
げられる。これらの硬化促進剤は、単独であるいは2種
類以上併用することができる。このなかでも、リン系化
合物のトリフェニルホスフィンを使用することが好まし
い。この硬化促進剤の配合割合は、その種類等により適
宜決定される。
【0017】上記難燃剤としては、例えば、ブロム化エ
ポキシ樹脂,塩素化エポキシ樹脂があげられ、これら
は、単独でもしくは2種類以上併用される。
【0018】上記難燃助剤としては、例えば、三酸化ア
ンチモン,五酸化アンチモンがあげられ、これらは単独
であるいは二種類以上併用される。
【0019】上記カップリング剤としては、例えば、エ
ポキシ基含有シランカップリング剤,アミノ基含有シラ
ンカップリング剤があげられる。これらは、単独でもし
くは2種類以上併用される。
【0020】上記顔料としては、カーボンブラック,酸
化チタン等があげられ、これらは単独でもしくは2種類
以上併用される。
【0021】上記ワックスとしては、ポリエチレン等が
あげられる。
【0022】上記低応力化剤としては、例えば、シリコ
ーンゴムやオレフィン系ゴムがあげられ、これらは単独
でもしくは2種類以上併用される。
【0023】そして、上記材料を用いたエポキシ樹脂組
成物の調製は、例えば、以下のようにして行われる。す
なわち、まず、上記エポキシ樹脂組成物(主剤)とフェ
ノール樹脂(硬化剤)と、必要に応じ各種添加剤をそれ
ぞれ所定の割合で配合し混合する。この混合物を、ミキ
シングロール機等の混練機を用いて加熱状態で溶融混練
した後、室温まで冷却し、公知の手段で粉砕し、必要に
応じて打錠してペレット化するという一連の工程によ
り、目的とするエポキシ樹脂組成物を得ることができ
る。なお、上記ペレット化としては、樹脂組成物をシー
ト状に成形した後、打ち抜くという方法を採用してもよ
い。また、ペレットの形状としては、立方体,円柱,正
方形平板,球状等の様々な形態があげられる。
【0024】このようにして得られる樹脂組成物は、後
述するように、基板と対応した所定の接触角を有するよ
うに調整する必要がある。この調整は、樹脂組成物の各
種材料の種類の選択や配合割合により行うことができ
る。なお、樹脂組成物の方で接触角を調整するより、基
板において接触角を調整することが好ましい。これは、
得られる半導体装置の優れた信頼性を確保するには、樹
脂組成物の選択の幅を大きくとることが望ましいという
理由による。
【0025】つぎに、上記基板について説明する。
【0026】上記基板の材質としては、価格,熱安定
性,加工性の観点から、ビスマレイミド・トリアジンを
ガラスクロスに含浸して基板形成したBT基板と通称さ
れるものが好適に用いられる。しかし、これに限定する
ものではなく、FRPに代表されるようなエポキシ基
板,フェノール基板,メタルコアー基板,セラミック基
板等も使用することができる。これは、本発明では、基
板表面に対する溶融状態の樹脂組成物の接触角を問題と
するからであり、基板の表面が後述する所定の条件とな
れば良いからである。
【0027】上記基板の表面は、用いる樹脂組成物に対
応して、所定の接触角をとるような状態にする必要があ
る。これは、基板の表面への半田レジスト層の形成、基
板のコア材料の露出,紫外線(UV)処理等により行う
ことができる。
【0028】なお、この基板表面の処理は、臨界表面張
力を指標として行うことが好ましい。
【0029】上記臨界表面張力は、基板表面上におい
て、表面張力が既知の液体の接触角θを測定してジスマ
ンプロット(液体の表面張力γと各々の液体でのcos
θとの関係を作図したもの)を作成し、このグラフ上で
cosθ=1の線と交わる点のの張力γc を求め、これ
を臨界表面張力とすることにより、得られるものであ
る。
【0030】そして、先に述べたように、この基板と上
記樹脂組成物とは、その接触角において、以下の関係を
有する必要がある。すなわち、基板表面に対する溶融状
態の樹脂組成物の接触角の関係であって、上記基板表面
の上記樹脂組成物の硬化体と接触しない部分での上記接
触角が、上記基板表面の上記樹脂組成物の硬化体と接触
する部分での上記接触角より、4°以上大きいという関
係である。なお、この接触角の差は、好ましくは6°以
上である。
【0031】このように、基板表面上において、樹脂組
成物の硬化体が接触する部分(封止部分)と接触しない
部分(封止部分以外の部分)との接触角を変化させるこ
とにより、溶融状態の樹脂組成物の流れ性を適切かつ簡
単にコントロールすることが可能となる。すなわち、基
板表面上の封止部分以外の部分の接触角が、封止部分の
接触角より大きいことにより、溶融状態の樹脂組成物の
流れが自然に停止して、ダムを設けなくても、ダムを設
けたのと同等の効果を得ることができるのである。
【0032】つぎに、上記樹脂組成物および基板を用い
ての本発明の半導体装置の作製は、例えば、つぎのよう
にして行われる。
【0033】すなわち、所定の表面状態に調整された基
板を準備し、この基板の表面上に半導体素子を搭載す
る。他方、ペレット状の樹脂組成物を準備する。そし
て、これを半導体素子の上に置き、ついで加熱して溶融
状態にする。すると、溶融状態の樹脂組成物は、その自
重により流展し、半導体素子を被覆するようになる。そ
して、先に述べたように、この流展は、基板の表面状態
が変化する箇所(封止部分と封止部分以外の部分の境
界)で、自然に停止し、これ以上、流展しない。この状
態で、さらに加熱して硬化反応を生起させることによ
り、半導体素子を樹脂組成物の硬化体で封止する。この
ようにして、本発明の半導体装置を作製することが可能
である。
【0034】なお、この製法のように、ペレット状の樹
脂組成物を半導体素子の上において、溶融状態とする場
合は、予め、ペレット状の樹脂組成物の重量を、一個の
半導体素子の封止に必要な量に調整しておくことが好ま
しい。
【0035】また、上記製法の他に、溶融状態の樹脂組
成物を半導体素子に対して滴下する方法があげられる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明の半導体装置は、
基板表面と溶融状態の樹脂組成物との接触角が、基板表
面の封止部分と封止部分以外の部分とで変化する基板お
よび樹脂組成物を用いたものである。このような関係を
有する基板および樹脂組成物を用いた半導体装置では、
その製造において、溶融状態の樹脂組成物の流れ性の調
整が容易となり、半導体素子の封止が完全なものとな
る。このため、本発明の半導体装置では、封止に使用す
る樹脂組成物の種類が限定されず、耐湿信頼性に優れる
エポキシ樹脂組成物等を使用することができるようにな
る。また、上述のように、製造において、特別な注意等
を払う必要がないため、製造効率およびプロセス信頼性
も優れたものとなる。
【0037】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0038】まず、実施例および比較例に先立ち、下記
に示す各種材料を準備した。
【0039】〔エポキシ樹脂A1〕
【化1】
【0040】〔エポキシ樹脂A2〕
【化2】
【0041】〔エポキシ樹脂A3〕
【化3】
【0042】〔エポキシ樹脂A4〕 液状ビスフェノール型エポキシ樹脂 エポキシ当量:190g/eq
【0043】〔硬化剤B1〕 フェノールノボラック 水酸基当量:107g/eq,軟化点:58℃
【0044】〔硬化剤B2〕 液状メチル化ヘキサハイドロフタリックアシド 水酸基当量:168g/eq
【0045】〔硬化剤B3〕 液状アリルフェノール 水酸基当量:146g/eq
【0046】充填剤は、下記の表1に示すシリカ粉末
(充填剤C1〜C5)を用いた。
【0047】
【表1】
【0048】〔硬化促進剤D1〕 トリフェニルフォスフィン
【0049】〔硬化促進剤D2〕 テトラフェニルフォスフェートとテトラフェニルボレー
トの混合物
【0050】〔硬化促進剤D3〕 2−メチルイミダゾール
【0051】〔難燃剤〕 ブロム化エポキシフェノールノボラック 配合割合:2.5phr
【0052】〔難燃助剤〕 三酸化二アンチモン 配合割合:5phr
【0053】〔低応力化剤〕 側鎖エチレングライコールタイプジメチルシロキサン 配合割合:1.3phr
【0054】〔カップリング剤〕 ガンマグリシドキシプロピルトリメトキシシラン 配合割合:0.3phr
【0055】〔ワックス〕 ポリエチレン 配合割合:0.5phr
【0056】基板は、30×30×厚み0.4mmのB
T基板(両面銅張り)を用い、この表面を、各種ソルダ
ーレジストを塗工する、表面の銅をエッチングにより除
去してBT基板のコア材を露出させる等の方法により、
基板表面の封止部分の表面状態および封止部分以外の部
分の表面状態を異なったものとした。上記封止部分は、
基板表面中央部の20×20mmの面積部分とし、上記
封止部分以外の部分は、上記封止部分と隣接する周囲の
幅5mmの範囲である。なお、表面状態の種類は、下記
の表2に示すとおりである。また、下記の表2の臨界表
面張力は、以下のようにして測定したものである。
【0057】すなわち、35dyn/cm.45dyn
/cm,54dyn/cmの標準液を用い、これと基板
表面の接触角θを測定して、cosθを取った。そし
て、上記各種の標準液の表面張力をX軸に取り、上記c
osθをY軸にとってグラフを作図し、このグラフから
接触角θが0になる液体の表面張力の値を臨界表面張力
とした。
【0058】
【表2】
【0059】
【実施例1〜19、比較例1〜11】下記の表3〜表7
に示す材料を、同表に示す割合で配合し、前述の方法に
より、実施例ではペレット状のエポキシ樹脂組成物を、
比較例ではペレット状又は液状のエポキシ樹脂組成物を
作製した。他方、同表に示す表面状態の基板の上に、半
導体素子(10mm角)を搭載し、エポキシ系ダイアタ
ッチ材で実装した。そして、この半導体素子に対し、ペ
レット状のエポキシ樹脂組成物を用いる場合は、これを
上記半導体素子の上に置き、130℃の条件で加熱溶融
して流展させ上記半導体素子を被覆し、さらに130℃
の加熱により硬化させた。一方、液状のエポキシ樹脂組
成物を用いる場合は、130℃の条件で、液状のエポキ
シ樹脂組成物を半導体素子上に滴下して流展させ上記半
導体素子を被覆し、さらに130℃の加熱により硬化さ
せた。なお、下記の表において、基板表面に対する溶融
状態の樹脂組成物の接触角(°)は、実際の測定値であ
る。
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】このようにして得られた実施例品1〜1
9,比較例品1〜11の半導体装置について、樹脂組成
物の流動性,半導体装置の信頼性について評価した。そ
の結果を、下記の表8〜表12に示す。なお、上記評価
は、下記に示す方法により行った。
【0066】〔流動性〕半導体素子の被覆の際に、基板
表面における溶融状態のエポキシ樹脂組成物の流動性
を、封止部分で樹脂組成物が完全に流展しているか、
封止部分以外に樹脂組成物が流出していないか、の2
点に着目して評価した。そして、流展性は、封止部分
で、樹脂組成物が完全に流展しているものを○、流展が
悪かったものを×、停止性は、封止部分以外に樹脂組成
物が流出せず停止したものを○、停止せず流出したもの
を×とした。なお、流れ性は、基板表面の塗膜厚み等に
も影響を受けるため、封止部分の中央の基板厚みに対す
る封止部分以外の基板厚みの差(GAP)を考慮した。
このGAPは、上記表3〜表7に示した。
【0067】〔信頼性〕信頼性は、耐湿信頼性および接
着性の測定により評価した。すなわち、耐湿信頼性は、
半導体装置を85℃/85%RHに48時間放置後、2
15℃×90秒×3回の加熱処理を行い、プレッシャー
クッカーテスト(PCT)で経時的な断線不良を測定す
ることにより評価した。なお、下記の表中、(MTT
F)は、平均故障時間を示す。一方、接着性は、試験片
を作製して評価した。すなわち、半導体素子の封止と同
様にして、基板の封止部分にエポキシ樹脂組成物の硬化
体を接着させ(接着面積:10mm2 )、試験片を作製
した。この試験片を用い、オートグラフ(AG−500
C,島津製作所社製)により、剪断接着力を測定した。
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】
【表11】
【0072】
【表12】
【0073】上記表8〜表10の結果から、全実施例品
では、耐湿信頼性および接着性が優れ、エポキシ樹脂組
成物の流れ性も優れていた。このことから、本発明の半
導体装置は、信頼性に優れ、かつその製造効率も高いと
いえる。これに対し、上記表11から、比較例1〜3に
おいて、エポキシ樹脂組成物の流展性は良かったが、停
止性が悪く、製造効率が低かった。これとは逆に、比較
例4〜6では、エポキシ樹脂組成物の流展性が悪かっ
た。また、液状のエポキシ樹脂組成物を用いた比較例7
〜11では、樹脂組成物の停止性が悪く、得られた半導
体装置の耐湿信頼性および接着性が低かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の一例の構造を示す断面図
である。
【図2】従来の半導体装置の一例の構造を示す断面図で
ある。
【図3】接触角θを示す説明図である。
【符号の説明】
1 樹脂組成物の硬化体 2 半導体素子 3 基板 A 基板表面の樹脂組成物の硬化体と接触しない部分 B 基板表面の樹脂組成物の硬化体と接触する部分
フロントページの続き (72)発明者 福島 喬 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 首藤 伸一朗 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 伊藤 達志 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面上に半導体素子が搭載され、こ
    の半導体素子が樹脂組成物の硬化体により封止された半
    導体装置であって、上記樹脂組成物と基板とが下記
    (A)の関係を有することを特徴とする半導体装置。 (A) 基板表面に対する溶融状態の樹脂組成物の接触
    角の関係であって、上記基板表面の上記樹脂組成物の硬
    化体と接触しない部分での上記接触角が、上記基板表面
    の上記樹脂組成物の硬化体と接触する部分での上記接触
    角より、4°以上大きい。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物が、エポキシ樹脂とフェノー
    ル樹脂とを主要成分とするエポキシ樹脂組成物であり、
    このエポキシ樹脂組成物が、シリカ粉末を主成分とする
    充填剤を含有し、この充填剤の含有割合が、樹脂組成物
    全体の65〜85重量%である請求項1記載の半導体装
    置。
  3. 【請求項3】 基板表面上に半導体素子を搭載し、つい
    で溶融状態の樹脂組成物で上記半導体素子を被覆し、こ
    の状態で、上記樹脂組成物を硬化させて上記半導体素子
    を封止する半導体装置の製法であって、上記樹脂組成物
    および基板として、下記(B)の関係を有する樹脂組成
    物および基板を使用することを特徴とする半導体装置の
    製法。 (B) 基板表面に対する溶融状態の樹脂組成物の接触
    角の関係であって、上記基板表面の上記樹脂組成物の硬
    化体と接触しない部分での上記接触角が、上記基板表面
    の上記樹脂組成物の硬化体と接触する部分での上記接触
    角より、4°以上大きい。
  4. 【請求項4】 樹脂組成物が、エポキシ樹脂とフェノー
    ル樹脂とを主要成分とするエポキシ樹脂組成物であり、
    このエポキシ樹脂組成物が、シリカ粉末を主成分とする
    充填剤を含有し、この充填剤の含有割合が、樹脂組成物
    全体の65〜85重量%である請求項3記載の半導体装
    置の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001005944A (ja) * 1999-05-06 2001-01-12 Oberthur Card Systems Sas マイクロ回路を含むカードの製造方法

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