JP3939849B2 - 半導体装置の製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子をフェースダウン構造でマザーボード、あるいはドーターボードに実装する方式による半導体装置の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の半導体デバイスの性能向上に伴う要求として、半導体素子をフェースダウン構造で、配線回路が形成されたマザーボード、あるいはドーターボード等の配線回路基板に実装される方法(フリップチップ方式、ダイレクトチップアタッチ方式等)が注目されている。これは、従来から用いられている方式、例えば、半導体素子から金ワイヤーでリードフレーム上にコンタクトをとりパッケージングされた形態でマザーボード、あるいはドーターボードに実装する方法では、配線による情報伝達の遅れ、クロストークによる情報伝達エラー等が生ずるという問題が発生していることに起因する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、上記フリップチップ方式、ダイレクトチップアタッチ方式においては、互いの線膨脹係数が異なる半導体素子と上記ボードをダイレクトに電気接続を行うことから、接続部分の信頼性が問題となっている。この対策としては、半導体素子と上記ボードとの空隙に液状樹脂材料を注入し硬化させて樹脂硬化体を形成し、電気接続部に集中する応力を上記樹脂硬化体にも分散させることにより接続信頼性を向上させる方法が採られている。しかしながら、上記液状樹脂材料は、超低温(−40℃)での保管が必要であることに加えて、上記半導体素子とボードとの空隙への注入においては注射器で行う必要があり、注入ポジション、注入量コントロールが困難である等の問題を抱えている。また、常温で液状であることが制約条件となるため、信頼性の高いフェノール等の固形材料の使用が困難な状況であった。
【0004】
このような状況から、この出願人は、半導体素子とボードとの間に封止用樹脂シートを介在させ、この封止用樹脂シートを加熱溶融させることにより半導体素子とボードとの空隙を樹脂封止させて半導体装置を製造するという方法を提案している。しかしながら、単に封止用樹脂シートを介在させて半導体素子とボードとを接合した際には、得られた半導体装置の素子とボードとの界面にエアーがトラップされ、良好な封止樹脂層が形成されないという問題が発生する傾向がみられることが新たに確認された。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、上記半導体素子と配線回路基板との空隙にエアーが混入することなく容易に封止樹脂層を形成することができ、しかもその樹脂封止作業が容易となる半導体装置の製法の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の半導体装置の製法は、配線回路基板上に、複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙が封止樹脂層によって封止されてなる半導体装置の製法であって、上記封止樹脂層を、上記配線回路基板と半導体素子との間に、下記のエポキシ樹脂組成物(A)からなる層状の固形樹脂(X)を介在させてこの固形樹脂を加圧溶融させることにより形成するという構成をとる。
(A)下記の(a)〜(c)成分およびアクリロニトリル−ブタジエンゴムを含有し、上記(c)成分の含有割合がエポキシ樹脂組成物全体の90重量%以下に設定されたエポキシ樹脂組成物。
(a)エポキシ樹脂。
(b)フェノール樹脂。
(c)最大粒径が100μm以下に設定された無機質充填剤。
(X)上記加圧溶融の初期段階において複数の接続用電極部を介して半導体素子と配線回路基板とが当接された状態における、上記半導体素子と配線回路基板の隙間の距離に対して50〜95%の厚みに設定された層状の固形樹脂。
【0007】
すなわち、本発明では、複数の接続用電極部を介在して接続された、配線回路基板と半導体素子との間の空隙を封止樹脂層によって樹脂封止して半導体装置を製造するに際して、上記封止樹脂層を、上記配線回路基板と半導体素子との間に、特定のエポキシ樹脂組成物からなる特定の厚みに設定した層状の固形樹脂を介在させこの固形樹脂を加圧溶融させることにより形成する。このように、上記特定の厚みの層状の固形樹脂を用いて半導体素子と配線回路基板との空隙を樹脂封止すると、例えば、反りを有する配線回路基板を、加圧等によりその反りを是正して半導体素子と配線回路基板を平行状態とし、半導体素子と配線回路基板とが樹脂封止されていない状態を形成することにより、両者の間に一定の距離の空間部分が形成されるようになる。そして、この空間部分がエアー抜き通路の役目を果たし、結果、エアーをトラップした状態で樹脂封止されることなく良好な樹脂封止が行われるようになる。
【0008】
さらに、本発明者らは、本発明の見出す過程において、上記固形樹脂として、最大粒径が100μm以下に設定された無機質充填剤を、特定割合含有するエポキシ樹脂組成物を用いることにより、上記基板と半導体素子の空隙内への充填がボイド等が生じることなく良好に行われることを突き止めた。
【0009】
そして、上記固形樹脂を溶融させることにより形成される封止樹脂層は、例えば、上記配線回路基板上に前記特定の厚みの封止用樹脂シート(X1)を搭載した後、さらに、上記封止用樹脂シート(X1)上に半導体素子を載置し、ついで、配線回路基板の接続用電極部と半導体素子の接続用電極部を加圧により当接させた後、上記封止用樹脂シート(X1)を加熱溶融し、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙に、上記溶融状態の封止用樹脂を充填し硬化させることにより形成され、得られた封止樹脂層はエアーの混入もなく良好なものである。
【0010】
さらに、上記固形樹脂を溶融させることにより形成された封止樹脂層は、予め接続用電極部が設けられた配線回路基板面に前記特定の厚みの封止用樹脂層(X2)を形成した後、この接続用電極部が設けられた配線回路基板上に、配線回路基板の接続用電極部と半導体素子の接続用電極部が当接するよう半導体素子を載置する。ついで、配線回路基板の接続用電極部と半導体素子の接続用電極部を加圧により当接させた後、上記封止用樹脂層(X2)を加熱溶融し、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙に、上記溶融状態の封止用樹脂を充填し硬化させることにより形成され、得られた封止樹脂層はエアーの混入もなく良好なものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0012】
本発明の半導体装置の製法により製造される半導体装置は、例えば、図4に示すように、配線回路基板1の片面に、複数の接続用電極部2,2′を介して半導体素子3が搭載された構造をとる。そして、上記配線回路基板1と半導体素子3との間に封止樹脂層4が形成されている。
【0013】
なお、上記配線回路基板1と半導体素子3とを電気的に接続する上記複数の接続用電極部は、予め配線回路基板1面に配設されていてもよいし、半導体素子3面に配設されていてもよい。さらには、予め配線回路基板1面および半導体素子3面の双方にそれぞれ配設されていてもよい。
【0014】
本発明において、接続用電極部とは、周知の電極のみでもよいが、電極とジョイントボール等の電極に配備される導電体を含む概念である。したがって、一般的に配線回路基板の接続用電極部と半導体素子の接続用電極部とは、両者とも電極のみで連絡されていてもよいが、通常、少なくとも一方が電極とジョイントボールからなる電極部であるようにして両者の電極部が連絡される。
【0015】
したがって、通常の形態では上記配線回路基板1と半導体素子3とを電気的に接続する上記複数の接続用電極部は、予め配線回路基板1面にジョイントボール等が配設されていてもよいし、半導体素子3面にジョイントボール等が配設されていてもよい。さらには、予め配線回路基板1面および半導体素子3面の双方にそれぞれにジョイントボール等が配設されていてもよく、また、両者の電極部は電極のみであってもよい。
【0016】
上記複数の接続用電極部(ジョイントバンプ,ジョイントボール等)2,2′の材質としては、特に限定するものではないが、例えば、金のスタッドバンプ、半田による低融点および高融点バンプ、銅・ニッケルコアの金めっきバンプ等があげられる。さらに、本発明での特定の層状の固形樹脂を使用することにより、上記低融点半田のような、ある一定の温度で半田の形状が崩れてしまうような材質のものに対して、上記層状の固形樹脂は、接続用電極部2の高さを制御するための目的としても使用が可能である。
【0017】
また、上記配線回路基板1の材質としては、特に限定するものではないが、大別してセラミック基板、プラスチック基板があり、上記プラスチック基板としては、例えば、エポキシ基板、ビスマレイミドトリアジン基板等があげられる。そして、本発明の層状の固形樹脂は、プラスチック基板と、低融点半田による接続用電極部2との組み合わせにおいて接合温度を高温に設定することができないような場合においても特に限定されることなく好適に用いられる。
【0018】
本発明において、上記封止樹脂層4形成材料としては、特定の層状の固形樹脂が用いられ、固体のエポキシ樹脂組成物が用いられる。
【0019】
上記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(a成分)と、硬化剤(b成分)と、無機質充填剤(c成分)と、アクリロニトリル−ブタジエンゴムを用いて得ることができ、常温で固体を示す。なお、上記常温とは20℃である。
【0020】
上記エポキシ樹脂(a成分)としては、常温で固体であれば特に限定するものではなく従来公知のもの、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が用いられ、さらには溶融時に濡れ性が良好な低粘度のものを用いることが好ましい。特に好ましくは、濡れ性が良くなるという観点から、具体的に、下記の一般式(1),式(2),式(3)で表される構造のエポキシ樹脂があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0021】
【化1】
Figure 0003939849
【0022】
【化2】
Figure 0003939849
【0023】
【化3】
Figure 0003939849
【0024】
上記式(1)〜(3)で表される構造のエポキシ樹脂において、特にエポキシ当量150〜230g/eqで、融点60〜160℃のものを用いることが好ましい。また、樹脂成分の濡れ性向上のために一部液状エポキシ樹脂を用いることもできる。
【0025】
上記エポキシ樹脂(a成分)とともに用いられる硬化剤(b成分)としては、特に限定するものではなく通常用いられている各種硬化剤、例えば、フェノール樹脂、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系硬化剤があげられ、なかでもフェノール樹脂が好適に用いられる。上記フェノール樹脂としては、フェノールノボラック等が用いられ、特に低粘度のものを用いることが好ましい。なかでも、水酸基当量が80〜120g/eqで、軟化点が80℃以下のものを用いることが好ましい。より好ましくは、水酸基当量90〜110g/eqで、軟化点50〜70℃である。特に好ましくは水酸基当量100〜110g/eqで、軟化点55〜65℃である。
【0026】
上記エポキシ樹脂(a成分)と硬化剤(b成分)の配合割合は、硬化剤としてフェノール樹脂を用いた場合、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対してフェノール樹脂中の水酸基当量を0.5〜1.6の範囲に設定することが好ましい。より好ましくは0.8〜1.2の範囲に設定することである。
【0027】
上記a成分およびb成分とともに用いられる無機質充填剤(c成分)としては、従来から用いられている各種無機質充填剤、例えば、シリカ粉末、タンカル、チタン白等があげられる。なかでも、球状シリカ粉末、破砕状シリカ粉末が好ましく用いられ、特に球状シリカを用いることが好ましい。そして、上記無機質充填剤(c成分)としては、最大粒径が100μm以下のものを用いる。特に好ましくは最大粒径が50μm以下である。すなわち、最大粒径が100μmを超えると、配線回路基板と半導体素子間(封止用樹脂層を用いて樹脂封止される空隙)の充填が不可能になる場合があるからである。また、上記最大粒径とともに、平均粒径が1〜20μmのものを用いることが好ましく、特に好ましくは2〜10μmである。したがって、このような観点から、上記無機質充填剤(c成分)の最大粒径は、配線回路基板と半導体素子間(封止用樹脂層を用いて樹脂封止される空隙)の距離の1/2以下に設定することが好ましい。より好ましくは1/10〜1/3である。すなわち、最大粒径を1/2以下に設定することにより、上記配線回路基板と半導体素子間への溶融した封止用樹脂層の充填が、ボイド等が生じず良好になされるようになるからである。
【0028】
上記無機質充填剤(c成分)の含有割合は、エポキシ樹脂組成物全体の90重量%(以下「%」と略す)以下の範囲に設定する必要がある。より好ましくは20〜90%であり、特に好ましくは55〜75%である。すなわち、無機質充填剤(c成分)の含有量が20%未満では、封止用樹脂硬化物の特性、特に線膨張係数が大きくなり、このため、半導体素子と上記係数との差が大きくなって、樹脂硬化物や半導体素子にクラック等の欠陥を発生させるおそれがある。また、90%を超えると、封止用樹脂の溶融粘度が高くなることから充填性が悪くなるからである。
【0029】
本発明に用いられるエポキシ樹脂組成物には、上記a〜c成分およびアクリロニトリル−ブタジエンゴム以外に、必要に応じて、シリコーン化合物(側鎖エチレングライコールタイプジメチルシロキサン等)等の低応力化剤、難燃剤、ポリエチレン、カルナバ等のワックス、シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)等のカップリング剤等を適宜に配合してもよい。
【0030】
上記難燃剤としては、ブロム化エポキシ樹脂等があげられ、これに三酸化二アンチモン等の難燃助剤等が用いられる。
【0031】
本発明に用いられる上記エポキシ樹脂組成物は、例えばつぎのようにして得られる。すなわち、上記樹脂成分であるa成分およびb成分を加温下にて混合溶融し、この溶融状態の樹脂成分中に上記c成分,アクリロニトリル−ブタジエンゴムおよび必要に応じて他の添加剤を配合し混合する。この後、反応性調整のための触媒を加えて均一系とした後、パレット上に受入れし、これを冷却後、例えば、プレス圧延してシート状化することにより得られる。この組成物は、通常は、例えば、チクソトロピー付与剤を組成物中に混合しておき加熱硬化時の熱時流動性を抑制しておくよう工夫されるのが一般的である。上記チクソトロピー付与剤としては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体をあげることができる。
【0032】
上記反応性調整のために配合される触媒としては、特に限定するものではなく従来から硬化促進剤として用いられるものがあげられる。例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフェート、テトラフェニルボレート、2−メチルイミダゾール等があげられる。
【0033】
上記各成分の混合およびシートの作製方法については上記方法に限定するものではなく、例えば、上記混合においては、2軸ロール、3軸ロール等を用いることも可能である。また、上記シートの作製方法についても、ロール圧延によるシート化、あるいは溶媒を混合したものを塗工してシート化する方法も可能である。また、上記エポキシ樹脂組成物の供給形態において、テープ状の形態をとることにより、いわゆる、リール・トゥ・リールによる大量生産形式の適用が可能となる。
【0034】
本発明において、シート、すなわち封止用樹脂シートの厚みは、通常、5〜200μm、好ましくは10〜120μm程度である。
【0035】
本発明の半導体装置の製法は、先に述べたように、配線回路基板上に、複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙が封止樹脂層によって封止された半導体装置を製造する際、上記封止樹脂層を、上記配線回路基板と半導体素子との間に、特定のエポキシ樹脂組成物からなる下記の層状の固形樹脂(X)を介在させ、この固形樹脂を加圧溶融させることにより形成するものである。そして、本発明の半導体装置の製法においては、上記層状の固形樹脂(X)を用いることを特徴とする。このような半導体装置の製法としては、上記層状の固形樹脂(X)の形態から2つの態様に大別される。
【0036】
(X)上記加圧溶融の初期段階において複数の接続用電極部を介して半導体素子と配線回路基板とが当接された状態における、上記半導体素子と配線回路基板の隙間の距離に対して50〜95%の厚みに設定された層状の固形樹脂。
【0037】
(1)まず、本発明の半導体装置の製法の第1の態様を図面に基づき順を追って説明する。この製法(第1の態様)では、上記層状の固形樹脂(X)として、シート状のもの、すなわち、封止用樹脂シート(X1)が用いられる。
【0038】
まず、図1に示すように、複数の球状の接続用電極部2が設けられた配線回路基板1上に、上記接続用電極部2を介して固形の封止用樹脂シート(X1)10を載置する。ついで、図2に示すように、上記封止用樹脂シート(X1)10上の所定位置に、接続用電極部2′が設けられた半導体素子3を当接させ、図3に示すように、上下の各熱圧プレス板P,P′により加熱加圧して上記両接続用電極部2,2′を完全に接合するとともに上記半導体素子3と上記配線回路基板1との間の空隙内に溶融状態の封止用樹脂を充填し、硬化させることにより上記空隙を樹脂封止して封止樹脂層4を形成する。このようにして、図4に示す半導体装置を製造する。
【0039】
上記封止用樹脂シート(X1)10は、図3に示すように、半導体素子3および配線回路基板1のそれぞれに設けられた接続用電極部2,2′が当接された状態における、上記半導体素子3と配線回路基板の隙間の距離(「当接高さN」という)に対して50〜95%の厚みに設定されていなければならない。特に好ましくは当接高さNに対して50〜85%の厚みである。すなわち、上記封止用樹脂シート(X1)10の厚みを上記範囲となるよう設定することにより、反りを有する配線回路基板1が、両接続用電極部2,2′の当接とその際の加圧によりその反りが解消されて、半導体素子3と平行状態(この段階では半導体素子3と配線回路基板1との空隙には樹脂封止が行われていない)となるため、略均一な厚みの空間H(図3参照)が形成され、この空間Hがエアー抜き通路の役目を果たすようになり、エアーをトラップした状態で樹脂封止されるという問題が生じなくなるからである。
【0040】
なお、上記半導体装置の製法では、配線回路基板1および半導体素子3のそれぞれ双方に複数の接続用電極部2,2′が設けられた場合について述べたが、これに限定するものではなく、配線回路基板1にのみ接続用電極部2が設けられた場合、あるいは、半導体素子にのみ接続用電極部2′が設けられた場合であってもよい。すなわち、配線回路基板1面に接続用電極部2が設けられたものを使用する場合、上記当接高さNは配線回路基板1に設けられた接続用電極部2の高さとなる。また、半導体素子3面に接続用電極部2′が配設されたものを使用する場合、上記当接高さNは半導体素子3に設けられた接続用電極部2′の高さとなる。そして、上記のような場合における封止用樹脂シート(X1)10の厚みは、上記それぞれの場合における当接高さNの50〜95%の範囲に設定される。
【0041】
さらに、上記封止用樹脂シート(X1)10としては、半導体素子3もしくは配線回路基板1に封止用樹脂シート(X1)10を仮接着する場合には、タック性を備えたシート状のエポキシ樹脂組成物とすることが好ましい。そして、上記封止用樹脂シート(X1)10の大きさとしては、上記搭載される半導体素子3の大きさ(面積)により適宜に設定され、通常、半導体素子3の大きさ(面積)より少し小さくなるように設定することが好ましい。
【0042】
上記タック性を備えたシート状エポキシ樹脂組成物を得るには、エポキシ樹脂組成物中にアクリロニトリル−ブタジエンゴムを添加することにより達成される。
【0043】
上記半導体装置の製造方法において、図3に示す、上下の各熱圧プレス板P,P′を用いた、封止用樹脂シート(X1)10を介して上記配線回路基板1に設けられた接続用電極部2と上記半導体素子3に設けられた接続用電極部2′とを当接させるための加圧条件としては、0.02〜0.5kg/個の範囲に設定され、好ましくは0.04〜0.2kg/個の範囲に設定される。
【0044】
また、上記半導体装置の製造方法において、上記封止用樹脂シート(X1)10を加熱溶融して溶融状態とする際の加熱温度としては、半導体素子3および配線回路基板1の劣化等を考慮して70〜300℃の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは120〜200℃である。そして、加熱方法としては、赤外線リフロー炉、乾燥機、熱板等があげられる。
【0045】
(2)つぎに、本発明の半導体装置の製法の第2の態様を図面に基づき順を追って説明する。この製法(第2の態様)では、接続用電極部が配線回路基板および半導体素子の少なくとも一方に設けられており、上記層状の固形樹脂(X)として、配線回路基板面あるいは半導体素子面に予め直接形成された封止用樹脂層(X2)が用いられる。ただし、半導体素子および配線回路基板の双方ともに電極は設けられている。
【0046】
まず、図5に示すように、複数の接続用電極部2が設けられた配線回路基板1面上に封止用樹脂層(X2)13を形成する。つぎに、図6に示すように、上記封止用樹脂層(X2)13内に埋没した接続用電極部2と、半導体素子3に設けられた接続用電極部2′が当接するよう半導体素子3を位置決めし載置し、図7に示すように、上下の各熱圧プレス板P,P′により加熱加圧して上記配線回路基板1に設けられた接続用電極部2と上記半導体素子3に設けられた接続用電極部2′を当接させる。ついで、上記封止用樹脂層(X2)13を加熱溶融して溶融状態とし、加圧て上記両接続用電極部2,2′を完全に接合するとともに上記半導体素子3と上記配線回路基板1との間の空隙内に上記溶融状態の封止用樹脂を充填し、硬化させることにより上記空隙を樹脂封止して封止樹脂層4を形成する。このようにして、図4に示す半導体装置を製造する。
【0047】
上記封止用樹脂層(X2)13は、図7に示すように、半導体素子3および配線回路基板1のそれぞれに設けられた接続用電極部2,2′が当接された状態における、上記半導体素子3と配線回路基板の隙間の距離(「当接高さN」という)に対して50〜95%の厚みに設定されていなければならない。特に好ましくは当接高さNに対して50〜85%の厚みである。すなわち、上記封止用樹脂層(X2)13の厚みを上記範囲となるよう設定することにより、反りを有する配線回路基板1が、両接続用電極部2,2′の当接とその際の加圧によりその反りが解消されて、半導体素子3と平行状態(この段階では半導体素子3と配線回路基板1との空隙には樹脂封止が行われていない)となるため、略均一な厚みの空間H(図7参照)が形成され、この空間Hがエアー抜き通路の役目を果たすようになり、エアーをトラップした状態で樹脂封止されるという問題が生じなくなるからである。
【0048】
なお、上記半導体装置の製法では、配線回路基板1および半導体素子3のそれぞれに複数の接続用電極部2,2′が設けられた場合について述べたが、これに限定するものではなく、先に述べた第1態様と同様、配線回路基板1にのみ接続用電極部2が設けられた場合、あるいは、半導体素子にのみ接続用電極部2′が設けられた場合であってもよい。すなわち、配線回路基板1面に接続用電極部2が設けられたものを使用する場合、上記当接高さは配線回路基板1に設けられた接続用電極部2の高さとなる。また、半導体素子3面に接続用電極部2′が配設されたものを使用する場合、上記当接高さNは半導体素子3に設けられた接続用電極部2の高さとなる。そして、上記のような場合における封止用樹脂層13(X2)の厚みは、上記それぞれの場合における当接高さNの50〜95%の範囲に設定される。
【0049】
上記図5に示す、接続用電極部2が設けられた配線回路基板1面に形成される封止用樹脂層(X2)13は、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、図1に示すように、複数の接続用電極部2が設けられた配線回路基板1上に、上記接続用電極部2を介して固形の封止用樹脂シート10を載置する(前述の半導体装置の製法の第1の態様)。ついで、上記封止用樹脂シート10を加熱溶融することにより、図5に示すように、接続用電極部2が設けられた配線回路基板1面に封止用樹脂層(X2)13が形成される。
【0050】
さらに、上記のような封止用樹脂層(X2)13の形成方法以外に、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、図8に示すように、予め、接続用電極部2が設けられた配線回路基板1を準備する。つぎに、上記接続用電極部2が設けられた配線回路基板1面上に、エポキシ樹脂組成物を用い、印刷塗工法により、図5に示す、封止用樹脂層(X2)13が形成される。
【0051】
そして、上記第2の態様において、上記形成された封止用樹脂層(X2)13は、融点を超える温度において、半導体素子3と配線回路基板1との間を越えて、流出しないよう設計された封止用樹脂層13とすることが好ましい。
【0052】
上記第2の態様での半導体装置の製造方法において、図7に示す、上下の各熱圧プレス板P,P′を用いた、封止用樹脂層(X2)13を介して上記配線回路基板1に設けられた接続用電極部2と上記半導体素子3に設けられた接続用電極部2′とを当接させるための加圧条件としては、0.02〜0.5kg/個の範囲に設定され、好ましくは0.04〜0.2kg/個の範囲に設定される。また、上記第2の態様の製法において、上記封止用樹脂層(X2)13を加熱溶融して溶融状態とする際の加熱温度としては、先に述べた第1の態様と同様、半導体素子3および配線回路基板1の劣化等を考慮して70〜300℃の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは120〜200℃である。そして、加熱方法としては、赤外線リフロー炉、乾燥機、熱板等があげられる。
【0053】
上記封止用樹脂層(X2)13としては、前記第1の態様と同様、その大きさは半導体素子3の大きさ(面積)により適宜に設定され、通常、半導体素子3の大きさ(面積)より少し小さくなるように設定することが好ましい。
【0054】
上記第1〜第2の態様に従って製造される半導体装置の一例としては、前述の図1に示すように、形成された封止樹脂層4が、搭載された半導体素子3の周囲からはみ出さないよう形成されたタイプがあげられるが、半導体装置の用途等によっては、図9に示すように、形成された封止樹脂層4′が、搭載された半導体素子3の周囲からはみ出すよう形成されたタイプであってもよい。
【0055】
そして、上記のようにして製造された半導体装置において、半導体素子3の大きさは、通常、幅2〜20mm×長さ2〜30mm×厚み0.1〜0.6mmに設定される。また、半導体素子3を搭載する配線回路が形成された配線回路基板1の大きさは、通常、幅10〜70mm×長さ10〜70mm×厚み0.05〜3.0mmに設定される。そして、溶融した封止用樹脂が充填される、半導体素子3と配線回路基板1の空隙の両者間の距離は、通常、5〜100μmである。特に、本発明に用いられる封止用樹脂の特性等を考慮すると、上記両者間の距離は、10〜70μmに設定することが好ましい。
【0056】
上記封止用樹脂を用いて封止することにより形成された封止樹脂層4、すなわち、上記封止用樹脂の特性としては、各使用温度での溶融粘度が1〜1000poise、ゲルタイムが150℃において0.5〜30分、その硬化物としては、線膨脹係数が7〜50ppmであることが好ましい。より好ましくは溶融粘度が1〜500poise、ゲルタイムが150℃において1.0〜15分間、線膨脹係数が12〜40ppmである。すなわち、溶融粘度が上記範囲内に設定されることにより、充填性が良好となる。また、ゲルタイムが上記範囲内に設定されることにより、成形作業性、特に硬化時間の短縮が可能となる。さらに、線膨脹係数が上記範囲内に設定されることにより、樹脂硬化体や半導体素子にクラック等の応力による欠陥防止が可能となる。なお、上記溶融粘度は、フローテスター粘度計により測定し、上記ゲルタイムは熱板上にて測定した。また、線膨脹係数は、熱機械分析(TMA)により測定した。
【0057】
本発明において、上記第1〜第2のいずれの態様においても、封止用樹脂シート(X1)もしくは封止用樹脂層(X2)を用いて、半導体素子と配線回路基板の両電極部を当接させ、上記シート(または樹脂層)を加熱して、好ましくは加熱とともに加圧して硬化させることは前述のとおりである。
【0058】
上記加圧は、好ましくは半田等の接続用電極部(ジョイントボール)を偏平化しつつ、または偏平化した後、封止用樹脂を硬化させる。
【0059】
このとき、一般的には、上記接続用電極部を構成する材料としては、熱時流動可能な材料、例えば、半田により形成されている。そして、封止用樹脂層硬化後は、好ましくは接続用電極部を構成する半田を溶融させるために、上記半導体素子と配線回路基板の接着体は215℃程度に加温され、本発明の半導体装置とするのが一般的である。封止用樹脂シート(封止用樹脂層)硬化後に、接続用電極部を構成する半田等の材料をこのように溶融させる工程は、先に述べたそれぞれの製法において述べていないが、本願においては通常行われるものである。
【0060】
本発明による封止用樹脂シート(封止用樹脂層)による封止では、たいていの場合、つぎに示すことが言える。
【0061】
すなわち、接続用電極部として半田を用いた場合には、フラックスが無くても、前記の半導体素子電極部と配線回路基板電極部(ランド部)の両者の溶融・結合が好適に行われるのが一般的である。
【0062】
上記理由は明らかではないが、前記半導体素子と配線回路基板の接合体が得られた段階では、接続用電極部である半田の周りは、たいていの場合、硬化樹脂で覆われて酸素と遮断された状態となっていること、および電極部の圧力による前記の偏平化時に半田表面にクラックが生じて半田の地肌表面(酸化されていない面)が露出しているためではないかと考えられる。また、極微量の塩素成分および有機酸成分の少なくとも一方を含有する封止用樹脂シート、例えば、エポキシ樹脂組成物よりなるシートを用いた場合には、これら塩素成分および有機酸成分の少なくとも一方が半田製の接続用電極部表面に形成する酸化膜除去に効果があり、この酸化膜が除去されるためではないかと考えられる。ついで、このような環境下で、215℃程度に加温することにより、上述の半導体素子電極部および配線回路基板電極部の両電極部が溶融する。
【0063】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0064】
まず、実施例に先立って、下記に示す各成分を準備した。
【0065】
〔エポキシ樹脂a1〕
下記の式(4)で表される構造のビフェニル型エポキシ樹脂である。
【0066】
【化4】
Figure 0003939849
【0067】
〔エポキシ樹脂a2〕
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:195g/eq、融点:60〜90℃)である。
【0068】
〔硬化剤b〕
フェノールノボラック樹脂(水酸基当量:105g/eq、軟化点60℃)である。
【0069】
〔無機質充填剤c1〜c5〕
下記の表1に示す球状シリカ粉末である。
【0070】
【表1】
Figure 0003939849
【0071】
〔触媒d1〕
トリフェニルホスフィンである。
【0072】
〔触媒d2〕
テトラフェニルホスフェートおよびテトラフェニルボレートの混合物(モル混合比1/1)である。
【0073】
〔低応力化剤〕
アクリロニトリル−ブタジエンゴムである。
【0074】
〔難燃剤〕
ブロム化エポキシフェノールノボラックである。
【0075】
〔難燃助剤〕
三酸化二アンチモンである。
【0076】
〔ワックス〕
ポリエチレンである。
【0077】
〔カップリング剤〕
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。
【0078】
【実施例1〜13、比較例1〜2】
上記各成分を用い、下記の表2〜表3に示す割合で各成分を混合した。これをパレット上に受入れし、これを冷却後プレス圧延してシート状化することにより目的のシート状エポキシ樹脂組成物を作製した。
【0079】
【表2】
Figure 0003939849
【0080】
【表3】
Figure 0003939849
【0081】
このようにして得られた各シート状エポキシ樹脂組成物(封止用樹脂シート)を用い、前述の半導体装置の製法における第1の態様(先の段落番号0038に記載)に従って半導体装置を製造した。すなわち、図1に示すように、ジョイントバンプ2が設けられたボード1上に、上記各封止用樹脂シート(X1)10を載置した後、図2に示すように、上記封止用樹脂シート(X1)10上に、ジョイントボール2′が設けられた半導体チップ3を載置した。その後、図3に示すように、上下の各熱プレス板P,P′により加熱・加圧(条件:175℃×荷重0.06kg/個)して、上記ボード1に設けられたジョイントバンプ2と上記半導体チップ3に設けられたジョイントボール2′とを当接させる(上記当接高さNは100μmであった)とともに、ボード1と半導体チップ3との空隙内に溶融状態の樹脂を充填し、熱硬化(条件:200℃×20分硬化)させることにより、図4に示すように、上記空隙が封止樹脂層4で樹脂封止された半導体装置を作製した。
【0082】
得られた半導体装置について、初期の通電チェックを行い、さらに、その半導体装置を用いて、プレッシャークッカーテスト〔PCTテスト(条件:121℃×2atm×100%RHで200時間放置)〕を行った後に通電チェックを行った。そして、不良が発生した割合(不良発生率)を算出した。この不良発生率とともに、不良が発生したものを×、全く不良が発生しなかったものを○として表示した。
【0083】
また、得られた半導体装置について、エアーが混入された形跡の有無をつぎのようにして確認し評価した。すなわち、走査型超音波顕微鏡(ソノスキャンD6000)を用い、100MHzにて、エアー取り込みの有無を確認した。
【0084】
これらの結果を下記の表4〜表5に示す。
【0085】
【表4】
Figure 0003939849
【0086】
【表5】
Figure 0003939849
【0087】
上記表4〜表5の結果、初期の通電チェックおよびPCTテスト200時間後の通電チェックにおいて不良が全く発生しなかった。このことから、全ての実施例では、ボードと半導体チップとの空隙に封止樹脂層が形成されており、上記空隙内の封止用樹脂の充填が良好に行われていることが明らかである。これに対して、比較例品は、通電テストにおいてPCTテスト200時間後で不良の発生が認められ、封止時のエアーの取り込みがPCTテスト後の通電結果に影響を与えているものと考えられる。そして、封止樹脂の厚みが当接高さと略同じものは、ボード(基板)の反りが解離されるまでに周辺が樹脂でくるまれるため、エアーが取り込まれた。逆に、封止樹脂の厚みの薄いものは、加圧時には樹脂はチップ(またはボード)に接しておらず、加圧解放後に再びボードの反りにより、樹脂周辺が密着されエアーを取り込んだものと考えられる。
【0088】
また、得られた半導体装置について、上記と同様の方法にて、エアー混入の形跡の有無を確認した。その結果、実施例品については全てエアー混入の形跡は確認されず、良好な樹脂封止が行われたことがわかる。これに対して、比較例品はエアーが混入され、良好な樹脂封止が行われなかった。
【0089】
また、上記実施例1〜13および比較例1〜2の各エポキシ樹脂組成物を用い、前述の半導体装置の製法の第2の態様(先の段落番号0046に記載)に従って半導体装置を製造した。すなわち、図1に示すように、ジョイントバンプ2が設けられたボード1上に、上記ジョイントバンプ2を介して各封止用樹脂シート(X1)10を載置した。ついで、この封止用樹脂シート(X1)10を180℃で加熱溶融することにより、図5に示すように、ボード1面に封止用樹脂層(X2)13を形成した。つぎに、図6に示すように、ジョイントバンプ2と半導体チップ3に設けられたジョイントボール2′が当接するよう上記ボード1に半導体チップ3を搭載した。ついで、図7に示すように、上下の各熱プレス板P,P′により加熱・加圧(条件:175℃×荷重0.06kg/個)して、上記ボード1に設けられたジョイントバンプ2と上記半導体チップ3に設けられたジョイントボール2′とを当接させる(上記当接高さNは100μmであった)とともに、ボード1と半導体チップ3との空隙内に溶融状態の樹脂を充填し、熱硬化(条件:200℃×20分硬化)させることにより、図4に示すように、上記空隙が封止樹脂層4で樹脂封止された半導体装置を作製した。
【0090】
得られた半導体装置について、上記と同様、初期の通電チェックおよびPCTテスト200時間放置後の通電チェックを行った。その結果、先の評価結果と同様、初期の通電チェックおよびPCTテスト200時間後の通電チェックにおいて不良が全く発生しなかった。したがって、ボード1と半導体チップ3との空隙に封止樹脂層4が形成されており、上記空隙内の封止用樹脂の充填が良好に行われていることが明らかである。
【0091】
また、得られた半導体装置について、上記と同様の方法にて、エアー混入の形跡の有無を確認した。その結果、実施例品については全てエアー混入の形跡は確認されず、良好な樹脂封止が行われたことがわかる。これに対して、比較例品はエアーが混入され、良好な樹脂封止が行われなかった。
【0092】
【発明の効果】
以上のように、本発明の半導体装置の製法は、複数の接続用電極部を介在して接続された、配線回路基板と半導体素子との間の空隙を封止樹脂層によって樹脂封止する際に、上記封止樹脂層を、上記配線回路基板と半導体素子との間に、前記特定のエポキシ樹脂組成物からなる特定の厚みの層状の固形樹脂(X)を介在させこの固形樹脂を溶融させることにより形成することを特徴とする。このように、上記特定の厚みの層状の固形樹脂を用いた樹脂封止では、例えば、反りを有する配線回路基板を、加圧等によりその反りを是正して半導体素子と配線回路基板を平行状態とし、半導体素子と配線回路基板とが樹脂封止されていない状態を形成することにより、両者の間に一定の距離の空間部分が形成されるようになる。そして、この空間部分がエアー抜き通路の役目を果たし、結果、エアーをトラップした状態で樹脂封止されることなく良好な樹脂封止が行われるようになる。
【0093】
さらに、上記固形樹脂として、最大粒径が100μm以下に設定された無機質充填剤を、特定割合含有するエポキシ樹脂組成物を用いるため、上記基板と半導体素子の空隙内への充填がボイド等が生じることなく良好に行われる。
【0094】
そして、上記固形樹脂を溶融させることにより形成された封止樹脂層は、上記配線回路基板上に前記特定の厚みの封止用樹脂シート(X1)を搭載した後、さらに、上記封止用樹脂シート(X1)上に半導体素子を載置し、ついで、配線回路基板の接続用電極部と半導体素子の接続用電極部を当接させた後、加熱するとともに加圧して上記封止用樹脂シート(X1)を加熱溶融し、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙に、上記溶融状態の封止用樹脂を充填し硬化させることにより形成され、得られた封止樹脂層はエアーの混入もなく良好なものである。
【0095】
さらに、上記固形樹脂を溶融させることにより形成された封止樹脂層は、予め接続用電極部が設けられた配線回路基板面に前記特定の厚みの封止用樹脂層(X2)を形成した後、この接続用電極部が設けられた配線回路基板上に、配線回路基板の接続用電極部と半導体素子の接続用電極部が当接するよう半導体素子を載置する。ついで、上記封止用樹脂層(X2)を加熱溶融し、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙に、上記溶融状態の封止用樹脂を充填し硬化させることにより形成され、得られた封止樹脂層はエアーの混入もなく良好なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の態様における半導体装置の製造工程を示す説明断面図である。
【図2】 第1の態様における半導体装置の製造工程を示す説明断面図である。
【図3】 第1の態様における半導体装置の製造工程を示す説明断面図である。
【図4】 本発明の半導体装置の製法により得られた半導体装置の一例を示す断面図である。
【図5】 第2の態様における半導体装置の製造工程を示す説明断面図である。
【図6】 第2の態様における半導体装置の製造工程を示す説明断面図である。
【図7】 第2の態様における半導体装置の製造工程を示す説明断面図である。
【図8】 第2の態様における半導体装置の製造工程に用いる半導体素子搭載用基板の製造工程を示す説明断面図である。
【図9】 本発明の半導体装置の製法により得られた半導体装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 配線回路基板
2,2′ 接続用電極部
3 半導体素子
4 封止樹脂層
10 封止用樹脂シート(X1)
13 封止用樹脂層(X2)

Claims (3)

  1. 配線回路基板上に、複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙が封止樹脂層によって封止されてなる半導体装置の製法であって、上記封止樹脂層を、上記配線回路基板と半導体素子との間に、下記のエポキシ樹脂組成物(A)からなる層状の固形樹脂(X)を介在させてこの固形樹脂を加圧溶融させることにより形成することを特徴とする半導体装置の製法。
    (A)下記の(a)〜(c)成分およびアクリロニトリル−ブタジエンゴムを含有し、上記(c)成分の含有割合がエポキシ樹脂組成物全体の90重量%以下に設定されたエポキシ樹脂組成物。
    (a)エポキシ樹脂。
    (b)フェノール樹脂。
    (c)最大粒径が100μm以下に設定された無機質充填剤。
    (X)上記加圧溶融の初期段階において複数の接続用電極部を介して半導体素子と配線回路基板とが当接された状態における、上記半導体素子と配線回路基板の隙間の距離に対して50〜95%の厚みに設定された層状の固形樹脂。
  2. 上記固形樹脂を溶融させることにより形成された封止樹脂層が、上記配線回路基板に設けられた接続用電極部を介して配線回路基板上に下記の封止用樹脂シート(X1)を載置した後、上記封止用樹脂シート(X1)上に接続用電極部を有する半導体素子を載置し、ついで、上記配線回路基板に設けられた接続用電極部と半導体素子に設けられた接続用電極部とを加圧により当接させた後、上記封止用樹脂シート(X1)を加熱溶融して上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙に、上記溶融状態の封止用樹脂を充填し硬化させることにより形成されたものである請求項1記載の半導体装置の製法。
    (X1)上記半導体素子および配線回路基板のそれぞれに設けられた複数の接続用電極部が当接された状態における、上記半導体素子と配線回路基板の隙間の距離に対して50〜95%の厚みに設定された封止用樹脂シート。
  3. 上記固形樹脂を溶融させることにより形成された封止樹脂層が、接続用電極部が設けられた配線回路基板面に下記の封止用樹脂層(X2)を形成した後、上記配線回路基板上に、複数の接続用電極部が設けられた半導体素子を載置し、ついで、上記配線回路基板に設けられた接続用電極部と上記半導体素子に設けられた接続用電極部とを加圧により当接させた後、上記封止用樹脂層(X2)を加熱溶融して上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙に、上記溶融状態の封止用樹脂を充填し硬化させることにより形成されたものである請求項1記載の半導体装置の製法。
    (X2)上記半導体素子および配線回路基板のそれぞれに設けられた複数の接続用電極部が当接された状態における、上記半導体素子と配線回路基板の隙間の距離に対して50〜95%の厚みに設定された封止用樹脂層。
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