JPH08279474A - 化合物半導体における能動層の形成方法 - Google Patents

化合物半導体における能動層の形成方法

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JPH08279474A
JPH08279474A JP10465695A JP10465695A JPH08279474A JP H08279474 A JPH08279474 A JP H08279474A JP 10465695 A JP10465695 A JP 10465695A JP 10465695 A JP10465695 A JP 10465695A JP H08279474 A JPH08279474 A JP H08279474A
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JP
Japan
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crystal substrate
annealing
substrate
gaas
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JP10465695A
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Shogo Yoshida
昭吾 吉田
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 GaAs化合物半導体結晶基板1にSiイオ
ンを注入した後、6規定の塩酸に浸漬し、水洗した。つ
いで当該結晶基板1を窒素ガス等の不活性なガス雰囲気
中で80〜350℃でベーキングした後、当該結晶基板
1に前記Siイオンを活性化させるための熱処理を施
し、能動層2を形成した。 【効果】 能動層のキャリア濃度を大きくし、能動層の
活性化率を高めることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化合物半導体における能
動層の形成方法に関し、特に、GaAs結晶基板にSi
イオンを注入して能動層を形成するための方法に関す
る。
【0002】
【背景技術】GaAs・IC用の電界効果型トランジス
タ(以下、FETと記す)を作製する場合には、一般
に、GaAs結晶基板に不純物をイオン注入することに
よって能動層(動作層)を形成する。しかし、イオン注
入は、イオン化した不純物を高電界で加速してGaAs
結晶基板中に叩き込むものであるから、Ga原子やAs
原子が各格子点からずれて欠陥となる。また、注入され
た不純物がGaAs中でドナーやアクセプタとして働く
には、注入された不純物がGaAs結晶基板中のいずれ
かの格子位置を占有して置換原子となる必要がある(例
えば、Siがドナーとして働くためには、Ga格子点を
占めなければならない)。このためFETの能動層を形
成する場合、イオン注入で乱された格子を元に戻し、不
純物を電気的に活性化させるために、イオン注入後のア
ニール(熱処理)工程は不可欠であり、注入不純物の活
性化率を向上させることはFETの特性向上のために重
要である。
【0003】従来、GaAsFETのn型能動層を形成
するには、Si等の不純物をGaAs結晶基板にイオン
注入した後、プラズマCVD法によってGaAs結晶基
板上にSiOx、SiON、SiNx膜等の保護膜を堆積
させ、窒素雰囲気中において800℃で数10分間アニ
ール(キャップアニール)することにより、注入不純物
を活性化させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年で
はGaAsFETに対する高性能化の要請がますます強
まっており、この要請に応えるためには、高キャリア濃
度で厚さの薄い能動層をロット間のばらつきが少ないよ
うに形成することが要求される。この要求を実現するた
めには、イオン注入エネルギーの低減とともに高い活性
化率の能動層を安定して得る必要がある。
【0005】しかしながら、Toshiro Hiramoto et. a
l., Japanese Jounal of Applied Physics, Vol.24 No.
12 pp.L921-L924(1985)等の論文によれば、イオン注入
された注入不純物を活性化させるためのアニール工程
で、その熱処理のために異種原子の格子位置を占める原
子が結晶基板表面に形成され、これにより能動層の活性
化率の低下を引き起こすことが報告されており、問題と
なっている。例えば、GaAs結晶基板にSiをイオン
注入する場合を考えると、GaAs基板に注入されたS
iイオンはGa原子と置換し、Ga格子位置を占めるの
で、As原子で余剰となった電子がキャリアとして放出
され、n型能動層が形成される。しかし、アニール時の
熱処理によりAs格子位置を占めるGa、すなわちGa
As(antisiteGa)がGaAs結晶基板の表面に形成さ
れると、As原子から放出されたキャリア電子はGaAs
に捕獲され、キャリア濃度が低下する。さらに、このG
Asの生成ばらつきによってキャリア濃度、すなわち能
動層の活性化率のばらつきが発生する。
【0006】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、アニール時
に異種格子位置を占有する結晶原子を低減させることに
より、高キャリア濃度で、かつ厚さの薄い能動層をばら
つきが少なく形成することができる化合物半導体におけ
る能動層の形成方法を提供することにある。
【0007】
【発明の開示】本発明による化合物半導体における能動
層の形成方法は、化合物半導体結晶基板に不純物をイオ
ン注入した後、注入不純物を活性化させるための熱処理
を施して当該結晶基板に能動層を形成する方法におい
て、不純物を注入された結晶基板を窒素ガス等の不活性
なガス雰囲気中でベーキング処理した後、不純物を活性
化させるための前記熱処理を当該結晶基板に施して能動
層を形成することを特徴としている。
【0008】本発明にあっては、イオン注入後、アニー
ル工程の熱処理前に結晶基板を不活性雰囲気中でベーキ
ング処理したところ、能動層の活性化率を高めることが
できた。この結果、高キャリア濃度で、かつ、厚さの薄
い能動層を小さなばらつきで形成することができた。
【0009】また、前記ベーキング処理は、80℃以上
350℃以下で行なうことが好ましい。ここで、前処理
温度を80℃未満の温度にすると、効果が得られず、3
50℃以上になると化合物半導体中の元素(As等)が
蒸発するという問題が生じる。
【0010】
【実施例】図1は本発明の一実施例によりGaAs結晶
基板に不純物としてSiイオンを注入することにより、
n型能動層を形成する場合を説明する。
【0011】(実施例サンプルの作製)まず、図1
(a)に示すように、イオン注入装置によりGaAs結
晶基板(ウエハ)1の表面(図1では全面にイオン注入
しているが、実際には、能動層形成領域)に29Si+
注入エネルギー150keV、ドーズ量5×1012cm
-2で注入し、能動層2を形成した。この結晶基板1を5
分間、6規定の塩酸(6N−HCl)に浸漬した後に水
洗した。
【0012】ついで、図1(b)に示すように、結晶基
板1をベーク炉内に納め、窒素ガス等の不活性なガス雰
囲気中で結晶基板1を150℃で10分間ベーキングを
行なった。
【0013】この後直ちに、図1(c)に示すように、
プラズマCVD法によって結晶基板1の表面にSiN
x、SiON、SiOx等を堆積させることにより、アニ
ール時にAsの蒸発を抑えるための保護膜3を約1,0
00Åの厚さに成膜した。
【0014】この後、保護膜3を形成された結晶基板1
をランプアニール等のアニール装置に入れ、窒素ガス雰
囲気中において800℃のアニール温度で20分間キャ
ップアニールを行なった。こうして能動層2の活性化処
理を行なった後、図1(d)に示すように、フッ酸等の
エッチング液で保護膜3を剥離させた。
【0015】(比較例サンプルの作製)また、比較のた
めのサンプルとして、アニール前のベーキング処理を行
なわず、その他の工程については上記実施例サンプルと
全く同様にして比較例サンプルを作製した。
【0016】(実施例サンプルと比較例サンプルの最大
キャリア濃度の比較)上記のようにして作製された実施
例サンプルと比較例サンプルとについて、結晶基板表面
からの深さdとキャリア濃度cとの関係を検査した結果
を図2に示す。この図2から明らかなように、ベーキン
グ処理を行なった実施例サンプルでは、ベーキング処理
を行なわない比較例サンプルよりも大きなキャリア濃度
が確認された。特に、比較例サンプルの最大キャリア濃
度(ピークキャリア濃度)は、2.2×1017cm-3
あるのに対し、実施例サンプルの最大キャリア濃度は、
2.7×1017cm-3であった。また、サンプル間の最
大キャリア濃度のばらつきも、ベーキング処理を行なわ
ない比較例サンプルでは10%以上あったのに対し、ベ
ーキング処理を行なった実施例サンプルでは、5%以下
であった。
【0017】従って、Siイオン注入後にベーキング処
理を行なってからアニール処理すると、Siイオンの活
性化率が高くなって能動層のキャリア濃度が大きくな
り、ロット間におけるキャリア濃度のばらつきも小さく
できることが分かる。また、Siイオンの活性化率が高
くなるので、同じキャリア濃度を得るためには従来より
もイオン注入エネルギーを小さくすることができ、それ
に伴って能動層の厚みも薄くすることができる。
【0018】(フォトルミネセンス測定)このようにベ
ーキング処理を行なうと、Siイオンの活性化率が高く
なってキャリア濃度が大きくなると共にロット毎の活性
化率のばらつきを小さくできるのは、GaAsが減少する
ためであると考えられる。これを確認するために行なっ
たフォトルミネセンス(PL)測定による表面検査結果
を図3に示す。図3において波長λが8,450〜8,5
00Å付近に表われているフォトルミネセンス強度のピ
ークはGaAsに関するものであり、ベーキング処理を行
なった実施例サンプルでは、ベーキング処理を行なわな
い比較例サンプルよりも、このGaAsに関するピークは
小さくなっている。従って、Siイオン注入後にベーキ
ング処理を行なうことにより、GaAsを減少させてSi
イオンの活性化率を高めることができ、その結果キャリ
ア濃度を大きくし、そのばらつきを小さくできることが
裏付けられる。
【0019】また、図4に示すものは本発明のさらに別
な実施例におけるベーキング工程を示す図であって、ア
ルミニウム等の金属でできた基板ホルダー4に設けられ
た凹部5内に複数枚の結晶基板1を載せ、基板ホルダー
4及び結晶基板1の表面にアニール用の保護膜3を形成
した状態で、結晶基板1を載せた基板ホルダー4ごとベ
ーキングする。この後、直ちに基板ホルダー1ごと結晶
基板1をアニール処理する。
【0020】アニール処理により能動層の活性化率が低
下する原因は水分が関係していると推測することができ
る。すなわち、アニール処理前にベーキングすると、結
晶基板に付着している水分が蒸発するので、能動層の活
性層の低下が抑制されると考えられる。従って、基板ホ
ルダー毎アニールすることにより、基板ホルダーに付着
している水分もアニール前に除去することができ、一層
能動層の活性化率を向上させることができる。
【0021】なお、ベーキング温度は上記のごとく15
0℃に限定されるものでなく、フォトルミネセンスでG
Asに関する波長8,450〜8,500Å付近のピーク
を減少させることができる条件であればよい。また、ベ
ーキング雰囲気も窒素ガス雰囲気に限らず、GaAsと
反応しない不活性雰囲気であればよい。
【0022】また、アニール方法として、キャップレス
アニールを行なえば、保護膜によって結晶基板表面に与
えるストレスを低減できるので、さらに活性化率を向上
させることができる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、半導体基板の表面で異
種格子位置に置換するGaAsのような結晶原子を抑制す
ることができるので、高い活性化率の能動層を小さなば
らつきで形成することができる。従って、能動層のキャ
リア濃度、特に表面付近のキャリア濃度(最大キャリア
濃度)を減少させないで、キャリア濃度のばらつきが小
さくて厚みの薄い能動層を形成することができる。この
結果、GaAsFETのような化合物半導体装置をより
高性能化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例サンプルを作製する各工程を示す図であ
って、(a)はイオン注入の工程、(b)はベーキング
処理の工程、(c)は保護膜を形成する工程、(d)は
保護膜を除去する工程を示す。
【図2】ベーキング処理を行なった実施例サンプルと、
ベーキング処理を行なわない比較例サンプルの各キャリ
ア濃度プロファイルを示す図である。
【図3】実施例サンプルと比較例サンプルのフォトルミ
ネセンス測定の結果を示す図である。
【図4】本発明の別な実施例によるベーキング工程を示
す概略正面図である。
【符号の説明】
1 GaAs結晶基板(ウエハ) 2 能動層 3 保護膜 4 基板ホルダー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体結晶基板に不純物をイオン
    注入した後、注入不純物を活性化させるための熱処理を
    施して当該結晶基板に能動層を形成する方法において、 不純物を注入された結晶基板を窒素ガス等の不活性なガ
    ス雰囲気中でベーキング処理した後、不純物を活性化さ
    せるための前記熱処理を当該結晶基板に施して能動層を
    形成することを特徴とする化合物半導体における能動層
    の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記ベーキング処理を、80℃以上35
    0℃以下で行なうことを特徴とする、請求項1に記載の
    化合物半導体における能動層の形成方法。
JP10465695A 1995-04-04 1995-04-04 化合物半導体における能動層の形成方法 Pending JPH08279474A (ja)

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