JP3384352B2 - 半導体装置の製造方法および不純物注入活性化処理装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および不純物注入活性化処理装置

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JP3384352B2 JP07693399A JP7693399A JP3384352B2 JP 3384352 B2 JP3384352 B2 JP 3384352B2 JP 07693399 A JP07693399 A JP 07693399A JP 7693399 A JP7693399 A JP 7693399A JP 3384352 B2 JP3384352 B2 JP 3384352B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
方法および不純物注入活性化処理装置に関し、特に、浅
い接合深さを持つ不純物拡散層の形成方法、およびその
形成に用いる不純物注入と活性化処理が連続処理可能な
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造工程において、例
えばシリコン基板内に不純物拡散層を形成する際には、
シリコン基板の表面に対して不純物イオンを注入し、そ
の後、基板表面を露出した状態でアニールを行う方法が
従来から行われていた。ところが、この方法を採用する
と、イオン注入時に目的とするもの以外の不純物が注入
されたり、基板表面にダメージが入る、といった問題が
あった。
【0003】そこで、この問題を解消するために、基板
に対して直接イオンを注入するのではなく、基板上にシ
リコン酸化膜を形成し、このシリコン酸化膜を通してイ
オンを注入するという方法が採られるようになった(以
下、本明細書では、イオン注入時に基板表面を覆う酸化
膜のことを「スルー酸化膜」と呼ぶこともある)。具体
的な方法の一例として、シリコン基板表面に例えば10
0nm以上の膜厚のシリコン酸化膜を形成し、このシリ
コン酸化膜を通して400keV程度の加速エネルギー
でイオン注入を行う。その後、シリコン酸化膜を残した
ままの状態、またはシリコン酸化膜を一旦除去した後に
再度シリコン酸化膜を形成した状態で、窒素雰囲気下で
アニールを行うことによって、不純物拡散層を形成する
(以下、本明細書では、アニール時に基板表面を覆う酸
化膜のことを「カバー酸化膜」と呼ぶこともある)。こ
の方法によれば、スルー酸化膜の存在により、目的のイ
オン以外のイオンの注入を防止し、基板のダメージも防
止することができる。この種の方法は、例えば特開昭5
8−96763号公報に開示されている。
【0004】しかしながら、上記のいずれの方法を用い
た場合も、不純物拡散層のシート抵抗が上昇してしま
い、所望の抵抗値が得られないという問題があった。こ
の問題について本発明者が検討したところ、シート抵抗
の上昇は注入された不純物がシリコン酸化膜中に偏析す
るのが原因であることが判明した。イオン注入時にシリ
コン酸化膜を形成する方法では、注入された不純物がア
ニール時にシリコン酸化膜中に偏析し、拡散層の不純物
濃度が低下する。また、シリコン酸化膜を形成せずに基
板表面に直接イオン注入を行う方法においても、従来技
術では基板表面の荒れを防止するために、数%の酸素を
含有した窒素雰囲気でアニールしており、アニール中に
基板表面に酸化膜が形成される。そのため、酸化膜を形
成した状態でアニールを行った場合と同様に、不純物の
偏析が発生し、拡散層の不純物濃度が低下する。従来の
方法におけるシート抵抗の上昇は、以上の理由によるも
のである。
【0005】また、現在では半導体素子の微細化に伴
い、より浅い接合を持つ不純物拡散層が要求されるよう
になってきている。この要求を満たすためには、イオン
注入時の加速エネルギーを低くする、具体的には3ke
V以下とする必要がある。ところが、このような低い加
速エネルギーとした場合、スルー酸化膜を通してイオン
注入を行う方法では、接合深さを充分に浅くすることが
困難なうえ、上述のシート抵抗の増大がより顕著になる
という問題があった。表1に、ボロン注入時のスルー酸
化膜の有無、カバー酸化膜の有無、イオン注入条件とシ
ート抵抗値との関係を調べた結果を示す。この表から明
らかなように、ボロンの注入エネルギーが小さい程、ス
ルー酸化膜形成による抵抗値の増大が顕著になってい
る。
【0006】
【表1】
【0007】さらに、ボロンまたはボロン系の化合物の
イオン注入を行う場合、シリコン基板上にシリコン酸化
膜が存在した状態でアニールを行うと、アニール時にボ
ロンの拡散が進み、接合深さが設計値よりも深くなって
しまうという問題があった。この現象を以下、「増速拡
散」と称する。増速拡散の起こるメカニズムについては
これまで明らかにされていなかったが、ボロンまたはボ
ロン系の化合物のイオン注入時に特異的に起こる現象で
あることが確認されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上、説明したよう
に、不純物拡散層を形成した際のシート抵抗値の増大
は、シリコン基板からシリコン酸化膜中への不純物の偏
析に起因することがわかった。そこで、特に浅い接合深
さの不純物拡散層を形成するプロセスでは、イオン注入
工程の前処理として基板表面の酸化膜を除去した後、イ
オン注入を行う方法が既に採用されている。この前処理
は、具体的には、表面に自然酸化膜が形成されたウェハ
をフッ酸槽内でディップし、水洗後、乾燥することによ
り自然酸化膜を除去するというものである。
【0009】ところが、実際の製造ラインでは、製品の
流れや装置上、作業上の都合等によって前処理を終了し
てからイオン注入を開始するまでの待ち時間が数時間に
わたることもある。待ち時間が数時間になると、前処理
によってせっかく酸化膜を除去しても、数nm程度の自
然酸化膜が再度形成されてしまうため、やはり不純物の
偏析が起こってしまう。また、フッ酸ディップにより酸
化膜を除去する方法の場合、使用するフッ酸液中に不純
物や異物等が含まれている恐れもあり、その場合、基板
のコンタミネーションが生じることになる。また、この
工程は湿式処理であるから、洗浄、乾燥等に要する時間
や処理設備が必要であり、製造ラインの生産効率が低下
するという点で問題があった。
【0010】なお、特開平7−122616号公報に
は、半導体基板の保管や搬送の際に生じる粒子汚染や自
然酸化膜の形成等の問題を解決するために、例えば湿式
洗浄装置(大気圧下処理装置)とスパッタリング装置
(真空プロセス装置)との間に真空保管庫を配置し、こ
れらを真空トンネル搬送装置で連結した半導体製造装置
が開示されている。ただし、この半導体製造装置におい
ては、スパッタリング等の本処理工程の前処理として湿
式洗浄を適用しているため、上記基板のコンタミネーシ
ョンの問題、生産性低下の問題は避けることができな
い。
【0011】一方、イオン注入後のアニールに関して
は、従来から種々のアニール装置が用いられているが、
近年、ランプからの放射光をウェハに照射することによ
って急速熱処理(Rapid Thermal Processing, 以下、R
TPと記す)を行う装置が多用されている。このRTP
装置は、従来一般の熱アニール装置などと比べて極めて
短時間に高温の処理が行える点で微細化プロセスに適し
た優れたものであるが、この装置を用いたとしても、ア
ニールを行う際に基板表面にある程度の酸化膜が存在し
ている限り、不純物の偏析によるシート抵抗値の増大の
問題は同じように発生する。
【0012】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、前処理として湿式洗浄を用いたとき
のような基板のコンタミネーションを発生させることな
く、シリコン酸化膜中への不純物の偏析に起因する不純
物拡散層のシート抵抗値の増大を抑制することができ、
特に、浅い接合深さの不純物拡散層を有する半導体デバ
イスに用いて好適な半導体装置の製造方法を提供するこ
とを目的とする。さらに、この不純物拡散層の形成に用
いる装置であり、製造ラインの生産性の向上に寄与し得
る不純物注入装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1の半導体装置の製造方法は、表面に
シリコン酸化膜が形成されたシリコン基板に対して熱処
理装置を用いて酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気中で熱
処理を行うことにより、シリコン酸化膜を薄膜化する前
処理工程と、前処理工程を経た後のシリコン基板に対し
て薄膜化したシリコン酸化膜を通して不純物イオンを注
入するイオン注入工程と、イオン注入工程を経た後、表
面にシリコン酸化膜が残ったシリコン基板に対して熱処
理装置を用いて酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気中で熱
処理を行うことにより、不純物イオンを活性化処理する
アニール工程とを有することを特徴とするものである。
【0014】本発明の第2の半導体装置の製造方法は、
表面にシリコン酸化膜が形成されたシリコン基板に対し
て熱処理装置を用いて酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気
中で熱処理を行うことにより、シリコン酸化膜を除去す
る前処理工程と、前処理工程を経た後のシリコン基板に
対して直接不純物イオンを注入するイオン注入工程と、
イオン注入工程を経た後、表面が露出した状態のシリコ
ン基板に対して熱処理装置を用いて酸素ガスを含む不活
性ガス雰囲気中で熱処理を行うことにより、不純物イオ
ンを活性化処理するアニール工程とを有することを特徴
とするものである。
【0015】本発明の第3の半導体装置の製造方法は、
表面にシリコン酸化膜が形成されたシリコン基板に対し
て水素ベーク装置を用いて水素ガスを含むガス雰囲気中
で熱処理を行うことにより、シリコン酸化膜を薄膜化す
る前処理工程と、前処理工程を経た後のシリコン基板に
対して薄膜化したシリコン酸化膜を通して不純物イオン
を注入するイオン注入工程と、イオン注入工程を経た
後、表面にシリコン酸化膜が残ったシリコン基板に対し
て熱処理装置を用いて酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気
中で熱処理を行うことにより、不純物イオンを活性化処
理するアニール工程とを有することを特徴とするもので
ある。
【0016】本発明の第4の半導体装置の製造方法は、
表面にシリコン酸化膜が形成されたシリコン基板に対し
て水素ベーク装置を用いて水素ガスを含むガス雰囲気中
で熱処理を行うことにより、シリコン酸化膜を除去する
前処理工程と、前処理工程を経た後のシリコン基板に対
して直接不純物イオンを注入するイオン注入工程と、イ
オン注入工程を経た後、表面が露出した状態のシリコン
基板に対して熱処理装置を用いて酸素ガスを含む不活性
ガス雰囲気中で熱処理を行うことによって、不純物イオ
ンを活性化処理するアニール工程とを有することを特徴
とするものである。
【0017】従来、イオン注入工程の前処理としてシリ
コン酸化膜の除去を行う場合には、フッ酸ディップ等の
ウェットエッチングを行うのが普通であり、この場合、
上述したように、基板のコンタミネーション、生産性の
低下等の問題が発生した。これに対して、本発明者は、
特定のガス雰囲気中での熱処理によって酸化膜のエッチ
ングが可能であることに着目した。ここで用いることが
できる熱処理法の一つは、熱処理装置を用いて酸素ガス
を含む不活性ガス雰囲気中で熱処理を行う方法(上記本
発明の第1または第2の半導体装置の製造方法)であ
り、他の一つは、水素ベーク装置を用いて水素ガスを含
むガス雰囲気中で熱処理を行う方法(上記本発明の第3
または第4の半導体装置の製造方法)である。
【0018】酸素ガスを含む雰囲気中で熱処理を行う方
法において、シリコン酸化膜が除去されるメカニズムは
次のようなものと考えられる。表面にシリコン酸化膜が
形成されたシリコン基板に対して、酸素分子の存在下で
高温の熱処理を施すと、以下の2つの反応が並行して進
行する。 SiO2 + Si → 2SiO(↑) ……(a) Si + O2 → SiO2 ……(b) ところが、酸素濃度が充分に低い領域、もしくは真空度
が高い領域で熱処理を行うと、(b)の反応よりも
(a)の反応の方が支配的となり、シリコンとシリコン
酸化膜の界面で発生するSiOが基板表面から揮発し、
シリコン酸化膜がエッチングされる。一方、酸素濃度が
高い領域、もしくは真空度が低い領域で熱処理を行った
場合でも(a)の反応は起こっており、表面のシリコン
酸化膜はエッチングされているが、それ以上に(b)の
反応が多く起こるために表面のシリコン酸化膜は随時補
充されており、見かけ上、酸化膜のエッチング作用がな
いように見えるのである。
【0019】上記(a)、(b)のいずれの反応が支配
的になるのかを決定するパラメータとしては、熱処理時
の温度、真空度、酸素濃度(酸素分子の数)が考えられ
る。この中で、真空度を高めることは酸素分子の数を減
らすことにつながるため、この場合、(a)の反応の方
が支配的となるのは勿論である。それに加えて、真空度
と温度との間には相関関係があり、真空度を高めると
(a)の反応が生じる温度が低下する傾向にある。図1
0は、酸素濃度を一定にした時の熱処理時の温度と真空
度との関係を模式的に示すものである。この図に示すよ
うに、曲線の右側の領域(真空度が高い側、温度が高い
側)が「酸化膜のエッチングが生じて見える領域」であ
り、曲線の左側の斜線で示す領域(真空度が低い側、温
度が低い側)が「酸化膜のエッチングが生じないように
見える(酸化膜が成長する)領域」である。また、酸素
濃度を大きくすると、曲線全体が図の右側に向けてシフ
トする。
【0020】つまり、(a)の反応を支配的として酸化
膜がエッチングされるようにするには、図10の斜線で
示す領域内の条件で熱処理を行えばよいことになる。こ
の関係からすると、酸素濃度一定の場合、真空度を高く
するほど熱処理温度が低くてよいことになる。ちなみ
に、常圧で熱処理を行う場合、エッチングが生じ始める
のは、温度が1100℃の時で酸素濃度が200pp
m、温度が1050℃の時で酸素濃度が33ppmであ
り、温度を1000℃にまで下げると酸素濃度は限りな
く零に近づいてしまい、酸素濃度が制御できないために
エッチングはほとんど不可能になる。このようなメカニ
ズムによって、酸素ガスを含む雰囲気中で上記のパラメ
ータを制御しながら熱処理を行えば、シリコン酸化膜を
除去することができる。
【0021】次に、水素原子を含む雰囲気中で熱処理を
行う方法において、シリコン酸化膜が除去されるメカニ
ズムは次のようなものと考えられる。表面にシリコン酸
化膜が形成されたシリコン基板に対して、水素分子の存
在下で高温の熱処理を施すと、以下の反応が進行する。 SiO2 + H2 → SiO(↑)+ H2 ……(c) この反応により、シリコン酸化膜の表面で発生するSi
Oが揮発し、シリコン酸化膜がエッチングされる。
【0022】上記のようなメカニズムによって、水素ガ
スを含む雰囲気中で熱処理を行えば、シリコン酸化膜を
除去することができる。
【0023】したがって、本発明の半導体装置の製造方
法においては、イオン注入前処理の酸化膜エッチングに
ウェットエッチングのような湿式処理を用いないため、
液中に含まれる不純物や異物に起因するコンタミネーシ
ョンの問題、後洗浄、乾燥等の作業時間や処理設備に起
因する生産性低下の問題等、従来技術が抱えていた問題
点を解決することができる。
【0024】また、本発明者は、上記2つの酸化膜の除
去方法のうち、特に、酸素ガスを含む雰囲気中で熱処理
を行う前者の方法は、従来から実施していたイオン注入
後のアニール処理と類似しており、アニール装置と共通
の装置が使用できることに想到した。そこで、イオン注
入の前処理工程で用いる熱処理装置とアニール工程で用
いる熱処理装置を同一の装置を用いることができる。こ
のようにすれば、製造ライン内に元来アニール工程用と
して設置してある熱処理装置(アニール装置)をイオン
注入前処理用装置に転用することができる。その結果、
製造ライン内の装置の有効利用を図ることができ、装置
の稼動状況等に応じて作業の効率化を図ることができ
る。
【0025】また上述したように、前処理工程で用いる
熱処理装置としては、常圧型装置、減圧型装置のいずれ
を用いてもよい。ただし、常圧型装置を用いようとする
と、熱処理温度を例えば1200℃以上というようにか
なり高くしなければならないか、熱処理温度をこれより
低くした場合には酸素濃度を充分に小さくしなければな
らない。従来一般の常圧型熱処理装置は、反応室内での
ガス流量や酸素混合量は制御可能であるが、装置の構造
上、ウェハの出し入れの際に反応室内への大気の巻き込
みがあり、酸素濃度を低く制御するのは困難な場合があ
る。その点からすると、減圧型熱処理装置の使用が好ま
しい。
【0026】近年、高集積度の半導体デバイスの製造工
程において、浅い接合深さを持つ不純物拡散層を形成す
る際に、イオン注入後の熱処理が短時間で済む急速熱処
理装置(RTP装置)が用いられている。RTP装置と
は、ランプ、白熱線等からの放射光をウェハに照射する
ことによって急速に熱処理が行える装置であり、具体的
にはハロゲンランプアニール装置、アークランプアニー
ル装置、グラファイトヒータアニール装置等が挙げられ
る。また、従来一般のRTP装置は常圧型のものが主流
であったが、最近、減圧型のRTP装置が提供されるよ
うになった。本発明におけるイオン注入の前処理工程に
用いる熱処理装置としては、特に微細化プロセスに適用
するには、この減圧型RTP装置が最適である。ただ
し、他の一般のアニール装置を用いることも勿論可能で
ある。
【0027】ところで、イオン注入の前処理として基板
表面のシリコン酸化膜をエッチングする際には、シリコ
ン酸化膜が薄く残ってもよいし(上記本発明の第1また
は第3の半導体装置の製造方法)、シリコン酸化膜を完
全に除去してもよい(上記本発明の第2または第4の半
導体装置の製造方法)。
【0028】ただし、シリコン酸化膜を残す場合には、
その膜厚を2.5nm以下とし、イオン注入時の加速エ
ネルギーを3keV以下とするのが望ましい。これによ
り、浅い不純物拡散層を形成することができる。また、
このようにすれば、アニール時に基板上に存在するシリ
コン酸化膜の膜厚も2.5nm以下となる。この程度の
膜厚であれば、たとえシリコン酸化膜が存在しても、不
純物の偏析が問題になることはなく、不純物濃度の低下
に伴うシート抵抗の低下を防止することができる。
【0029】さらに、本発明者は、イオン注入時に残せ
るシリコン酸化膜の膜厚の限界について検討を加え、不
純物の種類毎にイオン注入時の加速エネルギーとシリコ
ン酸化膜厚の限界値の関係を明らかにした。これら
(1)〜(3)式の根拠については、後述する。
【0030】例えば砒素イオンの場合、イオン注入工程
において、下記(1)式で表される膜厚dのシリコン酸
化膜を通して、砒素イオンを3keV以下の加速エネル
ギーで注入することが望ましい。 d≦V/1.3 ……(1) (d:シリコン酸化膜の膜厚(nm)、V:加速エネル
ギー(keV))
【0031】ボロンイオンの場合、イオン注入工程にお
いて、下記(2)式で表される膜厚dのシリコン酸化膜
を通して、ボロンイオンを3keV以下の加速エネルギ
ーで注入することが望ましい。 d≦V/0.75 ……(2) (d:シリコン酸化膜の膜厚(nm)、V:加速エネル
ギー(keV))
【0032】フッ化ボロンイオンの場合、イオン注入工
程において、下記(3)式で表される膜厚dのシリコン
酸化膜を通して、フッ化ボロンイオンを3keV以下の
加速エネルギーで注入することが望ましい。 d≦V/1.0 ……(3) (d:シリコン酸化膜の膜厚(nm)、V:加速エネル
ギー(keV))
【0033】一方、シリコン酸化膜を完全に除去し、基
板表面が露出した状態でイオン注入を行う場合において
も、不純物イオンを3keV以下の加速エネルギーで注
入することにより、イオン注入時に基板表面にダメージ
が発生するのを防止することができる。
【0034】また、アニール条件に関して言えば、基板
表面が露出した状態でアニールを行う場合には、熱処理
を酸素含有量100ppm以下の窒素雰囲気中で行うこ
とが望ましい。このように酸素含有量を充分に抑えた条
件でアニールを行うと、アニール時に基板表面にシリコ
ン酸化膜が形成されるのが抑制され、不純物の偏析を防
止することができる。さらに、アニールを1000℃〜
1100℃の温度で行うことが望ましい。これにより、
アニール時の基板表面の荒れを防止することができる。
【0035】ところで、本発明における「不純物イオ
ン」とは、ボロン、フッ化ボロン、砒素、リン等、拡散
層形成に通常用いられるイオンのことである。不純物イ
オンとして、特にボロンまたはフッ化ボロンを用いた場
合には、シリコン酸化膜を完全に除去し、基板表面が露
出した状態でアニールを行うことが望ましい。ボロン系
の不純物を注入する場合、偏析によるシート抵抗値の増
大の他に、増速拡散の問題があるからである。
【0036】増速拡散の現象について図11〜図14を
用いて説明する。図11は、シリコン基板に対して酸化
膜を通さずに直接ボロンをイオン注入した後、基板表面
を露出したままの状態、もしくは基板表面に再度カバー
酸化膜を形成した状態でアニールを行った場合のボロン
の深さ方向の濃度分布を測定したものである。カバー酸
化膜の有無の各々の場合に対して、アニール雰囲気を窒
素100%(ただし、100ppm以下の酸素を含有す
る)とした場合、窒素90%、酸素10%とした場合の
計4仕様で作製した試料に対して測定を行った。ボロン
濃度の測定は2次イオン質量分析法(SIMS)により
行った。イオン注入の加速エネルギーは0.5keVと
し、注入イオン濃度は5×1014cm-2とした。なお、
図11の横軸は、原点を基板表面とした基板の深さ方向
の位置を示している。
【0037】また、図12〜図14は、不純物の種類を
変えてイオン注入の加速エネルギーと増速拡散距離との
関係を調べたものである。図12はボロン、図13はフ
ッ化ボロン、図14は砒素を用いたものである。
【0038】図12〜図14に示された結果から、以下
の知見が得られる。 増速拡散は、ボロン系の不純物を用いた場合に起こ
る。 増速拡散は、基板表面にカバー酸化膜が存在する場
合に起こる。 カバー酸化膜が存在しない場合でも、アニールを酸
素含有雰囲気中で行った場合には、増速拡散が起こる。 増速拡散は、加速エネルギーが小さい場合(注入深
さが浅い場合)に、特に顕著となる。したがって、ボロ
ン系の不純物を用いる場合は、カバー酸化膜を形成せ
ず、また、酸素を含有しない雰囲気中でアニールを行う
ことが好ましく、これにより、増速拡散を効果的に抑制
することができる。
【0039】上述したように、増速拡散は加速エネルギ
ーが小さい場合(注入深さが浅い場合)に、特に顕著と
なる。その理由については必ずしも明らかではないが、
本発明者は以下のように推察している。
【0040】図15は、増速拡散が起こる機構を説明す
るための図である。一般に、イオン注入が行われた後、
シリコン基板中には点欠陥が生じる。この点欠陥は、ア
ニールにより基板表面方向へ移動する。ここで、注入深
さが浅い場合、図15(a)に示すように、点欠陥層3
0は基板4の表面に到達して消滅する。ところが、アニ
ール時にカバー酸化膜が存在すると、図15(b)に示
すように、点欠陥層30は、カバー酸化膜31に邪魔さ
れて基板4の表面に到達することができず、基板4中に
残存することになる。そして、点欠陥が残存する基板中
では不純物の拡散が速くなるために、増速拡散が起こる
ものと考えられる。
【0041】一方、注入深さが深い場合は、図15
(c)に示すように、点欠陥層30の位置から基板4の
表面までの距離が長いため、カバー酸化膜が存在しなく
ても点欠陥層30は基板4の表面に到達することができ
ず、基板4中に残存することになる。このため、カバー
酸化膜の有無による拡散距離の差が発生せず、増速拡散
が起こらないと考えられる。なお、この現象がボロン系
のイオン注入の場合に特異的に起こる原因は不明であ
り、これらの不純物では点欠陥の存在による増速拡散が
大きい、ということがわかっているのみである。
【0042】本発明の不純物注入活性化処理装置は、酸
素ガスを含む不活性ガス雰囲気中の減圧下で被処理基板
に対して熱処理を行うRTP装置と、減圧下で被処理基
板に対してイオン注入を行うイオン注入装置と、RTP
装置とイオン注入装置との間を連結し、これら装置間で
被処理基板を減圧状態を維持したままで搬送する基板搬
送部とを有することを特徴とするものである。
【0043】また、本発明の他の不純物注入活性化処理
装置は、水素ガスを含むガス雰囲気中の減圧下で被処理
基板に対して熱処理を行う水素ベーク装置と、減圧下で
被処理基板に対してイオン注入を行うイオン注入装置
と、酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気中の減圧下で被処
理基板に対して熱処理を行うRTP装置と、水素ベーク
装置とイオン注入装置との間を連結し、これら装置間で
被処理基板を減圧状態を維持したままで搬送する第1の
基板搬送部と、イオン注入装置とRTP装置との間を連
結し、これら装置間で被処理基板を減圧状態を維持した
ままで搬送する第2の基板搬送部とを有することを特徴
とするものである。
【0044】上述したように、本発明の半導体装置の製
造方法によれば、イオン注入工程の前処理にアニール工
程用のRTP装置を転用することができ、装置の有効利
用を図ることができる。ところが、RTP装置とイオン
注入装置がそれぞれ別体の装置であると、RTP装置で
前処理を終わったウェハをイオン注入装置に搬送する間
でウェハが大気に触れ、自然酸化膜が形成されることに
なる。すると、結局、酸化膜が付いた状態でイオン注入
が行われることになり、好ましくない。また、自然酸化
膜の形成を防止しようとすると、ウェハの出し入れが難
しくなったり、待ち時間の間、真空保管庫に保管する等
の面倒が生じる。
【0045】これに対して、本発明の不純物注入活性化
処理装置は、減圧型のRTP装置とイオン注入装置とを
備え、減圧状態でウェハを搬送する機能を有する基板搬
送部でこれら装置間を連結した構成とした。この構成に
より、前処理が終わったウェハが大気に触れることな
く、基板搬送部を通ってイオン注入装置内に導入される
ため、ウェハ上に自然酸化膜が形成されることがない。
また、イオン注入後のウェハは、基板搬送部を通って再
度RTP装置内に導入され、アニールを行うことができ
る。したがって、イオン注入終了後からアニール開始ま
での間でも、自然酸化膜が形成されることがない。この
ように、本装置は、処理中一度も大気に触れることな
く、前処理(酸化膜エッチング)、イオン注入、アニー
ルを一貫処理することができ、本発明特有の不純物拡散
層の形成を理想的に実現することができる。また、全体
が非常にコンパクトな装置となり、クリーンルーム内の
省スペース化に寄与することもできる。
【0046】また、前処理用として水素ベーク装置、ア
ニール用としてRTP装置を備え、これら装置とイオン
注入装置との間を減圧搬送可能な第1の基板搬送部、第
2の基板搬送部で連結する構成としてもよい。この場合
も、上記の装置と同様の効果を得ることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発
明の第1の実施の形態を図1、図2を参照して説明す
る。図1は本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明
するための工程断面図である。本実施の形態は不純物拡
散層の形成に係わる工程のみを示しており、種々の半導
体デバイスの製造プロセスに適用することが可能であ
る。また、図2は本実施の形態で用いる製造装置を示す
ものであり、符号1は減圧型RTP装置、2はイオン注
入装置、3は常圧型RTP装置である。
【0048】本実施の形態の不純物拡散層の形成方法
は、イオン注入前の前処理工程として減圧型RTP装置
1を用いて、図1(a)に示すように、シリコン基板4
に熱処理を施し、それ以前に表面に形成されているシリ
コン酸化膜5の膜厚tが2.5nm以下になるように薄
膜化する。この減圧型RTP装置1は、通常は製造ライ
ン内でアニール工程用として使用されている装置であ
る。
【0049】本実施の形態で用いる減圧型RTP装置1
は、図2に示すように、1つの反応室7と1つのロード
ロック室8が設けられた1チャンバータイプの装置であ
る。反応室7の内部には、ウェハを保持するステージ
(図示略)、ハロゲンランプ等の加熱源(図示略)等が
設置されている。また、反応室7は、真空ポンプ(図示
略)により任意の真空度に減圧可能であるとともに、導
入する窒素ガスの流量が調節可能となっている。さら
に、窒素ガス中の酸素の含有量は下限が20ppm〜3
0ppm程度まで制御可能となっている。よって、この
反応室7内において、微量の酸素を含む窒素雰囲気中の
減圧下でウェハの加熱が行えるようになっている。ま
た、ロードロック室8の側方にはウェハ保管室9が設け
られ、搬送ロボット10によりローダ・アンローダ用治
具11とロードロック室8との間でウェハの搬出入が行
われる。
【0050】本実施の形態の場合、この前処理工程での
熱処理条件は、温度を800℃〜900℃程度、真空度
を10-7Torr〜10-4Torr、酸素濃度を100
0ppm〜10%、時間を60秒〜300秒、とする。
【0051】次に、図1(b)に示すように、前処理終
了後、表面に膜厚2.5nm以下のシリコン酸化膜5が
形成されたシリコン基板4に対して、図2に示すイオン
注入装置2を用い、3keV以下の加速エネルギーで不
純物イオンを注入する。ここでは、前処理終了後からイ
オン注入作業開始までの待ち時間は短時間であって、こ
の間での自然酸化膜の成長はなく、イオン注入時のシリ
コン酸化膜厚は依然として2.5nm以下が保たれてい
るものとする。ここで用いる不純物イオンは、ボロン、
フッ化ボロン、砒素、リン等、通常のp型またはn型拡
散層の形成に用いるイオンとする。イオンドーズ量に関
しては、所望のシート抵抗に合わせて適宜設定すればよ
い。なお、図2に示すイオン注入装置2は、イオン生成
室12、質量分析室13、エンドステーション14等を
備えたごく一般的なものである。
【0052】次に、図1(c)に示すように、イオン注
入後のシリコン基板4に対して、表面のシリコン酸化膜
5を残したままの状態で、図2に示す常圧型RTP装置
3を用いてアニールを行う。このアニールにより、不純
物イオンが拡散され、イオン注入時に生じた結晶欠陥が
回復し、イオンの活性化処理がなされる。以上の工程に
より、シリコン基板4の表面に不純物拡散層15が形成
される。ここでも、イオン注入終了後からアニール開始
までの待ち時間は短時間であって、自然酸化膜の成長は
なく、アニール時のシリコン酸化膜厚は依然として2.
5nm以下が保たれているものとする。
【0053】図2に示す常圧型RTP装置3は、前面に
開閉扉16aを有する反応室16とウェハ保管室17と
を有しており、搬送ロボット18によりローダ・アンロ
ーダ用治具(図示略)と反応室16との間でウェハの搬
出入が行われる。反応室16の内部には、ウェハを保持
するステージ(図示略)、ハロゲンランプ等の加熱源
(図示略)等が設置され、導入窒素ガスの流量および窒
素ガス中に含有する酸素の混合量が調節可能となってい
る。よって、この反応室16内において、酸素を含む窒
素雰囲気中でウェハの加熱が行えるようになっている。
【0054】本実施の形態の場合、このアニール工程で
の熱処理条件は、温度を1000℃程度、常圧、酸素濃
度を100ppm〜1000ppm、時間を10秒程
度、とする。
【0055】本実施の形態の半導体装置の製造方法にお
いては、イオン注入前処理の酸化膜エッチングにウェッ
トエッチングを用いないため、エッチング液中に含まれ
る不純物や異物に起因するコンタミネーションの問題、
後洗浄、乾燥作業の時間や処理設備に起因する生産性低
下の問題等を解消することができる。また、本実施の形
態の方法は、イオン注入時、アニール時ともにシリコン
酸化膜5を残す方法であるが、シリコン酸化膜厚tを
2.5nm以下とし、イオン注入時の加速エネルギーを
3keV以下としているため、不純物の偏析によるシー
ト抵抗の低下が生じることなく、所望のシート抵抗値を
有する浅い接合深さの不純物拡散層15を形成すること
ができる。
【0056】さらに、本実施の形態では、前処理に減圧
型RTP装置1、アニールに常圧RTP装置3を用い
た。製造ライン中にアニール装置としてもともと減圧型
RTP装置1と常圧RTP装置3が具備されていたとす
ると、常圧RTP装置3の方を本来のアニール工程に用
い、減圧RTP装置1の方をイオン注入前処理に転用し
たことにより、製造ライン内の装置の有効利用が図れ
る。これにより、装置の稼働率が高く、効率的な製造ラ
インを実現することができる。
【0057】[第2の実施の形態]以下、本発明の第2
の実施の形態を図3、図4を参照して説明する。図3は
本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための
工程断面図である。第1の実施の形態が薄いシリコン酸
化膜を残した状態でイオン注入、アニールを行う方法で
あったのに対し、本実施の形態はシリコン酸化膜を完全
に除去した状態でイオン注入、アニールを行う方法を例
に挙げて説明する。図4は本実施の形態で用いる製造装
置を示すものであり、イオン注入前処理、イオン注入、
アニールの3工程の一貫処理が可能な不純物注入活性化
処理装置19である。
【0058】本実施の形態の不純物拡散層の形成は、図
4に示す不純物注入活性化処理装置19を用いて行わ
れ、イオン注入前処理、イオン注入、アニールの3工程
が本装置内で一貫処理される。
【0059】不純物注入活性化処理装置19は、図4に
示すように、水素ベーク装置20とイオン注入装置2と
減圧型RTP装置1とを備えており、水素ベーク装置2
0とイオン注入装置2が第1のウェハ搬送室21(第1
の基板搬送部)で連結され、イオン注入装置2と減圧型
RTP装置1が第2のウェハ搬送室22(第2の基板搬
送部)で連結されている。第1、第2のウェハ搬送室2
1、22はともに、内部にウェハを搬送するためのロボ
ット、ベルト搬送機構等、任意のウェハ搬送手段(図示
略)を備えるとともに、真空ポンプ(図示略)により内
部が真空排気可能に構成されている。そして、第1のウ
ェハ搬送室21はゲートバルブ23を介して水素ベーク
装置20のウェハ保管室25とイオン注入装置2のエン
ドステーション14の間を連結し、第2のウェハ搬送室
22はゲートバルブ23を介してイオン注入装置2のエ
ンドステーション14と減圧型RTP装置1のウェハ保
管室9との間を連結している。また、本装置19は制御
部(図示略)を備え、オペレータが前処理、イオン注
入、アニール時の各条件を設定できるようになってお
り、スタートスイッチを操作すれば、ウェハが自動的に
搬送されて前処理、イオン注入、アニールが順次連続的
に行われるようになっている。
【0060】まず最初に、オペレータが処理しようとす
るウェハを不純物注入活性化処理装置19にセットし、
スタートスイッチを操作すると、ウェハが水素ベーク装
置20の反応室24内に搬入され、イオン注入の前処理
として水素ベーク処理が行われる。ここでは、水素ガス
雰囲気中の減圧下でシリコン基板4に熱処理を施し、図
3(a)に示すように、それ以前に表面に形成されてい
るシリコン酸化膜を完全に除去する。
【0061】本実施の形態の場合、この前処理工程での
水素ベーク処理条件は、温度を950℃程度、真空度を
30Torr程度、時間を5分程度、とする。
【0062】前処理終了後、ウェハは第1のウェハ搬送
室21を通ってイオン注入装置2内に搬入される。この
際、第1のウェハ搬送室21内は所定の真空度に真空排
気されており、前処理が終わった後のウェハは減圧状態
のままで大気に触れることなく、イオン注入装置2内に
搬入される。そして、イオン注入装置2において、図3
(b)に示すように、表面が露出したシリコン基板4に
対して、3keV以下の加速エネルギーで不純物イオン
を注入する。ここで用いる不純物イオンは、ボロン、フ
ッ化ボロン、砒素、リン等、通常のp型またはn型拡散
層の形成に用いるイオンとする。イオンドーズ量に関し
ては、所望のシート抵抗に合わせて適宜設定すればよ
い。
【0063】イオン注入終了後、ウェハは第2のウェハ
搬送室22を通って減圧型RTP装置1内に搬入され
る。この際、第2のウェハ搬送室22内は所定の真空度
に真空排気されており、イオン注入終了後のウェハは減
圧状態のままで大気に触れることなく、減圧型RTP装
置1内に搬入される。そして、減圧型RTP装置1にお
いて、図3(c)に示すように、イオン注入後のシリコ
ン基板4に対して、表面が露出したままの状態でアニー
ルを行う。このアニールにより、不純物イオンが拡散さ
れ、活性化処理がなされる。以上の工程により、シリコ
ン基板4の表面に不純物拡散層15が形成される。
【0064】本実施の形態の場合、このアニール工程で
の熱処理条件は、温度を1000℃程度、真空度を10
-4Torr程度、酸素濃度を10%程度、時間を10秒
程度とする。
【0065】本実施の形態の半導体装置の製造方法にお
いても、ウェット処理に伴う基板のコンタミネーション
や生産性低下の問題を解消できる、という第1の実施の
形態と同様の効果を奏することができる。また、前処理
(酸化膜エッチング)、イオン注入、アニールが一貫し
て不純物注入活性化処理装置19の内部で行われ、これ
ら3つの工程の処理の間、ウェハが全く大気に触れるこ
とがない。したがって、表面が完全に露出したシリコン
基板4であっても、表面に自然酸化膜が形成される恐れ
が全くない。よって、シリコン酸化膜中への不純物の偏
析によるシート抵抗の低下が生じることなく、所望のシ
ート抵抗値を有する浅い接合深さの不純物拡散層を形成
することができる。
【0066】また、本実施の形態の方法では、カバー酸
化膜を形成せず、さらに酸素濃度は10%であっても減
圧下でアニールを行っているため、ボロン系の不純物を
イオン注入する場合であっても、増速拡散を効果的に抑
制することができる。
【0067】さらに、本実施の形態では、イオン注入前
処理、イオン注入、アニールの3工程の一貫処理が可能
な不純物注入活性化処理装置19を使用したことによ
り、これらの工程に個別の処理装置を用いていた従来の
場合に比べて、装置の占有面積を大きく削減することが
でき、クリーンルーム内の省スペース化に寄与すること
ができる。
【0068】[第3の実施の形態]以下、本発明の第3
の実施の形態を図1、図5を参照して説明する。本実施
の形態の半導体装置の製造方法は、第1の実施の形態と
同様、薄いシリコン酸化膜を残した状態でイオン注入、
アニールを行う方法である。そして、使用装置に関して
は、第2の実施の形態で用いた装置が、水素ベーク装
置、イオン注入装置、減圧RTP装置を連結した装置で
あったのに対し、本実施の形態で用いる製造装置は、図
5に示すように、減圧RTP装置とイオン注入装置のみ
を連結した装置である。この装置も、第2の実施の形態
の装置と同様、イオン注入前処理、イオン注入、アニー
ルの3工程の一貫処理が可能な不純物注入活性化処理装
置26である。
【0069】本実施の形態の不純物注入活性化処理装置
26は、図5に示すように、減圧型RTP装置1とイオ
ン注入装置2を備えており、減圧型RTP装置1のウェ
ハ保管室9とイオン注入装置2のエンドステーション1
4がゲートバルブ27を介してウェハ搬送室28(基板
搬送部)で連結されている。ウェハ搬送室28は、内部
にロボット、ベルト搬送機構等、双方向にウェハの搬送
が可能な任意のウェハ搬送手段(図示略)を備えるとと
もに、真空ポンプ(図示略)により内部が真空排気可能
に構成されている。また、本装置26は制御部(図示
略)を備え、オペレータが前処理、イオン注入、アニー
ル時の各条件を設定できるようになっており、スタート
スイッチを操作すれば、ウェハが自動的に搬送されて前
処理、イオン注入、アニールが順次連続的に行われるよ
うになっている。
【0070】まず最初に、オペレータが処理しようとす
るウェハを不純物注入活性化処理装置26にセットし、
スタートスイッチを操作すると、ウェハが減圧型RTP
装置1の反応室7に搬入され、イオン注入の前処理とし
て微量の酸素ガスを含む窒素ガス雰囲気中の減圧下で熱
処理が行われる。本実施の形態の場合、この前処理工程
での熱処理条件は、温度を800℃〜900℃程度、真
空度を10-7Torr〜10-4Torr、酸素濃度を1
000ppm〜10%、時間を60秒〜300秒、とす
る。この熱処理により、図1(a)に示すように、シリ
コン基板4表面のシリコン酸化膜5はその膜厚tが2.
5nm以下となる。
【0071】前処理終了後、ウェハはウェハ搬送室28
を通ってイオン注入装置2内に搬入される。この際、ウ
ェハ搬送室28内は所定の真空度に真空排気されてお
り、前処理終了後のウェハは減圧状態のままで大気に触
れることなく、イオン注入装置2内に搬入される。そし
て、イオン注入装置2において、図1(b)に示すよう
に、シリコン基板4に対して、膜厚2.5nmのシリコ
ン酸化膜5を通して3keV以下の加速エネルギーで不
純物イオンを注入する。ここで用いる不純物イオンは、
ボロン、フッ化ボロン、砒素、リン等、通常のp型また
はn型拡散層の形成に用いるイオンとする。イオンドー
ズ量に関しては、所望のシート抵抗に合わせて適宜設定
すればよい。
【0072】イオン注入終了後、ウェハはウェハ搬送室
28を通って減圧型RTP装置1内に再度搬入される。
この際にも、ウェハ搬送室28内は所定の真空度に真空
排気されており、イオン注入終了後のウェハは減圧状態
のままで大気に触れることなく、減圧型RTP装置1内
に搬入される。そして、減圧型RTP装置1において、
図1(c)に示すように、イオン注入後のシリコン基板
4に対して、膜厚2.5nmのシリコン酸化膜5が表面
に形成された状態でアニールを行う。このアニールによ
り、不純物イオンが拡散され、イオンの活性化処理がな
される。以上の工程により、シリコン基板4の表面に不
純物拡散層15が形成される。
【0073】本実施の形態の場合、このアニール工程で
の熱処理条件は、温度を1000℃程度、真空度を10
-4Torr程度、酸素濃度を10%程度、時間を10秒
程度とする。
【0074】本実施の形態の半導体装置の製造方法にお
いても、ウェット処理に伴う基板のコンタミネーション
や生産性低下の問題を解消できる、前処理(酸化膜エッ
チング)、イオン注入、アニールが一貫して不純物注入
活性化処理装置26の内部で行われウェハが大気に触れ
ないため、基板表面に自然酸化膜が成長せず、不純物の
偏析によるシート抵抗の低下が生じることがない、とい
った第1、第2の実施の形態と同様の効果を奏すること
ができる。
【0075】さらに、本実施の形態では、減圧型RTP
装置1とイオン注入装置2のみを連結した不純物注入活
性化処理装置26を使用し、減圧型RTP装置1が前処
理とアニールを兼用する構成としたことによって、第2
の実施の形態で用いた装置と比べて、さらなる装置の小
型化を図ることができる。
【0076】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば上記実施の形態で提示した減圧型RTP装置は1チ
ャンバータイプであったが、2チャンバータイプの装置
を用いてもよい。また、各工程の具体的な処理条件等に
関しては、上記実施の形態に限ることなく、適宜変更が
可能なことは勿論である。
【0077】
【実施例】[実施例1]ここで、本発明の半導体装置の
製造方法によりシート抵抗値の増大を抑制できる効果に
ついて実際に検証した。その結果について説明する。
【0078】まず、シリコンウェハの表面に膜厚2.5
nmのシリコン酸化膜を形成した。この際には、膜厚
2.5nm以上の自然酸化膜が形成されたウェハを用意
し、このウェハに第1の実施の形態に示す方法、すなわ
ち減圧型RTP装置を用いてシリコン酸化膜のエッチン
グを行う方法により、シリコン酸化膜をほぼ2.5nm
の膜厚とした。
【0079】次に、ウェハ表面のシリコン酸化膜を通し
てボロンをイオン注入した。イオン注入の条件は、加速
エネルギーを2keV、注入イオン濃度を5×1014
-2とした。イオン注入後、シリコン酸化膜を残したま
ま、減圧型RTP装置を用いてアニールを行った。アニ
ール雰囲気は酸素含有量100ppm以下の窒素雰囲気
下とし、温度プロファイルは以下のようにした。昇温開
始温度を室温として10秒間で500℃まで昇温し、3
0秒間保持した後、10秒間で1000℃まで昇温し、
10秒間保持した後、急冷(通常、100℃/秒〜15
0℃/秒)した。以上により、シリコンウェハ表面に不
純物拡散層を形成した。
【0080】上記シリコンウェハの面内の49点につい
てシート抵抗を測定し、平均値を算出したところ、23
1.7Ω/□であった。一方、上記と同じ手順でシリコ
ン酸化膜を形成せずにイオン注入、アニールを行ったウ
ェハでは232.7Ω/□であり、両者の抵抗値は同等
であった。すなわち、膜厚2.5nmのシリコン酸化膜
を形成することによるシート抵抗値の増大は認められな
かった。
【0081】[実施例2]次に、薄いシリコン酸化膜を
残した状態でイオン注入、アニールを行う方法におい
て、不純物の種類毎にイオン注入時の加速エネルギーと
シリコン酸化膜厚の限界値の関係を調べた。その結果に
ついて、説明する。
【0082】実施例1と同様の手順で、ボロンイオンの
加速エネルギー、シリコン酸化膜の膜厚を変えて、シー
ト抵抗値の評価を行った。結果を図6に示す。図中の黒
丸は、シリコン酸化膜を設けずにイオン注入およびアニ
ールを行った場合と比較したときのシート抵抗の増大分
が1%未満となる条件を示す。このレベルであれば、実
用上問題がない。1%を基準とした理由は、プロセスの
再現性およびシート抵抗の測定器の精度を考慮したこと
による。例えば、図中、加速エネルギー2keV、シリ
コン酸化膜厚2.5nmの点は黒丸となっているが、こ
れは、シリコン酸化膜を設けなかったこと以外は、イオ
ン注入条件、アニール条件等、他の製造条件を全て同じ
にして拡散層を形成した試料を基準としたときに、シー
ト抵抗の増分が1%未満であったことを示す(この点の
場合は、前述のように、酸化膜無しで232.7Ω/
□、酸化膜有りで231.7Ω/□であった)。
【0083】図6に示された結果から、ボロンを注入す
る場合、シリコン酸化膜の膜厚dを下記(2)式を満足
するように設定すれば、良好なシート抵抗値が得られる
ことがわかった。 d≦V/0.75 ……(2) (d:シリコン酸化膜の膜厚(nm)、V:加速エネル
ギー(keV))
【0084】上記と同様にして、加速エネルギー、シリ
コン酸化膜の膜厚とシート抵抗の変動の有無をボロン以
外の不純物についても評価した。砒素を用いた場合の結
果を図7に、フッ化ボロンを用いた場合の結果を図8に
示す。
【0085】図7に示された結果から、砒素を注入する
場合、シリコン酸化膜の膜厚dを下記(1)式を満足す
るように設定すれば、良好なシート抵抗値が得られるこ
とがわかった。 d≦V/1.3 ……(1) (d:シリコン酸化膜の膜厚(nm)、V:加速エネル
ギー(keV))
【0086】図8に示された結果から、フッ化ボロンを
注入する場合、シリコン酸化膜の膜厚dを下記(3)式
を満足するように設定すれば、良好なシート抵抗値が得
られることがわかった。 d≦V/1.0 ……(3) (d:シリコン酸化膜の膜厚(nm)、V:加速エネル
ギー(keV))
【0087】また、リンについては特に図示していない
が、シリコン酸化膜の膜厚の上限値と加速エネルギーと
の間に、上記と同様、一定の関係が存在することは言う
までもない。
【0088】また、カバー酸化膜を設けずに窒素雰囲気
中(酸素雰囲気100ppm以下)でアニールを行う場
合には、基板表面の荒れを防止するため、アニールを限
界時間内で完了することが望ましい。「限界時間」につ
いて、以下、図9を参照して説明する。
【0089】図9は、ボロン注入を行った場合の限界時
間を示すものである。カバー酸化膜を設けずにボロン注
入し、窒素100%雰囲気でアニールした場合、一定時
間が経過すると、ウェハ表面の荒れが発生する。このウ
ェハ表面の荒れが発生するまでの時間を限界時間と称す
る。図9では加速エネルギー1keV、ドーズ量1×1
15cm-2の条件でボロン注入した後、窒素100%雰
囲気でアニールし、アニール前のベアウェハと同等の表
面粗さが維持される時間を限界時間としている。ここ
で、表面粗さはAFM測定におけるRa値をいう。
【0090】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
半導体装置の製造方法によれば、イオン注入前処理の酸
化膜エッチングにウェット処理を用いないため、エッチ
ング液中に含まれる不純物や異物に起因するコンタミネ
ーションの問題、後洗浄、乾燥作業の時間や処理設備に
起因する生産性低下の問題等を解消することができる。
また、薄いシリコン酸化膜を通して、もしくはシリコン
酸化膜がない状態で、低い加速エネルギーによるイオン
注入とアニールとを行っているため、不純物の偏析によ
るシート抵抗の低下が生じることなく、所望のシート抵
抗値を有する浅い接合深さの不純物拡散層を形成するこ
とができる。また、本発明では、元来アニール工程用の
RTP装置をイオン注入の前処理に転用することがで
き、装置の稼働率が高く、効率的な製造ラインを実現す
ることができる。さらに、本発明の不純物注入活性化処
理装置の使用により、拡散層形成工程に係わる装置の占
有面積を従来に比べて大きく削減することができ、クリ
ーンルームの省スペース化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製
造方法を示す工程断面図である。
【図2】 同方法に用いる装置を示す図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態の半導体装置の製
造方法を示す工程断面図である。
【図4】 同方法に用いる不純物注入活性化処理装置を
示す図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態の半導体装置の製
造方法に用いる不純物注入活性化処理装置を示す図であ
る。
【図6】 本発明の実施例において、ボロンを注入した
場合におけるイオン加速エネルギー、シリコン酸化膜の
膜厚とシート抵抗値の変動との関係を示す図である。
【図7】 砒素を注入した場合におけるイオン加速エネ
ルギー、シリコン酸化膜の膜厚とシート抵抗値の変動と
の関係を示す図である。
【図8】 フッ化ボロンを注入した場合におけるイオン
加速エネルギー、シリコン酸化膜の膜厚とシート抵抗値
の変動との関係を示す図である。
【図9】 ボロン注入を行ったときのアニール温度と限
界時間の関係を示す図である。
【図10】 熱処理による酸化膜エッチングを行う方法
において、酸素濃度を一定にした時の熱処理時の温度と
真空度との関係を示す図である。
【図11】 ボロンの増速拡散の現象を示す図であり、
種々の条件でアニールを行った場合のボロンの深さ方向
の濃度分布を測定したグラフである。
【図12】 ボロンを注入した場合における加速エネル
ギーと増速拡散距離との関係を示す図である。
【図13】 フッ化ボロンを注入した場合における加速
エネルギーと増速拡散距離との関係を示す図である。
【図14】 砒素を注入した場合における加速エネルギ
ーと増速拡散距離との関係を示す図である。
【図15】 増速拡散が起こる機構を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 減圧型RTP装置 2 イオン注入装置 3 常圧型RTP装置 4 シリコン基板 5 シリコン酸化膜 15 不純物拡散層 19,26 不純物注入活性化処理装置 20 水素ベーク装置 21 第1のウェハ搬送室(第1の基板搬送部) 22 第2のウェハ搬送室(第2の基板搬送部) 28 ウェハ搬送室(基板搬送部)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板表面に不純物拡散層が形成
    された半導体装置の製造方法であって、表面にシリコン
    酸化膜が形成されたシリコン基板に対して熱処理装置を
    用いて酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気中で熱処理を行
    うことにより、前記シリコン酸化膜を薄膜化する前処理
    工程と、該前処理工程を経た後のシリコン基板に対して
    前記薄膜化したシリコン酸化膜を通して不純物イオンを
    注入するイオン注入工程と、該イオン注入工程を経た
    後、表面に前記シリコン酸化膜が残ったシリコン基板に
    対して熱処理装置を用いて酸素ガスを含む不活性ガス雰
    囲気中で熱処理を行うことにより、前記不純物イオンを
    活性化処理するアニール工程とを有することを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記前処理工程で用いる熱処理装置と前
    記アニール工程で用いる熱処理装置が同一の急速熱処理
    装置であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装
    置の製造方法。
  3. 【請求項3】 シリコン基板表面に不純物拡散層が形成
    された半導体装置の製造方法であって、表面にシリコン
    酸化膜が形成されたシリコン基板に対して水素ベーク装
    置を用いて水素ガスを含むガス雰囲気中で熱処理を行う
    ことにより、前記シリコン酸化膜を薄膜化する前処理工
    程と、該前処理工程を経た後のシリコン基板に対して前
    記薄膜化したシリコン酸化膜を通して不純物イオンを注
    入するイオン注入工程と、該イオン注入工程を経た後、
    表面に前記シリコン酸化膜が残ったシリコン基板に対し
    て熱処理装置を用いて酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気
    中で熱処理を行うことにより、前記不純物イオンを活性
    化処理するアニール工程とを有することを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記イオン注入工程において、2.5n
    m以下の膜厚に薄膜化した前記シリコン酸化膜を通し
    て、前記不純物イオンを3keV以下の加速エネルギー
    で注入することを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記イオン注入工程において、下記
    (1)式で表される膜厚dに薄膜化した前記シリコン酸
    化膜を通して、砒素イオンを3keV以下の加速エネル
    ギーで注入することを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の半導体装置の製造方法。 d≦V/1.3 ……(1) (d:シリコン酸化膜の膜厚(nm)、V:加速エネルギー(keV))
  6. 【請求項6】 前記イオン注入工程において、下記
    (2)式で表される膜厚dに薄膜化した前記シリコン酸
    化膜を通して、ボロンイオンを3keV以下の加速エネ
    ルギーで注入することを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の半導体装置の製造方法。 d≦V/0.75 ……(2) (d:シリコン酸化膜の膜厚(nm)、V:加速エネルギー(keV))
  7. 【請求項7】 前記イオン注入工程において、下記
    (3)式で表される膜厚dに薄膜化した前記シリコン酸
    化膜を通して、フッ化ボロンイオンを3keV以下の加
    速エネルギーで注入することを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。 d≦V/1.0 ……(3) (d:シリコン酸化膜の膜厚(nm)、V:加速エネルギー(keV))
  8. 【請求項8】 シリコン基板表面に不純物拡散層が形成
    された半導体装置の製造方法であって、表面にシリコン
    酸化膜が形成されたシリコン基板に対して熱処理装置を
    用いて酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気中で熱処理を行
    うことにより、前記シリコン酸化膜を除去する前処理工
    程と、該前処理工程を経た後のシリコン基板の表面に直
    接不純物イオンを注入するイオン注入工程と、該イオン
    注入工程を経た後、表面が露出した状態のシリコン基板
    に対して熱処理装置を用いて酸素ガスを含む不活性ガス
    雰囲気中で熱処理を行うことにより、前記不純物イオン
    を活性化処理するアニール工程とを有することを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記前処理工程で用いる熱処理装置と前
    記アニール工程で用いる熱処理装置が同一の急速熱処理
    装置であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装
    置の製造方法。
  10. 【請求項10】 シリコン基板表面に不純物拡散層が形
    成された半導体装置の製造方法であって、表面にシリコ
    ン酸化膜が形成されたシリコン基板に対して水素ベーク
    装置を用いて水素ガスを含むガス雰囲気中で熱処理を行
    うことにより、前記シリコン酸化膜を除去する前処理工
    程と、該前処理工程を経た後のシリコン基板の表面に直
    接不純物イオンを注入するイオン注入工程と、該イオン
    注入工程を経た後、表面が露出した状態のシリコン基板
    に対して熱処理装置を用いて酸素ガスを含む不活性ガス
    雰囲気中で熱処理を行うことにより、前記不純物イオン
    を活性化処理するアニール工程とを有することを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記イオン注入工程において、前記不
    純物イオンを3keV以下の加速エネルギーで注入する
    ことを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載
    の半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記アニール工程において、前記熱処
    理を酸素含有量100ppm以下の窒素雰囲気中で行う
    ことを特徴とする請求項8ないし11のいずれかに記載
    の半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記アニール工程において、前記熱処
    理を1000℃ないし1100℃の温度で行うことを特
    徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記イオン注入工程における不純物イ
    オンが、ボロンまたはフッ化ボロンであることを請求項
    8ないし13のいずれかに記載の半導体装置の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 前記前処理工程において、内部を減圧
    状態とした急速熱処理装置を用いて前記熱処理を行うこ
    とを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の
    半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気中の
    減圧下で被処理基板に対して熱処理を行う急速熱処理装
    置と、減圧下で前記被処理基板に対してイオン注入を行
    うイオン注入装置と、前記急速熱処理装置と前記イオン
    注入装置との間を連結し、これら装置間で前記被処理基
    板を減圧状態を維持したままで搬送する基板搬送部とを
    有することを特徴とする不純物注入活性化処理装置。
  17. 【請求項17】 水素ガスを含むガス雰囲気中の減圧下
    で被処理基板に対して熱処理を行う水素ベーク装置と、
    減圧下で前記被処理基板に対してイオン注入を行うイオ
    ン注入装置と、酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気中の減
    圧下で前記被処理基板に対して熱処理を行う急速熱処理
    装置と、前記水素ベーク装置と前記イオン注入装置との
    間を連結し、これら装置間で前記被処理基板を減圧状態
    を維持したままで搬送する第1の基板搬送部と、前記イ
    オン注入装置と前記急速熱処理装置との間を連結し、こ
    れら装置間で前記被処理基板を減圧状態を維持したまま
    で搬送する第2の基板搬送部とを有することを特徴とす
    る不純物注入活性化処理装置。
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