JPH0827931B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0827931B2
JPH0827931B2 JP61151175A JP15117586A JPH0827931B2 JP H0827931 B2 JPH0827931 B2 JP H0827931B2 JP 61151175 A JP61151175 A JP 61151175A JP 15117586 A JP15117586 A JP 15117586A JP H0827931 B2 JPH0827931 B2 JP H0827931B2
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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは、い
わゆるハードタイプの磁気ディスク、磁気ドラム等の耐
久性等の改善に関するものである。
先行技術とその問題点 磁気ディスク装置に用いられる磁気記録媒体は、一般
に磁気ディスク、またはディスク媒体と呼ばれ、その基
本構造はドーナツ状の基板と通常その両面に設層された
磁性層を有している。
このような記録媒体の基板材質は、例えばアルミ合金
等のハード材と、磁気テープ媒体と同じマイラーなどの
プラスチック材の二種類があり、一般に前者をハードタ
イプの磁気ディスク、後者をフレキシブルディスクと呼
んでいる。
ところで、磁気ディスク装置、磁気ドラム装置におけ
る磁気記録媒体、特にハードタイプの磁気ディスクで
は、磁気ヘッドとの機械的接触に対する耐久性、耐摩耗
性等の点で問題があり、そのため通常これらの磁気記録
媒体には保護膜が施される。このような媒体と保護膜と
して、従来無機保護膜あるいは固体潤滑剤等の潤滑膜を
設けることが知られている。
無機保護膜としては、Rh、Cr(特公昭52−18001号公
報)Ni−P(特公昭54−33726号公報)、そのほか、R
e、Os、Ru、Ag、Au、Cu、Pt、Pd(特公昭57−6177号公
報)、Ni−Cr(特公昭57−17292号公報)等が用いら
れ、他方、固体潤滑剤としては、無機ないし有機の潤滑
剤、例えば、珪素化合物、例えばSiO2、SiO、Si3N4
(特公昭54−33726号公報)、ポリ珪酸もしくはシラン
カップリング剤、例えばテトラヒドロキシシラン、ポリ
アミノシラン等(特公昭59−39809号公報)およびカー
ボン等が使用されている。
しかしながら、磁性層上に設けられるこれらの従来の
保護膜の材質および構造では、媒体の耐久性、耐摩耗
性、耐候性、耐食性等が満足できるとはいえない。
そこで、本発明者らは、先に、カーボン保護層上に有
機フッ素化合物のトップコート層を設けると耐久性、耐
摩耗性、耐候性、耐食性等が格段と向上する旨を提案し
ている(特願昭60−289010号、同60−289011号、同60−
296301号、同60−296302号、同60−296303号、同60−29
6304号、昭和61年4月3日の特許願、同4月4日の特許
願(1)〕。
しかしながら、これらの諸特性に対する要求は厳し
く、さらにより一層の改善が要望されている。
II 発明の目的 本発明の目的は、媒体の耐久性、耐摩耗性、耐候性、
耐食性等に優れ、ヘッド吸着もなく、実用に際してきわ
めて高い信頼性を有する磁気記録媒体を提供することに
ある。
III 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成され
る。
すなわち本発明は、非磁性基体上に、金属薄膜磁性層
を有し、この上に有機金属プラズマ重合膜を有し、有機
金属プラズマ重合膜の金属原子MとCとの原子比が0.05
〜1.0であり、有機金属プラズマ重合膜の厚さが30〜300
Åであり、有機金属プラズマ重合膜の上にカーボン保護
膜を有し、カーボン保護膜の上に有機フッ素化合物を含
有するトップコート膜を有することを特徴とする磁気記
録媒体である。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
第1図には本発明の磁気記録媒体の一実施例が示されて
いる。
本発明の磁気記録媒体1は、非磁性基体2上に一般に
下地層3を有し、この下地層3の上には通常、非磁性金
属中間層4を有し、この上に金属薄膜磁性層5(以下、
磁性層という)、有機金属プラズマ重合膜6、カーボン
保護膜10、有機フッ素化合物を含有するトップコート膜
7を順次有してなる。
本発明の有機金属プラズマ重合膜6は、Ar,He,H2,N2
等のキャリヤーガスの放電プラズマと、有機金属ガスま
たは有機金属を有機溶剤に溶解した時の発生ガスとを混
合し、被処理基体表面にこの混合ガスを接触させること
により形成することができる。使用される有機金属ガス
としては、スズ、チタニウム、アルミニウム、コバル
ト、鉄、銅、ニッケル、マンガン、亜鉛、鉛、ガリウ
ム、インジウム、水銀、マグネシウム、セレン、砒素、
金、銀、カドミウム、ゲルマニウム等の有機化合物ある
いは錯塩のうちプラズマ重合可能なものであればいずれ
も使用しうる。
具体例を挙げると次のようになる(Rは有機基を表
し、そしてXは水素あるいはハロゲンを表わす): (A)MIR 例 フェニル銅、フェニル銀 (B)MIIROX2-O(O=1,2) 例 ジエチル亜鉛、ジメチル亜鉛、ヨウ化メチル水
銀、ヨウ化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウ
ム、ジメチル水銀、ジメチルセレン、ジメチルマグネシ
ウム、ジエチルマグネシウム、ジフェニルマグネシウ
ム、ジメチル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジ−n−ブ
チル亜鉛、ジフェニル亜鉛、ジフェニルカドミウム、ジ
エチル水銀、ジ−n−プロピル水銀、アリルエチル水
銀、ジフェニル水銀、 (C)MIIIRpX3-p(p=1,2,3) 例 トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリメチルガリウ
ム、トリメチルインジウム、ジエチルアルミニウムクロ
リドトリメチル金 (D)MIVRqX4-q(q=1,2,3,4,) 例 テトラメチルスズ、ジ−n−ブチルスズマレー
ト、ジブチルスズジアセラート、テトラ−n−ブチルス
ズ、テトラエチル鉛、テトラメチルゲルマン、テトラエ
チルゲルマン、ジエチルシクロゲルマナヘキサン、テト
ラフェニルゲルマン、メチルゲルマン、エチルゲルマ
ン、n−プロピルゲンマン、トリエチルゲルマン、ジフ
ェニルゲルマン、トリフェニルゲルマン、トリメチルブ
ロムゲルマン、トリエチルブロムゲルマン、トリエチル
フルオロゲルマン、トリエチルクロルゲルマン、ジメチ
ルジクロルゲルマン、メチルトリクロルゲルマン、ジエ
チルジクロルゲルマン、ジエチルジブロムゲルマン、ジ
フェニルジブロムゲルマン、ジフェニルジクロルゲルマ
ン、エチルトリクロルゲルマン、エチルトリブロムゲル
マン、n−プロピルトリクロルゲルマン、テトラエチル
スズ、トリメチルエチルスズ、テトラアリルスズ、テト
ラフェニルスズ、フェニルトリメチルスズ、トリフェニ
ルメチルスズ、二塩化ジメチルスズ、二水素化ジメチル
スズ、水素化トリメチルスズ、水素化トリフェニルス
ズ、テトラメチル鉛、テトラ−n−プロピル鉛、テトラ
イソプロピル鉛、トリメチルエチル鉛、トリメチル−n
−プロピル鉛、ジメチルジエチル鉛、 (E)MVIR6-r(r=1,2,3,4,6) 例 ヘキサエチルゲルマン、ヘキサメチル二スズ、ヘ
キサエチル二スズ、ヘキサフェニル二スズ (F)アセチルアセトン錯塩 例 アセチルアセトンチタニウム、アセチルアセトン
アルミニウム、アセチルアセトンコバルト、アセチルア
セトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトンニッ
ケル、アセチルアセトンマンガン 注 R=有機塩・C1〜C10(好ましくはC1〜C6)アル
キル ・C2〜C6アルケニル(アリル) ・アリール(フェニル) ・アシルオキシ(マレオイル、アセチル) X=ハロゲン フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、こ
の他、フェニルアルシンオキサイド等も使用できる。
プラズマ重合法は、Ar,He,H2,N2等のキャリヤガスの
放電プラズマとモノマーガスとを混合し、被処理基体表
面にこれら混合ガスを接触させることにより基体表面に
プラズマ重合膜を形成するものである。
プラズマ重合の原理について概説すると、気体を低圧
に保ち電場を作用させると、気体中に少量存在する自由
電子は、常圧に比べ分子間距離が非常に大きいため、電
界加速を受け、5〜10eVの運動エネルギー(電子温度)
を獲得する。
この加速電子が原子や分子に衝突すると、原子軌道や
分子軌道を分断し、これらを電子、イオン、中性ラジカ
ルなど、通常の状態では不安定の化学種に解離させる。
解離した電子は再び電界加速を受けて、別の原子や分
子を解離させるが、この連鎖作用で気体はたちまち高度
の電離状態となる。そしてこれは、プラズマガスと呼ば
れている。
気体分子は電子との衝突の機会が少ないのでエネルギ
ーをあまり吸収せず、常温に近い温度に保たれている。
このように、電子の運動エネルギー(電子温度)と、
分子の熱運動(ガス温度)が分離した系は低温プラズマ
と呼ばれ、ここでは化学種が比較的原型を保ったまま重
合等の加成的化学反応を進めうる状況を創出しており、
本発明はこの状況を利用して被処理体上にプラズマ重合
膜を形成しようとするものである。なお低温プラズマを
利用するため、被処理体への熱影響は全くない。
被処理体表面にプラズマ重合膜を形成する装置例が第
2図に示してある。第2図は、周波数可変型の電源を用
いたプラズマ重合装置である。
第2図において、反応容器Rには、原料ガス源511ま
たは512から原料ガスがそれぞれマスフローコントロー
ラ521および522を経て供給される。ガス源511または512
から別々のガスを供給する場合は、混合器53において混
合して供給する。
原料ガスは、各々1〜250ml/分の流量範囲をとりう
る。
反応容器R内には、被処理体111が一方の回転式電極5
52に支持される。
そして被処理体111を挟むように回転式電極552に対向
する電極551が設けられている。
一方の電極551は、例えば周波数可変型の電源54に接
続され、他方の回転式電極552は8にて接地されてい
る。さらに、反応容器R内には、容器内を排気するため
の真空系統が配備され、そしてこれは油回転ポンプ56、
液体窒素トラップ57、油拡散ポンプ58および真空コント
ローラ59を含む。これら真空系統は、反応容器内を0.01
〜10Torrの真空度の範囲に維持する。
操作においては、反応容器R内がまず10-3Torr以下に
なるまで容器内を排気し、その後処理ガスが所定の流量
において容器内に混合状態で供給される。
このとき、反応容器内の真空は0.01〜10Torrの範囲に
管理される。
原料ガスの流量が安定すると、電源がオンにされる。
こうして、被処理体上にプラズマ重合膜が形成される。
なお、キャリアガスとしては、Ar,N2,He,H2などを使
用してもよい。
また、印加電流、処理時間等は通常の条件とすればよ
い。
プラズマ発生源としては、高周波放電の他に、マイク
ロ波放電、直流放電、交流放電等いずれでも利用でき
る。
このようにして形成される有機金属プラズマ重合膜6
の膜厚は30〜300Å、より好ましくは50〜300Åである。
この膜厚が30Å未満であると本発明の効果が十分でな
く、300Åをこえるとスペーシングロスが増大し実用上
好ましくない。
そして、この重合膜6中に含有される金属原子Mと炭
素原子Cとの原子比M/Cは、0.05〜1.0、より好ましくは
0.08〜0.8である。
この値が0.05未満であると、接着性の改善に寄与せ
ず、また1.0をこえるとプラズマ重合膜が硬くなりすぎ
て実用上好ましくない。
このようなプラズマ重合膜6は、被処理体(例えば基
体2)にきわめて強固に付着する三次元的に発達した均
一厚の薄膜であるために、このプラズマ重合膜6を有す
る媒体は非常に耐久的に富むものである。
このような有機金属プラズマ重合膜6は、第1図に示
されるごとく、通常、後述する金属薄膜磁性層5の上に
直接設けられ、さらにプラズマ重合膜6の上には有機フ
ッ素化合物を含有するトップコート膜7がカーボン保護
膜10を介して設けられる。
すなわち、本発明の有機金属プラズマ重合膜6は金属
薄膜磁性層5とカーボン保護膜10とをジョイントするた
めの中間層的役割をも果たすものであるが、このものは
金属および有機物の両方の物性を有するがために、上述
したような積層構造にした場合の接合面の強度は格段と
向上する。従って、媒体としての耐久性は格段と向上す
る。
このような有機金属プラズマ重合膜6の上にはカーボ
ン保護膜10を介して有機フッ素化合物を含有するトップ
コート膜7が形成される。
トップコート膜7中に含有される有機フッ素化合物と
しては、下記(A)〜(D)、特に(A)〜(B)に示
されるものを用いることが好ましい。
(A)カルボキシパーフルオロポリエーテルまたはその
塩もしくはそのエステル このようなものとしては、下記式(I)で示される化
合物が挙げられる。
式(I) RfRf′ORf″COOR1 上記式(I)において、Rfはフッ素原子もしくはパー
フルオロアルキル基またはCOOZもしくは−ORf″COOZを
表わす。
Rf′およびRf″は、それぞれ二価のパーフルオロアル
キレン基を表わし、これらは同一でも異なっていてもよ
い。nは正の整数を表わし、nが2以上の場合Rf′はそ
れぞれ同一でも異なっていてもよい。
R1は水素、一価のカチオンまたは置換もしくは非置換
のアルキル基をあらわす。アルキル基の炭素数は1〜5
であって、しかも非置換のアルキル基が好ましい。
カチオンとしては、Na+、K+、Li+などのアルカリ金属
イオンやNH4 +等が好ましい。
R1で表わされる置換もしくは非置換のアルキル基とし
ては−CH3、−C2H5、−C3H7、i−C3H7,−C4H9、−C5H
11などが挙げられる。
これらの中でも−CH3、−C2H5などが好ましい。
ZはR1と同義であるが、これらZとR1は同一でも異な
っていてもよい。
Rfで表わされるパーフルオロアルキル基としては、−
CF3、−C2F5、−C3F7などが挙げられる。
Rf′およびRf″としては、−CF2−、−CF2CF2−、 などが挙げられ、好ましくは−CF2−、−CF2CF2−、−C
FCF3−CF2−である。
なお、Rfの好ましい例は、−F、−COOCH3、−COOH、
−COOC2H5、−COOC3H7などが挙げられる。
nとしては10〜100程度であり、好ましくは30〜70で
ある。
なお、Rf′が複数ある場合、それらは互いに同一であ
っも異なってもよい。
また、上記式(I)で表わされる化合物がエステルで
ある場合、カルボン酸のモノまたはジエステルのいずれ
であってもよい。
上記式(I)で表わされるもののなかでも下記式(I
−1)〜(I−4)で示される化合物が好ましいものと
して挙げられる。
式(I−1) ZOCOCF2(O−CF2−CF2N−(O−CF2MOCF2CO
OR1 上記式(I−1)および(I−2)において、Zおよび
R1は式(I)におけるものと同義である。
ZおよびR1の好ましいものとしては、−H、−CH3
などが挙げられる。
NおよびMの和は、上記のnと同一であり、これらは
それぞれ5〜50であり、好ましくは5〜20である。
上記式(I−3)および(I−4)において、R1およ
びnは(I)におけるものと同義である。
R1の好ましいものとしては、−H、−CH3、−C2H5
があげられる。
nとしては10〜100であり、好ましくは30〜70であ
る。
このような化合物は、分子量1000〜10000程度であ
る。
これらの化合物は公知の方法に従い合成すればよい
が、市販のものを用いることもできる。
具体的に、商品名を挙げると、デュポン社製KRYTOX15
7FS、モンテフルオス社製Fomblin Z DIAC、Fomblin Z D
EALなどがある。
KRYTOX157FSは式(I−3)で示される化合物のなか
のR1=H、n=11〜49の場合のものである。また、Fomb
lin Z DIACは式(I−2)で示される化合物である。
Fomblin Z DEALは式(I−1)で示される化合物のな
かのNおよびMがそれぞれ11〜49、Z=R1=CH3の場合
のものである。
(B)パーフルオロポリエーテル このような化合物としては下記式(II)で示されるも
のが挙げられる。
式(II) R2fR2f′OR2f″ 上記式(II)において、R2fはフッ素原子またはパー
フルオロアルキル基を表わす。
R2f′はパーフルオロアルキレン基を表わす。
R2f″はパーフルオロアルキル基を表わす。
R2fがパーフルオロアルキル基を表わす場合、R2fと
R2f″とは同一でも異なっていてもよい。nは正の整数
を表わし、nが2以上の場合、R2f′はそれぞれ同一で
も異なっていてもよい。
R2fで表わされるパーフルオロアルキル基としては−
CF3、−C2F5等が挙げられる。
R2fの好ましいものとしては、−F、−CF3である。
R2f′の好ましいものとしては、−CF2−CF2CF2−、 等が挙げられる。
R2f″としては、−CF3、−C2F5等が挙げられる。
nは10〜100であり、特に10〜50が好ましい。
式(II)で表わされる化合物のなかでも、下記式(II
−1)、(II−2)で表わされるものが好ましい。
式(II−1) CF3−{(−O−CF2−CF2N−(O−CF2M]−OCF3 上記式(II−1)、(II−2)において、NとMの和
は10〜100程度である。
Nとしては5〜50であり、好ましくは5〜30である。
またMとしては5〜50であり、好ましくは5〜30であ
る。
また、下記式(II−3)で表わされるものも好まし
い。
上記式(II−3)において、nは式(II)におけるも
のと同義である。
nは10〜100であり、好ましくは30〜70である。
このような化合物は、平均分子量1000〜10000程度で
ある。
これらの化合物は、公知の方法に従い合成できる。
また、市販のものを用いてもよい。
具体的に商品名を挙げると、モンテフルオス社製FOMB
LIN YO4,YO6,Y25,Y45,YR;FOMBLIN Y−LVACO616,Y−L−
VAC14/6,Y−L−VAC16/6,Y−L−VAC25/6;FOMBLIN Y−
H−VAC18/8,Y−H−VAC25/9,Y−H−VAC40/11,Y−H−
VAC140/13;FOMBLIN Z;デュボン社製KRYTOX143CZ、143A
Z、143AA、143AY、143AB、143AC、143AD;KRYTOX1502、1
504、1506、1509、1514、1516、1525、1618、1625、164
5、1680、1614などである。
このなかで、KRYTOX143CZは、式(II−3)で示され
る化合物でn=11〜49のものである。
また、FOMBLIN Yは式(II−2)、FOMBLIN Zは式(II
−1)で示されるものである。
(C)テトラフルオロエチレンポリマー このような化合物の分子量は1000〜10000であること
が好ましい。
なおポリマー軟化点(ASTM E−28−58T)は200〜300
℃程度、融点は200〜350℃程度であることが好ましい。
これらの化合物は、公知の方法に従い合成できる。ま
た、市販のものを用いてもよい。
このようなテトラフルオロエチレンポリマーとして
は、市販のものとして、デュポン社製Vydax A12、510
0、550、525、旭硝子社製AG−LUB等がある。
(D)その他、本発明で用いられるフッ素樹脂として
は、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリビニル
フルオライド(PVF)、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオ
ロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオ
ロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体(PFA)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン
共重合体(ECTFE)などが挙げられる。この中でも特
に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレ
ン共重合体(ETFE)が通常よく用いられる。
そして、これらのフッ素樹脂の平均重合度は700〜300
0程度であることが好ましい。
上述してきたような(A)〜(D)に示される化合物
は、トップコート膜7中に、二種以上含有されていても
よい。
このような化合物の総含有量は、トップコート膜7を
重量に換算した場合、全体の50〜100重量%、好ましく
は70〜100重量%である。
50重量%未満では十分な潤滑効果が得られない。
さらに、トップコート膜7には他に脂肪酸、脂肪酸エ
ステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が含まれてい
てもよい。
このようなトップコート膜7は、下記に詳述する塗布
方法や気相成膜方法によって設層される。
塗布方法としては、例えばスピンコート、ディッピン
グ、スプレーコート等が挙げられる。
この場合、塗布溶液としては、通常フロン等のフッ素
系溶媒に、前記化合物(A)〜(D)、特に(A)〜
(B)中に示される化合物の少なくとも1種以上を0.01
〜1.0重量%、より好ましくは0.05〜0.1重量%混合させ
たものを用いる。
塗布条件は、スピンコートによる場合、その回転数は
500〜3000rpm、回転時間5〜20秒程度とし、また、ディ
ッピングによる場合は、例えばまず最初にフロン等の溶
媒に15〜30秒間程度浸して洗浄した後、前記塗布溶液に
10〜30秒間浸し、5〜20mm/secのスピードで引き上げて
行えばよい。
気相成膜法としては、蒸着法、スパッタ法、シオンプ
レーティング法等がある。
この場合、上記化合物(A)〜(D)の固形成分を気
相成膜用の材料として利用できる。
上述してきたような(A)〜(D)に示される化合物
は、トップコート膜7中に、二種以上含有されていても
よい。
トップコート膜7を気相成膜法によって形成した場
合、膜厚をうすく、均一に設層でき、しかも膜中に有機
溶媒が残存しない等の特徴を有する。
従って、実用に際して、ヘッドが吸着しにくく摩擦が
低くなる等、種々の特性が向上する。
真空蒸着法は蒸発源を10-3Torr以下程度の高真空中
で、エレクトロンビーム法、抵抗加熱法等により蒸発源
を加熱して融解、蒸発させて、その蒸気を例えば基板表
面に薄膜として蒸着させる方法である。この蒸発時に蒸
発粒子が得る運動エネルギーは0.1eV〜1eV程度である。
スパッタ法は作業を行う領域によって、さらにプラズ
マ法とイオンビーム法の2つに大別することができる。
プラズマ法によるスパッタ法では、Ar等の不活性ガス
雰囲気中で異常グロー放電を発生させ、Arイオンによっ
てターゲット(蒸着物質)のスパッタを行い基板に蒸着
させる。
ターゲットに数KVの直流電圧を印加する直流スパッタ
リング、数百〜数KVの高周波数電力を印加する高周波ス
パッタリングのいずれであってもよい。
また、2極から3極、4極スパッタ装置と多極化した
ほか、直行電磁界を加えてプラズマ中の電子にマグネト
ロンと同様サイクロイド運動を与え、高密度プラズマを
作るとともに、印加電圧を低くし、スパッタを高能率化
したマグネトロン系スパッタリングを用いてもよい。
また、必要に応じ、Arなど純粋な不活性ガスのみを用
いる代りにO2、N2等を用いた反応性ないし化学スパッタ
リングを用いても良い。
イオンビーム法では、適当なイオン源を用いてArなど
をイオン化し、引出し、電極に印加した負高電圧によっ
て高真空側にイオンビームとして引き出し、ターゲット
表面に照射してスパッタしたターゲット物質を基板に蒸
着させる。動作圧はいずれの場合も10-2〜10-3Torr程度
とする。
また、スパッタ法における被着粒子の運動エネルギー
は約数eV〜100eVであり、例えば蒸着法のそれ(約0.1eV
〜1eV)と比べてきわめて大きい。
イオンプレーティング法は、被膜形成の前および被膜
形成中、十分な運動エネルギーをもって基板表面に蒸着
物質を射突させる原子論的被膜形成法である。
その基本機能には、射突イオンによる基板のスパッ
タ、加熱、イオン注入などの効果があり、これらが付着
力、蒸着膜の核形成、膜成長に影響を及ぼす。このイオ
ンプレーティング法は、作業を行う領域から、さらにプ
ラズマ法とイオンビーム法の2つに大別される。
プラズマ法では、、直流グロー放電によって基板(負電
位)をAr+の衝撃で洗浄化した後、蒸発源を加熱し蒸着
物質を蒸気化させると、プラズマ中でイオン化し、基板
を取り巻くグロー放電の陰極暗部の強い電解により加速
され、高いエネルギーをもって基板に射突し蒸着する。
直流印加方式、高周波励起方式およびその併用形と蒸
発源の各種加熱方式との組み合せなど多くの形式はいず
れも使用でき、中空陰極プラズマ電子銃を用いるプラズ
マ電子ビーム法を用いてもよい。
イオンビーム法では、スパッタ形、電子衝撃形あるい
はデュオプラズマトロンの改良形などの、イオン源で生
成した蒸着物質イオンを高真空領域に引き出し、加速電
圧を調節して基板表面の清浄化と蒸着を引き続いて行
う。クラスタイオンビーム技術(蒸着と結晶成長)で
は、るつぼの噴射ノズルから高真空中に蒸着物質を噴出
させ、断熱膨張による過冷却現象を利用して102〜103
の原子が互いに緩く結合した塊状原子集団(クラスタ)
を作り、イオン化して用いる。
また、イオンプレーティングにおけるイオンの運動エ
ネルギーは、約数十eV〜5keV程度で他の成膜方法、例え
ば蒸着法(約0.1eV〜1eV)、スパッタ法(約数eV〜100e
V)などに比べて非常に大きい。そのため、この方法に
よって形成された付着膜は、付着強度がきわめて高い。
また付着速度もきわめて大きいため、短時間で膜形成が
できる。
また、近年、新技術として開発された熱電子によって
イオン化を行うアーク放電イオンプレーティングを用い
てもよい。アーク放電イオンプレーティング法は、蒸発
源を加熱し蒸発してえられた蒸気流に対し蒸発源近傍の
蒸気流の密度が比較的高いところで、熱電子放出源から
放出した熱電子を衝突させて蒸気流のイオン化を生じさ
せこのイオン化された蒸気流を電波や磁場により被着体
に垂直方向に集束させて成膜するものである。
これら気相成膜法における下地温度、被着距離等は通
常の条件でよい。
これら気相成膜法のうちでは、真空蒸着法またはスパ
ッタリングを用いることが好ましい。
本発明のトップコート膜7は、上述したような塗布法
や気相成膜法のいずれの方法で形成したものであっても
よい。
トップコート膜7の厚さは3〜300Å、好ましくは5
〜150Åとする。
3Å未満では十分な本発明の効果が得られず特に耐久
性が劣り、300Åをこえると吸着が発生し、いわゆるヘ
ッドクラッシュを起こすからである。
ところで、前述した有機金属プラズマ重合膜6の下に
はCoまたはNi,Cr,Pのうちの1種以上を主成分とする金
属薄膜磁性層5が設層される。
このものの組成の具体例としては、Co−Ni、Co−Ni−
Cr、Co−Cr、Co−Ni−P、Co−Zn−P、Co−Ni−Mn−Re
−P等がある。これらの中では特にCo−Ni、Co−Ni−C
r、Co−Cr、Co−Ni−P等が好ましく、これらの合金の
好適組成比は重量比で、Co:Ni=1:1〜9:1、 (COxNiy)ACrBにおいてx:y=1:1〜9:1、A:B=99.9:0.1
〜75:25、 Co:Cr=7:3〜9:1、 (COxNiy)APBにおいて、 x:y=1:0〜1:9、A:B=99.9:0.1〜85:15である。これら
の範囲をはずれると記録特性が低下する。
このような金属薄膜磁性層5は気相もしくは液相の種
々のメッキ法で設層可能であるが、中でも特に気相法の
1種であるスパッタ法が好ましい。スパッタ法を用いる
ことによって磁気特性の良好な磁性層が得られる。
スパッタ法は前記のトップコート膜7の形成方法の1
つとして述べたもとの同義である。
本発明において、ターゲットの材質としては、目的と
する金属薄膜磁性層5の組成に対応する合金等を用いれ
ばよい。
ところで、金属薄膜磁性層5の組成をCoPないしCONiP
とする場合には、液相メッキ法、特に無電解メッキ法で
設層してもよい。
そしてその磁性層は上記スパッタ法と同義に良好な磁
気特性を示す。
無電解メッキに用いるメッキ浴組成、メッキ条件等と
しては公知の種々のものが適用可能であり、例えば、特
公昭第54−9136号公報、特公昭第55−14865号公報等に
記載のものはいずれも使用可能である。
上述してきたような金属薄膜磁性層5の膜厚は200〜5
000Å、特に500〜1000Åが好ましい。
本発明で使用される非磁性基体2は、例えば、アルミ
ニウム、アルミニウム合金等の金属、ガラス、セラミッ
クス、エンジニアリングプラスチックス等が挙げられ
る。そして、これらの中でも、機械的剛性、加工性等が
良好でしかも後述する下地層が容易に設層できるアルミ
ニウム、アルミニウム合金等を用いるのが好ましい。
このような非磁性基体2の厚さは1.2〜1.9mm程度であ
り、その形状は通常、ディスク状、ドラム状等特に制限
はない。
このような非磁性基体2の材質として、特にAl等の金
属基体を用いるときには、この基体上に下地層3を設け
ることが好ましい。この下地層3は、Ni−P、Ni−Cu−
P、Ni−W−P、Ni−B等のいずれかの組成を含有して
形成される。このものは、液相メッキ法、特に無電解メ
ッキ法で成膜させることが好ましい。無電解メッキ法に
よれば、きわめて緻密な膜が形成でき、機械的剛性、硬
度、加工性を上げることができる。
なお、上記の組成からなる下地層の組成比(wt)は、
以下のとおりである。
すなわち、(NixCuy)APB、 (NixWy)APB これらの場合においては、 x:y=100:0〜10:90、 A:B=97:3〜85:15である。
NixByの場合にはx:y=97:3〜90:3である。
この無電解メッキ法のプロセスの一例を簡単にのべる
と、まず、アルカリ性脱脂および酸性脱脂を行った後、
数回のジンケート処理をくり返して行い、さらに重炭酸
ナトリウム等で表面調整したのちpH4.0〜6.0のニッケル
・メッキ溶中で約80〜95℃、約0.5〜3時間メッキ処理
すればよい。
これらメッキ処理は、例えば特公昭第48−18842号公
報、特公昭第50−1438号公報に記載されている。
このような下地層3の膜厚は3〜50μm、特に5〜20
μmが好ましい。
さらに下地層3の表面には凹凸部を設けることが好ま
しい。
凹凸部をつくるには、例えば、下地層3が設層された
円板状基体2を回転させながら、研磨剤等を作用させ、
下地層3の表面に同心円状に不規則な溝を設ける。
なお凹凸部は、下地層3上にランダムに設けてもよ
い。
このような凹凸部を設けることによって、吸着特性お
よび耐久性が向上する。
なお、下地層3を基体2上に設けない場合には、直接
基体2上に上記の凹凸を設ければよい。
さらにこのような下地層3を有することのある基体上
には前述した金属薄膜磁性層5が設層される。
このような金属薄膜磁性層5を前述したようなスパッ
タ法で設層する場合には、下地層3と磁性層5との間に
Crを含む非磁性金属中間層4を設けることが好ましい。
この非磁性金属中間層4を設けることによって、媒体の
磁気特性が向上し、記録特性の信頼性の向上をも図るこ
とができる。
そしてこの非磁性金属中間層4は通常Crから形成され
るのが最も好ましいが、Cr含有量は99wt%以上であれば
よい。
そしてこの中間層4は、種々の公知の気相成膜法で形
成可能であるが、通常、上述した金属薄膜磁性層5と同
様にスパッタ法で成膜することが好ましい。このような
非磁性金属中間層4の膜厚は用いる金属薄膜磁性層5の
種類によって適宜決定すべきであるが、通常500〜4000
Å程度である。
本発明の磁気記録媒体1は前述した金属薄膜磁性層5
と有機金属プラズマ重合膜6との間にCrなどの非磁性金
属保護膜を設層してもよい。
この非磁性金属保護膜6の成膜方法は上記の非磁性金
属中間層4の場合と同様にすればよい。
さらに、カーボン保護膜を有機金属プラズマ重合膜6
の上に直接設層する。
カーボン保護膜を設けることによって耐久性、耐候性
はさらに優れたものになる。
カーボン保護膜は、その組成としてC単独からなる
が、他の元素を5wt%未満含有するものであってよい。
カーボン保護膜は、スパッタ法、イオンプレーティン
グ法、蒸着法、CVD等の各種気相成膜法で形成可能であ
るが、中でも特にスパッタ法によるのが好ましい。この
場合には、形成された膜がきわめて緻密となり、一段と
耐久性、耐候性に優れた効果を有する。
カーボン保護膜の膜厚は10〜800Å、特に100〜400Å
が好ましい。
さらに、上記有機プラズマ重合膜の設層に際しては、
予めプラズマ処理を施すこともでる。
すなわち、磁性層5表面や非磁性金属保護膜6やカー
ボン保護膜10の表面をプラズマ処理しておくことが好ま
しい。このような処理は、媒体の耐久性を向上させるた
めに有効な手段である。プラズマ処理ガスとしては、特
に制限はない。
すなわち、H2,Ar,He,O2,N2,空気,NH3,O3,H2O,N
O,N2O,NO2などのNOx等の中から適宜選定し、これらの
単独ないし混合したものいずれであってもよい。
さらにプラズマ処理電源の周波数については、特に制
限はなく、直流、交流、マイクロ波等いずれであっても
よい。
上述してきたような磁気記録媒体1は、第1図に示さ
れるように片面記録の媒体としてもよいが、基体2の両
面側に磁性層等を第1図と同様に設けた、いわゆる両面
記録の媒体としてもよい。
V 発明の具体的作用効果 本発明によれば、金属薄膜磁性層上に有機金属プラズ
マ重合膜およびカーボン保護膜を介して有機フッ素化合
物を含有するトップコート膜を有する。
そのため得られた媒体は、耐久性、耐摩耗性、耐候
性、耐食性等に優れ、実用に際してきわめて高い信頼性
を有する。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。
(実施例1) φ13cm、厚さ1.9mmのディスク状のAl基体2上に、厚
さ20μmのNiPの下地層3を無電解メッキ法で設けた。
なお、無電解メッキ法は下記のプロセスおよび製造条件
で行った。
(NiP無電解メッキ) なお、下地層3の組成はNi:P=85:15(重量比)、厚
さ20μmとした。
次いで、上記の各種基体2表面(基体表面上に下地層
3を有するものは、その下地層の表面)を、下記の条件
にて研磨処理した。
〈表面研磨処理〉 磁気ディスク用ラッピングマシンを用い、上記基体を
回転させながら、不二見研磨(株)の研磨液、メディボ
ールNo.8(50%希釈液)を用い、100gの加重をかけなが
ら10分間研磨を行った。
その後、ディスク基板洗浄装置を用いて洗浄した。工
程は以下に示すとおりである。
〈洗浄工程〉 1.中性洗剤溶液、浸漬、超音波 2.超純水、スクラブ 3.超純水、スクラブ 4.超純水、浸漬、超音波 5.超純水、浸漬 6.フロン/エタノール混合液、浸漬、超音波 7.フロン/エタノール混合液、浸漬 8.フロン/エタノール、蒸気(→乾燥) このような洗浄工程後、下地層3の表面に凹凸部を下
記のようにして設けた(以下、テクスチャリング工程と
いう)。すなわち、テープポリッシングマシンを用い、
基体を回転させながら、基体表面に同心円状の不規則な
溝を設けた。工程条件は、ポリッシングテープ番手♯40
00、コンタクト圧力1.2kg/cm2、オシレーション50回/
分、ワーク回転数150回/分とした。
その後、さらみ前記と同様な洗浄を行った後、Crから
成る非磁性磁性金属中間層4をスパッタで膜厚2000Åに
設層した。
設層条件は、Arガス圧2.0Pa、DC8KWとした。なお、こ
の中間層4形成前にArガス圧0.2Pa、RF400Wの条件でエ
ッチング処理を行った。
その後、この上に連続して以下に示すような各種金属
薄膜磁性層5を設層した。なお、無電解メッキ法で磁性
層を設層する場合には、上記のエッチング処理は行わ
ず、しかもCrからなる非磁性金属中間層4も設けなかっ
た。
〈金属薄膜磁性層の形成〉 磁性層No.1 CoNi磁性層をスパッタ法を用いて形成した。成膜条件
はArガス圧2.0Pa、DC8KWとした。CoNi組成重量比はCo/N
i=80/20、膜厚は600Åとした。
磁性層No.2 CoNiCr磁性層をスパッタ法を用いて形成した。成膜条
件はArガス圧2.0Pa、DC8KWとした。
CoNiCr組成重量比は62.5:30:7.5とし、膜厚は600Åと
した。
磁性層No.3 CoCr磁性層をスパッタ法を用いて形成した。成膜条件
はArガス圧2.0Pa、DC8KWとした。
CoCrの組成重量比はCo/Cr=87/13、膜厚は1000Åとし
た。
磁性層No.4 CoNiP磁性層を無電解メッキ法を用いて形成した。CoN
iPの組成重量比はCo:Ni:P=6:4:1、膜厚は1000Åとし
た。
無電解メッキプロセスおよび製造条件は以下のとおり
とした。
このようにして設層された種々の金属薄膜磁性層上に
第2図と同じ装置を使用して下記に示されるようなプラ
ズマ重合条件で有機金属プラズマ重合膜を設層した。
有機金属プラズマ重合膜1 モ ノ マーガ ス:テトラメチルスズ モノマー ガス流量:10ml/分 キャリヤー ガ ス:アルゴン キャリヤーガス流量:50ml/分 真 空 度 :0.5Torr 高 周 波 電 源:13.56MHz,200W 生成薄膜は多重干渉法およびエリプソメーターで測定
して180Åの厚さを有する均一性のよいもので、フーリ
エ変換赤外分光光度計、ESCAにより測定してスズを含む
重合薄膜であることを確認した。
金属/C(M/C)=0.35 有機金属プラズマ重合膜2 重合膜1と同一条件にて、アセチルアセトンチタニウ
ムをモノマーとして重合膜を生成した。
膜厚は150Åであった。
M/C=0.21 有機金属プラズマ重合膜3 重合膜1と同一条件にて、ジメチルマグネシウムをモ
ノマーとして重合膜を生成した。
膜厚は170Åであった。
M/C=0.31 有機金属プラズマ重合膜4〜8 重合膜1の成膜条件において、モノマーガスをトリメ
チルアルミニウムとし、さらに出力を10W〜1KW、モノマ
ーガス流量を1〜250ml/分、真空度0.01〜1Torrの範囲
内で操作条件を調整することにより、種々のM/C値をも
つ重合膜を形成した。
M/C値は表1に示されるとおりであり、また膜厚は150
Åとした。
有機金属プラズマ重合膜9 重合膜1と同一条件にて、テトラエチルスズをモノマ
ーとして重合膜を生成した。
膜厚は150Åであった。
M/C=0.19 有機金属プラズマ重合膜10〜12 重合膜1と同一条件にて、重合膜を生成した。
なお膜厚は成膜時間をかえて、表1に示されるような
種々のものとした。
さらにこのようなプラズマ重合膜の上にカーボン保護
膜をスパッタ法で、厚さ250Åに設けた。なお、スパッ
タ条件はArガス圧0.2Pa、DC8KWとした。
ただし、金属薄膜磁性層5として前述した磁性層No.1
〜4のうち磁性層No.4の材料を用いた場合に限り、非磁
性金属層を形成する直前に、金属薄膜磁性層表面にArガ
ス圧0.2Pa、RF400Wの条件でエッチング処理を施した。
さらにこのカーボン保護膜の表面をプラズマ処理し
た。プラズマ処理条件は、処理ガスN2、圧力0.04Torr、
電源は13.56MHzの高周波とし、投入電力は3KWとした。
この上を不織布にてクリーニングした後下記に示すよ
うな種々の有機フッ素化合物を含むトップコート層をス
ピンコート法、蒸着法またはスパッタ法で設層した。膜
厚はすべて50Åとした。
〈トップコート層組成〉 組成1 トップコート層組成として以下に示される構造式から
なるKRYTOX 157FS (デュポン社製) をフロン113(ダイキン工業社製、ダイフロンS−3)
の溶媒中に混合し、有機フッ素化合物含有塗布液濃度を
0.05重量%に調整した。そして、このものをスピンコー
ト法で設層した。スピンコート条件は回転数1000rpm、1
0秒間とした。
組成2 トップコート層組成として、以下に示される構造式か
らなるKRYTOX 143AZ (デュポン社製、分子量2000) をフロン113(ダイキン工業社製、ダイフロンS−3)
の溶媒中に混合し、この有機フッ素化合物含有塗布液濃
度を0.05重量%に調整した。
そして、このものを上記組成1の場合と同様の方法で
設層した。
組成3 トップコート層組成として、Fomblin Y25(モンテフ
ルオス社製、分子量3000)をフロン113(ダイキン工業
社製、ダイフロンS−3)の溶媒中に混合し、この有機
フッ素化合物含有塗布液濃度を0.05重量%に調整した。
そして、このものを上記組成1の場合と同様の方法で
設層した。
組成4 トップコート層組成として、以下に示される構造式か
らなるFomblin Z DEAL CH3OCOCF2−[(O-CF2−CF2)N−(O-CF2)M]−OCF2COOC
H3 (ここでN、Mはそれぞれ11〜49) をフロン113(ダイキン工業社製、ダイフロンS−3)
の溶媒中に混合し、この有機フッ素化合物含有塗布液濃
度を0.05重量%に調整した。
そして、このものを上記組成1の場合と同様の方法で
設層した。
組成5 トップコート層組成として、上記組成1で用いたKRYT
OX 157FS (デュポン社製)の固形成分を蒸発源とし、
蒸着法によってトップコート層を設層した。
なお、蒸着に際して雰囲気圧力Pは1×10-2Pa、蒸発
源−被着体距離は5cmとした。
組成6 トップコート層組成として、上記組成3で用いたFomb
lin Y25(モンテフルオス社製、分子量3000)の固形成
分を蒸発源とし、蒸着法によってトップコート層を設層
した。
なお、蒸着に際して雰囲気圧力Pはトップコート層5
の場合と同様にした。
組成7 トップコート層組成として、KRYTOX 157FSをプレート
上に塗布し、溶剤を蒸発させた固形成分の板状物をター
ゲットとし、スパッタ法によってトップコート層を設層
した。
スパッタ条件は、スパッタ電力3KW、動作圧力1Pa、タ
ーゲット−被着体距離10cmの範囲で行なった。
なお、スパッタのターゲットとして用いた樹脂の大き
さは約15×30cm程度のものである。
スパッタにおける不活性ガスはアルゴンを用いた。
組成8 トップコート層組成として、シリコーンオイル(東芝
シリコーンTSF451、粘度1000CPS)を上記組成1で用い
た溶媒中に混合し、潤滑剤含有塗布液濃度を0.05wt%に
調整した。そして、このものをトップコート層として上
記組成1の場合に準じて塗設した。
このようにして、下記表1に示される種々の磁気ディ
スクサンプルを作製し、下記に示すような特性を測定し
た。
なおサンプルNo.10については、有機金属プラズマ重
合膜とトップコート膜との間にカーボン保護膜を設け
ず、さらにプラズマ処理もしなかった。
サンプルNo.11についてはカーボン保護膜を設けた
が、プラズマ処理はしなかった。
(1)耐CSS特性 磁気ディスクサンプルの作製直後およびCSS(コンタ
クト・スタート・アンド・ストップ)4万回後のディス
ク記録面当りのエラー数を測定し、CSS前後でのエラー
数(ミッシングパルス数)の増加を表示した[単位:ビ
ット/面]。
なお、ディスク記録面当りのエラー数は、磁気ディス
ク用サーディファイヤーにて測定し、設定条件は、ミッ
シングパルスのスライスレベルを60%とした。
(2)摩擦係数 CSS(コンタクト・スタート・アンド・ストップ)4
万回後、ヘッドを接触させたままの状態で20℃、60%RH
の環境下に3日間放置した後、磁気ディスクサンプル表
面に摩擦係数を測定した。
なお、ヘッドは、Mn−Znフェライトヘッドを使用し
た。
表1の結果より本発明の効果があきらかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の磁気記録媒体の断面図を示す。 第2図は、プラズマ処理装置の概略図である。 符号の簡単な説明 1……磁気記録媒体、2……非磁性基体、3……下地
層、4……非磁性金属中間層、5……金属薄膜磁性層、
6……有機金属プラズマ重合膜、7……トップコート
膜、 10……カーボン保護膜、53……混合器、54……直流、交
流および周波数可変型電源、56……油回転ポンプ、57…
…液体窒素トラップ、58……油拡散ポンプ、59……真空
コントロールラ、111……被処理体、511、512……処理
ガス源、521、522……マスフローコントローラ、551、5
52……電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 国博 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−68725(JP,A) 特開 昭58−88829(JP,A)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基体上に、金属薄膜磁性層を有し、
    この上に有機金属プラズマ重合膜を有し、有機金属プラ
    ズマ重合膜の金属原子MとCとの原子比が0.05〜1.0で
    あり、有機金属プラズマ重合膜の厚さが30〜300Åであ
    り、有機金属プラズマ重合膜の上にカーボン保護膜を有
    し、カーボン保護膜の上に有機フッ素化合物を含有する
    トップコート膜を有することを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】金属薄膜磁性層がCoまたはCoとNi,Cr,Pの
    うちの1種以上とを主成分とする特許請求の範囲第1項
    に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】トップコート膜がカルボキシパーフルオロ
    ポリエーテルまたはその塩もしくはエステル、パーフル
    オロエチレンポリマーのうちの1種以上を含有する特許
    請求の範囲第1項または第2項に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】トップコート膜が塗布膜または気相膜であ
    る特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載
    の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】気相膜が蒸着膜、スパッタ膜またはイオン
    プレーティング膜である特許請求の範囲第4項に記載の
    磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】基体と金属薄膜磁性層との間に下地層を有
    する特許請求の範囲第1項ないし第5項のいずれかに記
    載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】金属薄膜磁性層の基体側に磁性層に接して
    非磁性金属中間層を有する特許請求の範囲第1項ないし
    第6項のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】金属薄膜磁性層と有機金属プラズマ重合膜
    との間に非磁性金属保護膜を有する特許請求の範囲第1
    項ないし第7項のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】非磁性金属保護膜表面がプラズマ処理され
    ている特許請求の範囲第8項に記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】カーボン保護膜表面がプラズマ処理され
    ている特許請求の範囲第1項ないし第9項のいずれかに
    記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】下地層の表面に凹凸を有する特許請求の
    範囲第6項ないし第10項のいずれかに記載の磁気記録媒
    体。
  12. 【請求項12】非磁性基体が剛性基体である特許請求の
    範囲第1項ないし第11項のいずれかに記載の磁気記録媒
    体。
  13. 【請求項13】ディスク状の形状をもつ特許請求の範囲
    第1項ないし第12項のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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