JPH08279129A - トラッキング制御装置 - Google Patents

トラッキング制御装置

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Publication number
JPH08279129A
JPH08279129A JP7688595A JP7688595A JPH08279129A JP H08279129 A JPH08279129 A JP H08279129A JP 7688595 A JP7688595 A JP 7688595A JP 7688595 A JP7688595 A JP 7688595A JP H08279129 A JPH08279129 A JP H08279129A
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JP
Japan
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signal
tracking control
tracking
track
data
Prior art date
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Application number
JP7688595A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiro Kamimura
敏郎 上村
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Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Publication date
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な回路構成で短時間にロック検出、裏ロッ
ク検出及び速度判別を行えるようにする。 【構成】 A・D変換回路32は、切換器21のコモン
端子C11からのからトラッキングエラー値を示す出力
電圧i1をトラッキング制御用サンプリングタイミング
(トラッキングがセンターの場合にバイロット信号を含
まないトラックのトレースとなるタイミング)でサンプ
リングを行い、このデータのデジタル信号j0をトラッ
キング制御部へ送り、ロック検出及び速度判別用サンプ
リングタイミング(トラッキングがセンターの場合にパ
イロット信号を含まないトラックのトレースとなるタイ
ミング)でサンブリングを行い、このデータのデジタル
信号j1をを2値化回路33に供給する。これにより、
簡単な回路構成で短時間にロック検出、裏ロック検出及
び速度判別を行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は周波数の異なる複数のパ
イロット信号によりトラッキング制御を行うトラッキン
グ制御装置に係り、特にトラッキングの引き込みを短時
間で行えるトラッキング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録再生装置においては、互
いに異なる2周波数(f1 ,f2 とする)のパイロット
信号によりトラッキング制御を行うトラッキング制御装
置を用いたものが開発されている。
【0003】図11はこのようなうトラッキング制御装
置が磁気テープに記録したトラックの再生を行う場合に
用いられるトラッキング制御装置を示すブロック図であ
る。
【0004】図11において、磁気ヘッド311,31
2は、回転ドラムに180°対向して取付けられてい
る。この磁気ヘッド311,312の出力端子の一端は
それぞれ切換器313の第1及び第2の入力端子P1
1,P12に接続され、他端は基準電位点に接続され
る。
【0005】切換器313のコモン端子C11は、プリ
アンプ314の入力端子に接続される。
【0006】切換器313は、回転シリンダの回転検出
信号に基づいて作成された入力端子310からのヘッド
スイッチパルス信号a11により、第1及び第2の入力
端子P11,P12を交互に選択してコモン端子C11
に接続する。これにより、磁気ヘッド311,312の
内、テープをトレース中の磁気ヘッドを選択し、選択し
た磁気ヘッドの出力信号をプリアンプ314に導く。
【0007】プリアンプ314は、切換器313のコモ
ン端子C11からの出力信号を増幅し、出力信号b11
としてf1 ・BPF315,f2 ・BPF316に供給
する。
【0008】f1 ・BPF315は、供給される出力信
号b11に対して周波数f1 の帯域濾波を行い、抽出し
た周波数f1 の出力信号c11を検波回路317に供給
する。
【0009】f2 ・BPF316は、供給される出力信
号b11に対して周波数f2 の帯域濾波を行い、抽出し
た周波数f1 の出力信号d11を検波回路318に供給
する。
【0010】検波回路317は、周波数f1 の出力信号
c11のエンベロープ検波を行い、検波信号e11を比
較器319の非反転入力端子(+)に供給する。
【0011】検波回路318は、周波数f2 の出力信号
d11のエンベロープ検波を行い、検波信号s11を比
較器319の反転入力端子(−)に供給する。
【0012】比較器319は、検波回路317からの検
波信号e11から検波回路318からの検波信号s11
を減算し、この減算結果の出力信号g11を切換器32
1の一方の入力端子P21に導くとともに、該減算結果
の出力信号g11を反転器320を介して切換器321
の他方の入力端子P22に導く。
【0013】制御信号発生回路322は、入力端子31
0からのヘッドスイッチパルス信号a11に同期してヘ
ッドスイッチパルス信号a11に対して周波数が1/2
のパルス信号となる制御信号h11を出力する。
【0014】切換器321は、制御信号発生回路322
からの制御信号h11により、第1及び第2の入力端子
P13,P14を交互に選択してコモン端子C13に接
続する。
【0015】切換器313のコモン端子C13は、トラ
ッキング制御装置の出力端子323に接続される。これ
により、出力端子323には、切換器313のコモン端
子C11からトラッキングエラー値を示す出力電圧i1
1が導かれる。
【0016】図12はこのようなうトラッキング制御装
置のトラッキングがセンターの場合の動作を示すタイミ
ングチャートであり、図12(a)はトレースするトラ
ックを示し、図12(b)はヘッドスイッチパルス信号
a11を示し、図12(c)はf1 ・BPF315の出
力信号c11を示し、図12(d)はf2 ・BPF31
6の出力信号d11を示し、図12(e)は比較器31
9の出力信号g11を示し、図12(f)は制御信号発
生回路322からの制御信号h11を示し、図12
(g)は切換器321の出力電圧i11を示し、図12
(h)は出力電圧i11に対するサンプリングタイミン
グを示している。
【0017】磁気ヘッド311,312は、交互にトラ
ックをトレースするようになっており、図12(a)に
示すように、f0 トラック300→f1 トラック301
→f0 トラック300→f2 トラック302→f0 トラ
ック300→f1 トラック301の順でトレースを行
う。これに対して、入力端子310からのヘッドスイッ
チパルス信号a11は、図12(b)に示すように、ト
レースするトラックに同期してローレベルLとハイレベ
ルHに切換わるようになっており、トレースするトラッ
クがf0 トラック300となった場合にハイレベルHと
なり、トレースするトラックがf1 トラック301また
はf2 トラック302となった場合にローレベルLとな
る。切換器313は、ヘッドスイッチパルス信号a11
がハイレベルHの場合に、第1の入力端子P11を選択
してコモン端子C11に接続し、ヘッドスイッチパルス
信号a11がローレベルHの場合に、第2の入力端子P
12を選択してコモン端子C11に接続する。
【0018】これにより、磁気ヘッド311,312に
より再生された信号は、プリアンプ314に導びかれ
る。
【0019】磁気ヘッド311,312で再生された信
号は、プリアンプ314により増幅されてからf1 ・B
PF315とf2 ・BPF316に入力される。尚、こ
れらBPFに入力する前にパイロット信号以外の成分を
除去するためのフィルタが挿入される場合もある。
【0020】f1 ・BPF315及びf2 ・BPF31
6とは、それぞれ周波数f1 及び周波数f2 のパイロッ
ト信号成分を抜き出し、それぞれ図12(c),(d)
に示すような波形の出力信号c11,d11を出力す
る。ここで、f0 トラック300においては、両隣から
のパイロット信号成分は、ほぼ同じレベルで出力され、
f1 ,f2 トラック301,302においては、各トラ
ックのパイロット信号成分が最大レベルとなる。このた
め、f1 ・BPF315の出力信号c11は、トレース
するトラックがf1 トラック301となった場合に振幅
が最大レベルとなり、トレースするトラックがf2 トラ
ック302となった場合に振幅が0レベルとなり、トレ
ースするトラックがf0 トラック300となった場合に
振幅が中間レベルとなる。f2 ・BPF316の出力信
号d11は、トレースするトラックがf2 トラック30
2となった場合に振幅が最大レベルとなり、トレースす
るトラックがf1 トラック301となった場合に振幅が
0レベルとなり、トレースするトラックがf0 トラック
300となった場合に振幅が中間レベルとなる。f1・
BPF315及びf2 ・BPF316の出力信号c1
1,d11は、レベル検波器317,318によりそれ
ぞれエンベロープ検波され、比較器319に入力され
る。比較器319では、検波回路317からの検波信号
e11から検波回路318からの検波信号s11を減算
し、検波信号e11=検波信号s11の場合にはセンタ
ー値(例えば2.5V)を出力する。このため、比較器
319の出力信号g11は、図12(e)に示すよう
に、トレースするトラックがf1 トラック301となっ
た場合に最大値となり、トレースするトラックがf2 ト
ラック302となった場合に最小値となり、トレースす
るトラックがf0 トラック300となった場合にセンタ
ー値となる。
【0021】制御信号発生回路322からの制御信号h
11は、図12(f)に示すように、ヘッドスイッチパ
ルス信号a11がローレベルLからハイレベルHに切換
わると同時にレベルが切換わるようになっている。
【0022】切換器321は、制御信号h11がハイレ
ベルHの場合に、第1の入力端子P91を選択してコモ
ン端子C91に接続し、ヘッドスイッチパルス信号a1
1がローレベルHの場合に、第2の入力端子P12を選
択してコモン端子C11に接続する。
【0023】これにより、切換器321の出力電圧i1
1は、f0 トラック300において、センター値(図1
2(e)のセンター値と同様)となり、f1 トラック3
01及びf2 トラック302においては、最小値(図1
2(e)の最小値と同様)となる。切換器321の出力
電圧i11は、f0 トラック300をトレースしている
時が両隣のパイロットレベルを比較した結果を示してい
るので、f0 トラック300の期間において、図12
(h)に示すように、1回又は複数回サンプリングを行
うことにより、トラッキングエラー値を得ることができ
る。ここで、図12ではトラッキングがセンターの時の
波形を示しているので、サンプリング値は、センター値
(2.5V)となる。
【0024】図13はこのようなうトラッキング制御装
置が磁気テープに記録したトラックを読出す場合の動作
を示す説明図である。
【0025】図13において、記録時には、f1 パイロ
ットを含むf1 トラック301と、f2 パイロットを含
むf2 トラック302と、パイロット信号を含まないf
0 トラック300とを、トラック301→300→30
2→300→301の順で循環させることにより、トラ
ックパターンを構成している。
【0026】このような再生時において、トラッキング
がセンター位置にある場合、磁気ヘッド311はf0 ト
ラック300をトレースすることによりそのトラックに
記録されている情報と共に、f0 トラック300をトレ
ースしている時にはその両隣のトラック301,302
からの周波数f1 ,f2 のパイロット信号を再生する。
磁気ヘッド311は、f0 トラック300をトレースし
た後、破線に示すように、f1 トラック301を飛び越
して、次のf0 トラック300のトレースを行う。ま
た、図11に示した磁気ヘッド312は、f1 トラック
301をトレースしている時には、そのトラック301
の周波数f1 のパイロット信号f1 を、f2 トラック3
02をトレースしている時にはそのトラック302の周
波数f2 のパイロット信号を再生する。
【0027】次にトラッキングがずれた時、例えば図1
3で磁気ヘッド311がセンターより左にずれた時に
は、左隣がf2 トラック302、右隣がf1 トラック3
01であるf0 トラック(実線の磁気ヘッド311がト
レース中のトラック)では、周波数f2 のパイロット信
号のレベルLf2 が増加し、周波数f1 のパイロット信
号のレベルLf1 が減少する。従って、比較器319の
出力信号g1(Lf1 −Lf2 )は、センター値より低
いレベルとなるが、ここでは、極性反転器320の出力
(Lf2 −Lf1 )の方に切換器321が選択されるた
め、切換器321の出力信号i11は、センター値より
高いレベルが得られる。一方、左隣がf1トラック、右
隣がf2 トラックであるf0 トラック(磁気ヘッド点
線)では、磁気ヘッドが左にずれると、周波数f1 のパ
イロット信号のレベルLf1 が増加し、周波数f2 のパ
イロット信号のレベルLf2 が減少する。比較器319
の出力信号g1(Lf1 −Lf2 )は、センター値より
高いレベルとなり、切換器321でも比較器319の出
力信号g1を選択しているので、比較器319の出力信
号g1(Lf1 −Lf2 )がそのまま出力される。この
ように、磁気ヘッドが左にずれた時にはどのf0 トラッ
ク300においても、トラッキングエラー値は、センタ
ー値より高いレベルとなり、この値をサンプリングする
ことにより、トラッキングのずれ状態を検知することが
でき、この値を、例えばテープ送りを制御しているキャ
プスタン速度制御系に加算することにより、磁気ヘッド
のトラッキング制御を行うことができる。
【0028】ところで、通常再生速度以外の状態(停止
や高速・低速再生)から通常再生モードに入った直後な
どにおいてはトラッキング位置はセンターに引き込んで
いない場合が多く、トラッキング制御によりセンターに
引き込むことになる。従って通常再生モードに入った直
後のトラッキング位置がセンターより遠い程、引き込み
に時間がかかってしまう。
【0029】図14はこのようなうトラッキング制御装
置のトラックパターンに対する磁気ヘッドのトラッキン
グ位置を示す説明図である。
【0030】図14において、各トラックは、f0 トラ
ック300→f1 トラック301→f0 トラック300
→f2 トラック302の並びで循環して構成されてお
り、説明のために、図のようにトラックナンバー(No
)を1〜4とする。今、磁気ヘッド311がトレース
すべきトラックをトラックNo1のf0 トラック300と
すると、H1位置は磁気ヘッド311のトラッキングが
センター位置を示し、H2位置は磁気ヘッド311のト
ラッキングが右に1/2トラックずれた位置を示し、H
3位置は磁気ヘッド311のトラッキングが右に1トラ
ックずれた位置を示し、H4位置は磁気ヘッド311の
トラッキングが右に3/2トラックずれた位置を示し、
H5位置は磁気ヘッド311のトラッキングが右に2ト
ラックずれた位置を示している。
【0031】次に、トラックパターンのアジマスと磁気
ヘッドアジマスについて説明する。図15のようにトラ
ックパターンがA,Bアジマスによるアジマス記録され
ている時、H1をトラックセンターとしているので、H
1〜H5で示す磁気ヘッドは、Aアジマスである。従っ
て位置H5においては、トラックアジマスと磁気ヘッド
アジマスは一致しており、磁気ヘッドから再生されるパ
イロット信号以外の再生情報も位置H1の場合と同等に
再生される。しかしながら位置H5は引き込み位置でな
いためやがて位置H1に移動することになり、この時逆
アジマスであるトラックを必ず横切らなければならな
い。このため逆アジマスを横切る時には、パイロット信
号以外の情報は再生されなくなってしまい、著しい再生
情報の欠落となってしまう(パイロット信号は、アジマ
スが逆でも再生される程の低周波に設定されている)。
【0032】図15は図14のトラッキング位置におけ
るトラッキンクエラー値を示すグラフであり、縦軸にト
ラッキングエラー値Eを示し、横軸にトラッキングずれ
量Lを示している。
【0033】図15において、前述の図14(F)で示
すように、トラックNo1では切換器321が極性反転器
320の出力を選択するため、トラッキングエラー値E
は、レベルLf2 −Lf1 となっている。又、トラッキ
ングエラー値Eは、トラッキングセンターにおいて0と
し、最大値を+a、最小値を−aとしている。位置H1
では、トラッキングセンターなのでトラッキングエラー
値Eは0となり、位置H3において、トラッキングエラ
ー値Eは最小値の−aとなり、位置H5において、トラ
ッキングエラー値Eは再び値は0となる。従って、位置
H1と位置H5ではトラッキングエラー値は共に0であ
り、値からみるとどちらもトラッキングセンターを意味
することになる。しかしながら、この2つの状態は異な
るものである。位置H1では、磁気ヘッド311が右に
少しずれると、トラッキングエラー値Eが負を示すの
で、トラッキング制御は左にシフトする動作となり、逆
に磁気ヘッド311が左に少しずれるとトラッキングエ
ラー値Eが正の値となり、トラッキング制御は右にシフ
トする動作となり、結局磁気ヘッド311は位置H1に
戻ろうとする。位置H5では、磁気ヘッド311が右に
少しずれるとトラッキングエラー値Eは正の値となるの
で、トラッキング制御はさらに右にシフトするように動
作し、逆に磁気ヘッド311が左に少しずれるとトラッ
キングエラー値Eは、負の値となるので、トラッキング
制御はさらに左にシフトするように動作し結局位置H5
に引き込む動作とはならない。ただし、位置H5付近で
は、トラッキングエラー値Eが0付近となるためこの位
置から移動しようとする能力も小さく、この位置H5に
磁気ヘッド311が一時的にとどまっている場合も多
く、この位置H5から位置H1に引き込むのに数秒かか
ってしまう(この位置H5にとどまっている状態を、裏
ロック状態と称す)。
【0034】このような従来のトラッキング制御装置に
おいて、通常再生速度以外の状態(停止や高速・低速再
生)から通常再生モードに入った直後などにおいてはト
ラッキング位置はセンターに引き込んでいない場合が多
く、トラッキング制御によりセンターに引き込むことに
なる。従って通常再生モードに入った直後のトラッキン
グ位置がセンターより遠い程、引き込みに時間がかかっ
てしまう。特に裏ロック状態に入ると、正規のロック位
置に引き込むのに数秒もかかってしまう。また従来にお
いては、トラッキングがロックしたかしていないかの情
報がないため、トラッキングがロックした後に切り換え
る制御信号などは、トラッキングロックの最長時間を想
定してそれ以上に設定するか、ロック以前に切り換え
て、多少の不具合は許容するかであった。
【0035】また、2周波のパイロット信号を用いてト
ラッキング制御を行うトラッキング制御装置において、
記録速度が複数個(ここでは2個とする)ある場合、記
録速度の情報は記録時に他の情報と共にデジタルデータ
として記録されている。したがって、再生時にはこの情
報により記録速度を検出することができる。しかしなが
ら、記録速度と再生速度が一致している時にはトラッキ
ングの引き込みにより記録情報が正しく再生され、記録
速度情報も確実に検出することができるが、記録速度と
再生速度が一致していない時には、トラッキングも引き
込まないため記録情報は正しく再生されずに、記録速度
の情報も不確実なものとなってしまい、記録速度の誤判
別、判別の遅れ、トラッキングの引き込みの遅れとなっ
てしまう。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のトラ
ッキング制御装置では、トラッキングが引き込んでいな
い状態から引き込んだ(ロック)状態に入るのに時間が
かかる場合があり、特に裏ロック状態となると数秒もか
かってしまう。また、トラッキングがロックしたか否か
の情報がないため、再生モードの切り換えタイミングが
遅れてしまう。さらに、速度判別の手段が記録されてい
るデジタル情報を再生して判別する場合、記録速度と再
生速度に不一致があると、誤判断、判別の遅れとなって
しまう。
【0037】そこで本発明は上記欠点を除去し、簡単な
回路構成で短時間にトラッキングがロックしたか否かを
検出することができるトラッキング制御装置を提供する
とともに、簡単な回路構成で短時間にトラッキングがロ
ックしたか否かを検出するとともにトラッキングが裏ロ
ック位置でロックしたか否かを検出することができるト
ラッキング制御装置を提供するとともに、簡単な回路構
成で短時間に記録速度の判別を行うことができるトラッ
キング制御装置を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
よるトラッキング制御装置は、複数のトラックを一定の
配列で循環させてトラックパターンが構成され、該複数
のトラックの少なくとも2つの周波数の異なるパイロッ
ト信号を記録した磁気テープを再生する場合のトラッキ
ング制御を行うトラッキング制御装置であって、前記磁
気テープのトラックのトレースを行い再生信号を出力す
る磁気ヘッドと、この磁気ヘッドからの再生信号におけ
る複数のパイロット信号のレベルの差を検出することに
より差信号を作成して出力する差信号出力手段と、この
差信号出力手段からの差信号をトラッキング制御用サン
プリングタイミングでサンプリングを行いトラッキング
制御用のデータを出力するとともに、該差信号出力手段
からの差信号を該トラッキング制御用サンプリングタイ
ミングとは該差信号を作成したトラックが異なるロック
検出用サンプリングタイミングでサンプリングを行いロ
ック検出用のデータを出力するデータ出力手段と、この
データ出力手段からのトラッキング制御用のデータに基
づいてトラッキング制御を行うトラッキング制御手段
と、前記データ出力手段からのロック検出用のデータを
2値化する2値化回路と、この2値化回路からの2値化
信号によりトラッキング制御状態がロックしたか否かを
検出する検出回路とを具備したことを特徴とする。
【0039】請求項2記載の本発明によるトラッキング
制御装置は、複数のトラックを一定の配列で循環させて
トラックパターンが構成され、該複数のトラックの少な
くとも2つの周波数の異なるパイロット信号を記録した
磁気テープを再生する場合のトラッキング制御を行うト
ラッキング制御装置であって、前記磁気テープのトラッ
クのトレースを行い再生信号を出力する磁気ヘッドと、
この磁気ヘッドからの再生信号における複数のパイロッ
ト信号のレベルの差を検出することにより差信号を作成
して出力する差信号出力手段と、この差信号出力手段か
らの差信号をトラッキング制御用サンプリングタイミン
グでサンプリングを行いトラッキング制御用のデータを
出力するとともに、該差信号出力手段からの差信号を該
トラッキング制御用サンプリングタイミングとは該差信
号を作成したトラックが異なるロック・裏ロック検出用
サンプリングタイミングでサンプリングを行いロック・
裏ロック検出用のデータを出力するデータ出力手段と、
このデータ出力手段からのトラッキング制御用のデータ
に基づいてトラッキング制御を行うトラッキング制御手
段と、前記データ出力手段からのロック・裏ロック検出
用のデータを2値化する2値化回路と、この2値化回路
からの2値化信号によりトラッキング制御状態がロック
したか否かを検出するとともに、トラッキング制御状態
が裏ロック位置でロックしたか否かを検出するロック・
裏ロック検出回路と、このロック・裏ロック検出回路が
裏ロック位置であることを検出した場合に、差信号出力
手段からの差信号を反転させることにより、前記トラッ
キング制御を裏ロック位置から正規のロック位置に引き
込ませる手段とを具備したことを特徴とする。
【0040】請求項3記載の本発明によるトラッキング
制御装置は、複数の記録速度を有し、複数のトラックを
一定の配列で循環させてトラックパターンが構成され、
該複数のトラックの少なくとも2つの周波数の異なるパ
イロット信号を記録した磁気テープを再生する場合のト
ラッキング制御を行うトラッキング制御装置であって、
前記磁気テープのトラックのトレースを行い再生信号を
出力する磁気ヘッドと、この磁気ヘッドからの再生信号
における複数のパイロット信号のレベルの差を検出する
ことにより差信号を作成して出力する差信号出力手段
と、この差信号出力手段からの差信号をトラッキング制
御用サンプリングタイミングでサンプリングを行いトラ
ッキング制御用のデータを出力するとともに、該差信号
出力手段からの差信号を該トラッキング制御用サンプリ
ングタイミングとは該差信号を作成したトラックが異な
る記録速度判別用サンプリングタイミングでサンプリン
グを行い記録速度判別用のデータを出力するデータ出力
手段と、このデータ出力手段からのトラッキング制御用
のデータに基づいてトラッキング制御を行うトラッキン
グ制御手段と、前記データ出力手段からの記録速度判別
用のデータを2値化する2値化回路と、この2値化回路
からの2値化信号により磁気テープの記録速度と再生速
度とが一致しているか否かを検出する検出回路とを具備
したことを特徴とする。
【0041】
【作用】請求項1記載の構成によれば、データ出力手段
が、差信号出力手段からの差信号を該トラッキング制御
用サンプリングタイミングとは該差信号を作成したトラ
ックが異なるロック検出用サンプリングタイミングでサ
ンプリングを行いロック検出用のデータを出力するの
で、簡単な回路構成で短時間にトラッキングがロックし
たか否かを検出することができる。
【0042】請求項2記載の構成によれば、データ出力
手段が、差信号出力手段からの差信号を該トラッキング
制御用サンプリングタイミングとは該差信号を作成した
トラックが異なるロック・裏ロック検出用サンプリング
タイミングでサンプリングを行いロック・裏ロック検出
用のデータを出力するので、簡単な回路構成でトラッキ
ングがロックしたか否かを検出するとともにトラッキン
グが裏ロック位置でロックしたか否かを検出することが
できる。
【0043】請求項3記載の構成によれば、データ出力
手段が、差信号出力手段からの差信号を該トラッキング
制御用サンプリングタイミングとは該差信号を作成した
トラックが異なる記録速度判別用サンプリングタイミン
グでサンプリングを行い記録速度判別用のデータを出力
するので、簡単な回路構成で短時間に記録速度の判別を
行うことができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0045】図1は本発明に係るトラッキング制御装置
の一実施例を示すブロック図である。
【0046】図1において、磁気ヘッド11,12は、
それぞれアジマスがA,Bとなっており、回転ドラムに
180°対向で取り付けられ、磁気テープをトレースす
るようなになっている。これら磁気ヘッド11,12の
出力端子の一端は切換器13の第1及び第2の入力端子
P1,P2に接続され、他端は基準電位点に接続され
る。
【0047】切換器13のコモン端子C1は、プリアン
プ14の入力端子に接続される。
【0048】切換器13は、回転シリンダの回転検出信
号に基づいて作成された入力端子10からのヘッドスイ
ッチパルス信号a1により、第1及び第2の入力端子P
1,P2を交互に選択してコモン端子C1に接続する。
これにより、切換器13は、磁気ヘッド11,12の
内、テープをトレース中の磁気ヘッドを選択し、選択し
た磁気ヘッドの出力信号をプリアンプ14に導く。
【0049】プリアンプ14は、切換器13のコモン端
子C1からの出力信号を増幅し、出力信号b1としてf
1 ・BPF15,f2 ・BPF16に供給する。
【0050】f1 ・BPF15は、供給される出力信号
b1に対して周波数f1 の帯域濾波を行い、抽出した周
波数f1 の出力信号c1を検波回路17に供給する。
【0051】f2 ・BPF16は、供給される出力信号
b1に対して周波数f2 の帯域濾波を行い、抽出した周
波数f1 の出力信号d1を検波回路18に供給する。
【0052】検波回路17は、周波数f1 の出力信号c
1のエンベロープ検波を行い、検波信号e1を比較器1
9の非反転入力端子(+)に供給する。
【0053】検波回路18は、周波数f2 の出力信号d
1のエンベロープ検波を行い、検波信号s1を比較器1
9の反転入力端子(−)に供給する。
【0054】比較器19は、検波回路17からの検波信
号e1から検波回路18からの検波信号s1を減算し、
この減算結果の出力信号g1を切換器21の一方の入力
端子P3に導くとともに、該減算結果の出力信号g1を
反転器20を介して切換器21の他方の入力端子P4に
導く。
【0055】マイクロコンピュータ30は、制御信号発
生回路31、アナログ・デジタル変換回路(A・D変換
回路)32、2値化回路33、ロック・裏ロック検出回
路34、速度判別回路35及びトラッキング制御回路4
0から構成されている。
【0056】制御信号発生回路31は、ロック・裏ロッ
ク検出回路34の裏ロック検出の結果によりコントロー
ルされ入力端子10からのヘッドスイッチパルス信号a
11に同期してヘッドスイッチパルス信号a11に対し
て周波数が1/2のパルス信号となる制御信号h11を
出力する。
【0057】切換器21は、制御信号発生回路22から
の制御信号h1により、第1及び第2の入力端子P1,
P2を交互に選択してコモン端子C11に接続する。
【0058】このような構成により、切換器13、プリ
アンプ14、f1 ・BPF15,f2 ・BPF16、検
波回路17,18、比較器19、反転器20及び切換器
21は、磁気ヘッド11,12からの再生信号における
複数のパイロット信号のレベルの差を検出することによ
り差信号を作成して出力する差信号出力手段を構成して
いる。
【0059】切換器21のコモン端子C11は、マイク
ロコンピュータ30のA・D変換回路32の入力端子に
接続される。
【0060】A・D変換回路32は、切換器21のコモ
ン端子C11からのからトラッキングエラー値を示す出
力電圧i1をトラッキング制御用サンプリングタイミン
グ(トラッキングがセンターの場合にバイロット信号を
含まないトラックのトレースとなるタイミング)でサン
プリングを行い、このデータのデジタル信号j0をトラ
ッキング制御回路40へ送り、ロック・裏ロック検出及
び速度判別用サンプリングタイミング(トラッキングが
センターの場合にパイロット信号を含まないトラックの
トレースとなるタイミング)でサンブリングを行い、こ
のデータのデジタル信号j1をを2値化回路33に供給
する。
【0061】2値化回路33は、A・D変換回路32か
らのデジタル信号j1に対して“1”or“0”の2値
化を行い、2値化信号k1をロック・裏ロック検出回路
34及び速度判別回路35に供給する。
【0062】ロック・裏ロック検出回路34は、2値化
回路33からの2値化信号k1よりロック・裏ロックの
検出を行い、この検出結果に基づいて制御信号m1を作
成して制御信号発生回路31に供給とて制御するととも
に、ロック信号n1を作成して出力端子36に導く。
【0063】速度判別回路35は、2値化回路33から
の2値化信号k1より記録速度が標準モード(SP)
と、標準の1/2の速度の長時間モード(LP)どちか
らを判定し、この判定結果の速度判定信号p1を出力端
子37に導く。
【0064】トラッキング制御回路40は、トラッキン
グ制御手段となっており、デジタル信号j0に基づいて
磁気ヘッド11,12のトラッキング制御を行う。
【0065】図2はこのようなうトラッキング制御装置
のトラッキングがセンターの場合の動作を示すタイミン
グチャートであり、図2(a)はトレースするトラック
を示し、図2(b)はヘッドスイッチパルス信号a1を
示し、図2(c)はf1 ・BPF15の出力信号c1を
示し、図2(d)はf2 ・BPF16を示し、図2
(e)は比較器19の出力信号g1を示し、図2(f)
は制御信号発生回路22からの制御信号h1を示し、図
2(g)は切換器21の出力電圧i1を示し、図2
(h)はトラッキング制御用サンプリングタイミングを
示し、図2(i)はロック・裏ロック検出及び速度判別
用サンプリングタイミングを示し、図2(j)は2値化
後のデータを示している。
【0066】磁気ヘッド11,12は、交互にトラック
をトレースするようになっており、図2(a)に示すよ
うに、f2 トラック102→f0 トラック100→f1
トラック101→f0 トラック100→f2 トラック1
02→f0 トラック100の順でトレースを行う。これ
に対して、入力端子10からのヘッドスイッチパルス信
号a1は、図2(a)に示すように、トレースするトラ
ックに同期してローレベルLとハイレベルHに切換わる
ようになっており、トレースするトラックがf0 トラッ
ク100となった場合にハイレベルHとなり、トレース
するトラックがf1 トラック101またはf2 トラック
102となった場合にローレベルLとなる。切換器13
は、ヘッドスイッチパルス信号a1がハイレベルHの場
合に、第1の入力端子P1を選択してコモン端子C1に
接続し、ヘッドスイッチパルス信号a1がローレベルH
の場合に、第2の入力端子P2を選択してコモン端子C
1に接続する。
【0067】これにより、磁気ヘッド11,12により
再生された信号は、プリアンプ14に導びかれる。
【0068】磁気ヘッド11,12で再生された信号
は、プリアンプ14により増幅されてからf1 ・BPF
15とf2 ・BPF16に入力される。
【0069】f1 ・BPF15及びf2 ・BPF16と
は、それぞれ周波数f1 及び周波数f2 のパイロット信
号成分を抜き出し、それぞれ図2(c),(d)に示す
ような波形の出力信号c1,d1を出力する。ここで、
f0 トラック100においては、両隣からのトラックか
らのクロストーク分のパイロット信号成分が、ほぼ同じ
レベルでプリアンプ14から出力され、f1 ,f2 トラ
ック101,102においては、各トラックのパイロッ
ト信号成分が大レベルとなる。f0 トラック100を再
生中にはパイロット信号によりf1 側とf2 側に同じ小
レベルでプリアンプ14から出力される。ただしこれは
サーボがロックした時のもので、ノンロック時には偏っ
た出力となる。f1 ・BPF15の出力信号c1は、ト
レースするトラックがf1 トラック101となった場合
に振幅が最大レベルとなり、トレースするトラックがf
2 トラック102となった場合に振幅が0レベルとな
り、トレースするトラックがf0 トラック100となっ
た場合に振幅が小レベルとなる。f2 ・BPF16の出
力信号d1は、トレースするトラックがf2 トラック1
02となった場合に振幅が最大レベルとなり、トレース
するトラックがf1 トラック101となった場合に振幅
が0レベルとなり、トレースするトラックがf0 トラッ
ク100となった場合に振幅が中間レベルとなる。f1
・BPF15及びf2 ・BPF16の出力信号c1,d
1は、レベル検波器17,18によりそれぞれエンベロ
ープ検波され、比較器19に入力される。比較器19で
は、検波回路17からの検波信号e1から検波回路18
からの検波信号s1を減算し、検波信号e1=検波信号
s1の場合にはセンター値(例えば2.5V)を出力す
る。このため、比較器19の出力信号g1は、図2
(e)に示すように、トレースするトラックがf1 トラ
ック101となった場合に最大値となり、トレースする
トラックがf2 トラック102となった場合に最小値と
なり、トレースするトラックがf0 トラック100とな
った場合にセンター値となる。
【0070】制御信号発生回路22からの制御信号h1
は、図2(f)に示すように、ヘッドスイッチパルス信
号a1がローレベルLからハイレベルHに切換わると同
時にレベルが切換わるようになっている。
【0071】切換器21は、制御信号h1がハイレベル
Hの場合に、第1の入力端子P3を選択してコモン端子
C3に接続し、ヘッドスイッチパルス信号a1がローレ
ベルHの場合に、第2の入力端子P4を選択してコモン
端子C3に接続する。
【0072】これにより、切換器21の出力電圧i1
は、f0 トラック100において、センター値(図2
(e)のセンター値と同様)となり、f1 トラック10
1及びf2 トラック102においては、最低値(図2
(e)の最低値と同様)となる。
【0073】切換器21の出力電圧i1出力はマイクロ
コンピュータ30に入力しA・D変換器32によりデジ
タル信号j0,j1となる。ここで、A・D変換器32
は、トラッキング制御用にデータを使用する時にはf0
トラック100で(1回または複数回)サンプリング
(ここでのサンプリングとはA・D変換を行ってデジタ
ルデータを取り込むこと)する必要があるので、図2
(h)で示すタイミングでサンプリングし、このデータ
のデジタル信号j0をトラッキング制御回路40へ送
る。A・D変換器32は、トラッキング制御に使用しな
いトラック、つまりf1 トラック101とf2 トラック
102においても図2(i)に示すように1回または複
数回のサンプリングし、このサンプリングしたデータの
デジタル信号j1を2値化回路33に供給する。デジタ
ル信号j1は、2値化回路33にて比較器19出力のセ
ンター電位(センター値)をシュミットレベルとして
“0”と“1”に2値化される。図2(j)は2値化後
のデータであり、図2(i)に示したタイミングではA
・D回路32に入力する出力信号i1がすべてセンター
値より低いレベルとなっているため、データはすべて
“0”となる。この2値化後のデータはロック・裏ロッ
ク検出回路34と速度判別回路35へ送られ、それぞれ
の判別ロジックによりロック検出、裏ロック検出、速度
判別が行われる。
【0074】次に、ロック検出の判別ロジックについて
説明する。この図2に示している波形はトラッキングが
ロックした時の波形であり、つまりトラッキングがロッ
クした時には図2(j)のデータはすべて“0”とな
る。ところが、トラッキングがロックしていない時には
図2(i)タイミングでサンプリングしたデータはまだ
不安定であり、図2(j)のデータは“1”となったり
“0”となったりする。したがって、この図2(j)の
データが連続して複数回“0”となればトラッキングが
ロックしたと判断することができる。ロック信号n1は
各回路(マイコン内も含む)に送られて、回路の切り換
えなどに使用される。この回路の切り換えには、例え
ば、信号処理において再生モード以外のモードから再生
モードへの切り換えや、トラッキング制御におけるサー
ボゲインの切り換えなどである。
【0075】次に、図3を用いて裏ロック検出について
説明する。
【0076】図3は図1のトラッキング制御装置の裏ロ
ック検出動作を示すタイミングチャートであり、図3
(a)はトレースさせたいトラックを示し、図3(b)
は実際のトレーストラックを示し、図3(c)はヘッド
スイッチパルス信号a1を示し、図3(d)はf1 ・B
PF15の出力信号c1を示し、図3(e)はf2 ・B
PF16の出力信号d1を示し、図3(f)は比較器1
9の出力信号g1を示し、図3(g)は制御信号発生回
路22からの制御信号h1を示し、図3(h)は切換器
21の出力電圧i1を示し、図3(i)はトラッキング
制御用サンプリングタイミングを示し、図3(j)はロ
ック・裏ロック検出及び速度判別用サンプリングタイミ
ングを示し、図3(k)は2値化後のデータを示してい
る。
【0077】ここで、裏ロックとは、トラッキングが2
トラックずれた位置にある時にトラッキングエラー値が
センター付近となってしまい、一時的にロックした状態
となってしまうことである。
【0078】裏ロック状態において、図3(a)は本来
トレースさせたい(引き込ませたい)トラックを示して
おり、図2(a)と同じものである。図3(b)は実際
にトレースしているトラックであり、図3(a)に対し
て2トラックずれた位置をトレースしている。図3
(c)に示すヘッドスイッチパルス信号a1は図2
(b)と同様になっている。図3(d)に示すf1 ・B
PF15の出力信号c1は、図2(c)に対して2トラ
ックずれている。図3(e)に示すf2 ・BPF16の
出力信号d1は、図2(d)に対して2トラックずれて
いる。このため、図3(f)に示す比較器19の出力信
号g1は、図2(e)に対して2トラックずれている。
一方、図3(g)に示す制御信号h1は、図2(f)と
同様になっている。このため、図3(h)に示す切換器
21の出力信号i1は、図3(i)に示すトラッキング
制御用サンプリングタイミングではセンター値となり、
トラッキングは引き込んだことになる。しかしながら、
ロック・裏ロック検出及び速度判別用サンプリングタイ
ミングでは常にセンターレベルより高い電位となり、図
3(k)に示す2値化後のデータはすべて“1”とな
る。したがって、この2値化したデータが常に“1”で
あれば裏ロックの位置であると判断することができるの
で、裏ロックの判別ロジックとしては、2値化後のデー
タとして複数回連続して“1”を検出したら裏ロック位
置であるとすればよい。
【0079】次に裏ロック検出から正規のロック状態に
復帰する場合の動作について図4を用いて説明する。
【0080】図4は図1のトラッキング制御装置の裏ロ
ック検出から正規のロック状態に復帰する場合の動作を
示すタイミングチャートであり、図4(a)は磁気ヘッ
ドのトレースナンバーを示し、図4(b)はトレースさ
せたいトラックを示し、図4(c)は実際のトレースト
ラックを示し、図4(d)は比較器19の出力信号g1
を示し、図3(e)は制御信号発生回路22からの制御
信号h1を示し、図4(f)は切換器21の出力電圧i
1を示し、図4(g)はトラッキング制御用サンプリン
グタイミングを示し、図4(h)はロック・裏ロック検
出及び速度判別用サンプリングタイミングを示し、図4
(i)は2値化後のデータを示している。
【0081】図4(a)において、説明の都合で磁気ヘ
ッドのトレースナンバーを1〜7とする。トレースナン
バー3までが裏ロック状態となっており、トレースナン
バー3までは図4(d)に示す比較器19の出力信号g
1、図4(e)に示す制御信号発生回路22からの制御
信号h1、図4(f)は切換器21の出力電圧i1は、
それぞれ図3(f),図3(g),図3(h)に示した
状態と同様になる。トレース1以前にも図4(i)に示
す2値化後のデータは“1”が連続しており、決められ
た複数回の連続がトレース3で達成したとすると、図4
(h)に示すトレース3のサンプリングにおいて裏ロッ
クを検出したことになる。裏ロックが検出されたという
情報は切換器21に制御信号h1を供給する制御信号発
生器31に伝えられる。ここで、制御信号発生器31の
出力の“H/L”は2トレース毎に切り換えられるが、
このタイミングはトレースさせたいトラックを意味して
いる。つまり、制御信号が“H”の時には前半のトレー
スがf0 トラックで後半がf1 トラック、制御信号が
“L”の時には前半がf0 トラックで後半がf2 トラッ
クをトレースさせたいということである。したがって、
制御信号発生器31では、本来ならトレース4では
“L”を出力するタイミングであるが、裏ロック検出の
情報により“H”を出力する。また、本来“L”を出力
するタイミングであれば“H”となる。したがって、ロ
ック・裏ロック検出回路34が裏ロックを検出した場合
には、差信号出力手段からの出力信号i1を反転させる
ことになる。これにより、図4(b)に示すトレースさ
せたいトラックはトレース4からはf0 トラック100
→f1 トラック101→f0 トラック100→f2 トラ
ック102となり、図4(c)に示す実際のトレースト
ラックと一致する。この時、図4 (g)に示すトラッ
キング制御用サンプリングタイミングにより得られたト
ラッキング制御用のデータはセンター付近であり、ま
た、図4(h)に示すタイミングにより得られたロック
検出用の図4(i)に示す2値化後のデータもトレース
5からすでに“0”となりトラッキングが引き込んだこ
とになる。このように、裏ロック位置から正規のロック
位置に引き込ませるのに、制御信号h1の“H/L”の
極性を反転させるのみで即座に行うことができる。トレ
ースナンバー7からは図4(d)に示す比較器19の出
力信号g1、図3(e)に示す制御信号発生回路22か
らの制御信号h1、図4(f)は切換器21の出力電圧
i1は、それぞれ図2(e),図2(f),図2(g)
に示した状態と同様になり、図2の状態に復帰したこと
になる。
【0082】次に用いて速度判別について説明する。
【0083】ここでは記録速度が標準モード(SP)
と、標準の1/2の速度の長時間モード(LP)を有す
るものとする。速度判別に使用するデータは前記してい
るロック検出、裏ロック検出で使用しているトラッキン
グ制御に使用しないトラックから得られた2値化された
データを用いる。図2で示している波形は、SPモード
においてもLPモードにおいても同じ波形となるもので
あり、トラッキングがロックしている時には2値化後の
データは常に“0”となっている。つまり、トラッキン
グがロックしているということは記録速度と再生速度が
一致しているということであり、この2値化後のデータ
が常に“0”であることは記録速度と再生速度が一致し
ていることを示している。次に記録速度と再生速度が違
った時の動作を説明する。
【0084】図5は図1のトラッキング制御装置のLP
記憶部をSP再生した場合の動作を示すタイミングチャ
ートであり、図5(a)はヘッドトレースを示し、図5
(b)はヘッドスイッチパルス信号a1を示し、図5
(c)はf1 ・BPF15の出力信号c1を示し、図5
(d)はf2 ・BPF16の出力信号d1を示し、図5
(e)は比較器19の出力信号g1を示し、図5(f)
は制御信号発生回路22からの制御信号h1を示し、図
5(g)は切換器21の出力電圧i1を示し、図5
(h)はロック・裏ロック検出及び速度判別用サンプリ
ングタイミングを示し、図5(i)は2値化後のデータ
を示している。
【0085】図5において、ここでは磁気ヘッドの4ト
レース分を示しているがこれ以外はこの4トレースの繰
り返しとなる。図5(a)に示すSP再生のヘッドトレ
ースは、その幅がLP記憶部のトラックの幅の2倍とな
っている。図5(b)に示すヘッドスイッチパルス信号
a1は、図5(a)に示すヘッドトレースにおけるトラ
ックの切換わりに対応して反転するようになっている。
図5(a)に示す、トラック上のヘッドトレースに従い
f1 ・BPF15,f2 ・BPF16からの出力信号c
1 ,d2 は、図5(c),図5(d)に示すように、そ
れぞれf1 トラック101,f2 トラック102を含む
場合に振幅が大きくなる。このため、比較器19の出力
信号g1は、ヘッドトレースにf1 トラック101を含
む場合にセンター値よりも大きいハイレベルHとなり、
f2 トラック102を含む場合にセンター値よりも小さ
いローレベルLとなる。制御信号発生回路22からの制
御信号h1は、図4(f)に示すように、ヘッドスイッ
チパルス信号a1がローレベルLからハイレベルHに切
換わると同時にレベルが切換わるようになっている。こ
れにより、切換器21の出力電圧i1は、図5(g)に
示すように、ヘッドトレースにおけるトラックの2回目
の切換わりに対応して反転するようになっている。裏ロ
ック検出及び速度判別用サンプリングタイミングは、図
4(h)と同様になっている。このため、図5(i)に
示す2値化後のデータは、“1”“0”となりこのパタ
ーンが繰り返される。したがって、SPモードで再生を
行っている時の判別ロジックは“0”が複数回連続すれ
ば記録速度はSPであり、現在の再生速度は正しいと判
断し、2値化後のデータが“1”“0”のパターンで複
数回連続すれば記録速度はLPであると判断して現在の
速度をSPからLPに変更すればよい。
【0086】図6は図1のトラッキング制御装置のSP
記憶部をLP再生した場合の動作を示すタイミングチャ
ートであり、図6(a)はヘッドトレースを示し、図6
(b)はヘッドスイッチパルス信号a1を示し、図6
(c)はf1 ・BPF15の出力信号c1を示し、図6
(d)はf2 ・BPF16の出力信号d1を示し、図6
(e)は比較器19の出力信号g1を示し、図6(f)
は制御信号発生回路22からの制御信号h1を示し、図
6(g)は切換器21の出力電圧i1を示し、図6
(h)はロック・裏ロック検出及び速度判別用サンプリ
ングタイミングを示し、図6(i)は2値化後のデータ
を示している。
【0087】図6において、ここでは磁気ヘッドの8ト
レース分を示しているがこれ以外はこの8トレースの繰
り返しとなる。LP再生のヘッドトレースは、その幅が
SP記憶部のトラックの幅と同じになっている。図6
(b)に示すヘッドスイッチパルス信号a1は、図6
(a)に示すヘッドトレースにおけるトラックの切換わ
りに対応して反転するようになっている。図6(a)に
示す、トラック上のヘッドトレースに従いf1 ・BPF
15,f2 ・BPF16からの出力信号c1 ,d2は、
図6(c),図6(d)に示すように、それぞれf1 ト
ラック101,f2トラック102を含む場合に、その
含む面積に対応して振幅が大きくなる。このため、比較
器19の出力信号g1は、,図6(e)に示すように、
ヘッドトレースにf1 トラック101を含む場合にセン
ター値よりも大きくなり、f2 トラック102を含む場
合にセンター値よりも小さくなる。制御信号発生回路2
2からの制御信号h1は、図4(f)に示すように、ヘ
ッドスイッチパルス信号a1がローレベルLからハイレ
ベルHに切換わると同時にレベルが切換わるようになっ
ている。これにより、切換器21の出力電圧i1は、図
4(g)に示すように、ヘッドトレースにおけるトラッ
クの2回目の切換わりに対応して比較器19の出力信号
g1を反転させたものとなる。図6(h)に示すロック
・裏ロック検出及び速度判別用サンプリングタイミング
は、図5(h)と同様になっている。このため、図6
(i)に示す2値化後のデータは、“0”“1”“1”
“0”となりこのパターンが繰り返される(よって
“1”“1”“0”“0”としてもよい)。したがっ
て、LPモードで再生を行っている時の判別ロジックは
“0”が少なくとも3回以上連続すれば記録速度はLP
であり、現在の再生速度は正しいと判断し、2値化後の
データが“1”“1”“0”“0”のパターンで複数回
連続すれば記録速度はSPであると判断して現在の速度
をLPからSPに変更すればよい。
【0088】以上、説明したように本実施例によれば、
差信号出力手段が磁気ヘッド11,12からの再生信号
における複数のパイロット信号のレベルの差を検出する
ことにより差信号を作成して出力し、マイクロコンピュ
ータ30がこのような差信号に対して、差信号出力手段
トラッキング制御用サンプリングタイミングとは該差信
号を作成したトラックが異なるロック検出用サンプリン
グタイミングでサンプリングを行うことにより2値化の
データを作成し、この2値化のデータを判定することに
より、簡単にロック検出、裏ロック検出、速度判別を行
うことができ、裏ロック検出後には、制御信号発生回路
31の制御信号h1の極性を反転するのみで素早く裏ロ
ック位置から正規ロック位置へ引き込ませることができ
る。
【0089】以下、図7乃至図10を用いて図1の一実
施例の変形例を説明する。この場合の変形例は複数個の
磁気ヘッドが同時に複数個のトラックを走査する磁気記
録再生装置に適用したものである。
【0090】図7は図1の一実施例の変形例における回
転シリンダ上の磁気ヘッド構成を示す説明図である。
【0091】回転シリンダ50は、左回りの回転を行う
ようになっており、A1/B1磁気ヘッド51,52が
ほぼ同じ位置に取り付けられ、それと180°対向した
位置にA2/B2磁気ヘッド53,54が取り付けられ
ている。回転シリンダ50では、A1磁気ヘッド51と
B1磁気ヘッド52とが同時にトレースを行い、A2磁
気ヘッド53とB2磁気ヘッド54とが同時にトレース
を行うとともに、A1/B1磁気ヘッド51,52と、
A2/B2磁気ヘッド53,54とが交互にトレースを
行う。
【0092】図8は図1の一実施例の変形例の磁気ヘッ
ド切換え部を示すブロック図であり、図8の除く部分に
説明には図1のブロック図を流用する。
【0093】図8において、A1/A2磁気ヘッド5
1,53は、それぞれ一方の出力端子が切換器55の第
1及び第2の入力端子P5,P6に接続され、他方の出
力端子が基準電位点に接続される。B1/B2磁気ヘッ
ド52,54は、一方の出力端子が切換器56の第1及
び第2の入力端子P7,P8に接続され、他方の出力端
子が基準電位点に接続される。
【0094】切換器55のコモン端子C5は、プリアン
プ57の入力端子に接続される。切換器56のコモン端
子C7は、プリアンプ58の入力端子に接続される。
【0095】切換器55は、回転シリンダの回転検出信
号に基づいて作成された入力端子10(図1参照)から
のヘッドスイッチパルス信号a1により、第1及び第2
の入力端子P5,P6を交互に選択してコモン端子C5
に接続する。これにより、A1/A2磁気ヘッド51,
53の内、テープをトレース中の磁気ヘッドを選択し、
選択した磁気ヘッドの出力信号をプリアンプ57に導
く。
【0096】切換器56は、入力端子10(図1参照)
からのヘッドスイッチパルス信号a1により、第1及び
第2の入力端子P7,P8を交互に選択してコモン端子
C7に接続する。これにより、B1/B2磁気ヘッド5
2,54の内、テープをトレース中の磁気ヘッドを選択
し、選択した磁気ヘッドの出力信号をプリアンプ58に
導く。
【0097】プリアンプ57は、切換器55のコモン端
子C5からの出力信号を増幅し、出力信号b21として
切換器55の第1の入力端子P9に供給する。プリアン
プ58は、切換器56のコモン端子C7からの出力信号
を増幅し、出力信号b22として切換器59の第1の入
力端子P10に供給する。
【0098】切換器56は、回転シリンダの回転検出信
号に基づいて作成された入力端子60からのスイッチパ
ルス信号r1(周波数がヘッドスイッチパルス信号a1
の2倍)により、第1及び第2の入力端子P9,P10
を交互に選択してコモン端子C9に接続する。
【0099】切換器59のコモン端子C9からの出力信
号b2は、f1・BPF15,f2・BPF16(図1
参照)に供給される。
【0100】図9は図7の回転シリンダで作成されるテ
ープ上のトラックパターンを示す説明図である。
【0101】図9において、磁気テープ61上には、f
0 トラック200→f1 トラック201→f0 トラック
200→f2 トラック202→f0 トラック200→f
1 トラック201の順でトラックが記録されている。A
1/B1磁気ヘッド51,52が同時にトレースを行う
ことにより、f0 トラック200とf1 トラック201
のトレースを行い、A2/B2磁気ヘッド53,54
(図7参照)が同時にトレースを行うことにより、f0
トラック200とf2 トラック202のトレースを行う
ようになっている。
【0102】図10はこのようなうトラッキング制御装
置のトラッキングがセンターの場合の動作を示すタイミ
ングチャートであり、図10(a)はヘッドスイッチパ
ルス信号a1を示し、図10(b)はA1磁気ヘッド5
1の出力を示し、図10(c)はB1磁気ヘッド52の
出力を示し、図10(d)はA2磁気ヘッド53の出力
を示し、図10(e)はB2磁気ヘッド54の出力を示
し、図10(f)はスイッチパルス信号r1を示し、図
10(g)は切換器59の出力信号b2を示し、図10
(h)はf1・BPF15の出力信号c1を示し、図1
0(i)はf2・BPF16の出力信号d1を示し、図
10(j)は比較器19の出力信号g1を示し、図10
(k)は制御信号発生回路22からの制御信号h1を示
し、図10(l)は切換器21の出力電圧i1を示し、
図10(m)はトラッキング制御用サンプリングタイミ
ングを示し、図10(n)はロック・裏ロック検出及び
速度判別用サンプリングタイミングを示し、図10
(o)は2値化後のデータを示している。
【0103】A1磁気ヘッド51とB1磁気ヘッド52
とは同時にトレースを行い、A2磁気ヘッド53とB2
磁気ヘッド54とは同時にトレースを行うとともに、A
1/B1磁気ヘッド51,52と、A2/B2磁気ヘッ
ド53,54とはが交互にトレースを行う。
【0104】これに対して、入力端子10からのヘッド
スイッチパルス信号a1は、図10(a)に示すよう
に、トレースする磁気ヘッドに同期してローレベルLと
ハイレベルHに切換わるようになっており、トレースを
行う磁気ヘッドがA1/B1磁気ヘッド51,52とな
った場合にハイレベルHとなり、トレースを行う磁気ヘ
ッドが、A2/B2磁気ヘッド53,54となった場合
にローレベルLとなる。切換器55は、ヘッドスイッチ
パルス信号a1がハイレベルHの場合に、第1の入力端
子P5を選択してコモン端子C5に接続し、ヘッドスイ
ッチパルス信号a1がローレベルHの場合に、第2の入
力端子P6を選択してコモン端子C5に接続する。切換
器56は、ヘッドスイッチパルス信号a1がハイレベル
Hの場合に、第1の入力端子P7を選択してコモン端子
C7に接続し、ヘッドスイッチパルス信号a1がローレ
ベルHの場合に、第2の入力端子P8を選択してコモン
端子C7に接続する。
【0105】A1/B1磁気ヘッド51,52の出力
は、図10(b),図10(c)に示すように、ヘッド
スイッチパルス信号a1がハイレベルHの場合にそれぞ
れf0トラック200,f1 トラック201をトレース
した出力となり、ヘッドスイッチパルス信号a1がロー
レベルLの場合に無信号状態となる。
【0106】A1/B1磁気ヘッド53,54の出力
は、図10(d),図10(e)に示すように、ヘッド
スイッチパルス信号a1がハイレベルLの場合にそれぞ
れf0トラック200,f2 トラック202をトレース
した出力となり、ヘッドスイッチパルス信号a1がロー
レベルHの場合に無信号状態となる。
【0107】切換器59の切換えを行うスイッチパルス
信号r1は、トレース期間を時分割(ここでは2分割)
した切換信号となっており、ヘッドスイッチパルス信号
a1の立上り及び立ち下がりのタイミングでハイレベル
Hに立上り、立上りからヘッドスイッチパルス信号a1
の1/2の周期でローレベルLに立ち下がるようになっ
ている。
【0108】これにより、切換器59の出力信号b2
は、図10(g)に示すように、ヘッドスイッチパルス
信号a1がハイレベルHとなる期間の前半及び後半にお
いてそれぞれf0 トラック200及びf1 トラック20
1をトレースした出力となり、ヘッドスイッチパルス信
号a1がローレベルLとなる期間の前半及び後半におい
てそれぞれf0 トラック200及びf2 トラック201
をトレースした出力となる。
【0109】このため、f1 ・BPF15の出力信号c
1は、図10(h)に示すように、ヘッドスイッチパル
ス信号a1がハイレベルHとなる期間の後半において振
幅が最大レベルとなり、ヘッドスイッチパルス信号a1
がローレベルLとなる期間の後半において振幅が0レベ
ルとなり、ヘッドスイッチパルス信号a1がハイレベル
HまたはローレベルLとなる期間の前半において振幅が
小レベルとなる。
【0110】f2 ・BPF16の出力信号d1は、図1
0(i)に示すように、ヘッドスイッチパルス信号a1
がハイレベルHとなる期間の後半において振幅が0レベ
ルとなり、ヘッドスイッチパルス信号a1がローレベル
Lとなる期間の後半において振幅が最大レベルとなり、
ヘッドスイッチパルス信号a1がハイレベルHまたはロ
ーレベルLとなる期間の前半において振幅が小レベルと
なる。
【0111】比較器19の出力信号g1は、図10
(j)に示すように、ヘッドスイッチパルス信号a1が
ハイレベルHとなる期間の後半において最大値となり、
ヘッドスイッチパルス信号a1がローレベルLとなる期
間の後半において最小値となり、ヘッドスイッチパルス
信号a1がハイレベルHまたはローレベルLとなる期間
の前半において振幅がセンター値となる。
【0112】制御信号発生回路22からの制御信号h1
は、図10(k)に示すように、ヘッドスイッチパルス
信号a1がローレベルLからハイレベルHに切換わると
同時にレベルが切換わるようになっている。
【0113】これにより、切換器21の出力電圧i1
は、図10(l)に示すように、ヘッドスイッチパルス
信号a1がハイレベルHまたはローレベルLとなる期間
の前半においてセンター値となり、ヘッドスイッチパル
ス信号a1がハイレベルHまたはローレベルLとなる期
間の後半において最低値(図10(j)の最低値と同
様)となる。
【0114】切換器21の出力電圧i1出力はマイクロ
コンピュータ30に入力しA・D変換器32によりデジ
タル信号j1となる。ここで、トラッキング制御用にデ
ータを使用する時には、f0 トラック200による出力
に対して(1回または複数回)サンプリング(ここでの
サンプリングとはA・D変換を行ってデジタルデータを
取り込むこと)する必要があるので、図10(m)で示
すタイミングでサンプリングし、このデータはトラッキ
ング制御回路40へ送る。一方、トラッキング制御に使
用しないトラックによる出力、つまりf1 トラック20
1とf2 トラック202による出力に対して図10
(n)に示すように1回または複数回のサンプリングを
行う。サンプリングされたデータは2値化回路33にて
比較器出力のセンター電位をシュミットレベルとして
“0”と“1”に2値化される。図10(o)は2値化
後のデータであり、図10(n)に示したタイミングで
はA・D入力がすべてセンター値より低いレベルとなっ
ているため、データはすべて“0”となる。結局、2値
化後のデータは常に“0”となる。つまり、2値化後の
データが“0”が連続すればトラッキングがロックした
ことを検出することができる。この2値化後のデータは
ロック・裏ロック検出回路34と速度判別回路35へ送
られ、それぞれの判別ロジックによりロック検出、裏ロ
ック検出、速度判別が行われる。
【0115】次に、ロック検出の判別ロジックについて
説明する。この図10に示している波形はトラッキング
がロックした時の波形であり、つまりトラッキングがロ
ックした時には図10(o)のデータはすべて“0”と
なる。ところが、トラッキングがロックしていない時に
は図10(n)タイミングでサンプリングしたデータは
まだ不安定であり、図10(n)のデータは“1”とな
ったり“0”となったりする。したがって、この図10
(n)のデータが連続して複数回“0”となればトラッ
キングがロックしたと判断することができる。ロック信
号n1は各回路(マイコン内も含む)に送られて、回路
の切り換えなどに使用される。
【0116】結局、2値化後のデータは常に“0”とな
る。つまり、2値化後のデータが“0”が連続すればト
ラッキングがロックしたことを検出することができる。
【0117】また、裏ロック位置においては、図示はし
ないが、図10(k)の極性を反転した時の波形であ
り、切換器21の出力信号i1は図10(l)を反転し
たものとなり、図10(o)に示す2値化後のデータは
常に“1”となり裏ロックを検出することができる。速
度判別についても記録速度と再生速度の不一致時にはこ
の2値化後のデータが特定のパターンを示すことにな
り、この特定パターンにより判別が可能となる。
【0118】このような変形例によれば、磁気ヘッドが
同時に複数個のトラックを走査する磁気記録再生装置に
おいても図1の実施例と同様の効果が得られる。
【0119】尚、図1乃至図10に示した実施例及び変
形例のトラッキング制御装置は記録の再生の双方が可能
な磁気記録再生装置に適用したが、再生専用の装置に適
用してもよい。図1乃至図10に示した実施例及び変形
例のトラッキング制御装置は、ロック・裏ロック検出及
び速度判別の3つ全てを行ったが、この中の1つまたは
2つを行うようにしてもよい。図1乃至図10に示した
実施例及び変形例のトラッキング制御装置は、パイロッ
ト信号の周波数が2つのものに適用したが、他の複数の
周波数のものに適用してもよい。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の本発
明によれば、簡単な回路構成で短時間にトラッキングが
ロックしたか否かを検出できるので、正常な再生状態に
なるまでの時間を短縮できる。
【0121】以上説明したように請求項2記載の本発明
によれば、簡単な回路構成で短時間にトラッキングがロ
ックしたか否かを検出できるとともにトラッキングが裏
ロック位置でロックしたか否かを検出できるので、裏ロ
ック検出後に、制御信号の極性を反転するのみで素早く
裏ロック位置から正規ロック位置へ引き込ませることが
できる。
【0122】以上説明したように請求項3記載の本発明
によれば、簡単な回路構成で短時間に記録速度の判別を
行うことができるので、記録速度の誤判別、判別の措及
びトラッキングの引き込みの遅れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトラッキング制御装置の一実施例を示
すブロック図。
【図2】図1のトラッキング制御装置のトラッキングが
センターの場合の動作を示すタイミングチャート。
【図3】図1のトラッキング制御装置の裏ロック検出動
作を示すタイミングチャートであり、
【図4】図1のトラッキング制御装置の裏ロック検出か
ら正規のロック状態に復帰する場合の動作を示すタイミ
ングチャート。
【図5】図1のトラッキング制御装置のLP記憶部をS
P再生した場合の動作を示すタイミングチャート。
【図6】図1のトラッキング制御装置のSP記憶部をL
P再生した場合の動作を示すタイミングチャート。
【図7】図1の一実施例の変形例における回転シリンダ
ー上の磁気ヘッド構成を示す説明図。
【図8】図1の一実施例の変形例の磁気ヘッド切換え部
を示すブロック図。
【図9】図9は図7の回転シリンダで作成されるテープ
上のトラックパターンを示す説明図。
【図10】図8の変形例のトラッキングがセンターの場
合の動作を示すタイミングチャート。
【図11】従来のトラッキング制御装置を示すブロック
図である。
【図12】図11のトラッキング制御装置のトラッキン
グがセンターの場合の動作を示すタイミングチャート。
【図13】図11のトラッキング制御装置が磁気テープ
に記録したトラックを読出す場合の動作を示す説明図。
【図14】図11のトラッキング制御装置のトラックパ
ターンに対する磁気ヘッドのトラッキング位置を示す説
明図。
【図15】図14のトラッキング位置におけるトラッキ
ンクエラー値を示すグラフ。
【符号の説明】
11,12 磁気ヘッド 13,21 切換器 14 プリアンプ 15 f1・BPF 16 f2・BPF 17,18 検波回路 19 比較器 20 反転器 30 マイクロコンピュータ 31 制御信号発生回路 32 A・D変換回路 33 2値化回路 34 ロック・裏ロック検出回路 35 速度判別回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のトラックを一定の配列で循環させ
    てトラックパターンが構成され、該複数のトラックの少
    なくとも2つの周波数の異なるパイロット信号を記録し
    た磁気テープを再生する場合のトラッキング制御を行う
    トラッキング制御装置であって、 前記磁気テープのトラックのトレースを行い再生信号を
    出力する磁気ヘッドと、 この磁気ヘッドからの再生信号における複数のパイロッ
    ト信号のレベルの差を検出することにより差信号を作成
    して出力する差信号出力手段と、 この差信号出力手段からの差信号をトラッキング制御用
    サンプリングタイミングでサンプリングを行いトラッキ
    ング制御用のデータを出力するとともに、該差信号出力
    手段からの差信号を該トラッキング制御用サンプリング
    タイミングとは該差信号を作成したトラックが異なるロ
    ック検出用サンプリングタイミングでサンプリングを行
    いロック検出用のデータを出力するデータ出力手段と、 このデータ出力手段からのトラッキング制御用のデータ
    に基づいてトラッキング制御を行うトラッキング制御手
    段と、 前記データ出力手段からのロック検出用のデータを2値
    化する2値化回路と、 この2値化回路からの2値化信号によりトラッキング制
    御状態がロックしたか否かを検出する検出回路とを具備
    したことを特徴とするトラッキング制御装置。
  2. 【請求項2】 複数のトラックを一定の配列で循環させ
    てトラックパターンが構成され、該複数のトラックの少
    なくとも2つの周波数の異なるパイロット信号を記録し
    た磁気テープを再生する場合のトラッキング制御を行う
    トラッキング制御装置であって、 前記磁気テープのトラックのトレースを行い再生信号を
    出力する磁気ヘッドと、 この磁気ヘッドからの再生信号における複数のパイロッ
    ト信号のレベルの差を検出することにより差信号を作成
    して出力する差信号出力手段と、 この差信号出力手段からの差信号をトラッキング制御用
    サンプリングタイミングでサンプリングを行いトラッキ
    ング制御用のデータを出力するとともに、該差信号出力
    手段からの差信号を該トラッキング制御用サンプリング
    タイミングとは該差信号を作成したトラックが異なるロ
    ック・裏ロック検出用サンプリングタイミングでサンプ
    リングを行いロック・裏ロック検出用のデータを出力す
    るデータ出力手段と、 このデータ出力手段からのトラッキング制御用のデータ
    に基づいてトラッキング制御を行うトラッキング制御手
    段と、 前記データ出力手段からのロック・裏ロック検出用のデ
    ータを2値化する2値化回路と、 この2値化回路からの2値化信号によりトラッキング制
    御状態がロックしたか否かを検出するとともに、トラッ
    キング制御状態が裏ロック位置でロックしたか否かを検
    出するロック・裏ロック検出回路と、 このロック・裏ロック検出回路が裏ロック位置であるこ
    とを検出した場合に、差信号出力手段からの差信号を反
    転させることにより、前記トラッキング制御を裏ロック
    位置から正規のロック位置に引き込ませる手段とを具備
    したことを特徴とするトラッキング制御装置。
  3. 【請求項3】 複数の記録速度を有し、複数のトラック
    を一定の配列で循環させてトラックパターンが構成さ
    れ、該複数のトラックの少なくとも2つの周波数の異な
    るパイロット信号を記録した磁気テープを再生する場合
    のトラッキング制御を行うトラッキング制御装置であっ
    て、 前記磁気テープのトラックのトレースを行い再生信号を
    出力する磁気ヘッドと、 この磁気ヘッドからの再生信号における複数のパイロッ
    ト信号のレベルの差を検出することにより差信号を作成
    して出力する差信号出力手段と、 この差信号出力手段からの差信号をトラッキング制御用
    サンプリングタイミングでサンプリングを行いトラッキ
    ング制御用のデータを出力するとともに、該差信号出力
    手段からの差信号を該トラッキング制御用サンプリング
    タイミングとは該差信号を作成したトラックが異なる記
    録速度判別用サンプリングタイミングでサンプリングを
    行い記録速度判別用のデータを出力するデータ出力手段
    と、 このデータ出力手段からのトラッキング制御用のデータ
    に基づいてトラッキング制御を行うトラッキング制御手
    段と、 前記データ出力手段からの記録速度判別用のデータを2
    値化する2値化回路と、 この2値化回路からの2値化信号により磁気テープの記
    録速度と再生速度とが一致しているか否かを検出する検
    出回路とを具備したことを特徴とするトラッキング制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気ヘッドを複数有し、これら複数
    の磁気ヘッドの内少なくとも二つが同時に異なるトラッ
    クのトレースを行い、同時に異なるトラックのトレース
    を行った磁気ヘッドからの異なる再生信号を時分割で差
    信号出力手段に供給する時分割手段を具備したことを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のトラッ
    キング制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000030107A1 (fr) * 1998-11-13 2000-05-25 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Generateur d'horloge a debits multiples et dispositif de reproduction de donnees numeriques a vitesses multiples
US6452898B1 (en) * 1998-10-29 2002-09-17 Ricoh Company, Ltd. Constant linear velocity (CLV) optical disc

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