JPH0827859B2 - 自動販売機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はゲーム機能を有する自動販売機に関する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

例えば、小物玩具類を販売対象とした簡易自動販売機
は、通常の自動販売機と同様に所定の硬貨を投入し、そ
の後で押しボタン等を操作して「当り」が表示される
と、再度操作して購入できる品物の数が増す仕組になっ
ている。この場合、「当り」の表示は機械が自動的に行
なっているので、操作に手加減を加える余地は全然な
く、購入時の趣好性を著しく欠いているのが現状であ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記の点に鑑みてなされたものであって、そ
の目的は硬貨の投入によって作動できる操作レバーを有
し、この操作レバーによって複数個の表示ドラムを回転
させ、各表示ドラムを押しボタン操作によって各別に停
止できるようにして、表示ドラム上の「当り」の表示を
各々の表示ドラムの停止位置によって組合わせ、「当
り」の組合わせが完成したときに操作レバーを再度操作
できるようにして、その操作を行なうたびごとに品物を
放出することができる自動販売機を提供することにあ
る。

しかして、本発明の上記目的は操作レバーの回動操作
によって回転力が付与された後は自由回転する少くとも
２個以上の並設された表示ドラムと、この表示ドラムに
対し回転力が蓄勢されるときに作動される品物の放出機
構と、上記表示ドラムを各別に停止させる押ボタン操作
により作動される停止機構と、上記操作レバーの回動操
作を許容するための硬貨投入機構を含む制御機構とを備
え、上記停止機構は各表示ドラムと一体の制御輪にそれ
ぞれ係止自在である停止杆を有し、この停止杆は上記表
示ドラムに対し回転力が蓄勢されるときにその制動輪か
ら離脱した位置に保持され、上記制御機構は上記停止杆
の回動角度によって回動が規制され、かつ戻しバネの作
用下に置かれた挺子杆と、該挺子杆が係止自在であって
上記操作レバーにより所定角度の回転ができる制御円盤
を有し、上記硬貨投入機構は上記制御円盤に設けた硬貨
収容部に向かって延びる硬貨通路を備え、この硬貨通路
上には投入された硬貨の選別部を設けると共に、上記硬
貨収容部の入口に臨んだ部分には硬貨ゲートを回転自在
に設け、また、上記硬貨収容部の一側部には該収容部に
収容された硬貨によって押圧自在とされ、かつ保持バネ
の作用下に置かれていて上記挺子杆と常時は当接してい
る制御片を設けて構成した自動販売機により達成され
る。

〔実施例〕

以下に、本発明の実施例を添付図面を参照しながら説
明する。

機体１の前面部1aには上部に硬貨の投入口２を、中間
部に硬貨の戻し口３と表示窓穴（図示の場合は３個）４
を、また下部に品物の排出口５と後述する停止杆の押し
ボタン（図示の場合は３個）６をそれぞれ設ける一方、
機体１の側面部1bには戻しバネ７の作用下に置かれた操
作レバー８を取付けてある。

機体１の内部には、前述した各表示窓穴４に周面部の
一部をそれぞれ臨ませた表示ドラム（図示の場合は３
個）11を共通な回転軸12上にワンウエイクラッチ13を介
して取付けてあり、各表示ドラム11の周面部上には等間
隔を置いて絵、文字、数字等の適当な表示体14を数種類
表示し、これら表示体14のうちの１種類の表示体が「当
り」の表示に選定されている。また、各表示ドラム11の
一側面部には各表示体14と対応させた位置に係止凹部16
を有する制動輪15を一体に設け、上記係止凹部16のうち
の「当り」の表示体14aに対応した位置の係止凹部16aは
他の係止凹部より深く形成されており、これら係止凹部
16、16aに停止杆17上に突設した係止凸部17aが係入する
と、回転中の各表示ドラム11を停止させることができ
る。停止杆17は各表示ドラム11の下方にそれぞれ設けて
あり、その手元寄り部分を機枠18に回転自在に横架した
軸19に枢着すると共に、先端部17bは係止板21に係止自
在とされ、また、停止杆17の手元部分には軸19に固定し
た回動アーム22の回動通路上に臨ませて係止ピン23を突
設し、回動アーム22の回動によって係止ピン23を押し上
げ、停止杆17を戻しバネ24に抗して回動させる。係止板
21は各停止杆17の先端部17bに対向してそれぞれ設けて
あり、自重によって垂設状態を保持できるように支軸25
上に枢着され、その下部には係合片21aが突設されてい
る。各々の係合片21aに先端部26aを対向させた押し杆26
を各停止杆17の下方にそれぞれ設けてあり、この押し杆
26は戻しバネ27の作用下に置かれて前後方向に摺動自在
であって、その手元部には第１図に示した押しボタン６
を設け、また押し杆26の中間部分には該押し杆26の前進
ストロークを規制する規制板28を設けてあり、この規制
板28は固定台29に当接自在である。停止杆17の手元側に
は各停止杆17の上面と接合自在である回動板31を設け、
この回動板31は戻しバネ32の作用下に置かれていると共
に、機枠18に回動自在に横架した軸33上に固定されてい
る。

前述した操作レバー８を固定した作動軸34は固定盤35
を貫通して表示ドラム11側へ向かって延び、固定盤35を
中間にして操作レバー８側には該操作レバー８の作動を
制御する制御円盤36が、また表示ドラム11側には該表示
ドラム11の動力部材に回転力を伝達する伝達ドラム37が
それぞれ固定されている。伝達ドラム37の一側には該伝
達ドラム37と同一軸線上に動力蓄勢ドラム38を回転自在
に設けてあり、39はその支軸であって、この支軸39と動
力蓄勢ドラム38との間には強力なゼンマイ41を取付けて
ある。

伝達ドラム37上には一部を面取りして形成した段落部
37aを設け、この段落部37aには動力蓄勢ドラム38に設け
た鍔部38aに取付けた爪42が係合自在であり、爪42は戻
しバネ43の作用下に置かれ、常時は段落部37aと係合し
ているが、操作レバー８の回動操作によって伝達ドラム
37が回転し、この回転に連動して動力蓄勢ドラム38がゼ
ンマイ41を巻き締める方向へ所定角度回転すると、爪42
の回動通路上に配置されている釈放杆44によって爪42と
段落部37aとの係合が解かれる。この係合が解かれた瞬
間に動力蓄勢ドラム38はゼンマイ41の復元力によって逆
方向に回転し、表示ドラム11側に回転力を付与する。即
ち、動力蓄勢ドラム38の一側部には駆動歯車45を固定
し、この駆動歯車45に連動歯車46、47をそれぞれ噛み合
わせ、一方の連動歯車46は表示ドラム11の回転軸12に固
定されている。連動歯車46には中間歯車48を介して大歯
車49が噛み合い、この大歯車49は前述した回動アーム22
の軸19に固定され、大歯車49の所定角度回転によって回
動アーム22は回動し、ゼンマイ41の巻き締め時に前述し
た停止杆17を表示ドラム11の制動輪15から一斉に離脱さ
せる仕組になっている。なお、大歯車49には円弧状の長
孔51が穿設されており、この長孔51には前述した回動板
31の軸33が遊挿されている。

次に、操作レバー８の回動操作を許容するための硬貨
投入機構を含む制御機構を説明する。

制御円盤36の側面部には所定硬貨（例えば100円硬
貨）ｃを起立状態で１個収容できる硬貨収容部52を設
け、この硬貨収容部52は硬貨通路53を介して硬貨の投入
口２と連通しており、硬貨通路53の中途には所定硬貨ｃ
以外、即ち、１円とか５円硬貨を戻し口３側へ向かって
落下させるための選別部54を設けてあり、この選別部54
は一端部55a側を硬貨通路53内に突出させた押圧バネ55
によって構成され、選別部54の部分は硬貨通路53の一部
を開放して樋状に形成されており、この開放部54aから
所定硬貨ｃ以外の硬貨は押圧バネ55に押圧されて落下す
る。なお、硬貨の投入口２は所定硬貨ｃより大きな外径
及び肉厚の硬貨は投入できない大きさに形成されてい
る。

硬貨収容部52の入口52aに臨んだ部分の硬貨通路53上
には硬貨ゲート56を回転自在に設け、硬貨収容部52に所
定硬貨ｃが収容されているときは硬貨ゲート56の構成部
材である案内片56aによって硬貨通路53を遮断し、後か
ら投入された所定硬貨ｃを戻し口３側へ送り出す仕組に
なっており、硬貨ゲート56は所定硬貨ｃによって押圧さ
れる押圧片56bと硬貨ゲート56を非動作位置に復帰させ
る重錘片56cを備えている。硬貨収容部52は入口52aに連
なる片側部分が若干開放され、この開放部分に上端部57
a側を臨ませた制御片57が制御円盤36上に枢着58され、
この制御片57は比較的弱い保持バネ59によって保持され
ている。

制御片57の上端部57aは制御円盤36の周面とほぼ面一
のテーパー状に形成され、この上端部57aに先端の爪部6
1aを臨ませた挺子杆61が固定盤35上に枢着62され、挺子
杆61は戻しバネ60の作用下に置かれて常時は制御片57の
上端部57と当接している。一方、制御円盤36には操作レ
バー８の回動動作を規制する扇形歯車63を固定し、この
扇形歯車63には戻しバネ64の作用下に置かれたカム爪65
が係脱自在であって、操作レバー８を回動中途で逆方向
へ回動させることを防止しており、カム爪65は固定盤35
上に枢着66されている。前述した挺子杆61の基端部61b
は若干屈曲し、この基端部61bは機枠67上に取付けた制
御歯車68に突設されている偏心ピン69と当接自在であ
り、制御歯車68は連動歯車71を介して前述した回動板31
の軸33に固定した歯車72と噛み合い、回動板31側から所
定角度の回転が伝達される。即ち、総ての停止杆17の係
止凸部17aが制動輪15に設けた「当り」の係止凹部16aに
係止した状態では、第７図に示す如く戻しバネ32の作用
によって各停止杆17上に当接している回動板31の傾斜角
度と対応して、制御歯車68上の偏心ピン69は挺子杆61の
基端部61bと当接した位置にあり、操作レバー８を自由
に可動操作できるが、上記以外の係止状態では、第８図
に示す如く回動板31が同図上時計方向へ若干回動するこ
とによって、その回動角度だけ制御歯車68も回転し、偏
心ピン69は挺子杆61の基端部61bから離間した位置を占
めることになる。したがって、第８図に示す状態で操作
レバー８を回動操作しようとすると、挺子杆61は戻しバ
ネ60によって同図上時計方向へ若干回動し、先端の爪部
61が制御片57を押圧して制御円盤36の周面に設けたテー
パー状の段落部36aに突き当り、制御円盤36の回転を阻
止して操作レバー８の回動操作を不能にする。

一方、投入口２から投入された所定硬貨ｃが硬貨収容
部52に収容されていると、この所定硬貨ｃによって制御
片57は挺子杆61側へ向かって押圧された状態に保持さ
れ、挺子杆61の爪部61aは制御円盤36の段落部36aから離
間するため、操作レバー８を回動操作できることにな
る。

なお、硬貨収容部52に収容されている所定硬貨ｃは制
御円盤36の回転によって保管箱73内へ落下する。

次いで、品物の放出機構を説明する。

操作レバー８の回動操作に駆動歯車45を介して連動回
転する連動歯車47の軸74には駆動滑車75が固定されてお
り、この駆動滑車75に両端を取付けた紐76を枠台77に支
持されている複数個の案内滑車78に掛け渡し、紐76の中
途を枠台77上に摺動自在に取付けた送り板79に連結81
し、駆動滑車75の正逆回転によって送り板79を往復動作
させる。送り板79の先端部にはホッパー82から落下する
品物ｍを１個づつ収容できる上下両面が開放した受け箱
83を取付け、この受け箱83の前進位置には第１図に示す
排出口５に通じたシュート84を設けてある。受け箱83は
案内レール85に沿って摺動し、その後退位置、即ちホッ
パー82の下方に位置した部分には受け箱83の開放した下
面を一時閉塞できる閉塞板86を設け、受け箱83は前進位
置で品物ｍをシュート84に放出する一方、後退位置では
ホッパー82から品物ｍを受け入れる。

以上の構成によれば、所定硬貨ｃを投入して操作レバ
ー８を回動操作すると、この回動操作によって蓄勢され
た動力によって各表示ドラム11を一斉に自由回転させ、
次いで、押しボタン６の押圧操作によって各表示ドラム
11を各別に停止させ、各表示ドラム11上の表示体14の組
合わせを利用してスロットマシンと同様なゲームを行な
うことができると同時に、品物ｍを１個づつ購入するこ
とができる。この場合、表示体14の組合わせが「当り」
の組合わせであれば、更に所定硬貨ｃを投入しなくても
操作レバー８を再度可動操作することができ、品物を更
に１個排出させることが可能となる。しかして、不用意
に投入された所定硬貨ｃ以外の硬貨は総て戻し口３に戻
されて返却されるため、金銭上のトラブルを未然に回避
できる。

なお、本発明の実施に当っては、第６図に示す如く押
しボタン６の操作に頼らないで各停止杆17を所定時間内
に係止板21から一斉に解放させる自動解放機構90を併設
し、この自動解放機構90の作動子91によって係止板21を
作動させるもので、各係止板21には作動子91の回動通路
上に位置させて係合ピン92が突設されている。

自動解放機構90自体は公知であり、この自動解放機構
90を用いることによって、各表示ドラム11の回転鈍化を
待って押しボタン６を押圧し、停止杆17を制御輪15に係
止させる不正操作を完全に防止できることになる。

〔発明の効果〕

本発明は上記の如くであって、硬貨投入によってスロ
ットマシンと同様な操作で品物を確実に購入することが
可能であり、「当り」の組合わせが表示された場合は操
作レバーを再度操作して更に品物を取り出すことができ
るため、自動販売機の趣好性を一段と向上できる利点が
あり、また、不用意に投入された所定硬貨以外の硬貨は
そのまま返却されるので、客との間に生じ勝ちなトラブ
ルを回避できて、取扱い上洵に有効である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は一部を切
欠いた外観斜視図、第２図は内部機構を示す斜視図、第
３図は同上平面図、第４図及び第５図は停止杆とその関
連部材との作動状態を示す側面略図、第６図は停止杆と
係止板との作動状態を示す側面略図、第７図及び第８図
は挺子杆とその関連部材との作動状態を示す側面略図、
第９図は硬貨投入機構を含む制御機構の側面略図、第10
図（イ）は硬貨通路の要部（選別部）平断面図、同図
（ロ）は同上正断面図、第11図は第９図に示した機構の
部分説明図で、同図（イ）は硬貨投入時の側面略図、同
図（ロ）は硬貨排出時の側面略図、第12図は放出機構の
斜視図である。 図中、１は機体、２は投入口、３は戻し口、４は表示窓
穴、５は排出口、６は押しボタン、８は操作レバー、11
は表示ドラム、14は表示体、15は制動輪、16は係止凹
部、17は停止杆、17aは係止凸部、21は係止板、24は戻
しバネ、26は押し杆、31は回動板、36は制御円盤、36a
は段落部、38は動力蓄勢ドラム、45は駆動歯車、46、47
は連動歯車、49は大歯車、52は硬貨収容部、52aは入
口、53は硬貨通路、54は選別部、55は押圧バネ、56は硬
貨ゲート、57は制御片、59は保持バネ、60は戻しバネ、
61は挺子杆、61aは爪部、68は制御歯車、69は偏心ピ
ン、75は駆動滑車、79は送り板、82はホッパー、83は受
け箱、84はシュートである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】操作レバーの回動操作によって回転力が付
   与された後は自由回転する少くとも２個以上の並設され
   た表示ドラムと、この表示ドラムに対し回転力が蓄勢さ
   れるときに作動される品物の放出機構と、上記表示ドラ
   ムを各別に停止させる押ボタン操作により作動される停
   止機構と、上記操作レバーの回動操作を許容するための
   硬貨投入機構を含む制御機構とを備え、上記停止機構は
   各表示ドラムと一体の制動輪にそれぞれ係止自在である
   停止杆を有し、この停止杆は上記表示ドラムに対し回転
   力が蓄勢されるときにその制動輪から離脱した位置に保
   持され、上記制御機構は上記停止杆の回動角度によって
   回動が規制され、かつ戻しバネの作用下に置かれた挺子
   杆と、該挺子杆が係止自在であって上記操作レバーによ
   り所定角度の回転ができる制御円盤を有し、上記硬貨投
   入機構は上記制御円盤に設けた硬貨収容部に向かって延
   びる硬貨通路を備え、この硬貨通路上には投入された硬
   貨の選別部を設けると共に、上記硬貨収容部の入口に臨
   んだ部分には硬貨ゲートを回転自在に設け、また、上記
   硬貨収容部の一側部には該収容部に収容された硬貨によ
   って押圧自在とされ、かつ保持バネの作用下に置かれて
   いて上記挺子杆と常時は当接している制御片を設けて成
   ることを特徴とする自動販売機。