JPH08277919A - 自動変速機の変速過渡制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速過渡制御装置

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JPH08277919A
JPH08277919A JP7078947A JP7894795A JPH08277919A JP H08277919 A JPH08277919 A JP H08277919A JP 7078947 A JP7078947 A JP 7078947A JP 7894795 A JP7894795 A JP 7894795A JP H08277919 A JPH08277919 A JP H08277919A
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Masami Fujitsuna
藤綱  雅己
Tetsuji Ozaki
哲司 小崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動変速機を変更した場合の適合工数を軽減
するとともに、自動変速機のばらつきや経年変化に好適
に対応して、最適な液圧に自動的に補正し、変速ショッ
ク低減と摩擦係合要素への過大な熱負荷とを低減するこ
とができる自動変速機の変速過渡制御装置を提供するこ
と。 【構成】 ステッフ゜510にて、強制追従制御フラグKFがセ
ットされているか否かを判定する。セットされている場
合は、ステッフ゜540に進み、強制追従制御フラグKFをクリ
アする。セットされていない場合は、ステッフ゜520にて、状
態フラグFSTが2であるので、即ち、既に基準時間T
10又は変速開始点に達していて、追従制御を開始する条
件が満たされているので、目標入力軸回転数Ntrを算出
する。ステッフ゜530では、変速終了か否かを判定し、変速終
了でない場合は、ステッフ゜550にて、追従制御のためのいわ
ゆるフィードバック処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変速過渡時に、摩擦係
合要素に適正な液圧を供給する入力軸回転数(勾配)フ
ィードバック機能を備えた自動変速機の変速過渡制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両用自動変速機で
は、変速機構の各種摩擦係合要素(クラッチやブレーキ
等)を液圧により選択的に油圧作動させて所定変速段を
選択し、作動する摩擦係合要素を変更することにより他
の変速段への変速を行っている。
【0003】また、この種の車両用自動変速機におい
て、車種ごとの適合を軽減し自動的に変速初期の液圧を
学習する変速過渡制御方法として、特公平5ー2606
1号公報に記載の技術が知られている。この技術は、変
速初期に摩擦係合要素への初期液圧を決定する手段を持
ち、変速中に摩擦係合要素に適正な液圧が送給されるよ
うにフィードバック制御するものである。
【0004】前記技術では、フィードバック制御は、実
際の摩擦係合要素が変速を開始したことを判断して実行
される。また、変速初期の液圧の学習は、以下〜の
ように実行される。 フィードバック制御開始直後の油圧から、次の変速時
の初期液圧を演算すること。
【0005】フィードバック制御開始直後の目標回転
数変化率と実際の回転数変化率の差とに対応した初期液
圧補正率を演算し、次の変速初期液圧を補正すること。 フィードバック制御終了時の液圧とフィードバック制
御開始時の液圧の値とに基づいて、次回の変速初期液圧
の値を演算すること。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た変速過渡制御の例では、温度、電圧など刻々と変わる
環境で初期液圧が低い場合、変速時間が異常に長くな
り、大きな変速ショックを招くばかりか、クラッチ熱負
荷が増加して、クラッチ寿命が低下するという問題が生
じる。
【0007】また、変速初期の回転数変化率を用いて初
期液圧を補償するため、ノイズの影響を受けやすく信頼
性が低下するという問題がある。更に、変速に入った時
刻と終了した時刻との液圧に対応して学習補正するた
め、実際に刻々と変わる変速状態からそれらの時刻を正
確に検出することが容易ではないという問題もある。
【0008】つまり、従来の技術では、使用する自動変
速機の変速過渡状態に対応して、適切に液圧を設定する
ことが容易ではないという問題があった。本発明は、前
記課題を解決するためになされたものであり、自動変速
機を変更した場合の適合工数を軽減するとともに、自動
変速機のばらつきや経年変化に好適に対応して、最適な
液圧に自動的に補正し、変速ショック低減と摩擦係合要
素への過大な熱負荷とを低減することができる自動変速
機の変速過渡制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、図1
に例示する様に、自動変速機の入力軸と出力軸との間の
動力伝達経路を、液圧に応じて作動する摩擦係合要素に
よって切り替える変速機構を有するとともに、前記摩擦
係合要素の係合圧を前記液圧により制御する液圧制御要
素を備えた自動変速機の変速過渡制御装置において、前
記液圧制御要素を駆動して、変速中の入力軸回転数又は
入力軸回転勾配を目標入力軸回転数又は目標入力軸回転
勾配に追従させる、変速過渡制御を行なう追従制御手段
と、変速開始指令信号から、変速状態に対応して予め定
められた基準時間が経過したことを検出する基準時間検
出手段と、該基準時間検出手段によって、前記基準時間
が経過したことが検出された場合には、前記追従制御手
段を駆動して、自動的に前記変速過渡制御を見込み開始
する見込み追従制御開始手段と、を備えたことを特徴と
する自動変速機の変速過渡制御装置を要旨とする。
【0010】請求項2の発明は、前記入力軸の回転数を
検出する入力軸回転数検出手段と、前記出力軸の回転数
を検出する出力軸回転数検出手段と、前記入力軸回転数
検出手段からの出力情報と前記出力軸回転数検出手段か
らの出力情報とから、実際に変速が開始された変速開始
点を検出する変速開始点検出手段と、該変速開始点検出
手段によって、前記変速開始点が検出された場合には、
前記追従制御手段を駆動して、前記変速過渡制御を開始
させる開始点追従制御開始手段と、を備えたことを特徴
とする前記請求項1記載の自動変速機の変速過渡制御装
置を要旨とする。
【0011】請求項3の発明は、前記基準時間を示す時
刻と前記変速開始点を示す時刻とのうち、どちらが早い
タイミングかを判定するタイミング判定手段と、該タイ
ミング判定手段によって判定された早いタイミングの時
刻に対応して、前記見込み追従制御開始手段又は前記開
始点追従制御開始手段を選択して駆動して、前記変速過
渡制御を開始する早期追従制御開始手段と、を備えたこ
とを特徴とする前記請求項2記載の自動変速機の変速過
渡制御装置を要旨とする。
【0012】請求項4の発明は、前記基準時間を示す時
刻と前記変速開始点を示す時刻との時間差を検出する変
速遅れ時間検出手段と、該変速遅れ時間検出手段によっ
て検出された前記時間差に応じて、目標入力軸回転数又
は目標入力軸回転勾配を変更する目標値変更手段と、を
備えたことを特徴とする前記請求項2又は3記載の自動
変速機の変速過渡制御装置を要旨とする。
【0013】請求項5の発明は、前記基準時間を示す時
刻と前記変速開始点を示す時刻との時間差を検出する変
速遅れ時間検出手段と、該変速遅れ時間検出手段によっ
て検出された前記時間差に応じて、前記見込み追従制御
開始手段の開始時刻を学習補正する見込み制御補正手段
と、を備えたことを特徴とする前記請求項2〜4のいず
れか記載の自動変速機の変速過渡制御装置を要旨とす
る。
【0014】請求項6の発明は、前記変速過渡制御の開
始時の摩擦係合要素の初期液圧を設定する初期液圧設定
手段と、前記基準時間を示す時刻と前記変速開始点を示
す時刻との時間差を検出する変速遅れ時間検出手段と、
該変速遅れ時間検出手段によって検出された前記時間差
に応じて、次回の変速時における前記初期液圧設定手段
の初期液圧を学習補正する初期液圧補正手段と、を備え
たことを特徴とする前記請求項2〜5のいずれか記載の
自動変速機の変速過渡制御装置を要旨とする。
【0015】請求項7の発明は、前記変速過渡制御の開
始時の摩擦係合要素の初期液圧を設定する初期液圧設定
手段と、前記目標入力軸回転数又は目標入力軸回転勾配
と実際の入力軸回転数又は入力軸回転勾配との差に対応
する量を、変速の状態に対応して一定期間積分する誤差
検出手段と、該誤差検出手段の出力に対応して、次回の
変速時における前記初期液圧設定手段の初期液圧を学習
補正する初期液圧補正手段と、を備えたことを特徴とす
る前記請求項2〜5のいずれか記載の自動変速機の変速
過渡制御装置を要旨とする。
【0016】
【作用及び発明の効果】請求項1の発明では、変速機構
は、変速開始指令信号に基づいて、例えばソレノイドに
よって駆動されるバルブである液圧制御要素からの液圧
により、例えばクラッチ等の各摩擦係合要素が選択的に
液圧作動し、所定変速段を選択する。そして、この変速
段で入力軸の供給動力を増減速して出力軸側に伝達す
る。また、この変速機構は、液圧作動される摩擦係合要
素の選択変更により他の変速段へ変速する。
【0017】特に、本発明では、変速開始指令からの時
間を計測し、変速の種類や液温など変速状態に基づき予
め定められた基準時間T10に達すると、見込み追従制御
開始手段によって、入力軸回転数又は入力軸回転勾配の
追従制御(フィードバック制御)を起動制御する。これ
によって、追従制御手段は、液圧制御要素への液圧を目
標入力軸回転数又は目標回転勾配になるようにフィード
バック制御する。
【0018】従って、例えば液圧が異常に低い場合に
は、適正液圧の変速挙動に対し実際の変速挙動が異常に
遅れるが、本発明によれば、予め定められた早いタイミ
ングでフィードバック制御を起動し、実際の摩擦係合要
素が変速を開始するまで待つことなく、自動的に摩擦係
合要素へ供給する液圧を高く作用するため、摩擦係合要
素の滑り時間が長引くことに起因する、クラッチの過大
な熱負荷による寿命低下を防止できる。また、滑り期間
が長引くことに起因する、周知のアキュムレータストロ
ークエンドでの急激な液圧上昇に起因する変速ショック
を防止できる。
【0019】請求項2の発明では、変速開始点検出手段
によって、入力軸回転数検出手段からの入力軸回転数と
出力軸回転数検出手段からの出力軸回転数とから、実際
に摩擦係合要素の変速が開始されたことを検出し、この
変速開始点のタイミングにて、追従制御手段によるフィ
ードバック制御を確実に開始することができる。
【0020】請求項3の発明では、変速開始指令の時刻
から、見込み追従制御開始手段の基準時間T10を示す時
刻と実際の変速開始点までの時間(変速開始点時間T2
0)を示す時刻とを比較して、早い方のタイミングでフ
ィードバック制御を開始する。従って、前記請求項1,
2の効果に加え、例えば初期液圧が高く適正液圧より実
際の変速が早く開始される場合には、いち早く追従制御
手段を起動して、フィードバック制御により自動的に摩
擦係合要素へ供給する液圧を低く制御するため、高い液
圧による急激な変速に起因する変速ショックを防止する
ことができる。
【0021】そのため、本発明によれば、いかなる液圧
でもリアルタイムに適正な液圧に制御できるので、車種
変更等による液圧の適合工数が軽減するという顕著な効
果を奏する。請求項4の発明では、基準時間T10を示す
時刻と変速開始点時間T20を示す時刻との時間差△T1
を検出し、この時間差△T1に応じて、目標入力軸回転
数又は目標入力軸回転勾配を変更する。
【0022】そのため、フィードバック制御により、変
速挙動時間を適切に調節できるので、例えば時間差△T
1が変速挙動の遅れを示す負の場合に、液圧を高める様
に制御することにより、短い時間で変速を終了させるこ
とができる。その結果、変速ショックを低減するととも
に、クラッチの過大な熱負荷による寿命低下を防止でき
る。
【0023】請求項5の発明では、例えば見込み追従制
御開始手段によって追従制御手段が起動された場合に、
その基準時間T10を記憶し、また、実際の摩擦係合要素
が変速を開始した変速開始点時間T20を記憶する様にし
て、その基準時間T10を示す時刻と変速開始点時間T20
を示す時刻との時間差△T1を検出する。そして、その
時間差△T1に応じて、見込み追従制御開始手段の基準
時間T10を学習補正する。
【0024】具体的には、例えば時間差△T1>0の場
合には基準時間T10を小さくし、逆に時間差△T1<0
の場合には基準時間T10を大きくすることにより、適正
な基準時間T10に学習補正して、次回の変速に用いる様
にする。これによって、次回の変速に対して、見込み追
従制御開始手段の基準時間T10を適切に校正できるの
で、変速ショックを低減するとともに、クラッチの過大
な熱負荷による寿命低下を防止でき、しかも車種変更等
による液圧の適合工数を軽減することができる。
【0025】請求項6の発明では、基準時間T10を示す
時刻と変速開始点時間T20を示す時刻との時間差△T1
に対応する量から、変速開始指令後の液圧制御要素への
初期液圧を学習補正する。具体的には、例えば時間差△
T1>0の場合には、初期液圧が高いことを意味してい
るので初期液圧を低くし、逆に時間差△T1<0の場合
には、初期液圧が低いことを意味しているので初期液圧
を大きくすることにより、変速開始指令時に液圧制御要
素に出力する初期液圧を適正な値に学習補正して、次回
の変速に用いる様にする。
【0026】これによって、次回の変速に対して、初期
油圧を適切に校正できるので、変速ショックを低減する
とともに、クラッチの過大な熱負荷による寿命低下を防
止でき、しかも車種変更等による液圧の適合工数を軽減
することができる。請求項7の発明では、目標入力軸回
転数(勾配)と実際の入力軸回転数(勾配)の差△Nt
を誤差入力手段に入力し、この差△Ntを追従制御手段
の開始時刻から予め決められた一定時間積分し、この積
分値△Ptに対応した量から、変速開始指令後の液圧制
御要素への初期液圧を学習補正する。
【0027】従って、例えば初期液圧が高い場合には変
速が早く始まり、且つ実際の入力軸回転数が目標入力軸
回転数より早く低下するため、差△Nt>0且つ積分値
△Pt>0となり、現在設定されている初期液圧を低く
学習補正する。逆に、初期液圧が低い場合には変速が遅
く始まり、且つ実際の入力軸回転数が目標入力軸回転数
より緩やかに低下するため、差△Nt<0且つ積分値△
Pt<0となり、現在設定されている初期液圧を高く学
習補正する。この様にして、変速開始指令時に液圧制御
要素に出力する初期液圧を適正な値に学習補正して、次
回の変速に用いる様にする。
【0028】これによって、次回の変速に対して、初期
油圧を適切に校正できるので、変速ショックを低減する
とともに、クラッチの過大な熱負荷による寿命低下を防
止でき、しかも車種変更等による液圧の適合工数を軽減
することができる。
【0029】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。 (実施例1) [1]図2は、実施例1の変速過渡油圧フィードバック
制御を行う制御装置を内蔵した自動変速機制御系の全体
構成を示している。
【0030】図2に示す様に、自動車に搭載されて電子
制御されるエンジン1は、自動変速機2とデファレンシ
ャルギア3を介して駆動車輪4に接続されている。前記
エンジン1は、エンジン制御用コンピュータ5を備え、
このエンジン制御用コンピュータ5には、エンジン回転
数を検出するエンジン回転センサ6、車速(自動変速機
2の出力軸回転数)を検出する車速センサ7、エンジン
1のスロットル開度を検出するスロットルセンサ8、及
び吸入空気量を検出する吸入空気量センサ9の各信号が
入力される。
【0031】エンジン制御用コンピュータ5は、これら
入力情報を基に燃料噴射量を決定してエンジン1に指令
を出し、また図示しないが点火信号をエンジン1に供給
する。そして、この指令に応じて、図示しない燃料供給
装置、点火装置が作動し、エンジン1の回転に合わせて
燃料の供給と燃焼が行われ、エンジン1の駆動及び制御
が行われる。
【0032】前記自動変速機2は、トルクコンバータ1
0及び変速歯車機構(以下変速機構と称す)11を備え
ており、エンジン1から供給される動力は、エンジン出
力軸1a(図3参照)やトルクコンバータ10を経て変
速機構11の入力軸12に伝達される。そして、入力軸
12への変速機入力軸回転は、変速機構11の選択変速
段に応じ増減速されて出力軸13にいたり、この出力軸
13からデファレンシャルギア3を経て駆動車輪4に達
して、自動車を走行させることができる。
【0033】尚、前記自動変速機2は、図3に示す如く
公知のものであるため、その詳細な説明は省略するが、
変速機構11は、入力軸12から出力軸13への動力伝
達経路(変速段)を決定する各種のクラッチ(R/C,
H/C,LO/C,OR/C,F/C,FO/C)やブ
レーキ(B/B,LR/B)などの各種摩擦係合要素を
内蔵している。
【0034】前記変速機構11には、図2に示す様に、
変速制御用コンピュータ14からの指令に基づき駆動さ
れる(液圧制御要素である)コントロールバルブ15が
接続されており、コントロールバルブ15から適宜油圧
が供給され、その油圧を各種摩擦係合要素に作動させる
ことで変速を実現している。
【0035】このコントロールバルブ15には、変速制
御用コンピュータ14の指令で変速段毎に油圧を供給す
る経路を切り換える2本の変速制御用ソレノイド15
a,bと、油圧の大きさを制御するライン圧制御用ソレ
ノイド16が配置されている。尚、本実施例において
は、2本の変速制御用ソレノイド15a,bを用いる構
成としたが、変速段数やコントロールバルブ15内部の
構成に応じて、変速制御用ソレノイドの本数を増やして
も良い。また、変速過渡時の作動油の急速な充填、排出
のためのタイミングを調節するソレノイドを追加しても
良い。更に、ライン圧制御用ソレノイド16としては、
本実施例では以下デューティソレノイドとして説明する
が、油圧を可変にできる機構であればリニアソレノイド
など他の手段を用いても良い。
【0036】前記変速制御用コンピュータ14は、図示
しないがCPU,ROM,RAM,I/O装置からなる
マイクロコンピュータで構成され、車速センサ7、スロ
ットルセンサ8に加え、入力軸12の回転数を計測する
入力軸回転センサ17の各信号が入力される。
【0037】[2]次に、この変速制御用コンピュータ
14による変速制御について、図4のグラフに基づいて
説明する。変速制御用コンピュータ14は、車速センサ
7とスロットルセンサ8からの信号を用いて、図4に示
す様に、現在の運転状態が(スロットル開度と車速に応
じて予め定めた)変速線図のどの変速段領域にはいるか
を判定し、変速段を決定する。尚、変速線図には、変速
段決定の際のチャタリング防止のため、第n速(n=
1,2,3)から第n+1速への変速(アップシフト)
と第m速(m=2,3,4)から第m−1速への変速
(ダウンシフト)で、アップシフトの場合は実線、ダウ
ンシフトの場合は破線で示すように異なる判定線を用い
ている。
【0038】そして、図4に基づいて得られた判定結果
によって、2本の変速制御用ソレノイド15a,bのO
N/OFFを、例えば下記表1のように選択し、実行す
る。
【0039】
【表1】
【0040】この様に変速制御用ソレノイド15a,b
のON/OFFを調節して、コントロールバルブ15を
駆動することにより、変速機構11内部の各種摩擦係合
要素に加えら得る油圧が変化し、必要なクラッチやブレ
ーキが作動して、前記表1に示す様な変速段の維持、あ
るいは変速が達成される。
【0041】また、前記変速制御用コンピュータ14
は、下記,の様にして、ライン圧制御用ソレノイド
16も制御している。 変速段が変化しない通常の場合には、図5(a)に示
す様なスロットル開度に対するマップで与えられる油圧
(ライン圧)を発生させる。具体的には、まず、スロッ
トルセンサ8からの信号に従って、図5(a)のマップ
より、必要なライン圧を求め、続いて図5(b)のマッ
プに従って、このライン圧をデューティ値に換算し、ラ
イン圧制御用ソレノイド16をそのデューティ値で駆動
し、目標とするライン圧を実現する。この場合、図5
(a)と(b)とを一体化して、スロットル開度から直
接デューティ値を求める構成としても良いことは言うま
でもない。
【0042】一方、前記図4に基づいて行われた変速
判定の結果で、変速段を変更する要求があった場合に
は、変速制御用ソレノイド15a,bのON/OFFと
共に、変速ショックを和らげるためにライン圧を変更す
る制御を行う。 [3]次に、本実施例の制御装置の基本構成を、各機能
単位に分けて示す図6のブロック図を参照して説明す
る。
【0043】・変速状態判定部A1には、自動変速機2
の変速状態を示す信号として、例えば変速位置や入力軸
回転数Nt等の信号が入力される。この変速状態判定部
A1では、入力軸回転数Ntの反転の状態から、変速開
始点を検出する。 ・強制追従制御開始部A3には、変速状態判定部A1か
らの変速開始点を示す信号と、変速開始指令部A2から
の変速開始指令信号が入力される。この強制追従制御開
始部A3では、後述する基準時間T10における見込みに
よる追従制御開始、又は変速開始点における追従制御開
始を行なうために、基準時間T10の時刻と変速開始点の
時刻のうち早いタイミングを検出し、その早いタイミン
グに該当する追従制御を行なわせる目的で、追従制御部
A4に制御信号を出力する。
【0044】・初期油圧設定部A5は、前記変速状態判
定部A1、変速開始指令部A2、強制追従制御開始部A
3からの信号を入力し、基本となる初期油圧Pioを設定
する。 ・目標設定部A6は、前記強制追従制御開始部A3から
の制御信号を受けて、現在の変速位置等に応じて、目標
入力軸回転数(又は目標入力軸回転勾配)Ntrを算出す
る。
【0045】・減算部A7では、前記目標設定部A6に
よって算出された目標入力軸回転数Ntr等から、実際の
入力軸回転数Ntを減じて、偏差△Ntを算出する。 ・補償演算部A8は、例えば周知のPID制御やPD制
御を行なう様に構成されたものであり、この補償演算部
A8では、前記減算部A7からの偏差△Ntを入力し、
この偏差△Ntが小さくなる様な制御油圧△Piを算出す
る。
【0046】・加算部A9では、前記初期油圧設定部A
5からの初期油圧Pioと、前記補償演算部A8からの制
御油圧△Piとを加算し、この加算値であるライン圧Pi
に相当する信号を自動変速機2に出力する。 [4]次に、前記構成を備えた本実施例の制御装置にて
行われるライン圧Piを変更する手順を、アップシフト
を例にとって説明する。
【0047】図7に示す様に、変速段やスロットル開
度、あるいはエンジン1が発生するトルクや入力軸12
に発生するトルクの大きさにより、予め定められた初期
油圧Pio(工場出荷時の初期値)から始めて、出力軸1
3のトルク変化が所定の形になるように設定された入力
軸12の回転数変化が得られるように、ライン圧Piが
フィードバック制御される。
【0048】このときのフィードバック制御の結果に基
づいて、列えば補償量が油圧を下げる方向にある場合や
変速時間が設定値よりも短い場合には、初期油圧Pioの
設定値が高いと判断して、次回の変速時には初期油圧P
ioをライン圧Piよりも所定値だけ小さい値とする初期
油圧Pioの学習制御を行う。この学習制御の様子を、図
7のライン圧Piの破線で示す。
【0049】そして、この様な制御の例において、メカ
のバラツキ、経年変化、ノイズ等の影響により、低いラ
イン圧入力が加わった場合の代表的挙動を、図8(a)
に示す。つまり、本来、入力軸12の回転数変化は、図
8(a)の破線のように進行するはずのところが、上述
した原因により、フィードバック制御が間に合わず、同
図実線のように非常に遅れることがある。そして、最悪
の場合、予め定めてある変速許容時間to以内に変速が
終了せず、点8aにて、過大なシフトショックを発生す
るばかりか、クラッチの熱負荷が過大になり寿命低下を
招く。
【0050】ここで、入力軸回転センサ17の信号にノ
イズが入った場合の例を、図8(b)に示すが、この場
合、フィードバック制御の開始点8bで、ノイズのため
に誤ってライン圧Piを下げているため、現在のライン
圧Piが高いと判断し、次回の変速で、ライン圧Piを下
げるように誤差動する。その結果、図8(a)にて記述
したのと同様な現象を引き起こす。
【0051】そこで、本実施例では、変速開始指令信号
から、予め定められた基準時間T10が経過した後、自動
的に(見込みによって)変速過渡時の追従制御、即ち上
述したライン圧Piのフィードバック制御を開始する。
それによって、前記図8(a)に示す様な非常に低いラ
イン圧Piが加わった場合でも、予め定められた基準時
間T10経過後に、ライン圧Piをフィードバック制御で
高めるため、従来の制御の様に、制御が間に合わないこ
とがなく、変速許容時間to内にて変速が終了する。
【0052】特に、本実施例では、後に詳述する様に、
基準時間T10より実際に変速が開始される変速開始点ま
での時間(=変速開始点時間)T20の方が、短い場合に
は、変速開始点から通常のフィードバック制御を開始す
るので、基準時間T10が変速開始点時間T20より短い場
合でも、適切なタイミングでフィードバック制御が実行
される。
【0053】[5]次に、本実施例の制御装置による代
表的な変速挙動を、図9及び図10に基づいて説明す
る。 図9(a)は、理想とする変速挙動に対しライン圧P
iが適正の場合であり、変速開始指令から、予め決めら
れた(強制的に追従制御を開始する)見込み追従制御開
始時刻A点までの基準時間T10と、実際に変速挙動が起
きる変速開始点の時刻(=イナーシャ相開始時刻)B点
までの時間(=変速開始点時間)T20とが一致している
例である。
【0054】この場合、A点で、目標入力軸回転数Ntr
を出力し、実際の入力軸回転数Ntと目標入力軸回転数
Ntrとの偏差△Ntをとり、一般によく知られているフ
ィードバック(例えばPID,PDコントローラ)演算
を行ない、液圧制御要素へのライン圧Piを決定する。
【0055】図9(b)は、前記初期ライン圧(初期
油圧)Pioが低い(または、バラツキなどの影響で、基
準時間T10が短い)場合の変速挙動を表わしている。図
中、予め定められた基準時間T10の時刻で、見込みによ
る追従制御の開始により、目標入力軸回転数Ntrを出力
し、フィードバック制御が作動する。
【0056】これによって、図9(b)A点より、ライ
ン圧Piは、フィードバック制御により変速が早まるよ
うに高められる。この結果、実際の入力軸回転数Nt
は、ライン圧Piが高められた分、早いタイミング(図
B点)で変速挙動(イナーシャ相)に入る。この見込み
制御により、従来の制御法によるライン圧Piが低い場
合での、変速時間が伸びることによるクラッチの熱負荷
の上昇や変速ショックの増大といった問題が解決され
る。
【0057】ここで、前記図9(b)のA点からライン
圧Piが高められることを、数式で記述する。A点から
のフィードバック制御では、まず、下記式(1)に示す
様に、目標入力軸回転数Ntrと入力軸回転数Ntの偏差
△Ntを求める。
【0058】 △Nt=Ntr−Nt …(1) 次に、例えばフィードバック制御の補償演算として、P
D制御を例にとった場合、補償演算出力△Piは、下記
式(2)の様に算出される。 △Pi=Kp・△Nt+KD・d△Nt …(2) 但し、Kp,KDは、予め定められた比例ゲイン,微分
ゲインを示す。尚、前記式(2)ではPD制御の例を示
したが、制御工学で知られるどのような補償演算でもか
まわない。
【0059】次に、ライン圧Piは、下記式(3)で求
められる。 Pi=Pio−△Pi …(3) ここで、初期油圧Pioは初期油圧設定部A1からの出力
であり、この初期油圧Pioは、補償演算出力△Piによ
り、増減される。
【0060】そして、強制追従制御開始部A3により、
見込み開始によってフィードバック制御が起動される
と、前記式(1)による偏差△Ntは負となり、前記式
(2)による補償演算出力△Piも負となるので、前記
式(3)のPiは増圧される。 次に、初期油圧Pioが高く、変速挙動が早く始まる例
を、図10(a)に示す。
【0061】適正ライン圧の場合、入力軸回転数Ntの
変速挙動(回転数の低下)は、図のA点から破線のよう
に開始されるが、初期油圧Pioが高い場合には、A点よ
り早いB点から変速挙動が開始される。この場合、変速
開始点であるB点の時刻を、前記変速状態判定部A1が
検出すると、強制追従制御開始部A3によりフィードバ
ック制御が起動される。
【0062】つまり、前記図9(b)と図10(a)の
記述をまとめると、強制追従制御開始部A3にて、T10
≦T20のとき、基準時間T10である時刻A点でフィード
バック演算を開始し、一方、T10>T20では、変速開始
点時間T20の時刻B点でフィードバック演算を開始す
る。
【0063】このように、本実施例によれば、様々な初
期油圧Pioの変動に対し、いち早くフィードバック制御
を開始できるため、いつも均一な変速挙動になり、変速
ショックを低減できるとともに、クラッチの過大な熱負
荷を低減できる。また、初期油圧Pioのバラツキを許し
た設計であるため、車種展開、自動変速機のバラツキ等
の適合工数が大幅に低減する。
【0064】図10(b)の制御の例は、前記図10
(a)の制御に対し、目標入力軸回転数Ntrの与え方を
変えた例である。これはB点からA点まで、目標入力軸
回転数Ntrを一定に維持することにより、B点からA点
までの間のライン圧Piの減圧量を大きくし、図10
(a)の制御に対し、フィードバック制御開始時(図中
10a部分)でのシフトショックの低減を図ったもので
ある。
【0065】また、前記図9及び図10において、C点
は実際の変速を終了したことを検出した点であり、その
後D点まで、目標入力軸回転数Ntrを伸ばしているの
は、確実に変速を終了させるためである。そして、変速
終了判定C点後、フィードバック演算(前記(1),
(2),(3)式)を実行することで、ライン圧Piを
ゆるやかに上昇させて、確実に終了させている。尚、こ
のC点からD点までの時間は、予め定められた値として
例えば50ms〜800msが良い。
【0066】[6]次に、前記強制追従制御開始部A3
にて定める基準時間T10の決定法の一例を示す。図11
(a)に、初期油圧Pioの値と変速開始点時間T20との
関係を示す。一般に、初期油圧Pioが低いほど、変速開
始点時間T20は長く、初期油圧Pioが高いほど変速開始
点時間T20は短い値を示す。そこで、本実施例では、シ
フトショックが少なく理想の変速挙動になる適正初期油
圧PioのE点における時間TEを、基準時間T10に決定
している。
【0067】また、一般に、適正な初期油圧Pioはエン
ジンの出力トルクに対応した量(たとえばスロットル開
度)に関係し、図11(b)の破線で示す様な傾向とな
るため、図11(a)で示した時間TEは、実線で示す
ようにスロットル開度の関数になる。そこで、基準時間
T10を、スロットル開度からテーブルルックアップして
求めれば、更に精度のよい基準時間T10を求めることが
できる。
【0068】尚、当然ながら代表する一点で基準時間T
10を決定してもよく、更に、油温、電圧など直接計測で
きる量で補正することも考えられる。 [7]次に、本実施例の制御装置にて行われる制御処理
を、図12〜図17のフローチャートに基づいて詳細に
説明する。
【0069】まず、図12に示す変速制御のメインル
ーチンの処理について説明する。尚、本処理は、一定周
期で起動される。まず、ステップ100にて、変速開始
指令信号を読み込む処理を行なう。続くステップ110
にて、読み込んだ変速開始指令信号に基づいて、変速動
作のための制御(変速制御)を開始する否かを判定す
る。
【0070】そして、変速制御を開始すると判断された
場合は、ステップ120にて、変速制御の開始を示す変
速フラグHFをセットする。続くステップ130では、
変速制御の状態を示す状態フラグFSTをクリアする。
【0071】続くステップ140では、次の変速動作の
指令がきた場合に、現在の変速動作が完了するまで次の
変速動作を禁止するために、一定時間待機し、その後ス
テップ100に戻る。 次に、前記状態フラグFSTに応じて分岐する処理に
ついて、図13に基づいて示す説明する。尚、この処理
も、一定周期で起動される。
【0072】まず、ステップ200にて、前記変速フラ
グHFがセットされているかを判定する。ここで肯定判
断されるとステップ220に進み、一方否定判断される
とステップ210に進む。ステップ210では、変速制
御ではないので、所定の変速外のライン圧を出力し、一
旦本処理を終了する。
【0073】一方、ステップ220では、状態フラグF
STが0か否かを判定する。ここで肯定判断されると後
に詳述するステップ300の処理を行なってから、一旦
本処理を終了し、一方否定判断されるとステップ230
に進む。ステップ230では、状態フラグFSTが1か
否かを判定する。ここで肯定判断されると後に詳述する
ステップ400の処理を行なってから、一旦本処理を終
了し、一方否定判断されるとステップ240に進む。
【0074】ステップ240では、状態フラグFSTが
2か否かを判定する。ここで肯定判断されると後に詳述
するステップ500の処理を行なってから、一旦本処理
を終了し、一方否定判断されるとステップ250に進
む。ステップ250では、状態フラグFSTが3か否か
を判定する。ここで肯定判断されると後に詳述するステ
ップ600の処理を行なってから、一旦本処理を終了
し、一方否定判断されるとステップ260に進む。
【0075】ステップ260では、変速制御が終了した
ので、変速フラグHFをリセットし、前記ステップ21
0を経由して、一旦本処理を終了する。 次に、前記ステップ300における、FST=0の場
合の処理について、図14に基づいて説明する。
【0076】まず、ステップ310にて、現在の変速位
置等の変速状態、場合によってはスロットル開度等の運
転状態を加味して、マップより初期油圧Pioaを読み込
む。続くステップ320にて、現在の変速位置等の変速
状態に応じて、マップより基準時間T10を読み込む。
【0077】続くステップ330にて、変速開始指令か
ら変速開始点までの時間(=変速開始点時間T20)を測
定するためのタイマT20をクリアする。続くステップ3
40にて、前記ステップ310にて読み込んだ初期油圧
Pioaを、ライン圧Piとして出力する。
【0078】続くステップ350では、状態フラグFS
Tを1にセットし、一旦本処理を終了する。 次に、前記ステップ400における、FST=1の場
合の処理について、図15に基づいて説明する。
【0079】まず、ステップ410にて、タイマT20を
インクリメントする。続くステップ420にて、基準時
間T20が、タイマT20のカウンタ値CT20より大である
か否かを判定する。尚、カウンタ値CT20は変速開始点
時間T20とは異なり、逐次更新されて増加する変数値で
ある。ここで肯定判断されるとステップ430に進み、
一方否定判断されるとステップ480に進む。
【0080】ステップ430では、タイマT20のカウン
タ値CT20が、基準時間T20に達しないので、入力軸回
転数Ntが減少に転ずる変速開始点を検出する処理を行
なう。続くステップ440では、前記ステップ430の
検出結果に基づいて、変速開始点か否かを判定する。こ
こで肯定判断されるとステップ470に進み、一方否定
判断されるとステップ450に進む。
【0081】ステップ450では、まだ変速開始点に到
らないので、初期油圧Pioaをライン圧Piとして出力
し、一旦本処理を終了する。一方、ステップ470で
は、変速開始点に到ったので、即ち変速過渡時の追従制
御を開始する条件が満たされたので、状態フラグFST
を2にセットし、前記ステップ450を経由して、一旦
本処理を終了する。
【0082】また、前記ステップ420にて否定判断さ
れて進むステップ480では、変速開始点に到る前に基
準時間T10に達したので、即ち変速過渡時の追従制御を
強制的に見込み開始させる条件が満たされたので、強制
追従制御フラグKFをセットし、前記ステップ470に
て、同様に状態フラグFSTを2にセットした後に、前
記ステップ450を経由して、一旦本処理を終了する。 次に、前記ステップ500における、FST=2の場
合の処理について、図16に基づいて説明する。
【0083】まず、ステップ510にて、強制追従制御
フラグKFがセットされているか否かを判定する。セッ
トされている場合は、ステップ515に進み、強制追従
制御フラグKFをクリアし、一方、セットされていない
場合は、そのままステップ520に進む。
【0084】ステップ520では、状態フラグFSTが
2であるので、即ち、既に基準時間T10又は変速開始点
に達していて、追従制御を開始する条件が満たされてい
るので、目標入力軸回転数Ntrを算出する。続くステッ
プ530では、変速終了か否かを、入力軸回転数Ntが
上昇に反転したか否かによって判定し、変速終了の場合
は、ステップ540に進み、状態フラグFSTを3にセ
ットし、一方、変速終了でない場合は、そのままステッ
プ550に進む。
【0085】ステップ550では、追従制御のためのい
わゆるフィードバック処理を行なう。即ち、前記式
(1),(2)を用いて、補償演算出力△Piを求める
処理を行なう。続くステップ560では、前記式(3)
を用いてライン圧Piを求め、そのライン圧Piの出力を
行ない、一旦本処理を終了する。
【0086】次に、前記ステップ600における、F
ST=3の場合の処理について、図17に基づいて説明
する。まず、ステップ610では、後に詳述する様な各
種の学習補正の処理を行なう。
【0087】続くステップ620にて、変速外ライン圧
を出力する。続くステップ630では、状態フラグFS
Tを4にセットし、一旦本処理を終了する。尚、本処理
は、学習補正を行なうためのルーチンであるので、特に
学習補正を行わない場合には、このルーチンは省略して
もよい。
【0088】この様に、本実施例では、変速開始指令か
ら、基準時間T10が経過したか、又は変速開始点に到っ
たかを判定し、どちらか早いタイミングにて変速過渡時
のライン圧Piの追従制御を強制的に開始している。そ
のため、上述した様に、いつも均一な変速挙動になり、
変速ショックを低減できるとともに、クラッチの過大な
熱負荷を低減できるという顕著な効果を奏する。また、
初期油圧のバラツキを許した設計であるため、車種展
開、自動変速機のバラツキ等の適合工数が大幅に低減す
るという利点がある。 (実施例2)次に、実施例2の制御装置について説明す
る。
【0089】本実施例の制御装置は、基準時間T10と変
速開始点時間T20との差に応じて、基準時間T10及び初
期油圧を学習補正するものである。尚、ここでは、前記
実施例1と同様なハード構成及び制御処理については、
その説明を省略又は簡略化する。
【0090】[1]まず、本実施例の制御装置の基本構
成を、各機能単位に分けて示す図18のブロック図を参
照して説明する。 ・T20判定部B4には、変速状態判定部B1から、例え
ば変速位置や入力軸回転数Nt等の信号が入力するとと
もに、変速開始指令部B2から、変速開始指令信号が入
力する。このT20判定部B4では、これらの信号に基づ
いて、変速開始点を検出する。
【0091】・T10計測部B5では、変速開始指令部B
2から、変速開始指令信号が入力するとともに、後述す
る見込み制御補正部B8から、基準時間T10の補正値の
信号を入力する。このT10計測部B5では、基準時間T
10を計測するとともに、この基準時間T10の補正を行な
う。
【0092】・比較部B6では、T20判定部B4から、
変速開始点時間T20の信号を入力するとともに、T10計
測部B5から、基準時間T10の信号を入力する。この比
較部B6では、基準時間T10と変速開始点時間T20との
うち早いタイミングを求める。
【0093】・目標設定部B9では、比較部B6にて求
めた早いタイミングにて、目標入力軸回転数Ntrを設定
する。 ・変速遅れ検出部B7では、T20判定部B4から、変速
開始点時間T20の信号を入力するとともに、T10計測部
B5から、基準時間T10の信号を入力する。この変速遅
れ検出部B7では、基準時間T10と変速開始点時間T20
との時間差△T1を求める。
【0094】・見込み制御補正部B8では、変速遅れ検
出部B7からの時間差△T1の信号を入力し、この時間
差△T1に対応して、基準時間T10の補正値及び初期油
圧の補正値を算出する。 ・初期油圧設定部B10では、変速状態判定部B1か
ら、例えば変速位置や入力軸回転数Nt等の信号が入力
し、変速開始指令部B2から、変速開始指令信号が入力
し、且つ見込み制御補正部B8から、初期油圧の補正値
の信号が入力する。この初期油圧設定部B10では、変
速状態等から基本となる初期油圧Pioを算出するととも
に、この基本の初期油圧Pioを補正値を用いて補正す
る。
【0095】[2]以下、上述した構成の制御装置にて
行われる学習補正制御の詳細を記述する。 図19(a)は、メカバラツキ、経年変化で、初期油
圧Pioに対する実際に変速が始まるまでの時間が、本来
実線aに対し、破線b(時間が長くなる)・破線c(時
間が短くなる)に示すようにずれた場合を示している。
【0096】例えば、破線bの特性の場合は、T20判定
部B4は、T20b時間を検出し、変速終了後、変速遅れ
検出部B7は、下記式(4)により、時間差△T1を出
力する。 △T1=T10−T20b<O …(4) 見込み制御補正部B8は、T10計測部B5に対し、下記
式(5),(6)の演算を行なって、次回の基準時間
(強制追従制御開始時間)T10゜を決定する。
【0097】 △T10=△T1×α …(5) T10゜=T10−△T10 …(6) 但し、T10は現在の値、T10゜は次の値である。また、
αは、予め決められた1以下の定数で、数回の補償でT
10が適正に収束する値に選ばれる。
【0098】この場合、△T10は負であり、前記式
(6)の結果、T10゜>T10になり、バラツキを補正す
る方向に、基準時間T10を長くなる様に補償している。
また、図19(a)の破線cの場合も、前記式(4)〜
(6)により、同様にT10をT20cに一致させる方向に
補償を実行する。
【0099】次に、初期油圧Pioがバラツイている場
合の初期油圧Pioの補償方法を記述する。図19(b)
にその様子を示す。例えば適正初期油圧Pioaのつもり
が、メカのバラツキにより実際の初期油圧Pioが、△P
iod低く、同図のPiodの場合、基準時間T10で強制追
従制御開始部B3により追従制御を開始するが、実際の
変速挙動はT20dで始まる。
【0100】ここで、前記と同様に下記式(4)を用
い、見込み制御補正部B8は、変速遅れ検出部B7から
の時間差△T1を入力し、 △T1=T10−T20d …(4) 変速終了後、次の変速への補償量として、下記式(7)
により、初期油圧Pioの補償量△Pioを算出する △Pio=−△T1×β …(7) この例では、△T1<Oであり、式(7)より△Pio>
Oとなり、初期油圧Pioを高める補償量を算出してい
る。
【0101】次の変速で、初期油圧設定手部B10は、
現在の初期油圧設定値Pioaに対し、下記式(8)の演
算を行ない、変速開始指令部B2の出力に基づいて、初
期油圧Pioを出力する。 Pio=Pioa+△Pio …(8) また、図19(b)において、初期油圧Pioが、バラツ
キ等により△Pioeが低く、同図のPioeの場合、時間
差△T1(=T10−T20e>O)は正であり、前記式
(7)により、初期油圧Pioの補償量△Pioは負とな
る。よって、前記式(8)により、次回の変速で、初期
油圧Pioを低くする方向に補償する。
【0102】このように、本実施例では、いかなるバラ
ツキ等が存在しても、いつも適正な基準時間T10と初期
油圧Pioを学習補正することを実現している。また、前
記式(7)のβは、前記α同様に予め定められた値で、
初期油圧Pioの変化量△Piに対し、変速開始点時間T2
0の変化量△T20を求め、下記式(9)のKβに対し小
さなβを選び、数回の変速挙動で適正な初期油圧Pioに
収束するように決定する。
【0103】 Kβ=△Pi/△T20 …(9) 尚、前記補正係数α.βについて、前記実施例では単一
の係数で記述したが、さらに収束を良くする目的で、式
(5)に代えて図20(a)を、式(7)に代えて図2
0(b)を用い、△T1から直接に補償量△T10,△Pi
oを、テーブルルックアップにより求める様にしてもよ
い。
【0104】[3]次に、本実施例の制御装置にて行わ
れる制御処理を、図21〜図23のフローチャートに基
づいて詳細に説明する。尚、ここでは、前記実施例1と
異なる状態フラグFST=1,2,3の処理のみについ
て説明する。 図21に示す状態フラグFST=1の処理では、ステ
ップ760の処理のみが異なる。
【0105】つまり、ステップ740にて、変速開始点
が検出された場合には、ステップ760にて、後述する
基準時間T10との時間差△T1の算出に用いるために、
変速開始指令から変速開始点までの時間(変速開始点時
間)T20を記憶する。 図22に示す状態フラグFST=2の処理では、ステ
ップ840〜865の処理のみが異なる。
【0106】つまり、ステップ800にて、強制追従制
御KFがセットされている場合には、ステップ840に
進み、タイマT20をインクリメントする。続くステップ
845では、変速開始点を検出する処理を行なう。続く
ステップ850では、変速開始点か否かを判定し、ここ
で肯定判断されるとステップ855に進み、一方否定判
断されるとステップ865に進む。
【0107】ステップ855では、前記ステップ760
と同様に、変速開始点時間T20を記憶する。続くステッ
プ860では、強制追従制御フラグKFをクリアする。
続くステップ865では、目標入力軸回転数Ntrを算出
し、ステップ815以降の処理を行なう。
【0108】図23に示す状態フラグFST=3の処
理では、ステップ900〜910の処理のみが異なる。
まず、ステップ900にて、前記式(5),(6)を用
いて、基準時間T10の学習補正を行なう。つまり、基準
時間T10と変速開始点時間T20との時間差△T1に応じ
て、基準時間T10を補正する処理を行なう。
【0109】続くステップ910では、前記式(7),
(8)を用いて、初期油圧Pioの学習補正を行なう。つ
まり、基準時間T10と変速開始点時間T20との時間差△
T1に応じて、初期油圧Pioを補正する処理を行なう。
その後、ステップ920以降の処理を行なう。
【0110】この様に、本実施例では、基準時間T10と
変速開始点時間T20との時間差△T1に応じて、基準時
間T10を補正する処理を行ない、更に、基準時間T10と
変速開始点時間T20との時間差△T1に応じて、初期油
圧Pioを補正する処理を行なうので、いかなるバラツキ
等が存在しても、いつも適正な基準時間T10と初期油圧
Pioを学習補正して、前記実施例1より、一層好適にラ
イン圧Piをフィードバック制御できる。つまり、この
学習補正制御により、車種展開、自動変速機のバラツキ
経年変化に対し、適合することなく、より均一な性能を
出すことができるという効果を奏する。 (実施例3)次に、実施例3の制御装置について説明す
る。
【0111】本実施例の制御装置は、目標入力軸回転数
Ntrと実際の入力軸回転数Ntとの偏差△Ntの積分値△
Ptに応じて、初期油圧Pioを学習補正するものであ
る。尚、ここでは、前記実施例2と同様なハード構成及
び制御処理については、その説明を省略又は簡略化す
る。
【0112】[1]まず、本実施例の制御装置の基本構
成を、各機能単位に分けて示す図24のブロック図を参
照して説明する。 ・T20判定部C4には、変速状態判定部C1から、例え
ば変速位置や入力軸回転数Nt等の信号が入力するとと
もに、変速開始指令部C2から、変速開始指令信号が入
力する。このT20判定部C4では、これらの信号に基づ
いて、変速開始点を検出する。
【0113】・T10計測部C5では、変速開始指令部C
2から、変速開始指令信号が入力する。このT10計測部
C5では、基準時間T10を計測する。 ・比較部B6では、T20判定部C4から、変速開始点時
間T20の信号を入力するとともに、T10計測部C5か
ら、基準時間T10の信号を入力する。この比較部C6で
は、基準時間T10と変速開始点時間T20とのうち早いタ
イミングを求める。
【0114】・目標設定部C9では、比較部C6にて求
めた早いタイミングにて、目標入力軸回転数Ntrを設定
する。 ・誤差検出部C7では、比較部C6が作動した時刻T30
を入力し、目標設定部C9から目標入力軸回転数Ntrを
入力するとともに、実際の入力軸回転数Ntを入力し、
その差△Ntを積分する。
【0115】この積分は、変速状態判定部C1によって
予め定められた値、又は変速状態に対応した値T40まで
実行される。従って、誤差検出部C7の出力PNtは、下
記式(10)で得られる。
【0116】
【数1】
【0117】・初期油圧補正部C8は、誤差検出部C7
からの出力PNtを入力し、初期油圧設定部C11で定め
る初期油圧Pioを補正する出力△PNtを出力する。 ・初期油圧設定部C10では、変速状態判定部C1及び
変速開始指令部C2からの信号に基づいて、基本となる
初期油圧Pioを算出するとともに、この基本の初期油圧
Pioを、誤差検出部C7からの補正値△PNtを用いて補
正する。
【0118】[2]以下、上述した構成の制御装置にて
行われる学習補正制御の詳細を記述する。図25に示す
グラフは、前記実施例2の制御を行なった場合におけ
る、アップシフトの入力軸回転数Nt、目標入力軸回転
数Ntr、出力軸トルクToを、適正ライン圧に対し、以
下の関係でずらした結果である。
【0119】(a)>(b)>(c)適正ライン圧>
(d)>(e) 尚、図中A,B,T10,T20は、図9に示した説明と同
じ意味である。また、図25のNtとNtrとの囲まれた
斜線部分の面積は、誤差検出部C7の前記式(10)に
よって算出される積分値PNtである。
【0120】つまり、図25から、積分値PNtに応じて
補正することにより、好適な初期油圧Pioが得られるこ
とが分かる。次に、図26(a)に、前記式(10)の
積分値PNtと初期油圧Pioとの関係を示す。この図から
明らかな様に、積分値PNtは初期油圧Pioのずれに対応
した量になる。
【0121】初期油圧補正部C8では、下記式(11)
より、 △PNt=γPNt …(11) 又は、図26(b)に示す様に、直接テーブルルックア
ップ等により△PNtを求める。但し、前記γ又は図26
(b)の補正量は、一般に数回の学習で、初期油圧Pio
が適正になるように選ばれる。
【0122】そして、初期油圧設定部C10では、前記
△PNtを入力し、下記式(12)を用いて、現在の初期
油圧Pioaから△PNtを減算し、次回の変速に用いる初
期油圧Pioを設定する。 Pio=Pioa−△PNt …(12) [3]次に、本実施例の制御装置にて行われる制御処理
を、図27〜図30のフローチャートに基づいて詳細に
説明する。尚、ここでは、前記実施例2と異なる状態フ
ラグFST=1,2,3の処理について説明する。
【0123】図27に示す状態フラグFST=1の処
理では、ステップ1075の処理のみが異なる。つま
り、ステップ1040にて、変速開始点が検出された場
合には、前記目標入力軸回転数Ntrと実際の入力軸回転
数Ntとの偏差△Ntの積分を行なうための期間の算出に
使用するタイマT4をクリアする。
【0124】図28に示す状態フラグFST=2の処
理では、ステップ1064の積分処理のみが異なる。こ
の積分処理を、図29に示す。まず、ステップ1110
にて、タイマT4をインクリメントする。続くステップ
1120では、タイマT4の値が、積分終了の時間T40
に到ったか否かを判定する。ここで肯定判断されるとス
テップ1140に進み、一方否定判断されるとステップ
1130に進む。
【0125】ステップ1130では、まだ積分終了時間
T40に到らないので、前記式(10)の積分を行ない、
一旦本処理を終了する。一方、ステップ1140では、
タイマT4の値と積分終了時間T40とが一致したか否か
を判定する。ここで、一致したと判定されるとステップ
1150にて、その時点の積分値をPNtの値として記憶
し、一致しない場合は、そのまま本処理を終了する。
【0126】図30に示す状態フラグFST=3の処
理では、ステップ1220の処理のみが異なる。つま
り、ステップ1220では、前記式(11),(12)
を用いて、積分値PNtに応じた初期油圧Pioの学習補正
を行なう。
【0127】この様に、本実施例では、前記実施例2と
同様に、基準時間T10と変速開始点時間T20との時間差
△T1に応じて、基準時間T10を補正する処理を行なう
とともに、積分値PNtの大きさに応じて、初期油圧Pio
を補正する処理を行なうので、いかなるバラツキ等が存
在しても、いつも適正な基準時間T10と初期油圧Pioを
学習補正して、前記実施例1より、一層好適にライン圧
Piをフィードバック制御できる。つまり、この学習補
正制御により、車種展開、自動変速機のバラツキ経年変
化に対し、適合することなく、より均一な性能を出すこ
とができるという効果を奏する。 (実施例4)次に、実施例4の制御装置について説明す
る。
【0128】本実施例の制御装置は、基準時間T10と変
速開始点時間T20との時間差△T1に応じて、目標入力
軸回転数Ntr(又は勾配)を補正するものである。ここ
では、前記実施例1と同様なハード構成及び制御処理に
ついては、その説明を省略又は簡略化し、前記実施例1
のステップ520に代えて行われる処理について、図3
1のフローチャートに基づいて説明する。
【0129】まず、ステップ1310にて、基準時間T
10と変速開始点時間T20との時間差△T1を算出する。
続くステップ1320では、下記式(13)を用いて、
図32に示す様に、目標入力軸回転数Ntrの勾配をどの
程度急にするかを示す勾配の補正値d△Ntrを算出す
る。
【0130】 d△Ntr=△T1×δ …(13) ここで、δは、予め定められた係数、又は図33に示す
様に、変速の状態、例えば目標入力軸回転数Ntrによっ
てテーブルルックアップされた値である。続くステップ
1330では、下記式(14)を用いて、目標入力軸回
転数Ntrの勾配dNtrを算出する。
【0131】 dNtr=dNtro+d△Ntr …(14) 尚、Ntroは、T10=T20のときの目標入力軸回転数で
ある。続くステップ1340では、下記式(15)を用
いて、目標入力軸回転数Ntrを算出し、一旦本処理を終
了する。
【0132】 Ntr=Ntr1+(dNtro+d△Ntr)t …(15) 尚、Ntr1は、現在の目標入力軸回転数である。つま
り、本実施例では、図32に示す様に、変速開始点Bに
おいて、基準時間T10と変速開始点時間T20との時間差
△T1に応じて、目標入力軸回転数Ntrを変更してい
る。即ち目標入力軸回転数Ntrの勾配dNtrをd△Ntr
だけ急にしている。そのため、フィードバック制御は変
速時間を短かくするようにライン圧を高めるので、結果
として短い時間で変速を終了することができる。従っ
て、変速ショック,クラッチ熱負荷増大といった問題は
生じない。
【0133】尚、本発明は前記実施例になんら限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の態様で実施しうることはいうまでもない。例え
ば前記各実施例の補正制御を、単独で行なうのではな
く、組み合せて用いるとさらに効果が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明の構成を例示するブロック図
である。
【図2】 実施例1の制御装置を内蔵した自動変速機制
御系の全体構成を示す概略構成図である。
【図3】 自動変速機の構成を示す概略構成図である。
【図4】 シフトアップ及びシフトダウンの変速線を示
すグラフである。
【図5】 各種のマップを示し、(a)はスロットル開
度からライン圧を求めるためのマップであり、(b)は
ライン圧からデューティ値を求めるためのマップであ
る。
【図6】 実施例1の制御装置を機能別に示したブロッ
ク図である。
【図7】 従来の変速状態を示すタイミングチャートで
ある。
【図8】 各種の変速状態を示すタイミングチャートで
ある。
【図9】 実施例1の変速状態を示すタイミングチャー
トである。
【図10】 実施例1の他の状況における変速状態を示
すタイミングチャートである。
【図11】 各種のマップを示し、(a)は基準時間T
10を設定するためのマップであり、(b)はスロットル
開度に応じて更に精密に基準時間を設定するためのマッ
プである。
【図12】 実施例1の制御処理を示すメインルーチン
のフローチャートである。
【図13】 状態フラグに応じて分岐する処理を示すフ
ローチャートである。
【図14】 FST=0の場合の処理を示すフローチャ
ートである。
【図15】 FST=1の場合の処理を示すフローチャ
ートである。
【図16】 FST=2の場合の処理を示すフローチャ
ートである。
【図17】 FST=3の場合の処理を示すフローチャ
ートである。
【図18】 実施例2の制御装置を機能別に示したブロ
ック図である。
【図19】 実施例2の原理を説明するためのグラフで
ある。
【図20】 各種のマップを示し、(a)は△T10を設
定するためのマップであり、(b)は△Pioを設定する
ためのマップである。
【図21】 FST=1の場合の処理を示すフローチャ
ートである。
【図22】 FST=2の場合の処理を示すフローチャ
ートである。
【図23】 FST=3の場合の処理を示すフローチャ
ートである。
【図24】 実施例3の制御装置を機能別に示したブロ
ック図である。
【図25】 実施例3の原理を説明するためのグラフで
ある。
【図26】 各種のマップを示し、(a)はPNtを設定
するためのマップであり、(b)は△PNtを設定するた
めのマップである。
【図27】 FST=1の場合の処理を示すフローチャ
ートである。
【図28】 FST=2の場合の処理を示すフローチャ
ートである。
【図29】 積分処理を示すフローチャートである。
【図30】 FST=3の場合の処理を示すフローチャ
ートである。
【図31】 実施例4の制御処理を示すフローチャート
である。
【図32】 実施例4の変速状態を示すタイミングチャ
ートである。
【図33】 δを設定するためのマップである。
【符号の説明】
1…エンジン 2…自動変速機 5…エンジン制御用コンピュータ 11…変速歯車機
構(変速機構) 12…入力軸 13…出力軸 14…変速制御用コンピュータ 15…コントロー
ルバルブ 16…ライン圧制御用ソレノイド 17…入力軸回転
センサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機の入力軸と出力軸との間の動
    力伝達経路を、液圧に応じて作動する摩擦係合要素によ
    って切り替える変速機構を有するとともに、 前記摩擦係合要素の係合圧を前記液圧により制御する液
    圧制御要素を備えた自動変速機の変速過渡制御装置にお
    いて、 前記液圧制御要素を駆動して、変速中の入力軸回転数又
    は入力軸回転勾配を目標入力軸回転数又は目標入力軸回
    転勾配に追従させる、変速過渡制御を行なう追従制御手
    段と、 変速開始指令信号から、変速状態に対応して予め定めら
    れた基準時間が経過したことを検出する基準時間検出手
    段と、 該基準時間検出手段によって、前記基準時間が経過した
    ことが検出された場合には、前記追従制御手段を駆動し
    て、自動的に前記変速過渡制御を見込み開始する見込み
    追従制御開始手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速過渡制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記入力軸の回転数を検出する入力軸回
    転数検出手段と、 前記出力軸の回転数を検出する出力軸回転数検出手段
    と、 前記入力軸回転数検出手段からの出力情報と前記出力軸
    回転数検出手段からの出力情報とから、実際に変速が開
    始された変速開始点を検出する変速開始点検出手段と、 該変速開始点検出手段によって、前記変速開始点が検出
    された場合には、前記追従制御手段を駆動して、前記変
    速過渡制御を開始させる開始点追従制御開始手段と、 を備えたことを特徴とする前記請求項1記載の自動変速
    機の変速過渡制御装置。
  3. 【請求項3】 前記基準時間を示す時刻と前記変速開始
    点を示す時刻とのうち、どちらが早いタイミングかを判
    定するタイミング判定手段と、 該タイミング判定手段によって判定された早いタイミン
    グの時刻に対応して、前記見込み追従制御開始手段又は
    前記開始点追従制御開始手段を選択して駆動して、前記
    変速過渡制御を開始する早期追従制御開始手段と、を備
    えたことを特徴とする前記請求項2記載の自動変速機の
    変速過渡制御装置。
  4. 【請求項4】 前記基準時間を示す時刻と前記変速開始
    点を示す時刻との時間差を検出する変速遅れ時間検出手
    段と、 該変速遅れ時間検出手段によって検出された前記時間差
    に応じて、目標入力軸回転数又は目標入力軸回転勾配を
    変更する目標値変更手段と、 を備えたことを特徴とする前記請求項2又は3記載の自
    動変速機の変速過渡制御装置。
  5. 【請求項5】 前記基準時間を示す時刻と前記変速開始
    点を示す時刻との時間差を検出する変速遅れ時間検出手
    段と、 該変速遅れ時間検出手段によって検出された前記時間差
    に応じて、前記見込み追従制御開始手段の開始時刻を学
    習補正する見込み制御補正手段と、 を備えたことを特徴とする前記請求項2〜4のいずれか
    記載の自動変速機の変速過渡制御装置。
  6. 【請求項6】 前記変速過渡制御の開始時の摩擦係合要
    素の初期液圧を設定する初期液圧設定手段と、 前記基準時間を示す時刻と前記変速開始点を示す時刻と
    の時間差を検出する変速遅れ時間検出手段と、 該変速遅れ時間検出手段によって検出された前記時間差
    に応じて、次回の変速時における前記初期液圧設定手段
    の初期液圧を学習補正する初期液圧補正手段と、 を備えたことを特徴とする前記請求項2〜5のいずれか
    記載の自動変速機の変速過渡制御装置。
  7. 【請求項7】 前記変速過渡制御の開始時の摩擦係合要
    素の初期液圧を設定する初期液圧設定手段と、 前記目標入力軸回転数又は目標入力軸回転勾配と実際の
    入力軸回転数又は入力軸回転勾配との差に対応する量
    を、変速の状態に対応して一定期間積分する誤差検出手
    段と、 該誤差検出手段の出力に対応して、次回の変速時におけ
    る前記初期液圧設定手段の初期液圧を学習補正する初期
    液圧補正手段と、 を備えたことを特徴とする前記請求項2〜5のいずれか
    記載の自動変速機の変速過渡制御装置。
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