JPH08277863A - クラッチ駆動装置 - Google Patents

クラッチ駆動装置

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JPH08277863A
JPH08277863A JP8153395A JP8153395A JPH08277863A JP H08277863 A JPH08277863 A JP H08277863A JP 8153395 A JP8153395 A JP 8153395A JP 8153395 A JP8153395 A JP 8153395A JP H08277863 A JPH08277863 A JP H08277863A
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JP
Japan
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brake
clutch
hydraulic cylinder
hydraulic
pressure oil
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Application number
JP8153395A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Nakajima
由貴 中島
Tatsuo Asai
達夫 浅井
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】つれ回りを確実に防止し、ライニング材の損傷
を軽減し使用耐用年数をあげることのできるクラッチ駆
動装置を提供する。 【構成】ギアポンプ72はタンク70の作動油をフィル
タ71を介して汲み上げ、切換弁73側に吐出する。ブ
レーキ解除用油圧シリンダ60の圧油室64は圧油経路
65に連通され、クラッチ駆動用油圧シリンダ29の圧
油室28は連結管路66を介して圧油室64に連通され
ている。圧油経路65と作動油タンク70との間にはリ
リーフ弁75が接続されている。クラッチの切り離し時
において、切換弁73から供給される作動油はシリンダ
60及び連結管路66を経由してシリンダ29に供給さ
れる。クラッチの接続時において、シリンダ29から排
出される作動油は連結管路66及びシリンダ60を経由
してタンク70に排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クラッチ駆動装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、クラッチの1つである湿式多板ク
ラッチは、PTO(パワー・テーク・オフ)の動力伝達
に利用されている。PTOに採用される湿式多板クラッ
チにおいて、PTOを使用していないとき、ドリブンプ
レートの回転に引きつられてクラッチディスクが回転し
まう、いわゆるクラッチディスクのつれ回りが問題とな
っている。このつれ回りは、従動軸の無用の回転の発生
やドリブンプレート及びクラッチディスクの摩擦面に設
けたライニング材の損傷につながることから、つれ回り
の発生は防止する必要がある。
【0003】例えば、実開昭55−52426号公報に
はつれ回りの防止が図られたPTOが提案されている。
このPTOは、油圧クラッチが切られている時(PTO
を使用していない時)、従動軸と一体的に回転するクラ
ッチハウジングをバンドブレーキとしてブレーキをかけ
ることにより、つれ回りの防止を図っている。そして、
油圧クラッチを接続している時(PTOを使用していな
い時)には、バンドブレーキを解き、クラッチハウジン
グ、すなわち従動軸が回転できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記P
TOにおいて、バンドブレーキの作動を油圧で行ってい
る。油圧クラッチに作動油を供給する切換弁からの作動
油を供給している。つまり、油圧クラッチとバンドブレ
ーキは、油圧回路としては並列に接続されている。従っ
て、油圧クラッチが切れる動作のタイミングと、バンド
ブレーキをかける動作のタイミングは同じである。その
結果、油圧クラッチが完全に切れる前にバンドブレーキ
がかかる場合が生じ、ドリブンプレート及びクラッチデ
ィスクの摩擦面に設けたライニング材の損傷や、バンド
ブレーキの摩擦面に設けたライニング材の損傷につなが
る。
【0005】同様に、油圧クラッチが接続する動作のタ
イミングと、バンドブレーキを解く動作のタイミングは
同じであるので、バンドブレーキが完全に解かれる前に
油圧クラッチが接続される場合が生じ、ドリブンプレー
ト及びクラッチディスクの摩擦面に設けたライニング材
の損傷や、バンドブレーキの摩擦面に設けたライニング
材の損傷につながる。
【0006】本発明は、上記問題点を解消するためにな
されたものであって、その目的は、つれ回りを確実に防
止し、しかも、ライニング材の損傷を軽減し使用耐用年
数をあげることのできるクラッチ駆動装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、ドラムと一体的に回転するドリ
ブンプレートと、従動軸と一体的に回転するクラッチデ
ィスクとを接続させて、ドラムの動力を従動軸に伝達す
るクラッチと、作動油の供給に基づいてクラッチを接続
し、作動油の排出に基づいてクラッチを切り離すための
クラッチ駆動用油圧シリンダと、従動軸に制動をかける
ためのブレーキと、作動油の供給に基づいてブレーキを
解除させ、作動油の排出に基づいてブレーキを動作させ
るためのブレーキ解除用油圧シリンダと、クラッチ駆動
用油圧シリンダとブレーキ解除用油圧シリンダに対して
作動油を給排するための切換弁とを備えるクラッチ駆動
装置において、切換弁から供給される作動油をブレーキ
解除用油圧シリンダを経由してクラッチ駆動用油圧シリ
ンダに供給し、クラッチ駆動用油圧シリンダから排出さ
れる作動油をブレーキ解除用油圧シリンダを経由して切
換弁に排出するための管路を形成したクラッチ駆動装置
をその要旨とする。
【0008】請求項2の発明は、管路は、ブレーキ解除
用油圧シリンダとクラッチ駆動用油圧シリンダとを接続
する連結管路であることをその要旨とする。請求項3の
発明は、連結管路は、ブレーキ解除用油圧シリンダのピ
ストンのストロークの中間部においてブレーキ解除用油
圧シリンダに連結されていることをその要旨とする。
【0009】
【作用】請求項1の発明によれば、クラッチの接続時
に、作動油はブレーキ解除用油圧シリンダを経由してク
ラッチ駆動用油圧シリンダに供給される。そのため、ブ
レーキ解除用油圧シリンダによってブレーキが解除され
た後、クラッチ駆動用油圧シリンダによってクラッチが
接続される。また、クラッチの切り離し時に、クラッチ
駆動用油圧シリンダの作動油はブレーキ解除用油圧シリ
ンダを経由して排出される。そのため、クラッチ駆動用
油圧シリンダによってクラッチが切り離された後、ブレ
ーキ解除用油圧シリンダによってブレーキが動作されて
従動軸に制動がかかる。従って、ブレーキやクラッチに
異常なトルクが作用せず、ドリブンプレート及びクラッ
チディスクの摩擦面に設けられるライニング材の損傷
や、ブレーキの摩擦面に設けられるライニング材の損傷
が軽減される。
【0010】請求項2の発明によれば、ブレーキ解除用
油圧シリンダとクラッチ駆動用油圧シリンダとを接続す
る連結管路という簡単な構成となる。請求項3の発明に
よれば、作動油の供給時において、ブレーキ解除用油圧
シリンダのピストンが作動油によって移動して連結管路
が開放されると、作動油は連結管路を介してクラッチ駆
動用油圧シリンダに供給される。作動油の排出時におい
て、ブレーキ解除用油圧シリンダにおいて連結管路は開
放されており、クラッチ駆動用油圧シリンダの作動油が
連結管路を介してブレーキ解除用油圧シリンダを経由し
て排出される。クラッチ駆動用油圧シリンダの作動油が
排出されてしまうと、ブレーキ解除用油圧シリンダのピ
ストンが排出側に移動して連結管路が閉鎖されるととも
に、作動油が排出される。
【0011】
【実施例】以下、本発明をPTOの動力伝達用に使用さ
れる湿式多板クラッチ駆動装置に具体化した一実施例を
図1〜図5に従って説明する。
【0012】図1に示すように、クラッチケースを構成
する対向する一対の支持プレート11,12にはベアリ
ング13,14を介して従動軸としてのシャフト15が
回転可能に支持されている。シャフト15の軸線方向に
おける中間部にはシャフト15と軸線を同じにするスプ
ライン部16がシャフト15と一体に形成されている。
【0013】前記支持プレート11,12間において、
シャフト15にはアウトプットギア17がベアリング1
8,19を介してシャフト15と相対回転可能に支持さ
れている。アウトプットギア17はドラム20と、前記
スプライン部16を挟むようにドラム20の両開口部に
固着されたドーナツ状の遮蔽プレート21,22とから
なる。遮蔽プレート21,22は前記ベアリング17,
18を介してシャフト15に嵌合されている。ドラム2
0の内周面には前記スプライン部16と対向する位置に
前記シャフト15と軸線を同じにするスプライン部23
が形成されている。遮蔽プレート21はシャフト15の
外周面とスライド可能に接触するとともに、前記ベアリ
ング18を嵌合した収容筒部21aを備える。
【0014】ここで、ドラム20のスプライン部23の
内径はシャフト15のスプライン部16の外形よりも大
きく、ドラム20のスプライン部23の内周面とシャフ
ト15のスプライン部16の外周面とは所定距離だけ離
間している。また、ドラム20のスプライン部23の内
周面とシャフト15のスプライン部16の外周面にはそ
れぞれ軸線方向にスプライン歯23a,16aが形成さ
れている。
【0015】ドラム20のスプライン部23の内周面に
は複数枚(本実施例では5枚)のドーナツ板状のドリブ
ンプレート24の外周面がスプライン結合されている。
一方、シャフト15のスプライン部16の外周面には複
数枚(本実施例では4枚)のドーナツ板状のクラッチデ
ィスク25の内周面がスプライン結合されている。な
お、前記クラッチディスク25の外径は前記ドリブンプ
レート24の内径より大きくなっている。また、ドリブ
ンプレート24及びクラッチディスク25の摩擦面には
ライニング材が設けられている。
【0016】従って、前記ドリブンプレート24は前記
ドラム20、すなわちアウトプットギア17と一体回転
するとともに、ドラム20に対してシャフト15の軸線
方向にスライド可能である。また、前記クラッチディス
ク25は前記シャフト15と一体回転するとともに、シ
ャフト15に対してその軸線方向にスライド可能であ
る。また、各クラッチディスク25は各ドリブンプレー
ト24,24の間隙に挿入されるようにしてドリブンプ
レート24と交互に配置されている。これら複数のドリ
ブンプレート24と複数のクラッチディスク25とによ
りクラッチが形成されている。
【0017】ドラム20と遮蔽プレート21との間には
ドーナツ状のピストン26が前記収容筒部21aの外周
面及びドラム20の内周面に対してスライド可能に収容
されている。前記ピストン26は最前のドリブンプレー
ト24と対向している。前記ドラム20、遮蔽プレート
21及びピストン26により遮蔽プレート21側に圧油
室28が形成されている。ピストン26と前記ドラム2
0のスプライン部23との間には複数の復帰用バネ27
がピストン26の周方向において所定間隔を隔てて介装
され、これらの復帰用バネ27によってピストン26は
遮蔽プレート21側に押圧されている。本実施例ではド
ラム20、遮蔽プレート21、ピストン26及び復帰用
バネ27によってクラッチを接続または切り離すための
クラッチ駆動用油圧シリンダ29が形成されている。
【0018】遮蔽プレート21には同プレート21及び
前記シャフト15の摺接部と圧油室28とを連通する複
数の通油孔30(図1では1つのみ図示)がプレート2
1の周方向に所定間隔をもって透設されている。また、
遮蔽プレート21には前記ベアリング18から支持プレ
ート11側に通じる複数の排出通路31(図1では1つ
のみ図示)が透設されている。
【0019】前記シャフト15にはその軸線に沿って延
びる圧油経路32が透設されている。また、シャフト1
5には前記遮蔽プレート21の通油孔30に連通する環
状溝33が形成され、同環状溝33は前記圧油経路32
に連通されている。従って、圧油経路32、環状溝33
及び通油孔30を介して圧油室28に圧力の高い作動油
が供給されると、ピストン26の前面(図1においてピ
ストン26の右面)に油圧が作用する。すると、ピスト
ン26が復帰用バネ27の付勢力に抗してドリブンプレ
ート24を遮蔽プレート22側へ押すことによってドリ
ブンプレート24とクラッチディスク25とが圧接さ
れ、クラッチが接続される。そして、アウトプットギア
17が回転されると、ドリブンプレート24とクラッチ
ディスク25とが一体的に回転し、ドリブンプレート2
4側の動力をクラッチディスク25側に伝達することに
よってアウトプットギア17の動力がシャフト15に伝
達される。
【0020】また、シャフト15にはその軸線方向に延
びる潤滑油供給路34が透設され、その潤滑油供給路3
4はシャフト15の外周面へ連通する連通するシャフト
通油孔35a,35bと接続されている。前記シャフト
通油孔35aは遮蔽プレート21,22のベアリング1
8,19に潤滑油を供給し、シャフト通油孔35bはシ
ャフト15のスプライン部16に潤滑油を供給する。な
お、スプライン部16に供給された潤滑油はドリブンプ
レート24、クラッチディスク25及びピストン26を
潤滑した後、ドラム20の周面に透設された排出通路2
0a,20bからドラム20の外部に排出される。
【0021】前記支持プレート11の外部においてシャ
フト15にはフランジ金具59が固着され、このフラン
ジ金具59にはPTOの制御対象機器が接続される。前
記支持プレート12の外部にはブレーキとしてのバンド
ブレーキ40が設けられている。すなわち、支持プレー
ト12から突出するシャフト15の端部にはブレーキド
ラムとしてのブレーキリング41が嵌合して固着され、
このブレーキリング41はシャフト15と一体的に回転
する。
【0022】支持プレート12には図2に示すように、
前記ブレーキリング41の側方に第1リンク42がピン
43を介して回動可能に支持されている。第1リンク4
2の先端部には係止ピン44が設けられ、同係止ピン4
4と前記支持プレート12に突設された係止ピン45と
の間には第1リンク42を前記ブレーキリング41側に
回動するように付勢するための引っ張りバネ46が介装
されている。
【0023】第1リンク42の中間部にはピン48を介
して第2リンク47が第1リンク42と相対回動可能に
支持されている。第2リンク47の先端部には保持ピン
49が設けられ、同保持ピン49と前記支持プレート1
2に突設された保持ピン50との間には前記ブレーキリ
ング41に接離されるブレーキベルト51が取り付けら
れている。また、第2リンク47の保持ピン49は同リ
ンク47の回動に伴って前記支持プレート12に設けら
れたガイド部材52に沿って案内される。なお、ブレー
キリング41及びブレーキベルト51の摩擦面にはライ
ニング材が設けられている。
【0024】従って、第1リンク42が図2に実線で示
すように引っ張りバネ46の付勢力によってブレーキリ
ング41に接近した位置に回動されると、第2リンク4
7は第1リンク42に対して接近する方向に回動する。
従って、ピン43及び保持ピン49間の距離が長くな
り、ブレーキベルト51は張られてブレーキリング41
に圧接され、ブレーキリング41を介してシャフト15
に制動がかかる。また、第1リンク42が図2に二点鎖
線で示すように引っ張りバネ46の付勢力に抗してブレ
ーキリング41から離間した位置に回動されると、第2
リンク47は第1リンク42に対して離間する方向に回
動する。従って、ピン43及び保持ピン49間の距離が
短くなり、ブレーキベルト51は緩んでブレーキリング
41から解離され、ブレーキリング41に対するブレー
キ作用が解除される。
【0025】図1に示すように、支持プレート12には
前記バンドブレーキ40を覆うようにカバー55が取着
されている。このカバー55には前記シャフト15の小
径部15aを回転可能に収容するとともに、作動油を通
すための収容孔56が形成されている。また、カバー5
5には潤滑油供給路57が形成され、同供給路57は前
記小径部15a及びブレーキリング41の内周面によっ
て形成される円環状の室58を介して前記潤滑油供給路
34に連通される。なお、ブレーキリング41はクラッ
チの接続に基づいてシャフト15が回転されると、室5
8内の潤滑油によって潤滑される。
【0026】カバー55には図3に示すように、シリン
ダチューブ61とピストン62とからなるブレーキ解除
用油圧シリンダ60が一体に形成されている。シリンダ
チューブ61には前記支持プレート12側において長孔
63が透設され、同長孔63を介して前記第1リンク4
2の係止ピン44がシリンダチューブ61内に挿入され
ている。
【0027】ピストン62はピストンヘッド62aと、
前記係止ピン44に係合する二股部62bとからなる。
ピストンヘッド62aとシリンダチューブ61とにより
圧油室64が形成され、圧油室64は圧油経路65に連
通されている。圧油経路65を介して圧油室64への作
動油の供給及び圧油室64からの作動油の排出が行われ
る。
【0028】従って、圧油経路65を介して圧油室64
に圧力の高い作動油(圧油)が供給されるときには、ピ
ストンヘッド62aに油圧が作用し、前記引っ張りバネ
46の付勢力に抗してピストン62は実線で示す上死点
から二点鎖線で示す下死点まで移動する。ピストン62
が下死点側に移動し始めると、係止ピン44と二股部6
2bとの係合に基づいて第1リンク42は図2に二点鎖
線で示すようにブレーキリング41から離間した位置に
回動され、ブレーキベルト51が緩んでブレーキリング
41から離れてブレーキが解除される。
【0029】また、圧油室64への圧油の供給が停止さ
れると、前記引っ張りバネ46の付勢力によってピスト
ン62は二点鎖線で示す下死点から実線で示す上死点ま
で移動する。それにより、圧油室64から圧油経路65
を介して作動油が排出される。ピストン62が上死点付
近に達すると、第1リンク42は図2に実線で示すよう
にブレーキリング41に接近した位置に回動され、ブレ
ーキベルト51はブレーキリング41に圧接されてブレ
ーキリング41を介してシャフト15に制動がかかる。
【0030】図3に示すように、シリンダチューブ61
には前記ピストン62の上死点から下死点までのストロ
ークの中間部(本実施例では下死点付近)において、前
記収容孔56に連通する連結管路66が形成されてい
る。連結管路66はピストン62が下死点側に移動して
ピストンヘッド62aによって開放されたときにはじめ
て圧油室64と連通し、圧油室64から圧油を供給され
る。
【0031】また、カバー55には前記潤滑油供給路5
7に連通する潤滑油供給路67が形成されている。図
4,図5は上記のように構成された湿式多板クラッチ駆
動装置の油圧回路を示す。ギアポンプ72は作動油タン
ク70の作動油をフィルタ71を介して汲み上げ、切換
弁73側に吐出する。切換弁73は第1位置73aと第
2位置73bとを備える。ブレーキ解除用油圧シリンダ
60の圧油室64は圧油経路65に連通され、クラッチ
駆動用油圧シリンダ29の圧油室28は連結管路66を
介して前記圧油室64に連通されている。圧油経路65
と作動油タンク70との間にはリリーフ弁75が接続さ
れている。
【0032】次に、上記のように構成された湿式多板ク
ラッチ駆動装置の作用について説明する。PTOのオン
時、すなわち、クラッチの接続時において、図5に示す
ように切換弁73が第2位置73bに切り換えられる
と、ギアポンプ72と圧油経路65とが連通し、逆止弁
74は作動油タンク70に連通する。そのため、ギアポ
ンプ72から吐出される作動油は圧油経路65を介して
ブレーキ解除用油圧シリンダ60の圧油室64に供給さ
れる。
【0033】圧油室64に供給された作動油によって油
圧シリンダ60のピストン62が引っ張りバネ46の付
勢力に抗して実線で示す上死点から二点鎖線で示す下死
点側に移動し始める。すると、第1リンク42はブレー
キリング41から離間する方向に回動され、ブレーキベ
ルト51が緩んでブレーキリング41から離れてブレー
キが解除される。
【0034】ブレーキ解除用油圧シリンダ60のピスト
ン62がさらに下死点側に移動して連通管路66が開放
されると、連通管路66は圧油室64と連通する。その
ため、圧油室64内の作動油が連結管路66、収容孔5
6、圧油経路32、環状溝33及び通油孔30を経由し
てクラッチ駆動用油圧シリンダ29の圧油室28に供給
される。
【0035】圧油室28に供給された圧油によってピス
トン26が復帰用バネ27の付勢力に抗してドリブンプ
レート24を遮蔽プレート22側へ押圧し、ドリブンプ
レート24とクラッチディスク25とが圧接され、クラ
ッチが接続される。その結果、アウトプットギア17の
動力がシャフト15に伝達される。なお、圧油室28内
の油圧がリリーフ弁75によるリリーフ圧に達すると、
切換弁73から供給される作動油の一部はリリーフ弁7
5を介して前記各部の潤滑油として供給されたり、作動
油タンク70に戻される。
【0036】PTOのオフ時、すなわち、クラッチの切
り離し時において、図4に示すように切換弁73が第1
位置73aに切り換えられると、ギアポンプ72と逆止
弁74とが連通し、圧油経路65は作動油タンク70に
連通する。そのため、ギアポンプ72から吐出される作
動油は逆止弁74を経由して作動油タンク70に戻る。
【0037】従って、クラッチ駆動用油圧シリンダ29
のピストン26が復帰用バネ27の付勢力によって図4
に示すように実線で示す位置から二点鎖線で示す位置ま
で移動する。これにより、ドリブンプレート24とクラ
ッチディスク25との圧接が解除され、クラッチが切り
離される。このピストン26の移動に伴って圧油室28
内の作動油は通油孔30、環状溝33、圧油経路32、
収容孔56、連通管路66、圧油室64及び圧油経路6
5を経由して作動油タンク70に排出される。
【0038】クラッチ駆動用油圧シリンダ29の圧油室
28の作動油が排出されてしまうと、ブレーキ解除用油
圧シリンダ60のピストン62が引っ張りバネ46の付
勢力によって上死点側に移動し、圧油室64内の作動油
が圧油経路65を経由して作動油タンク70に排出され
る。ピストン62の上死点側への移動途中において、連
結管路66はピストン62によって閉鎖される。
【0039】そして、ピストン62が上死点付近に達す
ると、第1リンク42は図2に実線で示すようにブレー
キリング41に接近した位置に回動され、ブレーキベル
ト51はブレーキリング41に圧接されてブレーキリン
グ41を介してシャフト15に制動がかかる。
【0040】このように本実施例では、ブレーキ解除用
油圧シリンダ60のシリンダチューブ61とクラッチ駆
動用油圧シリンダ29の圧油室28とを接続する連結管
路66を設けた。そして、切換弁73から供給される作
動油をブレーキ解除用油圧シリンダ60及び連結管路6
6を経由してクラッチ駆動用油圧シリンダ29に供給
し、クラッチ駆動用油圧シリンダ29から排出される作
動油を連結管路66及びブレーキ解除用油圧シリンダ6
0を経由して排出するようにした。
【0041】そのため、PTOのオン時にはバンドブレ
ーキ40を解除した後、クラッチを接続できる。また、
PTOのオフ時にはクラッチを切り離した後にバンドブ
レーキ40を動作させてシャフト15に制動をかけて、
クラッチディスク25のつれ回りを確実に防止すること
ができる。従って、バンドブレーキ40やクラッチに異
常なトルクが作用せず、ドリブンプレート24及びクラ
ッチディスク25の摩擦面に設けられるライニング材の
損傷や、ブレーキリング41及びブレーキベルト51の
摩擦面に設けられるライニング材の損傷を軽減して使用
耐用年数をあげることができる。
【0042】また、本実施例ではブレーキ解除用油圧シ
リンダ60とクラッチ駆動用油圧シリンダ29とを接続
する連結管路66という簡単な構成で、バンドブレーキ
40を接離させる時期とクラッチを接離させる時期とを
異ならせることができ、湿式多板クラッチの使用耐用年
数をあげることができる。
【0043】また、本実施例では、連結管路66は、ブ
レーキ解除用油圧シリンダ60のピストン62のストロ
ークの中間部としての下死点付近においてシリンダチュ
ーブ61に連結している。そのため、PTOのオン時に
はバンドブレーキ40を確実に解除した後、クラッチを
接続できる。また、PTOのオフ時にはクラッチを確実
に切り離した後、バンドブレーキ40を動作させること
ができる。
【0044】図6は別の実施例のバンドブレーキ80を
示す。このバンドブレーキ80は第1リンク42に時計
方向の引っ張り力を付与する引っ張りバネ46に代え
て、油圧シリンダ85を設けた点において、前記バンド
ブレーキ40と異なる。すなわち、前記支持プレート1
2には油圧シリンダ85がピン87を介して回動可能に
取着されている。ピストン86のロッド86aは第1リ
ンク42の係止ピン44に回動可能に取着されている。
【0045】ギアポンプ83は作動油タンク81の作動
油をフィルタ82を介して汲み上げ、切換弁84側に吐
出する。切換弁84は第1位置84aと第2位置84b
とを備える。PTOのオフ時において、前記切換弁73
が第1位置73aに切り換えられるのに同期して、切換
弁84は第1位置84aに切り換えられるようになって
いる。PTOのオン時において、前記切換弁73が第2
位置73bに切り換えられるのに同期して、切換弁84
も第2位置84bに切り換えられるようになっている。
ギアポンプ83と作動油タンク81との間にはリリーフ
弁88が接続されている。
【0046】従って、切換弁84が第1位置84aに切
り換えられると、ギアポンプ83と油圧シリンダ85の
第1圧油室85aとが連通され、第2圧油室85bと作
動油タンク81とが連通される。ギアポンプ83から吐
出される作動油は第1圧油室85aに供給され、ピスト
ン86が第2圧油室85b側に移動し、第1リンク42
はブレーキリング41側に回動され、ブレーキベルト5
1はブレーキリング41に圧接されてブレーキリング4
1を介してシャフト15に制動がかかる。このとき、第
1圧油室85a内の油圧はリリーフ弁88によるリリー
フ圧となる。
【0047】また、切換弁84が第2位置84bに切り
換えられると、ギアポンプ83と油圧シリンダ85の第
2圧油室85bとが連通され、第1圧油室85aと作動
油タンク81とが連通される。ギアポンプ83から吐出
される作動油は第2圧油室85bに供給され、ピストン
86が第1圧油室85a側に移動し、第1リンク42は
ブレーキリング41から離間した位置に回動され、ブレ
ーキベルト51がブレーキリング41から解離されてブ
レーキが解除される。
【0048】このように、本実施例のバンドブレーキ8
0の油圧シリンダ85は、リリーフ弁88のリリーフ圧
で第1リンク42をブレーキリング41側に回動付勢す
るようにしている。従って、油圧シリンダ85はブレー
キベルト51及びそのライニング材が磨耗してブレーキ
ベルト51の圧接位置が変化しても、安定した制動力を
得ることができる。
【0049】なお、本発明は次のように任意に変更して
具体化することも可能である。 (1)上記各実施例では、複数のドリブンプレート24
と複数のクラッチディスク25とを備えた多板クラッチ
の駆動装置に実施したが、1つのドリブンプレートと1
つのクラッチディスクとを備えたクラッチの駆動装置に
実施してもよい。この場合にも、上記各実施例と同様の
効果がある。
【0050】(2)上記各実施例では、ドリブンプレー
トとクラッチディスクとに潤滑油を供給する湿式のクラ
ッチの駆動装置に実施したが、潤滑油を供給しないクラ
ッチの駆動装置に実施してもよい。この場合にも、上記
各実施例と同様の効果がある。
【0051】(3)上記各実施例では、シャフト15に
対してバンドブレーキを設けたクラッチの駆動装置に実
施したが、シャフトに対してディスクブレーキを設けた
クラッチの駆動装置に実施してもよい。この場合にも、
上記各実施例と同様の効果がある。
【0052】上記の実施例から把握できる請求項以外の
技術的思想について、以下にその効果とともに記載す
る。 (イ)前記ブレーキは、前記従動軸に設けられたブレー
キドラムと、前記ブレーキドラムに掛けられ、前記ブレ
ーキ解除用油圧シリンダによって前記ブレーキドラムに
接離されるブレーキベルトとを備える請求項1〜3のい
ずれか一項に記載のクラッチ駆動装置。この構成によれ
ば、径の大きなブレーキドラムによって従動軸に直接制
動をかけることができるので、ブレーキ力を向上でき
る。
【0053】ブレーキドラム・・・この明細書において
ブレーキドラムとは円筒面よりなる制動面を備えた部材
を意味し、充実体よりなるブレーキリング41のみなら
ず、中空体を含むものとする。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、つ
れ回りを確実に防止し、しかも、ライニング材の損傷を
軽減し使用耐用年数をあげることができる優れた効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の湿式多板クラッチを示す縦断面図
【図2】図1の1−1線におけるバンドブレーキの正断
面図
【図3】図1の2−2線におけるブレーキ解除用油圧シ
リンダの正断面図
【図4】図1のクラッチの切り離し時における油圧回路
【図5】図1のクラッチの接続時における油圧回路図
【図6】バンドブレーキの別例を示す正断面図
【符号の説明】
15…従動軸としてのシャフト、20…ドラム、24…
ドリブンプレート、25…クラッチディスク、29…ク
ラッチ駆動用油圧シリンダ、40…ブレーキとしてのバ
ンドブレーキ、60…ブレーキ解除用油圧シリンダ、6
2…ピストン、66…管路としての連結管路、73…切
換弁。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドラムと一体的に回転するドリブンプレ
    ートと、従動軸と一体的に回転するクラッチディスクと
    を接続させて、ドラムの動力を従動軸に伝達するクラッ
    チと、 作動油の供給に基づいて前記クラッチを接続し、作動油
    の排出に基づいて前記クラッチを切り離すためのクラッ
    チ駆動用油圧シリンダと、 前記従動軸に制動をかけるためのブレーキと、 作動油の供給に基づいて前記ブレーキを解除させ、作動
    油の排出に基づいて前記ブレーキを動作させるためのブ
    レーキ解除用油圧シリンダと、 前記クラッチ駆動用油圧シリンダとブレーキ解除用油圧
    シリンダに対して作動油を給排するための切換弁とを備
    えたクラッチ駆動装置において、 切換弁から供給される作動油をブレーキ解除用油圧シリ
    ンダを経由してクラッチ駆動用油圧シリンダに供給し、
    クラッチ駆動用油圧シリンダから排出される作動油をブ
    レーキ解除用油圧シリンダを経由して切換弁に排出する
    ための管路を形成したクラッチ駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記管路は、前記ブレーキ解除用油圧シ
    リンダと前記クラッチ駆動用油圧シリンダとを接続する
    連結管路である請求項1に記載のクラッチ駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記連結管路は、前記ブレーキ解除用油
    圧シリンダのピストンのストロークの中間部においてブ
    レーキ解除用油圧シリンダに連結されている請求項2に
    記載のクラッチ駆動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010151123A (ja) * 2008-11-29 2010-07-08 Nabtesco Corp 風車用ピッチ駆動装置
WO2017150188A1 (ja) * 2016-02-29 2017-09-08 ダイハツ工業株式会社 トランスミッションケース

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