JP2005090664A - 油圧ptoクラッチ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 駆動軸及び従動軸の間に介挿される軸受部材へ潤滑油を適切に供給しつつ、駆動側及び従動側摩擦板の係合解除時におけるクラッチドラッグ現象を有効に低減させ得る油圧PTOクラッチ構造を提供する。
【解決手段】 駆動軸及び従動軸は、一方が他方に形成された凹部内に突入された状態で軸受部材を介して軸線回り相対回転自在とされる。前記両軸の少なくとも一方には、一端部が油圧源に流体接続され且つ他端部が前記凹部内において開口された第1油路と、一端部が該第1油路に連通され且つ他端部が前記両摩擦板への連通路に開口する第2油路とが設けられる。第2油路の他端部は、ピストンが前記両摩擦板を解除させる解除位置に位置する際には該ピストンによって閉塞される。第1油路には、油圧源から供給される油の前記他端部からの吐出量を制限するオリフィスが設けられている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、駆動源とPTO軸との間に配設される油圧PTOクラッチ構造に関する。
作業車輌には、駆動輪を駆動する為の走行系伝動経路とは別に、外部作業機に対して駆動力を取り出す為のPTO伝動経路が備えられる。
該PTO伝動経路には、駆動源からPTO軸への動力伝達及び遮断を選択的に切り替える油圧PTOクラッチ構造が備えられる。
前記油圧PTOクラッチ構造は、駆動源に作動的に連結されたPTO駆動軸と、該PTO駆動軸と同軸上に配置されたPTO従動軸と、前記PTO駆動軸からPTO従動軸への動力伝達及び動力遮断を選択的に行う油圧クラッチ機構とを備えている。
そして、前記油圧クラッチ機構は、前記PTO駆動軸に相対回転不能に支持された駆動側シリンダと、該駆動側シリンダに相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板と、前記PTO従動軸に相対回転不能に支持された従動側シリンダと、前記駆動側摩擦板と対向するように該従動側シリンダに相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された従動側摩擦板と、圧油の作用によって前記駆動側摩擦板及び前記従動側摩擦板の係合/解除を切り替えるピストンと、前記ピストンに対して作動油を供給するように前記PTO駆動軸及びPTO従動軸の一方に穿孔された作動油供給油路と、前記両摩擦板に潤滑油を供給するように前記PTO駆動軸及びPTO従動軸の一方に穿孔された潤滑油供給油路とを備えている。
詳しくは、従来の油圧PTOクラッチ構造においては、前記PTO駆動軸及びPTO従動軸の一方の対向端部に凹部を形成し、且つ、前記PTO駆動軸及びPTO従動軸の他方の対向端部を前記凹部内に突入させて、該他方の対向端部をニードルバルブ等の軸受部材を介して一方の対向端部に対して相対回転自在とさせている(特許文献1参照)。
斯かる構成において、前記軸受部材及び前記両摩擦板へ潤滑油を供給する為に、前記潤滑油供給油路は、一端部が油圧源に流体接続され且つ他端部が前記凹部内において開口された第1油路と、一端部が該第1油路に連通され且つ他端部が前記両摩擦板への連通路に開口する第2油路とを備えている。
ところで、前記従来の油圧PTOクラッチ構造においては、前記第1油路を介して供給される油によって、該油圧PTOクラッチ構造の動力遮断時に前記駆動側摩擦板に回転抵抗が生じ、これにより、PTO伝動経路に負荷が掛かるという問題があった。
即ち、前記第2油路は、前記作動油供給油路を介して供給される油によって作動されるピストンの位置に応じて、前記他端部が開放及び遮断される。つまり、前記第2油路の他端部は、前記ピストンが前記両摩擦板を係合させる係合位置に位置する際には該ピストンに形成された連通孔を介して開放され、且つ、前記ピストンが前記両摩擦板を解除させる解除位置に位置する際には該ピストンによって閉塞されるようになっている。
従って、前記第2油路は、前記両摩擦板が係合される際には油を供給し、且つ、前記両摩擦板が解除される際には油の供給を遮断するようになっている。
ところが、前記第1油路の他端部は、前記両摩擦板の係合/解放に拘わらず、常に開放されている。
従って、前記両摩擦板が解放状態とされている場合であっても、前記第1油路を介して供給された油が該両摩擦板へ導入されるようになっている。
このような、解放されている状態の両摩擦板への油の供給はクラッチドラッグ現象の要因となり、前記PTO駆動軸の回転抵抗を増加させ、結果的に、PTO伝動経路の負荷抵抗が増加する。
特開2003−136985号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、PTO駆動軸及びPTO従動軸の間に介挿される軸受部材へ潤滑油を適切に供給しつつ、駆動側摩擦板及び従動側摩擦板の係合解除時におけるクラッチドラッグ現象を有効に低減させ得る油圧PTOクラッチ構造の提供を、一の目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、駆動源に作動的に連結されたPTO駆動軸と、該PTO駆動軸と同軸上に配置されたPTO従動軸と、前記PTO駆動軸からPTO従動軸への動力伝達及び動力遮断を選択的に行う油圧クラッチ機構とを備えた油圧PTOクラッチ構造であって、前記油圧クラッチ機構は、前記PTO駆動軸に相対回転不能に支持された駆動側シリンダと、該駆動側シリンダに相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板と、前記PTO従動軸に相対回転不能に支持された従動側シリンダと、前記駆動側摩擦板と対向するように該従動側シリンダに相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された従動側摩擦板と、圧油の作用によって前記駆動側摩擦板及び前記従動側摩擦板の係合/解除を切り替えるピストンと、前記ピストンに対して作動油を供給する作動油供給油路と、潤滑油を供給する潤滑油供給油路とを備えた油圧PTOクラッチ構造を提供する。
前記PTO駆動軸及び前記PTO従動軸は、互いの対向端部の一方が他方に形成された凹部内に突入された状態で、該凹部内に配設される軸受部材を介して互いに軸線回り相対回転自在とされる。
前記潤滑油供給油路は、前記PTO駆動軸又は前記PTO従動軸の少なくとも一方に穿孔された第1油路であって、一端部が油圧源に流体接続され且つ他端部が前記凹部内において開口された第1油路と、一端部が該第1油路に連通され且つ他端部が前記両摩擦板への連通路に開口する第2油路とを有しており、前記第2油路の他端部は、前記ピストンが前記両摩擦板を係合させる係合位置に位置する際には該ピストンに設けられた連通孔を介して前記連通路に開口し、且つ、前記ピストンが前記両摩擦板を解除させる解除位置に位置する際には該ピストンによって閉塞されるように構成される。
そして、前記第1油路には、前記油圧源から供給される油の前記他端部からの吐出量を制限するオリフィスが設けられている。
好ましくは、前記油圧クラッチ機構の係合/遮断に連動して、前記PTO従動軸に制動力を解除/付加する油圧ブレーキ機構を、さらに備えることができる。
一態様においては、前記駆動側シリンダは、前記PTO駆動軸に相対回転不能に外挿される基端部と、該基端部から前記従動軸の一部を囲繞するように軸線方向に延びる支持部であって、前記駆動側摩擦板を支持する支持部とを有し、前記従動側シリンダは、前記PTO従動軸に相対回転不能に外挿される基端部と、該基端部から前記駆動側シリンダの一部を囲繞するように軸線方向に延びる支持部であって、前記従動側摩擦板を支持する支持部とを有しており、前記駆動側シリンダの支持部と前記従動軸との間隙が前記連通路を形成するものとされる。
前記種々の態様において、前記ピストンを前記駆動側摩擦板及び従動側摩擦板から離間させる方向へ押圧する付勢部材をさらに備えることができる。斯かる態様においては、前記作動油供給油路を介して供給される圧油によって前記ピストンが前記付勢部材の付勢力に抗して前記駆動側摩擦板及び従動側摩擦板を摩擦接触させることにより、両摩擦板が係合される。
好ましくは、前記駆動側摩擦板及び従動側摩擦板の少なくとも一方には、摩擦係合面に、径方向内端部が開口され且つ径方向外端部が閉塞されたデッドエンド溝が設けられる。
本発明によれば、PTO駆動軸及びPTO従動軸の間に介挿される軸受部材へ潤滑油を適切に供給しつつ、駆動側摩擦板及び従動側摩擦板の係合解除時におけるクラッチドラッグ現象を有効に低減させることができる。
従って、前記両摩擦板の係合解除時におけるPTO駆動軸等の駆動側部材への回転抵抗を抑えることができる。
又、前記駆動側摩擦板及び従動側摩擦板の少なくとも一方の摩擦係合面に、径方向内端部が開口され且つ径方向外端部が閉塞されたデッドエンド溝を設ければ、クラッチドラッグ現象をより有効に低減させることができる。
以下に、本発明に係る油圧PTOクラッチ構造の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係る油圧PTOクラッチ構造1が適用されたトランスミッション100の伝動模式図である。又、図2は、前記トランスミッション100の油圧回路図である。
図1に示すように、前記トランスミッション100は、駆動源(図示せず)からの駆動力を駆動車軸110へ伝達する走行系伝動経路200と、前記駆動源からの駆動力を外部に出力するPTO系伝動経路300と、これらを収容するハウジング400とを備えている。
本実施の形態に係る油圧PTOクラッチ構造1は、前記PTO系伝動経路300に介挿されている。
図3は、前記油圧PTOクラッチ構造の縦断側面図であって、図1におけるIII部拡大断面図である。
図1及び図3に示すように、前記油圧PTOクラッチ構造1は、駆動側に位置するPTO駆動軸10と、従動側に位置するPTO従動軸20と、前記PTO駆動軸10からPTO従動軸20への動力伝達及び動力遮断を選択的に行う油圧クラッチ機構30とを備えている。
前記PTO駆動軸10は、駆動源に作動的に連結されており、該駆動源によって常時軸線回りに回転している。
前記PTO従動軸20は、前記油圧クラッチ機構30を介して、選択的に前記PTO駆動軸10から動力が伝達可能とされている。
本実施の形態においては、該PTO従動軸20は、前記PTO駆動軸10と同軸上に配設されている。
詳しくは、前記PTO駆動軸10及びPTO従動軸20は、一方の対向端部が他方の対向端部内に突入された状態で、軸受部材を介して互いに相対回転自在とされる。
本実施の形態においては、図3に示すように、前記PTO駆動軸10の対向端部に軸線方向に沿った凹部11を設け、前記PTO従動軸20の対向端部21を該PTO駆動軸10の凹部11内に突入させている。
そして、前記凹部11内には前記軸受部材として機能するニードルバルブ15が配設されており、該ニードルバルブ15を介して前記PTO従動軸20の対向端部21が前記PTO駆動軸10に対して軸線回り相対回転自在に支持されている。
前記油圧クラッチ機構30は、前記PTO駆動軸10に相対回転不能に支持された駆動側シリンダ31と、該駆動側シリンダ31に相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板32と、前記PTO従動軸20に相対回転不能に支持された従動側シリンダ33と、前記駆動側摩擦板32と対向するように該従動側シリンダ33に相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された従動側摩擦板34と、作動油圧の作用を受けて、前記駆動側摩擦板32及び従動側摩擦板33の係合/解除を切り替えるピストン35と、前記ピストン35に対して作動油を供給する作動油供給油路36と、潤滑油を供給する潤滑油供給油路37とを備えている。
図4に、図3におけるIV部拡大図を示す。
図4に示すように、前記駆動側シリンダ31は、前記PTO駆動軸10に相対回転不能に外挿される基端部31aと、該基端部31aから前記PTO従動軸20の一部を囲繞するように軸線方向に延びる支持部31bとを有している。
前記支持部31bは、前記駆動側摩擦板32を相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持するように構成されている。
同様に、前記従動側シリンダ33は、前記PTO従動軸20に相対回転不能に外挿される基端部33aと、該基端部33aから前記駆動側シリンダ31の一部を囲繞するように軸線方向に延びる支持部33bとを有している。
そして、前記支持部33bが、前記従動側摩擦板34を相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持するように構成されている。
前記ピストン35は、前記作動油供給油路36を介した作動油の供給/遮断に応じて、前記駆動側摩擦板32及び従動側摩擦板34を係合させる係合位置と、両摩擦板32,34の係合を解除させる解除位置とをとり得るようになっている(図4においては、前記ピストン35は解除位置に位置している)。
図3及び図4に示すように、本実施の形態においては、前記油圧クラッチ機構30は、さらに、前記ピストン35を前記摩擦板32,34から離間させる方向へ付勢する付勢部材38を有している。
そして、前記ピストン35は、前記作動油供給油路36を介して作動油が供給されると、前記付勢部材38の付勢力に抗して、前記両摩擦板32,34を摩擦係合させる係合位置に位置するようになっている。
なお、本実施の形態に係る油圧PTOクラッチ構造1は、前述の通り、油圧作動型とされているが、当然ながら、スプリング作動型とすることも可能である。
前記作動油供給油路36は、一端部が油圧源200(図2参照)に流体的に接続され且つ他端部が前記ピストン35に対して開口されている(図4参照)。
本実施の形態においては、前記PTO従動軸20に穿孔された軸線孔が前記作動用供給油路36の一部を形成している。
なお、該作動油供給油路36による作動油の供給/遮断の切替は、電磁弁等の切換弁210(図2参照)によって行われる。
前記潤滑油供給油路37は、前記PTO駆動軸及びPTO従動軸を互いに相対回転自在に連結する前記軸受部材15と、前記駆動側摩擦板32及び従動側摩擦板34とに潤滑油を供給し得るように構成されている。
詳しくは、前記潤滑油供給油路37は、前記PTO駆動軸10又は前記PTO従動軸20の少なくとも一方に穿孔された第1油路37aと、一端部が該第1油路37aに連通され且つ他端部が前記両摩擦板32,34への連通路に開口する第2油路37bとを有している。
図3及び図4に示すように、本実施の形態において、前記第1油路37aは前記PTO従動軸20に穿孔されている。
該第1油路37aは、一端部が油圧源200(図2参照)に流体接続され且つ他端部が前記凹部11内において開口されており、前記軸受部材15に対して潤滑油を供給し得るように構成されている。
同様に、本実施の形態においては、前記第2油路37bは前記PTO従動軸20に穿孔されている。
該第2油路37bは、前記両摩擦板32,34が係合する際には該両摩擦板32,34に潤滑油を供給し、且つ、該両摩擦板32,34の係合が解除される際には該両摩擦板32,34への潤滑油供給を遮断するように構成されている。
具体的には、前記第2油路37bの他端部は、前記ピストン35が前記両摩擦板32,34を係合させる係合位置に位置する際には該ピストン35に設けられた連通孔35aを介して前記連通路に開口し、且つ、前記ピストン35が前記両摩擦板を解除させる解除位置に位置する際には該ピストン35によって閉塞されるように構成されている(図4参照)。
即ち、本実施の形態においては、前記ピストン35が、前記第2油路37bから両摩擦板32,34への潤滑油供給を切り替える切換弁として作用している(図2参照)。
このように、前記駆動側摩擦板32及び従動側摩擦板34の係合が解除されている際(即ち、前記油圧クラッチ機構30が動力遮断状態とされている際)に、該両摩擦板32,34への潤滑油供給を停止することにより、クラッチドラッグ現象を低減させ、前記駆動側摩擦板32の回転抵抗を有効に抑えることができる。
さらに、本実施の形態に係る油圧PTOクラッチ構造1においては、斯かる構成に加えて、前記油圧源200から供給される油の前記第1油路37aの他端部からの吐出量を制限するオリフィス40が設けられており、これにより、前記両摩擦板32,34間のクラッチドラッグ現象をより有効に低減させ得るようになっている。
即ち、油圧PTOクラッチ構造には、前記油圧クラッチ機構30に連動して、PTO従動軸20に制動力を作動的に付加する油圧ブレーキ機構50が備えられる場合が多い。
斯かる油圧ブレーキ機構50は、前記油圧クラッチ機構30が解除状態の際に前記PTO従動軸20に対して直接又は間接的に制動力を付加し、且つ、前記油圧クラッチ機構30が係合状態の際には前記制動力を解除するように構成されている(図2参照)。
このような油圧ブレーキ機構50が備えられる場合、前記油圧クラッチ機構30が解除状態とされると、従動側の部材(PTO従動軸20,従動側シリンダ33及び従動側摩擦板34)には前記油圧ブレーキ機構50によってラジアル荷重が働く。従って、前記PTO従動軸20に対して前記PTO駆動軸10を相対回転自在に支持する前記軸受部材15には、ある程度の潤滑油が必要となる。
従って、前記第1油路37aを介して前記軸受部材15に潤滑油を供給することは有効であるが、その一方で、該潤滑油の油量が多すぎると、油圧クラッチ機構30の解除時に、駆動側摩擦板32及び従動側摩擦板34の間でクラッチドラッグ現象が生じる恐れがある。
詳しく説明すると、前記潤滑油供給油路37には、前記軸受部材15及び前記両摩擦板32,34を潤滑するに十分な量の油が流されている。
ところが、前記両摩擦板32,34が係合解除状態とされる際には、前述の通り、前記第2油路37bの他端部は閉塞される。従って、該両摩擦板32,34が係合解除状態とされている際には、前記第1油路37aの他端部からは、前記軸受部材15の潤滑に必要な量を越えた油が流出する。
斯かる油は、前記軸受部材15を潤滑した後、前記駆動側シリンダ31及び前記従動軸20の間の間隙(両摩擦板32,34への油の連通路)を通って、前記両摩擦板32,34の方へ流れ込むことになり、これにより、クラッチドラッグ現象が生じ、前記駆動側摩擦板32に対して回転抵抗を生じさせる。
斯かる点を考慮して、本実施の形態においては、前記第1油路37a中に前記オリフィス40を設けており、これにより、該第1油路37aの他端部から流出する油量を前記軸受部材15の潤滑に必要十分な油量に制限して、クラッチ解除時におけるクラッチドラッグ現象の発生をより有効に抑止している。
好ましくは、前記オリフィス40として、前記PTO従動軸20の対向端部21から嵌入されるオリフィスプラグを用いることができ、これにより、前記第1油路37aの穿孔を容易に行うことができる。
より好ましくは、前記駆動側摩擦板32及び従動側摩擦板34の少なくとも一方に、径方向外端部が閉塞されたデッドエンド溝60を設けることができ、これにより、両摩擦板32,34の係合解除時におけるクラッチドラッグ現象をより有効に防止できる。
図5(a)に、前記駆動側摩擦板32及び従動側摩擦板34の部分断面側面図を示す。又、図5(b)に、前記駆動側摩擦板32の部分正面図を示す。
図5に示すように、本実施の形態においては、前記デッドエンド溝60は駆動側摩擦板32に形成されている。
詳しくは、前記駆動側摩擦板32の摩擦面(従動側摩擦板34との係合面)には、径方向内端部が開口し且つ径方向外端部が閉塞された前記デッドエンド溝60が形成されている。
斯かるデッドエンド溝60を備えることにより、駆動側摩擦板32及び従動側摩擦板34へ供給された潤滑油が、従動側摩擦板34を駆動側摩擦板32から離間させる方向へ押動させることになる(図5(a)の矢印参照)。
従って、両摩擦板32,34の係合解除時に、クラッチドラッグ現象の発生を有効に防止できる。
なお、図5(b)中の符号61は、径方向内端部及び径方向外端部の双方が開口された溝であり、潤滑油を両摩擦板32,34の係合面全域に行き渡らせる為に備えられる。
又、本実施の形態においては、前記デッドエンド溝60を駆動側摩擦板32の係合面に形成したが、これに代えて/又はこれに加えて、前記デッドエンド溝60を従動側摩擦板34の係合面に形成することも可能である。
さらに、本実施の形態においては、機体外方へ向けて駆動力を出力するPTO軸70を、前記PTO従動軸20に作動的に連結された中空出力軸65に対して選択的に一端部71及び他端部72を逆にして挿入可能とし、且つ、該一端部71及び他端部72に異なる歯数のスプラインを有するものとしている(図3参照)。
即ち、前記PTO軸70によって駆動される作業機は、種類に応じて、低速で回転駆動されるものと、高速で回転駆動されるものとが存在する。
このような種々の作業機に対して適切に駆動力を出力する為に、前記PTO軸70は、一端部71及び他端部72を選択的に機体外方へ延在させ得るように構成されると共に、一端部71に低速作業機用の小歯数スプラインを有し且つ他端部72に高速作業機用の大歯数スプラインを有するものとされている。
ところで、このような両端部71,72に異なる歯数のスプラインを有するPTO軸70を備える場合、低速作業機に連結する状態(即ち、前記一端部71を外方へ延在させる状態であり、以下、低速出力モードという)に該PTO軸70を設置しているにも拘わらず、前記中空出力軸65が高速回転することを防止する為に、前記PTO従動軸20と該中空出力軸65との間に配設される変速機構80を低速段に拘束する拘束機構(図示せず)が備えられる場合がある。
即ち、前記変速機構は、例えば、低速段81,中速段82及び高速段83を有し得る(図3参照)。斯かる構成において、前記拘束機構は、前記PTO軸が低速出力モードに設置される場合に、前記変速機構を低速段に拘束するように構成される。
詳しくは、前記PTO軸70は、一端部71又は他端部72の何れか一方(図示の形態においては、一端部71)にのみ凹部73が設けられ、他方(図示の形態においては、他端部72)は平端面とされる。そして、前記中空出力軸65の底壁面には、前記凹部73に係入される凸部(図示せず)が設けられる。
前記拘束機構は、前記PTO軸の凹部73及び平坦面と前記中空出力軸65の凸部との組み合わせによって、該PTO軸70が低出力モードに設置された際には、前記変速機構80を低速段に拘束するように構成される。
ところで、前述のように、前記PTO軸70の一端部71又は他端部72の一方に凹部73を設けると、該凹部73を有する端部を外方へ延在させてPTO軸70を設置した場合に、前記凹部73内に泥等が溜まり、該PTO軸70を逆向きに設置する際に前記凸部の該凹部73への係入が困難になる場合がある。
この点を考慮して、本実施の形態においては、前記凹部73を閉塞可能なプラグ部材90を、機体外方からアクセス可能な位置に着脱自在に設けている。
本実施の形態においては、前記プラグ部材90を、トランスミッションハウジング400の外壁面の前記PTO軸70の近傍に、着脱自在に設置している。
このように、前記凹部73を閉塞可能なプラグ部材90を、機体外方からアクセス可能な位置に着脱自在に設けておくことにより、前記凹部73が機体外方を向くように前記PTO軸70が設置される際に、該凹部73を簡便に閉塞することができ、これにより、該凹部73内に泥等が付着することを防止して、該PTO軸70を逆向きに設置する際の作業性を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る油圧PTOクラッチ構造が適用されたトランスミッションの伝動模式図である。 図2は、図1に示すトランスミッションの油圧回路図である。 図3は、図1に示す油圧PTOクラッチ構造の縦断側面図であり、図1におけるIII部拡大断面図である。 図4は、図3におけるIV部拡大図である。 図5(a)は、図1〜図4に示す油圧PTOクラッチ構造における駆動側摩擦板及び従動側摩擦板の部分断面側面図である。 図5(b)は、図5(a)に示す駆動側摩擦板の部分正面図である。
符号の説明
1 油圧PTOクラッチ構造
10 PTO駆動軸
11 凹部
15 軸受部材
20 PTO従動軸
30 油圧クラッチ機構
31 駆動側シリンダ
31a 基端部
31b 支持部
32 駆動側摩擦板
33 従動側シリンダ
33a 基端部
33b 支持部
34 従動側摩擦板
35 ピストン
35a 連通孔
36 作動油供給油路
37 潤滑油供給油路
37a 第1油路
37b 第2油路
38 付勢部材
40 オリフィス
60 デッドエンド溝

Claims (5)

  1. 駆動源に作動的に連結されたPTO駆動軸と、該PTO駆動軸と同軸上に配置されたPTO従動軸と、前記PTO駆動軸からPTO従動軸への動力伝達及び動力遮断を選択的に行う油圧クラッチ機構とを備えた油圧PTOクラッチ構造であって、
    前記油圧クラッチ機構は、前記PTO駆動軸に相対回転不能に支持された駆動側シリンダと、該駆動側シリンダに相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板と、前記PTO従動軸に相対回転不能に支持された従動側シリンダと、前記駆動側摩擦板と対向するように該従動側シリンダに相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された従動側摩擦板と、圧油の作用によって前記駆動側摩擦板及び前記従動側摩擦板の係合/解除を切り替えるピストンと、前記ピストンに対して作動油を供給する作動油供給油路と、潤滑油を供給する潤滑油供給油路とを備え、
    前記PTO駆動軸及び前記PTO従動軸は、互いの対向端部の一方が他方に形成された凹部内に突入された状態で、該凹部内に配設される軸受部材を介して互いに軸線回り相対回転自在とされており、
    前記潤滑油供給油路は、前記PTO駆動軸又は前記PTO従動軸の少なくとも一方に穿孔された第1油路であって、一端部が油圧源に流体接続され且つ他端部が前記凹部内において開口された第1油路と、一端部が該第1油路に連通され且つ他端部が前記両摩擦板への連通路に開口する第2油路とを有し、
    前記第2油路の他端部は、前記ピストンが前記両摩擦板を係合させる係合位置に位置する際には該ピストンに設けられた連通孔を介して前記連通路に開口し、且つ、前記ピストンが前記両摩擦板を解除させる解除位置に位置する際には該ピストンによって閉塞されるように構成され、
    前記第1油路には、前記油圧源から供給される油の前記他端部からの吐出量を制限するオリフィスが設けられていることを特徴とする油圧PTOクラッチ構造。
  2. 前記油圧クラッチ機構の係合/遮断に連動して、前記PTO従動軸に制動力を解除/付加する油圧ブレーキ機構を、さらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の油圧PTOクラッチ構造。
  3. 前記駆動側シリンダは、前記PTO駆動軸に相対回転不能に外挿される基端部と、該基端部から前記従動軸の一部を囲繞するように軸線方向に延びる支持部であって、前記駆動側摩擦板を支持する支持部とを有し、
    前記従動側シリンダは、前記PTO従動軸に相対回転不能に外挿される基端部と、該基端部から前記駆動側シリンダの一部を囲繞するように軸線方向に延びる支持部であって、前記従動側摩擦板を支持する支持部とを有しており、
    前記駆動側シリンダの支持部と前記従動軸との間隙が前記連通路を形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の油圧PTOクラッチ構造。
  4. 前記ピストンを前記駆動側摩擦板及び従動側摩擦板から離間させる方向へ押圧する付勢部材をさらに備え、
    前記作動油供給油路を介して供給される圧油によって前記ピストンが前記付勢部材の付勢力に抗して前記駆動側摩擦板及び従動側摩擦板を摩擦接触させることにより、両摩擦板が係合されることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の油圧PTOクラッチ構造。
  5. 前記駆動側摩擦板及び従動側摩擦板の少なくとも一方には、摩擦係合面に、径方向内端部が開口され且つ径方向外端部が閉塞されたデッドエンド溝が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の油圧PTOクラッチ構造。
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