JPH082777B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH082777B2
JPH082777B2 JP62329604A JP32960487A JPH082777B2 JP H082777 B2 JPH082777 B2 JP H082777B2 JP 62329604 A JP62329604 A JP 62329604A JP 32960487 A JP32960487 A JP 32960487A JP H082777 B2 JPH082777 B2 JP H082777B2
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、マルチトールエーテルを配合してなる皮膚
外用剤に関し、さらに詳しくは、安全性が高く安定性に
優れかつコクのある使用感触のマルチトールエーテル含
有の皮膚外用剤に関する。
[従来の技術] 皮膚外用剤に求められる機能のうちで、安全性・安定
性は重要である。従来、多くの皮膚外用剤には、乳化・
可溶化・分散等の目的で、界面活性剤が使用されてい
る。
従来より一般的に多用されている非イオン性界面活性
剤には、グリセリン脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸
エステル・ソルビトール脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸
エステル・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル・ポリエチレングリコール脂肪酸エステル・ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル・ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル・ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油誘導体等がある。
オキシエチレン鎖等の低分子量のオキシアルキレン鎖
を含有する非イオン性界面活性剤には、HLB域を広くか
つ任意に調製しうるという長所を持つ反面、一般に、経
時で酸化を受け、低分子量アルデヒドを発生したり、pH
が酸性にずれていく等の問題点を有する。
また、ソルビタン脂肪酸エステルのような多価アルコ
ール脂肪酸エステルタイプの非イオン性界面活性剤は、
特に水を含み、pHが中性からはずれている皮膚外用剤の
成分として用いた場合、エステル結合が分解しやすく、
経日安定性や安全性に問題を生じやすい。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは、上記事情に鑑み、鋭意検討した結果、
マルチトールエーテルが、従来から使用されている非イ
オン性界面活性剤が有する問題点を回避できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は、一般式(I) (式中Xはマルチトールからn個の水酸基を除いた残
基,R1及びR2はいずれも水素原子・アルキル基またはア
ルケニル基で、R1及びR2の合計炭素原子数が6〜24,nは
1以上で5以下の数を表す)で表されるマルチトールエ
ーテルの製法及びそれを含有することを特徴とする、安
定性・安全性に優れた皮膚外用剤に関する。
一般式(I)において、R1及びR2の水素原子以外の具
体例であるC1〜C24のアルキル基やアルケニル基として
は、例えばメチル基・エチル基・イソプロピル基・オク
チル基・ラウリル基・ミリスチル基・パルミチル基・ス
テアリル基・2−エチルヘキシル基・イソステアリル基
やオレイル基・パルミトオレイル基・エイコセニル基な
どが挙げられる。
一般式(I)において、nは1以上の数で、5以下の
数を表す。1〜2のものは界面活性剤として,3以上のも
のはワックスとしても使用できる。
一般式(I)で示されるマルチトールエーテルは、マ
ルチトールと一般式(II)で表される化合物とを R1及びR2は式(I)と同じ 反応させる方法などにより製造することができる。反応
性の点からすると、R1及びR2のいずれか一方は、一般に
小さい基の方が好ましく、水素原子であるのが好まし
い。
このようにして得られるマルチトールエーテルは、酸
化安定性・化学安定性に優れる。そして、洗浄性・分散
性・乳化性・可溶化性等の界面活性,保湿性等の機能を
有するため、皮膚外用剤に配合できる。
なお、本発明の皮膚外用剤には、前記の必須成分に加
えて必要により通常皮膚外用剤に用いられる他の成分を
適宜配合することができる。例えば、流動パラフィン・
スクワラン・ワセリン・セチルアルコール・イソステア
リルアルコール・2−オクチルドデシルアルコール・2
−エチルヘキサン酸セチル・トリイソステアリン酸グリ
セリン・マカデミアナッツ油・ラノリン等の各種炭化水
素・油脂類・ロウ類等の油性成分,シリコーン類,他の
界面活性剤,増粘剤,中和剤,防腐剤,殺菌剤,酸化防
止剤,粉体成分,色素,香料,紫外線吸収剤,薬効剤,
金属封鎖剤,pH調製剤などが挙げられる。
マルチトールエーテルの配合量は、特に限定はないが
通常皮膚外用剤全量に対して0.01〜30.0重量%,好まし
くは0.1〜10.0重量%が配合される。
本発明に係る皮膚外用剤の剤型は任意であり、例え
ば、水溶液系,可溶化系,乳化系,粉末分散系,水−油
2層系,水−油−粉末3層系など、どのような系でもよ
く、用途も化粧水,乳液,クリーム,パックなどの基礎
化粧料,口紅,ファンデーションなどのメーキャップ化
粧料,シャンプー,リンス,ヘアトニックなどの頭髪化
粧料などの化粧料あるいは医薬品,医薬部外品など多岐
にわたる。かくして得られた皮膚外用剤は、系の経日安
定性が良好であり、コクのある使用感触を示す。
実施例 以下、実施例によって、本発明をさらに詳細に説明す
るが、これは本発明の技術的範囲を限定するものではな
い。
合成例1 マルチトール50gとジメチルスルホキシド150gとをフ
ラスコに入れ、100℃で加熱溶解させ、乾燥窒素ガスを
吹き込んで約30分間脱水した。これに水酸化ナトリウム
3.0gを添加した後、炭素原子数12の直鎖1,2−エポキシ
アルカン11gを加え、120℃で8時間激しく攪拌しながら
反応させた。
反応後触媒を塩酸で中和し、ジメチルスルホキシドを
減圧下、80℃でほぼ完全に蒸留除去し、その残留分をメ
チルエチルケトンで抽出して未反応のマルチトールを除
き、さらにメチルエチルケトンを留去して粗製のヒドロ
キシ直鎖アルキルマルチトール29gを得た。
この粗製物を、シリカゲルカラムクロマトグラフ法
で、展開溶媒としてまず初めにn−ヘキサン,次いでア
セトンを用いて分離すると、初めのn−ヘキサン留分と
して極めて微量のエポキシアルカンが認められ、主成分
はアセトン留分に集中して得られた(収量20g)。
このものは、TLC展開溶媒としてクロロホルム:メタ
ノール:酢酸=80:10:10(容量比)の混合溶媒を用いた
薄層クロマトグラフ法では、1スポットを示す高純度の
ものであった。
なお、分離精製には、合成吸着剤を用いても良好な結
果が得られた。
本合成例で得られたマルチトールエーテルを、試料N
o.1とする。
合成例2 試料No.1とほぼ同様に、第1表の化合物を合成した。
参考例1(加水分解性) 試料No.1〜7の1%水溶液を90℃で5時間加熱した
が、いずれの試料も加水分解はほとんど認められなかっ
た。
一方、市販の蔗糖ラウリン酸エステルでは、第2表に
示すとおり、同一条件で約20%のエステル基の分解が認
められた。
また、市販のポリエチレングリコール(PEG)ラウリ
ン酸エステルでは、第2表に示すとおり、約2%のエス
テル基の分解が認められた。
なお、上記加水分解度の測定は、冷却後の水溶液の一
定量を取り、エチルエーテルで抽出し、その抽出物の中
和滴定量から求めた。
参考例2(酸化性) 試料1〜7を、80℃の容器上に100時間放置した後、
それぞれの試料5gを採取した。その後、水500mlおよび
薄めたリン酸3mlを加えてから蒸留し、留出量が190mlに
なった時点で蒸留をやめ水を加えて200mlとし、これを
試験溶液として用いた。
この試験溶液10mlを取り、アセチルアセトン5mlを加
えて振り混ぜ、60℃の水浴中で10分間加熱した。冷却
後、波長420nm付近の極大吸収波長における吸光度を測
定したが、第2表に示すように、アルデヒドの存在は認
められなかった。
一方、ポリエチレングリコールラウリン酸エステルを
同様に処理して評価すると、第2表に示すように、アル
デヒドの存在が認められた。
なお、蔗糖ラウリン酸エステルを同様に処理して評価
しても、第2表に示すように、アルデヒドの存在は認め
られなかった。
実施例1 乳液 (1)ステアリン酸 2.0 % (2)セチルアルコール 0.8 (3)スクアラン 10.0 (4)ワセリン 2.0 (5)マルチトールエーテル(試料No.3) 1.0 (6)ラノリン 2.0 (7)酢酸α−トコフェロール 0.05 (8)香料 適量 (9)プロピレングリコール 5.0 (10)トリエタノールアミン 1.0 (11)カルボキシビニルポリマー 0.1 (12)イオン交換水 残余 (製法) (1)〜(8)を70〜75℃にて加熱溶解する。(9)
〜(12)を70〜75℃にて加熱溶解し、攪拌を続けなが
ら、これに前記(1)〜(7)の混合物を徐々に添加
し、乳化させる。さらに、乳化きにて処理後、30℃まで
冷却し、水中油型乳液を得る。
この乳液は、皮膚に塗布した場合、コクのある使用感
触であった。また、50℃・1ヶ月,0℃・1ヶ月放置した
ものは、分離もなく安定であり、アルデヒドの存在は認
められなかった。
一方、(5)の代りにモノラウリン酸ポリエチレング
リコールを用いたものは、50℃・1ヶ月放置後に、アル
デヒドの存在が認められた。
実施例2 化粧水 (1)グリセリン 3.0% (2)プロピレングリコール 4.0 (3)オレイルアルコール 0.1 (4)マルチトールエーテル(試料No.1) 1.5 (5)エタノール 10.0 (6)香料 適量 (7)防腐剤 適量 (8)イオン交換水 残余 常法により調製した化粧水は、コクのある良好な使用
感触であった。0℃・50℃に1カ月放置したものは、白
濁もせず安定であり、アルデヒドの存在も認められなか
った。
一方、(4)の代りにモノラウリン酸ポリエチレング
リコールを用いたものは、50℃・1カ月放置すると、ア
ルデヒドの存在が認められた。
実施例3 下地クリーム (1)ステアリン酸 0.5% (2)ステアリルアルコール 1.0 (3)ワセリン 2.0 (4)メチルポリシロキサン 2.0 (5)流動パラフィン 5.0 (6)バチルアルコール 1.5 (7)マルチトールエーテル(試料No.4) 2.0 (8)防腐剤 適量 (9)香料 適量 (10)カルボキシビニルポリマー 適量 (11)グリセリン 5.0 (12)エタノール 7.0 (13)イオン交換水 残余 (14)水酸化カリウム 0.1 (製法) (10)〜(13)を溶解し加熱攪拌後、(14)を添加し
水相とする。(1)〜(9)を加熱溶解し、油相とす
る。水相に油相を徐々に加えて乳化し、冷却して下地ク
リームを得る。
この下地クリームは、コクのある良好な使用感触であ
った。50℃・1カ月放置しても、アルデヒドの存在は認
められなかった。
一方、(7)の代りにポリオキシエチレンオレイルエ
ーテルを用いたものは、50℃・1カ月放置すると、アル
デヒドの存在が認められた。
実施例4 乳化ファンデーション (1)1,3−ブチレングリコール 5.0 (2)ベントナイト 1.0 (3)マルチトールエーテル(試料No.6) 2.0 (4)水酸化カリウム 0.1 (5)ワセリン 2.0 (6)流動パラフィン 10.0 (7)セタノール 2.0 (8)モノオレイルグリセリルエーテル 2.0 (9)ミリスチン酸イソプロピル 2.0 (10)防腐剤 適量 (11)香料 適量 (12)調合粉末 20.0 (13)イオン交換水 残余 *酸化チタン 8,カオリン 5,タルク6,酸化鉄 1 (製法) (13)中に(1)〜(4)を加えて加熱攪拌し、水相
とする。(5)〜(11)を加熱攪拌溶解し、油相とす
る。(12)を水相中に添加し、攪拌混合した後、油相を
加えて乳化する。これを室温まで冷却して乳化ファンデ
ーションを得た。
このものは、使用感触・安定性とも良好であり、放置
してもアルデヒドの存在は認められなかった。
一方、(8)の代りにポリオキシエチレンオレイルエ
ーテルを用いたものは、50℃・1カ月放置すると、アル
デヒドの存在が認められた。
実施例5 ヘアリンス (1)ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.
0% (2)流動パラフィン 3.0 (3)セタノール 1.5 (4)マルチトールエーテル(試料No.4) 1.0 (5)香料 適量 (6)色素 適量 (7)クエン酸 適量 (8)イオン交換水 残余 常法により調製したヘアリンスは、50℃・1カ月放置
後も安定であり、アルデヒドの発生は認められなかっ
た。
一方、(4)の代りにポリオキシエチレンオレイルエ
ーテルを用いたものは、50℃・1カ月放置すると、アル
デヒドの存在が認められた。
実施例6 シャンプー (1)ラウリル硫酸ナトリウム 5.0% (2)アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン 2.0 (3)マルチトールエーテル(試料No.3) 10.0 (4)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0 (5)香料 適量 (6)EDTA・2Na 適量 (7)イオン交換水 残余 常法により調製したシャンプーは、50℃・1カ月放置
後も分離もなく安定であり、アルデヒドの発生は認めら
れなかった。
一方、(3)の代りにポリオキシエチレンオレイルエ
ーテルを用いたものは、50℃・1カ月放置すると、アル
デヒドの存在が認められた。
実施例7 口紅 (1)ヒマシ油 45.0% (2)ヘキサデシルアルコール 25.0 (3)ラノリン 4.0 (4)ミツロウ 4.0 (5)オゾケライト 3.0 (6)キャンデリラロウ 6.0 (7)カルナバロウ 2.0 (8)マルチトールエーテル(試料No.7) 3.0 (9)酸化防止剤 適量 (10)防腐剤 適量 (11)酸化チタン 2.0 (12)赤色202号 0.5 (13)赤色204号 2.5 (14)赤色227号Alレーキ 2.5 (15)橙色201号 0.2 (16)香料 適量 (製法) (1)〜(10)を加熱攪拌し均一に混ぜる。これに
(11)〜(15)を加え、ロールミルで練り均一に分散さ
せた後、再融解して(16)を加え、脱泡してから型に流
し込み、急冷して固める。固まったものを型から取り出
し、容器に装填する。
この口紅は、皮膚に塗布した場合、良好な使用感触
で、安定性も良好であった。
[発明の効果] 本発明のマルチトールエーテルは、低分子量のオキシ
アルキル基を有さず、またエステル基を有さないから、
化学的に安定で、容易に加水分解したり、アルデヒドが
発生したりすることがない。従って、このマルチトール
エーテルを使用した化粧料・医薬部外品・医薬品等も同
様の特徴を有し、皮膚に対する刺激性が少なく、その
上、使用感触にも優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で表されるマルチトールエー
    テルを含有してなる皮膚外用剤。 (ただし、式中Xはマルチトールからn個の水酸基を除
    いた残基,R1及びR2はいずれも水素原子・アルキル基ま
    たはアルケニル基で、R1・R2の合計炭素原子数は6〜2
    4,nは1以上で5以下の数を表す。)
JP62329604A 1987-12-28 1987-12-28 皮膚外用剤 Expired - Lifetime JPH082777B2 (ja)

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