JPH08277760A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料中のダスト除去性能を向上させ、且つ燃
圧調整弁から燃料タンク内に戻す燃料により発生する気
泡が燃料ポンプに吸い込まれることを防ぐ。 【構成】 燃料ポンプ１２が支持シャフト１７を介して
燃料タンク１１の蓋１９に固定されている。燃料ポンプ
１２から吐出された燃料の圧力を調整する燃圧調整弁２
５が蓋１９の上方に固定され、この燃圧調整弁２５から
燃料が燃料配管２６を介してデリバリパイプ２７に送ら
れ、各気筒のインジェクタ２８に分配される。この際、
燃圧調整弁２５から燃料の余剰分が戻し配管２９と燃料
フィルタ１３を通して燃料タンク１１内に戻され、その
過程で燃料フィルタ１３で濾過される。燃料フィルタ１
３の位置を、燃料ポンプ１２の吸込み口に装着されたサ
クションフィルタ１５から離すことにより、燃料タンク
１１内に戻す燃料により発生する気泡が燃料ポンプ１２
に吸い込まれることを防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、燃料ポンプからインジ
ェクタへの燃料供給経路中に燃圧調整弁（プレッシャレ
ギュレータ）を設けた内燃機関の燃料供給装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、特開平４−２８７８６１号公報
に示すように、燃料ポンプからインジェクタへの燃料供
給経路中に燃圧調整弁を設けると共に、この燃圧調整弁
の下流側に燃料フィルタを設け、燃圧調整弁を通過して
インジェクタへ供給される燃料中に含まれたダストを燃
料フィルタにより除去するようにしたものがある。この
ものは、燃料ポンプから燃圧調整弁に送られる燃料の余
剰分を燃圧調整弁から戻し流路を通して燃料ポンプ内に
戻すことで、インジェクタに供給する燃料の圧力（燃
圧）を一定に保つようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記構成では、インジ
ェクタへ供給する燃料の余剰分をインジェクタ近傍のデ
リバリパイプから燃料タンク内に戻すリターン配管を廃
止したリターンレス配管構成となっており、インジェク
タへ供給する燃料の余剰分は燃料フィルタを通過するこ
となく燃料タンク内に戻されるため、ダストを含む燃料
が燃料タンク→燃料ポンプ→燃圧調整弁→燃料タンク…
…と循環し、このダストが燃料ポンプの摩耗を早め、ポ
ンプ性能を低下させるおそれがある。

【０００４】そこで、燃料中のダスト除去性能を向上す
るために、本発明者らは、燃圧調整弁から余剰燃料を燃
料タンク内に戻す戻し流路中に燃料フィルタを設けた構
成を考えている。つまり、後述する図２に示すように、
燃料ポンプから吐出される燃料の多くが燃圧調整弁から
戻し流路を通って燃料タンク内に戻されるため、燃料タ
ンク内の燃料が燃料ポンプ→燃圧調整弁→戻し流路の経
路で循環するようになる。従って、戻し流路中に燃料フ
ィルタを設ければ、燃料タンク内の燃料が戻し流路中の
燃料フィルタを繰り返し通過するようになり、燃料フィ
ルタを通過する回数が増えるに従って、燃料中のダスト
の除去率が高くなる。

【０００５】しかしながら、燃料フィルタを通過した燃
料をそのまま燃料タンク内に落下させると、燃料タンク
内の貯留燃料が泡立って気泡（ベーパ）が発生してしま
い、この気泡が燃料ポンプの吸込み口に装着されたサク
ションフィルタから燃料ポンプ内に吸い込まれると、燃
料ポンプの吐出能力が低下するばかりか、気泡がインジ
ェクタに送られて噴射燃料中に気泡が混じってしまい、
必要な燃料噴射量が得られなくなってしまう。

【０００６】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、燃料中のダスト除去
性能を向上させながら、燃圧調整弁から燃料タンク内に
戻す燃料により発生する気泡が燃料ポンプに吸い込まれ
ることを防ぐことができる内燃機関の燃料供給装置を提
供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１の内燃機関の燃料供給装置は、燃
料タンク内の燃料を燃料ポンプによりインジェクタに供
給するようにしたものにおいて、前記燃料ポンプからイ
ンジェクタへの燃料供給経路中に設けられた燃圧調整弁
と、この燃圧調整弁内に送られてくる燃料の余剰分を前
記燃料タンク内に戻す戻し流路と、この戻し流路中に設
けられた燃料フィルタとを備え、前記戻し流路の出口を
前記燃料ポンプの吸込み口に装着されたサクションフィ
ルタから離れた位置に配置した構成としたものである。

【０００８】この構成において、請求項２のように、前
記燃料ポンプ、前記燃圧調整弁及び前記燃料フィルタ
を、前記燃料タンクの上面開口部を閉塞する蓋に固定す
るようにしても良い。

【０００９】また、請求項３のように、前記燃料フィル
タを前記燃料ポンプの外周に固定しても良い。或は、請
求項４のように、前記戻し流路のほぼ全領域を前記燃料
フィルタのハウジングで構成しても良い。

【００１０】

【作用】上述した本発明の構成では、燃料タンク内の燃
料はサクションフィルタを通して燃料ポンプ内に吸い込
まれ、燃圧調整弁へ送られる。そして、この燃圧調整弁
で燃圧を一定の設定圧力に保ちながらインジェクタ側へ
燃料を送ると共に、燃圧調整弁から余剰燃料が戻し流路
を通して燃料タンク内に戻される。これにより、燃料タ
ンク内の燃料が燃料ポンプ→燃圧調整弁→戻し流路の経
路で循環するが、燃料中のダストは戻し流路中の燃料フ
ィルタで捕捉され、ダストが循環することがなくなる。

【００１１】更に、請求項１の構成では、戻し流路の出
口が燃料ポンプの吸込み口に装着されたサクションフィ
ルタから離れた位置に配置されている。従って、戻し流
路から戻される燃料により燃料タンク内の貯留燃料中に
気泡が発生したとしても、気泡の発生箇所はサクション
フィルタから離れた位置となり、気泡がサクションフィ
ルタに吸い込まれることが防がれる。

【００１２】また、請求項２では、燃料ポンプ、燃圧調
整弁及び燃料フィルタが燃料タンクの蓋に固定されてい
る。従って、燃料ポンプ、燃圧調整弁、燃料フィルタを
修理・点検する際には、燃料タンクの蓋を取り外せば、
この蓋と燃料ポンプ、燃圧調整弁及び燃料フィルタが一
体的に取り外され、これらの修理・点検が簡単に行え
る。

【００１３】また、請求項３では、燃料フィルタが燃料
ポンプの外周に固定されているので、燃料フィルタが燃
料ポンプを利用して安定的に支持される。また、請求項
４では、戻し流路のほぼ全領域が燃料フィルタのハウジ
ングで構成され、戻し流路のほぼ全領域が燃料フィルタ
となっている。これにより、戻し流路の配管構成が簡略
化されると共に、戻し流路のスペースを有効に利用して
燃料フィルタの容積拡大が可能となり、濾過能力が向上
する。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の第１実施例を図１乃至図３に
基づいて説明する。燃料タンク１１内には、燃料ポンプ
１２と燃料フィルタ１３とが設置されている。燃料ポン
プ１２は、吸込み口を下向きにして設置され、その吸込
み口にサクションフィルタ１５が装着されている。この
燃料ポンプ１２の下端部を支持板１６を介して支持する
支持シャフト１７が、燃料タンク１１上面の開口部１８
を閉塞する蓋１９に固定されている。この蓋１９は、燃
料タンク１１の開口部１８周縁にパッキン２０を挟んで
ボルト２１で締付固定されている。

【００１５】燃料ポンプ１２の上部の吐出口に接続され
た短管２２が、蓋１９に固定された継手２３に接続さ
れ、この継手２３に短管２４を介して燃圧調整弁２５が
蓋１９上で連結されている。この燃圧調整弁２５から流
出する燃料は、燃料供給経路である燃料配管２６を介し
てデリバリパイプ２７に送られる。このデリバリパイプ
２７には、各気筒のインジェクタ２８が連結され、デリ
バリパイプ２７内に供給される燃料が各気筒のインジェ
クタ２８から噴射される。この場合、デリバリパイプ２
７には、燃料を燃料タンク１１に戻すリターン配管が設
けられておらず、燃料供給経路がデリバリパイプ２７で
終端になるリターンレス配管構成となっている。

【００１６】一方、燃圧調整弁２５は、背圧室が大気に
開放され、燃料配管２６内の燃圧を大気圧に対して一定
の設定圧力に保持し、燃料の余剰分が燃圧調整弁２５か
ら戻し流路を構成する戻し配管２９を通して燃料タンク
１１内に戻される。この戻し配管２９は、燃料タンク１
１の蓋１９を貫通して燃料タンク１１内に下向きに導入
され、該戻し配管２９の下端に燃料フィルタ１３が接続
されている。従って、戻し配管２９を流れる燃料は、燃
料フィルタ１３で濾過されて燃料タンク１１内に戻され
る。

【００１７】この実施例では、燃料フィルタ１３は、燃
料ポンプ１２の外周にバンド３０で固定され、燃料フィ
ルタ１３と燃料ポンプ１２とが一体化されている。前述
したように、燃料ポンプ１２は支持シャフト１７を介し
て燃料タンク１１の蓋１９に固定されているため、燃料
ポンプ１２を介して燃料フィルタ１３や戻し配管２９も
蓋１９に固定され、更に、蓋１９の上方に燃圧調整弁２
５が固定された構成となっている。また、燃料ポンプ１
２に対する燃料フィルタ１３の固定位置をサクションフ
ィルタ１５とは反対側に位置させることにより、燃料フ
ィルタ１３の下端開口（戻し流路の出口）をサクション
フィルタ１５から離した位置に配置している。

【００１８】ところで、燃料ポンプ１２の吸込み口に装
着されるサクションフィルタ１５のメッシュを細かくす
れば、サクションフィルタ１５の濾過能力を高めること
ができるが、サクションフィルタ１５のメッシュが細か
くなるに従って、サクションフィルタ１５での圧力損失
が大きくなってサクションフィルタ１５の内部が減圧さ
れてしまい、その減圧効果により燃料温度が高いときに
サクションフィルタ１５内でベーパ（気泡）が発生しや
すくなる。このベーパが燃料ポンプ１２に吸込まれる
と、燃料ポンプ１２の吐出能力が低下したり、必要な燃
料噴射量が得られなくなってしまう。従って、サクショ
ンフィルタ１５は、圧力損失があまり大きくならないよ
うに比較的メッシュの粗いものが使用されている。

【００１９】これに対し、戻し配管２９の下端に取り付
けられた燃料フィルタ１３は、上述したような圧損によ
る減圧の問題が生じないため、サクションフィルタ１５
と比較してメッシュの細かいフィルタ材を使用し、濾過
能力を高めている。

【００２０】以上の構成において、エンジン運転中は、
燃料ポンプ１２が駆動され、燃料タンク１１内の燃料が
サクションフィルタ１５を通して濾過されつつ燃料ポン
プ１２内に吸い込まれ、短管２２→継手２３→短管２４
の経路で燃圧調整弁２５に送られる。この燃圧調整弁２
５では、燃圧を大気圧に対して一定の設定圧力にしなが
ら燃料を燃料配管２６を通してインジェクタ２８に分配
し、各気筒に噴射する。この際、燃圧調整弁２５に送ら
れる燃料の余剰分が戻し配管２９と燃料フィルタ１３を
通して燃料タンク１１内に戻され、その過程で、燃料フ
ィルタ１３で燃料中のダストが除去される。

【００２１】ところで、図２は、例えば排気量６６０ｃ
ｃのエンジンを搭載した車両について、燃料ポンプ１２
の吐出量とエンジン供給燃料（消費燃料）及び戻し燃料
（余剰燃料）の割合の一例を示している。この図２から
明らかなように、最小燃料消費時（アイドル時）には消
費燃料量が極めて少なく、燃料ポンプ１２から吐出した
燃料のほとんどが燃圧調整弁２５→戻し配管２９→燃料
フィルタ１３の経路で燃料タンク１１内に戻される。ま
た、最大燃料消費時でも燃料ポンプ１２から吐出した燃
料の９０％近くが燃料タンク１１内に戻される。これに
より、燃料タンク１１内の燃料が燃料ポンプ１２→燃圧
調整弁２５→戻し配管２９→燃料フィルタ１３の経路で
循環して、メッシュの細かい燃料フィルタ１３で燃料が
濾過されるようになり、燃料中のダストの循環を防ぐこ
とができる。

【００２２】ちなみに、上述した燃料の流れの経路を示
すと図３のようになる。この図において、ダストの混入
率が斜線密度で示され、流量が矢印の太さで示されてい
る。つまり、燃料タンク１１内の燃料がサクションフィ
ルタ１５から吸い込まれる際に、燃料がサクションフィ
ルタ１５で濾過されるが、前述したようにサクションフ
ィルタ１５は、圧力損失があまり大きくならないように
比較的メッシュの粗いものが使用されているため、サク
ションフィルタ１５のみではダストの除去が不十分とな
る。従って、サクションフィルタ１５で除去されなかっ
たダストを含む燃料が燃圧調整弁２５へ送られ、その燃
料の一部がデリバリパイプ２７に送られるが、前述した
ように燃圧調整弁２５に送られてくる燃料の大部分が戻
し配管２９→燃料フィルタ１３→燃料タンク１１の経路
で循環し、メッシュの細かい燃料フィルタ１３で燃料が
繰り返し濾過されるため、エンジン運転中は、燃料タン
ク１１内の燃料中のダストが徐々に取り除かれ、燃料中
のダスト混入率が徐々に低下していく。従って、燃圧調
整弁２５とデリバリパイプ２７との間に燃料フィルタが
無くても、デリバリパイプ２７に到達するダストはごく
少量となり、問題とならない。

【００２３】また、上記構成では、燃料ポンプ１２に対
する燃料フィルタ１３の固定位置をサクションフィルタ
１５とは反対側に位置させることにより、燃料フィルタ
１３の下端開口（戻し流路の出口）をサクションフィル
タ１５から離した位置に配置している。従って、燃料フ
ィルタ１３の下端開口から戻される燃料により燃料タン
ク１１内の貯留燃料中に気泡が発生したとしても、気泡
の発生箇所はサクションフィルタ１５から離れた位置と
なり、気泡がサクションフィルタ１５に吸い込まれるこ
とが防がれ、気泡の吸込みによる燃料ポンプ１２の吐出
能力の低下や燃料噴射量の低下が防がれる。

【００２４】更に、燃料ポンプ１２、燃圧調整弁２５及
び燃料フィルタ１３が燃料タンク１１の蓋１９に固定さ
れているため、燃料ポンプ１２、燃圧調整弁２５、燃料
フィルタ１３を修理・点検する際には、燃料タンク１１
の蓋１９をボルト２１を外して取り外せば、この蓋１９
と燃料ポンプ１２、燃圧調整弁２５及び燃料フィルタ１
３を一体的に取り外すことができて、これらの修理・点
検を簡単に行うことができる。しかも、燃料フィルタ１
３を燃料ポンプ１２の外周にバンド３０で固定している
ので、燃料フィルタ１３を燃料ポンプ１２を利用して安
定的に支持することができる。

【００２５】以上説明した第１実施例では、燃圧調整弁
２５を燃料タンク１１の外部（蓋１９の上方）に設置
し、燃圧を大気圧に対して一定の設定圧力に保つように
したが、図４に示す本発明の第２実施例のように、燃圧
調整弁３５を燃料タンク１１内に設置し、燃料ポンプ１
２の吐出口と蓋１９に固定された継手２３との間に燃圧
調整弁３５を介在させるようにしても良い。この構成で
は、燃圧調整弁３５の背圧室が燃料タンク１１内に開放
され、燃圧が燃料タンク１１の内圧に対して一定の設定
圧力に保たれる。

【００２６】更に、この第２実施例では、戻し配管２９
の先端に取り付けられた燃料フィルタ１３が、燃料ポン
プ１２を支持する支持シャフト１７にバンド３６で固定
されている点も、第１実施例と相違する。但し、この場
合も、燃料フィルタ１３の固定位置をサクションフィル
タ１５とは反対側に位置させることにより、燃料フィル
タ１３の下端開口（戻し流路の出口）をサクションフィ
ルタ１５から離した位置に配置している。従って、この
第２実施例においても、燃料フィルタ１３から戻される
燃料によって発生する気泡がサクションフィルタ１５に
吸い込まれることが防がれる。また、燃料タンク１１の
蓋１９に燃料ポンプ１２、燃圧調整弁２５及び燃料フィ
ルタ１３が固定されている点も、第１実施例と同じであ
り、これらの点検・修理が容易である。

【００２７】一方、図５に示す本発明の第３実施例で
は、燃圧調整弁２５の下流側の燃料配管２６中に別の燃
料フィルタ３９を追加し、燃圧調整弁２５からデリバリ
パイプ２７に供給する燃料を燃料配管２６中の燃料フィ
ルタ３９で濾過して、燃料中のダストをほぼ完全に除去
することができるようになっている。これ以外の構成は
前述した第１実施例と同じである。

【００２８】また、図６乃至図８に示す本発明の第４実
施例では、燃料タンク１１内の上部に設置した燃圧調整
弁３５から余剰燃料を燃料タンク１１内に戻す戻し流路
のほぼ全領域を燃料フィルタ４０のハウジング４１で構
成し、戻し流路のほぼ全領域が燃料フィルタ４０となっ
ている。これにより、戻し流路の配管構成が簡略化され
ると共に、戻し流路のスペースを有効に利用して燃料フ
ィルタ４０の容積拡大が可能となり、濾過能力が向上す
る。

【００２９】図７に示すように、燃圧調整弁３５は、ハ
ウジング４２内をダイヤフラム４３によって背圧室４４
と燃料室４５とに仕切り、背圧室４４内に収納したスプ
リング４６によってバルブ４７を燃料戻し口４８の方向
に付勢している。燃料ポンプ１２から送られてくる燃料
は、入口４９から燃料室４５内に流入し、出口５０から
デリバリパイプ２７へ送られると共に、燃料室４５内に
充満した燃料の圧力によってダイヤフラム４３を介して
バルブ４７を押し上げ、燃料タンク１１内の圧力に対し
て一定の設定圧力でスプリング４６のばね力とつり合
う。これにより、燃料室４５内に流入する燃料の多くが
燃料戻し口４８から燃料フィルタ４０内の内筒５１に流
入する。

【００３０】この燃料フィルタ４０は、戻し流路を構成
する縦長のハウジング４１内の中心部に内筒５１を収納
し、内筒５１の外周囲にフィルタ材５２を装填した構成
となっている。そして、燃圧調整弁３５の燃料戻し口４
８から燃料フィルタ４０の内筒５１に流入した燃料は、
内筒５１に形成された多数の燃料通過口５３からフィル
タ材５２に流入して濾過されつつ、ハウジング４１の下
端面の燃料出口５４から燃料タンク１１内に戻される。

【００３１】この第４実施例においても、図６に示すよ
うに、燃料フィルタ４０の固定位置をサクションフィル
タ１５とは反対側に位置させることにより、燃料フィル
タ１３の燃料出口５４（戻し流路の出口）をサクション
フィルタ１５から離した位置に配置している。これによ
り、燃料フィルタ４０から戻される燃料によって発生す
る気泡がサクションフィルタ１５に吸い込まれることが
防がれる。また、前記第３実施例と同じく、燃圧調整弁
２５の下流側の燃料配管２６中に別の燃料フィルタ３９
を追加し、デリバリパイプ２７に供給する燃料を燃料配
管２６中の燃料フィルタ３９で濾過して、燃料中のダス
トをほぼ完全に除去することができるようになってい
る。尚、図８は、第４実施例における燃料の流れを矢印
で示し、ダストの混入率を斜線密度で示し、流量を矢印
の太さで示している。

【００３２】一方、図９及び図１０に示す本発明の第５
実施例では、燃圧調整弁２５の下流側の燃料配管２６中
に簡易フィルタ５５を追加し、デリバリパイプ２７に供
給する燃料を燃料配管２６中の簡易フィルタ５５で濾過
するようになっている。この簡易フィルタ５５の構成
は、燃料配管２６中にＯリング５６を介して連結された
円筒ハウジング５７内にフィルタ材５８を収納した構成
となっている。フィルタ材５８は、図５や図６に示す第
３・第４実施例の燃料フィルタ３９よりも圧損が小さい
簡易なフィルタ材を使用し、簡易フィルタ５５による燃
圧の低下を少なくしている。これ以外の構成は、図４に
示す第２実施例と同じである。

【００３３】尚、前述した各実施例では、戻し配管２９
（戻し流路）の下端に燃料フィルタ１３を接続している
が、戻し配管２９（戻し流路）の途中に燃料フィルタを
設けるようにしても良い。

【００３４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項１の構成によれば、燃料タンク内の燃料を燃料
ポンプ→燃圧調整弁→戻し流路の経路で循環させて、戻
し流路中の燃料フィルタで燃料タンク内の燃料を繰り返
し濾過することができて、燃料中のダストの循環を防ぐ
ことができる。しかも、戻し流路の出口が燃料ポンプの
吸込み口に装着されたサクションフィルタから離れた位
置に配置されているので、戻し流路から戻される燃料に
より燃料タンク内で発生する気泡（ベーパ）の発生箇所
がサクションフィルタから離れた位置となり、気泡がサ
クションフィルタに吸い込まれることを防ぐことができ
て、気泡の吸込みによる燃料ポンプの吐出能力の低下や
燃料噴射量の低下を防ぐことができる。

【００３５】また、請求項２では、燃料ポンプ、燃圧調
整弁及び燃料フィルタを燃料タンクの蓋に固定するよう
にしたので、これらを修理・点検する際には、燃料タン
クの蓋を取り外せば、この蓋と燃料ポンプ、燃圧調整弁
及び燃料フィルタを一体的に取り外すことができて、こ
れらの修理・点検を簡単に行うことができる。

【００３６】また、請求項３では、燃料フィルタを燃料
ポンプの外周に固定しているので、燃料フィルタを燃料
ポンプを利用して安定的に支持することができると共
に、燃料フィルタの支持構造を簡略化することができ
る。

【００３７】また、請求項４では、戻し流路のほぼ全領
域を燃料フィルタのハウジングで構成したので、戻し流
路の配管構成を簡略化することができると共に、戻し流
路のスペースを有効に利用して燃料フィルタの容積を拡
大することができ、濾過能力が向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す燃料供給装置全体の
縦断面図

【図２】第１実施例の燃料ポンプの吐出燃料量のうち、
エンジンに供給される燃料量と燃料タンク内に戻される
燃料量との割合を説明する図

【図３】第１実施例の燃料の流れを矢印で示し、ダスト
の混入率を斜線密度で示し、流量を矢印の太さで示した
図

【図４】本発明の第２実施例を示す燃料供給装置全体の
縦断面図

【図５】本発明の第３実施例を示す燃料供給装置全体の
縦断面図

【図６】本発明の第４実施例を示す燃料供給装置全体の
縦断面図

【図７】第４実施例の燃圧調整弁と燃料フィルタ部分の
構造を示す縦断面図

【図８】第４実施例の燃料の流れを矢印で示し、ダスト
の混入率を斜線密度で示し、流量を矢印の太さで示した
図

【図９】本発明の第５実施例を示す燃料供給装置全体の
縦断面図

【図１０】第５実施例の簡易フィルタ部分の縦断面図

【符号の説明】

１１…燃料タンク、１２…燃料ポンプ、１３…燃料フィ
ルタ、１５…サクションフィルタ、１７…支持シャフ
ト、１８…開口部、１９…蓋、２５…燃圧調整弁、２６
…燃料配管（燃料供給経路）、２７…デリバリパイプ、
２８…インジェクタ、２９…戻し配管（戻し流路）、３
０…バンド、３５…燃圧調整弁、３６…バンド、３９，
４０…燃料フィルタ、４１…ハウジング、４３…ダイヤ
フラム、４４…背圧室、４５…燃料室、４７…バルブ、
４８…燃料戻し口、５２…フィルタ材、５４…燃料出
口、５５…簡易フィルタ、５８…フィルタ材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ０２Ｍ 37/20 Ｆ０２Ｍ 37/20 Ｌ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料タンク内の燃料を燃料ポンプにより
   インジェクタに供給するようにした内燃機関の燃料供給
   装置において、 前記燃料ポンプからインジェクタへの燃料供給経路中に
   設けられた燃圧調整弁と、この燃圧調整弁内に送られて
   くる燃料の余剰分を前記燃料タンク内に戻す戻し流路
   と、この戻し流路中に設けられた燃料フィルタとを備
   え、 前記戻し流路の出口を前記燃料ポンプの吸込み口に装着
   されたサクションフィルタから離れた位置に配置したこ
   とを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
2. 【請求項２】 前記燃料ポンプ、前記燃圧調整弁及び前
   記燃料フィルタは、前記燃料タンクの上面開口部を閉塞
   する蓋に固定されていることを特徴とする請求項１に記
   載の内燃機関の燃料供給装置。
3. 【請求項３】 前記燃料フィルタは、前記燃料ポンプの
   外周に固定されていることを特徴とする請求項１又は２
   に記載の内燃機関の燃料供給装置。
4. 【請求項４】 前記戻し流路は、そのほぼ全領域が前記
   燃料フィルタのハウジングで構成されていることを特徴
   とする請求項１乃至３のいずれかに記載の内燃機関の燃
   料供給装置。