JP2014095357A - 燃料噴射システムおよび不純物の除去方法 - Google Patents

燃料噴射システムおよび不純物の除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料中の不純物の捕捉効率を上げるとともに、燃料フィルタを頻繁に交換しなくても済み、デポジットの発生が加速されることのないシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】 このシステムは、燃料を貯留する燃料タンク15と、燃料中の不純物を分離除去する燃料フィルタ18と、燃料を噴射させる複数のインジェクタ13と、燃料タンク15から複数のインジェクタ13へ燃料フィルタ18を介して燃料を供給するサプライポンプ11と、サプライポンプ11および複数のインジェクタ13からの余剰燃料を燃料タンク15へ戻すための戻り配管22と、戻り配管22の途中に設けられ、余剰燃料中に含まれる不純物を分離除去するデポジット捕捉フィルタ24とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料供給手段により燃料を燃料タンクから複数の噴射ノズルへ供給して噴射させるとともに、燃料供給手段や複数の噴射ノズルからの余剰燃料を燃料タンクへ戻すように構成された燃料噴射システム、および燃料中の不純物を除去する方法に関する。
トラック、建設機械、漁船、発電機等に搭載されているディーゼルエンジンは、往復動を行うピストンと、ピストンの周囲および上部を覆うシリンダとを含んで構成される。このディーゼルエンジンは、ピストンとシリンダとにより形成される燃焼室(燃料を燃焼させる部屋)内に空気を供給し、ピストンによってその空気を圧縮し、圧縮されて高温となった空気に燃料を霧状に噴射させて自然着火させる。
ディーゼルエンジンは、燃焼室内に燃料を高圧で噴射させるため、噴射ポンプが必要不可欠となっている。噴射ポンプの燃料噴射方式には、機械式噴射ポンプを用いて燃料を噴射させる方式があるが、近年、電子制御の噴射を行うユニットインジェクター式やコモンレール式が数多く採用され、特にコモンレール式が主流となっている。
コモンレール式は、コモンレールと呼ばれる細長いパイプに高圧の燃料を蓄え、そのパイプに繋がる各インジェクタへ均一に供給する燃料噴射方式である。このコモンレール式では、燃料の加圧をサプライポンプで行い、インジェクタを用いて燃焼室内に霧状に噴射させ、自然発火させる。なお、このときの噴射制御は、コントロールユニットにより行われる。
サプライポンプは、燃料を圧縮してコモンレールへ供給するが、その燃料中に何らの要因によりエアーが混入すると、そのエアーが断熱圧縮されてエアー周辺が局所的に高温となり、カーボンが発生しやすくなる。また、燃料中には、各種添加剤も含まれており、その添加剤もこの局所的な高温により析出して、カーボンとともにインジェクタ内部に付着・堆積する。燃料中には、そのほか、鉄系化合物、有機酸およびその塩等も含まれており、これらも付着・堆積する。これらの付着・堆積したものは、デポジットと呼ばれ、デポジットが多量に付着・堆積すると、エンジン性能の低下や不均一な噴射を生じさせる。
このデポジットの付着・堆積は、冬期に燃料中に添加される低温流動性向上剤や潤滑性向上剤等およびそれらの劣化生成物により析出すると考えられている。これらが添加された燃料は、例えば、コモンレールシステムの採用により高圧条件下で燃料供給ポンプからインジェクタで噴射される間に、サプライポンプにより発生した気泡や外部から侵入したエアーがサプライポンプ内で局所高温化され、これに伴い燃料中の各種添加剤も高温化することで熱分解し、新たなデポジットが生成されることが明らかになってきている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、コモンレールシステムでは、サプライポンプの燃料供給量が、インジェクタからの燃料噴射量より充分に大きいことから、余剰燃料が発生する。また、コモンレールには、燃料圧力が所定値以上になると開き、高圧の燃料を排出させ、コモンレール内の圧力を下げる圧力制御弁が設けられる。さらに、インジェクタは、本体とニードル弁との間の隙間から高圧の余剰な燃料がリークする。
このため、サプライポンプからの余剰燃料、コモンレールから排出される燃料、インジェクタからリークした燃料を燃料タンクへ戻すために、戻りラインが設けられている(例えば、特許文献2および3参照)。この戻される燃料中には、上記のデポジットが含まれ、また、外部から砂埃や鉱物、ゴミ等も混入し、それらによって配管等が研磨されることにより発生した金属摩耗粉も含まれる。
これらの不純物は、エンジン性能の低下や不均一な噴射を生じさせることから、従来においては、燃料タンクとサプライポンプとの間に、あるいはサプライポンプへ燃料を供給するためのフィードポンプを設置している場合は、フィードポンプとサプライポンプとの間に、燃料フィルタを設け、その燃料フィルタによりその不純物を捕捉し、燃料中から分離除去している。
特開2006−257934号公報 特開2012−112368号公報 特開2011−226442号公報
排ガス規制に伴い、コモンレールシステムにおいて燃料を噴射する圧力の高圧化が要求され、燃料フィルタの捕捉効率の高効率化が要求されている。しかしながら、燃料フィルタを高効率化させると、予想した以上に不純物を捕捉してしまう。これでは、頻繁に交換しなければならなくなり、要求される交換インターバルを満足することができない。また、頻繁な交換は、手間がかかり、非経済的である。
燃料フィルタを高効率化するためには、一般に、多孔性のフィルタの孔径を小さくすることになるが、そうすると、すぐに目詰まりしてしまい、エンジンストール(エンジンが停止する現象)が発生する可能性がある。また、燃料フィルタに多くの不純物が捕捉されることにより、燃料フィルタの圧力損失が大きくなり、燃料フィルタの入出の圧力差が大きくなってエアーが混入しやすくなる。すると、カーボン等が生成されやすくなり、デポジットの発生を加速させてしまう。
そこで、不純物の捕捉効率を上げることができ、かつ燃料フィルタを頻繁に交換しなくても済み、エンジンストールが発生する可能性を最小限のものとし、デポジットの発生が加速されないようにすることができるシステムや方法の提供が望まれていた。
本発明は、上記課題に鑑み、燃料を貯留する燃料タンクと、燃料中の不純物を捕捉する第1フィルタと、燃料を噴射させる複数の噴射ノズルと、燃料タンクから複数の噴射ノズルへ第1フィルタを介して燃料を供給する燃料供給手段と、燃料供給手段および複数の噴射ノズルからの余剰燃料を燃料タンクへ戻すための戻り配管とを備える燃料噴射システムであって、戻り配管途中に設けられ、余剰燃料中に含まれる不純物を捕捉する第2フィルタをさらに備える、燃料噴射システムが提供される。
本発明の燃料噴射システムを提供することにより、第1フィルタである燃料フィルタの孔径を小さくすることなく、燃料噴射システムにおける捕捉効率を上げることができる。また、燃料フィルタの交換インターバルを長くし、その交換頻度を減少させることができる。さらに、燃料フィルタが目詰まりしにくくなるため、エンジンストールが発生する可能性を最小限に留めることができる。また、燃料フィルタの入出の圧力差が拡大しにくいため、エアーが混入しにくくなり、デポジットの発生が加速するのを抑制することができる。
本発明の燃料噴射システムの構成例を示した図。 従来のシステムが備える燃料フィルタにより捕捉された不純物の頻度分布を示した図。 本発明の燃料噴射システムが備える燃料フィルタにより捕捉された不純物の頻度分布を示した図。 本発明の燃料噴射システムが備えるデポジット捕捉フィルタにより捕捉された不純物の頻度分布を示した図。 燃料中の不純物を除去する処理の流れを示したフローチャート。
図1は、本発明の燃料噴射システムの構成例を示した図である。この燃料噴射システムは、ディーゼルエンジンに好適なシステムである。このため、燃料噴射システムは、ディーゼルエンジンを搭載した車両、建設機械、漁船、発電機、燃料を燃焼して流体を加熱する加熱炉やボイラ等に採用することができる。
図1に示す燃料噴射システム10は、燃料供給方式がコモンレール式とされている。このため、燃料噴射システム10は、燃料を圧縮して供給する燃料供給手段としてのサプライポンプ11と、高圧の燃料を蓄えるコモンレール12と、燃料を噴射する噴射ノズルとしての複数のインジェクタ13と、サプライポンプ11とコモンレール12とを接続する燃料供給高圧配管14とを備えている。ここでは、コモンレール式としたが、上記のような機械式噴射ポンプを用いて燃料を噴射させる方式やユニットインジェクター式等であってもよい。
この燃料噴射システム10は、そのほか、燃料を貯留するための燃料タンク15と、燃料タンク15内の燃料を吸引するフィードポンプ16と、燃料タンク15とフィードポンプ16とを接続する燃料供給低圧配管17と、フィードポンプ16とサプライポンプ11との間に設けられる燃料中の不純物を捕捉し、燃料中からその不純物を分離除去する第1フィルタとしての燃料フィルタ18とを備えている。
また、この燃料噴射システム10は、コモンレール12に取り付けられ、コモンレール12内の圧力を検出するための圧力センサ19と、コモンレール12内の圧力が所定値以上になるときに開き、燃料を排出させ、コモンレール12内の圧力を低下させる圧力制御弁20と、圧力センサ19からの信号を受け、サプライポンプ11に指示し、燃料吐出量を制御するコントロールユニット21とを備えている。なお、圧力制御弁20は、例えばリリーフ弁であり、コモンレール12の設計圧力を超えた場合に開くように所定値が設定される。
さらに、この燃料噴射システム10は、上述したサプライポンプ11からの余剰燃料、インジェクタ13からリークした燃料、圧力制御弁20から排出された燃料(これらをまとめて余剰燃料とする。)を燃料タンク15内に戻すための戻り配管22を備えている。戻り配管22は、サプライポンプ11に接続される戻り配管22a、インジェクタ13と接続される戻り配管22b、圧力制御弁20と接続される戻り配管22cが合流する合流部23を有し、その合流部23と燃料タンク15とを戻り配管22dにより接続したものとされている。
ディーゼルエンジンにおいては、燃料として軽油が使用される。このため、燃料タンク15には、軽油が給油される。燃料噴射システム10は、エンジンが起動されると、フィードポンプ16が、燃料タンク15内の燃料を、燃料供給低圧配管17内を負圧にして吸引し、例えば、0.1〜1MPaといったわずかに正圧になるように圧縮し、燃料フィルタ18へ送る。
ここでは、例示のために0.1〜1MPaとしたが、正圧であって、燃料フィルタ18を介してサプライポンプ11へ燃料を供給することができれば、これ以外の圧力であってもよい。なお、正圧にして供給するのは、外部からのエアーの混入を防止するためである。また、正圧をかけることにより、燃料フィルタ18に燃料を押し込む形で燃料を流し、目詰まりする限界を上げ、燃料をより多く流すことができるようにするためである。
燃料供給低圧配管17は、負圧とされるが、エアーの混入を出来るだけ防止するべく、最小限の長さとされる。また、この燃料供給低圧配管17の途中に燃料フィルタ18を設けていないのは、負圧ラインの抵抗を少なくするためである。
燃料中には、鉄系化合物、有機酸およびその塩、ゴミ等の不純物が含まれており、燃料フィルタ18は、これらの捕捉可能な大きさの不純物を捕捉し、燃料中から分離除去する。燃料フィルタ18としては、不純物を捕捉する面積を大きくするために、これに限られるものではないが、例えば、セルロース樹脂からなる濾紙を蛇腹状に菊折した菊折タイプのものを採用することができる。燃料フィルタ18としては、例えば5μmの粒子を95%以上の捕捉効率で捕捉することができるものを用いることができる。
不純物が分離除去された燃料は、サプライポンプ11へ送られ、サプライポンプ11が、例えば200MPaまで圧縮して燃料供給高圧配管14へ吐出し、コモンレール12内へ供給する。コモンレール12内へ供給された高圧の燃料は、インジェクタ13から噴射されるまで蓄積される。
圧力センサ19は、コモンレール12内の圧力を検出し、一点鎖線で示した信号線を通して、検出した圧力を信号としてコントロールユニット21へ与える。コントロールユニット21は、受け取った信号を基にサプライポンプ11に信号を与えて指示し、燃料吐出量を制御する。インジェクタ13は、コモンレール12内の燃料を霧状に噴射させるが、コントロールユニット21による制御により図示しないニードル弁が開閉し、噴射圧、噴射量、噴射時間が制御される。インジェクタ13から噴射された霧状の燃料は、圧縮されて高温となった空気と混合され、自然発火する。
サプライポンプ11は、コントロールユニット21により燃料吐出量が制御されるが、その制御は、例えば、サプライポンプ11の吐出側に設けられる図示しない電磁弁により行うことができる。通常、サプライポンプ11の燃料吐出量は、複数のインジェクタ13から噴射される噴射量より充分に大きいものとされる。このため、電磁弁により制御された余剰燃料は、戻り配管22a、合流点23、戻り配管22dを介して燃料タンク15へ戻される。
コモンレール12内の圧力が所定値以上になった場合、圧力制御弁20が開き、コモンレール12内の燃料が、戻り配管22c、合流点23、戻り配管22dを介して燃料タンク15へ戻される。また、インジェクタ13と図示しないニードル弁との間からリークした燃料は、戻り配管22b、合流点23、戻り配管22dを介して燃料タンク15へ戻される。
図1では、戻り配管22a〜22dが1つの合流点23で合流しているが、これに限られるものではなく、戻り配管22の2つが合流した後、残りの戻り配管22と合流するような配管構成であってもよい。
これらの戻された余剰燃料は、再びフィードポンプ16により吸引され、サプライポンプ11によりコモンレール12へ送られる。そのため、燃料は、インジェクタ13から噴射されない限り、循環することになる。
燃料噴射システム10は、燃料の給油時に燃料タンク15内へエアーが流入する。また、各配管と各機器との接続部分等からも、エアーが流入する場合がある。このため、コモンレール12へ供給する燃料中にエアーが混入することがある。すると、サプライポンプ11により燃料が高圧化され、高温になると、混入したエアーも高温となり、その影響によりデポジットが発生する。このデポジットの一部は、燃料とともに噴射されるが、多くは戻り配管22を介して燃料タンク15内に戻され、燃料タンク15内に蓄積されていく。
本発明では、この戻り配管22に第2フィルタとしてのデポジット捕捉フィルタ24を設け、燃料タンク15へ戻される余剰燃料中のデポジットを捕捉し、余剰燃料中から分離除去する。なお、余剰燃料中には、デポジットのほか、金属摩耗粉、外部から混入した砂埃や鉱物等も含まれており、これらの一部も、デポジットとともにデポジット捕捉フィルタ24により分離除去される。
このデポジット捕捉フィルタ24は、出来るだけサプライポンプ11、コモンレール12、インジェクタ13に近いほうが好ましいことから、各戻り配管22a〜22cのそれぞれに設けることができる。それは、燃料の温度が高く、デポジットが、粘性が高い状態で存在することから、デポジット捕捉フィルタ24で捕捉しやすいためである。
しかしながら、3箇所に別個にフィルタを設けるのは、コストもかかり、メンテナンスも面倒になることから、合流部23を、サプライポンプ11、コモンレール12、インジェクタ13のいずれからも最も近くなる位置に設け、その合流部23の直後に設けることが望ましい。なお、図1では、合流部23の直後にデポジット捕捉フィルタ24が設けられている。ちなみに、合流部23の直後の燃料温度は、100℃以上であり、燃料タンク15へ入る直前の燃料温度は、80℃以下である。
デポジット捕捉フィルタ24としては、不純物を捕捉する面積を大きくするために、燃料フィルタ18と同様、菊折タイプのものを採用することができるが、これに限定されるものではなく、ロールオンタイプのものを採用することもできる。デポジット捕捉フィルタ24は、粘性が高い状態のデポジットを捕捉することから、燃料フィルタ18ほど孔径が小さく、捕捉効率が高いものでなくてもよく、例えば5μmの粒子を70〜90%の捕捉効率で捕捉することができるものを用いることができる。
また、デポジット捕捉フィルタ24は、粘性が高い状態のデポジットを捕捉することから、交換時期より早い時期に、目詰まりした状態になる可能性がある。これは、燃料の温度が高いことから生じる現象であり、デポジット捕捉フィルタ24内の燃料の温度を下げ、目詰まりした状態を解消させるべく、デポジット捕捉フィルタ24を迂回して燃料タンク15へ燃料を戻すバイパス配管を設けることができる。この場合、デポジットが燃料タンク15内へ入ることになるが、このデポジットは、再び燃料が供給される際、燃料フィルタ18によって分離除去することができる。
ここで、従来の燃料フィルタ18(菊折タイプで5μmの粒子を95%の除去効率で除去するフィルタ)のみを備えるシステムを搭載した、いすゞ自動車株式会社製のエルフ(登録商標)という1.5tonトラックを使用した試験結果を、図2に示す。
図2(a)は、5.6万km走行した後の燃料フィルタ18で捕捉した不純物の粒度分布を示した図である。図2(a)における棒グラフの横軸は、不純物の粒径(μm)を示し、縦軸は、各粒径範囲の粒子が出現した頻度(%)を示す。不純物は、約2〜約450μmの範囲で分布しており、広い範囲の粒子を捕捉していることがわかる。
図2(b)は、燃料フィルタ18で捕捉された不純物の内訳を示した円グラフである。不純物の多くが、上記の有機酸およびその塩等の有機物であった。それに続いて、カーボンが存在し、カーボンより少ない残りの数パーセントが金属摩耗粉や鉱物、砂埃等の無機物であった。
次に、本発明の燃料噴射システムを搭載した、同じ小型トラックを使用した試験結果を、図3および図4に示す。図3は、1.8万km走行した後の燃料フィルタ18の結果を示し、図4は、同じく1.8万km走行した後のデポジット捕捉フィルタ24の結果を示す。なお、燃料フィルタ18には、従来のシステムと同様のものを用い、デポジット捕捉フィルタ24には、ロールオンタイプで5μmの粒子を72%の除去効率で除去するフィルタを用いた。
図3(a)は、燃料フィルタ18で捕捉された不純物の粒度分布を示した図である。燃料フィルタ18は、約0.3〜約95μmの粒径をもつ粒子を捕捉した。図3(b)は、燃料フィルタ18で捕捉された不純物の内訳を示した円グラフである。内訳は、従来のシステムと大きく変わらないものであった。
図4(a)は、デポジット捕捉フィルタ24で捕捉された不純物の粒度分布を示した図である。デポジット捕捉フィルタ24は、約7.5〜約650μmの粒径をもつ、燃料フィルタ18で捕捉された粒子より粒径が大きい粒子を捕捉した。図4(b)は、デポジット捕捉フィルタ24で捕捉された不純物の内訳を示した円グラフである。その内訳は、その半数以上の最も多い成分がカーボンで、それに続いて有機物が存在し、残りの数パーセントが無機物であった。
図2を参照すると、捕捉される不純物の大部分は、燃料噴射システム10内で生成されたデポジットであることがわかる。また、不純物の約半分近くは、約90μm以上の粒径をもつ粒子であることがわかる。図3を参照すると、燃料フィルタ18では、約95μm以上の粒径をもつ粒子を捕捉していない。このため、それ以上の粒径をもつ粒子は、デポジット捕捉フィルタ24で捕捉されたものと推定される。このことから、不純物の約半数近くは、デポジット捕捉フィルタ24で捕捉されるものと考えられる。
したがって、デポジット捕捉フィルタ24を戻り配管22の途中に設け、そのデポジット捕捉フィルタ24を介して燃料タンク15へ戻すようにすることで、燃料タンク15内の不純物を充分に分離除去することができ、燃料フィルタ18で捕捉すべき不純物量を充分に減少させることができる。
これにより、燃料フィルタ18の孔径を小さくして捕捉効率を上げなくても、燃料噴射システム10における捕捉効率を上げることが可能となる。また、燃料フィルタ18の交換インターバルを長くし、その交換頻度を減少させることも可能となる。さらに、孔径を小さくしなくてもよいため、燃料フィルタ18が目詰まりしにくくなり、エンジンストールが発生する可能性を最小限に留めることができる。また、燃料フィルタ18の入出の圧力差が拡大しにくいため、エアーが混入しにくくなり、デポジットの発生が加速するのを抑制することができる。
また、デポジット捕捉フィルタ24は、燃料供給低圧配管17、フィードポンプ16と燃料フィルタ18との間、燃料フィルタ18とサプライポンプ11との間に設置されないので、燃料供給側の圧力損失は増加しない。このため、フィードポンプ16やサプライポンプ11の能力を上げる必要はない。
燃料フィルタ18とデポジット捕捉フィルタ24とは、同じものを採用してもよいが、燃料フィルタ18より捕捉効率が低く、孔径が大きいデポジット捕捉フィルタ24を用いることで、図3および図4に示すように、比較的粒径が小さい無機物は燃料フィルタ18、粒径が大きいカーボンはデポジット捕捉フィルタ24といったように、それぞれが分担して捕捉することが見出された。
なお、燃料フィルタ18で捕捉した粒子の粒径範囲と、デポジット捕捉フィルタ24で捕捉した粒子の粒径範囲とが重複する部分、約7.5〜約95μmが存在するが、これは、粘性が高い状態のデポジット中に粒径が小さいものも含まれ、一緒に捕捉されたものと推定される。
従来の燃料フィルタ18のみの場合と異なり、分担して捕捉することから、より小さな粒子(例えば、約0.3μmの粒子)や、より大きな粒子(例えば、約650μmの粒子)も捕捉することができ、システム全体の捕捉効率を上げることができる。
また、デポジット捕捉フィルタ24を、燃料フィルタ18より捕捉効率が低いものとすることにより、システムコストを下げることができ、経済的である。
本発明は、上記の燃料噴射システム10のほか、その燃料噴射システム10を用いて行う不純物の除去方法も提供することができる。この方法における処理の流れを、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ500からエンジンを起動させることにより処理を開始し、ステップ510で、フィードポンプ16が燃料タンク15内の燃料を吸引し、燃料フィルタ18へ供給する。ステップ520では、燃料フィルタ18で燃料中の不純物を捕捉し、分離除去する。ステップ530では、サプライポンプ11で燃料を所定圧力まで圧縮し、コモンレール12へ燃料供給高圧配管14を介して供給する。
ステップ540では、必要量の燃料をインジェクタ13から噴射させ、余剰燃料をサプライポンプ11、コモンレール12、インジェクタ13から戻り配管22内へ流入させる。ステップ550では、その戻り配管22の途中にあるデポジット捕捉フィルタ24で余剰燃料中の不純物を捕捉し、分離除去する。ステップ560で、余剰燃料を燃料タンク15内へ戻し、ステップ570で、エンジンが停止したかを判断する。停止していない場合は、ステップ510へ戻り、再び燃料が吸引される。これに対し、停止した場合は、ステップ580へ進み、この処理を終了する。
燃料フィルタ18を2段にしたり、燃料フィルタ18の捕捉効率を上げると、燃料供給側の圧力損失が上昇し、交換インターバルの低下、エンジンストールの発生、エアーの混入によるデポジット発生の加速、ポンプ能力の上昇といった問題が生じるが、戻り配管22に別途フィルタを設けることで、充分に不純物を除去することができ、これらの問題を解決することができる。
これまで本発明の燃料噴射システムおよび不純物の除去方法について詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…燃料噴射システム、11…サプライポンプ、12…コモンレール、13…インジェクタ、14…燃料供給高圧配管、15…燃料タンク、16…フィードポンプ、17…燃料供給低圧配管、18…燃料フィルタ、19…圧力センサ、20…圧力制御弁、21…コントロールユニット、22、22a〜22d…戻り配管、23…合流部、24…デポジット捕捉フィルタ

Claims (5)

  1. 燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料中の不純物を分離除去する第1フィルタと、前記燃料を噴射させる複数の噴射ノズルと、前記燃料タンクから前記複数の噴射ノズルへ前記第1フィルタを介して前記燃料を供給する燃料供給手段と、前記燃料供給手段および前記複数の噴射ノズルからの余剰燃料を前記燃料タンクへ戻すための戻り配管とを備える燃料噴射システムであって、
    前記戻り配管の途中に設けられ、前記余剰燃料中に含まれる不純物を分離除去する第2フィルタをさらに備える、燃料噴射システム。
  2. 前記第2フィルタは、一定の粒径をもつ粒子を捕捉する捕捉効率が前記第1フィルタより低いことを特徴とする、請求項1に記載の燃料噴射システム。
  3. 前記第1フィルタの前記捕捉効率は、粒径5μmの粒子に対して95%以上であり、前記第2フィルタの前記捕捉効率は、粒径5μmの粒子に対して70〜90%であることを特徴とする、請求項2に記載の燃料噴射システム。
  4. 前記第2フィルタを迂回するバイパス配管をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料噴射システム。
  5. 燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料を噴射させる複数の噴射ノズルと、前記燃料タンクから前記複数の噴射ノズルへ前記燃料を供給する燃料供給手段と、前記燃料供給手段および前記複数の噴射ノズルからの余剰燃料を前記燃料タンクへ戻すための戻り配管とを備える燃料噴射システムにより実施される前記不純物の除去方法であって、
    前記燃料タンクから前記噴射ノズルへ供給される前記燃料中に含まれる不純物を、第1フィルタにより分離除去する段階と、
    前記戻り配管の途中に設けられる第2フィルタにより、前記余剰燃料中に含まれる不純物を分離除去する段階を含む、不純物の除去方法。
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