JPH08277414A - 溶鋼の真空精錬装置および方法 - Google Patents

溶鋼の真空精錬装置および方法

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JPH08277414A
JPH08277414A JP8132695A JP8132695A JPH08277414A JP H08277414 A JPH08277414 A JP H08277414A JP 8132695 A JP8132695 A JP 8132695A JP 8132695 A JP8132695 A JP 8132695A JP H08277414 A JPH08277414 A JP H08277414A
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magnetic field
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moving magnetic
ladle
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JP8132695A
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Yoshihiko Higuchi
善彦 樋口
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溶鋼の真空精錬装置と方法の提供。 【構成】(1) 取鍋と、1本足筒状浸漬管と、この浸漬管
側面外周部の一部に移動磁場発生装置とを備えた溶鋼の
真空精錬装置であって、移動磁場発生装置は周波数 0.5
〜4Hz の移動磁場を発生させるものである精錬装置。 (2)上記(1) の装置を用いて取鍋内溶鋼に1本足筒状浸
漬管を浸漬し、管内を真空排気して溶鋼を管内に吸い上
げ、管側面外周部の一部の外側に備えた移動磁場発生装
置から管内溶鋼に鉛直方向の上向き又は下向きに周波数
0.5〜4Hz の移動磁場を印加する方法。 【効果】脱硫、脱ガス速度を高め、溶鋼中の硫黄とガス
成分濃度を低減し、高清浄鋼を安価に溶製することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶鋼の成分調整、脱ガ
ス、脱硫および清浄化などを行うための真空精錬装置お
よび精錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の真空精錬を行う装置や方法には、
下述のような種々のものが開示されており、それぞれ特
に溶鋼の攪拌や混合方法に特徴を有している。
【0003】特公昭59-20726号公報に示される真空脱ガ
ス方法は、取鍋内溶鋼の一部を少なくとも1本の溶鋼通
過管を経て取鍋より高位置に配置された真空容器に吸い
上げ、この容器内で脱ガス処理した後、少なくとも1本
の通過管を経て取鍋容器内に流し戻す溶鋼の真空脱ガス
方法において、溶鋼を下降させる通過管の外周側にリニ
アモータを配置し、このリニアモータを50〜60サイクル
(ヘルツ)の周波数で作動させることによって真空容器
から取鍋へ流下する溶鋼に熱を付与しつつ、この下降流
を加速することにより取鍋内での溶鋼の撹拌を促進する
ことを特徴とするものである。
【0004】特公昭59-20727号公報に示される溶鋼の成
分調整方法は、取鍋内溶鋼の一部を少なくとも1本の溶
鋼通過管を経て取鍋より高位置に配置された真空容器に
吸い上げ、この容器内で合金成分を配合した後、少なく
とも1本の通過管を経て取鍋容器内に流し戻す溶鋼の成
分調整法において、前記のリニアモータ配置と周波数条
件で溶鋼を加熱しつつ前記混合容器内に所定量以上吸い
上げで保持し、これに合金成分を添加して溶鋼中に混合
させた後、混合物を前記通過管を経て取鍋に流し戻すこ
とを特徴とするものである。
【0005】特開昭62-287011 号公報に示される精錬方
法は、取鍋内溶融金属をそのまま減圧下に保持するか、
減圧下の容器へ移送する途中もしくは容器内への移送後
に、それぞれの位置で回転磁界発生装置を介して水平方
向に回転流動させるとともに、その流動する溶融金属中
に精錬剤を供給することを特徴とするもの、および溶融
金属に水平方向の回転力を付与する位置が、真空槽内あ
るいは真空槽へ通じる浸漬管であることを特徴とする上
記精錬方法である。
【0006】特開昭63-140029 号公報に示される脱ガス
処理方法は、精錬容器内の溶融金属浴中に耐火物製容器
の一端を浸漬して、この容器内を加圧、減圧し、溶融金
属を容器内に吸い込んだりあるいは吐き出すことにより
脱ガス処理を行うに際し、吸い込んだ溶融金属に水平回
転流動を生じさせるとともに、ガスを吹き込むことを特
徴とするものである。
【0007】本発明者らは、特開平1−92314 号公報に
おいて、取鍋内溶鋼中に筒状浸漬管を浸漬して溶鋼裸面
を確保し、この管内を排気して真空にした状態でランス
または底部羽口より不活性ガスを吹き込む取鍋精錬方法
を開示した。さらに特開平4−88113 号公報において、
真空排気槽の下部に取り付けた1本または複数本の浸漬
管を容器内の溶鋼に浸漬し、上記槽内を真空排気して槽
内に吸い上げた溶鋼に外部から移動磁界を印加する溶鋼
の精錬方法を開示した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来方法には、
次のような問題点がある。
【0009】特公昭59-20727号公報および特公昭59-207
26号公報の方法では、細い溶鋼通過管にリニアモータを
配置したため効率が悪い。加熱を考慮して50〜60サイク
ルと高い周波数を選択しているが、溶鋼の撹拌(移動)
には周波数が高すぎて、撹拌効率が高くない。
【0010】特開昭62-287011 号公報の方法では、RH
真空槽内に水平方向の回転磁界をかけると環流速度が低
下し、各種精錬の反応速度が低下する。特開昭63-14002
9 号公報の方法では加圧減圧するため、真空槽内での溶
鋼脱ガス可能時間は処理時間の半分となり非効率であ
る。このため、処理時間が長くなる。これらは、いずれ
も水平方向の回転磁界を与える方法であるため、浴内の
上下方向の撹拌への寄与が小さく、均一混合時間がさほ
ど改善されない。
【0011】特開平1−92314 号公報の方法では、吹込
み気泡によるスプラッシュのため浸漬管内地金付きが発
生して定期的な地金切り作業が必要となり、操業率向上
が阻害される。また、気泡が溶鋼自由表面で破裂するエ
ネルギーによりスラグを溶鋼中に巻き込み、スラグ系介
在物が低減できない。
【0012】特開平4−88113 号公報の方法では、移動
磁場としては水平方向の回転磁界を想定しており、前記
特開昭62-287011 号公報の方法と同様の問題がある。
【0013】本発明の目的は、溶鋼の真空精錬において
浸漬管内地付きを抑制しつつ、移動磁場による溶鋼攪拌
を適正化することにより、溶鋼の成分調整、脱ガス、脱
硫および清浄化を効率的に行うことができる真空精錬装
置およびこれを用いる方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の
(1) の溶鋼の真空精錬装置と(2) のこれを用いる方法に
ある。
【0015】(1)溶鋼取鍋と、1本足筒状浸漬管と、こ
の浸漬管側面外周部の一部に移動磁場発生装置とを備え
た溶鋼の真空精錬装置であって、移動磁場発生装置は周
波数 0.5〜4ヘルツの移動磁場を発生させるものである
ことを特徴とする溶鋼の真空精錬装置。
【0016】(2)上記(1) の装置を用いて行う溶鋼の真
空精錬方法であって、取鍋内溶鋼に1本足筒状浸漬管を
浸漬し、浸漬管内を真空排気して取鍋内溶鋼を浸漬管内
に吸い上げ、浸漬管側面外周部の一部の外側に備えた移
動磁場発生装置から浸漬管内溶鋼に対して鉛直方向の上
向きまたは下向きに周波数 0.5〜4ヘルツの移動磁場を
印加することを特徴とする溶鋼の真空精錬方法。
【0017】
【作用】図1に基づいて本発明装置の構成例を説明す
る。図1は、本発明装置の構成例を示す縦断面図であ
る。
【0018】図1の場合、本発明装置は少なくとも、溶
鋼6を収容する取鍋1、1本足筒状浸漬管2、移動磁場
発生装置3とこれにケーブル4を介して通電するための
低周波電源装置5を備えている。取鍋1は油圧シリンダ
ー方式取鍋昇降装置7に乗せられている。1本足筒状浸
漬管2には合金剤など原材料投入シュート8および真空
排気孔9が設けられている。さらに、溶鋼サンプラー兼
測温装置10が図示するように取付けられる。Dは浸漬管
内径、Do は、定常処理状態において取鍋内の溶鋼6が
大気と接している部分での取鍋1の内径である。
【0019】移動磁場発生装置3は、浸漬管2の外周部
の一部に設ける。高さ方向位置では浸漬管2の下部、す
なわち浸漬管2内に溶鋼6を吸い上げた状態で浸漬管2
外の溶鋼表面から浸漬管2内の溶鋼表面までの範囲、水
平方向では浸漬管2の外周部の一部である。この水平方
向の外周部の一部の望ましい範囲は、浸漬管2の全周の
うち浸漬管2の中心角Θで90〜 225°である。
【0020】図2は、図1の線A−A部の水平断面の例
を示す図である。図2(a) は一箇所で折れ曲がって2点
で、図2(b) は二箇所で折れ曲がって3点で、図2(c)
は円弧状で、それぞれ浸漬管2の外周部の一部に接して
備えられる移動磁場発生装置3である。浸漬管2の中心
角Θが90〜 225°の範囲であれば、移動磁場発生装置3
の水平断面形状は図2に示すようなさまざまな形のもの
とすることができる。
【0021】しかし、中心角Θが大きくなるほど、図2
(b) および図2(c) に示すように接触点を増加させるの
が望ましい。以下、角度Θを移動磁場印加角度という。
【0022】移動磁場の発生は次のような方法で行う。
低周波電源装置5としては低周波発振器などを用い、好
適な周波数範囲は 0.5〜4ヘルツである。移動磁場発生
装置3としてはリニアモータなどを用いる。
【0023】本発明方法は、上記装置を用いて取鍋1内
の溶鋼6に1本足筒状浸漬管2を浸漬し、浸漬管2内を
真空排気して溶鋼6を浸漬管2内に吸い上げ、移動磁場
発生装置3から浸漬管2内の溶鋼6に対して、鉛直方向
の上向きまたは下向きに周波数 0.5〜4ヘルツの移動磁
場を印加し、溶鋼の攪拌や混合を促進させるものであ
る。
【0024】以下に、本発明条件の限定理由と望ましい
条件について説明する。
【0025】〔1〕移動磁場印加角度Θ 本発明においては前述のように、浸漬管の外周部の一
部、すなわち前記の浸漬管下部の全周のうち、浸漬管の
中心角Θ(移動磁場印加角度)で90〜 225°の範囲に移
動磁場を印加する。
【0026】浸漬管外部の全周に移動磁場を印加して
も、取鍋内溶鋼の均一混合時間は改善されない。移動磁
場印加角度Θが90°未満の場合、浸漬管内の溶鋼を電磁
気力により強制的に移動させる領域が狭くなり、移動磁
場印加以外の領域の溶鋼流動が十分に確保されない。一
方、 225°をこえると、移動磁場印加により生じた溶鋼
流は浸漬管の対面の移動磁場を印加しない側で逆向きの
溶鋼流となり、移動磁場の推進力と干渉してしまう。
【0027】例えば、上向きの移動磁場を印加した場
合、図3に示すように電磁気力によって誘起された溶鋼
上昇流Aは、浸漬管内の自由表面近傍で水平流Bへ変化
し、対面の上昇流Aと反対側の移動磁場を印加しない領
域の浸漬管内壁で下降流Cへと変化する。印加角度Θが
225°をこえると、この下降流Bが上向きの移動磁場と
干渉してしまうために混合特性が低下してしまう。
【0028】図4は、周波数 0.5〜4ヘルツで上向きの
移動磁場を印加した場合の、均一混合時間指数に及ぼす
移動磁場引加角度Θの影響を示す図である。この指数は
従来のRH法の場合を1.0 としたものである。図示する
ように均一混合時間指数 1.0以下を達成することができ
る移動磁場印加角度Θの範囲は90〜 225°である。
【0029】〔2〕移動磁場の印加方向 鉛直方向に移動磁場を印加するのは、水平方向の回転磁
場では処理溶鋼の上下方向の撹拌ができないからであ
る。溶鋼の混合特性を向上させる上下方向の溶鋼撹拌に
は、鉛直方向の移動磁場印加が必要となる。
【0030】鉛直上向きの移動磁場印加の場合は、浸漬
管内で溶鋼の上昇流が生じ、浸漬管内溶鋼の混合特性が
よくなる。この結果、溶鋼中介在物が溶鋼の上昇流に乗
って上方へ移動し、浸漬管内溶鋼上のスラグへ介在物が
補足されやすくなる。したがって、介在物の低減が可
能、すなわち鋼の清浄化に有利となる。さらに、溶鋼の
上昇流とスラグとが浸漬管内溶鋼の表面上でぶつかり、
スラグの滓化が促進される。したがって、脱硫や脱りん
などのスラグ−メタル間反応速度が増大する。
【0031】鉛直下向きの移動磁場印加の場合は、浸漬
管内で溶鋼の下降流が生じ、取鍋内溶鋼の混合特性がよ
くなる。溶鋼の下降流内では介在物の凝集による粗大化
が促進される。ストークス則によれば、介在物はその大
きさの2乗に比例して浮上速度が大きくなる。したがっ
て、粗大化した介在物はストークス浮上により浮上分離
されやすくなるとともに、スラグの巻き込み、懸濁が少
なくなるため、スラグ系の介在物が減少する。
【0032】〔3〕移動磁場の周波数 移動磁場の周波数の範囲は 0.5〜4ヘルツとする。周波
数が低いほど磁場の浸透深さは深くなり、溶鋼撹拌に有
利となる。しかし、0.5 ヘルツ未満に低くなると移動磁
場の移動速度が遅くなり、電磁気力に誘起された溶鋼流
動の流速も遅くなる。この結果、溶鋼の循環速度が小さ
くなるため均一混合時間が長くなる。
【0033】一方、周波数が高いほど磁場の浸透深さは
浅くなり撹拌に不利となる。特に周波数が4ヘルツをこ
えると、磁場の作用する領域は浸漬管内壁近傍の溶鋼の
みとなり、全体の溶鋼循環速度を大きくすることができ
ない。
【0034】図5は、移動磁場印加角度Θが90〜 225°
の範囲で上向きの移動磁場を印加した場合の均一混合時
間指数に及ぼす移動磁場周波数の影響を示す図である。
図示するように、周波数が 0.5〜4ヘルツの範囲で均一
混合時間指数1.0 以下が達成できることがわかる。
【0035】〔4〕その他の望ましい条件 浸漬管の大きさ 浸漬管内径Dと取鍋内径Do との比D/Do の範囲は
0.5〜0.8 とするのが望ましい。0.5 未満では溶鋼の循
環が十分でなく、よどみ部の形成が抑制しきれない。一
方、0.8 をこえると、取鍋あるいは浸漬管に付着したス
ラグや地金により浸漬管が取鍋内に浸漬できないという
現象が頻発する。このような付着物を頻繁に取り除くと
その作業費が無視できなくなり、また除去作業により取
鍋あるいは浸漬管耐火物の損傷も無視できなくなる。
【0036】真空度 脱ガス処理を主に行う場合の浸漬管内圧力は5Torr以
下、さらに望ましくは1Torr以下である。圧力の低下に
より平衡濃度が低下し、脱ガス反応が進行しやすくなる
からである。
【0037】
【実施例】比較例として、250 トン取鍋(内径4m)、1
本足筒状浸漬管(内径2.5m) 、その外周に水平回転磁場
発生装置(浸漬管外周部の全周に浸漬管下端を基準とし
て高さ500 mmから1500mmの範囲に設置)および浸漬管内
側羽口(浸漬管下端から200 mm上方、浸漬管内側の半円
周上に羽口数12本、羽口内径6mm)を備えた真空精錬装
置を用いて、下記 (A)〜(C) の条件で溶鋼の精錬を行っ
た。
【0038】(A)水平回転磁場を印加せず、浸漬管内側
羽口からArガスを2Nm3/minで吹き込み。
【0039】(B)浸漬管外周に水平回転磁場印加(周波
数1.0 ヘルツ) のみ。
【0040】(C)浸漬管外周に水平回転磁場印加(周波
数1.0 ヘルツ) を行うとともに、浸漬管内側羽口からAr
ガスを2Nm3/minで吹き込み。
【0041】本発明例として、250 トン取鍋(内径4
m)、1本足筒状浸漬管(内径2.5m) の図1に示す構成の
装置を用いて、下記 (D)〜(E) の条件で溶鋼の精錬を行
った。
【0042】(D)浸漬管外半周に上向き移動磁場印加
(移動磁場印加角度Θ= 180°、周波数1.0 ヘルツ、ガ
ス攪拌なし) 。
【0043】(E)浸漬管外半周に下向き移動磁場印加
(移動磁場印加角度Θ= 180°、周波数1.0 ヘルツ、ガ
ス攪拌なし) 。
【0044】(試験1)上記の (A)〜(E) の各条件での
均一混合時間を測定した。
【0045】各条件で磁場印加および/またはArガスの
吹き込み開始3分後に浸漬管内上部からCu粒(粒径10mm
以下)を2kg/T添加し、添加後の溶鋼をサンプラーで2
分間隔で採取した。最終的に安定した溶鋼中Cu濃度を1.
0 とし、Cu濃度が0.95から1.05の範囲に入るまでの時間
を均一混合時間(分)とした。表1に得られた均一混合
時間の測定結果を示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1から、本発明装置とこれを用いる方法
では、比較例に較べて均一混合時間の短縮が可能である
ことがわかる。
【0048】(試験2)表2に示す組成の溶鋼に対し
て、浸漬管内圧力を5Torrとして前記 (A)〜(E)の各条
件で脱水素処理を行い、脱水素速度(1/min) を比較し
た。表3にその結果を示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】なお、脱水素速度は下記式で求めた。
【0052】 脱水素速度=ln(〔H〕i /〔H〕f )/T ただし、〔H〕i :処理初期溶鋼中水素濃度( ppm ) 〔H〕f :処理後溶鋼中水素濃度( ppm ) T:処理時間( min ) 表3から、本発明方法では脱水素速度の改善効果が著し
いことがわかる。
【0053】(試験3)表4に示す組成の溶鋼に対し
て、浸漬管内力を100 Torr以下として、前記 (A)〜(E)
の各条件で脱硫速度(1/min) および到達硫黄濃度を比較
した。表5にその結果を示す。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】なお、脱硫速度は下記式で求めた。
【0057】脱硫速度=ln(〔S〕i /〔S〕f )/T ただし、〔S〕i :処理初期溶鋼中硫黄濃度( ppm ) 〔S〕f :処理後溶鋼中硫黄濃度( ppm ) T:処理時間( min ) 表5から、本発明方法〔条件(D) 、(E) 〕での脱硫速度
および到達硫黄濃度の改善効果が著しいことがわかる。
【0058】(試験4)表6に示す組成の溶鋼に対し
て、浸漬管内圧力を100 Torr以下として、前記 (A)〜
(E) の各条件で脱介在物処理を行い、その後連続鋳造機
にて鋳造を行った。
【0059】鋳造スラブから冷延鋼板を製造し、その表
面の欠陥発生率を調査した。欠陥発生は表7に示す条件
(A) の場合の欠陥発生率を1.0 とする指数で評価した。
表7にその結果を示す。
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】表7に示すように、本発明方法〔条件(D)
、(E) 〕では欠陥改善効果が著しいことがわかる。
【0063】(試験5)表2に示す組成の溶鋼に対し
て、浸漬管内圧力を5Torrとして前記 (A)〜(E)の各条
件で、約50ヒート連続使用時の浸漬管内地金付き量を測
定した。地金切り時に浸漬管下部に地金受け皿を置き、
地金切り作業時に落下した地金量を秤量し、地金付き指
数を算出した。基準は条件(A) の場合を1.0 とした。
【0064】
【表8】
【0065】表8に示すように、本発明方法では浸漬管
内地金付き量の低減効果が著しいことがわかる。
【0066】
【発明の効果】本発明装置と方法によれば、溶鋼の脱
硫、脱ガス速度を飛躍的に高め、溶鋼中の硫黄濃度とガ
ス成分の濃度を著しく低減し、高清浄鋼を安価に溶製す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の構成例を示す縦断面図である。
【図2】図1の線A−A部の水平断面の例を示す図であ
る。
【図3】上向きの移動磁場を印加した場合の溶鋼流を説
明する縦断面図である。
【図4】周波数 0.5〜4ヘルツで上向きの移動磁場を印
加した場合の均一混合時間指数に及ぼす移動磁場印加角
度Θの影響を示す図である。
【図5】移動磁場印加角度90〜 225°で上向きの移動磁
場を印加した場合の均一混合時間指数に及ぼす移動磁場
周波数の影響を示す図である。
【符号の説明】
1:取鍋、 2:1本足筒状浸漬管 3:移動磁
場発生装置、4:ケーブル、 5:低周波電源装置、
6:溶鋼、7:油圧シリンダー方式取鍋昇降装置、
8:原材料投入シュート、9:真空排気孔、 10:溶
鋼サンプラー兼測温装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶鋼取鍋と、1本足筒状浸漬管と、この浸
    漬管側面外周部の一部に移動磁場発生装置とを備えた溶
    鋼の真空精錬装置であって、移動磁場発生装置は周波数
    0.5〜4ヘルツの移動磁場を発生させるものであること
    を特徴とする溶鋼の真空精錬装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の装置を用いて行う溶鋼の
    真空精錬方法であって、取鍋内溶鋼に1本足筒状浸漬管
    を浸漬し、浸漬管内を真空排気して取鍋内溶鋼を浸漬管
    内に吸い上げ、浸漬管側面外周部の一部の外側に備えた
    移動磁場発生装置から浸漬管内溶鋼に対して鉛直方向の
    上向きまたは下向きに周波数 0.5〜4ヘルツの移動磁場
    を印加することを特徴とする溶鋼の真空精錬方法。
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