JPH08277266A - スピロ三環式芳香族スクシンイミド誘導体、並びにヒト及び動物の糖尿病合併症治療剤 - Google Patents

スピロ三環式芳香族スクシンイミド誘導体、並びにヒト及び動物の糖尿病合併症治療剤

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JPH08277266A
JPH08277266A JP30041895A JP30041895A JPH08277266A JP H08277266 A JPH08277266 A JP H08277266A JP 30041895 A JP30041895 A JP 30041895A JP 30041895 A JP30041895 A JP 30041895A JP H08277266 A JPH08277266 A JP H08277266A
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JP30041895A
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English (en)
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M York Billy Jr
エム・ヨーク、ジュニア ビリー
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Alcon Laboratories Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】酵素アルドースリダクテースの抑制剤として作
用し、糖尿病合併症の治療に有効な新規化合物を提供す
る。 【解決手段】式〔10〕の化合物、式〔19〕の化合物
等で代表される5員環2級アミドがスピロ結合した3環
式フルオレン又はその類似構造を有する誘導体ならびに
当該化合物を含有する糖尿病合併症の治療並びに予防の
ための薬剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なスピロ三環式
芳香族スクシンイミド誘導体及びスピロ三環式芳香族−
チアゾリジンジオン、−イミダゾリジンジオン、−オキ
サゾリジンジオン誘導体などのスピロヘテロ環式同族体
に関する。より詳細には、本発明は糖尿病性白内障、神
経組織の損傷及び血管変化を予防するために有効なスピ
ロ三環式芳香族スクシンイミド誘導体及びスピロヘテロ
環式同族体に関する。
【0002】
【従来の技術】米国特許第3821383号公報に記載
されているように、1,3−ジオキソ−1H−ベンズ
〔d,e〕−イソキノリン−2−(3H)−酢酸及びそ
の誘導体などのアルド−スリダクテース抑制剤はアルド
−スリダクテースの抑制剤及び糖尿病合併症の緩和剤と
して有効である。米国特許第4130714号公報及び
同第4209630号公報に記載されているスピロ−
〔クロマン−4,4′−イミダゾリジン〕−2′,5′
−ジオン及びスピロ−〔イミダゾリジン−4,4′−チ
オクロマン〕−2,5−ジオン並びにこれらの誘導体も
またこの点で有効である。米国特許第4181728号
公報に記載されているある種のスピロ多環式イミダゾリ
ジンジオン誘導体はアルドースリダクテース及びポリオ
ール蓄積に対して抑制活性を示すことが証明されてい
る。米国特許第4117230号公報にはスピロ−クロ
マンイミダゾリジンジオンの6−フルオロ誘導体及び
6,8−ジクロロ誘導体を含む一連のスピロ−ヒダント
イン化合物が記載されている。スピロ−フルオレンヒダ
ントイン及びその誘導体は1982年4月15日に出願
された米国特許出願第368631号及び同第3686
30号明細書に記載されているが、これらは糖尿病及び
ガラクトース血症のラットにおける水晶体組織及び神経
組織のポリオール蓄積を予防し、かつ糖尿病のラットに
おける白内障及び神経機能障害を予防する有効なヒト及
びラットアルドースリダクテース抑制剤である。Pan et
al, J, Med. Chem.7,31〜38(1964),は可
能性のある制ガン剤としてハロゲンフルオレンを記載
し、そしてPan et al, J, Med. Chem.10,957〜9
59(1967),は可能性のある制ガン剤としてスピ
ロ〔フルオレン−9,4′−イミダゾリジン〕−2′,
5′−ジオンを記載している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はアルド
ースリダクテースの抑制剤や糖尿病合併症の緩和剤とし
て有効な、新規系のスピロ三環式芳香族スクシンイミド
誘導体及びそのスピロヘテロ環式同族体、並びにこれら
製造方法を提供することにある。本発明のさらに別な目
的は、有効量のスピロ三環式芳香族スクシンイミド誘導
体又はスピロヘテロ環式同族体と、薬剤学的な担体とか
らなる、ヒト及び動物の糖尿病合併症治療用の薬剤組成
物を提供することにある。本発明の上記以外の目的及び
長所は以下の記載から明らかになるはずである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の最も広い実施態
様によれば、上記目的を達成するために、下記の一般式
で示される化合物又はその薬学上許容される塩からなる
スピロ三環式芳香族誘導体、及びその薬学上許容される
金属塩が提供される。
【化44】 ただし、tはNH、O、S及びCHR1 からなる群から
選択され、R1 はH又は低級アルキルであり、A及びB
は2つの隣接位置を介して中心五員環に結合される芳香
族環基であって、下記の群から独立に選択されるもので
ある。
【化45】 ここで、XはH、F、Cl、メチルチオ、メトキシ、及
びニトロよりなる群から選択され、YはH、F、−O
H、メチル、及びメトキシよりなる群から選択され、Z
はH、F、メチル、及びメトキシよりなる群から選択さ
れる1個又は2個の置換基であり、そしてtがNHであ
るときは、A及びBが同時に下記の基であってはならな
い。
【化46】
【0005】本発明はまた、上記の誘導体の製造方法、
ヒト及び動物の糖尿病合併症の治療のための上記の誘導
体を有効成分として含む組成物、及び上記の誘導体のい
ずれかの有効量と薬学的担体とからなるヒト及び動物の
糖尿病合併症の治療用薬剤を提供するものである。
【0006】以下に本発明の好適な実施態様を説明す
る。本発明は新規スピロ三環式芳香族スクシンイミド誘
導体及びスピロ三環式芳香族−チアゾリジンジオン、−
イミダゾリジンジオン、及び−オキサゾリジンジオン誘
導体などのスピロヘテロ環式同族体に関する。本発明は
またこれら誘導体の製造方法、ヒト及び動物の糖尿病合
併症の治療のための上記の誘導体を含む組成物、及び上
記の誘導体のいずれかの有効量と薬学的担体とからなる
ヒト及び動物の糖尿病合併症の治療用薬剤に関するもの
である。
【0007】本発明の誘導体は酵素アルドースリダクテ
ースの抑制剤であり、理論的に拘わらないが、本発明誘
導体の薬学的利用はその観察されたアルドースリダクテ
ース抑制特性に関係があるように考えられる。酵素アル
ドースリダクテース及び同族のリダクテースが抑制され
る結果、アルドースリダクテース及び/又は同族のアル
デヒドリダクテースを含有する組織においてNADPH
を犠牲にして異常なポリオールが蓄積することが抑制さ
れる。グルコースやガラクトースなどのポリオールの還
元から生じるソルビトールやガラクチトールなどのポリ
オールの生成の抑制は過血糖症や過ガラクトース症から
生じるある種の合併症の進行を遅延させると考えられて
いる。過血糖症は糖尿病患者の場合において神経病、腎
臓病症、網膜症、白内障、緑内障の合併症に関係があ
る。
【0008】米国特許第3821383号公報によれ
ば、1,3−ジオキソ−1H−ベンズ〔d,e〕−イソ
キノリン−2−(3H)−酢酸及びその誘導体などのア
ルドースリダクテース抑制剤はアルドースリダクテース
の抑制剤及び糖尿病合併症の緩和剤として有効である。
この点においては、米国特許第4130714号及び同
第4209630号公報に記載されているスピロ−〔ク
ロマン−4,4′−イミダゾリジン〕−2′,5′−ジ
オン及びスピロ−〔イミダゾリジン−4,4′−チクロ
マン〕−2,5−ジオンやこれらの誘導体も有効であ
る。米国特許第4181728号公報に記載されている
ある種のスピロ多環式イミダゾリジンジオン誘導体もア
ルドースリダクテース及びポリオール蓄積に対して抑制
活性をもつことが証明されている。前記米国特許出願第
368630号及び同第368631号明細書によれ
ば、スピロ−フルオレンヒダントイン及びその誘導体は
糖尿病及びガラクトース血症ラットの水晶体組織及び神
経組織におけるポリオール蓄積を予防し、かつ糖尿病ラ
ットにおける白内障及び神経機能障害を予防する有効な
ヒト及びラットアルドースリダクテース抑制剤である。
この種の誘導体はグリコースやガラクトースなどのアル
ドースのソルビトールやガラクチトールへの還元を抑制
し、従って神経、眼球や血管の組織におけるポリオール
の有害な蓄積を防止する。有効なアルドースリダクテー
ス抑制剤による化学療法により、眼疾(例えば白内障及
び網膜症)、腎症(腎臓病症)、神経機能障害(例えば
末端知覚神経病)、血管疾病(例えば糖尿性ミクロ、マ
クロ血管病)、創傷(例えば角膜疾病)や心臓病の罹患
が予防でき、罹患期間が短縮できる。米国特許第420
9630号公報に記載されているような、アルドースリ
ダクテース利用に関する議論はここでも利用されてい
る。
【0009】従って、本発明の誘導体はアルドースリダ
クテース抑制剤としてきわめて重要である。というの
は、アルドースリダクテース抑制剤が糖尿性白内障、神
経組織の損傷、血管変化を予防できることが既に知られ
ている。
【0010】本発明によれば、アルドースリダクテー
ス、特にヒトのアルドースリダクテースの抑制剤として
三環式フルオレンの誘導体、フルオレンのヘテロ環式同
族体及びこれらの誘導体が非常に有効であることが驚く
べきことに見出された。
【0011】本発明のスピロ環式芳香族イミドは次の一
般式で表わすことができる。
【化47】
【0012】そして、これの薬学上許容できる金属塩も
有効である。また、塩基性芳香族チッ素がA及び/B環
に存在する場合は、薬学上許容できる無機及び有機酸塩
も有効である。ただし、上記式中、A及びBは2つの隣
接位置を介して中心の五員環に結合した芳香族またはヘ
テロ環式環であり、A及びB環は次の群から独立に選択
されるものである。
【化48】
【0013】なお、XはH、F、Cl、メチルチオ、メ
トキシ、及びニトロよりなる群から選択され、YはH、
F、−OH、メチル、及びメトキシよりなる群から選択
され、ZはH、F、メチル、及びメトキシよりなる群か
ら選択される1個又は2個の置換基であり、そしてtは
NH、O、S及びCHR1 からなる群から選択され、R
1 はH又は低級アルキルであり、tがNHであるとき
は、A及びBが同時に下記の基であってはならない。
【化49】
【0014】本発明誘導体の幾何学的類似性及び化学的
類似性は重要である。これら類似性には、スクシンイミ
ド、ヒダントイン、チアゾリジンジオンやオキサゾリジ
ンジオンなどの五員イミド(あるいは環式第2アミド)
環にスピロ結合した平面状の硬質三環式フルオレンまた
はフルオレン状芳香族環系が含まれる。各三環化合物の
これらスピロ環式誘導体はそれぞれ分極性でかつ水素結
合性第2アミド(イミドとも呼ばれている)基(−CO
−NH−CO−)をもつ。
【0015】この場合、AはBに等しくない場合には、
スピロ炭素はキラルである。これらラセミ混合体すべて
の活性はただひとつの異性体に起因すると考えられる。
エナンチオマーの分割、即ち直接合成はよく知られてい
るように、活性エナンチオマーあるいはより活性なエナ
ンチオマーを単離即ち製造する方法と考えられる。また
A及び/Bへの置換パターンは非対称で、得られるジア
ステレオマー混合体はよく知られているように、クロマ
トグラフィーか溶剤再結晶によって分離できる。例え
ば、Aがメチルスルホキシル置換基でBと異なっている
場合、少なくとも2つのキラル中心、即ちひとつはスピ
ロ炭素でもうひとつはスルホキシドイオウがある。クロ
マトグラフィーがよく実施されている他の方法によって
このジアステレオマー混合物を物理的に分離すると、そ
れぞれ1対のエナンチオマーを含有する2つのラセミ混
合体が得られる。(〔化47〕の一般式において)Aが
Bとは異なる場合、Aのメチルスルフィドを立体規則性
酸化するとメチルスルホキシド(例えばメタ過ヨード酸
ナトリウム及びアルブミンを介して)が生成し、ジアス
テレオマー混合体が得られる。液体クロマトグラフィー
や示差溶剤溶解度法などの従来の物理的方法によってこ
の混合体を分離すると、それ自体が精製光学異性体であ
る精製ジアステレオマーを生成できる。2つの光学活性
スルホキシドジアステレオマーを還元すると、光学的活
性対のエチンチオマー即ち鏡像性異性体が得られる。
【0016】〔化47〕の一般式の代表的で好ましい種
類は以下のラセミ混合体で、本発明において特に重要で
ある。スピロ−(6−フルオロ−4H−インデノ〔1,
2−b〕チオフェン−4−4′−イミダゾリジン)−
2′,5′−ジオン;スピロ−(7−フルオロ−9H−
ピロロ〔1,2−a〕インドール−9,4′−イミダゾ
リジン)−2′,4′−ジオン;スピロ−(2−フルオ
ロ−9H−フルオレン−9,4′−イミダゾリジン)−
2′,5′−ジオン;スピロ−(6−フルオロ−8H−
インデノ〔1,2−b〕チオフェン−8,4′−イミダ
ゾリジン)−2′,5′−ジオン;スピロ−(2−フル
オロ−9H−フルオレン−9,3′−スクシンイミ
ド);スピロ−(2−フルオロ−9H−フルオレン−
9,5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジオン;スピ
ロ−(7−フルオロ−9H−インデノ〔2,1−c〕ピ
リジン−9,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジ
オン;スピロ−(7−フルオロ−5H−インデノ〔1,
2−b〕ピリジン−5,4′−イミダゾリジン)−
2′,5′−ジオン;スピロ−(7−フルオロ−5H−
インデノ〔1,2−c〕ピリジン−5,4′−イミダゾ
リジン)−2′,5′−ジオン;スピロ−(7−フルオ
ロ−9H−インデノ〔2,1−b〕ピリジン−5,4′
−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオン;スピロ−
(7−フルオロ−5H−インデノ〔1,2−c〕ピリジ
ン−5,5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジオン;
スピロ−(7−フルオロ−5H−インデノ〔1,2−
b〕ピリジン−5,5′−チアゾリジン)−2′,4′
−ジオン;スピロ−(7−フルオロ−9H−インデノ
〔2,1−c〕ピリジン−9,5′−チアゾリジン)−
2′,4′−ジオン;スピロ−(7−フルオロ−9H−
〔2,1−b〕ピリジン−9,5′−チアゾリジン)−
2′,4′−ジオン;スピロ−(7−フルオロ−5H−
インデノ〔1,2−b〕ピリジン−5,3′−スクシン
イミド;スピロ−(7−クロロ−5H−〔1,2−b〕
ピリジン−5,5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジ
オン;スピロ−(7−クロロ−5H−〔1,2−b〕ピ
リジン−5,5′−オキサゾリジン)−2′,4′−ジ
オン;スピロ−(6−フルオロ−4H−インデノ〔1,
2−b〕チオフエン−4,5′−チアゾリジン)−
2′,4′−ジオン;スピロ−(6−クロロ−8H−イ
ンデノ〔2,1−b〕チオフエン−8,5′−チアゾリ
ジン)−2′,4′−ジオン;スピロ−(2−フルオロ
−7−メチルチオール−9H−フルオレン−9−5′−
チアゾリジン)−2′,4′−ジオン。
【0017】以下の非キラル化合物即ち非ラセミ化合物
も本発明において特に重要である。即ち、スピロ−
(2,7−ジフルオロ−9H−フルオレン−9,5′−
チアゾリジン)−2′,4′−ジオン;スピロ−(2,
7−ジフルオロ−9H−フルオレン−9,3′−スクシ
ンイミド);スピロ−(2,7−ジフルオロ−9H−フ
ルオレン−9,5′−オキサゾリジン)−2′,4′−
ジオン。前記化合物はすべてアルドースリダクテース抑
制活性に関して非常に効力がある。〔化47〕の一般式
において前記の好ましい化合物すべては薬学上許容でき
るカチオンと共にその基礎塩(例えばナトリウム塩)と
して調合できる。あるいは、スピロ−(7−フルオロ−
5H−インデノ〔1,2−b〕ピリジン−5,5′−チ
アゾリジン)−2′,4′−ジオンなどのいくつかの好
適な例及び〔化47〕の一般式に従って環A及び/又は
B中に塩基性チッ素を含有する同族例は薬学上許容でき
る強酸と共に酸塩(例えば塩酸塩)として調合できる。
【0018】本発明の新規化合物は〔化50〕の一般式
の適当なケトンか、〔化51〕の一般式で表わされるそ
のメチレン同族体から容易に製造できる。
【化50】
【化51】
【0019】ここで、ヒダントイン誘導化後ニトロ置換
基を導入した点を除けば、AとBは前に定義した通りで
ある。同様に、三環式芳香族化合物をスピロイミド誘導
化、例えばそのヒダントインまたはチアゾリジンジオン
に転化した後、ある種の他の誘導化例えばカルボン酸の
エステル化、アルキルスルフィドのスルホキシドまたは
スルホンへの酸化や直接芳香族ハロゲン化を行うのが有
利である。さらに、よく知られているように、ある種の
不安定な保護基を用いることも可能である。
【0020】〔化50〕及び〔化51〕の三環式化合物
を〔化47〕の誘導体に転換する4つの主な誘導化方法
は次の通りである。
【0021】方法I:スピロ三環式イミダゾリジンジオ
ン(ヒダントイン誘導化) 本発明の新規スピロ−ヒダントイン誘導体は〔化50〕
の適当なケトン(A及びBは前に定義した通り)から容
易に製造できる。例えば、スピロ−イミダゾリジンジオ
ン誘導体(29)及び(41)はそれぞれ5H−インデ
ノ〔1,2−b〕ピリジン−5−オン及び9H−ピロー
ル〔1,2−a〕インドリン−9−オンから製造でき
る。
【化52】
【0022】同様に、スピロ−イミダゾリジンジオン誘
導体(39)はその出発物質ケトン8H−インデノ
〔2,1−b〕チオフェン−8−オンから製造できる。
【化53】
【0023】スピロ−イミダゾリジンジオン誘導体を合
成するためには、〔化50〕のケトンをシアン化ナトリ
ウムなどのアルカリ金属シアン化物及び炭酸アンモニウ
ムで縮合する。反応は代表例を挙げればケトンを可溶化
する不活性な極性有機溶剤の存在下で行う。この溶剤と
してはエタノールやイソプロパノールなどの水混和性ア
ルコール、エチレングリコールやトリメチレングリコー
ルなどの低級アルキレングリコール、N,N−ジメチル
−ホルムアミド、アセトアミドなどのN,N−ジ(低級
アルキル)、低級アルカノアミドがあるが、これらには
限定されない。一般に、使用するケトン、溶剤及び温度
にもよるが、反応は60〜約180℃(好適には100
〜130℃)の温度で6時間から約4日間行う。一般
に、ケトンのスピロヒダントイン誘導体への転換率を最
大にするために、この反応における試薬は化学量論量よ
りも過剰に用いる。例えば、適度に過剰のシアン化カリ
(即ち1.1当量)及び1.5〜4倍過剰の炭酸アンモ
ニウムを使用すると、ケトン出発物質に対するスピロヒ
ダントイン誘導体の収率が上昇する。〔化50〕のケト
ンは公知の方法によって製造する。代表的なケトンの製
造方法としては、表A及び後述する実施例に記載してあ
るが、これらに限定されない。
【0024】方法II:スピロ三環式チアゾリジンジオン 本発明の新規スピロ三環式チアゾリジンジオン誘導体は
適当なフルオレン及び〔化51〕のフルオレン誘導体の
ヘテロ環式同族体(A及びBは前に定義した通り)から
容易に製造できる。例えば、スピロ−チアゾリジンジオ
ン誘導体(26)は5H−インデノ〔1,2−b〕ピリ
ジンから製造する。
【化54】
【0025】同様に、実施例(12)のスピロ−チアゾ
リジンジオンはその出発物質2−フルオロ−9H−フル
オレンから製造する。
【化55】
【0026】対応するフルオレンまたはヘテロ環式フル
オレン誘導体からスピロ−チアゾリジンジオンの合成は
実施例IVで説明するように、多段で行う。第一工程はチ
ッ素やアルゴンの不活性ふん囲気下ジエチルエーテルや
テトラヒドロフランなどの不活性な非極性溶剤中で行う
n−プチルリチウムなどの低級アルキルリチウム試薬に
よるメタル化、例えば2−フルオロ−9H−フルオレン
のメタル化からなる。
【化56】
【0027】メタル化は主にメチレンブリッジに生じ
る。二酸化炭素との反応の結果、ブリッジ炭素の炭酸化
が生じ、単離後カルボン酸例えば2−フルオロ−9H−
フルオレン−9−カルボン酸が得られる。
【化57】
【0028】カルボン酸誘導体の単離は実施例IVで説明
する方法と同様な酸性化、単純なカラムクロマトグラフ
ィー及び溶剤再結晶を含む方法によって達成できる。こ
の一般的な場合と対称的に、8H−インデノ〔1,2−
c〕チオフェンをメタル化し、炭酸化すると、所望の8
H−インデノ〔1,2−c〕チオフェン−3−カルボン
酸に加えて、8H−インデノ〔1,2−c〕チオフェン
−1−カルボン酸及び8H−インデノ〔1,2−c〕チ
オフェン−3−カルボン酸がかなり生じる(MacDowell
and Jefferies ;J.Org. Chem., 35(1970)8
71)。次に、ハロゲン化水素例えば塩酸などの酸触媒
の存在下メタノールなどの低級アルコールで三環式カル
ボン酸生成物をエステル化する。代表的な方法では、還
流しながらカルボン酸のメタノール溶液に塩化アセチル
を添加して酸(例えば2−フルオロ−9−フルオレン
−9−カルボン酸)をエステル化する。
【化58】
【0029】メタノール中アルカリアルコキシ例えばナ
トリウム塩、あるいはDMSOかDMF中アルカリヒド
リド例えば水素化カリウムによってカルボン酸エステル
の酸性メチンブリッジからプロトンを吸収すると、カル
バニオンが発生する。重亜硫酸塩還元及び濾過を含む簡
単な後処理を行うと、α−ヒドロキシエステル生成物、
例えば2−フルオロ−9−ヒドロキシ−9−フルオレ
ン−9−カルボン酸エステルが単離される。
【化59】
【0030】ハロゲン化チオニル例えば塩化チオニルに
よって還流下α−ヒドロキシエステルをα−ハロゲン化
すると、2−フルオロ−9−ヒドロキシ−9−フルオ
レン−9−カルボン酸メチルエステルが9−クロロ−2
−フルオロ−9H−フルオレン−9−カルボン酸メチル
エステルに転換する。
【化60】
【0031】代表的な後処理法では、ベンゼンがよく知
られている同様な不活性溶剤で冷却された反応混合物を
希釈し、そして減圧下加熱して溶剤を蒸発する。これに
よりα−ハロエステルが生成する。還流下、ジオキサン
などの極性、高沸点で比較的非塩基性の無水溶剤中チオ
尿素とα−ハロエステル例えば9−クロロ−2−フルオ
ロ−9−フルオレン−9−カルボン酸メチルエステル
を24時間反応させる。よく知られているように後処理
及びクロマトグラフィーを行って、スピロ三環式アミノ
チアゾロン生成物例えばスピロ−〔2−フルオロ−9
−フルオレン−9,5′−12′−アミノ−4′−チア
ゾレン〕を単離する。
【化61】
【0032】濃塩酸のメタノール溶液などの酸性のアル
コール系水溶液中でスピロ−アミノチアゾロンを加水分
解すると、スピロ−チアゾリジンジオン例えばスピロ−
(2−フルオロ−9−フルオレン−9,5′−チアゾ
リジン)−2′,4′−ジオンが生成する。
【化62】
【0033】反応出発物質、〔化51〕の三環式フルオ
レン及びヘテロ環式フルオレン誘導体は公知方法によっ
て調製できる。代表的な製造法を後述の実施例に示す
が、本発明はこれらに限定されない。
【0034】方法III :スピロ三環式オキサゾリジンジ
オン 本発明の新規なスピロ三環式オキサゾリジンジオン誘導
体は、フルオレンの適当な誘導体及び〔化51〕(ただ
し、A及びBは前に定義した通り)のフルオレンのヘテ
ロ環式同族体から容易に製造できる。一般に、共通の合
成中間物を介してスピロ−オキサゾリジンジオン及びス
ピロ−チアゾリジンジオン(II参照)が合成される。例
えば、スピロ三環式オキサゾリジンジオン誘導体(6)
は、スピロ三環式チアゾリジンジオン(12)合成のさ
いの中間物である三環式α−ヒドロキシエステル、2−
フルオロ−9−ヒドロキシン−9−フルオレン−9−
カルボン酸メチルエステルから製造する。還流下、α−
ヒドロキシエステルと尿素1〜2(好ましくは1.1)
当量及びエタノール中のナトリウムエトキジドなどの低
級アルキルアルコール中のアルカリアルコキシド1〜2
(好ましくは1.05)当量を反応させると、スピロ三
環式オキサゾリジンジオンが生成する。単離工程は反応
生成物への水の添加、塩酸などの鉱酸による酸性化、簡
単な濾過及びカラムクロマトグラフィーである。これら
単離工程は公知である。この例において単離される生成
物はスピロ−(2−フルオロ−9−フルオレン−9,
5′−オキサゾリジンジオン)−2′,4′−ジオンで
ある。
【0035】同様に、表A及び後述の実施例に示すよう
に(本発明はこれらに限定されない)、適当なフルオレ
ン誘導体及びフルオレン誘導体へのヘテロ環式同族体か
ら誘導した他の公知三環式α−ヒドロキシエステルも次
式に従ってスピロ三環式オキサゾリジンジオンを製造す
るために使用できる。
【化63】
【0036】方法IV:スピロ三環式スクシンイミド 本発明の新規なスピロ三環式スクシンイミド誘導体は適
当なフルオレン誘導体及び〔化51〕(ただし、A及び
Bは前に定義した通り)のフルオレンのヘテロ環式同族
体から容易に製造できる。スピロ三環式スクシンイミ
ド、スピロ−オキサゾリジンジオン及びスピロ−チアゾ
リジンジオンは共通の合成中間体を介して合成される。
例えば、スピロ三環式スクシンイミド誘導体(20)及
び(21)はスピロ三環式チアゾリジンジオン(9)及
び(12)、そしてスピロ三環式オキサゾリジンジオン
(2)及び(6)の合成時の中間体である三環式酸エス
テル、9−フルオレン−9−カルボン酸メチルエステ
ル及び2−フルオロ−9−フルオレン−9−カルボン
酸メチルエステルからそれぞれ製造する。このカルボン
酸アルキルエステルをメタノールなどのアルキルアルコ
ール中のナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アル
コキシド1〜1.5当量(好ましくは1.1当量)と反
応させた後、適用する温度、ハロアセトアミド試薬及び
溶剤にもよるが、8時間〜4日間の期間チッ素などの不
活性ガス下10〜50℃の温度(好ましくは周囲温度)
で2−ハロアセトアミド例えば2−クロロアセトアミド
(Aldrich Chemical. Inc.)1〜2当量(好ましくは
1.1当量)と反応させる。メタノール溶剤、クロロア
セトアミド試薬との室温における反応時間は48時間で
ある。反応混合物は例えば2.5%水酸化ナトリウムな
どの1〜5%アルカリ水酸化物1〜4倍量(容量)に注
入する。不溶物は濾過によって除去する。濃塩酸などの
濃鉱酸か希鉱酸で濾液を酸性化し、析出物を冷水で洗浄
しながら濾過によって回収する。よく知られているよう
に、生成したスピロ三環式スクシンイミドをさらに溶剤
再結晶によって精製してもよい。上記のように処理する
と、9−フルオレン−9−カルボン酸メチルエステル
及び2−フルオロ−9−フルオレン−9−カルボン酸
メチルエステルはそれぞれスピロ−(9−フルオレン
−9,3′−スクシンイミド)及びスピロ−(2−フル
オロ−9−フルオレン−9,3′−スクシンイミド)
になる。
【0037】同様に、表A及び後述の実施例に示すよう
な(本発明はこれらに限定されない)フルオレン誘導体
及びフルオレンのヘテロ環式同族体及び誘導体から誘導
した他の公知三環式カルボン酸エステルも次の式に従っ
てスピロ三環式スクシンイミドを製造するため使用でき
る。
【化64】
【0038】方法V:フルオレン、フルオレノン、及び
これらのインデノ−ヘテロ環式同族体及び誘導体のハロ
ゲン化及び誘導化 4−アザフルオレンや4−アザフルオレノンなど、そし
て表A(ただしQは二水素及び酸素である)に示すよう
なインデノヘテロ環式同族体のハロゲン化は公知方法に
よって実施できる。(例えば、Eckert and Langecker,
J. Prakt. Chem.,118,263(1928);Couro
t, Ann. Chem., 14,5(1930);Bell and Mulh
olland, J. Chem. Soc., 2020(1949);Johns
on and Klassen, J. Chem. Soc., 988(196
2))。一般に、フルオレノン、フルオレノン誘導体及
びヘテロ環式インデノ同族体の塩素化は無水塩化第二鉄
(これら物質の10〜20重量%)を含む氷酢酸中にこ
れら物質を溶解して行う。そして氷酢酸(1.2〜3.
0モル当量)に溶解した塩素ガスまたは塩素を加える。
所定の温度で数時間反応物を攪拌してから冷却する。粗
生成物を単離し、溶剤再結晶させると、塩素化誘導体が
得られる。三環式アジン、フルオレノン及びフルオレン
のチッ素同族体の親電子的ハロゲン化に対する構造活性
については Mlochowski,Szulc, J. Prakt. Chem., 32
(1980)971で説明されている。
【0039】フルオレン(及びフルオレノン)及びイン
デノヘテロ環式同族体の所定誘導体のフッ素化工程は多
段工程で、最初の工程はニトロ化処理である。(Kretor
andLitvinov, Zh. Obsch. Khim., 31,2585(1
961); Org. Syntheses,coll. Vol.II,447(1
943); Org. Syntheses, Coll. Vol.V,30(1
973))。ラネーニッケル及びヒドラジン、亜鉛ダス
ト、塩化カルシウム、鉄屑、濃塩酸及びヒドラジンと共
に炭素に担持したパラジウムにより生成したニトロ誘導
体を還元するが、他の方法も適用できる。( Org. Synt
heses, Coll.Vol.II,447(1943); Org. Syn
theses, Coll. Vol.V,30(1973);Fletcher
and Namkung, J. Org. Chem., 23,680(195
8))。生成芳香族アミンは:(a)Fletcher & Namku
ng, Chem. and Ind., 1961,179の方法に従って
シーマン反応させるが、ここではテトラヒドロフランの
存在下で調製し、そのアンモニウムフルオロホウ酸塩を
先ずジアゾ化してから、高温キシレン中で分解し、これ
により対応するフルオロ誘導体を得る。Sprinzak,J. Am
er. Chem. Soc.,80,5449(1958)の方法
か、または他の公知酸化方法によって、フルオロ誘導体
例えば2−フルオロ−9−フルオレンを酸化すると、
ケトン例えば2−フルオロ−9−フルオレン−9−オ
ンが生成する。米国特許出願第368,630号及び同
368,631号明細書に記載されている新規な方法で
は、フッ素化ケトンを対応するアルキルスルフィド、ア
ルキルスルホキシド及び/又はアルキルスルホンに転換
している。アルカリ金属アルキルチオラートヌクレオフ
ィル(例えばDMF中のナトリウムメチルチオラート)
はフッ化物を置換して、対応するアルキルスルフィド誘
導体、例えば2−メチル−チオール−9−フルオレン
−9−オンを与える。生成アルキルスルフィド誘導体は
公知方法(例えばメタ過ヨウ素酸ナトリウムまたは過酸
化水素)によって酸化して対応するスルホキシド及び/
又はスルホンにする。というのは、(b)ハロゲン化水
素塩が亜硝酸ナトリウムによってジアゾ化するからであ
る。これら芳香族誘導体のジアゾニウム基をハロまたは
シアノ基(例えばKCNによって)、塩(Sandmeyer
)、銅粉(Gatterman )、または第二銅塩(Korner-Co
ntardi )で置換する。Organic Synthesis Vol.I
p.170(1932);E. Pfeil,Angew. Chem.,65,
155(1953); Y. Nakatani, Tetrahedron Let
t.,1970,4455参照。よく知られているよう
に、生成シアノ誘導体は加水分解するとカルボン酸にす
ることができ、アルコール化するとカルボアルコキシエ
ステル例えばカルボエトキシエステルにすることがで
き、また加水分解するとカルボキシアミドに転化でき、
還元するとメチルアミンに転化できる。当業者ならば他
の芳香族誘導体を同様につくることができる。Teulin e
t al.,J. Med. Chem., 21(1978)901によれ
ば、〔化65〕の式:
【化65】 で示される三環式インデノ誘導体は対応するアリールイ
ソプロパノール酸及びアリール酢酸に誘導化できる。合
成工程は次の通りである。
【0040】
【化66】
【0041】方法VII によれば、前記インデノ誘導体は
対応するケトンに酸化できるが、これは方法Iによるス
ピロ−ヒダントイン誘導化の出発物質である。前記方法
のいくつかからなる連続方法により、同じ三環式芳香族
物質に例えばフルオロ及びクロロ置換基を導入できる。
他のフルオレン及びフルオレノン誘導体、そしてインデ
ノヘテロ環式同族体も公知方法によって製造できる。
【0042】方法VI:本発明の治療剤に含有される新規
スピロ三環式−イミダゾリジンジオン、−チアゾリジン
ジオン、−オキサゾリジンジオン及び−スクシンイミド
は次の通り、さらに誘導化することができる。ニトロ化
フルオレノンは対応するスピロ−ヒダントインには容易
に誘導化できない。
【0043】スピロ−ヒダントイン芳香族ニトロ誘導体
の好適な製造方法は、スピロ環式誘導体、特にスピロ−
ヒダントインの直接ニトロ化(例えば硝酸及び60%硫
酸を使用)による(実施例XI)。公知方法によって所定
のスピロ三環式−イミダゾリジンジオン、−チアゾリジ
ンジオン、−オキサゾリジンジオン及び−スクシンイミ
ドをニトロ化した後、本発明の対応するスピロ三環式誘
導体の対応する芳香族ニトロ基を還元して、対応するア
ミン誘導体を形成することができる。芳香族ニトロ基の
芳香族アミンへの還元はヒドラジン水和物及びラネ−ニ
ッケルによる還元(Fletcher & Namkung, J. Org. Che
m.,23,680(1958)参照)を始めとする多く
の方法によって実施できる。水素ハロゲン化物塩として
生成するアミンを亜硝酸ナトリウムによってジアゾ化す
る。これら芳香族誘導体のジアゾニウム基をハロまたは
シアノ基(例えば(KCN)塩(Sandmeyer )、銅粉
(Gatterman )または第二銅塩(Korner-Contardi )に
よって)で置換する。OrganicSynthesis Vol.I.p.1
70(1932);E. Pfeil. Angew. Chem., 65,1
55(1953);Y.Nakatani, Tetrahedron Lett.,
970,4455参照。
【0044】よく知られているように、生成したシアノ
誘導体は加水分解するとカルボン酸になる。また、アル
コール化するとカルボアルコキシエステル例えばカルボ
エトキシエステルになり、加水分解するとカルボキアミ
ドに、そして還元するとメチルアミンになる。当業者な
らば、同じようにして他の芳香族誘導体をつくることが
できるはずである。
【0045】方法VII :フルオレン及び1−アザフルオ
レン及び2−フルオロフルオレンなどのフルオレン誘導
体のヘテロ環式同族体はよく知られている多くの酸化方
法によって対応するケトン(例えば1−アザフルオレノ
ンまたは2−フルオロフルオレノン)に転換できる。い
くつかの代表的な方法を次に示す。 a) U.Sprinzak, J. Amer. Chem. Soc., 80(195
8)5449記載の一般的な方法による、塩基性条件下
における酸素による酸化。 b)フルオレン誘導体をアセトン中過マンガン酸カリウ
ムによって酸化する過マンガン酸塩による酸化。例えば
Urbina, Synthetic Communications (1979),
245。 c)200〜250℃で密閉容器内で行う二酸化セレン
による酸化。酢酸中の三酸化クロムを用いる酸化方法が
有効でない場合に適用する。Arcus& Barnett, J. Chem
Soc. (1960)2098参照。
【0046】方法VIII:本発明の三環式ケトンはウォル
フ・キッシナー還元か、または Huang-Minlonによるウ
ォルフ・キッシナー還元(Mac Dowell)及び Jefferie
s, J. Org. Chem.,35,871(1970)参照)に
よって対応するメチレン還元生成物に還元できる。又、
塩化アルミニウムの存在下水素化リチウムアルミニウム
を用いる方法(Rault, Lancelot and Effi, Heterocycl
es 20,477(1983))か他の公知方法によっ
てこれらを還元してもよい。
【0047】処理方法IX:本発明のスピロ三環式−チア
ゾリジンジオン、−イミダゾリジンジオン、−オキサゾ
リジンジオン及び−スクシンイミド化合物は弱酸であ
る。さらに、実施例XVIIに示すように、いくつかのもの
はカルボン酸誘導体及び/又は芳香族アジン(即ち、芳
香族三環式環に塩基性チッ素を含む)であり、そして/
又はアルキルアミン置換基を含む。従って、これら化合
物は塩基塩として製造しやすいが、塩基性アミンが存在
する場合には、酸塩として製造しやすい。いくつかの例
では、酸性スピロ反応性度とカルボン酸反応性度の両者
を備えている。これらは一塩基性塩か二塩基性塩として
製造できる。
【0048】薬学上許容できる塩基塩を製造するために
試薬として使用する化学的塩基は、例えばスピロ−(7
−フルオロ−5−−インデノ〔1,2−b〕ピリジン
−5,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオンな
どの各種酸性スピロ−イミダゾリジンジオン、−チアゾ
リジンジオン、−オキサゾリジンジオン及び−スクシン
イミド誘導体と共に非毒性(薬学上許容できる)塩を形
成するものである。同様に、スピロ−(2−カルボキシ
−9−フルオレン−9,5′−チアゾリジン)−
2′,4′−ジオンなどのカルボン酸含有誘導体も非毒
性塩として製造できる。これら非毒性塩基塩は、広い投
与量の範囲にわたって臨床的に毒性を示さない。このよ
うなカチオンの例にはナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、マグネシウムなどのカチオンが含まれる。これらの
薬学上許容できる非毒性塩は前記酸性物質例えばスピロ
−チアゾリジンジオンを金属水酸化物の水溶液で処理し
た後、好ましくは減圧で生成溶液を乾固するまで蒸発さ
せることによって製造できる。あるいは、塩基塩は酸性
化合物の低級アルカノール溶液(例えばエタノール)と
所望のアルカリ金属アルコキシド(例えばナトリウムエ
トキシド)の低級アルカノール溶液と混合した後、前と
同じように生成溶液を乾固するまで蒸発させても製造で
きる。いずれの場合にも、化学量論量の試薬を用いて反
応を確実に完了させると共に、目的の塩基塩生成物の収
量を最大にする必要がある。
【0049】スピロ三環式アジン誘導体例えばスピロ−
(7−フルオロ−5−インデノ〔1,2−b〕ピリジ
ン−5,5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジオンの
酸塩は、薬学上許容できる非毒性酸例えば塩酸及び硫酸
を用いて製造できる。上記酸塩のアニオンの例には硫酸
水素塩、硫酸塩、塩化物などのアニオンが含まれる。こ
れら薬学上許容できる非毒性酸塩は前記物質例えばスピ
ロ−アザフルオレン誘導体を所望の酸の酸性水溶液で処
理することによって製造できる。酸に溶解後、好適には
減圧で水溶液を乾固するまで蒸発させる。この場合、化
学量論量の酸を使用するのが好適である。場合によって
は、強酸溶液(例えば5%塩酸)から酸塩基を析出させ
てもよいし、または再結晶させてもよい。それから、濾
過によって塩を回収し、乾燥する。
【0050】前に述べたように、本発明のスピロ三環式
−チアゾリジンジオール、−イミダゾリジンジオン、−
オキサゾリジンジオン及び−スクシンイミド化合物を含
有する誘導体は、すべて慢性の糖尿病合併症を抑制する
アルドースリダクテース抑制剤として容易に使用でき
る。というのは、本発明誘導体は糖尿病患者のレンズソ
ルビトール・レベルを十分満足のいく程度まで下げる能
力があるからである。本発明の誘導体は経口から非経口
のいずれでも投与できる。一般にこれら誘導体は通常1
日につき約0.1mg〜約10mg/kg(体重)の量で投与
できる。ただし、患者の体重及び状態や投与方法に応じ
て上記量は変えることができる。好ましい投与量は0.
5〜4.0mg/kgである。経口投与が好ましい。
【0051】投与方法は専門家の任意にまかせられる
が、本発明の誘導体の予防投与は一般に糖尿病及び/又
は神経病及び/又は網膜症及び/又は血管病及び/又は
白内障及び/又は創傷の治療及び/又は腎臓病及び/又
は過血糖症の診断書に記載される。
【0052】なお、本発明のスピロ三環式誘導体を糖尿
病の治療に用いる場合、これら誘導体は前記のいずれか
の方法によって単独かあるいは薬学上許容できるキャリ
ヤと共に投与でき、またこのような投与は一回で、ある
いは何回かに分けて実施できる。より詳細には、本発明
の誘導体は各種の異なる形で投与できる。即ち、本発明
誘導体は錠剤、カプセル、ロゼンジ、トローチ、ハード
キャンディー、粉末、噴霧剤、水性懸濁液、注射溶液、
エリキシル、シロップなどの各種の薬学上許容できる不
活性キャリヤと共に使用できる。これらキャリヤには固
形の希釈剤または賦形剤、殺菌水性媒体や各種の非毒性
有機溶剤などが含まれる。さらに、このような経口用薬
剤は通常用いられている各種添加剤によって甘味及び/
又は香味をつけるのが好適である。一般に、本発明の薬
学上有効な誘導体は全組成物の約0.05〜約90重量
%の範囲にある濃度レベル、即ち所望の単位投与量を与
えるのに十分な量で存在させる。
【0053】経口投与の点から、クエン酸ナトリウム、
炭酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの各種の補形薬
を含有する錠剤(タブレット)はでん粉、好適にはジャ
ガイモでん粉、タピオカでん粉、アルギン酸、ある種の
錯珪酸塩などの各種膨化剤、及びポリビニルピロリド
ン、スクロース、ゼラチンやアラビヤゴムなどの結合剤
と共に用いることができる。加えて、ステアリン酸マグ
ネシウム、硫酸ラウリルナトリウムやタルクなどの潤滑
剤は錠剤化に非常に有効である。同様な固形組成物もま
た軟質及び硬質ゼラチンカプセル内の賦形剤として使用
できる。この点で好適な材料にはラクトース、ミルクシ
ュガーや高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。
水性懸濁液及び/又はエリキシルが経口投与に望ましい
場合には、その本質的な活性成分は各種の甘味剤または
香料、着色剤、そして所望ならば乳化剤及び/又は懸濁
剤、並びに水、エタノール、プロピレングリコール、グ
リセリンなどの希釈剤と組合せて使用することができ
る。
【0054】非経口投与の目的から、本発明のスピロ三
環式誘導体のゴマ油またはピーナッツ油溶液が使用でき
るが、同じように対応する水溶性のアルカリ金属塩、ア
ルカリ土類金属塩または酸塩も使用できる。必要ならば
これら水溶液は緩衝するのが好ましいこともあり、そし
て液体希釈剤を先ず十分な食塩またはグルコースで等浸
透圧性にする。これら水溶液は特に静脈内、筋肉内、皮
下及び腹腔内注射に適する。因みに、殺菌水性媒体はよ
く知られた標準的な方法によってすべて容易に得ること
ができる。さらに、本発明のスピロ三環式誘導体を適当
な目薬の形で投与、即ち目に滴下することも可能であ
る。
【0055】慢性的な糖尿病合併症の抑制剤としての本
発明誘導体の活性は以下の標準的な生物学的及び/又は
薬学的試験のひとつかそれ以上に十分に合格するかどう
かによって決定できる。即ち、(1) 単離したヒトのアル
ドースリダクテースの酵素活性の抑制能力の測定。(2)
ラットの水晶体アルドースリダクテースの酵素活性を体
内で抑制する能力の測定。(3) 慢性的なストレプトゾト
シン誘導糖尿病に罹患しているラットにおいて運動神経
伝達速度を保つ能力の測定。(4) 白内障発生の抑制能力
及び慢性的なガラクトース血症に罹患しているラットに
おける水晶体不透明化の抑制能力の測定。(5) 慢性的な
ストレプトゾトシン誘導糖尿病に罹患しているラットに
おける腎臓糸球体及び/又は網膜毛細管の基礎膜肥厚を
予防する能力の測定。(6) 30mキシロース培地中で
18時間ラット水晶体を維持する能力の測定。
【0056】以下の表Aに、〔化50〕及び〔化51〕
の三環式化合物の置換同族体の代表的な製造法及び合成
法を示す。x,y及びzは前に定義したとおりである。
ただし、Q=H2 又はO
【表1】
【0057】製造例A 合成化合物8−インデノ〔2,1−b〕チオフエン−
8−オン及び8−インデノ〔2,1−b〕チオフエン
及びこれらの誘導体はVenin, Brault and Kerfanto, C.
R. Acad. Sc. Paris., 266(C),1650(19
68)記載の一般的な方法に従って次のようにして製造
する。各種の置換フエニルグリオキサルを三工程:置換
アセトフエノン(例えばp−フルオロ−アセトフエノ
ン)の対応するα,α−ジブロモアセトフエノンへのゲ
ムジブロモ化、ゲム臭化物の親核的置換による対応する
アミナルの生成、水性酸(例えば希HCl)加水分解に
よる置換フエニルグリオキサル例えば−フルオロフエ
ニルグリオキサルの生成によって製造する。このように
して、次の置換フエニルグリオキサルを市販の置換アセ
トフエノン(例えばAldrich Chemical, Inc.製のO−,
P−,m−フルオロ−,クロロ,ブロモーアセトフエノ
ン)から製造する。
【化67】
【0058】他の置換アセトフエノンも公知方法によっ
て製造できる。フエニルグリオキサルは(Aldrich Chem
ical, Inc.)は市販品である。このような市販の置換フ
エニルグリオキサル(例えば4′−フルオロフエニルグ
リオキサル)を使用して、方法I−IVによって誘導化さ
れる対応する置換8−インデノ〔2,1−b〕のチオ
フエン−8−オン及び8−インデノ〔2,1−b〕チ
オフエン化合物を合成する。置換8−インデノ〔2,
1−b〕チオフエン−8−オンの合成はナトリウムエト
キシドを使用する置換フエニルグリオキサル例えば4′
−フルオロフエニルグリオキサルとジエチルチオジグリ
コレートとの間のHeinsberg Stobbe型縮合(Wolf and F
olkers, Org. Reactions, ,410(1951))
からなる。ケン化後、単離した置換3−フエニル−2,
5−チオフエンジカルボン酸、例えば3−(4′−フル
オロフエニル)−2,5−チオフエンジカルボン酸を塩
化チオニルで処理してジアシルクロリドを形成し、触媒
として塩化アルミニウムまたは塩化第二スズを使用する
フリーデル・クラフト反応によってこれを分子間環化す
ると、対応する置換8−オキソ−8−インデノ−
〔2,1−b〕チオフエン−2−カルボン酸、例えば6
−フルオロ−8−オキソ−8−インデノ−〔2,1−
b〕チオフエン−2−カルボン酸(A−1)が生成す
る。これは方法Iによってヒダントイン誘導体に転化で
きる。無水キノリン中で(A−1)を銅粉で脱カルボキ
シル化すると、対応する置換8−インデノ〔2,1−
b〕チオフエン−8−オン(A−2)が形成する。これ
を(方法Iに従って)ヒダントイン誘導体例えばスピロ
−(6−フルオロ−8−インデノ−〔2,1−b〕チ
オフエン−8,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−
ジオンに転化する。スピロ−(8H−インデノ〔2,1
−b〕チオフエン−8,4′−イミダゾリジン)−
2′,5′−ジオンの製造については、実施例XIIIを参
照。(A−1)または(A−2)、好ましくは(A−
1)をウオルフ・キッシナー還元(方法VIII)すると、
対応する置換8−インデノ〔2,1−b〕チオフエ
ン、例えば6−フルオロ−8−インデノ−〔2,1−
b〕チオフエンが生成する。ケト酸(A−1)のアルカ
リ性ヒドラジン(過剰)還元では、ケト還元と脱カルボ
キシル化の両方が生じる。生成物の単離は分留によって
行うのが最善であるが、他の公知な分離方法も適用でき
る。さらに誘導化するためには方法Vに従えばよい。生
成した置換8−インデノ〔2,1−b〕チオフエンを
n−ブチルリチウムによってメタル化し、メチレンブリ
ッジで炭酸化すると、対応する8−カルボン酸が生成す
る。エステル化後、濃塩酸などの酸接触条件下メタノー
ルなどの低級アルコールで還流下においてこれを処理す
ると、対応する置換または未置換8−インデノ〔2,
1−b〕チオフエン−8−カルボン酸メチルエステルが
生成する。このエステルを方法II,III 及びIVに従って
処理すると、対応するスピロ−チアゾリジンジオン、ス
ピロ−オキサゾリジン−ジオン及びスピロ−スクシンイ
ミド、例えばスピロ−(6−フルオロ−8−インデノ
〔2,1−b〕チオフエン−8,5′−チアゾリジン)
−2′,4′−ジオン、スピロ−(6−フルオロ−8
−インデノ−8,5′−オキゾリジン)−2,4′−ジ
オン及びスピロ−(6−フルオロ−8−インデノ
〔2,1−b〕チオフエン−8,3′−スクシンイミ
ド)が生成する。
【0059】製造例B 合成化合物4−インデノ〔1,2−b〕チオフエン−
4−オン及び4−インデノ〔1,2−b〕チオフエン
はMacDowell and Jefferies, J. Org. Chem.,35
871(1970)記載の一般的な方法に従って製造で
きる。この方法では、4−オン化合物は3−フルオロ−
2−ヨード−安息香酸エチルまたはメチルエステル(Ch
em. Abst.,27:1339/G)、2−ブロモ−4−フ
ルオロー安息香酸メチルエステル(Chem. Abst.,99
(1):5630J)または2−ブロモ−5−クロロ−
安息香酸メチルエステル(J. Med. Chem.,13,56
7−8(1970)などのオルト−ヨードまたはオルト
ブロモ、ジ、トリ及びテトラ置換安息香酸低級アルキル
エステルを2−ヨードまたは2−ブロモチオフエン(Al
drich Chemical, Inc.)でウルマンカップリング反応さ
せることによって製造する。カップリング反応生成物を
ケン化すると、対応する置換2−(2′−チエニル)安
息香酸(例えば2−ブロモ−5−クロロ−安息香酸メチ
ルエステルからの5−クロロ−2−(2′−チエニル)
安息香酸)が生成する。この4−オン誘導体を(方法I
に従って)スピロ−(6−クロロ−4−インデノ
〔1,2−b〕チオフエン−4,4′−イミダゾリジ
ン)−2′,5′−ジオンなどのヒダントイン誘導体に
転化する。スピロ−(4−インデノ〔1,2−b〕チ
オフエン−4,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−
ジオンの製造については実施例XII 参照。(B−1)を
ウオルフ・キッシナー還元(方法VIII)すると、対応す
る4−インデノ〔1,2−b〕チオフエンが生成す
る。生成物の単離は分留によって行うのが最善である
が、他の公知分離方法も適用できる。(方法Vに従って
さらに誘導化できる)生成した置換又は未置換4−イ
ンデノ〔1,2−b〕チオフエンをn−ブチルリチウム
によってメタル化し、メチレンブリッジを炭酸化する
と、対応する4−カルボン酸が生成する。還流しながら
濃塩酸などの酸接触条件下でメタノールなどの低級アル
キルアルコールでこれをエステル化すると、対応する置
換又は未置換4−インデノ−〔1,2−b〕チオフエ
ン−4−カルボン酸低級アルキルエステル、例えば6−
クロロ−4−インデノ〔1,2−b〕チオフエン−4
−カルボン酸メチルエステルが生じる。方法II,III 及
びIVに従ってこのエステルを処理すると、対応するスピ
ロ−チアゾリジンジオン、スピロ−オキサゾリジンジオ
ン及びスピロ−スクシンイミド例えばスピロ−(6−ク
ロロ−4−インデノ〔1,2−b〕チオフエン−4,
5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジオン、スピロ−
(6−クロロ−4−インデノ〔1,2−b〕チオフエ
ン−4,5′−オキサゾリジン)−2′,4′−ジオン
及びスピロ−(6−クロロ−4−インデノ〔1,2−
b〕チオフエン−4,3′−スクシンイミド)がそれぞ
れ生成する。生成したスピロ誘導体は方法VIに従ってさ
らに誘導化することができる。
【0060】製造例C 合成化合物4H−インデノ〔1 ,2−c〕チオフエン−
4−オン及び4−インデノ〔1,2−c〕チオフエン
及びこれらの誘導体はMacDowell and Jefferies, J.
Org. Chem.,35,871(1970)の記載に従って
製造する。市販の低級アルキル置換シクロヘキサノンま
たはシクロヘキサノン例えば4−メチル−シクロヘキサ
ノンで−65〜−75℃において4−ブロモ−3−チエ
ニルリチウムを処理すると、対応するシクロヘキサノー
ル誘導体が生成する。ベンゼンまたはトルエン還流下p
−トルエンスルホン酸でこの誘導体を脱水すると、シク
ロヘキシルチオフェン生成物例えば3−ブロモ−4−
(4−メチル−1′−シクロヘキシル)チオフェンが生
成する。キシレン還流下8〜24時間テトラクロロベン
ゾキノンで脱水素すると、対応する3−ブロモ−4−フ
エニルチオフエン、例えば3−ブロモ−4−(4′−メ
チルフエニル)チオフエンが生成する。昇華及び/又は
アルミナ上のクロマトグラフィーで精製した後、エーテ
ル中n−ブチルリチウムで−65〜−75℃においてこ
の臭化物をハロゲン−金属交換した後、二酸化炭素で炭
酸化する。単離した3−フエニル−チオフエン−4−カ
ルボン酸誘導体、例えば3−(4′−メチルフエニル)
チオフエン−4−カルボン酸を塩化チオニルによって酸
ハロゲン化物に転化する。二硫化炭素中で18〜36時
間アロイル塩化物及び塩化アルミニウムを加熱してケト
ンに環化すると、対応するケトン例えば6−メチル−8
−インデノ〔1,2−c)チオフエン−8−オンが生
成する。方法Vに従ってさらに誘導化できるこの8−オ
ン誘導体をヒダントイン誘導体に転化する。8−オン誘
導体をウオルフ・キッシナー還元(方法VIII)し、(及
び場合に応じて方法V により誘導化し)、そして方法I
I,III 及びIVに従ってスピロ誘導化すると、対応する
スピロ−チアゾリジンジオン、スピロ−オキサゾリジン
ジオン及びスピロ−スクシンイミド誘導体がそれぞれ生
成する。これらスピロ誘導体は方法VIに従ってさらに誘
導化できる。
【0061】製造例D Wynberg and Kraak, J. Org. Chem.,29,2455
(1964)記載の方法に従って合成化合物7−シク
ロペンタ〔1,2−b:4,3−b′〕ジチオフエンを
製造する。対応するスピロ−チアゾリジンジオン、スピ
ロ−オキサゾリジンジオン及びスピロ−スクシンイミド
誘導体はそれぞれ方法II−IVに従って製造する。7−オ
ン誘導体は方法VII で記載した酸化方法に従ってシクロ
ペンタジチオフエンから製造する。ケトン、7−シク
ロペンタ〔1,2−b:4,3−b〕ジチオフエン−7
−オンは方法Iに従ってスピロ−ヒダントイン誘導体に
転化する。
【0062】製造例E Wiersema and Wynberg, Tetrahedron, 24,3381
(1968)記載の方法に従って合成化合物4−シク
ロペンタ〔2,1−b:3,4−b′〕ジチオフエン、
−シクロペンタ〔1,2−b:3,4−b′〕ジチ
オフエン、7−シクロペンタ〔1,2−c:3,4−
c′〕ジチオフエン及び7−シクロペンタ〔1,2−
b:3,4−c′〕ジチオフエン及び7−シクロペン
タ〔2,1−b:3,4−c′〕ジチオフエンを製造す
る。これらから、対応するスピロ−チアゾリジンジオ
ン、スピロ−オキサゾリジンジオン及びスピロ−スクシ
ンイミド誘導体をそれぞれ方法II−IVに従って製造す
る。対応する4−シクロペンタ〔2,1−b:3,4
−b′〕ジチオフエン−4−オン、7−シクロペンタ
〔1,2−b:3,4−b′〕ジチオフエン−7−オ
ン、7−シクロペンタ〔1,2−c:3,4−c′〕
ジチオフエン−7−オン、7−シクロペンタ〔1,2
−b:3,4−c′〕ジチオフエン−7−オン及び7
−シクロペンタ〔2,1−b:3,4−c′〕ジチオフ
エン−7−オンは方法VII で言及した酸化方法に従って
製造する。生成したケトンは方法Iに従ってスピロ−ヒ
ダントイン誘導化する。
【0063】製造例F Parcell and Hauck, J. Org., Chem., 21,346
8(1963)記載の一般的な方法に従って合成化合物
−インデノ〔1,2−b〕ピリジン−5−オン及び
−インデノ〔1,2−b〕ピリジン(Aldrich Chem
ical,Inc製4−アザフルオレン)及びこれらの誘導体を
製造する。ここでは、2,3−ジヒドロ−1−インデ
ノ−1−オン(Aldrich Chemical,Inc. )−4,−5ま
たは−6−クロロまたはフルオロ−2,3−ジヒドロ−
−インデン−1−オン(Oliverand Marechal, Bul
l. Soc. Chim. France. (1973),3092),
6−クロロ−5−シクロペンチルメチル−2,3−ジヒ
ドロ−1−インデン−1−オン(Biere et al., Eur.
J. Med., 18,255(1983)),5,6−ジ
メトキシ−2,3−ジヒドロ−1−インデン−1−オ
ン(Koo, J. Amer.Chem. Soc., 75,1891(1
953)),5,6−メトキシ2,3−ジヒドロ−1
−インデン−1−オン(Aldrich Chemical,Inc. 製)の
ピペリジンエナミン、あるいは他の置換1−インダノン
をHeyl and Herr, J. Amer. Chem. Soc., 75,19
18(1953)の記載に従ってp−トルエンスルホン
酸触媒の存在下ピペリジンから生成する。生成したピペ
リジンエナミンを3−ブロモプロピルアミンヒドロプロ
ミドまたはヒドロクロリド(Aldrich Chemical,Inc.
製)と反応させて、イミン生成物を得る。
【0064】この方法では、高温でジメチルホルムアミ
ド中ブロモプロピルアミンヒドロプロミド1モル当量に
上記エナミン1.1モル当量を添加し、発熱反応を開始
させ、温度を90〜120℃に数時間維持する。ケン化
と共にエーテル洗浄を行った後、塩基化し、エーテル抽
出して生成物を単離する。蒸発によりテトラヒドラミン
生成物が得られた。
【化68】
【0065】Parcell and Hauch,ibid. に従ってキシレ
ン、ニトロベンゼン中で活性炭担持10%パラジウムを
用いてテトラヒドロイミン生成物を芳香族化する。(方
法Vに従ってさらに誘導化することができる)生成物、
例えば7−フルオロ−5−インデノ〔1,2−b〕ピ
リジンを方法II〜IVに従って誘導化すると、対応するス
ピロ誘導体例えばスピロ−(7−フルオロ−5−イン
デノ〔1,2−b〕ピリジン−5,5′チアゾリジン)
−2′,4′−ジオン−スピロ−(7−フルオロ−5
−インデノ〔1,2−b〕ピリジン−5,5′−(オキ
サゾリジン)−2′,4′−ジオン及びスピロ−(7−
フルオロ−5−インデノ〔1,2−b〕ピリジン−
5,3′−スクシンイミドが生成する。Sprinzak, J.
Amer. Chem. Soc., 80,5449(1958)記載の
方法に従って5−インデノ〔1,2−b〕ピリジンま
たはその誘導体を酸化(方法VII )すると、方法Vに従
ってさらに誘導化することができる。対応する5−オン
またはケトン誘導体が生成する。方法Iに従って反応さ
せると、ケトンがスピロ−ヒダントイン誘導体例えばス
ピロ−(7−フルオロ−5−インデノ〔1,2−b〕
ピリジン−5,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−
ジオンに転化する。上記スピロ誘導体は方法VIに従って
さらに誘導化、例えばニトロ化することができる。実施
例XVI 及びXI参照。
【0066】製造例G 合成化合物5−インデノ〔1,2−c〕ピリジン−5
−オン及び5H−インデノ〔1,2−c〕ピリジン及び
この誘導体は以下のようにすれば製造できる。3−アザ
フルオレノン〔5−インデノ〔1,2−c〕ピリジン
−5−オン)をMayor and Wentrup, J. Amer. Chem. So
c., 97,7467(1975)の方法に従って製造す
る。ケトンは方法Vに従って誘導化できる。ケトン、例
えば5−インデノ〔1,2−c〕ピリジン−5−オン
は方法Iに従ってヒダントイン誘導化する。Kloc et a
l.,Heterocyles, ,849(1978)に従ってこ
の3−アザフルオレノンをウオルフ・キッシナー還元
(方法VIII)すると、対応する5−インデノ〔1,2
−c〕ピリジンが生成する。これを方法II−IVに従って
誘導化すると、対応するスピロ−チアゾリジンジオン、
スピロ−オキサゾリジンジオン及びスピロ−スクシンイ
ミドが生成する。上記スピロ誘導体は方法VIに従ってさ
らに誘導化できる。
【0067】製造例H 合成化合物9−インデノ〔1,1−c〕ピリジン−9
−オン及び9−インデノ〔1,1−c〕ピリジンはMa
yor and Wentrup, J. Amer. Chem. Soc., 97,746
7(1975)の方法に従って製造する。さらに誘導化
するには方法Vによればよい。生成したインデノピリジ
ンまたは2−アザフルオレン生成物を方法II−IVに従っ
て誘導化すると、スピロ−チアゾリジンジオン、スピロ
−オキサゾリジンジオン及びスピロ−スクシンイミド誘
導体が生成する。ジクロム酸ナトリウムを使用するが、
表Aに示す他の酸化方法によってインデノピリジンを対
応するケトンに酸化する。生成ケトンを方法Vに従って
誘導化することができる。所定の2−アザフルオレノン
誘導体を誘導化すると、スピロ−ヒダントインが生成す
る。スピロ−(9−インデノ〔1,2−c〕ピリジン
−9,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオンの
製造については実施例XV参照。上記スピロ誘導体は方法
VIによってさらに誘導化できる。
【0068】さらに、例示すれば、Perin-Roussel and
Jacquignon, C. R. Acad. Sc. Paris. 278,27
9(1974)の方法によって7−アミノ−2−アザフ
ルオレンまたは7−アミノ−9−インデノ〔2,1−
c〕ピリジンを製造できる。このアミノ生成物は方法V
に従ってシーマン反応により7−フルオロ−9−イン
デノ〔2,1−c〕ピリジンに転換できる。この化合物
は方法I−IVによってスピロ−(7−フルオロ−9
インデノ〔2,1−c〕ピリジン−9,4′−イミダゾ
リジン)−2′,5′−ジオン、スピロ−(7−フルオ
ロ−9−インデノ〔2,1−c〕ピリジン−9,5′
−チアゾリジンジオン)−2′,4′−ジオン、スピロ
−(7−フルオロ−9−インデノ〔2,1−c〕ピリ
ジン−9,5′−オキサゾリジン)−2,4′−ジオン
及びスピロ−(7−フルオロ−9−インデノ〔2,1
−c〕ピリジン−9,3′−スクシンイミドに転換でき
る。
【0069】製造例I ケトン化合物9−インデノ〔2,1−b〕ピリジン−
9−オンはKloc,Michowski and Szulc, J. pract. ch
emie. 319,95q(1977)の方法によって製造
することができる。このケトンは方法Vに従って誘導化
できる。置換または未置換ケトンを次に方法Iに従って
誘導化すると、方法VIに従ってさらに変性できるスピロ
−ヒダントインが生成する。上記のケトンを方法VIIIに
示した方法かウオルフ・キッシナー還元により還元する
と、対応する9−インデノ〔2,1−b〕ピリジンが
生成する。次に、これを方法II、III 及びIVに従って誘
導化すると、スピロ−チアゾリジンジオン、スピロ−ス
クシンイミドが生成する。
【0070】あるいは、5−インデノ〔2,1−b〕
ピリジン−5−オン(1−アザフルオレン−9−オンと
呼ばれている)及び5〜8位置フルオロまたはクロロ誘
導体をUrbina, Synthetic Comm., ,245(19
79)の一般的な方法によって製造する。この場合、置
換または未置換1−フエニル−2−プロパン(例えば1
−(4′−フルオロフエニル)−2−プロパン)にアク
リロニトリルを添加すると、対応する5−シアノ−3−
フエニル−2−ペンタノン、例えば5−シアノ−3−
(4′−フルオロフエニル)−2−ペンタノンが生成す
る。このペンタノン生成物を水素化し、環化して対応す
る2−メチル−3−フエニルピペリジン、例えば2−メ
チル−3−(4′−フルオロフエニル)ピペリジンにす
る。380〜420℃の温度で触媒K−16(Prostako
n, Mathew and Kurisher, KhimGeterotsikl. Scod.,
876(1970))を用いて、この2−メチル−3−
フエニルピペリジンを芳香族化すると、対応する2−メ
チル−3−フエニルピリジンが形成する。芳香族化はpd
/cによっても実施できる。K−16を用いて、500〜
550℃でメチル−3−フエニルピリジンをデヒドロ環
化すると、適当な1−アザフルオレン、例えば7−フル
オロ−1−アザフルオレンが生成する。方法II、III 及
びIVに従って9−インデノ〔2,1−b〕ピリジン及
びこの誘導体(例えば7−フルオロ−9−インデノ
〔2,1−b〕ピリジンをスピロ−チアゾリジンジオ
ン、スピロ−オキサゾリジンジオン及びスピロ−スクシ
ンイミド誘導体に転化する。9−インデノ〔2,1−
b〕ピリジンは方法VII で説明した一般的な手順か過マ
ンガン酸カリウムを用いて(Urbina, ibid)酸化する。
方法Iに従って生成したケトン、例えば7−フルオロ−
−インデノ〔2,1−b〕ピリジン−5−オンを誘
導化すると、スピロ−ヒダントイン誘導体、例えばスピ
ロ−(7−フルオロ−9−インデノ〔2,1−b〕ピ
リジン−9,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジ
オンが生成する。
【0071】製造例J 合成化合物5−シクロペンタ〔2,1−b:4,3−
b′〕ジピリジン−5−オン、5−シクロペンタ
〔1,2−b:3,4−c′〕ジピリジン−5−オン、
−シクロペンタ〔1,2−b:4,3−b′〕ジピ
リジン−5−オン、5−シクロペンタ〔2,1−b:
4,3−c′〕ジピリジン−5−オン、5−シクロペ
ンタ、〔1,2−b:3,4−c′〕ジピリジン−5−
オン、5−シクロペンタ−〔1,2−b:4,3−
b′〕ジピリジン−5−オン、5−シクロペンタ
〔2,1−b:4,3−c′〕ジピリジン−5−オン、
−シクロペンタ−〔2,1−b:3,4−c′〕ジ
ピリジン−5−オン、及び5−シクロペンタ−〔2,
1−b:3,4−b′〕ジピリジン−5−オンはKloc,
Michowski and Szulc, J. pract. chemie, 313,
95q(1977)の方法によって製造できる。方法I
に従ってこれらケトンをスピロ−ヒダントイン生成物に
誘導化する。上記ケトンをウオルフ・キッシナー還元す
るか、方法III に従って還元すると、対応するジアゾフ
ルオレン化合物例えば5−シクロペンタ〔2,1−
b:4,3−b′〕ジピリジンが生成する。方法II−IV
に従ってこれらジアゾフルオレン化合物を誘導化する
と、対応するスピロ−チアゾリジンジオン、スピロ−オ
キサゾリジンジオン及びスピロ−スクシンイミド誘導体
が生成する。
【0072】製造例K Josey and Jenner, J. Org. Chem.,27(1962)
2466and Mazzolaet al., J. Org. Chem.,32
(1967)486.の一般的な方法に従って、合成化
合物9−ピロールオール〔1,2−a〕インドール、
−ピロールオール〔1,2−a〕インドール−9−
オン、及びこれらの誘導体を製造する。この方法では、
氷酢酸中で2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(Al
drich Chemical, Inc.)で置換または未置換メチルアン
トラニレート(Aldrich Chemical,Inc.)を縮合させ
る。水性アルコール(例えば50%メタノール)中10
〜15%水酸化ナトリウムまたはカリウムを用いて生成
した1−(2−メトキシカルボニルフエニル)ピロール
をエステル加水分解すると、酸性化及び後処理後、対応
する1−(2−カルボキシフエニル)ピロールが生成す
る。次に、この酸を対応するアシル塩化物に転化して、
ケトンへのフリーデル・クラフツ環化を容易にする。ア
シル塩化物の好適な製造方法では、五塩化リンを用い、
次にフリーデル・クラフツ触媒として塩化第二スズを用
いて、アシル塩化物を所望のケトンに環化する。
【化69】
【0073】ケトンのセミカルバゾーンによりウオルフ
・キッシナー還元すると(方法VIII参照)、対応する9
−ピロールオール(1,2−a〕インドールヘテロ環
式化合物が生成する。方法Iに従って9−ピロールオ
ール〔1,2−a〕インドール−9−オンなどの生成し
たケトンを対応するスピロ−ヒダントインに転化する
(実施例XIV 参照)。生成したスピロ−ヒダントインは
方法VIに従ってさらに誘導化できる。あるいは、スピロ
−ヒダントイン誘導化の前に方法Vに従ってケトンを誘
導化してもよい。同様に、9−ピロールオール〔1,
2−a〕インドールまたはその誘導体を方法Vに従って
誘導化してもよい。次に、誘導化または未誘導化ヘテロ
環式化合物を方法IIに従って誘導化すると、対応するス
ピロ−チアゾリジンジオン、スピロ−オキサゾリジンジ
オンまたはスピロ−スクシンイミドがそれぞれ生成す
る。それから、これらスピロ誘導体を方法VIに従って誘
導化すればよい。
【0074】
【実施例】実施例 I 9−ヒドロキシ−9H−フルオレン−9−カルボン酸メ
チルエステル(1 ) :
【化70】
【0075】9−ヒドロキシ−9−フルオレン−9−
カルボン酸(Aldrich Chemical,Inc.) (20.0g, 88.4mm
ol)塩化水素で飽和した100mlメタノールに添加し、
混合物を4時間還流しながら攪拌した。冷却後得られた
結晶質物質を濾過により回収し、冷酢酸エチル/ヘキサ
ン(1:1)で洗浄し、乾燥して、(1) の15.8g
(74%) を得た。
【0076】スピロ−(9H−フルオレン−9,5′−
オキサゾリジン)−2′,4′−ジオン(2) :
【化71】
【0077】ナトリウム(190 mg, 8.26mmol)の20ml
無水エタノールからなる攪拌されている溶液に尿素(50
0 mg, 8.26mmol)及び9−ヒドロキシ−9−フルオレ
ン−9−カルボン酸メチルエステル(1) (2.00g, 8.26
mmol)を添加した。チッ素下還流しながらこの混合物を
15時間攪拌した。室温に冷却した後、反応混合物を1
00mlの水に注ぎ、2N塩酸水溶液で酸性化して生成物
を析出させ、これを濾過によって回収し、水洗し、乾燥
して1.5gの粗生成物(2) を得た。酢酸エチルから再
結晶させて260mg(12%)、融点225−257℃を
得た。母液を蒸発させ、その後酢酸エチル/ヘキサンか
ら再結晶させて、620mg(30%)を得た。M/e+
51。尿素及びナトリウムエトキシドを使用してα−ヒ
ドロキシエステルからオキサゾリジンジオンの製造につ
いては、Stoughton, J. Am. Chem. Soc.(1941)
,2376参照。
【0078】実施例 II 2−フルオロ−9H−フルオレン−9−カルボン酸(3 )
【化72】
【0079】(米国特許出願第368630号及び同3
68631号明細書の記載に従って製造した)2−フル
オロフルオレンの無水THE500ml(25.0g, 0.136
mmol)からなる0.5℃の攪拌されている溶液に、チッ
素雰囲気下30分間にわたってn−ブチルリチウム(1.
25eq, 0.170 ml, 2.6 Mヘキサン溶液65ml)を滴下し
た。35分経過後、溶液に無水二酸化炭素の流れを通し
始め、0〜15℃で15分間そして室温で45分間続け
た。2N塩酸水溶液(200 ml)を加え、混合物を分離漏
斗に移した。水性相を分離し、1×100mlの酢酸エチ
ルで回収した。合せた有機相を1×100ml塩水で洗浄
し、乾燥(MgSO4 )し、そして蒸発した。暗色の残留物
を250mlヘキサンと共に粉砕して、粗酸生成物16.
6gを得た。アセトニトリルから再結晶により酸生成物
(3) 10.2gを得た。濃縮した濾液から20gの生成
物を得た。さらに、濾液のクロマトグラフィー及び10
〜50%酢酸エチル/ヘキサルを使用するシリカゲル濃
ヘキサン抽出により2.8gの生成物を得た。合計収
量:15.0g(48%)。
【0080】2−フルオロ−9H−フルオレン−9−カ
ルボン酸メチルエステル(4) :
【化73】
【0081】2−フルオロ−9−フルオレン−9−カ
ルボン酸(3) (16.7g, 73.2mmol)の200mlメタノー
ルからなる、攪拌されている氷冷溶液に塩化アセチル
(33ml)を滴下し、溶液を4時間還流させた。溶剤を除
去し、粗生成物を得た。これをメタノールから再結晶さ
せて、(4) の14.1g(79%)、融点90〜92℃
(ヘキサンから)を得た。フエニルリチウム及びメタノ
ール系塩化水素によるエステル化を使用する、フルオレ
ンからの9−フルオレン−9−カルボン酸の製造につ
いては、Baving, Anal. Chem. (1960)32,5.
54参照。
【0082】2−フルオロ−9−ヒドロキシ−9H−フ
ルオレン−9−カルボン酸メチルエステル(5)
【化74】
【0083】ナトリウム(1.25eq, 22.3mmol, 510 mg)
の100mlメタノールからなる攪拌されている溶液に2
−フルオロ−9−フルオレン−9−カルボン酸メチル
エステル(4) (4.33g, 17.9mmol)を加えた。15分
後、溶液に無水酸素を流し始め、1時間続けた。反応液
が濁るまで、重亜硫酸ナトリウム(24.5g)の溶液の一
部を加えた。次に、残りの重亜硫酸溶液に混合物を注い
だ。氷冷した後、分離した固形物を濾過により回収し、
水でよく洗い、乾燥して(5) の4.05g(88%)を得
た。
【0084】スピロ−(2−フルオロ−9H−フルオレ
ン−9,5′−オキサゾリジン)−2′,4′−ジオン
(6)
【化75】
【0085】ナトリウム(1.03eq, 130 mg)の13ml無
水エタノールからなる攪拌されている溶液に2−フルオ
ロ−9−ヒドロキシ−9−フルオレン−9−カルボン
酸メチルエステル(5) (1.42g, 5.5 mmol)及び尿素
(5.5 mmol, 330 mg)を添加した。それから混合物を1
5時間還流させた。室温に冷却後、混合物を65mlの水
に濯ぎ、2N塩酸水溶液で酸性化した。分離した黄色固
形体を回収し、水洗し、乾燥して1.19gの粗生成物
を得た。1−100%メタノール/クロロホルムを使用
するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製物(6) の
580mg(39%),m/e+ ・261を得た。
【0086】実施例 III 9−クロロ−9H−フルオレン−9−カルボン酸メチル
エステル(7)
【化76】
【0087】9−ヒドロキシ−9−フルオレン−9−
カルボン酸メチルエステル(1) (5.00g, 20.8mmol)及
び50ml塩化チオニルの混合物を3時間還流しながら加
熱した。塩化チオニルを回転蒸発器を除去し、残った固
形残留物を50mlベンゼンに再溶解し、次に蒸発させて
痕跡量の塩化チオニルを除去した。生成物を酢酸から再
結晶させて、(7),3.23g(60%)、融点111〜1
14℃を得た。10%酢酸エチル/ヘキサンを使用する
シリカゲルクロマトグラフィーにより濃濾液からさらに
960mg(18%)の生成物を得た。
【0088】スピロ−〔9H−フルオレン−9,5′−
(2′−アミノ−4′−チアゾロン)〕(8)
【化77】
【0089】150mlジオキサン中9−クロロ−9
フルオレン−9−カルボン酸メチルエステル(7) (4.21
g, 16.3mmol)及びチオ尿素(1.24g, 16.3mmol)の混
合物を還流しながら10時間加熱した。室温に冷却後、
濾過によって微細な白色固形物を回収し、ジオキサンで
洗浄して(8),1.31g(30%)を得た。フラスコ内に
残ったガム状残留物を10〜20%メタノール/クロロ
ホルムを使用するシリカゲルクロマトグラフィー処理し
て、さらに(7) の220mg(5%),融点320〜32
2℃(dec )を得た。ジオキサン中チオ尿素を使用して
α−ハロ酸ハロゲン化物から2−イミノ−4−チアゾリ
ジンジオンを製造することについては、Skinner, J. Or
g. Chem.(1961)26,1450参照。
【0090】スピロ−(9H−フルオレン−9,5′−
チアゾリジン)−2′,4′−ジオン(9)
【化78】
【0091】スピロ−〔9−フルオレン−9,5′−
(2′−アミノ−4′−チアゾロン〕(8) 1.19g, 4.47
mmol),24mlメタノール及び24ml濃塩酸の混合物を
4時間還流した。反応混合物を氷冷し、白色の析出物を
濾過により回収し、水洗し、乾燥して640mgの粗生成
物(9) を得た。アセトニトリルからの再結晶によって4
90mg(41%),融点253〜255℃を得た。母液か
らさらに80mg(7%)を得た。 計算値:C, 67.40 %; H, 3.39%; N, 5.24%。実測
値:C, 67.46 %; H,3.43%; H, 5.32%。 メタノール系塩化水素を使用して2−アミノ−4−チア
ゾロンを加水分解してチアゾリジンジオンにすることに
ついては、Koltai, Tetrahedron (1973)29,2
781参照。
【0092】実施例 IV 9−クロロ−2−フルオロ−9H−フルオレン−9−カ
ルボン酸メチルエステル(10)
【化79】
【0093】2−フルオロ−9−ヒドロキシ−9−フ
ルオレン−9−カルボン酸メチルエステル(5) (4.00
g, 15.5mmol)及び塩化チオニル50mlの混合物を3時
間還流させた。塩化チオニルを回転蒸発器で除去した
後、50mlベンゼンに再溶解させた後、ベンゼンを蒸発
させ、痕跡量の塩化チオニルを除去した。これ以上精製
せずに粗生成物4.3g(100 %)を使用した。
【0094】スピロ−〔2−フルオロ−9H−フルオレ
ン−9,5′−(2′−アミノ−4′−チアゾロン)〕
(11)
【化80】
【0095】140mlジオキサン中9−クロロ−2−フ
ルオロ−9−フルオレン−9−カルボン酸メチルエス
テル(10)4.31g, 15.6mmol)とチオ尿素(1.1 eq, 17.2
mmol, 1.31g)の混合物を10時間還流させた。室温に
冷却した後、濾過によって微細な白色の析出物を回収
し、水洗して(11)1.28g(29%)を得た。5〜50
%メタノール/クロロホルムによるシリカゲルクロマト
グラフィーによって濃縮濾液からさらに1.3g(29
%)の(11)を得た。
【0096】スピロ−(2−フルオロ−9H−フルオレ
ン−9,5′−チアゾリン)−2′,4′−ジオン(1
2)
【化81】
【0097】スピロ−〔2−フルオロ−9−フルオレ
ン−9,5′−(2′−アミノ−4′−チアゾロン)〕
(11)(1.85g, 6.51mmol)、35mlメタノール及び35
ml濃塩酸からなる混合物を6時間還流下加熱した。室温
に冷却した後、濾過によって白色の析出物を回収し、水
洗して粗生成物(12)1.22gを得た。エタノールから
の再結晶によりさらに合計で870mg(47%)、融点2
72〜276℃(dec)、m/e+ ・285を得た。
【0098】実施例 V 2,7−ジフルオロ−9H−フルオレン−9−カルボン
酸(13)
【化82】
【0099】(米国特許出願第368630号及び同第
368631号明細書に従って製造した)2,7−ジフ
ルオロフルオレンの75ml無水ジエチルエーテルからな
る、攪拌されている室温溶液にチッ素雰囲気下15分間
にわたってn−ブチルリチウム(1.25eq, 61.9mmol, 2.
6 ヘキサン溶液24ml)を添加した。溶液を30分間還
流し室温まで冷却してから、ただちに大きな過剰量のド
ライアイス粉末のエーテルスラリーに注いだ。ドライア
イスの蒸発後、2塩酸水溶液100ml及び酢酸エチル
50mlと一緒に分離漏斗に移した。よく振とうした後有
機相を分離し、乾固するまで蒸発させた。残留物を中温
(50℃)の2%水酸化ナトリウム水溶液2×100mlで
抽出してから、抽出物を濃塩酸で酸性化して不純物含有
酸生成物を析出させた。これを濾過により回収し、水洗
した。得られたものを50%酢酸エチル/ヘキサンに溶
解し、同じ溶剤を使用する50mm×7シリカゲルカラム
に通した。これにより、強く着色した基準線不純物を除
去し、次工程に使用するのに十分な純度の生成物(13)、
7.91g(65%)、融点128〜130℃(ベンゼン
から)を得た。
【0100】2,7−ジフルオロ−9H−フルオレン−
9−カルボン酸メチルエステル(14)
【化83】
【0101】77mlメタノール中、2,7−ジフルオロ
−9−フルオレン−9−カルボン酸(14)(6.90g, 28
mmol)の攪拌されている氷冷溶液に塩化アセチル(13m
l)を滴下した。混合物を4時間還流下加熱した。氷冷
後結晶化した生成物を濾過により回収し、冷メタノール
で洗浄して(14)、5.15g (71%) 、融点161〜1
63℃(トルエンから)を得た。
【0102】2,7−ジフルオロ−9−ヒドロキシ−9
H−フルオレン−9−カルボン酸メチルエステル(15)
【化84】
【0103】ナトリウム(1.25eq, 22.7mmol, 520 mg)
の100mlメタノール溶液に2,7−ジフルオロ−9
−フルオレン−9−カルボン酸メチルエステル(14)(4.
73g, 18.2mmol)を添加した。15分後、溶液に無水酸
素の流れを流し始め、1時間続ける。重亜硫酸ナトリウ
ム24.5gの800ml水からなる溶液の一部を、混合
物が濁るまで添加してから、全体を残りの重亜硫酸溶液
に注いだ。濾過によって固形物を回収し、水洗し、乾燥
して(15)の4.68g(93%)、融点174〜176℃
(ベンゼンから)を得た。
【0104】9−クロロ−2,7−ジフルオロ−9H−
フルオレン−9−カルボン酸メチルエステル(16)
【化85】
【0105】2,7−ジフルオロ−9−ヒドロキシ−9
−フルオレン−9−カルボン酸メチルエステル(15)
(3.63g, 13.1mmol)及び50ml塩化チオニルの混合物
を4時間還流下加熱した。反応混合物を次に300mlベ
ンゼンで希釈し、蒸発させて(16)3.7g(96%)を得
た。これを精製せずに次工程で使用した。融点140〜
142℃(アセトニトリルから)。
【0106】スピロ−〔2,7−ジフルオロ−9H−フ
ルオレン−9,5′−(2′−アミノ−4′−チアゾロ
ン)〕(17)
【化86】
【0107】110ml無水ジオキサン中9−クロロ−
2,7−ジフルオロ−9−フルオレン−9−カルボン
酸メチルエステル(16)(3.56g, 12.1mmol)及びチオ尿
素(1.1 eq, 13.3mmol,1.01g)の混合物を12時間還
流下加熱した。室温に氷冷した後白色の析出物を濾過に
よって回収し、ジオキサンで洗浄し、乾燥して(17),4
90mg(13%)を得た。濾液濃縮物及びフラスコ内に残
ったガム状残留物を5〜20%メタノール/クロロホル
ムを用いて個別にシリカゲルクロマトグラフィー処理し
て、さらに1.00g(27%)の生成物、融点>300
℃を得た。
【0108】スピロ−(2,7−ジフルオロ−9H−フ
ルオレン−9,5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジ
オン(18)
【化87 】
【0109】スピロ−〔2,7−ジフルオロ−9−フ
ルオレン−(2′−アミノ−4′−チアゾロン)〕(17)
(1.17g, 3.87mmol)、21mlメタノール及び21ml濃
塩酸の混合物を6時間還流させた。反応混合物を氷冷
し、純白でない析出物を濾過によって回収し、水洗し、
乾燥して900mgの粗生成物(18)を得た。5〜10%メ
タノール/クロロホルムを使用してシリカゲルクロマト
グラフィーによりこれを処理して、精製物(18)530mg
(45%)、融点260〜263℃(dec )を得た。 計算値:C, 59.40 %; H, 2.33%; N, 4.62%。実測
値:C, 59.47 %; H,2.42%; N, 4.64%。
【0110】実施例 VI スピロ−(9H−フルオレン−9,3′−スクシンイミ
ド)(20)
【化88】
【0111】HCl/MeOH中、9−フルオレン−9−カル
ボン酸(Aldrich Chemical, Inc.)(10.0g, 4.46mmo
l)を還流させて得た9H−フルオロ−9−カルボン酸
メチルエステル(19)をナトリウム(1.2 eq, 53.5mmol,
1.23g)の100mlメタノール溶液に添加した。15分
後、2−クロロアセトアミド(1.1 eq, 46.1mmol, 4.59
g)を添加し、チッ素下2日間室温でこの混合物を攪拌
した。冷2.5%W/V水酸化ナトリウム水溶液400
mlに反応混合物を注ぎ、不溶物を濾過により除去した。
濾液を冷却し、濃塩酸で酸性化して、スピロ−スクシン
イミドを析出させた。これを回収し、自然乾燥して6.
7g(60%)を得た。メタノールからの再結晶により(2
0)4.28g(39%)、融点237〜239℃を得た。 計算値:C, 77.09 %; H, 4.45%; N, 5.62%。実測
値:C, 77.17 %; H,4.55%; N, 5.58%。
【0112】実施例 VII スピロ−(2−フルオロ−9H−フルオレン−9,3′
−スクシンイミド)(21)
【化89】
【0113】実施例VIと同様にしてスピロ−スクシンイ
ミド(21)、融点248〜250℃を製造した。ただし、
収率は25%であった。 計算値:C, 71.90 %; H, 3.77%; N, 5.24%。実測
値:C, 71.97 %; H,3.87%; N, 5.33%。
【0114】実施例 VIII 5H−インデノ〔1,2−b〕ピリジン−5−カルボン
酸メチルエステル(22)
【化90】
【0115】チッ素ふん囲気下30分間にわたって4−
アザフルオレン(14.65 g,87.6mmol)の(乾燥し、L
AHから蒸留した)150mlの無水テトラヒドロフラン
からなるかく拌されている0〜5℃溶液に、n−ブチル
リチウム(1.2 eq,105 mmol,2.6 ヘキサン溶液65m
l)を滴下した。1時間20分後、反応混合物を大過剰
量のドライアイスを含有するエーテルスラリーに注い
だ。溶剤を一夜蒸発させた。300mlメタノールに残留
物を懸濁させ、冷却してから、45分間にわたって60
ml塩化アセチルを滴下した。室温で混合物を22時間か
く拌した。クロマトグラフィー精製(30%酢酸エチル/
ヘキサンシリカゲル)及び溶剤蒸発により(22)16.3
g(83%)を得た。
【0116】5−ヒドロキシ−5H−インデノ〔1,2
−b〕ピリジン−5−カルボン酸メチルエステル(23)
【化91】
【0117】ナトリウム(1.1eq,60.1mmol,
1.38g)の150ml無水メタノールからなるかく拌
された溶液に5−ヒドロキシ−5−インデノ〔1,2
−b〕ピリジン−5−カルボン酸メチルエステル(22)
(12.3g,54.6mmol)の50ml無水メタノールからなる
溶液を添加した。溶液を氷冷し、15分後無水酸素を流
し始め、1時間続けた。それから、重亜硫酸ナトリウム
12gの200ml水からなる溶液に反応混合物を注い
だ。30分後、反応混合物を乾固するまで乾燥した。生
成した固形物を2×100mlアセトンで粉砕し、ろ過し
た。ろ過によって残った無機塩を回収した。ろ液の蒸発
により24.2gのピンク色の含湿固形物(23)を得た。
五酸化リンによる真空乾燥で12.5gの粗生成物(23)
を得た。酢酸エチル再結晶によってさらに(23)の2つの
生成物8.06g(61%)及び2.54g(19%)を得
た。
【0118】5−クロロ−5H−インデノ〔1,2−
b〕ピリジン−5−カルボン酸メチルエステル(24)
【化92】
【0119】200ml塩化チオニルと5−ヒドロキシ−
−インデノ〔1,2−b〕ピリジン−5−カルボン
酸メチルエステル(23)(8.06g,33.4mmol)の混合物を
4時間還流させながら加熱した。回転蒸発器で塩化チオ
ニルを除去して得た残留物を水とクロロホロムに分配
し、飽和重炭酸ナトリウムで中和した。クロロホルムで
さらに抽出した後、合せたクロロホルム抽出物を硫酸マ
グネシウム上で乾燥し、蒸発により(24),7.87g
(91%)を得た。
【0120】スピロ−(5H−インデノ〔1,2−b〕
ピリジン−5,5′(2′−アミノ−4′−チアゾロ
ン)〕(25)
【化93】
【0121】140ml酢酸中5−クロロ−5−インデ
ノ〔1,2−b〕ピリジン−5−カルボン酸メチルエス
テル(24)(7.87g,30.4mmol),チオ尿素(1.2 eq,3
6.4mmol,2.77g)及び酢酸ナトリウム(1.1 eq,33.4m
mol,2.74g)の混合物を40分間還流させた。それか
ら、100mlの水を加え、塩酸によってpHを6.7に調
節した。析出物からデカンテーションにより水性部分を
除き、さらに50mlの水で水洗した。酢酸エチルで乾燥
生成物を処理し、ろ過によって結晶質固形物を回収し、
乾燥して(25)1.81g(32%)を得た。
【0122】スピロ−(5H−インデノ〔1,2−b〕
ピリジン−5,5′−チアゾリジン)−2′−4′−ジ
オン(26)
【化94】
【0123】100mlメタノール/濃塩酸(1:1)の
溶液中還流しながら2時間スピロ−〔5−インデノ
〔1,2−b〕ピリジン−5,5′−(2′−アミノ−
4′−チアゾロン)〕(25)(1.00g,37.4mmol)をかく
拌した。それから、混合物を減圧下加熱しながらほぼ1
0mlまで濃縮し、氷冷し、水酸化ナトリウム溶液で中和
した。析出物をロ過により回収した後、水洗した。(2.
5 〜7%メタノール/クロロホルムを使用するシリカゲ
ル)クロマトグラフィーにより乾燥析出物を精製するこ
とにより、溶剤蒸発後、生成物400mgを得た。残留物
のエタノール再結晶によって結晶質生成物(26),m/e
+ ・2.68を得た。1700及び1745cm-1で強い
IRスペクトルバンドを示した。
【0124】実施例 IX スピロ−5H−インデノ〔1,2−b〕ピリジン−5,
3′−スクシンイミド(27)
【化95】
【0125】(金属ナトリウム、1.2eq,21.3mm
ol,490mg及び40ml無水メタノール)ナトリウムメ
トキシドのメタノールからなるかく拌されている室温溶
液にエステル(22)(4.00g,17.8mmol)を一度
に添加した。15分後、クロロアセトアミド(1.1e
q,19.5mmol,1.83g)を加え、チッ素ふん囲
気下室温で混合物をかく拌した。2日後、反応混合物を
100ml1N水酸化ナトリウムに注ぎ、氷冷し、濃塩酸
によってpH7に調節した。ロ過によって析出固形物を回
収し、冷水で洗浄した。活性炭処理しながら酢酸エチル
再結晶を行って、結晶質生成物(27)、1.03g(23
%),融点245〜246℃を得た。計算値:C,71.9
9 %; H, 4.03%; N, 11.20 %。実測値:C, 71.85
%; H, 4.14%; N, 11.17 %。
【0126】実施例 X 5H−インデノ〔1,2−b〕ピリジン−5−オン(2
8)
【化96】
【0127】Sprinzak, J. Am. Chem. Soc., 80(1
958)5449記載の一般的な方法を参照。(減圧下
加熱しながらメタノール中の40%トリトンB5ml及びピ
リジン5mlを蒸発させた後、ピリジンと共に10mlになる
まで蒸発させて得た)トリトンB溶液2mlを含有する無
水ピリジン50mlに4−アザフルオレン(5.0 g,30mm
ol)を溶解した。かく拌しながら溶液に気泡を連続供給
した。さらに2mlづつのトリトンB溶液を2時間おきに
2回以上添加した。6時間後、反応混合物を乾固するま
で蒸発した。30mlの水と共に残留物を粉砕し、(合計
200 ml(容量)の)酢酸エチルで4回抽出した。合せた
酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。
ろ過及び蒸発後、(シリカゲル及びクロロホルム)クロ
マトグラフィー処理して、溶剤蒸発後、4.5g(83
%)の(28)、融点132〜136℃(142℃と一般に
報告されている)を得た。
【0128】スピロ−(5H−インデノ〔1,2−b〕
ピリジン−5,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−
ジオン(29)
【化97】
【0129】圧力容器中で90%エタノール(75ml)に
溶解したシアン化カリウム(1.6 g,24mmol)及び炭酸
アンモニウム(5.3 g,55mmol)と5−インデノ
〔1,2−b〕ピリジン−5−オン(4.0 g,22mmol)
を混合し、105℃で40時間加熱した。混合物を30
0mlの水に注ぎ、濃HCl(pH1)で酸性化し、ろ過し
た。ろ液を中和し、生成した固形物をろ過により回収
し、水洗し、乾燥して4.5gを得た。この固形物の酢
酸エチル再結晶により3.2gの生成物を得た。(第1
回再結晶後、この物質は酢酸エチルに既に不溶であっ
た。)m/e+ ・251。
【0130】実施例 XI スピロ−(7−ニトロ−インデノ〔1,2−b〕ピリジ
ン−5,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオン
(30)
【化98】
【0131】冷い濃硫酸(10ml)にスピロ−インデノ
〔1,2−b〕ピリジン−5,4′−イミダゾリジン)
−2′,5′−ジオン(29)(1.0 g,4mmol)を添加
し、約10分間にわたって濃硝酸を滴下しながら、氷浴
中でかく拌した。室温に混合物を加温し、一夜かく拌し
た。生成した溶液を氷に注ぎ、溶液を濃水酸化ナトリウ
ム水溶液で中和した。生成固形物をろ過によって回収
し、小量の水で洗浄してから乾燥した。水酸化ナトリウ
ム溶液の添加によって生成物を中温の水(30ml)に溶解
し、ノーライト脱色木炭で処理し、セライト床でろ過
し、該セライト床を小容量の中温希薄塩基で洗浄した。
ろ液と洗浄液を合せ、塩酸で中和して得た固形物をロ過
によって回収し、水洗し、乾燥して0.76gの(30)を
得た。 計算値:C,56.76 %; H, 2.72%; N, 18.91 %。実
測値:C,56.59 %; H, 2.83%; N, 18.87 %。m/
+ ・296。
【0132】実施例 XII 4H−インデノ〔1,2−b〕チオフエン−4−オン(3
5)
【化99】
【0133】アントラニル酸メチル(90.0g,77ml,59
5 mmol,1.0 eq)に(100 ml蒸留水で希釈した120 ml,
1450mmol,2.4 eq)濃塩酸を添加した。光から保護しな
がら、生成した固液混合物を加熱し、かく拌しながら還
流させた。高温の澄明溶液を5℃に冷却して固形物を析
出させた。このかく拌されている混合物に、反応温度が
5℃未満に維持される量で亜硝酸ナトリウム溶液(41.0
9 g,596 mmol,1.0eq,90ml蒸留水)を添加した。
1.5時間後、フルオロホウ酸(95g,48%,水溶液)
をすばやく添加し、生成懸濁液を−10〜0℃でさらに
30分間かく拌した。ろ過によって懸濁固形物を回収
し、100ml冷水で水洗し、順次120ml冷メタノー
ル、500mlエーテルで洗浄した。濃硫酸を用いて生成
したピンク色の固形物を真空乾燥して、39.5gの(3
2)をピンク色の固形物(分解融点93〜98℃,Org.
Reactions .219で報告されている分解濃度10
2℃)として得た。
【0134】チオフエン(75ml)に懸濁しているジアゾ
塩(32)(39.5g,158 mmol,1.0 eq)に0℃で1時間に
わたって3.5−ジメチルピラゾール(15.80 g,164
mmol,1.04eq)及びヒドロキノン(1.91g,17mmol,0.
11eq)からなる溶液を滴下した。0〜5℃でさらに2.
5時間かく拌した後、周囲温度で一夜反応生成物をかく
拌した。(J. Org. Chem. 46(1981)3960
を参照)。減圧下加熱により蒸発すると、茶色の半固形
物が得られた。カラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル、1:9〜1:4エチルエーテル/石油エーテル)に
よって、19.4gが得られた。蒸留(沸点141〜1
60℃、4mmHg)により15.1gの(33)が得られた。
【0135】15.1gの(33)にメタノール系水酸化カ
リウム(200 mlメタノール中KOH12.8g)を添加し、
反応混合物を4時間還流させた後、水酸化カリウム(2.
5 g)を添加した。合計で5時間還流させた後、出発物
質(33)を完全に加水分解した(シリカゲル、40% Petエ
ーテル/エーテル)。冷却した混合物に250mlの水を
加え、希釈混合物を250mlエチルエーテルで抽出し
た。エーテル抽出物を150mlの10%KOHで逆抽出
した。水性留分を合せ、冷却してから濃塩酸でpH2まで
酸性化した。次に、酸性化スラリーをジエチルエーテル
(3×200 ml)で抽出し、エーテル抽出物を塩水洗浄
(150 ml)し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過
及び蒸発後、23.7gの黄かっ色の生成物が得られ
た。融点80℃(J. Med. Chem.,(1966)55
1で報告された融点93〜94℃)。この酸(13.7g,
69.2mmol,1.0 eq)に塩化チオニル(25.3ml,213 mmo
l,3.1 eq)を加え、混合物を2時間還流させた。冷却
後、減圧下加熱しながら3×100mlベンゼンと共に反
応混合物を蒸発させて、15gの(34)を暗色油として得
た。
【0136】チッ素下、0〜4℃で機械的にかく拌しな
がら、20分間にわたって酸塩化物(34)(15g,69.2mm
ol)のベンゼン(100 ml)溶液に塩化第二スズ溶液(40
mlベンゼン中SnCl4 9.1 g,4.1 ml,1.25eq)を添加し
た。合計で30分後に、100ml1N塩酸を含有する2
00cc氷に反応混合物を注いだ。(J. Org. Chem .,
(1970)872参照)。水性混合物を酢酸エチル
(600 ml)で抽出して、暗色の有機抽出物を得た。10
0%水酸化ナトリウム100ml,水100ml(2×)で
有機抽出物を洗浄して、有機酢酸エチル抽出物を得た。
これを無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過及び蒸発
によって暗色の残留物を得た。カラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル、1:9エチルエーテル/石油エーテ
ル)によって、オレンジ色の精製サンプル4.5g(35)
を得た。ヘキサンからの融点99.5〜101.5℃
J. Org. Chem. 35(1970)872に報告され
ている融点101℃)。 計算値:C, 70.94 %; H, 3.25%; S, 17.22 %。実
測値:C, 70.98 %; H, 3.33%; S, 17.16 %。
【0137】スピロ−(4H−インデノ〔1,2−b〕
チオフエン−4,4′−イミダゾリジン)−2′,5′
−ジオン(36)
【化100】
【0138】ガラスでライニングした高圧鋼製容器にケ
トン(35)(373 mg,2mmol)シアン化カリウム(406 m
g,5mmol)、炭酸アンモニウム(577 mg,6mmol)及
びエタノール(15ml)を加えた。110℃で24時間密
閉容器を加熱した。暗色の反応混合物を水に注ぎ、濃塩
酸でpH1まで酸性化した。ろ過によって暗色固形物を回
収し、10%水酸ナトリウム(30ml)中に再溶解し、木
炭で処理してから、ろ過した。濃塩酸でろ液を酸性化し
た。ろ過によって析出物を回収し、乾燥した。ジメチル
ホルムアミドに固形物を溶解し、Darco G-60で処理して
から、セライトパッドでろ過した。水で希釈した結果得
られた析出物をろ過によって回収した。回収した固形物
を10%水酸化ナトリウム(3ml)に溶解し、ろ過し、
ろ液を濃塩酸で酸性化した。白色の析出物をろ過によっ
て回収し、水洗し、105℃で乾燥して、110mgの(3
6)を得た。融点336〜8℃。 計算値:C, 60.92 %; H, 3.15%; N, 10.96 %。実
測値:C, 60.83 %; H, 3.22%; N, 10.97 %。
【0139】実施例 XIII 8H−インデノ〔2,1−b〕チオフエン−8−オン(3
8)
【化101】
【0140】25℃でo−ブロモ安息香酸(Aldrich Ch
emical Inc. )(28.1g,140 mmol,1.0 eq)に塩化チ
オニル(60.3g,37ml,500 mmol,3.6 eq)を添加し
た。添加後、反応混合物を13時間80℃に加熱した。
減圧下加熱によって蒸発を行い容量を減らした。それか
ら、チッ素ふん囲気下塩化アセチル中間体に100ml塩
化メチレン、次に100ml塩化メチレン中の3−ブロモ
チオフエン(Aldrich, Inc. )(22.8g,13.1ml,140
mmol,1.0 eq)を加えた。次に、0℃で反応混合物に少
量づつ三塩化アルミニウム(23.9g,179 mmol,1.3 e
q)を加えた。添加後、反応混合物を徐々に室温までも
っていった。17時間後、150mlの2N塩酸をゆっく
り添加して反応物を急冷した。水洗(2×150 ml)及び
塩水による水洗(100 ml)、無水硫酸マグネシウムによ
る乾燥、ろ過及びろ液の真空蒸発によってほぼ50gの
油状物(37)を得た。これをフリーザーで凝固させた。ジ
アリールケトンに対してIR1645cm-1
【0141】ジアリールケトン(37)(44g,480 mmol,
4eq)及び(水性硫酸銅、亜鉛ダスト、5%塩酸から得
た活性化銅)(30g,480 mmol,4eq)を200mlジメ
チルホルムアミド中で6.5時間還流させた。冷却後、
反応混合物をロ過し、150mlの水を加えた。ろ液をエ
チルエーテル(5×150 ml)で抽出した。エーテル抽出
液を合せ、150ml1N塩酸、150ml水及び150ml
塩水で洗浄した。それからエーテル溶液を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、ろ過し、蒸発させて、固形18.6
g(79%)を得た。ヘキサン再結晶により精製物(38),
融点111〜112℃を得た。 計算値:C, 70.97 %; H, 3.25%; S, 17.22 %。実
測値:C, 70.71 %; H, 3.26%; S, 17.12 %。
【0142】スピロ−(8H−インデノ〔2,1−b〕
チオフエン−8,4′−イミダゾリジン)−2′,5′
−ジオン(39)
【化102】
【0143】ガラスでライニングした高圧鋼製容器にケ
トン(38)(931.2 mg,5mmol)、シアン化カリウム(1.
01g,12.5mmol),炭酸アンモニウム(1.45mg,18mmo
l)及び25mlエタノールを加えた。115〜120℃
で密閉した容器を20時間加熱した。後の処理は実施例
XIIのスピロ−ヒダントイン(36)の場合とほとんど同じ
であった。精製物(39)、200mgはm/e+ ・256で
あった。 計算値:C, 60.92 %; H, 3.15%; N, 10.96 %。実
測値:C,60.88 %; H, 3.22%; N, 10.79 %。
【0144】実施例 XIV スピロ−(9H−ピロールホル〔1,2−a〕インドー
ル−9,4′−イミダゾリジン)−2′,4′−ジオン
(41)
【化103】
【0145】Josey and Jenner, j. Org. Chem.,27
(1962)2466に正確に従って9H−ピロールオ
ール〔1,2−a〕インドール−9−オンを得た。12
5ccステンレス鋼圧力反応容器に混合しながらケトン(4
0)(2.5 g,15mmol),シアン化カリウム(2.44g,3
7.5mmol)、炭酸アンモニウム(4.85g,45mmol)及び
50mlの90%エタノールを加えた。115〜118℃
に48時間密閉容器を加熱した。後処理は実施例XII(3
6)のそれと同じであった。回収、乾燥したサンプル65
0mg(41)は>290℃で分解した。 計算値:C, 65.26 %; H, 3.79%; N, 17.56 %。実
測値:C, 65.16 %; H, 4.00%; N, 17.59 %。
【0146】実施例 XV スピロ−(9H−インデノ〔2,1−c〕ピリジン−
9,4′−イミダゾリジン−2′,5′−ジオン(43)
【化104】
【0147】Fuson and Miller, j. Am. Chem. Soc.,
79(1957)3477に正確に従って3−メシトイ
ル−4−フエニル−ピリジンから2−アザフレオレン−
9−オン(42),融点152〜153℃(Fuson and Mill
er, ibidによれば155.5〜156.5℃)を得た。
40ccのステンレス鋼圧力容器に混合しながらケトン(4
2)(0.5 g,2.8 mmol)、シアン化カリウム(0.2 g,
3.1 mmol)、炭酸アンモニウム(1.0 g,11mmol)及び
10mlの無水エタノールを加えた。115〜120℃で
30時間密閉容器を加熱した。75mlの水に冷却反応混
合物を注ぎ、濃塩酸で酸性化し、ろ液を10%水酸化ナ
トリウムで塩基性にしてから、ろ過した。塩酸でろ液を
中和し、析出物を回収し、冷水で洗い、乾燥して、0.
11gの(43)、m/e+ ・251を得た。
【0148】実施例 XVI 7−フルオロ−5H−インデノ〔1,2−b〕ピリジン
(50) 5−フルオロ−1−インダノンの製造に使用する方法は
Olivier and Marechal(E. Bull. Soc. Chim. Fr.
(1973)3092−3095)に従うが、変更して
ある。ケトンの7−フルオロ−5H−インデロ〔1,2
−b〕ピリジンへの転化は、1−インダノンからの5
−インデノ〔1,2−b〕ピリジンの製造についてParc
ell and Hauck (J. Org. Chem. (1963)28.
3468〜3473)が記載している方法に従った。
【0149】
【化105】
【0150】塩化アルミニウム(350 g,2.62mol )を
650ml塩化メチレンで被覆し、そしてチッ素下かく拌
しながら、3−クロロプロピオニルクロリド(400 g,
3.15mol ,300 ml)の塩化メチレンからなる溶液250
mlを80分間にわたって添加した。15分間、250ml
塩化メチレンに溶解したフルオロベンゼン(256 g,2.
66mol ,250 ml)の溶液を1時間35分間にわたって添
加した。チッ素下、室温で一夜(約18時間)反応混合物
をかく拌した。それから、混合物を2.5 kgの氷に注ぎ、
4L の分離漏斗に移した。よく振とうした後、有機相を
回収し、水性部分を2×50ml塩化メチレンで抽出し
た。有機抽出物を合せ、3×200ml飽和重炭酸ナトリ
ウム水溶液、1×200ml塩水で洗浄し、乾燥(MgS
4 )し、そして蒸発して得た油状物を冷却して晶出さ
せた。2L ヘキサン再結晶によって325g(67%)を
得た。ろ液を500mlまで濃縮し、冷却してさらに42
g(9%)の生成物(46)を得た。
【0151】
【化106】
【0152】機械的かく拌器を備えた5L フラスコに3
−クロロ−1−(4−フルオロフエニル)プロパン(46)
(366 g,1.97mol )及び2.2L 濃硫酸を合せ、80
分間にわたって120℃に加熱し、そしてこの温度で3
0分間維持した。約80℃で塩化水素が発生し始める。
それから、反応混合物を20℃に冷却し、底部に排口を
もち、そして機械的かく拌器をもつ22L フラスコ内の
5kgの氷に注ぎ、そして6×1L クロロホルムで抽出し
た。抽出物を合せ、2×1L 飽和重炭酸ナトリウム水溶
液及び1×1L 塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4 )し、
濃縮して暗色の油状物を得た。蒸留によってケトン(47)
97.9g,沸点61〜66℃/0.15〜0.2mmを
得た。一部の暗色生成物は上記方法の過程で脱色した。
【0153】
【化107】
【0154】300mlトルエンに溶解した5−フルオロ
−1−インダノン(47)(22.2g,0.135 mol ),p−ト
ルエン−スルホン酸モノヒドレート(0.015 eq,390 m
g)及びピペリジン(1.1 eq,0.148 mol ,15ml)の溶
液をディーン・スタークトラップ内で30時間還流させ
た。反応混合物を濃縮し、蒸留してエナミン(48)8.6
g(29%)を得た。沸点95〜100℃/1.5mm。
【0155】
【化108】
【0156】15mlDMFに溶解したブロモプロピルア
ミンヒドロプロミド(1.0 eq,8.67g)のかく拌されて
いる溶液に10ml無水DMFに溶解したエナミン(8.6
g,40mmol)の溶液を加えた。チッ素下、かく拌されて
いる混合物を100℃に加熱し、次にこの温度で4時間
維持した。反応混合物を60mlの冷い2N塩酸水溶液に
注ぎ、2×50mlエチルエーテルで抽出し、非塩基性物
質を除去した。次に、水溶液を50mlエーテルで被覆
し、冷却し、濃水酸化ナトリウムで塩基性化した。有機
相を分離した後、水性部分を2×50mlエーテルで抽出
し、抽出物を1×50ml塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4 )し、濃縮して7.8gの暗色油状物を得た。蒸留に
よってテトラヒドロピリジン3.46g(46%)、沸点
83〜86℃/0.15mmを得た。
【0157】
【化109】
【0158】チッ素下ディーン・スタークトラップ内で
テトラヒドロピリジン(49)(3.19g,16.9mmol)、10
mlキシレン、10mlニトロベンゼン、及び350mg炭素
担持10%パラジウムからなる混合物を還流させた。次
に、反応混合物を室温まで冷却し、セライトでロ過し、
酢酸エチルで洗浄した。3×20ml2N塩酸水溶液でロ
液を抽出し、抽出液を合せ、2×25mlエチルエーテル
で洗浄し、非塩基性物質を除去した。固体炭酸カリウム
を使用して塩基性化して、ダークグリーンの固形物を析
出させ、これをろ過により回収し、水洗した。この物質
2.3g(75%)は、NMRによって次工程に使用する
のに十分な純度を有していることが判った。30%酢酸
エチル/ヘキサンによるシリカゲルクロマトグラフィー
によって精製を行って、黄色の固形物(50)、融点80〜
84℃を得た。
【0159】生成物(50)は方法VII に従って酸化できる
と共に、方法Iに従って対応するスピロ−ヒダントイン
に誘導化できる。さらに、生成物(50)は方法II、III 及
びIVに従ってそれぞれ対応するスピロ−チアゾリジンジ
オン、スピロ−オキサゾリジンジオン及びスピロ−スク
シンイミドに誘導化できる。
【0160】実施例 XVII 以上の製造例及び実施例に従って、簡単に入手できる出
発材料から、本発明による以下のスピロ−誘導体を製造
できる。表に記載したように、置換パターン及びu,z
の値によって得られるすべての構造的変更はすべて本発
明に含まれるものである。
【0161】
【化110】
【0162】
【表2】
【0163】
【化111】
【0164】
【表3】
【0165】
【化112】
【0166】
【表4】
【0167】
【化113】
【0168】
【表5】
【0169】
【化114】
【0170】
【表6】
【0171】
【化115】
【0172】
【表7】
【0173】
【化116】
【0174】
【表8】
【0175】
【化117】
【0176】
【表9】
【0177】実施例 XVIII スピロ−(2−フルオロ−9−フルオレン−9,5′
−チアゾリジン)−2′,4′−ジオン、スピロ−(6
−フルオロ−9−ピロールオール〔1,2−a〕イン
ドール−9,4′−イミダゾリジン)−2,4′−ジオ
ン、または本発明の範囲にあるスピロ三環式同族体のナ
トリウム塩を等量モルの水酸化ナトリウムを含有する水
に該化合物のいずれかを溶解し、そして次に混合物を凍
結乾燥することによってつくる。このようにして、スピ
ロ−ヒダントイン、スピロ−チアゾリジンジオンまたは
スピロ−スクシンイミドの所望のアルカリ金属塩をつく
ることができる。芳香族置換基がカルボン酸部位(例え
ば、イソプロパノール酸置換)を含む場合には、1当量
の塩基を使用すると、対応するカルボン酸ナトリウム塩
が生成する。前記の場合、2モル当量を使用すると、ジ
ナトリウム塩が生成する。この方法によって、所望のア
ルカリ金属塩が水に可溶な非晶性粉末として得られる。
同様な方法で、それぞれ前記の実施例に記載した本発明
の他のすべてのスピロ三環式化合物のアルカリ金属塩と
同様にして、カリウム及びリチウム塩を製造する。
【0178】実施例 XIX スピロ−(2−フルオロ−9−フルオレン−9,5′
−チアゾリジン)−2′,4′−ジオンのカルシウム塩
を、当量モルの水酸化カルシウムを含有する水に該化合
物を溶解し、次に混合物を凍結乾燥することによって製
造する。このようにして対応するマグネシウム塩を製造
できるが、これはこの特定の化合物だけでなく、それぞ
れ前記の実施例で記載したスピロ三環式同族体の他のす
べてのアルカリ土類金属塩についてもいえる。
【0179】実施例 XX スピロ−(7−フルオロ−9−インデノ〔2,1−
c〕ピリジン−9,4′−イミダゾリジン)−2′,
5′−ジオン、スピロ−(7−フルオロ−5−インデ
ノ〔1,2−b〕ピリジン−5,4′−イミダゾリジ
ン)−2′,5′−ジオンまたはスピロ−(7−フルオ
ロ−5−インデノ〔1,2−b〕ピリジン−5,5′
−チアゾリジン)−2′,4′−ジオンの塩化水素塩
を、1.0〜1.5当量の1N〜10N塩酸に該化合物
を溶解し、次に混合物を凍結乾燥して、過剰の塩酸を除
去することによって製造する。この方法によって、前記
スピロ誘導体及び、実施例XVII に記載したスピロ三環
式アジン同族体を、水に可溶な塩化水素塩粉末として製
造する。
【0180】実施例 XXI 下記の重量比で下記物質を混合することによって乾燥し
た固形薬剤組成物をつくる。
【表10】 スピロ−(2−フルオロ−9−フルオレン−9,5′−チアゾリ ジン)−2′,4′−ジオン 50 クエン酸ナトリウム 20 アルギン酸 5 ポリビニルピロリドン 15 ステアリン酸マグネシウム 5
【0181】乾燥固体組成物を完全に混合し、各錠剤が
活性成分100mgを含むように生成混合物を打錠する。
いずれの場合にも、適量(重量)のスピロ−チアゾリジ
ンジオンを単に使用するだけで、それぞれ10,25及
び200mgの活性成分を含む他の錠剤を同様にして製造
できる。同様に、スピロ−チアゾリジンジオン、スピロ
−イミダゾリジンジオン、スピロ−オキサゾリジンジオ
ン、スピロ−スクシンイミドの他の同族体も各重量比に
応じて錠剤として調合できる。
【0182】実施例 XXII 下記の重量比で下記物質を結合することによって乾燥固
形薬剤組成物を製造する。
【表11】 スピロ−(7−フルオロ−5−インデノ〔1,2−b〕ピリジン −5,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオン 50 炭酸カルシウム 20 ポリエチレングリコール平均分子量 30
【0183】組成が均一になるまで乾燥固体組成物を完
全に混合する。次に、粉末生成物を軟質弾性であるが硬
質のゼラチンカプセルに入れ、200mgの活性成分を含
むカプセルを製造する。
【0184】実施例 XXIII 実施例及び製造例で説明した以下のスピロ三環式化合物
のアルドースリダクテース酵素活性に対する抑制能につ
いて試験した。アルドースリダクテース酵素活性抑制試
験の方法は次の刊行物に記載されている。 a)P.F.Kador, L.O.Merola and J.H.Kinoshita, Docu
m. Ophthal. Proc. Series, 18,117-124 (1979); b)P.F.Kador, J.H.Kinoshita, W.H.Tung and L.T.Chy
lack, Jr., Invest.Ophthalmol Vis. Sci., 19,980-
982 (1980); c)P.F.Kador, D.Carper and J.H.Kinoshita, Analyt
ical Biochemistry114 ,53-58 (1981)。
【0185】0.1リン酸カリウム緩衝剤、pH6.
2,0.2mMニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
ホスフェート(NADPH)、10mMD,L−グリセ
ルアルデヒドを含む試験用混合物を分光光度計のセル室
で25℃において温度自動調節した。NADPHの濃度
を大きくした以外、これら条件は刊行物(a) ,(b) 及び
(c) に記載されているのと同一であった。反応生成物の
ひとつNADP+ の酵素抑制作用が著しいので、より長
時間リニアーな反応速度を保てた。対照サンプルには抑
制剤を加えなかった。アルドースリダクテース抑制活性
を測定するために、以下に示す抑制剤を各種濃度で標準
培養混合物に加えた。酵素及びNADPHを含む対照品
は速度はかなり小さかったが、測定は可能であった。即
ち、NADPH酸化のグリセルアルデヒド依存速度を測
定するためのブランクとして使用した。試験はヒトの胎
盤アルドースリダクテース酵素を用いて行った。試験の
結果は多数回評価による。各化合物のIC50データは
ヒトの胎盤アルドースリダクテース酵素活性50%を抑
制するのに必要な化合物の濃度で表わす。1×10-4
以上の濃度でヒトの胎盤アルドースリダクテースを抑制
した場合に、試験化合物が活性とみなす。以下に、本発
明のスピロ三環式誘導体の生物学的活性の代表例をリス
トする。
【0186】A.d,1−スピロ−(2−フルオロ−9
−フルオレン−9,5′−チアゾリジン)−2′,
4′−ジオン
【化118】
【0187】B.スピロ−(2,7−ジフルオロ−9
−フルオレン−9,5′−チアゾリジン)−2′,4′
−ジオン
【化119】
【0188】C.d,1−スピロ−(5−インデノ
〔1,2−b〕ピリジン−5,3′−スルシンイミド)
【化120】
【0189】D.d,1−スピロ−(2−フルオロ−9
−フルオレン−9,3′−スクシンイミド)
【化121】
【0190】E.スピロ−(9−フルオレン−9,
3′−スクシンイミド)
【化122】
【0191】F.d,1−スピロ−(9−ピロロール
〔1,2−a〕インドール−9,4′−イミダゾリジ
ン)−2′,4′−ジオン
【化123】
【0192】G.d,1−スピロ−(7−ニトロ−5
−インデノ〔1,2−b〕ピリジン−5,4′−イミダ
ゾリジン)−2′,5′−ジオン
【化124】
【0193】H.スピロ−(9−フルオレン−9,
5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジオン
【化125】
【0194】I.スピロ−(9−フルオレン−9,
5′−オキサゾリジン)−2′,4′−ジオン
【化126】
【0195】J.d,1−スピロ−(2−フルオロ−9
−フルオレン−9,5′−オキサゾリジン)−2′,
4′−ジオン
【化127】
【0196】K.d,1−スピロ−(9−インデノ
〔2,1−c〕ピリジン−9,4′−イミダゾリジン)
2′,5′−ジオン
【化128】
【0197】L.d,1−スピロ−(4−インデノ
〔1,2−b〕チオフエン−4,4′−イミダゾリジ
ン)−2′,5′−ジオン
【化129】
【0198】M.d,1−スピロ−(8−インデノ
〔2,1−b〕チオフエン−8,4′−イミダゾリジ
ン)−2′,5′−ジオン
【化130】
【0199】N.d,1−スピロ−(5−インデノ〕
1,2−b〕ピリジン−5,4′−イミダゾリジン)−
2′,5′−ジオン
【化131】
【0200】研究(Kador, Merola and Kinoshita, Do
cum. Ophthal. Proo. Series18(1979) 117 )によ
れば、潜在的なヒトの化学療法用のアルドースリダクテ
ース抑制剤を評価するさいには、ヒトのアルドースリダ
クテースを用いる試験が必要である。アルドースリダク
テースの抑制感受性には種に結合した差異がある。例え
ば、合成化学抑制剤による抑制ではラットの水晶体アル
ドースリダクテースはヒトの胎盤アルドースリダクテー
スとは異なる挙動を示す。
【0201】実施例 XXIV Kador, Merola and Kinoshita, Docum. Ophthal. Pro
o. Series18(1979)117 and Kador and Sharpless, B
iophysical Chemistry (1978)81の方法に従っ
て、本発明化合物のラットの水晶体アルドースリダクテ
ースに対する抑制を評価した。その他については、ヒト
のアルドースリダクテースについて実施例XXVIで用い
た評価法と同じであった。ラットの水晶体アルドースリ
ダクテース酵素活性を50%抑制するのに必要な試験化
合物の濃度によって代表的なラットの水晶体アルドース
リダクテースを表わす。1−10 -4以下の濃度でラッ
トの水晶体アルドースリダクテース活性を抑制した場合
に、試験化合物が活性であるとみなす。
【0202】A.スピロ−(2−フルオロ−9−フル
オレン−9,5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジオ
【化132】
【0203】B.スピロ−(2,7−ジフルオロ−9
−フルオレン−9,5′−チアゾリジン)−2′,4′
−ジオン
【化133】
【0204】C.スピロ−(2−フルオロ−9−フル
オレン−9,3′−スクシンイミド)
【化134】
【0205】D.スピロ−(9−フルオレン−9,
5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジオン
【化135】
【0206】E.スピロ−(5−インデノ〔1,2−
b〕ピリジン−5,4′−イミダゾリジン)−2′,
5′−ジオン
【化136】
【0207】F.スピロ−(2−フルオロ−9−フル
オレン−9,5′−オキサゾリジン)−2′,4′−ジ
オン
【化137】
【0208】G.スピロ−(5−インデノ〔1,2−
b〕ピリジン−5,3′−スクシンイミド)
【化138】
【0209】H.スピロ−(8−インデノ〔2,1−
b〕チオフエン−8,4′−イミダゾリジン)−2′,
5′−ジオン
【化139】
【0210】実施例 XXV アルドースリダクテース抑制剤効力はラットの水晶体培
養法で評価できるが、ここでは“シュガー”白内障を誘
導するために、30mのグリコース、ガラクトースま
たはキシロースを培地に使用できる。水晶体の機能を調
べるために、水晶体透明度をモニターすることに加え
て、放射線ラベルマーカー(例えばコリン− 3H及び86
Rb)を用いる。Obazawa, Merola and Kinoshita ,In
vest. Ophthalmol.,13(1974)204 及びJernigan. Kado
r and Kinoshita, Exp. Eye., Res., 32(1981)709 参
照。
【0211】本実施例では、30mキシロース白内障
モデルを選択した。理由は30mキシロースが“シュ
ガー”白内障において30mグルコースや30m
ラクトースのいずれよりもより有効だからである。一般
的な方法は次の通りである。 (a)Spraque-Dawley ラット、体重75〜100gを殺し
た後ただちに水晶体を採取した。(b) 未処理対照水晶体
として水晶体対の対側の水晶体を使用した。(c)30m
キシロース、30mキシロース+所定濃度の試験化
合物、または所定濃度の試験化合物の存在下で試験水晶
体をTC−199培地で培養される。(d)試験化合物ま
たはキシロースを使用しない以外、対側の対照水晶体は
試験水晶体と同じである。(e) もう一方の水晶体対をC
2 恒温器中で18時間培養する。(f) 水晶体を形態学
的に比較し、秤量する。キシロース培地またはキシロー
ス・ドラッグ培地に移す前に各対照培地またはドラッグ
対照培地で1時間予め培養する。放射線ラベルマーカー
で測定する場合には、水晶体を前記のように処理する。
ただし、放射線ラベルマーカーを採取する前に4時間培
地に加える。放射線ラベルマーカーにはコリン− 3
(New England Nuclear 製〔メチル−14C〕−コリンク
ロリド)、AIBA-14 C(New England Nuclear 製α
−〔1−14C〕−(CH3 2 C(NH2 )COOH)
及び86Rbがある。86Rbの水晶体吸収、アミノ酸(A
IBA-14 C)の水晶体吸収及びコリン-3Hの水晶体吸
収に対するキシロースの効果及び本発明による代表的な
化合物の正常な水晶体形態を保つ効果を説明する。
【0212】30mキシロース及び30mキシロー
ス+所定濃度の試験化合物の放射能比に対する効果を対
照のL/M%として表わす。対照のL/W%は、同一条
件下(ただし、常に対照はキシロース及び試験化合物を
含まない)対照の対側水晶体放射能の培地放射能に対す
る比%として、即ち培地放射能で割った試験水晶体放射
能として定義する。培地における30mキシロースの
効果により、各L/M%によって判るように、水晶体に
再現性のある悪影響が現れる。さらに、TC−199培
地において30mキシロース中水晶体を培養すると、
水晶体は20%重くなり(ほとんどが乾燥水晶体重量に
基づく水分の増加)、水晶体皮質が不透明になる。所定
のアルドースリダクテース抑制剤の効果を決定するため
には、各実験において20〜40対の水晶体が必要であ
る。比較のために、米国特許出願第368630号及び
第368631号明細書の実施例と対照しながら、本発
明の代表的な実施例を以下に示す。
【0213】代表的な評価化合物 A.スピロ−(2−フルオロ−9−フルオレン−9,
4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオン; B.スピロ−(2,7−ジフルオロ−9−フルオレン
−9,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオン; C.スピロ−(2−フルオロ−9−フルオレン−9,
5′−チアゾリジン)−2′,4′、ジオン; D.スピロ−(2,7−ジフルオロ−9−フルオレン
−9,5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジオン;
【0214】
【表12】 いずれの場合も、化合物A,B,C及びDによって水晶
体の不透明化が防止され、培地中7.5×10 -7化合
物濃度で水晶体の湿分重量が増えた。
【0215】米国特許第368630号及び同第368
631号明細書に従う化合物A及びBは、それぞれ1日
1回1.26mg/kg及び0.4mg/kgの計量で経口投与
した場合に、ガラクトース血症ラットの白内障を予防す
るのに完全に効果的である。同じ明細書に記載されてい
る別な効力例では、化合物Aは白内障を予防し、そして
慢性的なストレプトゾトシン誘導ラットにおいて1日に
8mg/kgの経口投与量で運動神経伝導速度を有意義に維
持することが判った。
【0216】以下の実施例XXVI−XXVIIIは、本発明の特
定の好適な種を合成する方法をさらに例示するために示
すものである。
【0217】実施例 XXVI 2,4,5,7−テトラフルオロスピロ(9H−フルオ
レン−9,5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジオン
の合成 2,4,5,7−テトラフルオロフルオレンから、2,
4,5,7−テトラフルオロスピロ(9H−フルオレン
−9,5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジオンを4
工程で合成する実験の詳細を説明する。
【化140】
【0218】2,4,5,7−テトラフルオロフルオレ
ン−9−カルボン酸メチル n−ブチルリチウム(2.5 Mのヘキサン溶液5.6 ml)
を、窒素中で、2,4,5,7−テトラフルオロフルオ
レンの金ラベルのTHF(80ml)への−78℃の溶液に
2分間にわたって滴下して加えた。20分経過後に、混
合物をドライアイス(10g)の無水エーテルへのスラリ
ーに加えた。溶剤を蒸発させ、残留物をメタノール(20
0 ml)に溶かし、塩化アセチル(5ml)で酸性とした。
18時間にわたってかきまぜてから、反応生成物を濃縮
し、残留物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液(200 ml)で
希釈し、酢酸エチル(3×100 ml)で抽出した。有機物
を合わせて食塩水(3×100 ml)で洗浄し、乾燥し(Mg
SO4 )、蒸発させた。残留物をシリカゲル上で石油エー
テルを使用することによりクロマトグラフィーにかけた
ところ、2.1g(57%)の生成物が得られた。1 H NMR(DMSO−d6 、200 MHz )δ:7.44 (dd,
2H, J=2.2 及び 8.3Hz),7.40−7.25 (m, 2H), 5.37 (s,
1H), 3.76 (s, 3H)。
【0219】9−クロロ−2,4,5,7−テトラフル
オロフルオレン−9−カルボン酸メチル 2,4,5,7−テトラフルオロフルオレン−9−カル
ボン酸メチル(1.49g、5.03ミリモル)の乾燥THF
(15ml)への溶液を、未洗浄水素化ナトリウム(1.25当
量、6.29ミリモル、250 mgの60%油分散液)のTHF
(15ml)への室温の懸濁液に、14分間にわたってかき
まぜながら加えた。次にこの混合物を氷水浴で冷却し、
9分経過後に、N−クロロスクシンイミド(1.2 当量、
6.04ミリモル、810 mg)の溶液を14分間にわたって加
えた。徐々に室温まであたためてから、混合物を21時
間にわたってかきまぜ、100mlの水に加え、酢酸エチ
ルで抽出した。この抽出物を炭酸ナトリウム水溶液、二
硫化ナトリウム水溶液、および食塩水で洗浄し、乾燥し
(MgSO4 )、そして濃縮したところ、1.4gの粗物質
が得られた。シリカゲル上で、酢酸エチルのヘキサンへ
の20%溶液を使用することによりクロマトグラフィー
を行ったところ、970mg(58%)のほぼ純粋な物質が
得られた。1 H NMR(CDCl3 )δ:7.20 (dd, 2H), 7.0−6.6
(m, 2H), 3.75 (s, 3H)。IR(KBr):1730、160
0、1580、1410、1105cm-1。 質量分析:m/z 330 (M+)、271(基準ピーク)。
【0220】2,4,5,7−テトラフルオロスピロ
(9H−フルオレン−9,5′−チアゾリジン)−2′
−イミノ−4′−オン 9−クロロ−2,4,5,7−テトラフルオロフルオレ
ン−9−カルボン酸メチル(970 mg、2.94ミリモル)、
チオ尿素(1.1 当量、3.23ミリモル、250 mg)、および
酢酸ナトリウム(0.75当量、2.20ミリモル、180 mg)の
混合物の酢酸(8ml)への溶液を、8時間にわたって還
流した。この混合物を室温まで冷却し、沈殿物を濾過に
よって集め、酢酸とエーテルで洗浄し、風乾したとこ
ろ、440mgの粗物質が得られた。 質量分析:m/e 338 (M+)、268(基準ピーク)。
【0221】2,4,5,7−テトラフルオロスピロ
(9H−フルオレン−9,5′−チアゾリジン)−
2′,4′−ジオン 粗2,4,5,7−テトラフルオロスピロ(9H−フル
オレン−9,5′−チアゾリジン)−2′−イミノ−
4′−ジオン(440 mg)を、各8mlのメタノールと濃塩
酸の混合物中で4時間にわたって還流した。混合物が室
温まで冷えてから、8mlの水を加え、白色固形物を集
め、冷水で洗浄し、乾燥したところ、180mgの粗生成
物が得られた。シリカゲル上で、メタノールのクロロホ
ルムへの1%−10%溶液の勾配を使用することによりク
ロマトグラフィーを行ったところ、90mgのチアゾリジ
ンジオンが得られた。1 H NMR(DMSO-d6 、200 MHz )δ:7.78 (dd, 2
H, J=2.2 及び 8.0 Hz),7.52−7.41 (m, 2H)。 IR(KBr):1750、1700cm-1。 質量分析:m/z 339 (M+)、268(基準ピーク)。 C15 54 NO2 Sについて計算した分析値:C,5
3.14 ; H, 1.49;N, 4.13。実測値:C, 52.88 ; H,
1.58;N, 4.00。
【0222】実施例 XXVII 2,7−ジフルオロ−9−メチルスピロ (9H−インデ
ノ (1,2−b)ピリジン−5,4′−イミダゾリジ
ン) −2′,5′−ジオンの製造 2−(2−メチル−4−フルオロフェニル) −5−フル
オロ−3−ピリジンカルボン酸エチルからの、3,7−
ジフルオロ−9−メチルスピロ (5H−インデノ (1,
2−b)ピリジン−5,4′−イミダゾリジン) −
2′,4′−ジオンの4工程での合成を説明する。
【化141】
【0223】2−(2−メチル−4−フルオロフェニ
ル) −5−フルオロ−3−ピリジンカルボン酸エチル テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0) (0.02当量、0.89g) を、2−クロロ−5−フル
オロ−3−ピリジンカルボン酸エチル(0.038 モル、7.
87g) および2−メチル−4−フルオロフェニルボロン
酸(1.5 当量、0.057 モル、8.9 g) の、100mlのト
ルエン、50mlの2M炭酸ナトリウム水溶液、および2
5mlのエタノールへの溶液に、激しくかきまぜながら加
え、この混合物を9時間にわたり還流した。冷却した反
応混合物を、各10mlの水、水酸化アンモニウム、およ
び2Mの炭酸ナトリウム水溶液に加え、セライトを通し
て濾過した。濾液を酢酸エチルで抽出し、有機物を乾燥
し(MgSO4 )、濃縮したところ、12gの赤色の油が得
られた。クロマトグラフィー(シリカゲル、20%酢酸
エチル/ヘキサン)を行ったところ、9.7g(92%)
の生成物が淡色の油として得られた。1 H NMR(CDCl3 、60MHz )δ:8.7 (d, 1H), 8.0
(dd, 1H), 7.1−6.8 (m, 3H), 4.1 (q, 2H), 2.0 (s,
3H) 。 質量分析:m/z 277 (M+)。
【0224】2−(2−メチル−4−フルオロフェニ
ル)−5−フルオロ−3−ピリジンカルボン酸 メタノール(100 ml)、水(10ml)、水酸化カリウム
(2当量、4.0 g)、および2−(2−メチル−4−フ
ルオロフェニル)−5−フルオロ−3−ピリジンカルボ
ン酸エチル(1.0 当量、9.6 g)の溶液を、室温で16
時間かきまぜた。次に、この反応生成物を減圧下で濃縮
し、残留物を80mlの水に溶かした。濃塩酸で酸性とし
ても生成物が沈殿しなかったので、生成物を酢酸エチル
で抽出した。有機物を乾燥し(MgSO4 )、濃縮したとこ
ろ、8.5 g(99%)の生成物が灰白色の固形物として得
られた。1 H NMR(CDCl3 、60MHz )δ:9.7 (s, 1H), 8.7
(d, 1H), 8.0 (dd, 1H), 7.1 −6.8 (m, 3H), 2.0 (s,
3H)。 質量分析:m/z 249 (M+), 204 (基準ピーク)。
【0225】3,7−ジフルオロ−9−メチルスピロ
(5H−インデノ(1,2−b)ピリジン−5−オン 2−(2−メチル−4−フルオロフェニル)−5−フル
オロ−3−ピリジンカルボン酸(8.5 g、0.034 モル)
を102gのポリ燐酸に加え、3時間にわたり210℃
に加熱した。反応生成物を冷却させ、次に500mlの氷
水に加えた。酢酸エチルと1Nの水酸化ナトリウム水溶
液(各200 ml)を加え、この溶液をセライトを通して濾
過した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチル(2×75
ml)で抽出した。有機物を合わせ、重炭酸ナトリウム飽
和水溶液および水で洗浄し、乾燥し(MgSO4 )、減圧下
で濃縮したところ、4.0 gの緑色の固形物が得られた。
エタノール/酢酸エチルから再結晶させ、炭素で処理し
たところ、2.1 gの清浄な生成物が得られた。 融点:155 −157 ℃。1 H NMR(CDCl3 、60MHz )δ:8.3 (dd, 1H), 7.
4 (dd, 1H), 7.2 −6.8(m, 2H), 2.7 (m, 3H)。 IR(KBr):1730、1470、1280、785 cm-1。 質量分析:m/z 231 (M+), 203 (基準ピーク)。 C137 NOF2 について計算した分析値:C,67.54
;H,3.05;N,6.06。実測値:C,67.20 ;H,3.2
0;N,5.76。
【0226】3,7−ジフルオロ−9−メチルスピロ
(5H−インデノ(1,2−b)ピリジン−5,4′−
イミダゾリジン)−2,5′−ジオン 3,7−ジフルオロ−9−メチル−5H−インデノ
(1,2−b)ピリジン−5−オン(2.0 g、0.0087モ
ル)、シアン化カリウム(2.5 当量、0.022 モル、1.4
g)、炭酸アンモニウム(4当量、3.3 g)、および5
0mlのエタノールを密閉ボンベに入れ、24時間にわた
って115℃に加熱した。ボンベを室温まで冷却し、内
容物をセライトを通して濾過し、水および酢酸エチルで
洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を50mlの1
N水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、酢酸エチル(2×
30ml)で洗浄した。この水溶液を濃塩酸で酸性とし、酢
酸エチル(2×50ml)で抽出した。有機物を乾燥し(Mg
SO4 )、減圧下で濃縮したところ、600mgの粗褐色固
形物が得られた。エタノールから再結晶させたところ、
250mgの純粋な生成物が得られた。 融点:>320 ℃。1 H NMR(DMSO-d6 、200 MHz )δ:11.42 (s, 1
H,交換性), 8.66 (s,1 H, 交換性), 8.60 (m, 1H), 8.
17 (dd, 1H, J=2.7 および8.2 Hz), 7.37 (d d,1H), J
=2.3 および8.2 Hz), 7.24 (dd, 1H, J=1.7 および1
0.3 Hz), 2.79 (s,3H)。 IR(KBr):3200、1710、1390、1130cm-1。 質量分析:m/z 301 (M+)。 C159 2 3 2 について計算した分析値:C,5
9.81 ;H,3.01;N,13.95 。実測値:C,59.86 ;
H,3.17;N,13.67 。
【0227】実施例 XXVIII 3,7−ジフルオロ−9−メチルスピロ(5H−インデ
ノ(1,2−b)ピリジン−5,3′−ピロリジン)−
2′,5′−ジオンを合成するにあたっての一般的手順
【化142】
【0228】3,7−ジフルオロ−9−メチル−5H−
インデノ(1,2−b)ピリジン−5−オンを、高温の
ジエチレングリコール中にてヒドラジンで処理したとこ
ろ、3,7−ジフルオロ−9−メチル−5H−インデノ
(1,2−b)ピリジンが得られた。テトラヒドロフラ
ン中にてn−ブチルリチウムを使用することにより脱プ
ロトン化してから、二酸化炭素およびメタノール性塩化
水素と反応させたところ、3,7−ジフルオロ−9−メ
チル−5H−インデノ(1,2−b)ピリジン−5−カ
ルボン酸のメチルエステルが得られた。次に、このエス
テルを、わずかに過剰の水素化ナトリウムを使用するこ
とによりテトラヒドロフラン中で脱プロトン化し、イオ
ドアセトアミドで処理したところ、室温で18時間経過
させ、6時間還流を行った後に、標記の化合物が得られ
た。
【0229】本発明で特に重要なのは、次式:
【化143】 で、式中のtがCHR’、O、及びS(R’は水素ある
いは炭素原子数1−5の低級アルキル)よりなる群から
選ばれる四置換化合物である。特に好適なのは、フルオ
ロおよびメトキシ置換基が、互いに環のメタ位に位置し
ている化合物である。
【0230】上記の化合物を、トリフルオロ−5−ヒド
ロキシフルオレノンから生成するにあたっては、ジメチ
ルホルムアミドのような溶剤中でアルカリ金属のアルコ
キシドと反応させてから、ヨウ化アルキルで処理して、
ジフルオロ−ジアルコキシフルオレノンを良好な収率で
得る。その後のヒダントインへの転化は、本明細書に記
載したような標準的なブッヘラー−バーグス条件を使用
することによって進行させることができ、その結果、所
望の生成物が良好な収率で生成する。
【0231】実施例 XXIX 2,7−ジフルオロ−4,5−ジメトキシフルオレノン 2,4,7−トリフルオロ−5−ヒドロキシフルオレノ
ン(2.5 g、10ミリモル)とナトリウムメトキシド(25
%メタノール溶液6ml、3当量)の混合物の乾燥ジメチ
ルホルムアミド(80ml、オーバーシーブス)への溶液
を、窒素雰囲気中で、室温にて攪拌した。2時間経過後
に、さらに別のナトリウムメトキシド(25%メタノール
溶液6ml、3当量)を加えた。攪拌を2時間継続し、そ
の時点で、混合物をイオドメタン(15ml、46ミリモル、
4.6 当量)で20分にわたって処理した。反応生成物が
濃赤色となってから、水(300 ml)で希釈し、1Nの塩
酸で中和し、そして濾過し、水で洗浄した。得られた固
形物をあたたかい酢酸エチル(500 ml) に溶かし、乾燥
させ(MgSO4 )、炭素(ノリット(Norit )A)で処理
し、セライトを通して濾過し、そして濃縮した。残留物
を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶させたところ、2.
2g(80%)の生成物が赤色の固形物として得られた。 融点:185 −187 ℃。 IR(KBr):1722.0、1615.3、1487.4cm-11 H NMR(CDCl3 、200 MHz )δ:6.99 (dd, 2H,
J =2.3 および6.4 Hz),6.76 (dd, 2H, J=2.3 および
10.7 Hz), 3.90 (s, 6H)。 質量分析:m/z 376 (M+)。 C15102 3 について計算した分析値:C,65.22
;H,3.65。実測値:C,65.31 ;H,3.79。
【0232】実施例 XXX 2,7−ジフルオロ−4,5−ジメトキシスピロ(9H
−フルオレン−9,4′−イミダゾリジン) −2′,
5′−ジオン 2,7−ジフルオロ−4,5−ジメトキシフルオレノン
(1.5 g、5.3 ミリモル)、シアン化カリウム(1.4
g、21.2ミリモル、4当量)、および炭酸アンモニウム
(1.5 g、15.9ミリモル、3当量)の混合物の70mlの
エタノールへの溶液を、密閉したボンベ中で18時間に
わたって114℃に加熱した。次にこのボンベを冷却
し、混合物を1Nの水酸化ナトリウム水溶液(100 ml)
と1:1の酢酸エチル/ヘキサン混合物(100 ml)との
間で分離させた。塩基性の水性相を分離し、有機相を1
Nの水酸化ナトリウム水溶液(3×74ml)で抽出した。
塩基性の水性層を合わせて、エーテル(2×100 ml)で
洗浄し、乾燥させ(MgSO4 )、炭素(ノリット(Norit
)A)で処理し、セライトを通して濾過し、濃縮した
ところ、1.37g(70%)の粗物質が得られた。この
物質を同様にして得た別の粗物質425mgと合わせて、
まずエタノールで浸出させてからエタノールから再結晶
させたところ、1.5g(58%)の生成物が白色固形物
として得られた。 融点:> 326℃。 IR(KBr):3328.6、1779.3、1715.1、1607.4c
m-11 H NMR(DMSO- d6、200 MHz )δ:11.24 (a, 1
H, D2O 交換性), 8.64 (s, 1H, 交換性), 6.96 (m, 4
H), 3.87 (s, 6H) 。 質量分析:m/z 346 (M+)、基準ピーク 275。 C17122 4 2 について計算した分析値:C,5
8.96 ;H,3.49;N,8.09。実測値:C,59.01 ;
H,3.59;N,8.09。
【0233】実施例 XXXI 2,7−ジフルオロ−スピロ−(9H−フルオレン−
9,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオン(5) 2,7−ジフルオロフルオレン−9−オン(4,432 g,2.
0 モル)を、攪拌機を備えた密封圧力反応機(2 ガロン
容量)の中で、シアン化カリウム(195 g, 3.0モル) 、
炭酸アンモニウム(576 g, 6.0モル)及び試薬エタノー
ル(5%イソプロピルアルコール含有, 4500ml)と混合
し、そしてこの混合物を100℃に22時間加熱した。
反応物を室温まで冷却し、次に攪拌しながら水(6L)中
に注入し、この分散液を濃塩酸の添加によってpH3.
0まで酸性にした。ろ過によって固体を集め、次に水酸
化ナトリウム水溶液(約0.4 M )に溶解させた。この溶
液を木炭で脱色し、ろ過し、そして濃塩酸で(pH 3 に)
酸性にし、白色固体を得た。生成物をろ過によって集
め、水(4L)及びエチルエーテル(500 ml)で洗い、そ
して真空オーブン中30℃で24時間乾燥し、400g
(収率70%)のヒダントイン生成物(純度>99%)を得
た。
【0234】実施例 XXXII 2,7−ジフルオロ−4−メチルスピロ(9H−フルオ
レン−9,3′−ピロリジン)−2′,5′−ジオン
(AL03150)の合成 2,7−ジフルオロ−4−メチル−9−フルオレノン
(PS03078)からAL03150の調製を記述す
る。
【0235】2,7−ジフルオロ−4−メチル−9H−
フルオレン(PS03177) PS03078(4.0 g, 0.017モル)、ヒドラジンモノ
ハイドレート(4.0 当量, 0.069 モル, 3.5 g)及びジ
エチレングリコール(50ml)の溶液を3時間リフラック
ス(還流)した。この溶液を次に冷水に注ぎ、そして酢
酸エチルで抽出した。混合抽出物を飽和水性重炭酸ナト
リウム(2×25ml)、水(2×50ml)、及びブライン
(1×50ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4 で)し、そして濃
縮し、3.0gの暗黄褐色固体を得た。クロマトグラフ
ィー(シリカゲル,20%酢酸エチル/ヘキサン)の結
果、わずか灰色がかった白色の固体2.1g(収率56
%)を得た。1 H NMR(プロトンNMR)(CDCl3,60 MHz) δ:
7.6 (dd, 1H), 6.9(m,4H), 3.7 (s, 2H), 2.5 (s, 3
H)。 IR(KBr): 1600, 1460, 1230, 940cm-1。 質量分析:m/z 216 (M+), 201 (基準ピーク)。
【0236】メチル−2,7−ジフルオロ−4−メチル
フルオレン−9−カルボキシレート(PS03171) 窒素雰囲気下に、n−ブチルリチウム(1.1 当量, 0.01
モル, ヘキサン中4ml@2.5 M )を、25mlの乾燥テト
ラヒドロフラン中のPS03177(2.0 g,0.009モ
ル)の−78℃溶液に滴下添加した。5分後に、この暗
色溶液をエーテル中のドライアイスのスラリーに注入し
た。室温に加温した後、エーテル溶液を真空中で濃縮
し、そして褐色残渣をメタノール(50ml)に溶解し、塩
化アセチル(5ml)で酸性化し、次に室温で一夜攪拌放
置した。メタノールを真空中で除去し、そしてそれぞれ
50mlの飽和水性重炭酸ナトリウム及び酢酸エチルを残
渣に添加した。有機相を分離、水とブラインで洗い、乾
燥(MgSO4 )し、そして濃縮し、2.1gの黄色固体を
得た。1 H NMR (CDCl3, 60 MHz)δ:7.6 (dd, 1H),6.9 (m, 4
h), 4.5 (s, 1H), 3.5 (s, 3H), 2.5(s, 3H)。 IR(KBr):1730, 1450, 1170, 800 cm-1。 質量分析: m/z 231 (M+) 。
【0237】2,7−ジフルオロ−4−メチルスピロ
(9H−フルオレン−9,3′−ピロリジン)−2′,
5′−ジオン(AL03150) 乾燥テトラヒドロフラン(20ml)中のPS02178
(2.0 g, 0.007モル)の溶液を、30mlの乾燥テトラヒ
ドロフラン中のヘキサン洗浄水素化ナトリウム(1.1 当
量, 0.008 モル, 0.32 mg の60%油分散物)の懸濁液に
滴下添加した。5分後10mlのテトラヒドロフラン中の
ヨードアセトアミド(1.1 当量, 0.008 モル, 1.5 g)
溶液を加え、この反応物を室温で24時間攪拌した。テ
トラヒドロフランを真空中で除去し、残渣を水酸化ナト
リウム水溶液に溶解し、そして酢酸エチルで洗った。こ
の水溶液を濃塩酸を用いて酸性にし、得られた沈澱をろ
過によって集めた。わずか灰色がかった白色の沈澱物を
エタノールから再結晶し、900.0 mgの白色固体を得た。 融点:> 320℃。1 H NMR (DMSO-d6, 200 MHz) δ:11.80 (brs, 1H,
交換性), 7.86(dd, 1H, J =5.1 と 8.6 Hz), 7.
61 (dd,1H, J =2.5 と 8.9 Hz), 7.39 (dd, 1H, J =
2.5 と 8.6 Hz), 7.29 (ddd, 1H, J=2.6, 9.0と 9.0H
z), 7.14 (dd, 1H,J=2.2 と 10.5 Hz), 3.26 (s, 2H),
2.65 (s, 3H) 。 IR(KBr):1700, 1450, 1200, 820 cm-1。 質量分析: m/z 299 (M+), 228 (基準ピーク) 。 分析:C17H11F2NO2 の計算値: C, 68.23 ; H, 3.70 ;
N, 4.68 。実測値: C,68.22 ; H, 3.63 ; N, 4.74 。
【0238】実施例 XXXIII 2,7−ジフルオロ−4−メトキシスピロ(9H−フル
オレン−9,3′−ピロリジン)−2′,5′−ジオン
(AL03153)の合成 2,7−ジフルオロ−4−メトキシ−9H−フルオレン
(PS03311)からAL03153の二段合成を記
述する。
【0239】メチル−2,7−ジフルオロ−4−メトキ
シフルオレン−9−カルボキシレート(PS0335
2) n-ブチルリチウム(1.1 当量, 0.01モル, 3.8 ml)の
2.5 Mヘキサン溶液を、25mlの乾燥テトラヒドロフ
ラン中のPS033111(1.0 当量, 0.01モル,2.0
g)の−78℃溶液に滴下添加した。この反応物を−7
8℃に5分間保持し、次にジエチルエーテル中のドライ
アイススラリーに注入した。このグリーンの溶液を室温
まで加温し、真空で濃縮した。残渣を次に25mlのメタ
ノールに溶解し、塩化アセチルで酸性にし、そして室温
で16時間攪拌した。メタノールを真空で除去すると淡
色固体が得られ、これを酢酸エチルと重炭酸ナトリウム
水溶液に分配した。赤色の酢酸エチル溶液を乾燥(MgSO
4 )し、シリカゲルを通してろ過し、そして真空で濃縮
すると、2.3gの橙色固体が得られた。1 H NMR(CDCl3, 60 MHz) δ:7.8 (dd, 1H), 7.4-
6.5 (m, 4H), 4.8 (s, 1H), 4.0 (s, 3H), 3.8 (s, 3
H)。 質量分析: m/z 290 (M+), 231 (基準ピーク)。
【0240】2,7−ジフルオロ−4−メトキシスピロ
(9H−フルオレン−9,3′−ピロリジン)−2′,
5′−ジオン(AL03153) 20mlの乾燥テトラヒドロフラン中のPS03352
(2.3 g, 0.008モル) 溶液を、20mlのテトラヒドロフ
ラン中のヘキサン洗浄水素化ナトリウム(1.1 当量, 35
0 mgの60%油分散液)の懸濁液に滴下添加した。10ml
のテトラヒドロフラン中のヨードアセトアミド(1.1 当
量, 1.6 g)溶液を次に加え、反応物を室温で48時間
攪拌し、そして次に3時間リフラックスした。この赤色
溶液を真空で濃縮し、そして残渣を1N水酸化ナトリウ
ム水溶液に溶解し、酢酸エチルで洗浄した。この水溶液
を濃塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出した。抽出物を
乾燥(MgSO4 )し濃縮すると、2gの白色固体が生成
し、これをクロマトグラフ(シリカゲル, 60%酢酸エチ
ル/ヘキサン)にかけると、600mgの物質が得られ
た。エタノールから再結晶すると、250mgの、融点>
300℃の純粋な生成物が得られた。1 H NMR (DMSO-d6, 200 MHz) δ: 11.87 (s, 1H,
交換性), 7.92 (dd, 1H,J=5.4 および 8.3 Hz), 7.59
(dd, 1H, J =2.5 および 9.0 Hz), 7.27 (ddd,1H, J=
2.2, 7.1 および 8.6 Hz), 7.17 (dd, 1H, J=1.8 お
よび 8.6 Hz),7.05 (dd, 1H, J =2.0 および 11.5 H
z), 3.39 (s, 3H), 3.27 (d, 2H, J =2.7)。 IR(KBr): 1700, 1590, 1180, 830cm-1。 質量分析: m/z 315 (M+), 244( 基準ピーク)。 分析:C17H11F2NO3 の計算値: C, 64.76 ; H, 3.51 ;
N, 4.44 。実測値: C,64.84 ; H, 3.57 ; N, 4.45 。
【0241】実施例 XXXIV 2,7−ジフルオロ−4−ヒドロキシスピロ(9H−フ
ルオレン−9,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−
ジオン (AL03363)の合成 掲題の化合物を4−アミノ−2,7−ジフルオロ−9−
フルオレノン (PS03288)から2段階で調製し
た。
【0242】2,7−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−9
−フルオレノン(PS03430) 4−アミノ−2,7−ジフルオロ−9−フルオレノン
(PS03288、調製法は TR 034:36230:0787参照)
(7.0 g, 0.03 モル) を20mlのテトラヒドロフランに
溶解し、200mlの50%塩酸を分割しながら添加し、
アミン塩化水素塩を沈澱させた。懸濁液を0℃まで冷却
し、温度を5℃より低く保った。1時間攪拌後、反応混
合物を10%硫酸の105℃溶液に少量づつ移した。激
しい発泡が起ったが、これをおさまらせると、各添加の
間に温度は105℃に上昇した。橙色混合物を110℃
に1時間保ち、次に高温のままろ過し粗生成物を集め
た。橙色固体を高温の1.0N水酸化ナトリウムに懸濁
させ、フェノールのナトリウム塩を溶解させた。混合物
を高温のままろ過し、不溶性物質を除き、そして洗浄液
が無色になるまで漏斗を1.0N水酸化ナトリウムで洗
った。暗紫色の溶液を室温に冷却し、濃塩酸を加えるこ
とによって酸性にし、そして100mlの酢酸エチルで2
度抽出した。酢酸エチル溶液を乾燥(MgSO4 )し、ろ過
し、そして乾燥するまで蒸発させると、5.25g (75
%) の赤橙色固体 (PS03430) 、融点288-290℃
のものが得られた。 IR(KBr): 3190(ブロード), 1688, 1600, 1300,
785 cm -1。 質量分析: m/z 232 (M+) 。
【0243】2,7−ジフルオロ- ヒドロキシスピロ
(9H−フルオレン−9,4′−イミダゾリジン)−
2′,5′−ジオン (AL03363) PS03430(5.0 g, 0.022モル) 、シアン化カリウ
ム(2.1 g, 0.032モル) 、炭酸アンモニウム(6.2 g,
0.065モル) 、及びエタノール(100ml )をステンレス
鋼圧力反応器中で100℃に20時間加熱した。容器を
冷却し圧力を低下させ、内容物を200mlの水に注入し
た。濃塩酸を添加することによって混合物を酸性にしそ
して白色沈澱をろ過によって回収した。この固体を10
0mlのメタノールに溶解し、脱色用炭素で処理し、セリ
ットを通してろ過し、そして蒸発乾燥した。アセトニト
リルから再結晶させると、融点>300 ℃のAL0336
3、3.1g(47 %) が得られた。1 H NMR (DMSO-d6, 200 MHz) δ: 11.11 (ブロー
ド, 2H), 8.64 (s, 1H),7.90 (dd, 1H, J=5.2 および
8.4 Hz), 7.41 (dd, 1H, J =2.4 および 8.6 Hz), 7.2
7 (ddd, 1H, J=2.4, 8.4および 9.4 Hz),6.86 (dd, 1
H, J =2.1 および 8.1 Hz), 6.72 (dd, 1H, J =2.2
および 11.0 Hz) 。 IR(KBr):3250( ブロード), 1778, 1695cm -1。 質量分析: m/z 302 (M+) 。 分析:C15H8F2N2O3H0.500.25の計算値: C, 58.74 ; H,
2.79 ; N, 9.13 。実測値: C, 58.98 ; H, 2.80 ; N,
9.08 。
【0244】実施例 XXXV 2,4,7−トリフルオロ−5−ヒドロキシスピロ(9
H−フルオレン−9,4′−イミダゾリジン)−2′,
5′−ジオン (AL03424)の合成 掲題の化合物を2,4,7−トリフルオロ−5−ヒドロ
キシ−9−フルオレノン (PS03427)から1段階
で調製した。
【0245】2,4,−トリフルオロ−5−ヒドロキシ
スピロ(9H−フルオレン−9,4′−イミダゾリジ
ン)−2′,5′−ジオン (AL03424) 2,4,7−トリフルオロ−5−ヒドロキシ−9−フル
オレノン(PS03427, 調製法については TR 067:
36230:1187参照)(2.0 g, 8.0ミリモル)、シアン化カ
リウム(0.78 g, 12.0ミリモル) 、炭酸アンモニウム
(2.3 g, 24.0 ミリモル) 及びエタノール(75ml)を、圧
力反応器中100℃で15時間加熱した。容器を冷却し
圧力を低下させ、内容物を200mlの水に注入した。濃
塩酸を添加することによって混合物を酸性にし、そして
50mlの酢酸エチルで2度抽出した。有機溶液を乾燥
(MgSO4 )し、ろ過し、蒸発乾燥した。20−40%酢酸エ
チル/ヘキサングラジエント(勾配剤)を使用して、シ
リカゲル上でクロマトグラフにかけた。生成物を含有す
る画分を混合し、アセトニトリルから2度再結晶する
と、融点>300 ℃のAL03424、0.5g (19%)
が得られた。1 H NMR (DMSO-d6, 200 MHz) δ: 11.32 (s, 1H),
10.62 (s, 1H), 8.70(s, 1H), 7.35 (dd, 1H, J=2.2
および 7.6 Hz), 7.28 (ddd, 1H, J=2.2, 10.9 および
10.8 Hz), 6.88 (dd, 1H, J=2.2 および 7.8 Hz), 6.
75 (dd, 1H, J=2.3 および 11.0 Hz) 。 IR(KBr): 3270(ブロード), 1782, 1750, 1700,
1610cm -1。 質量分析: m/z 320 (M+) 。 分析:C15H7N2F3O3H3 の計算値: C, 56.26 ; H, 2.20
; N, 8.75 。実測値: C, 56.22 ; H, 2.19 ; N, 8.75
【0246】実施例 XXXVI 以下の化合物が前述の合成法に従って製造された。化合
物はコード番号およびアルコンラボラトリーのAL番号
により特定される。構造式によって下記のように特定さ
れた化合物が実験室で製造され、眼科用として評価され
た。
【0247】1880(AL01680)スピロ−(フ
ルオレン−9,5′−オキサゾリジン)−2′,4′−
ジオン
【化144】
【0248】1884(AL01684)スピロ−(フ
ルオレン−9,5′−チアゾリジン)−2′,4′−ジ
オン
【化145】
【0249】1886(AL01685)スピロ−(2
−フルオロフルオレン−9,5′−オキサゾリジン)−
2′,4′−ジオン
【化146】
【0250】1907(AL01703)スピロ−〔2
−フルオロフルオレン−9,5′−(2′NH−4′−
チアゾロン)〕
【化147】
【0251】1908(AL01704)スピロ−(2
−フルオロフルオレン−9,5′−チアゾリジン)−
2′,4′−ジオン
【化148】
【0252】1928(AL01717)スピロ−
(2,7−ジフルオロフルオレン−9,5′−チアゾリ
ジン)−2′,4′−ジオン
【化149】
【0253】3833(AL01717X)2′−C14
−2,7−ジフルオロフルオレン−スピロチアゾリジン
−ジオン
【化150】
【0254】1931(AL01719)スピロ−(9
H−フルオレン−9,3′−スクシンイミド)
【化151】
【0255】1932(AL01720)スピロ−(2
−フルオロ−9H−フルオレン−9,3′−スクシンイ
ミド)
【化152】
【0256】1939(AL01727)スピロ−(5
H−インデノ〔1,2−B〕ピリジン−5,3′−スク
シンイミド)
【化153】
【0257】1940(AL01728)スピロ−(イ
ンデノ〔1,2−B〕ピリジン−5,5′−チアゾリジ
ン)−2′,4′−ジオン
【化154】
【0258】1962(AL01750)スピロ−(7
−フルオロ−5H−インデノ〔 〕ピリジン−5,3′
−スクシンイミド)
【化155】
【0259】3494(AL01750X)2′−C14
−スピロ−(7−フルオロ−5H−インデノ〔 〕ピリ
ジン−5,3′−スクシンイミド)
【化156】
【0260】1976(AL01762)スピロ−(5
H−シクロペンタ〔 〕−ジピリジン−イミダゾシジン
【化157】
【0261】1979(AL01765)2,7−フル
オロフルオレン−オキサゾリジン−ジオン
【化158】
【0262】1980(AL01766)2,7−フル
オロフルオレン−スクシンイミド
【化159】
【0263】1984(AL01769)3−アザフル
オレン−スピロ−ヒダントイン
【化160】
【0264】1986(AL01771)2−クロロフ
ルオレン−スピロ−スクシンイミド
【化161】
【0265】1987(AL01772)2−クロロフ
ルオレン−スピロ−オキサゾリジン−ジオン
【化162】
【0266】2070(AL01858)7−クロロ−
4−アザフルオレン−スピロ−スクシンイミド
【化163】
【0267】2789(AL01858A)スピロ−
(7−クロロ−5H−インデノ〔1,2−B〕ピリジン
−5,3′−ピロリジン)−2′,5′−ジオン
【化164】
【0268】2077(AL01867)7−メチルチ
オ−インデノ〔1,2−B〕ピリジン−イミダゾリジン
−ジオン
【化165】
【0269】2084(AL01881)1,8−ジア
ザフルオレン−9−オン−ヒダントイン
【化166】
【0270】2100(AL01908)7−メチルチ
オ−4−アザフルオレン−スピロ−スクシンイミド
【化167】
【0271】2881(AL01914)7−フルオロ
−3−アザフルオレン−スピロ−ヒダントイン
【化168】
【0272】2786(AL02667)スピロ−(7
−メトキシ−5H−インデノ〔1,2−B〕ピリジン−
5,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオン
【化169】
【0273】2994(AL02733)7−メトキシ
−4−アザフルオレン−スピロ−スクシンイミド
【化170】
【0274】3002(AL02734)7−メチル−
4−アザフルオレン−スピロ−スクシンイミド
【化171】
【0275】2995(AL02739)7−メチル−
4−アザフルオレン−スピロ−ヒダントイン
【化172】
【0276】3046(AL02773)3−メチル−
7−フルオロ−4−アザフルオレン−スピロ−ヒダント
イン
【化173】
【0277】3055(AL02781)7−フルオロ
−3−メチル−4−アザフルオレン−スピロ−スクシン
イミド
【化174】
【0278】3087(AL02810)(−)−7−
クロロ−4−アザフルオレン−スピロ−スクシンイミド
【化175】
【0279】3088(AL02811)(+)−7−
クロロ−4−アザフルオレン−スピロ−スクシンイミド
【化176】
【0280】3123(AL02841)7−クロロ−
スピロ(5H−インデノ〔1,2−C〕ピリジン−5,
4′−イミダゾリジン)−2,5′−ジオン
【化177】
【0281】3145(AL02861)7−メチル−
スピロ(5H−インデノ−[1,2−C]ピリジン−
5,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオン
【化178】
【0282】3147(AL02863)(−)−7−
フルオロ−4−アザフルオレン−スピロ−スクシンイミ
【化179】
【0283】3148(AL02864)(+)−7−
フルオロ−4−アザフルオレン−スピロ−スクシンイミ
【化180】
【0284】3208(AL02912)2−メチル−
4−アザフルオレン−スピロ−ヒダントイン
【化181】
【0285】3255(AL02951)7−クロロ−
2−メチル−4−アザフルオレン−スピロ−ヒダントイ
【化182】
【0286】3262(AL02958)7,9−ジブ
ルオロ−スピロ(5H−インデノ〔1,2−B〕ピリジ
ン−5,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオン
【化183】
【0287】3302(AL02996)3−メチル−
7−フルオロ−スピロ(5H−インデノ〔1,2−B〕
ピリジン−5,3′−ピロリジン)−2′,5′−ジオ
【化184】
【0288】3303(AL02997)3−メチル−
7−クロロ−スピロ(5H−インデノ〔1,2−B〕ピ
リジン−5,3′−ピロリジン)−2′,5′−ジオン
【化185】
【0289】3318(AL03012)2−メチル−
7−クロロ−スピロ(5H−インデノ〔1,2−B〕ピ
リジン−5,3′−ピロリジン)−2′,5′−ジオン
【化186】
【0290】3319(AL03013)2−メチル−
スピロ(5H−インデノ〔1,2−B〕ピリジン−5,
3′−ピロリジン)−2′,5′−ジオン
【化187】
【0291】3323(AL03017)2−メチル−
4−アザフルオレン−スピロ−スクシンイミド
【化188】
【0292】3326(AL03019)3−メチル−
7−フルオロースピロ5H−インデノ〔1,2−B〕ピ
リジン−5,4′−イミダゾリジン−2′,5′−ジオ
【化189】
【0293】3327(AL03020)2−メチル−
スピロ(5H−インデノ〔1,2−B〕ピリジン−5,
4′−イミダゾリジン−2′,5′−ジオン
【化190】
【0294】3334(AL03026)2−メチル−
7−クロロ−スピロ(5H−インデノ〔1,2−B〕ピ
リジン−5,4′−イミダゾリジン)
【化191】
【0295】3453(AL03114)3−メチル−
7,9−ジフルオロ−スピロ(5H−インデノ〔1,2
−B〕ピリジン−5,4′−イミダゾリジン)
【化192】
【0296】3454(AL03115)2−メチル−
7,9−ジブルオロ−スピロ(5H−インデノ〔1,2
−B〕ピリジン−5,4′−イミダゾリジン)
【化193】
【0297】3505(AL03150)2,7−ジフ
ルオロ−4−メチル−スピロ(9H−フルオレン−9,
3′−ピロリジン−2′,5′−ジオン
【化194】
【0298】3508(AL03153)2,7−ジフ
ルオロ−4−メトキシ−スピロ(9H−フルオレン−
9,3′−ピロリジン)−2′,5′−ジオン
【化195】
【0299】3532(AL03176)3,7−ジフ
ルオロ−9−メチル−スピロ(5H−インデノ〔1,2
−B〕ピリジン−5,3′−ピロリジン)−2′,5′
−ジオン
【化196】
【0300】3536(AL03180)5,7−ジフ
ルオロ−スピロ(9H−インデノ〔1,2−C〕ピリジ
ン−9,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオン
【化197】
【0301】3561(AL03201)3,7−ジブ
ルオロ−スピロ(5H−インデノ〔1,2−B〕ピリジ
ン−5,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオン
【化198】
【0302】3565(AL03205)3−フルオロ
−スピロ(5H−インデノ〔1,2−B〕ピリジン−
5,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−ジオン
【化199】
【0303】3566(AL03206)5,7−ジブ
ルオロ−3−メチル−スピロ(9H−インデノ〔1,2
−C〕ピリジン−9,4′−イミダゾリジン)−2′,
5′−ジオン
【化200】
【0304】3586(AL03222)2,4,5,
7−テトラフルオロフルオレン−チアゾリジン−ジオン
【化201】
【0305】3668(AL03301)3,7,9−
トリフルオロ−スピロ(5H−インデノ〔1,2−B〕
ピリジン−5,4′−イミダゾリジン)−2′,5′−
ジオン
【化202】
【0306】3727(AL03347)2,7−ジフ
ルオロ−3−メチル−スピロ(9H−フルオレン−9,
3′−ピロリジン)−2′,5′−ジオン
【化203】
【0307】3753(AL03365)2,4,7−
トリフルオロ−スピロ(9H−フルオレン−9,3′−
ピロリジン)−2′,5′−ジオン
【化204】
【0308】3822(AL03425)2,4,5,
7−テトラフルオロ−スピロ(9H−フルオレン−9,
3′−ピロリジン)−2′,5′−ジオン
【化205】
【0309】1938(AL01726)スピロ(8H
−インデノ〔1,2−B〕チオフェン−イミダゾリジ
ン)−2′,5′−ジオン
【化206】
【0310】1949(AL01737)スピロ(4H
−インデノ〔1,2−B〕チオフェン−4,4′−イミ
ダゾリジン)−2′,5′−ジオン
【化207】
【0311】好適な実施態様について本発明を説明して
きたが、本発明はこれらに限定されず、当業者ならば各
種の改変を加えることができるはずである。
【表1】
【表1】
【表1】
【表1】
【表2】
【表2】
【表3】
【表3】
【化208】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/435 ADP A61K 31/435 ADP C07D 263/62 C07D 263/62 277/60 277/60 471/10 471/10 487/10 9271−4C 487/10 487/20 9271−4C 487/20 495/10 495/10 498/10 498/10 513/10 513/10 C12N 9/99 C12N 9/99 //(C07D 498/10 221:16 263:44) (C07D 498/10 209:94 263:44) (C07D 498/10 263:44 333:78) (C07D 513/10 221:16 277:34) (C07D 513/10 209:94 277:34) (C07D 513/10 277:34 333:78)

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式で示される化合物又はその
    薬学上許容される塩からなるスピロ三環式芳香族スクシ
    ンイミド誘導体。 【化1】 ただし、tはNH、O、S及びCHR1 からなる群から
    選択され、R1 はH又は低級アルキルであり、A及びB
    は2つの隣接位置を介して中心五員環に結合される芳香
    族環基であって、下記の群から独立に選択されるもので
    ある。 【化2】 ここで、XはH、F、Cl、メチルチオ、メトキシ、及
    びニトロよりなる群から選択され、YはH、F、−O
    H、メチル、及びメトキシよりなる群から選択され、Z
    はH、F、メチル、及びメトキシよりなる群から選択さ
    れる1個又は2個の置換基であり、そしてtがNHであ
    るときは、A及びBが同時に下記の基であってはならな
    い。 【化3】
  2. 【請求項2】 tがNHである特許請求の範囲第1項記
    載の誘導体。
  3. 【請求項3】 tがNHであって、Bが下記の基である
    特許請求の範囲第1項記載の誘導体。 【化4】
  4. 【請求項4】 tがNHであって、Bが下記の基である
    特許請求の範囲第1項記載の誘導体。 【化5】
  5. 【請求項5】 tがNHであって、Bが下記の基である
    特許請求の範囲第1項記載の誘導体。 【化6】
  6. 【請求項6】 tがNHであって、Bが下記の基である
    特許請求の範囲第1項記載の誘導体。 【化7】
  7. 【請求項7】 X、Y、及びZがいずれもHである特許
    請求の範囲第1項記載の誘導体。
  8. 【請求項8】 tがNHである特許請求の範囲第7項記
    載の誘導体。
  9. 【請求項9】 X、及びYがFであり、ZがH、F、又
    はメチルよりなる群から選択される1個又は2個の置換
    基である特許請求の範囲第1項記載の誘導体。
  10. 【請求項10】 tがNHであって、Bが下記の基であ
    る特許請求の範囲第1項記載の誘導体。 【化8】
  11. 【請求項11】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化9】
  12. 【請求項12】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化10】
  13. 【請求項13】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化11】
  14. 【請求項14】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化12】
  15. 【請求項15】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化13】
  16. 【請求項16】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化14】
  17. 【請求項17】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化15】
  18. 【請求項18】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化16】
  19. 【請求項19】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化17】
  20. 【請求項20】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化18】
  21. 【請求項21】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化19】
  22. 【請求項22】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化20】
  23. 【請求項23】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化21】
  24. 【請求項24】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化22】
  25. 【請求項25】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化23】
  26. 【請求項26】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化24】
  27. 【請求項27】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化25】
  28. 【請求項28】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化26】
  29. 【請求項29】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化27】
  30. 【請求項30】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化28】
  31. 【請求項31】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化29】
  32. 【請求項32】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化30】
  33. 【請求項33】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化31】
  34. 【請求項34】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化32】
  35. 【請求項35】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化33】
  36. 【請求項36】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化34】
  37. 【請求項37】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化35】
  38. 【請求項38】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化36】
  39. 【請求項39】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化37】
  40. 【請求項40】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化38】
  41. 【請求項41】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化39】
  42. 【請求項42】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化40】
  43. 【請求項43】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化41】
  44. 【請求項44】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化42】
  45. 【請求項45】 次式で表される特許請求の範囲第1項
    記載の誘導体。 【化43】
  46. 【請求項46】 請求項1乃至45項のいずれかに記載
    の誘導体を含むことを特徴とする、ヒト及び動物の糖尿
    病合併症治療剤。
  47. 【請求項47】 請求項1に記載の誘導体の有効量と薬
    学上許容される担体とを含む、請求項46に記載の治療
    剤。
  48. 【請求項48】 担体中の誘導体の濃度が0.5乃至9
    0重量%の範囲内にある、特許請求の範囲第48項記載
    の治療剤。
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