JPH08276963A - 粘着テープ及びそれを使った物品の保存方法 - Google Patents

粘着テープ及びそれを使った物品の保存方法

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JPH08276963A
JPH08276963A JP7333353A JP33335395A JPH08276963A JP H08276963 A JPH08276963 A JP H08276963A JP 7333353 A JP7333353 A JP 7333353A JP 33335395 A JP33335395 A JP 33335395A JP H08276963 A JPH08276963 A JP H08276963A
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JP
Japan
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oxygen
adhesive tape
tape
adhesive
absorbent
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Application number
JP7333353A
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English (en)
Inventor
Hideaki Watanabe
英明 渡辺
Tetsushi Watanabe
哲志 渡辺
Teruo Takeuchi
照雄 竹内
Junko Baba
純子 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着テープ及びそれを使った物品の保存にお
ける問題を解決し、簡便に保存ができ、保存中に粘着剤
が劣化して機能低下を来すことのない粘着テープ及びそ
れを使った物品の保存方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 粘着テープ又はそれを使った物品を、酸
素の吸収に水分を必要としない酸素吸収剤、脱湿剤、好
ましくはさらに酸性ガス吸収剤と共に、ガスバリヤ性容
器内に収納し密封することにより、酸素並びに水分を実
質的に除去下した雰囲気下に保存する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粘着テープ及びそれを使
った物品の保存方法に関し、詳しくは、粘着テープ又は
それを使った物品を酸素吸収剤と脱湿剤と共にガスバリ
ヤ性容器内に密封することを特徴とする保存方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】粘着テープには、粘着剤としてゴム系粘
着剤、アクリル系粘着剤、ビニル系粘着剤、シリコン系
粘着剤等の粘着剤がその特性に応じて使用されている
が、粘着剤が酸素、熱、光、オゾン、水分等の環境要因
により劣化するため、保管中のロール巻きにした未使用
の粘着テープや物品に貼り付けて使用中の粘着テープは
老化し、様々なトラブルの原因になることが多い。粘着
テープの老化を防止するために老化防止剤を添加した粘
着剤が使用されるが、粘着剤の老化は酸化作用によるも
のが多く、老化防止剤としては、通常、ゴム製品と同
様、アルデヒド、アミン類、フェノール類等が適当とさ
れている。しかし、これらは汚染性のものが多いため、
透明あるいは白物の粘着テープでは非汚染性のものを選
ぶ必要がある。また、老化防止剤が添加されていても必
ずしも万全ではなく、老化防止剤を添加したものでも、
粘着テープ及びそれを使った物品を長期に保存したり、
あるいは、短期でも高温高湿の厳しい環境に曝されたり
すると、剥離紙が剥がれ難くなったり糸引きが起こった
り、また粘着力・接着力が低下して耐久力のないものと
なってしまう事があった。近時、電子業界ではキャリア
テープに搭載したチップ状電子部品を用い、自動装着機
によりキャリアテープからチップ状電子部品を剥離しつ
つプリント基板に連続的に表面実装する工程が採らるこ
とが多いが、チップ状電子部品を搭載したキャリアテー
プの老化が問題となる。チップ状電子部品を搭載したキ
ャリアテープが輸送中や保管中に老化し、粘着性を失っ
てキャリアテープから電子部品が脱離するのも困るが、
引き剥し強度が高まる事も好ましくない。ましてや糸引
きが起こると、電子部品の連続実装を妨げにもなり、ま
た製品の汚染にもつながりかねない。
【0003】このような粘着テープの老化を防止する目
的で、粘着テープ及びそれを使った物品の保存にシリカ
ゲル等の乾燥剤が用いられているが、単に水分を取り去
り乾燥雰囲気にするだけでは、粘着特性が低下し機能低
下は免れず、保存効果は十分でなかった。そこで乾燥剤
に脱酸素剤の併用を試みても、例えば、亜硫酸塩、鉄粉
・鉄塩に代表される金属・金属塩、カテコール、アスコ
ルビン酸に代表される有機化合物等を主剤とする従来公
知の脱酸素剤を用いた場合、やはり良好に保存すること
ができなかった。このように、粘着テープ及びそれを使
った物品の簡便な保存方法はないというのが実情であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
粘着テープ及びそれを使った物品の保存における問題を
解決し、簡便に保存ができ、保存中に粘着剤が劣化して
機能低下を来すことのない粘着テープ及びそれを使った
物品の保存方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するには、粘着テープの保存雰囲気中の水分と酸
素の両者を除く必要があり、粘着テープ又はそれを使っ
た物品を酸素の吸収に水分を必要としない酸素吸収剤と
脱湿剤と共にガスバリヤ性容器内に密封することによ
り、上記目的を容易に達成できることを見出し本発明に
到達した。。すなわち、本発明の方法は、粘着テープ又
はそれを使った物品を酸素並びに水分を実質的に除去し
たガスバリヤ性密封容器内に収納することを特徴とする
粘着テープ及びそれを使った物品の保存方法である。ま
た本発明の方法は、上記方法において、ガスバリヤ性密
封容器内を酸素濃度5%以下かつ相対湿度10%以下に
保つことを特徴とする保存方法である。また本発明の方
法は、上記方法において、粘着テープ又はそれを使った
物品を、酸素の吸収に水分を必要としない酸素吸収剤と
脱湿剤と共に、ガスバリヤ性容器内に収納し密封するこ
とを特徴とする保存方法である。また本発明の方法は、
上記方法において、粘着テープ又はそれを使った物品
を、酸素の吸収に水分を必要としない酸素吸収剤、脱湿
剤と酸性ガス吸収剤と共に、ガスバリヤ性容器内に収納
し密封することを特徴とする保存方法である。また本発
明の方法は、上記方法において、好ましくは、酸素吸収
剤、脱湿剤及び酸性ガス吸収剤は通気性包装材料に包装
した包装体であり、より好ましくは、該包装体をさらに
無塵包装材料に包装した二重包装体である。また本発明
の方法は、上記方法において、酸素吸収剤が、不飽和脂
肪酸化合物および/または不飽和基を有する鎖状炭化水
素重合物を主剤とし酸素吸収促進物質を含む酸素吸収剤
であることを特徴とする保存方法である。また本発明の
方法は、上記方法において、粘着テープを使った物品
が、好ましくは電子部品を搭載したキャリアテープリー
ルであり、より好ましくはチップ状電子部品を搭載した
キャリアテープリールである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、粘着剤として、
例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニル系粘
着剤、シリコン系粘着剤等の粘着剤が使用されるあらゆ
る種類の粘着テープ及びそれを使った物品に適用され
る。粘着テープとしては、用途、性質に応じて、支持体
の種類と粘着剤高分子の組み合わせ、形体等によりその
種類は多岐にわたり、例えば、セロハン粘着テープに代
表される包装用・事務用粘着テープ、両面粘着テープ、
粘着ラベル、粘着キャリヤテープに代表される電子部品
表面実装粘着テープ、絆創膏に代表される医療用粘着テ
ープ、塩化ビニル粘着テープに代表される電気絶縁テー
プ、マスキングテープに代表される塗装用粘着テープ、
金属箔テープに代表される特殊粘着テープ、壁紙・防虫
粘着シートに代表される粘着シート等が挙げられる。ま
た本発明の方法は、上記粘着テープを使用した物品にも
適用され、特にIC、抵抗、ダイオード、コンデンサー
等のチップ状電子部品を搭載したキャリアテープリール
の保存に好適である。
【0007】本発明の方法においては、上記粘着テープ
又はそれを使った物品を酸素並びに水分を実質的に除去
したガスバリヤ性密封容器内に収納する必要がある。こ
こで実質的に酸素を取り去った状態とは、酸素濃度5%
以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以
下をいう。また、実質的に水分を取り去った状態とは相
対湿度10%以下、好ましくは5%以下、より好ましく
は1%以下をいう。酸素濃度及び相対湿度が、それぞ
れ、上記の範囲を超えて高い場合には、保存中に粘着剤
の老化が進み、使用に際し、例えばロール状に巻いてあ
る粘着テープの場合、粘着剤が硬化して剥離時の強度が
増加し引き剥し難くなったり、糸引きが起こったり、ま
た、実際に貼り付けた時の粘着力・接着力が低下した
り、耐久性がなくなったりする。
【0008】本発明に用いられる酸素吸収剤としては、
乾燥条件下で酸素を吸収することができるものが必要で
あり、酸素の吸収に水分を必要としない酸素吸収剤が好
ましく、特に不飽和脂肪酸化合物および/または不飽和
基を有する鎖状炭化水素重合物を主剤とし酸素吸収促進
物質を含む酸素吸収剤が好適に用いられる。酸素吸収剤
でも酸素吸収に水分を必要とする酸素吸収剤は、乾燥条
件下の使用には酸素吸収剤自体に水分を保有させたもの
が必要であり、水分を保有させた自力反応型酸素吸収剤
を本発明に用いても、途中で酸素吸収が止まったり、ま
た、脱湿剤の脱湿能に支障を来したりして、本発明の目
的は達成することができず、本発明には利用できない。
【0009】本発明に用いられる酸素吸収剤は、酸素吸
収反応の主剤である不飽和脂肪酸化合物および/または
不飽和基を有する鎖状炭化水素重合物、酸素吸収反応の
促進物質および担体物質からなり、好ましくはさらに酸
性ガス吸収剤からなる。粘着テープの保存雰囲気中に酸
性ガスが存在すると粘着剤の劣化が促進されるため、酸
性ガス吸収剤を併用して酸性ガスを除去することは効果
的である。
【0010】ここで用いられる不飽和脂肪酸化合物は、
炭素数が10以上で炭素間に2重結合を持った不飽和脂
肪酸、または該不飽和脂肪酸の塩もしくはエステルであ
る。該不飽和脂肪酸およびその脂肪酸の塩もしくはエス
テルには、置換基、例えば水酸基、ホルミル基等を有し
ていても良い。また、不飽和脂肪酸化合物は必ずしも純
物質である必要はない。
【0011】不飽和脂肪酸化合物の例として、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、パリナリ
ン酸、ダイマー酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸、こ
れらの不飽和脂肪酸のエステル類、これらのエステルを
含有する油脂、及びこれらの不飽和脂肪酸の金属塩が挙
げられる。また、不飽和脂肪酸として植物油、動物油か
ら得られる脂肪酸、すなわち、アマニ油脂肪酸、大豆油
脂肪酸、桐油脂肪酸、糠油脂肪酸、胡麻油脂肪酸、綿実
油脂肪酸、菜種油脂肪酸、トール油脂肪酸等も用いられ
【0012】また、不飽和基を有する鎖状炭化水素重合
物とは、炭素数10以上で炭素原子間に2重結合を1つ
以上を有した重合物およびその誘導体である。該誘導体
は、置換基として、例えば水酸基、アミノ基、ホルミル
基、カルボキシル基等が存在しても良い。不飽和基を有
する鎖状炭化水素重合物を例示すれば、ブタジエン、イ
ソプレン、1,3ペンタジエンなどのオリゴマーや重合
体が挙げられる。不飽和基を有する鎖状炭化水素重合物
は、必ずしも純物質である必要はなく、その製造時に混
入してくる溶媒等の少量の不純物は、常識的な範囲で許
容される。
【0013】酸素吸収促進物質としては、有機化合物の
酸化を促進する金属塩やラジカル開始剤を例示すること
ができる。 金属塩としては、Cu、Fe、Co、N
i、Cr、Mn等の遷移金属塩が好ましく、遷移金属塩
として、例えば不飽和脂肪酸遷移金属塩が好適に用いら
れる。
【0014】担体物質としては、天然パルプ、合成パル
プからなる紙や合成紙、シリカゲル、アルミナ、活性
炭、ゼオライト、パーライト、活性白土等が例示され
る。殊に主剤等が液状物質である場合、担体物質に吸着
性物質を用いるのが好ましい。また、担体物質として、
脱湿剤に選定されるものを選び、担体に脱湿能をもたせ
ることも実際的な使用法である。
【0015】酸性ガス吸収剤としては、主剤の反応によ
り生成する酸性物質や保存雰囲気に持ち込まれる酸性物
質を吸収又は吸着できる物質であればよく、例えば、ア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化
物、炭酸塩、有機酸塩、有機アミン類が用いられる。ま
た、上記の担体物質又は脱湿剤に酸性ガス吸収剤を選び
その機能をもたせることもでき、この場合には改めて酸
性ガス吸収剤を加える必要はない。
【0016】酸素吸収剤における各成分の割合は、主剤
100重量部に対し、酸化促進物質は0.001〜40
重量部の範囲であり、担体物質は1〜1000重量部の
範囲である。また酸性ガス吸収剤は、主剤100重量部
に対し必要に応じて1〜1000重量部の範囲で用いら
れる。なお、酸化促進物質が遷移金属塩の場合、酸化促
進物質は遷移金属の重量換算で上記範囲で用いられる。
【0017】酸素吸収剤は、上記成分を混合して使用す
る事ができるが、その効率を考慮すると、液状物質は予
め担体物質に担持させることが好ましい。また酸素吸収
剤は、適宜、顆粒、錠剤、シート等にして用いられる。
これらの酸素吸収剤は、通常はさらに、例えば紙又は不
織布を基材とする公知の通気性包材に被覆した包装体と
して使用される。包装体の形態は必ずしも限定されず、
目的に応じて、例えば、小袋、シート、ブリスター容器
などの形態を採ることができる。防塵対策として、上記
包装体を、酸素及び水分の透過性に支障を来さず、かつ
包装体から発生するダストを外部に放出させない無塵包
材で更に覆い二重包装体とすることも可能である。しか
し包装体自体に防塵対策が施されている場合には、改め
て無塵包材で覆う必要はない。
【0018】本発明で用いられる脱湿剤としては、天然
パルプ、合成パルプからなる紙や合成紙、シリカゲル、
アルミナ、活性炭、ゼオライト、パーライト、活性白
土、生石灰、酸化バリウム、塩化カルシウム、臭化バリ
ウム、水素化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネ
シウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ア
ルミニウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、塩化亜鉛等が例示される。脱湿剤は直接用いて
も又は包装体として用いてもよく、また、前記酸素吸収
剤と混合して用いることもできる。
【0019】酸素吸収剤の使用量は、少なくとも密封容
器内の空間容積の酸素を吸収することができる量であ
り、好ましくはその量の1.1〜10倍の範囲である。
また、脱湿剤の使用量は、少なくとも密封容器内の空間
容積の水分を吸収することができる量であり、好ましく
はその量の1.1〜500倍の範囲であり、酸素吸収剤
および脱湿剤の使用量は、ガスバリヤ性容器のガスバリ
ヤ性能に応じ、それぞれ、上記の範囲に適宜選ばれる。
【0020】本発明に用いられるガスバリヤ性容器は、
目的に応じて、例えば、プラスチックス容器、フィルム
袋、金属容器、ガラス容器等のガスバリヤ性材料からな
る容器が選定される。ガスバリヤ性容器のガスバリヤ性
としては、25℃、60%RHにおける酸素透気度が1
0ml/m2・Day ・atm 以下であり、かつ、40℃、90
%RHにおける水蒸気透過度が1g /m2・Day 以下であ
ることが好ましい。選定するバリヤ性能は、その目的に
応じて過剰性能とならないように選ぶことがコスト的に
も有利である。また、粘着テープやそれを使った物品を
容器に封入するに際し、乾燥不活性ガス、例えば乾燥窒
素ガスで容器内を置換してもよく、ガス置換は、酸素吸
収剤、脱湿剤、特に酸素吸収剤の使用量の低減につなが
る。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに詳細に説
明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 ガス吸収剤包装体の製造:大豆油1OO重量部とナフテ
ン酸コバルト2O重量部の混合物にゼオライト35O重
量部を加えてブレンダーで混合した後、25℃で10分
間静置して流動性のある粉粒体を得た。得られた粉粒体
5gと生石灰2.5gとの混合物を、内面に開孔ポリエ
チレンフィルムをラミネートした紙の小袋(サイズ;5
cm×7.5cm)に充填し、この小袋をさらに通気性
の無塵包材(ジャパンゴアテックス(株)製ゴアテック
ス)で被覆してガス吸収剤包装体(以下、単にガス吸収
剤と言う。)を製造した。
【0022】セロテープの保存テスト:事務用セロハン
粘着テープであるセロテープ1巻(ニチバン(株)製、
巾18mm×長さ50mロール巻)と上記に製造したガ
ス吸収剤1包とを、アルミ箔積層材(延伸ポリプロピレ
ン/アルミ箔/ポリエチレン)からなる包装袋(サイ
ズ;220mm×300mm、以下「Al袋」という。)に
入れ、空気500ml(25℃、75%RH)を同封し
た状態で袋の開口部をヒートシールして密封した。密封
したこのAl袋を40℃、95%RHの雰囲気下に4週
間保存した。4週間保存した上記密封Al袋内の酸素濃
度および水分濃度をガスクロマトグラフを用い測定した
ところ、保存系内は実質的に酸素並びに水分のない状態
に維持されていたことが確認された。次いで、密封Al
袋を開封してロール巻セロテープを取り出し、次の剥離
試験に供して剥離強度を測定すると共に剥離状態を観察
した。
【0023】セロテープの剥離試験:ロール巻セロテー
プを卓上テープカッターに回転可能な状態にセットした
後、18mm幅テープを20mm幅の引張試験用グリッ
プで挟み、接線方向に引いた時の剥離強度をハンディ式
荷重測定器(アイコーエンジニアリング製AE−3型)
で測定した。またロール巻セロテープの剥離の様子を目
視観察した。結果を表1に示す。4週間保存したロール
巻セロテープは、剥離時に糸引き現象は認められず、そ
の剥離強度は0.6kg/18mm幅であって保存試験
開始前の測定値と全く変わらず、セロテープはロールか
ら良好に剥離した。
【0024】比較例1〜比較例3 実施例1に対する比較例として、次のごとく本発明に係
わるガス吸収剤を用いることなく、ロール巻セロテープ
の保存テストを行った。比較例1ではロール巻セロテー
プ1巻だけを、比較例2ではロール巻セロテープ1巻と
フジ・シリカゲルA形(富士デヴィソン化学(株)製、
2g入り)1個とを、また比較例6ではロール巻セロテ
ープ1巻と酸素吸収反応に必要な水分を保有する自力反
応型鉄粉系脱酸素剤(エージレスZ−100PT、三菱
ガス化学(株)製造)1個とを、それぞれ、空気500
ml(25℃、75%RH)と共にAl袋に密封した。
これらロール巻セロテープを密封したAl袋を、40
℃、95%RHの雰囲気下に4週間保存した。4週間
後、実施例1と同様に、それぞれ密封Al袋内の酸素濃
度および水分濃度を測定したのち、密封袋からロール巻
セロテープを取り出し、剥離試験を行った。比較例1〜
比較例3の結果を表1に示す。比較例1〜比較例3の4
週間保存したロール巻セロテープはいずれも、剥離試験
に際し曳糸現象が認められ、また、剥離強度も保存試験
開始前より増し、セロテープはロールから幾分剥がれ難
くなっていた。
【0025】実施例2〜実施例4 実施例2〜実施例4では、それぞれ、実施例1のガス吸
収剤における主剤と酸素吸収促進物質の組合せを次のよ
うに変えて、実施例1と同様にしてガス吸収剤を製造し
た。 主剤(1OO重量部) 酸素吸収促進物質(2O重量部) ─────────────────────────────────── 実施例1 大豆油 ナフテン酸コバルト 実施例2 トール油脂肪酸 ナフテン酸コバルト 実施例3 大豆油 トール油脂肪酸コバルト 実施例4 大豆油+液状ホ゜リイソフ゜レン 注) ナフテン酸コバルト 注)大豆油:液状ポリイソプレン(日本合成ゴム(株)製造、ダイクリンR11 3)=6:4(重量比)の混合物 得られたガス吸収剤を用い、実施例1と同様に、ロール
巻セロテープの保存試験を行った。保存試験の結果を表
2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】実施例5 表面実装用フラット電子部品を粘着テープ面に貼り付け
て用いる粘着式キャリアテープ((株)オクイトク製)
に実際にチップ状抵抗(KAMAYA ELECTRIC CO.,LTD 製5
11J型)を搭載したキャリアテープ1巻と実施例1に
製造したガス吸収剤1包とを、アルミ箔積層材からなる
Al袋(サイズ:220mm×300mm)に入れ、空気5
00ml(25℃、75%RH)を封入した状態で袋の
開口部をヒートシールして密封した。チップ状抵抗を搭
載したキャリアテープを密封したAl袋を40℃、95
%RHの雰囲気下に4週間保存した。4週間後、上記密
封Al袋内の酸素濃度および水分濃度を測定したのち、
袋を開封してチップ状抵抗を搭載したキャリアテープを
取り出し、キャリアテープに貼り付けられたチップ状抵
抗を一つ一つ剥がしてその剥離状態を観察したところ、
テープ粘着面からチップ状抵抗が剥離する際に粘着剤の
曳糸現象は認められず良好に剥離し、剥離状態は保存試
験開始前と全く変わりなかった。なお、密封Al袋内は
実質的に酸素並びに水分のない状態に保持されていた。
実施例5で4週間保存したチップ状抵抗を搭載したキャ
リアテープをチップ状電子部品自動装着機にかけ、チッ
プ状抵抗をプリント基板に連続的に装着したが全く問題
はなかった。結果を表1に示す。
【0029】
【表3】
【0030】比較例4〜比較例7 実施例5に対する比較例として、次のごとく本発明に係
わるガス吸収剤を用いることなく、チップ状抵抗を搭載
したキャリアテープの保存テストを行った。比較例4で
はチップ状抵抗を搭載したキャリアテープ1巻だけを、
比較例5ではチップ状抵抗を搭載したキャリアテープ1
巻とフジ・シリカゲルA形(富士デヴィソン化学(株)
製、2g入り)1個とを、また比較例6ではチップ状抵
抗を搭載したキャリアテープ1巻と水分を保有する自力
反応型鉄粉系脱酸素剤(エージレスZ−100PT、三
菱ガス化学(株)製造)1個とを、それぞれ、空気50
0ml(25℃、75%RH)と共にAl袋に密封し
た。さらに比較例7では、チップ状抵抗を搭載したキャ
リアテープ1巻だけを、乾燥窒素500mlと共にAl
袋に密封した。これらチップ状抵抗を搭載したキャリア
テープを密封したAl袋は、40℃、95%RHの雰囲
気下に4週間保存した。4週間後、実施例5と同様に、
それぞれ密封Al袋内の酸素濃度および水分濃度を測定
したのち、密封袋からチップ状抵抗を搭載したキャリア
テープを取り出し、キャリアテープに貼り付けられたチ
ップ状抵抗を一つ一つ剥がしてその剥離状態を観察し
た。比較例4で4週間保存したものは、チップ状抵抗が
テープ粘着面から剥離する際に、全般的に粘着剤の糸引
き現象が認められた。また比較例5〜比較例7では、糸
引きの程度は比較例4に比べて少ないが、やはり糸引き
現象が認められた。チップ状抵抗を搭載したキャリアテ
ープは糸引きがあると、チップ状電子部品自動装着機に
かけた際に、ピックアップミスが起こったり、また糸を
引いた粘着剤が付着してプリント基板やピックアップ機
構を汚染したりするために、比較例4〜比較例7のもの
は、それぞれ、実用性がないと判断された。比較例4〜
比較例7の試験結果を表3に示す。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、粘着テープ又は
それを使った物品を、酸素吸収に水分を必要としない酸
素吸収剤と脱湿剤と共に、好ましくはさらに酸性ガス吸
収剤と共に、ガスバリヤ性容器内に収納し密封するだけ
で、きわめて簡便方法で粘着テープ又はそれを使った物
品を良好に保存することができる。しかも本発明の方法
によれば、粘着テープ又はそれを使った物品が実質的に
酸素並びに水分を取り去った雰囲気に保持されることに
より、粘着テープの老化が防止され、使用に際し粘着剤
が硬化して適当な剥離強度が得られなくなったり、糸引
きが起こったり、また、使用時の粘着力・接着力が低下
したりすることがなくなる。特にIC、抵抗、ダイオー
ド、コンデンサー等のチップ状電子部品を搭載したキャ
リアテープリールを本発明の方法により保存することに
より、キャリヤテープからチップ状電子部品を剥離する
際に糸引きが起こるようなことがなく、糸を引いた粘着
剤による汚染が防止できる。
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】比較例1〜比較例3 実施例1に対する比較例として、次のごとく本発明に係
わるガス吸収剤を用いることなく、ロール巻セロテープ
の保存テストを行った。比較例1ではロール巻セロテー
プ1巻だけを、比較例2ではロール巻セロテープ1巻と
フジ・シリカゲルA形(富士デヴィソン化学(株)製、
2g入り)1個とを、また比較例ではロール巻セロテ
ープ1巻と酸素吸収反応に必要な水分を保有する自力反
応型鉄粉系脱酸素剤(エージレスZ−100PT、三菱
ガス化学(株)製造)1個とを、それぞれ、空気500
ml(25℃、75%RH)と共にAl袋に密封した。
これらロール巻セロテープを密封したAl袋を、40
℃、95%RHの雰囲気下に4週間保存した。4週間
後、実施例1と同様に、それぞれ密封Al袋内の酸素濃
度および水分濃度を測定したのち、密封袋からロール巻
セロテープを取り出し、剥離試験を行った。比較例1〜
比較例3の結果を表1に示す。比較例1〜比較例3の4
週間保存したロール巻セロテープはいずれも、剥離試験
に際し曳糸現象が認められ、また、剥離強度も保存試験
開始前より増し、セロテープはロールから幾分剥がれ難
くなっていた。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】実施例5 表面実装用フラット電子部品を粘着テープ面に貼り付け
て用いる粘着式キャリアテープ((株)オクイトク製)
に実際にチップ状抵抗(KAMAYA ELECTRIC CO.,LTD 製5
11J型)を搭載したキャリアテープ1巻と実施例1に
製造したガス吸収剤1包とを、アルミ箔積層材からなる
Al袋(サイズ:220mm×300mm)に入れ、空気5
00ml(25℃、75%RH)を封入した状態で袋の
開口部をヒートシールして密封した。チップ状抵抗を搭
載したキャリアテープを密封したAl袋を40℃、95
%RHの雰囲気下に4週間保存した。4週間後、上記密
封Al袋内の酸素濃度および水分濃度を測定したのち、
袋を開封してチップ状抵抗を搭載したキャリアテープを
取り出し、キャリアテープに貼り付けられたチップ状抵
抗を一つ一つ剥がしてその剥離状態を観察したところ、
テープ粘着面からチップ状抵抗が剥離する際に粘着剤の
曳糸現象は認められず良好に剥離し、剥離状態は保存試
験開始前と全く変わりなかった。なお、密封Al袋内は
実質的に酸素並びに水分のない状態に保持されていた。
実施例5で4週間保存したチップ状抵抗を搭載したキャ
リアテープをチップ状電子部品自動装着機にかけ、チッ
プ状抵抗をプリント基板に連続的に装着したが全く問題
はなかった。結果を表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 純子 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着テープ又はそれを使った物品を酸素
    並びに水分を実質的に除去したガスバリヤ性密封容器内
    に収納することを特徴とする粘着テープ及びそれを使っ
    た物品の保存方法。
  2. 【請求項2】 ガスバリヤ性密封容器内を酸素濃度5%
    以下かつ相対湿度10%以下に保つことを特徴とする請
    求項1に記載の保存方法。
  3. 【請求項3】 粘着テープ又はそれを使った物品を、酸
    素の吸収に水分を必要としない酸素吸収剤と脱湿剤と共
    に、ガスバリヤ性容器内に収納し密封することを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の保存方法。
  4. 【請求項4】 粘着テープ又はそれを使った物品を、酸
    素の吸収に水分を必要としない酸素吸収剤、脱湿剤と酸
    性ガス吸収剤と共に、ガスバリヤ性容器内に収納し密封
    することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の保
    存方法。
  5. 【請求項5】 酸素吸収剤が、不飽和脂肪酸化合物およ
    び/または不飽和基を有する鎖状炭化水素重合物を主剤
    とし酸素吸収促進物質を含む酸素吸収剤であることを特
    徴とする請求項3又は請求項4に記載の保存方法。
  6. 【請求項6】 粘着テープを使った物品が電子部品を搭
    載したキャリアテープリールである請求項1乃至請求項
    4のいずれかの請求項に記載の保存方法。
  7. 【請求項7】 電子部品がチップ状電子部品である請求
    項6に記載の保存方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0847232A3 (en) * 1996-11-12 1999-12-29 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Method for drying resin-used electronic parts
JP2004331833A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Hitachi Chem Co Ltd 接着材テープリール

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0847232A3 (en) * 1996-11-12 1999-12-29 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Method for drying resin-used electronic parts
US6045743A (en) * 1996-11-12 2000-04-04 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Method for drying resin-used electronic parts
JP2004331833A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Hitachi Chem Co Ltd 接着材テープリール

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