JPH08276787A - 車載用画像処理装置及び画像表示システム - Google Patents

車載用画像処理装置及び画像表示システム

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JPH08276787A
JPH08276787A JP7101748A JP10174895A JPH08276787A JP H08276787 A JPH08276787 A JP H08276787A JP 7101748 A JP7101748 A JP 7101748A JP 10174895 A JP10174895 A JP 10174895A JP H08276787 A JPH08276787 A JP H08276787A
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正明 松下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮像手段の設置位置の誤差にかかわらず正確
に画像処理を行うこと。 【構成】 車両52前方を撮像すると共に所定の補正用
マーク10を撮像する撮像手段54と、所定の設定情報
37aに基づいて撮像手段54により撮像された画像デ
ータ54aに対して各種画像処理を行う画像処理手段3
0と、この画像処理手段30からの処理結果を表示出力
する表示手段58とを備えている。画像処理手段30
が、補正用マーク10が撮像された画像データ54aか
ら当該補正用マーク10の当該画像データ54a上の位
置を検出する位置データ検出部32と、補正用マーク1
0の画像データ54a上の基準位置データ14を記憶し
た基準位置記憶部34と、この基準位置記憶部34に格
納された当該基準位置データ14と位置データ検出部3
2からの位置データ12とに基づいて撮像手段54の撮
像方向のズレ量18を算出する撮像方向ズレ量算出部1
8と、設定情報補正部37とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車載用画像処理装置に
係り、特に、車載用画像処理装置の撮像手段の撮像方向
の補正量を算出する車載用画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車載用画像処理装置50で
は、車両52に撮像手段54を搭載し、この撮像手段5
4が撮像した画像データ54aに対して種々のデータ処
理を行うことで車両50前方の障害物の検出や後方監視
処理を行っていた。これらは、例えば特開平4−193
641号公報や、実開昭60−34700号公報に記載
されている。
【0003】このような従来例では、図14に示すよう
に、撮像手段54としてのCCDカメラ54と、このC
CDカメラ54からのビデオ信号をA/D変換して画像
データ54aとしたのち当該画像データ54aに対して
データ処理を行う画像処理部56と、この画像処理部5
6の処理結果等を表示する表示部58とから構成され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな車載用画像処理装置50では、CCDカメラ54の
設置を精密に行わなければ、画像処理による判定結果の
精度が低下する、という不都合があった。従って、従来
例では、CCDカメラ54の車両52への設置は、CC
Dカメラ54の撮像方向が画像処理の手法が求める精度
となるよう精密に行われている。
【0005】車両52の生産工場において車両52にC
CDカメラ54を設置するとき、所定の位置に正確に設
置するのは困難であり、また、正確に設置しようとする
場合には、調整等で非常に時間がかかってしまう。一
方、このCCDカメラ54を用いた画像処理装置50が
後付けタイプのもので、ユーザが設置するような場合で
は正しく設置するのはほとんど不可能に近い。従って、
取付位置の不具合により撮像方向のズレが生じてしま
う。
【0006】次に、この撮像方向59のズレ量と画像処
理の関係について図面を参照して説明する。図15はC
CDカメラ54が所定の位置から横にズレた場合の影響
を説明するための図であり、先行車60の認識処理を行
う場合を例として示している。図15(a)に示す場合
を正しい設置例とすると、図15(b)に示す例では、
CCDカメラ54の位置は左にズレを生じている。する
と、それぞれの画像データは図16に示す如くとなる。
【0007】図16(a)はCCDカメラ54の位置が
正常の場合の画像データである。画像処理では、処理速
度の点から画像処理の対象を限定しているため、この場
合、先行車の認識処理に必要な部分を画像処理の対象範
囲62としている。図中点線内がこの画像処理の対象範
囲62である。図示する例では、先行車60は画像処理
範囲62に入っており、画像処理装置50が正常に動作
することができる。しかし、カメラ位置が左にズレた場
合、図16(b)に示すように、正常の場合よりも左側
を撮像してしまい、先行車は画面中の右側にズレてしま
う。すると、点線で示す画像処理の対象範囲50から外
れてしまう。この場合には、先行車60を認識する処理
が正常に動作しなくなる可能性が生じる。
【0008】図17はCCDカメラ54が所定の位置か
ら上下にズレた場合の影響を説明するための図であり、
画像データ中での先行車の上下の位置によって対象まで
の距離を簡易表示するため、距離のスケール64を表示
部58上に表示する処理を行う例を示している。図17
(a)に示す場合を正しい設置例とすると、図17
(b)に示す例では、CCDカメラ54の位置は下向き
にズレを生じている。図18(a)を正しい設置での画
像データとすると、CCDカメラ54が下向きにズレた
場合には図18(b)に示すものとなる。ここでは、先
行車60の映像が画像の上方向にずれてしまい、本来の
距離である20[m]から30[m]にズレて表示され
てしまう。
【0009】例えば、1/2[インチ]CCDカメラ5
4で焦点距離f=20[mm]のレンズを使用した場
合、画角は13.5度(縦)×18.2度(横)で、カ
メラの撮像方向が1度ズレると、撮像される画面全体に
対して縦は約7%、横は約5%ズレることになる。これ
は、30[m]先の対象物が0.5[m]ズレることに
相当する。
【0010】また、従来のCCDカメラ54の取付調整
方法としては、例えば、ヘッドライトの光軸調整のよう
に、調整用ネジ等で調整するのと同様に、微調整用のネ
ジ等でカメラから移る画像をモニタ等で見ながら調整す
る方法が取られていた。そのため、カメラ設置の工程も
増加し、さらには微調整できる機構も必要であり、コス
トが高いものになっていた。
【0011】
【発明の目的】本発明は、係る従来例の有する課題を改
善し、特に、撮像手段の設置位置に誤差があったとして
も正確に画像処理を行うことのできる車載用画像処理装
置及び画像表示システムを提供することを、その目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、特
定の手段として、車両前方を撮像すると共に所定の補正
用マークを撮像する撮像手段と、所定の設定情報に基づ
いて撮像手段により撮像された画像データに対して各種
画像処理を行う画像処理手段と、この画像処理手段から
の処理結果を表示出力する表示手段とを備えている。こ
のうち、画像処理手段が、補正用マークが撮像された画
像データから当該補正用マークの当該画像データ上の位
置を検出する位置データ検出部と、補正用マークの画像
データ上の基準位置データを記憶した基準位置記憶部
と、この基準位置記憶部に格納された当該基準位置デー
タと位置データ検出からの位置データとに基づいて撮像
手段の撮像方向のズレ量を算出する撮像方向ズレ量算出
部と、この撮像方向のズレ量データに基づいて画像処理
の設定情報を補正する設定情報補正部とを備えた、とい
う構成を採っている。
【0013】特定の手段と主要部を同一とする手段とし
て、撮像方向ズレ量算出部が、撮像された補正用マーク
について予め定められた基準位置からの位置ズレ量を算
出する機能と、当該位置ズレ量に基づいて撮像手段の撮
像方向の角度のズレ量を算出する機能とを備えた、とい
う構成を採っている。
【0014】特定の手段と解決しようとする課題が同一
である手段として、車両前方を撮像する撮像手段と、こ
の撮像手段により撮像された画像データを所定の設定情
報に基づいて表示制御するコントローラと、当該画像デ
ータを表示する表示手段を有する画像表示装置と、設定
情報の補正量を算出する補正量算出制御手段を有する補
正量算出装置とを備えている。このうち、コントローラ
が、所定の補正用マークを撮像した画像データを補正量
算出装置に出力する補正用マークデータ出力部と、所定
の撮像方向のズレ量データを受信したときに当該ズレ量
に基づいて設定情報を補正する設定情報補正部とを備え
ている。しかも、補正量算出制御手段が、コントローラ
から補正用マークデータを受信して当該撮像した補正用
マークの画像データ上の位置を検出する位置データ検出
部と、補正用マークの画像データ上の基準位置を予め記
憶した基準位置記憶部と、この基準位置記憶部に格納さ
れた当該基準位置データと補正用マークデータによる位
置データとに基づいて撮像手段の撮像方向のズレ量を算
出して設定情報補正部に出力する撮像方向ズレ量算出部
とを備えた、という構成を採っている。
【0015】本発明では、これらの産業上の利用分野が
同一である各手段によって、前述した目的を達成しよう
とするものである。
【0016】
【作用】車載用画像処理装置では、まず、画像処理を行
う際の基準となる設定情報の補正処理を行う。これは、
まず、所定の補正用マークが付された衝立等の前に車両
を位置付ける。次いで、撮像手段は、この補正用マーク
を撮像する。この補正用マークが撮像された画像データ
は画像処理部に送られ、画像処理部では、まず、位置デ
ータ検出部が、所定の補正用マークを撮像した画像デー
タから当該補正用マークの位置データを検出する。次い
で、撮像方向ズレ量算出部は、基準位置記憶部からの基
準位置データと補正用マークの位置データに基づいて撮
像手段の撮像方向のズレ量を算出する。さらに、設定情
報補正部は、この撮像方向のズレ量に基づいて画像処理
の設定情報を補正する。
【0017】さらに、通常の画像処理を行う。まず、撮
像手段は、車両前方を撮像する。さらに、画像処理手段
は、この撮像方向のズレ量が考慮された設定情報に基づ
いてこの画像データに対して各種画像処理を行い、処理
結果を表示手段に出力する。表示手段は、この画像処理
手段からの処理結果を表示出力する。
【0018】画像処理システムでは、まず、撮像した画
像の表示を行う際の基準となる設定情報の補正処理を行
う。これは、まず、所定の補正用マークが付された衝立
等の前に車両を位置付ける。次いで、車両に搭載された
画像表示装置の撮像手段は、この補正用マークを撮像す
る。この補正用マークが撮像された画像データはコント
ローラに送られ、コントローラでは、補正用マークデー
タ出力部が、この補正用マークを撮像した画像データを
補正量算出装置に出力する。
【0019】さらに、補正量算出装置では、位置データ
検出部が、コントローラから補正用マークデータを受信
して当該撮像した補正用マークの画像データ上の位置を
検出する。次いで、撮像方向ズレ量算出部が、基準位置
記憶部に格納された当該基準位置データと補正用マーク
データとに基づいて撮像手段の撮像方向のズレ量を算出
して設定情報補正部に出力する。すると、設定情報補正
部は、この撮像方向のズレ量データを受信したときに当
該ズレ量に基づいて設定情報を補正する。
【0020】次に、コントローラは、この撮像方向のズ
レ量データに基づいて補正された設定情報に従って画像
表示制御を行う。即ち、コントローラは、撮像手段が撮
像した画像データの表示制御に際して当該撮像方向のズ
レ量を考慮した表示出力を行う。
【0021】
【実施例】次に本発明の一実施例について図面を参照し
て説明する。
【0022】図1は本実施例による車載用画像処理装置
の特徴部分の構成を示すブロック図である。車載用画像
処理装置2は、車両52前方を撮像すると共に所定の補
正用マーク10を撮像する撮像手段54と、所定の設定
情報37aに基づいて撮像手段54により撮像された画
像データ54aに対して各種画像処理を行う画像処理手
段30と、この画像処理手段30からの処理結果を表示
出力する表示手段58とを備えている。
【0023】このうち、画像処理手段30が、補正用マ
ーク10が撮像された画像データ54aから当該補正用
マーク10の当該画像データ54a上の位置を検出する
位置データ検出部32と、補正用マーク10の画像デー
タ54a上の基準位置データ14を記憶した基準位置記
憶部34と、この基準位置記憶部34に格納された当該
基準位置データ14と位置データ検出部32からの位置
データ12とに基づいて撮像手段54の撮像方向のズレ
量18を算出する撮像方向ズレ量算出部36と、この撮
像方向のズレ量データに基づいて画像処理の設定情報3
7aを補正する設定情報補正部37とを備えている。
【0024】これを詳細に説明する。
【0025】撮像手段54は、本実施例ではCCDカメ
ラ54を用いている。また、表示手段58としては、画
像を表示するLCD表示部や、また、音声により警報等
を出力する音声表示部を必要に応じて用いている。
【0026】画像処理手段30は、図示しない本来の画
像処理機能を有している。これは、例えば先行車の認識
処理であり、また、白線の認識処理である。通常、これ
らの画像処理では、撮像した画像の適切なしきい値によ
り二値化処理や、画像データ上の特定部分の抽出処理等
を用いている。
【0027】本実施例による車載用画像処理装置2の一
般的な構成を図2に示す。図2に示す例では、画像処理
手段30が、本来の目的の画像処理を行う画像処理機能
38と、CCDカメラ54のズレ量を測定するズレ量測
定機能40と、このズレ量測定機能40によって測定さ
れた撮像方向のズレ量18を記憶するズレ量記憶メモリ
22と、所定の補正用マーク10の基準位置データ14
を記憶した基準位置記憶部34とを備えている。ズレ量
記憶メモリ22は、例えば、EEPROMで構成され
る。このズレ量18は、目的とする画像処理機能に設定
情報37aとして扱われ、この実施例では、ズレ量記憶
メモリ22は設定情報記憶部35として機能する。
【0028】さらに、ズレ量測定機能40は、前述した
位置データ検出部32と、撮像方向ズレ量算出部36と
から構成される。さらに、ズレ量測定機能40は補正マ
ーク10の基準位置14をその処理に必要とするため、
画像処理手段30は、この基準位置データ14を記憶す
る基準位置記憶部34を備えている。
【0029】また、画像処理機能38は、起動時に、ズ
レ量記憶メモリ22から設定情報37aを読み出して、
撮像した画像データ54aを逐次補正しつつ目的の画像
処理を行う。
【0030】このような画像処理において、処理の開始
に先だって当該画像処理に必要な各種情報(設定情報)
を読み込むことにより、画像処理の精度を高めることが
行われている。本実施例の特徴的な処理は、次に示す撮
像手段の設置方向のズレを検出して、この撮像方向のズ
レ量により当該設定情報を補正する点にある。
【0031】図3は、本実施例による撮像方向のズレ量
を算出する工程を示すフローチャートである。
【0032】まず、補正用マーク10と車両52とが垂
直で且つ一定距離になるよう当該車両52又は補正用マ
ーク10を位置付ける(ステップS1)。次いで、車両
52に設置された撮像手段54により補正用マーク10
を撮像する(ステップS2)。さらに、位置データ検出
部32は、当該撮像した画像データ54aに基づいて補
正用マーク10の位置データ12を検出する(ステップ
S3)。
【0033】次いで、撮像方向ズレ量算出部36は、ま
ず、この補正用マーク10の位置データ12に基づいて
当該補正用マーク10が予め定められた基準位置14か
らのズレ量16を算出する(ステップS4)。次いで、
このズレ量16に基づいて撮像手段54の撮像方向59
のズレ量18を算出する(ステップS5)。
【0034】この撮像方向のズレ量18を設定情報37
aとして画像処理を行うことで、本実施例では、CCD
カメラ54を設置する精度をある程度簡単にして、設計
上とのズレを画像処理により計測し、そのズレを補正し
た上で本来の処理を行うものである。
【0035】ステップS1では、図4及び図5に示すよ
うに、車両52の生産工場において、CCDカメラ54
をある程度の位置に設置した後、補正用マーク10のつ
いた衝立11が設けてある場所に、衝立11に対して車
両52の進行方向が垂直でかつある決められた距離dと
なるように車両52を停車する。
【0036】本実施例では、車両がレール上を走行する
ことで、この垂直且つ一定距離についての必要な精度を
保っている。しかし、これについてはCCDカメラ54
の位置をどの段階でチェックするかによって種々の手法
が採れる。例えば、車両52の製造工程の一段階で行う
のであれば、タイヤの付いていない車体が工場のライン
を流れている段階で本実施例による補正量算出を行う
と、特に問題なくこの垂直且つ一定距離の位置付けを行
うことができる。
【0037】また、ユーザが取り付けるような場合で、
その画像処理が特に精度を必要とするものであれば、車
両を所定位置に停車したのち、CCDカメラに水平な車
両側面にそれぞれレーザ等の発信器を取り付け、この発
信器からの信号によって衝立11上の補正マーク10を
回転又は移動させるようにしても良い。この場合には、
ヘッドランプの光軸のチェック方法等の技術が応用され
る。
【0038】補正用マーク10としては、図6に示すよ
うに、十字マーク10を用いている。この十字マーク1
0は、設計上のCCDカメラ54の位置から車両の進行
方向に所定距離延ばした位置に来るようにする。即ち、
CCDカメラ54が設計通りの位置に設置されていると
するならば、十字マークが画像の中央に映ることとな
る。従って、補正用マーク10の基準位置14は画像の
中央の位置となる。
【0039】この補正用マーク10は、十字に限らず、
計測するズレに対して適したマークをそれぞれ変えて計
測するようにしても良い。
【0040】ステップS2では、この車両に設置された
撮像手段により十字マークを撮像する。ここでは、CC
Dカメラ54からのビデオ信号をA/D変換して画像デ
ータ54としている。さらに、十字マーク10部分のエ
ッジを抽出している。
【0041】ステップS3では、位置データ検出部32
が、画像データ54a上の十字マーク10の位置を算出
する。本実施例では、画像データ54aのドットを単位
として位置を特定している。従って、この十字マークの
位置データ12の精度は、画像データ54aの解像度に
依存する。
【0042】ステップS4では、図7に示すように、撮
像方向ズレ量算出部36が、設計上想定される十字マー
ク10の基準位置データ14と、撮像した十字マークの
位置データ12とを比較して補正用マークの位置のズレ
量を算出する。このズレ量16は、x軸方向のズレΔx
と、y軸方向のズレΔyとである。
【0043】ステップS5では、撮像方向ズレ量算出部
36が、十字マーク10のズレ量16から撮像方向59
のズレ量18を算出する。図8に示すように、水平方向
のズレ角度θxと、鉛直方向のズレ角度θyは、次式
(1)により求めることができる。
【0044】 θx≒Δx/d, θy≒Δy/d .............. 式(1)
【0045】本実施例では、この撮像方向のズレ角度1
8を設定情報37aとして設定情報記憶部35に格納す
る。また、設定情報37aが種々の条件についての情報
を具備するものであれば、当該設定情報37aを補正す
る。
【0046】実際に車載用画像処理装置2を起動すると
きには、この設定情報記憶部35から設定情報37aを
読み出して、この設定情報37aで示される値だけCC
Dカメラ54がズレているものとして画像処理を行う。
【0047】例えば、図16に示したような場合、画像
処理手段30は、図9(a)に示すように画像処理の対
象となる範囲を設定情報37aに応じて移動させること
により、従来の不都合を回避している。即ち、画像処理
手段30は、起動時に設定情報37aを読み込んで当該
設定情報37aに示される角度分画像処理の対象領域を
変更する。また、図18で示した例では、図9(b)に
示すように、この設定情報37aに従って距離スケール
を変更することにより、画像データ54aに対応した正
しい距離スケールを表示することができる。
【0048】また、図10に示すように、十字マークの
大きさ、例えば、図示するように縦方向の長さL2を設
計上の値L1と比較することにより、CCDカメラ54
の車両の進行方向の軸に対するズレ量Δdを求めること
ができる。つまり、図10のように設計上の長さL1に
対して計測された長さがL2である場合には、カメラ位
置のズレ量Δdは、次式(2)で求めることができる。
【0049】 Δd=d(1−L1/L2) .............. 式(2)
【0050】以上のような方法により各種ズレ量を計測
して、このズレ量に基づいて目的の制御を行うようにす
ることによって、CCDカメラの設置精度が高くないも
のであっても、制御が正しく行われることとなる。
【0051】図11はこの各種ズレ量を用いて画像処理
を行う処理工程を示すフローチャートである。まず、こ
の各種ズレ量を記憶した設定情報記憶部35から設定情
報37aを読み出す(ステップS11)。次いで、読み
出した設定情報に基づいて目的の制御を補正する(ステ
ップS12)。さらに、本来の目的の制御を行う(ステ
ップS13)。
【0052】上述したように本実施例によると、車載用
画像処理装置では、十字マークの位置のズレ量に基づい
てCCDカメラの撮像方向のズレ量を算出し、これを画
像処理の設定情報とするため、撮像方向に多少のズレが
あったとしても当該補正量を用いることで正確な画像処
理が可能となる。従って、CCDカメラの車両への設置
を精密に行う必要がなくなる。このように、カメラを取
り付けるときに、取付精度を低くしても良くなるため、
簡単に取付ができる。また、カメラの取付位置が設計値
とズレても、目的の制御に影響を与えない。しかも、ズ
レ量の測定が短時間ででき、ズレ量データも自動的に記
憶することができる。さらに、工場においてカメラ位置
の微調整をする必要がなくなり、工程が減り、しかもそ
の取付微調整機構も必要なくなり、製造コストが安くな
る。
【0053】また、この手法であれば、目的とする画像
処理装置が後付けタイプのものであっても、販売店又は
ユーザが先に述べて多様な十字マークを壁等に付け、車
両を正確に停止位置に停止すれば、撮像方向のズレ量1
8は測定できるので、後付けタイプのシステムの提供が
可能となる。
【0054】次に、画像表示システムの実施例を説明す
る。
【0055】図16に示した簡易的に距離スケールだけ
を表示するような車載用画像処理装置2では、画像デー
タ54a中の高輝度部分の抽出処理や、当該部分の位置
特定処理などの画像処理機能がないものもある。この場
合は、車両52内にズレ量記憶用メモリ22だけ付加し
て、撮像方向のズレ量18の測定は図12のように外部
の補正量算出装置2によりオフラインで行う。
【0056】図13はこの画像表示システム3の構成を
示すブロック図である。画像表示システム3は、車載用
画像表示装置4と、補正量算出装置5とを備えている。
【0057】このうち、車載用画像表示装置4が、車両
前方を撮像する撮像手段としてCCDカメラ54と、こ
のCCDカメラ54により撮像された画像データ54a
を所定の設定情報37aに基づいて表示制御するコント
ローラ44と、当該画像データを表示する図示しない表
示手段58とを備えている。
【0058】このうち、コントローラ44が、所定の補
正用マークを撮像した画像データ54aを補正量算出装
置5に出力する補正用マークデータ出力部46と、所定
の撮像方向のズレ量データ18を受信したときに当該ズ
レ量18に基づいて設定情報37aを補正する設定情報
補正部48とを備えている。
【0059】一方、補正量算出装置5は、設定情報37
aの補正量を算出する補正量算出制御手段43を備えて
いる。
【0060】しかも、補正量算出制御手段43が、図1
3に示すように、コントローラ44から補正用マークデ
ータ46aを受信して当該撮像した補正用マーク10の
画像データ上の位置を検出する位置データ検出部32
と、補正用マーク10の画像データ37a上の基準位置
を予め記憶した基準位置記憶部34と、この基準位置記
憶部34に格納された当該基準位置データ14と補正用
マークデータ46aによる位置データ12とに基づいて
CCDカメラ54の撮像方向のズレ量18を算出して設
定情報補正部37に出力する撮像方向ズレ量算出部36
とを備えている。また、車載用画像表示装置4と補正量
算出装置5間のデータ転送を制御するインタフェース部
42を備えている。
【0061】まず、車載のコントローラ44からCCD
カメラ54から得るビデオ信号を入力して、この補正量
算出装置で撮像方向のズレ量を算出した後、そのズレ量
を車載のコントローラ44に送信する。車載のコントロ
ーラ44では、送り出されたズレ量データを受信し、ズ
レ量記憶メモリ22に書き込む。
【0062】さらに、コントローラ44は、 CCDカ
メラ54からの画像データの表示処理に際して、ズレ量
記憶メモリ22に記録されたズレ量データ18を設定情
報37aとして、この設定情報37aに従って処理を行
う。この場合であっても、図9(b)に示す如くとな
る。
【0063】このような画像表示システムでは、画像処
理装置が、高度な画像処理機能を有さないものであって
も、補正量算出装置が撮像方向のズレ量を算出するた
め、CCDカメラの設置位置に誤差があったとしても、
コントローラが当該ズレ量に基づいて画像表示処理を行
うため、撮像方向のズレ角度にかかわらず正確な画像表
示処理を行うことができる。また、画像表示装置の製造
工程において、ラインに補正量算出装置を設けておくこ
とにより、このような画像表示装置の撮像手段の設置工
程を簡略化することができる。
【0064】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され機能する
ので、これによると、位置データ検出部が、補正用マー
クが撮像された画像データから当該補正用マークの位置
データを検出し、撮像方向ズレ量算出部が、基準位置デ
ータとこの位置データとに基づいて撮像手段の撮像方向
のズレ量を算出するため、撮像手段の設置位置の誤差を
定量化することができる。さらに、設定情報補正部が、
この撮像方向のズレ量に基づいて画像処理の設定情報を
補正するため、画像処理手段は、撮像方向に多少のズレ
があったとしても当該設定情報に従うことにより正確な
画像処理を行うことができる。このように、撮像手段の
設置位置に誤差があったとしても正確に画像処理を行う
ことのできる従来にない優れた車載用画像処理装置を提
供することができる。
【0065】また、この車載用画像処理装置では、撮像
手段の設置位置に誤差があったとしても正確に画像処理
を行うため、撮像手段の設置を精密に行う必要がなくな
る。即ち、この車載用画像処理装置は、撮像手段の設置
工程が簡略化されるため、製造が容易であるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の特徴部分の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】図1に示した実施例による車載用画像処理装置
の一般的な構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した実施例の処理工程を示すフローチ
ャートである。
【図4】図3に示したステップS1での補正用マークと
車両との位置関係を示す側面図である。
【図5】図4に示した補正用マークと車両との位置関係
の上面図である。
【図6】図3に示した補正用マークの一例を示す説明図
である。
【図7】図3に示したステップS3での補正用マークの
ズレ量の一例を示す説明図である。
【図8】図3に示したステップS4での撮像方向のズレ
量の一例を示す説明図である。
【図9】図3に示した方法により算出した撮像方向の補
正量を用いてカメラ向きの影響を補正した場合の画像処
理例を示す説明図であり、図9(a)は先行車の認識処
理の場合を示す図で、図9(b)は簡易距離表示の場合
を示す図である。
【図10】カメラ設置位置の撮像方向の軸上の位置ズレ
量を算出する例を示す説明図である。
【図11】設定情報に従った画像処理の処理工程を示す
フローチャートである。
【図12】本発明による画像表示システムの構成を示す
ブロック図である。
【図13】図12に示した補正量算出装置の構成を示す
ブロック図である。
【図14】従来の車載用画像処理装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図15】図14に示したCCDカメラの取り付け位置
により撮像方向が左右に変更される例を示す説明図で、
図15(a)は正常な場合を示し、図15(b)は左側
にズレた場合の例を示す説明図である。
【図16】図14に示したCCDカメラが撮像した画像
データの例を示す説明図であり、図16(a)は撮像方
向が正常な場合の例を示す図で、図16(b)は図15
(b)に示した場合の例を示す図である。
【図17】図14に示したCCDカメラの取り付け位置
により撮像方向が上下に変更される例を示す説明図で、
図17(a)は正常な場合を示し、図17(b)は下方
向にズレた場合の例を示す説明図である。
【図18】図14に示したCCDカメラが撮像した画像
データの例を示す説明図であり、図18(a)は撮像方
向が正常な場合の例を示す図で、図18(b)は図17
(b)に示した場合の例を示す図である。
【符号の説明】
2 車載用画像処理装置 3 画像表示システム 4 車載用画像表示装置 5 補正量算出装置 10 補正用マーク(十字マーク) 12 補正用マークの位置データ 14 補正用マークの基準位置データ 16 補正用マークのズレ量 18 撮像方向のズレ量 20 撮像方向の補正量 30 画像処理手段 32 位置データ検出部 34 基準位置記憶部 36 撮像方向ズレ量算出部 52 車両 54 撮像手段(CCDカメラ) 54a 画像データ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方を撮像すると共に所定の補正用
    マークを撮像する撮像手段と、所定の設定情報に基づい
    て前記撮像手段により撮像された画像データに対して各
    種画像処理を行う画像処理手段と、この画像処理手段か
    らの処理結果を表示出力する表示手段とを備え、 前記画像処理手段が、前記補正用マークが撮像された画
    像データから当該補正用マークの当該画像データ上の位
    置を検出する位置データ検出部と、前記補正用マークの
    画像データ上の基準位置データを記憶した基準位置記憶
    部と、この基準位置記憶部に格納された当該基準位置デ
    ータと前記位置データ検出からの前記位置データとに基
    づいて前記撮像手段の撮像方向のズレ量を算出する撮像
    方向ズレ量算出部と、この撮像方向のズレ量データに基
    づいて前記画像処理の設定情報を補正する設定情報補正
    部とを備えたことを特徴とする車載用画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記撮像方向ズレ量算出部が、前記撮像
    された補正用マークについて予め定められた基準位置か
    らの位置ズレ量を算出する機能と、当該位置ズレ量に基
    づいて前記撮像手段の撮像方向の角度のズレ量を算出す
    る機能とを備えたことを特徴とする請求項1記載の車載
    用画像処理装置。
  3. 【請求項3】 車両前方を撮像する撮像手段と、この撮
    像手段により撮像された画像データを所定の設定情報に
    基づいて表示制御するコントローラと、当該画像データ
    を表示する表示手段とを有する画像表示装置と、 前記設定情報の補正量を算出する補正量算出制御手段を
    有する補正量算出装置とを備えた画像表示システムにお
    いて、 前記コントローラが、所定の補正用マークを撮像した画
    像データを前記補正量算出装置に出力する補正用マーク
    データ出力部と、所定の撮像方向のズレ量データを受信
    したときに当該ズレ量に基づいて前記設定情報を補正す
    る設定情報補正部とを備え、 前記補正量算出制御手段が、前記コントローラから前記
    補正用マークデータを受信して当該撮像した補正用マー
    クの画像データ上の位置を検出する位置データ検出部
    と、前記補正用マークの前記画像データ上の基準位置を
    予め記憶した基準位置記憶部と、この基準位置記憶部に
    格納された当該基準位置データと前記補正用マークデー
    タによる前記位置データとに基づいて前記撮像手段の撮
    像方向のズレ量を算出して前記設定情報補正部に出力す
    る撮像方向ズレ量算出部とを備えたことを特徴とする画
    像表示システム。
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