JPH08276284A - マスク式レーザマーカ - Google Patents

マスク式レーザマーカ

Info

Publication number
JPH08276284A
JPH08276284A JP8033127A JP3312796A JPH08276284A JP H08276284 A JPH08276284 A JP H08276284A JP 8033127 A JP8033127 A JP 8033127A JP 3312796 A JP3312796 A JP 3312796A JP H08276284 A JPH08276284 A JP H08276284A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deflector
pattern
laser
liquid crystal
mask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8033127A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Mori
彰 森
Yukihiro Tsuda
幸宏 津田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP8033127A priority Critical patent/JPH08276284A/ja
Publication of JPH08276284A publication Critical patent/JPH08276284A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワーク上に、複雑かつ任意なパターンを適宜
かつ瞬時に可変でき、かつ、小さなレーザ発振器で、印
字中にワークを移動させることなく、大面積で、ばらつ
きなく、しかも明瞭かつ高速に印字する。 【解決手段】 パルスレーザ発振器と、パルスレーザ発
振器から発せられたレーザ光を集光する第1集光光学系
と、該レーザ発振器からの出射レーザ光をXY方向に偏
向する第1偏向器と、該第1偏向器からのレーザ光によ
りラスタ走査されるマスクと、該マスクを透過したラス
タ走査光が照射されて照射面上に前記パターンをワーク
上に印字するマスク式レーザマーカにおいて、前記集光
光学系が前記パルスレーザ発振器から発せられたレーザ
光を集光する点位置近傍に前記偏向器を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、樹脂、セラ
ミック、ペーパ、布等のワーク上に、複雑かつ任意な文
字、記号、図形、模様等でなるパターンを適宜かつ瞬時
に可変でき、かつ、小さなレーザ発振器で、印字中にワ
ークを移動させることなく、大面積で、ばらつきなく、
しかも明瞭かつ高速に印字できるYAGレーザマスクマ
ーカに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のレーザマスクマーカに類
似するものを挙げれば、次のものが知られる。
【0003】(1) 面上に複数の互いに異なる固定パター
ンを備えた固定マスクを備え、該固定マスクのレーザ光
の入射側と出射側とにそれぞれXY偏向器を備え、入射
側XY偏向器でレーザ光を所望の固定パターンに照射さ
せ、出射側XY偏向器で該パターンからの透過レーザ光
をワーク上の所望位置に照射させることにより、ワーク
を移動させることなく、各固定パターンを適宜組み合わ
せてワーク上に大面積の合成印字を行なう(特開平2年
第15887号参照)。
【0004】(2) 全体パターンを複数の分割パターンに
細分割し、各分割パターンを液晶マスクに時分割表示
し、該液晶マスクへのレーザ照射毎にワークを一方向へ
ずらせ、全体として大きな合成印字を行なう(特開平2
年第187287号参照)。その他、特開平2年第26
8988号がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで近時、レーザ
マスクマーカは、金属、樹脂、セラミック、ペーパ、布
等のワーク上に、複雑かつ任意な文字、記号、図形、模
様等でなるパターンを適宜かつ瞬時に可変でき、かつ、
小さなレーザ発振器で、印字中にワークを移動させるこ
となく、大面積で、ばらつきなく、しかも明瞭かつ高速
に印字できることが要求される。かかる要求に対し、上
記従来のレーザマスクマーカの不都合を次に述べる。
【0006】(1) 特開平2年第15887号のレーザマ
スクマーカは、固定マスクであるため、該固定マスク上
の複数の固定パターン以外のパターンを印字する場合に
は、該固定マスクを交換しなければならないという不都
合がある。また入射側XY偏向器は固定パターンを選択
照射させるためだけの偏向器と考えられ、ラスタ走査さ
せる趣旨まで含まれないと考えられる。即ち、各固定パ
ターンに対してレーザビームを拡大させてなる一括レー
ザ照射であると考えられる。従って本構成では、印字中
にワークを移動させることなく、大面積で合成印字でき
る利点はあるが、複雑かつ任意なパターンを適宜かつ瞬
時に可変でき、かつ、小さなレーザ発振器で、ばらつき
なく、しかも明瞭かつ高速に印字できるとは言えない。
【0007】(2) 特開平2年第187287号のレーザ
マスクマーカは、液晶マスクに全体パターンを時分割表
示する点で画期的である。しかるにレーザ照射の都度、
ワークを同期移動させるため、本構成では、複雑なパタ
ーンを適宜かつ瞬時に変更でき、かつ、大面積に合成印
字できる利点はあるが、小さなレーザ発振器で、印字中
にワークを移動させることなく、ばらつきなく、しかも
明瞭かつ高速に印字できるとは言えない。その他の特開
平2年第268988号についても同様の不都合があ
る。
【0008】本発明は、上記要求及び従来技術の問題点
に着目し、各種ワーク上に、複雑かつ任意な文字、記
号、図形、模様等でなるパターンを適宜かつ瞬時に可変
でき、かつ、小さなレーザ発振器で、印字中にワークを
移動させることなく、大面積で、ばらつきなく、しかも
明瞭かつ高速に印字できるYAGレーザマスクマーカを
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係わるYAGレーザマスクマーカは、YA
Gレーザ発振器と、該YAGレーザ発振器からのレーザ
光をXY方向に偏向する第1偏向器と、該第1偏向器か
らのレーザ光によりラスタ走査される所定のパターンを
表示する液晶マスクと、該液晶マスクを透過したラスタ
走査光をさらに所定のXY方向に偏向する第2偏向器
と、該第2偏向器からのラスタ走査光が照射されて照射
面上に前記パターンが印字されるワークと、制御器とを
備えてなるYAGレーザマスクマーカにおいて、前記Y
AGレーザ発振器はQスイッチ付きとすると共に、前記
制御器は、 (1) ワーク上に印字すべき全体パターンを0又は1のド
ット情報として入力し、記憶すると共に、該記憶された
全体パターン情報を複数個のブロック状の分割パターン
情報に細分割し、 (2) ワーク上への印字時、 イ.Qスイッチでレーザ発振強度を落とし、 ロ.次に、前記複数個の分割パターン情報の中から、一
の分割パターン情報をそのアドレス情報と共に抽出し、 ハ.次に、当該分割パターン情報を液晶マスク上に分割
パターンとして表示させ、 ニ.次に、第1偏向器をラスタ開始位置に駆動させて停
止させ、ホ.次に、第2偏向器を当該分割パターン情報
のアドレス情報に基づき、ワーク上の当該印字領域方向
へ駆動させて停止させ、 へ.次に、QスイッチでYAGレーザ発振器をパルス発
振させると共に、前記第1偏向器で前記液晶マスク上の
表示分割パターンをラスタ走査させ、以上により、ワー
ク上に当該分割パターンを印字させ、以上の工程イ乃至
工程ヘを、ワーク上に全体パターンが合成されて印字さ
れるまで、次の他の分割パターン情報に対し、次々と実
行させる構成とした(請求項1)。
【0010】さらに上記構成において、工程ニは、工程
イ前、工程イと工程ロとの間、工程ロと工程ハとの間又
は工程ホと工程ヘとの間で実施させてもよい(請求項
2)。
【0011】さらにまた、上記請求項1と請求項2との
それぞれのYAGレーザマスクマーカの制御器には、次
の制御を少なくとも一つ加味して備えてもよい。抽出し
た分割パターン情報の総てのドット情報に印字情報がな
いとき、液晶マスクに対して該分割パターンの表示を省
略させると共に、次の分割パターン情報を抽出すること
(請求項3)、抽出した分割パターン情報の上下左右辺
に相当する少なくとも1行列の総てのドット情報に印字
情報がないとき、第1偏向器に対し、該印字情報がない
ドット情報の行列へのラスタ走査を省略させること(請
求項4)、抽出した分割パターン情報の上下左右辺に相
当する少なくとも1行列の総てのドット情報に印字情報
がないとき、ラスタ走査時、Qスイッチで、該印字情報
がないドット情報の行列へのレーザ光の発振強度を落と
させること(請求項5)、互いに隣接する分割パターン
情報の該隣接辺に相当するドット情報が少なくとも1行
列分だけ重複するように、全体パターン情報を複数個の
ブロック状の分割パターン情報に細分割すること(請求
項6)、全体パターン情報を細分割することなく、該全
体パターン情報をそのまま液晶マスクに表示させること
(請求項7)及び/又はラスタ走査時の改行時、Qスイ
ッチでレーザ発振強度を落とさせること(請求項8)。
【0012】さらにまた、上記各構成のYAGレーザマ
スクマーカにおいて、第2偏向器は、液晶マスク側のX
方向偏向用ガルバノメータスキャナと、ワーク側のY方
向偏向用レンズと、これらの間に配置された対物レンズ
とからなり、前記Y方向偏向用レンズは、ワーク印字面
に沿って平行移動させる機構に備えられた構成としても
よい(請求項9)。
【0013】
【作用】請求項1は前段の外観上の構成と後段の制御器
の制御上の構成とからなる。尚、前段構成はあたかも従
来技術の構成でもあるように、「・・・・おいて、」と記載
したが、この前段構成は飽くまで後段構成を実施させる
ための前提構成であって、従来技術の有無を指すもので
はない。以下各構成要素の作用を詳説する。
【0014】YAGレーザ発振器は、いわゆるレーザマ
スクマーカで使用される液晶マスク、レンズ及びミラー
等(以下、ガラス系とする)に対し、波長的に吸収が少
なく、該ガラス系の熱負荷を軽減する。またQスイッチ
により、深掘り刻印(本発明では刻印も印字とする)に
好適な高尖頭値のレーザ光をパルス発振する。
【0015】第1偏向器は、レーザ光をXY方向に偏向
して液晶マスク上に表示された分割パターンをラスタ走
査する。ラスタ走査は、図2に示すように、液晶マスク
6上を、X方向偏向器によって図示左上端から右端へ、
次にY方向偏向器によって次行の左端へ改行され、再度
前記X方向偏向器によって左端から右端へ至る走査を、
最後のX行が終了するまで繰り返す走査である。このラ
スタ走査は、従来技術のレーザビームを拡大させてなる
一括照射と異なり、レーザビーム自体によるピンポイン
ト照射であるため、液晶マスク面での照射レーザ強度を
均一化し、かつ、高強度化する。
【0016】液晶マスクは、表示パターンを適宜、か
つ、瞬時に切り換える。
【0017】第2偏向器は、液晶マスクからの透過レー
ザ光をXY方向に偏向する。この第2偏向器は、ラスタ
走査中、当該分割パターンのワーク上での印字方向へ向
き、停止しているが、分割パターンの変更時は、次のラ
スタ走査用分割パターンのワーク上での印字方向へ向く
ように駆動される。
【0018】ワークは、全体パターンの合成印字が完了
するまで定位置で停止する。
【0019】以上のYAGレーザ発振器のQスイッチ、
第1偏向器、液晶マスク及び第2偏向器は扱い易い電気
信号によって駆動し、これら駆動は、制御器によって制
御される。
【0020】制御器は、先ずワーク上に印字すべき全体
パターンを0又は1のドット情報として入力し、記憶す
ると共に、該記憶された全体パターン情報を複数個のブ
ロック状の分割パターン情報に細分割する。即ち、図3
に示すように、例えばメインメモリ内において、縦横各
72ドットでなるアドレス内に全体パターンを、例えば
1を印字部、0を無印字部のドット情報として入力して
記憶する。その後、該記憶された全体パターン情報を、
同図に示すように、縦横各24ドットでなる合計9個の
アドレス群(即ち、分割パターン情報)A〜Iに細分割
する。この全体パターン情報及び各分割パターン情報の
情報とは、パターン情報は勿論のこと、当初から定めら
れた当該アドレス情報を指す。そして制御器は、これら
パターン情報とアドレス情報とを元に、上記YAGレー
ザ発振器のQスイッチ、第1偏向器、液晶マスク及び第
2偏向器に対し、印字中、次のタイミング制御を行い、
全体パターンをワーク上に合成印字する。
【0021】先ず制御器は、Qスイッチでレーザ光の発
振強度を落とす(工程イ)。液晶マスクで第1分割パタ
ーン表示までの間及び分割パターンの表示変更時(第2
偏向器の駆動から停止時間を含むものとする、以下同
じ)、レーザ光は何らワークの印字に寄与しないばかり
か、寧ろこの間及びこの時のレーザ光照射は、レーザビ
ームの歪み、他所へレーザビームの反射、ガラス系への
熱負荷増大等の弊害をもたらす。そこで制御器は、この
間及びこの時、Qスイッチでレーザ光の発振強度を落と
すようにしている。
【0022】次に制御器は、前記複数個の分割パターン
情報の中から、一の分割パターン情報をそのアドレス情
報と共に抽出する(工程ロ)。例えば図3において、分
割パターン情報Aを抽出する場合、1番地から24番地
までを一時メモリに入力し、次に73番地から96番地
まで入力し、次々と1657番地から1680番地まで
入力することにより、該分割パターン情報Aの抽出を完
了する。各分割パターン情報A〜Iの抽出順序は、合成
印字完了時点における全体パターンの、いわゆる左上か
ら左に向けてラスタ印字すべく抽出するのが自然である
が、ワーク形状や全体パターンの内容や印字速度等を考
慮して適宜設定されることになる。
【0023】次に制御器は、当該分割パターン情報を液
晶マスク上に分割パターンとして表示させる(工程
ハ)。
【0024】次に制御器は、第1偏向器をラスタ開始位
置に駆動させたのち、停止させる(工程ニ)。
【0025】次に制御器は、第2偏向器を当該先に抽出
された分割パターン情報のアドレス情報に基づき、ワー
ク上の当該分割パターンの印字領域方向へ駆動させたの
ち、停止させる(工程ホ)。
【0026】最後に制御器は、QスイッチでYAGレー
ザ発振器をパルス発振させると共に、第1偏向器で液晶
マスク上の表示パターンをラスタ走査させる(工程
へ)。
【0027】以上の工程イ〜工程へにより、ワーク上に
は当該分割パターンが印字されることになる。但し、全
体パターンの合成印字が完了していないときは、ワーク
上に全体パターンが合成印字されるまで、次の他の分割
パターン情報に対し、上記工程イ〜工程へを、次々と実
行させるようにして、全体パターンの合成印字を達成す
るようにしている。
【0028】請求項2の構成は、上記請求項1の工程ニ
が請求項1の順位に限らず、ラスタ走査開始前の位置で
あるならば、何処であってもよいことを示す。
【0029】請求項3〜請求項9の構成は、上記請求項
1と請求項2との構成に対する代表的オプション構成を
列記したものである。
【0030】請求項3の構成は、全体パターン情報を細
分割したときにドット情報の総てに印字情報がない分割
パターン情報が成立する場合が多々あるが、このような
場合に対処するものである。例えば1を印字情報のある
ドット情報とすれば、0は印字情報のないドット情報と
なり、この場合の本請求項3は、分割パターン情報の総
てのドット情報が0の場合の付加制御構成となる。かか
る分割パターン情報は、たとえこれを液晶マスクに表示
したとしても、入射レーザ光の総ては散乱するだけであ
り、印字に寄与しないばかりか、ガラス系への熱負荷増
大、全体パターンの高速印字化阻害、偏向器の駆動損失
等の弊害を誘う。そこで請求項3では、請求項1と請求
項2との各制御器がかかる総てのドット情報に印字情報
がない分割パターン情報を抽出したとき、該制御器は、
印字情報があるドット情報が一つでも含まれる分割パタ
ーン情報が現れるまで、該各分割パターン情報による液
晶マスクへの表示を省略させ、印字情報があるドット情
報が一つでも含まれる分割パターン情報を抽出し次第、
直ちに液晶マスクに該分割パターン情報による分割パタ
ーンを表示させることとした。尚、請求項1の構成から
分かるように、かかる総てのドット情報に印字情報がな
い分割パターンは、これが液晶マスクに表示されなけれ
ば、第2偏向器も当該分割パターン情報のアドレス情報
が省略され、作動しない。このため、上記弊害の発生が
阻止される。また印字情報がある他の分割パターンは、
それぞれ自己のアドレス情報を記憶しているため、本請
求項3の構成により、全体パターンの合成印字に影響が
出ることはない。
【0031】請求項4の構成は、上記請求項3の方式を
さらに一歩進めたものである。即ち、各分割パターンに
は印字情報のないドット情報がランダムに多数存在する
のが常であるが、本請求項4では、殊に液晶マスク上で
上下左右辺に相当する行列において、少なくとも1行列
の総てのドット情報に印字情報がないとき、制御器は、
第1偏向器に対して該行列へのラスタ走査を省略させる
ようにしている。
【0032】請求項5は、上記請求項4の代用構成であ
って、制御器は、第1偏向器に対して該印字情報のない
上下左右辺の行列に対しても、従前どおり、ラスタ走査
を実行させるが、Qスイッチで該行列へのレーザ光の発
振強度を落とすようにしている。
【0033】請求項6の構成は、全体パターンの印字完
了時、隣接する分割パターン同士の隣接印字辺が、第2
偏向器のがたつき、光学系素子の位置変動、外部ノイズ
による制御信号の変動等によって分割パターン同士間の
線を引いたような印字隙間をなくすための対応構成であ
る。即ち、制御器は、全体パターン上において、互いに
隣接する分割パターン情報の双方の該隣接辺に相当する
ドット情報を少なくとも1行列分だけ重複するように、
全体パターン情報を複数個のブロック状の分割パターン
情報に細分割する。
【0034】請求項7の構成による作用は次のとおりで
ある。他の請求項の構成によれば、例えばワーク上の微
小領域に微小かつ単純なる全体パターンを印字したい場
合、かかる全体パターン情報までもが細分割されてしま
う。そこで請求項7の制御器では、かかる細分割するま
でもないような印字条件の全体パターンに対し、これを
細分割することなく、そのまま液晶マスクに表示させる
こととし、第2偏向器へは該全体パターンの印字位置方
向への駆動指令を発振する。
【0035】請求項8の構成による作用は次のとおりで
ある。上記請求項1の液晶マスクへの第1分割パターン
を表示するまでの間及び表示パターン変更時と同様、ラ
スタ走査時における改行時もまた、レーザ光は何らワー
クの印字に寄与しないばかりか、寧ろこの間の照射レー
ザ光はレーザビームの歪み、他所へレーザビームの反
射、ガラス系への熱負荷増大等の弊害をもたらす。そこ
で請求項8の制御器は、かかるラスタ走査時の改行時に
も、Qスイッチでレーザ光の発振強度を落とすようにし
ている。
【0036】請求項9は、本発明に係わるYAGレーザ
マスクマーカに最も好適かつ新規なる第2偏向器を記載
したものである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下本発明に係わるYAGレーザ
マスクマーカの最も好適な実施例を図を参照して説明す
る。
【0038】図1は、請求項1のYAGレーザマスクマ
ーカとして最も好適な第1実施例の構成図である。同図
において、YAGレーザマスクマーカは、Qスイッチ付
きYAGレーザ発振器1と、該YAGレーザ発振器1か
らのレーザ光P1を光学レンズ2で集光P2させたのち
XY方向に偏向してラスタ走査させる第1偏向器3X、
3Yと、該第1偏向器の3Yにて反射されたレーザ光P
3を該第1偏向器の3Xの偏向面内の1点に集光P4さ
せる光学系4と、該第1偏向器3X、3Yからのラスタ
走査光P5を電気的に透過又は散乱させるパターンを表
示する液晶マスク6と、該液晶マスク6を透過したラス
タ走査光P6をさらにXY方向に偏させる第2偏向器7
X、7Yと、前記ラスタ走査光P5を該第2偏向器7X
の反射面内の1点に到達するようにレーザ光P6の方向
を変える光学系5と、前記第2偏向器7X、7Yからの
ラスタ走査光P9が照射されて該照射部に前記パターン
が印字されるワーク10と、制御器11とを備えてい
る。詳しくは、以下のとおりである。
【0039】第1偏向器3X、3Yは、回転軸と回動軸
とが直交し、かつ、離間して備えられたX方向偏向器な
るポリゴンミラー3Xと、Y方向偏向器なるガルバノメ
ータスキャナ3Yとからなる。本実施例のポリゴンミラ
ー3Xは36面体であり、その回転は数段階の定速回転
モードとしてあり(本実施例では、60、120、20
0rpmの3段階で試してある)、ワーク毎に最適なモ
ードが選択される。つまり、ポリゴンミラー3Xの一面
は液晶マスク上でのX方向の1行に相当し、該ポリゴン
ミラー3Xの1回転でX方向の36行分に相当する。他
方、ガルバノメータスキャナ3Yは、レーザP4の受光
点が前記ポリゴンミラー3Xの回転によって一面から次
の面へ変わる間に、一微小偏角だけ回転したのち停止す
るようになっている(この一微小角の回転から停止まで
の所要時間は約3msである)。本実施例では、ガルバ
ノメータスキャナ3Yは43段の微小等偏向角で作動す
る。最後の43段目からは一挙に初め1段目の位置に戻
るという逆回転をする(中立位置を22段目とする方法
もあるが、ラスタ走査開始位置に合わせて、本実施例で
は1段目を中立位置としてある)。つまり、ガルバノメ
ータスキャナ3Yの一微小偏向角は液晶マスクでのY方
向への改行に相当し、該ガルバノメータスキャナ3Y
は、前記ポリゴンミラー3Xの一面が終了する毎に一微
小偏向角分だけ回転し、前記ポリゴンミラー3Xの一面
が終了するまではその位置で停止している。
【0040】液晶マスクは、いわゆる透過分散形液晶マ
スクと呼ばれるものであり、例えば旭硝子の「液晶と樹
脂とからなる液晶樹脂複合体(特開平2年第96714
号参照)」がこれに相当する。この液晶マスクは、無数
の平行電極線が液晶表裏に、かつ、該表裏間で互いに交
差するように設けられており、電圧無印加部の液晶はレ
ーザ光散乱状態であるが、電圧印加部の液晶はレーザ光
透過状態となる液晶マスクである。そこでかかる電気的
特性を利用し、該電極に選択的に電圧を印加し、所望の
パターンを瞬時に画像化する。この液晶マスクは、従来
の液晶マスクと異なり、偏光板が不要である。この結
果、該液晶マスクを透過したレーザ光の強度は従来の液
晶マスクと比較して2倍以上となる。本実施例ではこの
液晶マスク6を縦横24ドットでなるドットマトリクス
で各分割パターンを表示している。尚、この液晶マスク
は、例えば72ドット×36ドットのほか、各種準備す
ることができる。
【0041】第2偏向器は、回転軸と平行移動軸とが直
交し、かつ、離間して備えられたX方向偏向器なるガル
バノメータスキャナ7Xと、Y方向偏向器なるレンズ系
7Yとからなる。この第2偏向器は、液晶マスクの分割
パターンのラスタ走査が完了するまで、当該分割パター
ンの印字領域に向かって停止している。そして液晶マス
クの分割パターンが変化する間に、該新たな分割パター
ンの印字位置領域に向かって駆動され、該位置に至った
後、該分割パターンのラスタ走査が完了するまで、該位
置で停止している。
【0042】ところで図1の第2偏向器は、請求項9の
一実施例でもある。そこで該構成について詳説する。液
晶マスク6を透過したラスタ走査光P6は、X方向偏向
用ガルバノメータスキャナ7Xと、対物レンズ8と、Y
方向偏向用レンズ7Yとを経てワーク10に至り、液晶
マスク6のパターンを該ワーク10の表面9に印字す
る。このY方向偏向用レンズ7Yは、ワーク10の印字
面に沿って該レンズ7Yを平行移動させる機構72、7
3に固設されている。72は制御器1の作動タイミング
指定によって回動するACモータであり、このACモー
タ72によって出力軸に連結されたリンク機構を経て、
該レンズ7Yを孔内に固設したテーブル73をワーク1
0の印字面に沿って平行往復移動させる。
【0043】この第2偏向器としては、従来から、例え
ば互いに回動軸が直交し、かつ、離間して備えられた2
個のガルバノメータスキャナ7X、7Yでなる構成が知
られる。また互いに回動軸と揺動軸とが直交し、かつ、
離間して備えられたガルバノメータスキャナ7Xと、対
物レンズを兼ね備えた揺動レンズ7Yとでなる構成、そ
の他が知られる。
【0044】しかるに、前者の場合、2個のガルバノメ
ータスキャナ7X、7Yで2回偏向させるため、結像画
像の歪みが著しく、その補正手段として、ガルバノメー
タスキャナ7Yとワーク10との間に備えた通常の対物
レンズのほか、ガルバノメータスキャナ7X、7Y間に
Fーθレンズを備える必要があり、レンズ系が大きくな
るという不都合がある。
【0045】他方後者の場合、仮に揺動レンズ7Yの縮
小比が、例えば1/25以下にすると(即ち、揺動レン
ズ7Yの焦点距離が短くすると)、揺動に伴い収差の変
化が大きく現れるため、印字の位置ずれや照射レーザ光
強度の密度低下等が生ずる不都合がある。
【0046】図1の第2偏向器は、後者形式を改良した
のものと言えるが、後者形式のように対物レンズとY方
向偏向を兼備させる構成ではなく、対物レンズは対物レ
ンズ8として独立させ、その代わり、揺動機構ではな
く、ワーク10の印字面に沿って該Y方向偏向用レンズ
7Yを平行移動させる機構72、73に備えた構成とし
た。この結果、上記レンズ系を大形化することなく、印
字の位置ずれや照射レーザ光強度の密度低下等の不都合
を阻止することができる。
【0047】さて、説明を請求項1の第1実施例に戻
す。上記第1実施例のYAGレーザ発振器本体はCW発
振をQスイッチによってパルス発振させる形式である。
該Qスイッチは音響光学効果を利用する方法(A/O)
によっている。尚、このQスイッチでレーザ光の発振強
度を落としたとき、その低下強度は、低ければ低い程よ
いが、該YAGレーザ発振器1のレーザ発振能力、ガラ
ス系の耐熱負荷性、ワーク10の材質、ポリゴンミラー
3Xの回転数、その他の諸条件を横睨みして決定するの
がよい。一目安として、ワーク毎に定まるスレッシュホ
ウルド未満の値とすると、汎用性がある(スレッシュホ
ールドとはワークの材質によって決定される該ワークへ
の印字が可能なレーザ光の閾値である)。尚、Qスイッ
チでのレーザ光強度をこのスレッシュホウルド以上の値
として、ラスタ走査中、全体パターンの内、ある部位を
深掘り印字し、他の部位を該Qスイッチで浅掘りするこ
とも自在である。
【0048】集光光学系は、第1偏向器及び第2偏向器
のレーザ光の入射路内に設置される。これは、各偏向器
への入射レーザ光が大径ビームであったり、偏向角を有
するとき、これらを集光させて印字の変形、ばらつき、
レーザ損失等を軽減させる。尚、この集光光学系によ
り、レーザ光は各偏向器へは極小の点照射となるため、
各偏向器を小型化でき、その結果、該偏向器の駆動慣性
を低減させる。またこの結果、制御器は、ばらつきのな
い高速制御ができ、かつ、微動制御ができるようにな
る。
【0049】第1偏向器の集光光学系は、YAGレーザ
発振器1とガルバノメータスキャナ3Yとの間のリレー
レンズ(いわゆるビームスプリッタ)2と、該ガルバノ
メータスキャナ3Yとポリゴンミラー3Xとの間のリレ
ーレンズ4とでなる。前者リレーレンズ2はなくても構
わないが、レーザ発振器1からのレーザ光P1のビーム
径が大きい場合、ガルバノメータスキャナ3Y面への入
射角及び反射角が、該ガルバノメータスキャナ3Yの偏
向角により、差が生ずるのを防ぐために配置したもので
ある(従ってかかる視点によれば、前者リレーレンズ2
は必需品と言えなくもない)。上記理由のほか、本実施
例では、レーザ光P1のビーム直径は2mmである点及
び液晶マスクが縦横70mm×70mm(但しドットマ
トリクスは縦横24ドット)においてY方向に43列走
査する点等を考慮し、レーザ光P1をリレーレンズ2で
心持ち集光させ、略30%重ね照射ができるビーム径と
なるようにしたものである。これに対し、リレーレンズ
4は不可欠である。このリレーレンズ4により、ガルバ
ノメータスキャナ3Yの全偏向角のレーザ光P3を受光
できるような非常に大きいポリゴンミラー3Xが不要と
なる。即ち、ポリゴンミラー3Xが小型で済み、軽量化
できる。本発明では、このリレーレンズ4を配置してポ
リゴンミラー3Xの各面の一点にレーザ光P4が到達す
るように集光P4し、これにより、該ポリゴンミラー3
Xから液晶マスク6へのラスタ走査用のレーザ光P5を
均一化でき、該ポリゴンミラー3Xの面の数も増やすこ
とができ、その分、該ポリゴンミラー3Xの回転速度を
低く押さえることもできるため、制御器11による第1
偏向器に対する制御が容易となる等の効果がある。尚、
ガルバノメータスキャナ3Yとポリゴンミラー3Xとを
極近接させれば、見た目には、また、理論上も、かかる
リレーレンズ4は不要と考えられがちであるが、実用
上、該リレーレンズ4を装着するのがよい。
【0050】第2偏向器の集光光学系は、第1偏向器の
ポリゴンミラー3Xと第2偏向器のガルバノメータスキ
ャナ7Xとの間で、液晶マスク6に近接配置したリレー
レンズ(いわゆるフィールドレンズ)5である。このリ
レーレンズ5はポリゴンミラー3Xからのラスタ走査光
P5を一旦平行光に直し、次に第2偏向器のガルバノメ
ータスキャナ7Xに屈折P6させる。
【0051】制御器11は、液晶マスク6(S1)、ポ
リゴンミラー3Xの駆動部32(S2)、YAGレーザ
1のQスイッチ(S3)、ガルバノメータスキャナ3Y
の駆動部31(S4)、ガルバノメータスキャナ7Xの
駆動部71(S5)、レンズ系7Yの駆動部72(S
6)と接続されてこれを制御する。
【0052】この制御器11の制御を、図4の制御フロ
ーチャートを参照し、以下説明する。先ず、ワーク上に
印字すべき全体パターンを、0又は1のドット情報とし
て、制御器内のメインメモリの予め定められたアドレス
群内に入力して記憶する(ステップ(1) )。次に、該記
憶した全体パターン情報を複数のアドレス群でなるパタ
ーン情報に細分割する(ステップ(2) )。次に、YAG
レーザ発振器を駆動させるが、このとき、Qスイッチで
該YAGレーザ発振器の発振レーザ光を低強度化させる
(ステップ(3) )。次に、一の分割パターン情報をメイ
ンメモリから該制御器内の一時メモリに抽出する(ステ
ップ(4) )。次に、この抽出した分割パターン情報を元
に液晶マスク6上に該分割パターンを表示させる(ステ
ップ(5))。次に、第1偏向器をラスタ走査開始位置へ
駆動させたのち、停止させる(ステップ(6) )。次に、
第2偏向器を該分割パターンのアドレス情報に従ってワ
ーク上の該印字方向へ駆動させたのち、停止させる(ス
テップ(7) )。次に、Qスイッチでパルス発振させつつ
(ステップ(8) )、当該分割パターンのラスタ走査が完
了するまで(ステップ(10))、第1偏向器で液晶マスク
上をラスタ走査させる(ステップ(9) )。ラスタ走査終
了後、Qスイッチでレーザ発振を低強度化させる(ステ
ップ(11))。以上の工程(ステップ(4) 〜(11))を、総
ての分割パターン情報の抽出が完了するまで(即ち、全
体パターンのワーク上での合成印字が完了するまで)繰
り返す(ステップ(12))。次に、次のワークがなければ
(ステップ(13))、YAGレーザ発振器のレーザ発振を
を停止させる(ステップ(14))。逆に、次のワークがあ
れば(ステップ(13))、該ワークが印字位置まで搬送さ
れ、かつ、安定するのを待ち(ステップ(15))、また前
回印字と同一であれば、予め決められた最初のアドレス
である分割パターン情報の抽出なるステップ(4)に戻
り、以後前述と同一の制御を繰り返す。以上の如くし
て、ワーク上に所定の全体パターンの合成印字を完了す
る。尚、前回のワークへの印字と異なる印字をするので
あれば、制御器内のメインメモリに新規の全体パターン
をドット情報とて入力して記憶し(ステップ(1) )、以
後前述の制御を繰り返すことになる。
【0053】図5は上記制御器における制御のタイミン
グチャートである。簡単に説明すれば、図6に示す図形
91とアルファベット92とからなる全体パターン9
を、制御器内のメインメモリの横96ドット×縦72ド
ット分に、印字部を1、無印字部を0とする印字情報と
して、入力して記憶する。さらにこれを横4分割かつ縦
3分割の計12個の分割パターン情報A〜Lに細分割し
た。かかる全体パターン情報及び分割パターン情報に対
して、制御器の制御タイミングは、図5において、液晶
マスクの表示パターン順序は図、第2偏向器のXY偏
向タイミングは図、第1偏向器のXY偏向タイミン
グは図、レーザ発振器の駆動又は停止及びQスイッ
チの駆動タイミングは図に示される。同図における特
徴的な制御タイミングは、第2偏向器の駆動に際し、X
Y方向偏向器は何れか(X方向又はY方向)を先に駆動
させ、該駆動完了の後、他(Y方向又はX方向)の偏向
器を駆動させる点であり、この順次駆動制御により、第
2偏向器の駆動時間のロスを低減している(図参
照)。他の説明は省略する。
【0054】ところで図1を参照して付記すれば、上記
制御器11は、多数の同一ワーク10が順に設置された
テーブル14の駆動モータ13と、該モータ13の回転
及びその停止によって該ワーク10が所定の印字位置に
停止したことを検出する位置センサ141、15とに接
続されている。制御器は11は、これらとの作動タイミ
ングをも図りながら、各ワーク10の表面に同一の全体
パターンを合成印字しているのは当然である。
【0055】請求項1の他の代表的実施例を以下項目列
挙する。 (1) 第1実施例で説明のとおり、リレーレンズ2を省い
てもよい。 (2) 第1偏向器は、XY方向偏向共に、ガルバノメータ
スキャナとしてもよい。但し、一方のガルバノメータス
キャナは上記第1実施例のポリゴンミラーのように、定
速回動させる必要がある。 (3) 第1偏向器のポリゴンミラーとガルバノメータスキ
ャナとのXY方向偏向は上記第1実施例の配置ではな
く、その逆配置であってもよい。 (4) その他第1偏向器は、ポリゴンミラー、ガルバノメ
ータスキャナ、揺動するレンズやシリンドリカルレンズ
やプリズム等の各種公知の組合せでもよい。 (5) 第1実施例ではリレーレンズ8は液晶マスク6の入
射光側に配置したが、出射光側に配置してもよく又は両
側に配置してもよい。尚、両側とした場合、液晶マスク
での透過光を偏向光でなく平行光とすることができる利
点があるが、レンズ系がその分だけ増加し、レーザ光の
レンズ損失を考慮すると、この両側配置は得策と言いが
たい。 (6) 第2偏向器は、XY方向偏向共に、ガルバノメータ
スキャナとしてもよく又は対物側を揺動レンズとしても
よく、その他シリンドリカルレンズ、プリズム等の各種
公知の組合せでもよい。
【0056】本請求項1の実施例の効果を述べれば、Y
AGレーザは光学系に対して熱負荷が少ない利点があ
る。第1偏向器のラスタ走査は、従来技術におけるレー
ザビームを拡大する一括照射と異なり、レーザビーム自
体のいわゆるピンポイント照射であるため、液晶マスク
へのレーザ照射を均一化し、かつ、高強度化する。しか
もQスイッチ付きであるため、ラスタ走査における照射
レーザ強度の尖頭値が高くなる。さらに液晶マスクが偏
光板不要であるため、透過レーザ強度が2倍以上とな
る。以上の結果、YAGレーザ発振器を小型化できるば
かりでなく、印字の深掘りができ、この結果、鮮明な印
字を実施することができる。第2偏向器は、ワークを移
動させることなく、大面積で全体パターンを合成印字で
きる効果を備えている。尚、集光光学系は大径、かつ、
偏向した偏向器面への入射レーザ光を極小に集光させる
ため、印字の変形、ばらつき、レーザ損失等を軽減させ
ると共に、各偏向器の小型化を達成する。このため、各
偏向器の駆動慣性を低減でき、ばらつきのない高速制御
や微動制御を達成できる。制御器は、印字中、第1偏向
器の駆動、液晶マスクの表示変更、第2偏向器の駆動及
びQスイッチの駆動タイミングを最適制御する。殊にQ
スイッチ制御は、印字が不要なレーザ光の発振強度を押
さえてレーザビームの歪み、他所へのビーム散乱、ガラ
ス径の熱負荷増大等の弊害を阻止する。従って、金属や
セラミック等に対しても有効な合成印字をすることがで
きる。しかも、該高強度レーザ光による該YAGレーザ
マスクマーカの自損をも阻止できる。
【0057】請求項2の実施例は、上記請求項1の第1
実施例における制御工程のステップ(6) をステップ(7)
の後としたものである。そのほか、ステップ(6) は、ス
テップ(3) とステップ(4) との間(この間には、ステッ
プ(10)とステップ(11)との間、ステップ(11)とステップ
(12)との間、及び、ステップ(12)とステップ(4) との間
を含む)、ステップ(4) とステップ(5) との間、又は、
ステップ(8) とステップ(9) との間でもあってもよい。
即ち、ステップ(6) は、印字開始前及び印字中におい
て、ラスタ走査時(ステップ(9)(10) )以外であるなら
ば、どの工程間で行ってもよい。
【0058】請求項3における「抽出した分割パターン
情報の総てのドット情報に印字情報がないとき」とは、
図6を参照して述べれば、分割パターンIに相当する。
かかる全面に印字情報がない分割パターン情報Iは、液
晶マスクでの表示時、総ての電極対間での電圧印加がな
い。従って制御器は、かかる情報(ドット情報又は電圧
印加情報等)を元に、液晶マスクに対して該分割パター
ンの表示を省略させる。この判断は、図3において、ス
テップ(4) で行われる。
【0059】他の実施例として、上記制御器自身による
判断機能と異なり、全体パターン又は各分割パターンを
オペレータが画面を通して視認し、該印字情報のない分
割パターンの有無を見定め、該印字情報のない分割パタ
ーンをキー入力で指定するようにしてもよい。
【0060】上記請求項3の実施例によれば、制御器
は、液晶マスクに対し、全面に印字情報のない分割パタ
ーンの表示を省略させるため、散乱レーザ光の多量発
生、ガラス系の熱負荷増大、高速印字化阻害、偏向器の
駆動損失等を阻止することができる。
【0061】請求項4における「抽出した分割パターン
情報の上下左右辺に相当する少なくとも1行列の総ての
ドット情報に印字情報がないとき」とは、図6を参照し
て述べれば、分割パターンA〜E、H、J〜Lに相当す
る。かかる上下左右端の少なくとも1つのラスタ走査行
列がレーザ光散乱状態(即ち、印字情報のない行列)で
あれば、液晶マスクで表示した時、当該印字情報がない
行列の電極対間での電圧印加がない。従って制御器は、
かかる情報(ドット情報又は電圧印加情報等)を元に、
液晶マスクに対し、当該印字情報がない行列のラスタ走
査を省略するように、第1偏向器に指令を出す。
【0062】上記請求項4の実施例によれば、制御器
は、第1偏向器に対し、分割パターンの印字情報のない
行列のラスタ走査を止めてレーザ照射を省略させるた
め、散乱レーザ光の多量発生、ガラス系の熱負荷増大、
高速印字化阻害、偏向器の駆動損失等を阻止することが
できる。
【0063】請求項5の実施例は、上記請求項3の変形
でもある。即ち、第1偏向器による液晶マスクへのラス
タ走査は、従前通り、全面に渡り実行するが、Qスイッ
チを0.5ms程度で作動させ、該印字情報のない行列
に対するレーザ照射の強度を低くした。
【0064】上記請求項5の実施例によれば、制御器
は、全面ラスタ走査は実行させるが、該印字情報がない
行列の間、Qスイッチでレーザ光を低強度化するため、
散乱レーザ光の多量発生、ガラス系の熱負荷増大等を阻
止することができる。
【0065】請求項6の実施例は、全体パターンの印字
が完了した時、隣接する分割パターン同士の隣接印字部
が、第2偏向器のガタ付きや光学系素子の位置変動や外
部ノイズによる制御信号変動等により、分割パターン同
士の隣接域が、線を引いたように、印字隙間が生ずる場
合、該隣接する分割パターン同士の該隣接領域を1ドッ
ト分だけラップさせた分割パターン情報に編成したもの
である。尚、本実施例の作動又は解除はマニアル入力で
もよい。
【0066】上記本請求項6の実施例によれば、制御器
は、互いに隣接する分割パターンの隣接部領域を僅かに
重複するように分割するため、該ラップ部分は2度掘り
となる可能性もあるが、見苦しい印字隙間の発生を阻止
でき、鮮明な印字を保持できる。
【0067】請求項7の実施例は、全体パターンを分割
することなく、そのまま液晶マスクに表示させ、かつ、
第2偏向器へは該全体パターンの単なる印字位置変更駆
動指令のみを発振する。尚、本実施例の作動又は解除も
またマニアル入力でもよい。
【0068】本請求項7の実施例によれば、他の請求項
によれば、分割するまでもない単純な全体パターンまで
も分割されてしまうことになるが、上記実施例における
制御器は、全体パターンを分割することなく、液晶マス
クに表示することもできる。本構成は、単純かつ小さな
全体パターンをワーク上の微小領域に印字する際に好適
である。
【0069】請求項8の実施例は、ラスタ走査時の改行
時にも、Qスイッチでレーザ発振強度を落とすようにし
ている。図3のフローチャートでは、ステップ(91)の制
御となる。
【0070】本請求項7の効果を述べれば、上記請求項
1の液晶マスクの表示パターン変更時と同様、ラスタ走
査時の改行時でも、レーザ光は何らワークの印字に寄与
しないばかりか、寧ろこの間のレーザ光照射はレーザビ
ームの歪み、他所へレーザビームの反射、ガラス系への
熱負荷増大等の弊害をもたらす。本請求項7の実施例に
よれば、かかる弊害を阻止することができる。
【0071】尚、上記実施例では、図1に示すように、
請求項2〜請求項8のオプション(機能増加)への切替
えは図1に示される外部端末器12からの入力S8によ
って行ったが、制御器11内に該入力装置を組込んでも
同様である。
【0072】
【発明の効果】以上説明したとおり、請求項1又は請求
項2に係わるYAGレーザマスクマーカによれば、YA
Gレーザ発振器と、第1偏向器と、液晶マスクと、第2
偏向器とを単に羅列するのではなく、制御器を備え、該
制御器は、全体パターンを0又は1のドット情報として
入力し、さらに複数の分割パターン情報として細分割し
て記憶し、その上で上記要素を時系列的にタイミング制
御させるため、複雑なパターンを適宜かつ自在に可変で
き、小さなレーザ出力で、印字中にワークを移動させる
ことなく、ばらつきなく、大面積で、しかも明瞭かつ高
速なる合成印字を達成できる。詳しくは、本構成によれ
ば、高強度レーザ光を発振するので金属やセラミック等
に対しても深掘り印字が可能であり、この結果、鮮明な
合成印字ができる。またQスイッチによる高強度レーザ
光でありながら、該Qスイッチを制御することにより、
該YAGレーザマスクマーカ自体の該高強度レーザ光に
よる自損という不都合も阻止できる等の長所を備えるた
め、実用上、最適最高のYAGレーザマスクマーカとな
り得る。
【0073】請求項3によれば、制御器は、液晶マスク
に対し、印字情報のないパターンの表示を省略させるた
め、散乱レーザ光の多量発生、ガラス系の熱負荷増大、
高速印字化の阻害、偏向器の駆動損失等を阻止できる。
【0074】請求項4の構成によれば、制御器は、第1
偏向器に対して分割パターンの印字情報のない行列のラ
スタ走査を省略させるので、散乱レーザ光の多量発生、
ガラス系の熱負荷増大、高速印字化の阻害、偏向器の駆
動損失等を阻止できる。
【0075】請求項5の構成によれば、制御器は、Qス
イッチで、分割パターンの印字情報のない行列のラスタ
走査用レーザ光強度を低くするので、散乱レーザ光の多
量発生、ガラス系の熱負荷増大を阻止できる。
【0076】請求項6の構成によれば、制御器は、互い
に隣接する分割パターンの隣接部領域を僅かに重複する
ように分割するため、該ラップ部分は2度掘りとなる場
合もあるが、見苦しい印字隙間の発生を阻止できる。従
って、鮮明な印字を行なうことができる。
【0077】請求項7の構成によれば、制御器は、全体
パターンを分割することなく、液晶マスクに表示するた
め、微小かつ単純な全体パターンをワーク上の微小領域
内へ印字するときには好適である。
【0078】請求項8の構成によれば、制御器は、ラス
タ走査時における改行時にもQスイッチでレーザ光強度
を低くするので、レーザビームの歪み、他所へレーザビ
ームの反射、ガラス系の熱負荷増大を阻止できる。
【0079】請求項9のYAGレーザマスクマーカの第
2偏向器によれば、Fーθレンズを用いることなく、か
つ、収差を極小にでき、適性な印字を行なえるため、印
字面積が大きくても、全体面に深掘りができる、鮮明な
印字ができる
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1のYAGレーザマスクマーカの第1実
施例の構成図である。
【図2】本発明におけるラスタ走査を説明する図であ
る。
【図3】本発明における制御器のメインメモリにおける
全体パターン情報の格納を説明する図である。
【図4】請求項1のYAGレーザマスクマーカの制御フ
ローチャートである。
【図5】請求項1のYAGレーザマスクマーカの制御タ
イミングチャートである。
【図6】本発明に係わる実施例の全体パターン及びその
分割パターンの例を示す図である。
【符号の説明】
1 YAGレーザ発振器 2、4、5 集光光学系 3X、3Y 第1偏向器 6 液晶マスク 7X、7Y 第2偏向器 8 対物レンズ 9 全体パターン 10 ワーク 11 制御器 P1〜P9 レーザ光 S1〜S8 制御接続

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスレーザ発振器と、パルスレーザ発
    振器から発せられたレーザ光を集光する第1集光光学系
    と、該レーザ発振器からの出射レーザ光をXY方向に偏
    向する第1偏向器と、該第1偏向器からのレーザ光によ
    りラスタ走査されるマスクと、該マスクを透過したラス
    タ走査光が照射されて照射面上に前記パターンをワーク
    上に印字するマスク式レーザマーカにおいて、前記集光
    光学系が前記パルスレーザ発振器から発せられたレーザ
    光を集光する点位置近傍に前記偏向器を配置したことを
    特徴とするマスク式レーザマーカ。
  2. 【請求項2】 パルスレーザ発振器と、該第1偏向器か
    らのレーザ光によりラスタ走査されるマスクと、該マス
    クを透過したラスタ走査光をさらに所定のXY方向に偏
    向する第2偏向器と、制御器とを有し、前記第2偏向器
    からのラスタ走査光が照射されて照射面上に前記パター
    ンをワーク上に印字するマスク式レーザマーカにおい
    て、前記第1偏向器及び第2偏向器へのレーザ光入射経
    路上にそれぞれ第1、第2の集光光学系を設置させ、該
    第1集光光学系の集光点位置近傍に前記第1偏向器を配
    置し、該第2集光光学系の集光点位置近傍に前記第2偏
    向器を配置したことを特徴とするマスク式レーザマー
    カ。
  3. 【請求項3】 前記集光光学系はレンズであることを特
    徴とする請求項1、2記載のマスク式レーザマーカ。
JP8033127A 1996-01-29 1996-01-29 マスク式レーザマーカ Pending JPH08276284A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8033127A JPH08276284A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 マスク式レーザマーカ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8033127A JPH08276284A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 マスク式レーザマーカ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3224916A Division JP2701183B2 (ja) 1991-08-09 1991-08-09 液晶マスク式レーザマーカ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08276284A true JPH08276284A (ja) 1996-10-22

Family

ID=12377955

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8033127A Pending JPH08276284A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 マスク式レーザマーカ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08276284A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7057259B2 (en) 2001-03-21 2006-06-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor wafer with ID mark, equipment for and method of manufacturing semiconductor device from them
CN100438015C (zh) * 2001-03-21 2008-11-26 株式会社东芝 具有id标记的半导体晶片,及从中生产半导体器件的方法和设备

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7057259B2 (en) 2001-03-21 2006-06-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor wafer with ID mark, equipment for and method of manufacturing semiconductor device from them
CN100420013C (zh) * 2001-03-21 2008-09-17 株式会社东芝 具有id标记的半导体晶片,及从中生产半导体器件的方法和设备
CN100438015C (zh) * 2001-03-21 2008-11-26 株式会社东芝 具有id标记的半导体晶片,及从中生产半导体器件的方法和设备
US7700381B2 (en) 2001-03-21 2010-04-20 Kabushikia Kaisha Toshiba Semiconductor wafer with ID mark, equipment for and method of manufacturing semiconductor device from them

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2701183B2 (ja) 液晶マスク式レーザマーカ
US5329090A (en) Writing on silicon wafers
US6625181B1 (en) Method and apparatus for multi-beam laser machining
US5198843A (en) Optical marking system having marking mode selecting function
KR19980018909A (ko) 멀티헤드 레이저 가공기 (A multi-head laser engraving machine)
WO1994012310A1 (en) Laser marking apparatus and method
JP2860765B2 (ja) レーザ刻印装置の制御装置
EP0729806A1 (en) Laser marking method and apparatus therefor
US6160603A (en) Liquid crystal mask, liquid crystal laser marker, and marking method using the same
JPH08276284A (ja) マスク式レーザマーカ
JP3258804B2 (ja) マーキング装置の制御装置
JP4519443B2 (ja) レーザ加工装置及びそのワーク距離調整方法
CN105033453A (zh) 一种旋转式振镜扫描装置及其应用方法
JPS60106686A (ja) レ−ザ・マ−キング装置
JPH0693402B2 (ja) レ−ザ・トリミング方法及び同トリミング装置
JP3379480B2 (ja) 表示基板用レーザ加工装置
JP2729451B2 (ja) レーザマーキング方法および装置
JP3237832B2 (ja) レーザ加工装置及びレーザ穴あけ加工方法
WO1995021718A1 (fr) Procede de pilotage pour afficheur par panneau a cristaux liquides
JPH0318491A (ja) レーザ印字装置
JPH06210468A (ja) レーザマーキング装置および方法
EP0742071B1 (en) Liquid crystal display for laser marker
JPH08141769A (ja) レーザ加工装置
JP3242411B2 (ja) マスク走査型レーザマーカ及びその走査方法
JPH1015676A (ja) スキャニング式レーザマーキング装置