JPH08276278A - アルミニウム材の抵抗溶接方法 - Google Patents

アルミニウム材の抵抗溶接方法

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JPH08276278A
JPH08276278A JP7079046A JP7904695A JPH08276278A JP H08276278 A JPH08276278 A JP H08276278A JP 7079046 A JP7079046 A JP 7079046A JP 7904695 A JP7904695 A JP 7904695A JP H08276278 A JPH08276278 A JP H08276278A
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孝 岩佐
Shinji Okabe
伸治 岡部
Takanori Yahaba
隆憲 矢羽々
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム材の抵抗溶接において、低い加
圧力でしかも低電流でも良好な溶接強度が得られる技術
を提供する。 【構成】 初期粘度が0.1Pa・s以上で80Pa・
s以下の液状樹脂を10〜50wt%、電気抵抗がアル
ミニウムよりも高い、1種以上の金属粉末を残部として
なる混練物を、被溶接材の接合界面に介在させた状態で
溶接する。 【効果】 混練物が適度な流動性を持っているため、通
常より低い加圧力でも、界面に混合粉末を高密度で分布
させることができる。この結果、良好な通電橋洛を生じ
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム材の抵抗溶
接方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム材は熱伝導度が高く、しか
も電気抵抗が低いため、抵抗溶接する場合には鉄系材料
に比較してかなり高い電流を必要とする。また、アルミ
ニウム材の表面には強固な酸化膜が形成されており、そ
の酸化膜が絶縁効果を持つために安定な通電橋洛を生じ
難く、溶融接合部の形状が不安定となるため、それを防
止するために高い加圧力を必要としている。高電流、高
加圧力を実現するためにはアルミニウム材の抵抗溶接設
備は巨大となり、設備費の高騰化は避けられなかった。
そこで、この問題を解決するための技術として、例えば
特公昭54−41550号「アルミニウムの抵抗溶接
法」、特公昭59−26392号「アルミニウムの抵
抗溶接法」、特開昭63−278679号「アルミニ
ウム系材の抵抗溶接方法」が提案されている。
【0003】上記はアルミニウム板とアルミニウム板
との間に亜鉛薄膜を介在させた状態で溶接する方法であ
る。溶接時に亜鉛が瞬間的に溶融して局部的に高抵抗部
を形成し、この高抵抗部に電力を集中できるから、接合
部の強度が高まる。
【0004】上記はアルミニウム板とアルミニウム板
との間にTi薄膜を介在させた状態で溶接する方法であ
る。アルミニウムより1〜2桁電気伝導度の小さいTi
の部分で電流が集中して十分なジュール熱が発生する。
生成するAl−Ti系化合物も高抵抗部となるので大き
なジュール熱を発生する。従って、接合部の強度が高ま
ると言うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記はアルミニウム
板とアルミニウム板との間に低電気伝導度の薄膜を介在
させた状態で溶接する方法であり、作用効果は上記,
と同様である。
【0006】上記〜はともにジュール熱を増大させ
て抵抗溶接の効率化を図るものであり、電流の効果的な
利用を促し、電流を低減することも可能であるという効
果はある。しかし、高い加圧力を要する点での改善はな
い。そこで、本発明の目的はアルミニウム材の抵抗溶接
において、低い加圧力でしかも低電流で良好な溶接強度
が得られる技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、金属粉末
や金属酸化物をアルミニウム材間にインサートして抵抗
溶接を実施する研究を続ける中で、アルミニウム板とア
ルミニウム板との間にインサートする金属粉末や金属酸
化物が高密度で分散されるほど良好な結果が得られるこ
とを見出した。高密度に分散されていれば、金属粉末や
金属酸化物が良好な通電橋洛を生じるからである。
【0008】高密度に分散させる手段の一つは加圧力を
高めることであるが、これでは従来と変わらない。そこ
で、本発明者等は金属粉末や金属酸化物を流動性樹脂に
混練した形態で取扱う方法を試み、加圧力を低減する見
通しを得た。
【0009】具体的には、初期粘度が0.1Pa・s以
上で80Pa・s以下の液状樹脂を10〜50wt%、
電気抵抗がアルミニウムよりも高い、1種以上の金属粉
末を残部としてなる混練物を、被溶接材の接合界面に介
在させた状態で溶接する。ここで初期粘度は粉末混練前
の樹脂粘度、即ち容器内の樹脂若しくは開缶直後の樹脂
の粘度に相当する。
【0010】または、初期粘度が0.1Pa・s以上で
80Pa・s以下の液状樹脂を10〜50wt%、金属
粉末及び金属酸化物を残部としてなる混練物を、被溶接
材の接合界面に介在させた状態で溶接する。
【0011】前記液状樹脂は、室温硬化型樹脂であって
もよい。室温硬化型樹脂は初期状態は液体であり、これ
を大気中に常温下で放置すると固化する。そこで、固化
する前の液状のうちに金属粉末などと混練して、溶接を
実施する。
【0012】前記室温硬化型樹脂は、アクリル系樹脂,
ニトリル系樹脂,ウレタン系樹脂,シリコン系樹脂,ポ
リエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種であるこ
とが好ましい。
【0013】前記金属粉末は、アルミニウムと共晶反応
を生じる元素から選ばれる少なくとも1種であってもよ
い。
【0014】前記金属粉末は、Mg(マグネシウム),
Zn(亜鉛),Si(珪素)から選ばれる少なくとも1
種であってもよい。
【0015】前記金属粉末は、互いに自己発熱反応を生
じる2種以上の元素の混合粉末であってもよい。
【0016】前記自己発熱を生じる2種以上の元素のう
ち、1種はアルミニウムであり、残りはNi(ニッケ
ル),Cu(銅),Mn(マンガン),Zr(ジルコニ
ウム),Ti(チタン),Cr(クロム),Co(コバ
ルト)から選ばれた少なくとも1種の元素の粉末であ
る。
【0017】前記金属粉末は、アルミニウム,Mg(マ
グネシウム),Zr(ジルコニウム)から選ばれる少な
くとも1種であり、金属酸化物がMnO2,Cr23
TiO2,SiO2,Fe23,CuOから選ばれる少な
くとも1種である。
【0018】前記金属粉末は、Ti(チタン)であり、
金属酸化物がMnO2,Cr23,SiO2,Fe23
CuOから選ばれる少なくとも1種であってもよい。
【0019】前記金属粉末は、Si(珪素)であり、金
属酸化物がMnO2,Cr23,TiO2,Fe23,C
uOから選ばれる少なくとも1種であってもよい。
【0020】
【作用】適度な初期粘度の液状樹脂に、金属粉末や金属
酸化物粉末を混練し、得られた混練物を被溶接材の接合
界面に介在させて抵抗溶接を実施すると、前記混練物が
適度な流動性を持っているため、通常より低い加圧力で
も、界面に混合粉末を高密度で分布させ、良好な通電橋
洛を生じる。また、界面に分布する混合粉末は、アルミ
ニウムの融点を下げる共晶反応系材料又はテルミット反
応を生じる材料であるため、低い発熱でも容易に溶融で
き、また低い電流でも高い発熱を生じる。さらに、この
熱によって被溶接材の表面の酸化膜を容易に破壊でき
る。従って、本発明方法によれば低い電流で且つ低い加
圧力でも必要な接合強度が得られる。
【0021】液状樹脂の粘度が極めて低い場合、樹脂と
金属粉末の分離・沈殿が早期に始り、作業性・信頼性が
低下する。そこで、樹脂の初期粘度は0.1Pa・s以
上であることが望ましい。また、液状樹脂の粘度が極め
て高い場合、インサート材の粉末充填量が不足する。そ
こで、樹脂の初期粘度は80Pa・s以下であることが
望ましい。
【0022】液状樹脂に混合する混合粉末(金属粉、金
属酸化物粉)は、50wt%未満であるとインサートを
接合界面に介在させて低い加圧力で加圧したときに金属
粉末の分布にむらが発生し、金属粉末の粗の箇所の発熱
が小さくなり好ましくなく、また90wt%超では混練
物の粘性が不足し、作業性が悪化する。従って、混合粉
末の割合を50〜90wt%とし、液状樹脂の割合を1
0〜50wt%とすることが望ましい。
【0023】液状樹脂を室温硬化型樹脂とすることで、
溶接後に自然放置することによりインサート材が固化た
め、溶接後の加熱処理を不要にする。例えばシリコン系
樹脂では約3日で固化する。この点、熱硬化型樹脂であ
れば加熱処理が必須となり、コストアップの要因とな
る。
【0024】室温硬化型樹脂は、アクリル系樹脂,ニト
リル系樹脂,ウレタン系樹脂,シリコン系樹脂,ポリエ
ステル系樹脂が好適であるが、このうちアクリル系樹脂
は、高い溶接強度も期待できる。
【0025】表1はアルミニウム材と共晶反応を生じる
元素及び共晶温度をまとめたものであり、Mg,Zn,
Siが好適である。
【0026】
【表1】
【0027】表2は自己発熱反応を生じる元素及び発熱
温度をまとめたものであり、自己発熱が接合面でのアル
ミニウム材の溶融に活用されるので、接合強度の向上や
電流の低減を可能にする。
【0028】
【表2】
【0029】表3は混合粉末(Al,Mg,Zr)とテ
ルミット反応をまとめたものであり、テルミット反応熱
が接合面でのアルミニウム材の溶融に活用されるので、
接合強度の向上や電流の低減を可能にする。混合粉末が
Zrの場合にはテルミット反応で生成したZrO2が被
溶接材(アルミニウム材)と2次的にテルミット反応を
起こし、上記表よりも合計発熱量が大きくなる。また、
反応により生成するTi,Si,Crはマトリックスの
アルミニウムに対し微細化効果があり、溶融部(ナゲッ
ト)をより強化することができる。
【0030】
【表3】
【0031】表4は混合粉末(Ti,Si)とテルミッ
ト反応をまとめたものであり、テルミット反応熱が接合
面でのアルミニウム材の溶融に活用されるので、接合強
度の向上や電流の低減を可能にする。テルミット反応で
生成したTiO2やSiO2が被溶接材(アルミニウム
材)と2次的にテルミット反応を起こし、上記表よりも
合計発熱量が大きくなる。
【0032】
【表4】
【0033】
【実施例】実施例を以下に説明する。しかし、本発明は
実施例に限るものではない。次に述べる実施例及び比較
例は次表に基づいて溶接した。
【0034】
【表5】
【0035】即ち、被溶接材は、100mm×30mm
×1.2mmサイズのアルミニウム材A5182−JI
Sであり、溶接機はインバータ式溶接機であり電極は直
径16mmで先端アール80mmの無酸素銅であり、溶
接電流は16kA、通電時間は15cycleとした。
加圧力は別途記載する。
【0036】実施例1,2,3及び比較例1,2;実施
例1は、液状樹脂として初期粘度4Pa・sのエポキシ
系エピコート807(商品名)樹脂を使用し、混合粉末
は3MnO2−34Mg−23Alを使用した。混合粉
末の組成に付した係数(3,34,23)はwt%であ
る。従って、インサート材における混合率は60wt%
となり、残り40wt%が液状樹脂の混合率となる。こ
の混合率の計算は以下同様である。上記構成のインサー
ト材を量0.25g、面積900mm2の条件で2枚の
アルミニウム材間に介在させ、加圧力を250kgfと
して抵抗溶接を実施した。得られた溶接材の引張り剪断
強度は265kgfである。JISでこの種のアルミニ
ウム材に要求している強度を換算した値が約200kg
fである。実施例1は200kgfを超えたので評価は
「○」である。なお、本実施例の引張り剪断強度は単位
面積当りの力ではなく、剪断破壊させるのに要した引張
り力である。
【0037】
【表6】
【0038】実施例2は、液状樹脂を初期粘度14Pa
・sのエポキシ系エピコート828樹脂を使用し、その
他の条件は実施例1と同一とした。得られた溶接材の引
張り剪断強度は256kgfであり、200kgfを超
えたので評価は「○」である。
【0039】実施例3は、液状樹脂を初期粘度80Pa
・sのエポキシ系アラルダイトXNR3303(商品
名)樹脂に希釈剤としてEPT016(商品名)3%を
混合したものを使用し、混合粉末は2.75MnO2
31.35Mg−20.9Alを使用した。インサート
材における混合率は55wt%となり、残り45wt%
が液状樹脂の混合率となる。得られた溶接材の引張り剪
断強度は230kgfであり、200kgfを超えたの
で評価は「○」である。
【0040】比較例1は、液状樹脂として初期粘度10
0Pa・sのエポキシ系アラルダイトXNR3303
(商品名)樹脂を使用し、混合粉末は2.5MnO2
28.5Mg−19Alを使用した。インサート材にお
ける混合率は50wt%となり、残り50wt%が液状
樹脂の混合率となる。上記構成のインサート材を量0.
25g、面積900mm2の条件で2枚のアルミニウム
材間に介在させ、加圧力を250kgfとして抵抗溶接
を実施した。得られた溶接材の引張り剪断強度は195
kgfであり、200kgf未満であったので評価は
「×」である。
【0041】比較例2は、液状樹脂として初期粘度40
0Pa・sのエポキシ系アラルダイトXNR3551
(商品名)樹脂を使用し、混合粉末は2MnO2−23
Mg−15Alを使用した。インサート材における混合
率は40wt%となり、残り60wt%が液状樹脂の混
合率となる。上記構成のインサート材を量0.25g、
面積900mm2の条件で2枚のアルミニウム材間に介
在させ、加圧力を250kgfとして抵抗溶接を実施し
た。得られた溶接材の引張り剪断強度は172kgfで
あり、200kgf未満であったので評価は「×」であ
る。以上のことから、初期粘度が100Pa・s以上で
は所定の溶接強度を得られないことが分かる。
【0042】以下において、シリコン樹脂は「ノガワケ
ミカル製NSシールE(カーボン抜き)」(商品名)、
アクリル樹脂は「ノガワケミカル製SG350」(商品
名)、ニトリル樹脂は「ノガワケミカル製No.188
0A」(商品名)、ウレタン樹脂は「ノガワケミカル製
DU418」(商品名)、ポリエステル樹脂は「ノガワ
ケミカル製DA3080B」(商品名)、エポキシ樹脂
は「油化シェル製807」,「油化シェル製828」,
「日本チバガイギー3303」,「日本チバガイギー3
551」(いずれも商品名)を使用した。また、アクリ
ル樹脂及びポリエステル樹脂は、硬化剤を使用せずに、
主剤のみを使用して粉末の混練を実施した。
【0043】実施例4〜11及び比較例3;比較例3は
インサート材を介在させず、その代わりに加圧力を40
0kgfに高めて抵抗溶接したが引張り剪断強度は16
0kgfであり、200kgf未満であったので評価は
「×」である。
【0044】
【表7】
【0045】実施例4は、液状樹脂として初期粘度33
Pa・sのシリコン樹脂を使用し、混合粉末は49Mn
2−21Tiを使用した。インサート材における混合
粉末の混合率は70wt%となり、残り30wt%が液
状樹脂の混合率となる。上記構成のインサート材を量
0.25g、面積900mm2の条件で2枚のアルミニ
ウム材間に介在させ、加圧力を250kgfとして抵抗
溶接を実施した。得られた溶接材の引張り剪断強度は2
23kgfであり、200kgfを超えたので評価は
「○」である。
【0046】実施例5は、液状樹脂として初期粘度33
Pa・sのシリコン樹脂を使用し、混合粉末は49Cr
23−21Mgを使用した。インサート材における混合
粉末の混合率は70wt%となり、残り30wt%が液
状樹脂の混合率となる。他の条件は実施例4と同一とし
た。得られた溶接材の引張り剪断強度は225kgfで
あり、200kgfを超えたので評価は「○」である。
【0047】実施例6は、液状樹脂として初期粘度33
Pa・sのシリコン樹脂を使用し、混合粉末は6MnO
2−39Al−20Tiを使用した。インサート材にお
ける混合粉末の混合率は65wt%となり、残り35w
t%が液状樹脂の混合率となる。他の条件は実施例4と
同一とした。得られた溶接材の引張り剪断強度は220
kgfであり、200kgfを超えたので評価は「○」
である。
【0048】実施例7は、液状樹脂として初期粘度33
Pa・sのシリコン樹脂を使用し、混合粉末は6.5M
nO2−39Mg−19.5Alを使用した。インサー
ト材における混合粉末の混合率は65wt%となり、残
り35wt%が液状樹脂の混合率となる。他の条件は実
施例4と同一とした。得られた溶接材の引張り剪断強度
は260kgfであり、200kgfを超えたので評価
は「○」である。
【0049】実施例8は、液状樹脂として初期粘度5P
a・sのニトリル樹脂を使用し、混合粉末は6.5Mn
2−39Mg−19.5Alを使用した。インサート
材における混合粉末の混合率は65wt%となり、残り
35wt%が液状樹脂の混合率となる。他の条件は実施
例4と同一とした。得られた溶接材の引張り剪断強度は
222kgfであり、200kgfを超えたので評価は
「○」である。
【0050】実施例9は、液状樹脂として初期粘度5P
a・sのウレタン樹脂を使用し、混合粉末は6.5Mn
2−39Mg−19.5Alを使用した。インサート
材における混合粉末の混合率は65wt%となり、残り
35wt%が液状樹脂の混合率となる。他の条件は実施
例4と同一とした。得られた溶接材の引張り剪断強度は
230kgfであり、200kgfを超えたので評価は
「○」である。
【0051】実施例10は、液状樹脂として初期粘度1
4Pa・sのアクリル樹脂を使用し、混合粉末は6.5
MnO2−39Mg−19.5Alを使用した。インサ
ート材における混合粉末の混合率は65wt%となり、
残り35wt%が液状樹脂の混合率となる。他の条件は
実施例4と同一とした。得られた溶接材の引張り剪断強
度は213kgfであり、200kgfを超えたので評
価は「○」である。
【0052】実施例11は、液状樹脂として初期粘度1
Pa・sのポリエステル樹脂を使用し、混合粉末は6.
5MnO2−39Mg−19.5Alを使用した。イン
サート材における混合粉末の混合率は65wt%とな
り、残り35wt%が液状樹脂の混合率となる。他の条
件は実施例4と同一とした。得られた溶接材の引張り剪
断強度は220kgfであり、200kgfを超えたの
で評価は「○」である。
【0053】
【表8】
【0054】実施例12〜15及び比較例4;実施例1
2は、液状樹脂として初期粘度33Pa・sのシリコン
樹脂を使用し、混合粉末は36Mg−24Alを使用し
た。インサート材における混合粉末の混合率は60wt
%となり、残り40wt%が液状樹脂の混合率となる。
他の条件は実施例4と同一とした。得られた溶接材の引
張り剪断強度は222kgfであり、200kgfを超
えたので評価は「○」である。
【0055】実施例13は、液状樹脂として初期粘度3
3Pa・sのシリコン樹脂を使用し、混合粉末は60N
iを使用した。インサート材における混合粉末の混合率
は60wt%となり、残り40wt%が液状樹脂の混合
率となる。他の条件は実施例4と同一とした。得られた
溶接材の引張り剪断強度は216kgfであり、200
kgfを超えたので評価は「○」である。
【0056】実施例14は、液状樹脂として初期粘度3
3Pa・sのシリコン樹脂を使用し、混合粉末は60T
iを使用した。インサート材における混合粉末の混合率
は60wt%となり、残り40wt%が液状樹脂の混合
率となる。他の条件は実施例4と同一とした。得られた
溶接材の引張り剪断強度は216kgfであり、200
kgfを超えたので評価は「○」である。
【0057】実施例15は、液状樹脂として初期粘度3
3Pa・sのシリコン樹脂を使用し、混合粉末は5Mn
2−30Mg−15Alを使用した。インサート材に
おける混合粉末の混合率は50wt%となり、残り50
wt%が液状樹脂の混合率となる。他の条件は実施例4
と同一とした。得られた溶接材の引張り剪断強度は21
8kgfであり、200kgfを超えたので評価は
「○」である。
【0058】比較例4は、液状樹脂として初期粘度33
Pa・sのシリコン樹脂を使用し、混合粉末は4MnO
2−24Mg−12Alを使用した。インサート材にお
ける混合粉末の混合率は40wt%となり、残り60w
t%が液状樹脂の混合率となる。他の条件は実施例4と
同一とした。得られた溶接材の引張り剪断強度は173
kgfであり、200kgf未満であったので評価は
「×」である。
【0059】従って、インサート材における液状樹脂の
混合率は50wt%を超えることは好ましくないことが
分かった。
【0060】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、初期粘度が0.1Pa・s以上で8
0Pa・s以下の液状樹脂を10〜50wt%、電気抵
抗がアルミニウムよりも高い、1種以上の金属粉末を残
部としてなる混練物を、被溶接材の接合界面に介在させ
た状態で溶接したので、混練物が適度な流動性を持って
いるため、通常より低い加圧力でも、界面に混合粉末を
高密度で分布させることができる。この結果、良好な通
電橋洛を生じさせることができる。また、金属粉末はア
ルミニウムよりも電気抵抗が大きいので、大きなジュー
ル熱を発生させることができる。従って、本発明方法に
よれば低い電流で且つ低い加圧力でも必要な接合強度が
得られる。
【0061】請求項2は、初期粘度が0.1Pa・s以
上で80Pa・s以下の液状樹脂を10〜50wt%、
金属粉末及び金属酸化物を残部としてなる混練物を、被
溶接材の接合界面に介在させた状態で溶接させたので、
請求項1と同様に低い電流で且つ低い加圧力でも必要な
接合強度が得られる。
【0062】請求項3は、液状樹脂を室温硬化型樹脂と
することで溶接後の加熱処理を要しない。熱硬化型樹脂
であれば加熱処理が必須となり、コストアップの要因と
なるがその必要が無い。
【0063】請求項4は、室温硬化型樹脂を、アクリル
系樹脂,ニトリル系樹脂,ウレタン系樹脂,シリコン系
樹脂,ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種
としたので液状樹脂の選択が容易となり、作業性が高ま
る。
【0064】請求項5は、金属粉末を、アルミニウムと
共晶反応を生じる元素から選ばれる少なくとも1種とし
たので、小さな電流で良好な接合強度が得られる。
【0065】請求項6は、金属粉末を、Mg(マグネシ
ウム),Zn(亜鉛),Si(珪素)から選ばれる少な
くとも1種としたので、金属粉末の選択が容易となり、
作業性が高まる。
【0066】請求項7は、金属粉末を、互いに自己発熱
反応を生じる2種以上の元素の混合粉末としたので、自
己発熱が接合面でのアルミニウム材の溶融に活用される
ので、接合強度の向上や電流の低減を可能にする。
【0067】請求項8は、自己発熱を生じる2種以上の
元素のうち、1種はアルミニウムであり、残りはNi
(ニッケル),Cu(銅),Mn(マンガン),Zr
(ジルコニウム),Ti(チタン),Cr(クロム),
Co(コバルト)から選ばれた少なくとも1種の元素の
粉末としたので、元素の選択が容易となり、作業性が高
まる。
【0068】請求項9は、金属粉末をアルミニウム,M
g(マグネシウム),Zr(ジルコニウム)から選ばれ
る少なくとも1種とし、金属酸化物をMnO2,Cr2
3,TiO2,SiO2,Fe23,CuOから選ばれる
少なくとも1種としたので、金属粉末及び金属酸化物の
選択が容易となり、作業性が高まる。
【0069】請求項10は、金属粉末をTi(チタン)
とし、金属酸化物をMnO2,Cr23,SiO2,Fe
23,CuOから選ばれる少なくとも1種としたので、
金属粉末及び金属酸化物の選択が容易となり、作業性が
高まる。
【0070】請求項11は、金属粉末をSi(珪素)と
し、金属酸化物をMnO2,Cr23,TiO2,Fe2
3,CuOから選ばれる少なくとも1種としたので、
金属粉末及び金属酸化物の選択が容易となり、作業性が
高まる。金属粉末及び金属酸化物の選択が容易となり、
作業性が高まる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢羽々 隆憲 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 初期粘度が0.1Pa・s以上で80P
    a・s以下の液状樹脂を10〜50wt%、電気抵抗が
    アルミニウムよりも高い、1種以上の金属粉末を残部と
    してなる混練物を、被溶接材の接合界面に介在させた状
    態で溶接することを特徴としたアルミニウム材の抵抗溶
    接方法。
  2. 【請求項2】 初期粘度が0.1Pa・s以上で80P
    a・s以下の液状樹脂を10〜50wt%、金属粉末及
    び金属酸化物を残部としてなる混練物を、被溶接材の接
    合界面に介在させた状態で溶接することを特徴としたア
    ルミニウム材の抵抗溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記液状樹脂は、溶接時に液状である室
    温硬化型樹脂であることを特徴とした請求項1又は請求
    項2記載のアルミニウム材の抵抗溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記室温硬化型樹脂は、アクリル系樹
    脂,ニトリル系樹脂,ウレタン系樹脂,シリコン系樹
    脂,ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種で
    あることを特徴とした請求項3記載のアルミニウム材の
    抵抗溶接方法。
  5. 【請求項5】 前記金属粉末は、アルミニウムと共晶反
    応を生じる元素から選ばれる少なくとも1種であること
    を特徴とした請求項1記載のアルミニウム材の抵抗溶接
    方法。
  6. 【請求項6】 前記金属粉末は、Mg(マグネシウ
    ム),Zn(亜鉛),Si(珪素)から選ばれる少なく
    とも1種であることを特徴とした請求項1記載のアルミ
    ニウム材の抵抗溶接方法。
  7. 【請求項7】 前記金属粉末は、互いに自己発熱反応を
    生じる2種以上の元素の混合粉末であることを特徴とし
    た請求項1記載のアルミニウム材の抵抗溶接方法。
  8. 【請求項8】 前記自己発熱を生じる2種以上の元素の
    うち、1種はアルミニウムであり、残りはNi(ニッケ
    ル),Cu(銅),Mn(マンガン),Zr(ジルコニ
    ウム),Ti(チタン),Cr(クロム),Co(コバ
    ルト)から選ばれた少なくとも1種の元素の粉末である
    ことを特徴とした請求項7記載のアルミニウム材の抵抗
    溶接方法。
  9. 【請求項9】 前記金属粉末は、アルミニウム,Mg
    (マグネシウム),Zr(ジルコニウム)から選ばれる
    少なくとも1種であり、金属酸化物がMnO2,Cr2
    3,TiO2,SiO2,Fe23,CuOから選ばれる
    少なくとも1種であることを特徴とした請求項2記載の
    アルミニウム材の抵抗溶接方法。
  10. 【請求項10】 前記金属粉末は、Ti(チタン)であ
    り、金属酸化物がMnO2,Cr23,SiO2,Fe2
    3,CuOから選ばれる少なくとも1種であることを
    特徴とした請求項2記載のアルミニウム材の抵抗溶接方
    法。
  11. 【請求項11】 前記金属粉末は、Si(珪素)であ
    り、金属酸化物がMnO2,Cr23,TiO2,Fe2
    3,CuOから選ばれる少なくとも1種であることを
    特徴とした請求項2記載のアルミニウム材の抵抗溶接方
    法。
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