JPH08275953A

JPH08275953A - 超音波ハンドピース

Info

Publication number: JPH08275953A
Application number: JP7104723A
Authority: JP
Inventors: Atsushi Horiuchi; 敦司堀内; Motoki Hirano; 元基平野; Naomitsu Takegawa; 直光竹川; Yukihiro Kato; 幸弘加藤
Original assignee: ARUKEA KK; Alcare Co Ltd; Suzuki Motor Corp
Current assignee: ARUKEA KK; Alcare Co Ltd; Suzuki Motor Corp
Priority date: 1995-04-05
Filing date: 1995-04-05
Publication date: 1996-10-22

Abstract

(57)【要約】【目的】オペレータによる操作角度に無関係に冷却水
をツール側の基幹部から先端部に向けて噴射し被加工箇
所を熱破壊する事なく円滑に加工（又は治療）し得る超
音波ハンドピースを提供すること。【構成】超音波振動子４を収納し且つ超音波ホーン部
６を突出装備したハンドピース本体８と、超音波ホーン
部６の先端部に該超音波ホーン部６と同軸に装備された
超音波工具（ツール）１０と、この超音波工具１０によ
り加工される被加工箇所に冷却液を噴射する冷却液噴射
手段１２，２４等を備え、この冷却液噴射手段１２，２
４を、前述した超音波ホーン部６の先端部に設けられた
冷却液噴射口２４Ａと、この冷却液噴射口２４Ａに所定
の冷却液を案内する冷却液ガイド機構１４とにより構成
したこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、超音波ハンドピースに
係り、特に、所定周波数の超音波を出力するホーン部の
先端部から被加工部およびその周辺に所定の冷却液を噴
射する構造の超音波ハンドピースにに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より医療関係においては、外科手術
の各種メスの代用として手術用の各種超音波ハンドピー
スが比較的多く使用されている。又、工業分野ではプラ
スチックのカット作業等に、従来より各種の超音波ハン
ドピースが多用されている。

【０００３】一方、この種の超音波ハンドピースは、超
音波の有する振動エネルギを利用していることから、超
音波工具（ツール）部分が過熱しやすい。このため、通
常は超音波ハンドピースが冷却水噴射手段を装備し、そ
のツール部分および加工箇所に対して冷却液を噴射し、
これによって、正常細胞への熱侵襲（熱による損傷）を
予め防止するという手法が採られている。この冷却液と
しては、従来より生理食塩水が使用されている。

【０００４】図８に、従来例における超音波ハンドピー
スを含む超音波加工装置の全体的構成を示す。この図８
において、符号５０は超音波加工用の超音波ハンドピー
スを示し、符号５２は超音波発振器を示し、符号５４は
冷却液である生理食塩水を収納したプラスチック製の透
明袋を示す。また、符号５４Ａは透明袋５４内の冷却液
を超音波ハンドピース５０に送り込む冷却液導入ホース
を示す。この冷却液導入ホース５４Ａは、ローラ式の回
転注水ポンプ５３を介して前述した透明袋５４と超音波
ハンドピース５０との間に装備されている。

【０００５】また、この図８において、前述した超音波
発振器５２には、その動作をオン／オフする第１の電源
スイッチ５２Ａと、オペレータによる足での操作を可能
とした第２の電源スイッチとしてのフートスイッチ５２
Ｂとが装備されている。符号５５は、冷却液である生理
食塩水を収納したプラスチック製の透明袋５４を吊り下
げるためのスタンドを示す。

【０００６】前述した超音波ハンドピース５０は、図９
（Ａ）に示すように、所定周波数の超音波を出力する超
音波振動子５０Ａと、この超音波振動子５０Ａと同軸上
に一体的に連結されて当該超音波振動子５０Ａからの出
力を入力し収束する超音波ホーン部５０Ｂと、超音波振
動子５０Ａを収納し且つ超音波ホーン部５０Ｂを突出し
て装備したハンドピース本体５０Ｃと、超音波ホーン部
５０Ｂの先端部に当該超音波ホーン部５０Ｂと同軸に装
備された超音波工具（ツール）５０Ｄと、このツール５
０Ｄにより加工される被加工箇所に冷却液を噴射する冷
却液噴射手段５１とを備えている。符号５０Ｅは外部か
ら冷却液を導入する冷却液導入部材を示す。

【０００７】このため、図９（Ａ）に示す従来例にあっ
ては、ツール内部を有効に冷却しながら且つ被加工箇所
に対して冷却液を噴射することができるという特長を備
えたものとなっている。

【０００８】また、図９（Ｂ）に他の従来例を示す。こ
の図９（Ｂ）に示す他の従来例は、超音波工具（ツー
ル）として一方の端面（同図の下側）に刃部５６Ｄａを
備えたツール５６Ｄを装備し、冷却水噴射手段として取
り扱いが容易な比較的軟質のプラスチック製細管５６Ｅ
を装備すると共に、このプラスチック製細管５６Ｅをハ
ンドピース本体５６Ｃの外周囲にバンド部材５７をもっ
て固着した点に特長を備えている。その他の構成は前述
した図９（Ａ）の従来例とほぼ同等に構成されている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図９
（Ａ）に示す上記従来例にあっては、超音波ハンドピー
ス５０の中心軸上に位置する超音波振動子５０Ａ，超音
波ホーン部５０Ｂおよび超音波工具（ツール）５０Ｄの
全体を貫く細穴加工が必要となり、このため超音波振動
子５０Ａ部分の絶縁構造等が複雑化して耐久性が悪いと
いう不都合があった。また、この図９（Ａ）に示す上記
従来例にあっては、細穴の目詰まり等にあっては全体を
分解して除去するため、保守に多くの手間がかかるとい
う不都合があった。

【００１０】また、図９（Ｂ）に示す上記従来例にあっ
ては、冷却水を刃又は被加工箇所に直接降りかけるた
め、オペレータに使用角度によっては冷却水の吐出方向
が変化する。このため、オペレータはその都度冷却水の
吐出方向をプラスチック製細管５６Ｅの先端部を操作し
て当該冷却水の吐出方向を変えなければならないという
不都合があった。

【００１１】

【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特にオペレータによる操作角度に影響される
ことなく冷却水を常にツール側の基幹部から先端部に向
けて噴射し、これによって被加工箇所の熱侵襲（熱によ
る損傷）を有効に抑制し被加工箇所を円滑に且つ迅速に
加工し得る超音波ハンドピースを提供することを、その
目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明で
は、所定周波数の超音波を出力する超音波振動子と、該
超音波振動子と同軸上に一体的に連結され当該超音波振
動子からの出力を入力し収束する超音波ホーン部と、超
音波振動子を収納し且つ超音波ホーン部を突出装備した
ハンドピース本体と、超音波ホーン部の先端部に該超音
波ホーン部と同軸に装備された超音波工具と、この超音
波工具により加工される被加工箇所に冷却液を噴射する
冷却液噴射手段とを備えている。

【００１３】また、冷却液噴射手段を、前述した超音波
ホーン部の先端部に設けられた冷却液噴射口と、この冷
却液噴射口に所定の噴射用冷却液を案内する冷却液ガイ
ド機構とにより構成する。

【００１４】そして、この冷却液ガイド機構を、前述し
た超音波ホーン部の側面から入り前記冷却液噴射口に通
ずる液吐出用通路と、この液吐出用通路の冷却液導入部
に装備されたニップルと、ハンドピース本体に装備され
外部から送り込まれる所定の冷却液をニップルに向けて
案内する冷却液ガイド管と、この冷却液ガイド管とニッ
プルとの間に装備された連結管とにより構成し、且つこ
の連結管を弾性部材にて形成する、という構成を採って
いる。

【００１５】請求項２記載の発明では、前述した冷却液
噴射手段を、超音波ホーン部の先端部の端面に向けて配
設された冷却液噴射口を有する冷却液噴射管と、この冷
却液噴射管に連結され外部から送り込まれる所定の冷却
液を当該冷却液噴射管に向けて案内する冷却液ガイド管
とにより構成する。そして、この冷却液ガイド管を硬質
部材にて形成する、という構成を採っている。

【００１６】請求項３記載の発明では、前述した冷却液
ガイド管を、前記ハンドピース本体の側壁部に装備す
る、という構成を採っている。これによって前述した目
的を達成しようとするものである。

【００１７】

【作用】まず、装置全体を稼働状態に設定すると、超
音波ハンドピース２も動作を開始し、同時に冷却液噴射
手段には外部から冷却液（例えば生理食塩水）が送り込
まれる。この冷却液は、冷却液噴射手段を介してツール
１０側に導入される。そして、例えばフートスイッチを
オン（ＯＮ）操作することにより、超音波ハンドピース
２の動作に連動して、当該ツール１０側に向けて同一方
向に冷却液が噴射される。これによって、ツール１０の
過熱および被加工部に於ける加工箇所外の熱侵襲が有効
に抑制される。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の第１実施例を図１乃至図２に
基づいて説明する。

【００１９】まず、図１乃至図２において、符号２は超
音波ハンドピースを示す。この超音波ハンドピース２
は、所定周波数の超音波を出力する超音波振動子４と、
この超音波振動子４と同軸上に一体的に連結されて，当
該超音波振動子４からの出力を入力し収束する超音波ホ
ーン部６と、超音波振動子４を収納し且つ超音波ホーン
部６を突出して保持したハンドピース本体８とを備えて
いる。超音波ホーン部６の先端部には、当該超音波ホー
ン部６と同軸に装備された超音波工具（ツール）１０
と、このツール１０により加工される被加工箇所に冷却
液を噴射する冷却液噴射手段１２とを備えている。ここ
で、ハンドピース本体８は本実施例ではステンレス製の
ものが使用されているが、その素材についてはステンレ
ス以外の他の素材であってもよい。

【００２０】超音波ホーン部６は、中央部に円板状の鍔
部７を有している。この超音波ホーン部６は、その鍔部
７の図２における左側に円柱状の超音波伝搬部７Ａを有
し、この超音波伝搬部６Ａに埋設された両端ボルト部材
８を介して前述した超音波振動子４に一体的に連結され
ている。また、この超音波ホーン部６は、その鍔部７の
図２における右側にホーン部６Ｂが設けられ、その先端
部が細い円柱状に加工されてツール保持部６Ｃを成して
いる。そして、このツール保持部６Ｃに、前述した超音
波加工用の超音波工具（ツール）１０が着脱自在に装着
されている。

【００２１】これによって、超音波振動子４での超音波
振動は、超音波ホーン部６で収束されてツール１０に伝
達され、当該ツール１０を介して超音波加工用として使
用されるようになっている。

【００２２】更に、超音波ホーン部６の鍔部７には、図
２に示すように、円筒状に形成された円筒状連結部７Ｂ
が前述した超音波振動子４方向に向かい且つ当該超音波
ホーン部６の周囲と適当な空間６ｋを隔てて同軸上に装
備されている。この円筒状連結部７Ｂには、その外周囲
に係合ねじ部７Ｂａが設けられ、この係合ねじ部７Ｂａ
を介して前述したハンドピース本体８が螺合されるよう
に成っている。即ち、この円筒状連結部７Ｂの係合ねじ
部７Ｂａを介して、前述した超音波振動子４および超音
波ホーン部６がハンドピース本体８に係合され保持され
ている。

【００２３】この場合、超音波ホーン部６の振動は、鍔
部７の周端部から超音波ホーン部６に直接伝播されるこ
となく、その伝播方向が一度曲折された状態で円筒状連
結部７Ｂからハンドピース本体８に伝搬される。このた
め、超音波ホーン部６からハンドピース本体８に伝搬さ
れる振動エネルギがこの鍔部７および円筒状連結部７Ｂ
で有効に抑制された状態となっている。

【００２４】また、前述した環状ねじ部７Ｂの外周囲の
基幹部には、シール用のＯリング２２が装備され、ま
た、環状ねじ部７Ｂの前述した超音波振動子４側の端部
には、環状に形成された環状シール部材２４が装備され
ている。ここで、符号８Ａは、ハンドピース本体８の内
径側に突出装備され前述した環状シール部材２４を保持
する内径鍔部を示す。

【００２５】これにより、超音波ホーン部６は、その環
状ねじ部７Ｂの基端部と先端部とでシールされた状態
で、前述したハンドピース本体８に係合されている。こ
のＯリング２２および環状シール部材２４も、当該円筒
状連結部７Ｂで振動を有効に吸収し得るようになってい
る。

【００２６】冷却液噴射手段１２は、図２に示すように
超音波ホーン部６の先端部に設けられた冷却液噴射口１
２ａと、この冷却液噴射口１２ａに所定の噴射用冷却液
を案内する冷却液ガイド機構１４とにより構成されてい
る。

【００２７】この冷却液ガイド機構１４は、前述した超
音波ホーン部６の側面から入り前述した冷却液噴射口１
２ａに通ずるＬ字状の液吐出用通路１４Ａと、この液吐
出用通路１４Ａの冷却液導入部１４Ａａに装備されたニ
ップル１４Ｂと、前述したハンドピース本体８に装備さ
れ外部から送り込まれる所定の冷却液を超音波ホーン部
６の先端部に向けて案内する冷却液ガイド管１４Ｃと、
この冷却液ガイド管１４Ｃと前述したニップル１４Ｂと
の間に装備された連結管１４Ｄとにより構成されてい
る。この連結管１４Ｄは比較的軟質の部材にて形成され
ている。

【００２８】このため、超音波ホーン部６側の振動が冷
却液ガイド機構１４でハンドピース本体８側に伝搬され
るのを、連結管１４Ｄ部分で有効に阻止されている。

【００２９】また、本実施例では、前述した冷却液ガイ
ド管１４Ｃは、図１乃至図２に示すように、ハンドピー
ス本体８の側壁内に設けられた貫通穴８Ｂ内に収納装備
されている。この貫通穴８Ｂは、ハンドピース本体８の
中心軸に沿ってほぼ平行に設けられている。

【００３０】このため、冷却液ガイド管１４Ｃはハンド
ピース本体８内に埋設されることとなり、冷却液導入ホ
ース（本実施例では「冷却液ガイド管」）５４Ａが操作
上邪魔になるという前述した従来例での不都合をほぼ完
全に排除すると共に、冷却液ガイド機構１４の耐久性が
増大された状態となっている。

【００３１】次に、上記実施例の動作について説明す
る。まず、装置全体を稼働状態に設定すると、超音波ハ
ンドピース２も動作を開始し、同時に冷却液噴射手段１
２には外部から冷却液（例えば生理食塩水）が送り込ま
れる。この冷却液は、冷却液ガイド管１４Ｃ内を通過
し、連結管１４Ｄおよび液吐出用通路１４Ａを介して冷
却液噴射口１２ａに導かれ、当該冷却液噴射口１２ａか
らツール１０側に常時同一方向に噴射される。

【００３２】この場合、液吐出用通路１４Ａは超音波ホ
ーン部６のホーン部６Ｂおよびツール保持部６Ｃ内に設
けられていることから、この冷却液の流動によってホー
ン部６Ｂおよびツール保持部６Ｃの過熱状態も有効に緩
和され、同時にツール１０の過熱状態も有効に抑制され
る。

【００３３】次に、第２実施例を図３（Ａ）（Ｂ）に基
づいて説明する。

【００３４】この図３に示す第２実施例は、前述した図
１の実施例における冷却液ガイド管１４Ｃが、ハンドピ
ース本体８内に埋設された状態で装備されているのに対
して、図３（Ｂ）に示すように、ハンドピース本体８の
外側に設けられた凹溝８Ｄ内に固着装備した点が相違す
る。その他の構成は前述した図１の実施例と同一となっ
ている。

【００３５】このようにしても、前述した図１の第１実
施例とほぼ同等の作用効果を有するほか、とくに加工お
よび組み立てが容易となり生産性向上を図り得るという
利点がある。

【００３６】次に、第３乃至第４実施例を図４（Ａ），
図４（Ｂ）に基づいて説明する。

【００３７】まず、図４（Ａ）に示す第３実施例は、冷
却液噴射手段２４を、超音波ホーン部６の先端部のツー
ル保持部６Ｃの端面に向けて配設された冷却液噴射口２
４Ａを有する冷却液噴射管２５と、この冷却液噴射管２
５に連結され外部から送り込まれる所定の冷却液を当該
冷却液噴射管２５に向けて案内する冷却液ガイド管２６
とにより構成すると共に、この冷却液ガイド管２６を硬
質部材にて形成した点に特徴を備えている。この場合、
冷却液ガイド管２６は前述した図１に示す実施例と同様
にハンドピース本体８内に埋設された状態で装備されて
いる。その他の構成は前述した図１に示す第１実施例と
同一となっている。

【００３８】このようにすると、ツール保持部６Ｃの端
面に冷却水が噴射されるため、当該ツール保持部６Ｃの
端面から霧化された状態で冷却水が放出される。このた
め、ツール１０および被加工部がより有効に冷却される
という利点がある。更に、冷却液を超音波ホーン部６内
を通過させることがないため、各部品の加工費を大幅に
低減することができ、このため当該超音波ハンドピース
全体の生産性および保守性を大幅に向上させることがで
きるという利点がある。

【００３９】次に、図４（Ｂ）に示す第４実施例を示
す。この図４（Ｂ）に示す第４実施例は、前述した図３
の第２実施例の場合と同様に、冷却液ガイド管２６をハ
ンドピース本体８の外側に設けられた凹溝８Ｄ内に固着
装備した点が相違する。その他の構成は前述した図４
（Ａ）に示す第３実施例と同一となっている。

【００４０】このようにすると、前述した図４（Ａ）に
示す第３実施例と同様の作用効果を有すると共に、凹溝
８Ｄの加工が比較的容易であることから、生産性および
保守性を更に向上させることができるという利点があ
る。

【００４１】次に、図５に第５実施例を示す。この図５
に示す第５実施例では、冷却液噴射手段３３の冷却液ガ
イド管３４をハンドピース本体８内に収納装備した点に
特徴を備えている。

【００４２】即ち、この第５実施例における冷却液噴射
手段３３は、冷却液ガイド管３４の両端部が同一方向に
曲折され、この曲折部３４Ａ，３４Ｂがハンドピース本
体８から外部に突出された状態で当該ハンドピース本体
８内に固着装備されている。そして、一方の曲折部２４
Ａには、Ｌ字状連結管２４Ａａを介して冷却液導入管３
５が装備されている。また、他方の曲折部２４Ｂは、比
較的軟質の部材からなるＵ字状の連結管２４Ｂａを介し
て，前述した図１の実施例と同様にニップル１４Ｂに連
結されている。その他の構成は、前述した図１乃至図２
の実施例と同一となっている。

【００４３】このようにしても、前述した図１乃至図２
に示す第１実施例と同一の作用効果を有するほか、ハン
ドピース本体８の側壁内に中心軸に沿った貫通穴を形成
する必要がなくなり、このため、加工が容易となり生産
性および保守性の向上を図り得るという利点がある。

【００４４】次に、図６乃至図７に第６実施例を示す。
この図６乃至図７に示す第６実施例では、冷却液噴射手
段３６は、超音波ホーン部６の先端部のツール保持部６
Ｃの端面に向けて配設された冷却液噴射口３６Ａを有す
る冷却液噴射管３７と、この冷却液噴射管３７に連結さ
れ外部から送り込まれる所定の冷却液を当該冷却液噴射
管３７に向けて案内する冷却液ガイド管３４とにより構
成すると共に、この冷却液ガイド管３４を硬質部材にて
形成し且つその両端部をハンドピース本体８内から外部
に突出させて装備した点に特長を備えている。

【００４５】更に、この第６実施例においては、ツール
１０を保持するツール保持部６Ｃの端面，即ち冷却液噴
射口３６Ａから吐出される冷却液を反射し霧化する液反
射面６Ｃａの周囲に、当該反射面を取り囲むように高さ
の低いリング状側壁部６Ｃｂが突設されている。図７
（Ａ）にこれを示す。これによって、反射し霧化されて
放出される冷却液は、所定範囲に広がりをもって反射出
力され、これによって被加工箇所に冷却能力をより一層
向上させることができる。また、図７（Ｂ）はその変形
例で、反射の広がり範囲を抑えるために開口部側を幾分
狭く設定された場合を示す。

【００４６】この場合、上記図７（Ａ）（Ｂ）では、冷
却液噴射口３６Ａをリング状側壁部６Ｃｂの外側に配置
した場合を例示したが、リング状側壁部６Ｃｂの内側に
冷却液噴射口３６Ａを配置するように構成してもよい。
また、このリング状側壁部６Ｃｂは、上記実施例ではツ
ール保持部６Ｃと同一部材で一体的に加工した場合を例
示したが、これとは別に、例えば軟質プラスチック等で
円筒状に加工したものを、その弾性力を利用してツール
保持部６Ｃの先端部に装着するようにしてもよい。更
に、この図７（Ａ）（Ｂ）に開示したリング状側壁部６
Ｃｂについては前述した各実施例にそのまま適用しても
よい。その他の構成は前述した図５に示す第５実施例と
同一となっている。

【００４７】このようにすると、前述した図５の第５実
施例の場合と同様の作用効果を有するほか、前述した図
４（Ａ）に示す第３実施例の場合と同様に、ツール保持
部６Ｃの端面に冷却水が噴射されるため、当該ツール保
持部６Ｃの端面から霧化された状態で冷却水が放出さ
れ、このため、ツール１０および被加工部がより有効に
冷却されるという利点がある。更に、冷却液を超音波ホ
ーン部６内を通過させることがないため、各部品の加工
費を大幅に低減することができ、このため当該超音波ハ
ンドピース全体の生産性および保守性を大幅に向上させ
ることができるという利点がある。

【００４８】

【発明の効果】以上のように、本発明によると、ツール
部分に向けて常に同一方向に冷却液を噴射することが可
能となり、このため、オペレータによる操作によって冷
却液を噴射方向が変化するという不都合がなくなり、ま
た、従来例のように超音波振動子部分を貫通して冷却液
導入路を設ける必要がないことから、加工上の煩わしさ
を排除する事が出来且つ超音波振動子の耐久性向上を図
ることができ、以上のように構成され機能するので、被
加工箇所の正常箇所に対する熱侵襲の発生を大幅に抑制
しつつ当該被加工箇所を迅速に且つ円滑に超音波加工す
ることができるという操作性および耐久性が著しく改善
された従来にない優れた超音波ハンドピースを提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に超音波ハンドピースの第１実施例を示
す図で、図１（Ａ）は正面図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）
のＢ₁−Ｂ₁線に沿った一部省略した断面図である。

【図２】図１内に開示した実施例の超音波ホーン部の具
体例を示す一部省略した断面図である。

【図３】本発明に超音波ハンドピースの第２実施例を示
す図で、図３（Ａ）は正面図、図３（Ｂ）は図３（Ａ）
のＢ₂−Ｂ₂線に沿った一部省略した断面図である。

【図４】第３乃至第４実施例を示す図で、図４（Ａ）は
第３実施例を示す正面図、図４（Ｂ）は第４実施例を示
す正面図である。

【図５】第５実施例を示す正面図である。

【図６】第６実施例を示す正面図である。

【図７】図６内に開示したツール保持部の端面部分の他
の例を示す図で、図７（Ａ）はその部分断面図、図７
（Ｂ）は図７（Ａ）の変形例を示す説明図である。

【図８】従来例に於ける超音波ハンドピースを含む超音
波加工システム全体を示す説明図である。

【図９】図８内に開示した超音波ハンドピースの例を示
す図で、図９（Ａ）は中心軸部分に冷却水通路がある場
合の超音波ハンドピースの例を示す説明図、図９（Ｂ）
は外部に軟質の細管で冷却水通路を形成した場合の超音
波ハンドピースの例を示す説明図である。

【符号の説明】

２超音波ハンドピース４超音波振動子６超音波ホーン部８ハンドピース本体１０超音波工具（ツール）１２，２４，３３，３６冷却液噴射手段１２ａ冷却液噴射口１４，２４冷却液ガイド機構１４Ａ液吐出用通路１４Ｂニップル１４Ｃ，２６，３４冷却液ガイド管１４Ｄ２４Ｂａ連結管２４Ａ，３６Ａ冷却液噴射口２５，３７冷却液噴射管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者竹川直光東京都板橋区高島平８−33−８ロイヤルハイツ高島302 (72)発明者加藤幸弘千葉県船橋市本郷町505−１クリオ西船橋壱番館606

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】所定周波数の超音波を出力する超音波振
動子と、この超音波振動子と同軸上に一体的に連結され
且つ当該超音波振動子からの出力を入力し収束する超音
波ホーン部と、前記超音波振動子を収納すると共に前記
超音波ホーン部を突出装備したハンドピース本体と、前
記超音波ホーン部の先端部に当該超音波ホーン部と同軸
に装備された超音波工具と、この超音波工具により加工
される被加工箇所およびその周辺に冷却液を噴射する冷
却液噴射手段とを備えてなる超音波ハンドピースにおい
て、前記冷却液噴射手段を、前記超音波ホーン部の先端部に
設けられた冷却液噴射口と、この冷却液噴射口に所定の
噴射用冷却液を案内する冷却液ガイド機構とにより構成
すると共に、この冷却液ガイド機構を、前記超音波ホーン部の側面か
ら入り前記冷却液噴射口に通ずる液吐出用通路と、この
液吐出用通路の冷却液導入部に装備されたニップルと、
前記ハンドピース本体に装備され外部から送り込まれる
所定の冷却液を前記ニップルに向けて案内する冷却液ガ
イド管と、この冷却液ガイド管と前記ニップルとの間に
装備された連結管とにより構成し、且つこの連結管を弾
性部材にて形成したことを特徴とする超音波ハンドピー
ス。
【請求項２】所定周波数の超音波を出力する超音波振
動子と、該超音波振動子と同軸上に一体的に連結され当
該超音波振動子からの出力を入力し収束する超音波ホー
ン部と、前記超音波振動子収納し且つ前記超音波ホーン
部を突出装備したハンドピース本体と、前記超音波ホー
ン部の先端部に該超音波ホーン部と同軸に装備された超
音波工具と、この超音波工具により加工される被加工箇
所およびその周辺に冷却液を噴射する冷却液噴射手段と
を備えてなる超音波ハンドピースにおいて、前記冷却液噴射手段を、前記超音波ホーン部の先端部の
端面に向けて配設された冷却液噴射口を有する冷却液噴
射管と、この冷却液噴射管に連結され外部から送り込ま
れる所定の冷却液を当該冷却液噴射管に向けて案内する
冷却液ガイド管とにより構成すると共に、この冷却液ガ
イド管を硬質部材にて形成したことを特徴とする超音波
ハンドピース。
【請求項３】前記冷却液ガイド管を、前記ハンドピー
ス本体の側壁部に装備したことを特徴とする請求項１又
は２記載の超音波ハンドピース。