JPH08275802A - シューズ用部材 - Google Patents

シューズ用部材

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JPH08275802A
JPH08275802A JP7080596A JP8059695A JPH08275802A JP H08275802 A JPH08275802 A JP H08275802A JP 7080596 A JP7080596 A JP 7080596A JP 8059695 A JP8059695 A JP 8059695A JP H08275802 A JPH08275802 A JP H08275802A
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low molecular
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polymer composition
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JP7080596A
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English (en)
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Shigehiko Mashita
成彦 真下
Fumio Sato
文男 佐藤
Satoru Takezawa
哲 竹澤
Shinichi Toyosawa
真一 豊澤
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝撃吸収性能に優れた、しかも耐摩耗性をも
満足するシューズ等用部材を提供する。 【構成】 低分子材と媒体材とを含む低分子材保持複合
物と高分子材料とを含む高分子組成物本体部の一部又は
全体に被覆層を設けたシューズ用部材であって、該高分
子組成物中の低分子材は100℃において5×105
ンチポイズ以下の粘度を有し、該低分子材と該媒体材の
各々の溶解度パラメーター値の差が3.0以下であり、
該高分子組成物中の低分子材と媒体材の重量比が1.0
以上であり、該低分子材と該高分子材料の各々の溶解度
パラメーター値の差が4.0以下であり、更に、該高分
子組成物中の低分子材と高分子材料の重量比が0.5以
上であること。そして上記高分子材料が熱硬化性材料を
主成分となし、また被覆層が、各種ゴム、或はエラスト
マー等からなるシューズ用部材で、このシューズ用部材
を特にアウトソールに配設することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に衝撃緩衝性に優
れ、かつ履き心地が著しく良好な各種スポーツシューズ
用部材等に関する。
【0002】
【従来の技術】革靴(紳士靴、婦人靴)、スポーツシュ
ーズ、ケミカルシューズ、その他サンダル等のゴム或は
他の材料からなる履物等(の中敷き)については、歩行
時或は走行時の衝撃力を緩衝して疲れ難く履き心地の良
いものとするために、その形状や材質について様々なも
のが提供されている。
【0003】また、特にスポーツシューズについては、
安全性を目的として中敷きのみならず、インソール、ミ
ッドソール、アウトソール等全体部、あるいはシューズ
の先端(爪先部)や踵部、足首部、甲部等の一部分にも
衝撃緩衝のための材料が配置されている。従来、このよ
うなシューズの中敷き等の衝撃緩衝材としては、ゴムに
コルク等のような軽量な充填材を配合したもの、或はウ
レタン、シリコン等が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のシューズ等の衝
撃吸収材としては、充分な衝撃吸収性を有し、かつ軽量
で、生産性に優れ、しかも耐摩耗性にも優れ、また安価
に提供されることが要求される。このため、これらの特
性や物性、生産性等がより一層改善された衝撃吸収材を
用いたシューズ等の開発が望まれている。
【0005】本発明は上記従来の実情に鑑みてなされた
ものであって、衝撃性が著しく良好で、軽量化が可能で
あり、しかも高い生産性にて安価に製造可能な衝撃吸収
材を用いたシューズ用部材を提供することを目的とす
る。特にはアウトソール用として耐久性をアップさせた
ものを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の低分子材と媒
体材とを含む低分子材保持複合物と高分子材料とを含む
高分子組成物を用いて、更に該高分子組成物の一部又は
全体に被覆層を設けたシューズ用部材であって、該高分
子組成物中の低分子材は100℃において5×105
ンチポイズ以下の粘度を有し、該低分子材と該媒体材の
各々の溶解度パラメーター値の差が3.0以下であり、
該高分子組成物中の低分子材と媒体材の重量比が1.0
以上であり、該低分子材と該高分子材料の各々の溶解度
パラメーター値の差が4.0以下であり、更に、該高分
子組成物中の低分子材と高分子材料の重量比が0.5以
上であることを特徴とする。
【0007】さらに、本発明における請求項2記載にお
いて、このシューズ用部材として、高分子材料が熱硬化
性材料を主成分とすることを特徴とする。
【0008】また、請求項3の如く、上記衝撃吸収性の
優れた高分子組成物を被覆する材料として、天然ゴム、
スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレン系ゴム、
ポリブタジエン系ゴム等のゴム類、或はウレタン系、ナ
イロン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアセテー
ト系等の熱可塑性もしくは熱硬化性エラストマーである
ことを特徴とする。
【0009】更に上記ゴム類、或はエラストマーからな
る被覆層用材料には、必要に応じてカーボン、シリカ等
の充填材や不織布、織布等のテキスタイルを用いてもよ
い。
【0010】また、請求項4において上記衝撃吸収性の
優れた本発明の高分子組成物を特にシューズのアウトソ
ールに配設することを特徴とする。
【0011】即ち、本発明者らは、優れた衝撃吸収性能
を有する衝撃吸収材について鋭意研究を重ねた結果、本
発明に係る高分子組成物が、その衝撃吸収特性や硬さ等
の諸特性について、上記の如きシューズ用部材をインソ
ール、ミッドソール、アウトソール用等として良好な特
性を有し、この高分子組成物を衝撃吸収材として用い、
この高分子組成物の一部又は全体に被覆層を設けること
によって極めて衝撃吸収性の優れたシューズを得ること
ができ、更には、アウトソール用部材とした場合には耐
摩耗性を改良することもできることを知見し、本発明を
完成させた。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】まず、本発明の構成要素の一つである低分
子材としては、次のようなものが好ましい。
【0014】即ち、100℃における粘度が5×105
センチポイズ以下、特に1×105センチポイズ以下で
あることが好ましく、また、分子量の観点からは、低分
子材の数平均分子量は20,000以下、特に10,0
00以下、とりわけ5,000以下であることが好まし
い。このような低分子材としては、通常、室温で液体又
は液体状の材料が好適に用いられる。また、親水性、疎
水性のいずれの低分子材料も使用できる。低分子材とし
ては特に制限はないが、次のものが適している。
【0015】また、低分子材は、その溶解度パラメータ
ー値と後述の媒体材の溶解度パラメーター値との差が
3.0以下であり、高分子材料の溶解度パラメーター値
との差が4.0以下であるものを用いる。
【0016】低分子材としては、前記の条件を満たすも
のであればすべて使用でき、特に制限されないが、具体
的には次のような材料を挙げることができる。
【0017】軟化材: 鉱物油系、植物油系、合成系
等の各種ゴム用或いは樹脂用軟化剤。鉱物油系として
は、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系等の
プロセス油等が挙げられる。植物油系としては、ひまし
油、綿実油、あまみ油、なたね油、大豆油、パーム油、
やし油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油
等が挙げられる。
【0018】可塑剤: フタル酸エステル、フタル酸
混基エステル、脂肪族二塩基酸エステル、グリコールエ
ステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、ステアリン
酸エステル等の各種エステル系可塑剤、エポキシ系可塑
剤、その他プラスチック用可塑剤又は、フタレート系、
アジペート系、セバケート系、フォスフェート系、ポリ
エーテル系、ポリエステル系等のNBR用可塑剤。
【0019】粘着付与剤: クマロン樹脂、クマロン
−インデン樹脂、フェノールテルペン樹脂、石油系炭化
水素、ロジン誘導体等の各種粘着付与剤(タッキファイ
ヤー)。
【0020】オリゴマー: クラウンエーテル、含フ
ッ素オリゴマー、ポリイソブチレン、キシレン樹脂、塩
化ゴム、ポリエチレンワックス、石油樹脂、ロジンエス
テルゴム、ポリアルキレングリコールジアクリレート、
液状ゴム(ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴ
ム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリクロロプ
レン等)、シリコーン系オリゴマー、ポリ−α−オレフ
ィン等の各種オリゴマー。
【0021】滑剤: パラフィン、ワックス等の炭化
水素系滑剤、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑
剤、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等の脂
肪酸アミド系滑剤、脂肪酸低級アルコールエステル、脂
肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエ
ステル等のエステル系滑剤、脂肪アルコール、多価アル
コール、ポリグリコール、ポリグリセロール等のアルコ
ール系滑剤、金属石鹸、混合系滑剤等の各種滑剤。
【0022】その他、ラテックス、エマルジョン、液
晶、歴青組成物、粘土、天然のデンプン、糖、更に無機
系のシリコンオイル、フォスファゼンなども低分子材と
して適している。更に、炭化水素系、ハロゲン化炭化水
素系、アルコール系、フェノール系、エーテル系、アセ
タール系、ケトン系、脂肪酸系、エステル系、窒素化合
物系、硫黄化合物系等の有機溶剤:あるいは、種々の薬
効成分、土壌改質剤、肥料類、石油類、水、水溶液等も
用いられる。
【0023】これらの低分子材は1種を単独で用いて
も、2種以上を混合して用いても良く、得られる高分子
組成物の要求特性、制振材としての用途、また、本発明
の他の成分である媒体材、及び高分子材料との相溶性等
を勘定して、最適なものが選択され、最適な量で使用さ
れる。
【0024】一方、本発明における媒体材とは、上記低
分子材と後述の高分子材料との媒体としての機能を有す
る材料であり、本発明の目的達成に重要な成分である。
詳しくは、多量の低分子材と高分子材料との均一な組成
物を実現するために、多量の低分子材と、媒体材とを用
いて、多量の低分子材を保持した低分子材保持複合物を
まず得、これと高分子材料との組み合わせで目的とする
多量の低分子材を保持した高分子組成物を得るためのも
のである。
【0025】即ち、低分子材と媒体材と高分子材料とを
同時に混合しても均一な、低弾性率の高分子組成物とは
なり得ない。また、多量の低分子材と高分子材料とを直
接混合し、多量の低分子材を含む高分子組成物を得よう
としても、低分子材を均一に混合し得ず、またブリード
がしばしば起こり、目的とする低弾性率の高分子組成物
は得られない。
【0026】なお、本発明において、媒体材が低分子材
を「保持する」、ないし、低分子材保持複合物を高分子
材料に「ブレンドする」とは、低分子材が媒体材及び高
分子材料に均一に分散し、ブリードしないか、ブリード
が抑制されることを意味するものである。もちろん、高
分子組成物の目的によっては、ブリードの程度をコント
ロールすることも容易に行なうことができる。最終的
に、この低分子材保持複合物が高分子材料との混合時
に、この中に均一に分散する統一的なメカニズムは必ず
しも明らかではないが、この低分子材保持複合物の多く
は微小粒に分散した状態で高分子材料中に安定に保持さ
れるためと考えられる。
【0027】本発明で使用する媒体材は、前記したよう
な機能を有する。即ち、多量の低分子材を保持する低分
子材保持複合物を形成し得る材料であれば、すべて使用
することができるが、通常、熱可塑性の高分子化合物ま
たはこの高分子化合物を構成要素とすることができる。
【0028】媒体材としては、数平均分子量が20,0
00以上、特に30,000以上、とりわけ40,00
0以上での熱可塑性高分子有機材料が好ましく、例え
ば、スチレン系(ブタジエンスチレン系、イソプレンス
チレン系等)、塩化ビニル系、オレフィン系(ブタジエ
ン系、イソプレン系、エチレンプロピレン系等)、エス
テル系、アミド系、ウレタン系などの各種熱可塑性エラ
ストマー、並びに、それらの水添、その他による変性
物、スチレン系、ABS系、オレフィン系(エチレン
系、プロピレン系、エチレンプロピレン系、エチレンス
チレン系、プロピレンスチレン系等)、アクリル酸エス
テル系(アクリル酸メチル系等)、塩化ビニル系、メタ
クリル酸エステル系(メタクリル酸メチル系等)、カー
ボネート系、アセタール系、ナイロン系、ハロゲン化ポ
リエーテル系(塩化ポリエーテル系等)、ハロゲン化オ
レフィン系(四フッ化エチレン系、フッ化−塩化エチレ
ン系、フッ化エチレンプロピレン系等)、セルロース系
(アセチルセルロース系、エチルセルロース系等)、ビ
ニリデン系、ビニルブチラール系、アルキレンオキサイ
ド系(プロピレンオキサイド系等)等の熱可塑性樹脂、
及びこれらの樹脂のゴム変性物などが挙げられる。
【0029】熱可塑性高分子材料としては、このうちで
結晶構造、凝集構造などの硬質ブロックを形成しやすい
部分と、アモルファス構造などの軟質ブロックとを一緒
にもち合わせているものが特に好ましく、具体的には、
下記(1)〜(4)が挙げられる。
【0030】(1)ポリブタジエンとブタジエン−スチ
レンランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して
得られるポリエチレン/ブチレンとエチレン−スチレン
ランダム共重合体とのブロック共重合体。 (2)ポリブタジエンとポリスチレンとのブロック共重
合体、或いは、ポリブタジエン又はエチレン−ブタジエ
ンランダム共重合体とポリスチレンとのブロック共重合
体を水添して得られるポリエチレン/ブチレンとポリス
チレンとのブロック共重合体。 (3)エチレン/ブチレンブロック共重合体とその片末
端または両末端に結晶性エチレンブロックが連結したブ
ロック共重合体。 (4)エチレン−プロピレンゴム(EPM)またはエチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)。 なお、本発明に係る低分子材、媒体材及び低分子材保持
複合物に関しては、一部、特開平5−239256号公
報及び特開平5−194763号公報に記載されてい
る。媒体材としては、これらの公報に開示された三次元
連続の網状骨格構造を有するものが、本発明においても
代表的なものとして好適に使用される。
【0031】本発明における媒体材は、特に限定されな
いが、通常のバルク状、粒状、ゲル状、フォーム状、不
織布状等の使用状態をとることができる。また、低分子
材を包含するカプセルを内蔵した形態でも用いることが
できる。これらの各種熱可塑性高分子有機材料は主に単
独で用いられるが、2種以上をブレンドして用いても良
い。
【0032】また、多量の低分子材と媒体材とを含む低
分子材保持複合物を得るに当たっては、前述の如く、用
いる低分子材と媒体材の各々の溶解度パラメーター値の
差が3.0以下、好ましくは2.5以下となるように両
材料を選択する。この差が、3.0を超えると相溶性の
点から、媒体材が低分子材を多量に保持しにくく、高分
子材料の低弾性率化の障害となり、また、低分子材のブ
リードが発生し易くなるので好ましくない。
【0033】本発明において、低分子材と媒体材との重
量比は1.0以上とし、特に2.0以上、とりわけ3.
0以上であることが好ましい。この重量比が1.0未満
では低弾性率の高分子組成物を得ることが困難となり、
本発明の目的を達成することができない場合がある。
【0034】低分子材と媒体材を含む低分子材保持複合
物の製造方法は、用いる低分子材及び媒体材の種類、特
性、混合割合等により、公知の方法を含む最適な方法を
用いれば良く、特に限定されない。前掲の特開平5−2
39256号公報に記載の方法も1つの方法である。
【0035】特に、好ましい方法としては、本出願人が
先に提案した高剪断型特殊ミキサーを用いる方法、即
ち、媒体材である熱可塑性高分子材料と低分子材とをロ
ーターの剪断速度5.0×102 (sec-1)以上の能
力を有する高剪断型特殊ミキサーを用いて混練すること
により、多量の低分子材を均一に含み、かつ該低分子材
のブリードが少ない低分子材保持複合物を得る方法(特
願平5−316461号)が挙げられる。
【0036】このような低分子材保持複合物とブレンド
する高分子材料としては、特に制限はなく、通常の熱可
塑性材料又は熱硬化性材料を用いることができる。
【0037】このうち、熱可塑性材料としては、媒体材
の具体例として例示した前述の熱可塑性樹脂、及びこれ
らの樹脂のゴム変性物等が挙げられる。
【0038】一方、熱硬化性材料、即ち、硬化剤の存在
下又は非存在下で熱硬化する材料としては、例えば、エ
チレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、ニトリル
ゴム(NBR)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、
クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプ
レンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SB
R)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム、エチレ
ン−酢ビゴム(EVA)、ポリウレタン等の一般ゴム、
シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンアクリルゴム、
ポリエステルエラストマー、エピクロルヒドリンゴム、
多硫化ゴム、ハイパロン、塩素化ポリエチレン等の特殊
ゴム、フェノール、ユリア、メラミン、アニリン、不飽
和ポリエステル、ジアリルフタレート、エポキシアルキ
ド、ケイ素、ポリイミド等の各種硬化樹脂が挙げられ
る。
【0039】これらの熱硬化性材料は1種類でも、また
2種類以上をブレンドして用いても良い。
【0040】なお、これらの熱硬化性材料の硬化剤とし
ては、硫黄、有機過酸化物、ニトロソ化合物等の公知の
ものが広く用いられる。また、必要に応じて各種の加硫
促進剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等のゴ
ム薬品を用いることができる。また、目的に応じて各種
の粘着付与剤、可塑剤、ゴム軟化剤、ゴム補強剤、充填
剤を配合できる。更に、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、
着色剤等を配合することができる。
【0041】本発明においては、低分子材と高分子材料
の各々の溶解度パラメーター値の差が4.0以下、好ま
しくは3.0以下となるように両材料を選択する。即
ち、低分子材は低分子材保持複合物の形で高分子材料と
混合されるが、この場合も低分子材と高分子材料の相溶
性が問題となる。この差が4.0を超えると相溶性の点
から、低分子材保持複合物中に多量に保持された低分子
材は、高分子材料に保持されにくく、高分子材料の低弾
性率化の障害となり、また、低分子材のブリードが発生
し易くなるので好ましくない。
【0042】また、低分子材保持複合物中の低分子材と
高分子材料との重量比は0.5以上とし、特に0.8以
上、とりわけ1.0以上であることが好ましい。この重
量比が0.5未満では、低弾性率の高分子組成物を得る
ことが困難となり好ましくない。
【0043】なお、本発明に係る高分子組成物中の、高
分子材料の含有割合は、30重量%以上であることが望
ましい。
【0044】本発明において、低分子材保持複合物と高
分子材料との混合方法は特に制限されないが、両者の特
性、混合割合により、公知の方法を含む最適な方法を採
用すれば良い。
【0045】低分子材保持複合物と高分子材料との混合
した後、必要に応じてゴムの加硫硬化を行うことによ
り、容易に本発明に係る高分子組成物を得ることができ
る。
【0046】なお、本発明に係る高分子組成物には、必
要に応じて、更に、次のような充填剤を配合しても良
い。即ち、クレー、珪藻土、カーボンブラック、シリ
カ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化
アルミニウム等の鱗片状無機充填剤、各種の金属粉、木
片、ガラス粉、セラミックス粉、粒状ないし粉末ポリマ
ー等の粒状ないし粉末状固体充填剤、その他各種の天然
又は人工の短繊維、長繊維(例えば、ワラ、毛、ガラス
ファイバー、金属ファイバー、その他各種のポリマーフ
ァイバー等)等を配合することができる。なお、目的に
よっては、蛍光色素、夜光色素、蓄光色素等の色素を配
合し、着色することも可能である。
【0047】また、中空フィラー、例えばガラスバルー
ン、シリカバルーン、等の無機中空フィラー、ポリフッ
化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合物等からな
る有機中空フィラーを配合することにより、軽量化を図
ることができる。更に軽量化等の各種物性の改善のため
に、各種発泡剤を混入することも可能であり、また、混
合時等に機械的に気体をまぜこむことも可能である。
【0048】本発明のシューズ等の構成には特に制限は
なく、上述の高分子組成物のみで構成されるものであっ
ても良く、また、ポリウレタン、シリコーン、ポリエチ
レン、ABS、PP、ナイロン等やそれらの発泡体等の
既存のプラスチック又はゴム材料(衝撃吸収材)と積層
構造とする等して組み合わせて用いても良い。更に、
鉄、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス等の金属材料
や各種セラミックス材料と組み合わせて用いても良い。
また、高分子ブレンド材料の表層にウレタン系、ポリ酢
酸ビニル系、シリコーン系、EVA系、ナイロン系等の
有機材料や布、皮などを被覆して用いることもできる。
なお、空気バネ、金属等のスプリング状構造体等のバネ
要素と組み合わせて用いることも可能である。
【0049】本発明のシューズ等は、作成しようとする
各々のシューズの配設箇所には特に制限はなく、自由な
位置、形状、或は又、例えば、シューズの内側(インソ
ール)や中間(ミッドソール)等の衝撃吸収材用とし
て、或は外側(アウトソール)用の材料として等、必要
に応じて本発明における同一の部材或は本発明における
他の部材を選択或は組み合わせて使用することも勿論で
きる。
【0050】しかしながら、特にアウトソールに本発明
のシューズ用部材を衝撃吸収材として採用する場合に
は、請求項1に記載の如く該高分子組成物の一部或は全
体に上記の如き被覆層を設けたものを使用することが好
ましい。その理由は、上記高分子組成物は衝撃性に優れ
ているが、時にブリード性を更に低減させる、或は被覆
層によりバネ要素を加えることにより底付き感を抑制す
ること、そして更には耐摩耗性を補てん強化させ得る為
である。
【0051】該高分子組成物のその一部或は全部に上記
の如き被覆層を設ける方法としては、事前に被覆層のみ
を器状・袋状等に成形し、その内部に該高分子組成物を
注型して成形し、必要に応じて加硫硬化しても良いし、
接着剤等を用いて事前に成形した被覆層と該高分子組成
物を接着しても良い。更に、被覆層と該高分子組成物を
同時に成形することも可能である。
【0052】例えば、図1(断面図)に示す如く、シュ
ーズ1のインソール2の踏付部や、図2(断面図)に示
す如く、シューズ1のミッドソール3の一部分、さらに
は、図3(断面図)に示す如く、シューズ1のアウトソ
ール4の一部分等に被覆層を設けた高分子組成物5を配
設する。又、図4(断面図)に示す如く、足の甲の部分
5A、爪先部分5B、踵部分5C、足首部分5Dにそれ
ぞれ該高分子組成物材料5を配設することも出来る。な
お、ここでは高分子組成物の全体に被覆層6を設けたも
のについて例示したが、その他にも例えばアウトソール
の場合には地面に接する一部のみに被覆層を設けること
により耐摩耗性を向上させることもできる。
【0053】本発明において、該高分子組成物材料より
なる衝撃吸収性能等を利用したシューズの上記所望する
場所に配材するには、例えば次の様にすれば良い。即
ち、該高分子組成物材料で所定の厚みのシートを作成し
ておき、その後適当な大きさ或は形状に打ち抜き、或は
切り取って所望のところに配置する。或は該高分子組成
物材料を所定の形状の型に注入、冷却して成形した後に
配置する。或は又、予め所定の空隙を設けた場所内に直
接該高分子組成物材料を注型して一体物として用いる
等、多くの方法が適用できる。
【0054】本発明のシューズ用部材は、革靴、スポー
ツシューズ、ケミカルシューズ等あらゆるシューズ、そ
の他サンダル等の履き物等にも好適であり、優れた衝撃
吸収性能と共に被覆層により耐摩耗性をも補充する等に
より、履き心地の良い或は丈夫なシューズが提供され
る。
【0055】
【作用】即ち、本発明の低分子材と媒体材とを含む低分
子材保持複合物と高分子材料とを含む高分子組成物を用
いて構成されるシューズ用部材は柔らかでかつ適度の弾
性、圧縮特性、硬さ或は衝撃吸収性等においてもシュー
ズ用部材として極めて優れた特性を示し、しかも、該高
分子組成物の一部或は全体をゴム類或はエラストマー被
覆層を設けることによって、該高分子組成物のブリード
性を抑制し、またバネ要素を加えて底付き感を低減さ
せ、更には特に、アウトソールに使用する場合には耐摩
耗性をも補われる。そして、高い生産性にて、経済的に
製造可能である。特に、熱可塑性高分子有機材料を用い
た場合には、成形性、リサイクル性にも優れた部材が提
供される。
【0056】具体的に更に説明すると、本発明の衝撃吸
収性能の優れた高分子材料を、特に、アウトソールに被
覆層を設けて使用したとき、例えばそのシューズは請求
項1乃至3に記載した様に、被覆層により耐摩耗性が優
れた効果を確保すると同時に、他方で本発明の高分子組
成物の衝撃吸収機能他、体感上もグリップ感、履き心
地、クッション感がバランスよく優れたシューズが得ら
れ、このため該シューズ使用時の人体への負担は大きく
軽減され、足、膝、腰等の疲れが非常に少ない理想的な
シューズが得られる。
【0057】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を挙げてより具体
的に説明する。 [実施例1〜4]下記表1に示す低分子材と媒体材とを
表1に示す割合で、表2に示す混練条件にて高剪断型特
殊ミキサー(「T.K.オートホモミクサー」特殊機化
工業(株)製)を用いて混練することにより低分子材保
持複合物を得た。生成した低分子材保持複合物を電子顕
微鏡で確認したところ、三次元連続の網状骨格構造を有
し、その中に低分子材を保持していることがわかった。
【表1】
【表2】
【0058】次に、得られた低分子材保持複合物と下記
高分子材料を表3に示す割合で、表4に示す混練条件に
てブラベンダーを用いて高分子組成物を得た。
【表3】
【表4】
【0059】以上のようにして得られた高分子組成物を
シューズ1のアウトソール用として表3に示すように、
被覆層としての処方を使用した場合には、ブリードが抑
制され、足裏の衝撃吸収性に優れ、非常に履き心地が良
く、長時間歩行後の足の疲れも、従来の物に比べて非常
に僅かなものとなり、また、より耐摩耗性の向上が見ら
れた。
【0060】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のシューズ用
部材によれば、衝撃吸収材の衝撃吸収性能が著しく良好
であるため、履き心地が良く、歩行時の衝撃が低減さ
れ、長時間歩行後においても足の疲れが少ないシューズ
等履き物が提供される部材である。しかも本発明に係る
高分子組成物は、高い生産性にて製造出来、経済的にも
優れた物である。特に本高分子組成物に一部又は全体を
上記ゴムやエラストマーで被覆層を形成させたものはア
ウトソールとして使用する場合に、高分子組成物の衝撃
吸収性と被覆層によるブリードの防止及びより衝撃吸収
性が具備した優れたシューズ用部材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のシューズ用部材の配置箇所の一
例を示すシューズの断面図である。
【図2】図2は本発明のシューズ用部材の配設箇所の一
例を示すシューズの断面図である。
【図3】図3は本発明のシューズ用部材の配設箇所の一
例を示すシューズの断面図である。
【図4】図4は本発明のシューズ用部材の配設箇所の一
例を示すシューズの断面図である。
【符号の説明】
1 シューズ 2 インソール 3 ミッドソール 4 アウトソール 5 高分子組成物 6 被覆層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子材と媒体材とを含む低分子材保持
    複合物と高分子材料とを含む高分子組成物本体部の一部
    又は全体に被覆層を設けたシューズ用部材であって、該
    高分子組成物中の低分子材は100℃において5×10
    5 センチポイズ以下の粘度を有し、該低分子材と該媒体
    材の各々の溶解度パラメーター値の差が3.0以下であ
    り、該高分子組成物中の低分子材と媒体材の重量比が
    1.0以上であり、該低分子材と該高分子材料の各々の
    溶解度パラメーター値の差が4.0以下であり、更に、
    該高分子組成物中の低分子材と高分子材料の重量比が
    0.5以上であることを特徴とするシューズ用部材。
  2. 【請求項2】 上記高分子材料が熱硬化性材料を主成分
    とすることを特徴とする請求項1記載のシューズ用部
    材。
  3. 【請求項3】 上記被覆層が、各種ゴム、或はエラスト
    マー等からなることを特徴とする請求項1、2に記載の
    シューズ用部材。
  4. 【請求項4】 上記高分子組成物に被覆層を設けたシュ
    ーズ用部材を特にアウトソールに配設することを特徴と
    する請求項1乃至3項に記載のシューズ用部材。
JP7080596A 1994-07-29 1995-04-05 シューズ用部材 Pending JPH08275802A (ja)

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DE19527619A DE19527619A1 (de) 1994-07-29 1995-07-28 Fußbekleidungselement
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100868885B1 (ko) * 2007-06-07 2008-11-17 한국신발피혁연구소 중공 실리카를 이용한 신발 겉창용 조성물

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