JP3333432B2 - 靴用緩衝部材及び該靴用緩衝部材を用いた靴 - Google Patents

靴用緩衝部材及び該靴用緩衝部材を用いた靴

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JP3333432B2
JP3333432B2 JP20453297A JP20453297A JP3333432B2 JP 3333432 B2 JP3333432 B2 JP 3333432B2 JP 20453297 A JP20453297 A JP 20453297A JP 20453297 A JP20453297 A JP 20453297A JP 3333432 B2 JP3333432 B2 JP 3333432B2
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清人 丸岡
育子 梅澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は靴本体と靴底部の間
に介在させる靴用緩衝部材に関し、詳しくは、人間が前
後左右に激しく移動するテニス、バドミントン、バスケ
ットボール等のスポーツシューズに適用した場合に、衝
撃吸収が良好で、かつ、吸収した衝撃エネルギーを反発
力に変えて剛性保持性が得られるようにするものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図15は一般的なスポーツシューズの構
造を示しており、該スポーツシューズ100は、足部の
表面を覆うアッパー50Aと足部の裏面を載せるインソ
ール50Bを含む靴本体50、靴底(アウトソール)5
1、及び、靴本体50と靴底(アウトソール)51との
間に靴底(アウトソール)51のほぼ全域を覆うように
介在させたミッドソール52とからなる。
【0003】上記従来のスポーツシューズ100では、
ランニング時やジャンプ時等の着地衝撃力による足部や
脚部の衝撃を緩和するために、上記ミッドソール52に
軽量で且つ衝撃吸収性に優れたエチレンビニルアセテー
ト(EVA)の発泡体が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、テニス、バ
トミントン、バスケットボール等の機敏な足の動きが必
要とされるスポーツ用のシューズにおいては、前後、左
右または上下に激しくかつ多様に移動するプレイヤーの
足裏の圧力に対して、その衝撃力を充分に吸収するとと
もに、プレイヤーが次の動作に瞬時に移ることができる
ように、吸収した衝撃力を瞬時に反発力に変え、かつ、
これをプレイヤーの多様な動きに応じて多方向に作用さ
せる機能が要求される。この目的のためには緩衝部材で
あるミッドソールが適度な硬さを保持することが必要
で、この種のシューズのミッドソールには衝撃吸収性能
だけでなく剛性保性能が要求される。
【0005】しかしながら、上記従来の発泡EVAから
なるミッドソールでは衝撃吸収性を高めるためにEVA
の発泡率を上げる等すると、ミッドソールの硬度が低下
して剛性を保持できず、該ミッドソールを用いたスポー
ツシューズでは、プレーヤーが前進または横方向に移動
する際に安定感が得られないという問題があった。
【0006】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たもので、靴本体と靴底の間に介在さる緩衝部材の衝撃
吸収性を低下させることなくその剛性保持性を高め、特
にテニス、バトミントン、バスケットボール等の機敏な
足の動きが必要とされるスポーツ用シューズに適用した
場合に優れた衝撃吸収機能と反発力付与機能が得られる
ようにすることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、請求項1で、靴本体と靴底との間に靴
底のほぼ全域を覆うように介在させる板状の靴用緩衝部
材であって、エチレンビニルアセテート樹脂の発泡体
(A)からなる第1領域と、イソブチレンとp−メチル
スチレンの共重合体のメチル基を臭素化した組成物
(x)及びスチレンとイソプレンの共重合体であってイ
ソプレン含有量が50%以上である組成物(y)の混合
物またはその発泡体(B)からなる第2領域とを混在さ
せてなる靴用緩衝部材を提供している。
【0008】上記構成とすると、上記第1領域であるエ
チレンビニルアセテート樹脂の発泡体(A)の硬度を発
泡体の剛性を維持できる程度としても、イソブチレンと
p−メチルスチレンの共重合体のメチル基を臭素化した
組成物(x)及びスチレンとイソプレンの共重合体であ
ってイソプレン含有量が50%以上である組成物(y)
の混合物またはその発泡体(B)からなる第2領域が高
粘弾性で極めて優れた衝撃吸収性を有することにより、
衝撃吸収性及び形態安定性(剛性保持性)の両者に優
れ、かつ、吸収した衝撃エネルギーを反発力に効果的に
変換できる靴用緩衝部材を得ることができる。よって、
該靴用緩衝部材を適用した靴を履いた場合、足の移動
(運動)による衝撃力を十分に吸収する一方、吸収した
衝撃エネルギーを反発力に変えることができ、機敏な足
の動きに対しても安定した履き心地を得ることができ
る。
【0009】上記本発明の靴用緩衝部材では、エチレン
ビニルアセテート樹脂の発泡体(A)からなる第1領域
と、イソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体のメ
チル基を臭素化した組成物(x)及びスチレンとイソプ
レンの共重合体であってイソプレン含有量が50%以上
である組成物(y)の混合物またはその発泡体(B)か
らなる第2領域の混在比は混在形態によっても異なる
が、一般に体積比(第1領域(A) :第2領域(B) )で6
0:40〜95:5、好ましくは70:30〜85:1
5とするのがよい。
【0010】また、混在形態は特に限定されないが、エ
チレンビニルアセテート樹脂の発泡体(A)により緩衝
部材の外形をなす板状の緩衝部材本体を形成し、該緩衝
部材本体の数箇所に切り欠き部を形成し、この切り欠き
部にイソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体のメ
チル基を臭素化した組成物(x)及びスチレンとイソプ
レンの共重合体であってイソプレン含有量が50%以上
である組成物(y)の混合物またはその発泡体(B)を
埋め込む構成とするのが好ましい。
【0011】具体的には、エチレンビニルアセテート樹
脂の発泡体(A)からなる緩衝部材本体に側面がほぼ垂
直方向に切り立った切り欠き部を形成し、該切り欠き部
に組成物(x)及び組成物(y)の混合物またはその発
泡体(B)を埋め込んで、該組成物(x)及び組成物
(y)の混合物またはその発泡体(B)の緩衝部材本体
の上面または下面における面積率を5〜40%とするの
が好ましい(請求項2)。このようにすると、緩衝部材
全体として適度な柔軟性と剛性保持性が得られ、足の地
面に対する垂直方向の動きにより生ずる衝撃を効果的に
吸収するとともに、足の地面に対する水平方向(前後方
向、左右方向)の動き対しては緩衝部材が大きく変形せ
ず、反発力がより向上する。上記組成物(x)及び組成
物(y)の混合物またはその発泡体(B)の緩衝部材本
体の上面または下面における面積率が5%より小さい場
合は、緩衝部材の衝撃吸収性が不十分となり、40%を
越える場合は、水平方向の動き、特に左右方向の動きに
対して変形しやすくなり反発力が低下し機敏な足の動き
に対して安定した履き心地が得られにくくなる。また、
緩衝部材本体に形成する切り欠き部を、水平方向に伸
び、かつ、少なくとも一端が緩衝部材本体の内部に終端
するように形成した複数のストライプ状溝とし、該複数
のストライプ状溝のそれぞれに上記組成物(x)及び組
成物(y)の混合物またはその発泡体(B)の棒状成形
体を埋め込んだ構造とするのがより好ましく(請求項
3)、該構成とすると、緩衝部材の垂直方向の衝撃を吸
収した衝撃エネルギーを緩衝部材の水平方向の反発力に
効率良く変換することができる。
【0012】特に、上記複数のストライプ状溝を緩衝部
材本体の長さ方向とほぼ平行に形成し、これに上記組成
物(x)及び組成物(y)の混合物またはその発泡体
(B)の棒状成形体を嵌め込んだ構造にした場合、足の
前後方向の運動時により安定した履き心地を得ることが
できる。また、複数のストライプ状溝を緩衝部材本体の
幅方向とほぼ平行に形成し、これに上記組成物(x)及
び組成物(y)の混合物またはその発泡体(B)の棒状
成形体を嵌め込んだ構造にした場合、足の左右方向の運
動時により安定した履き心地を得ることができる。
【0013】上記ストライプ状溝の溝深さ、すなわち、
上記組成物(x)及び組成物(y)の混合物またはその
発泡体(B)の棒状成形体の厚さは、緩衝部材本体の厚
さの1/2以上にするのが好ましく、緩衝部材本体の厚
さと等しくするのがより好ましい。これは、緩衝部材本
体の厚さの1/2より小さい場合は、上記した衝撃吸収
及び反発力付与の効果が得難くなるためである。
【0014】また、上記ストライプ状溝の溝形状は溝幅
よりも溝深さが大きい溝形状にし、これに嵌め込む上記
組成物(x)及び組成物(y)の混合物またはその発泡
体(B)の棒状成形体を、幅よりも高さが大きい方形の
断面を有する角形の棒状体とするのが好ましい。このよ
うにすると、緩衝部材の垂直方向の衝撃に対する衝撃吸
収性及び水平方向の反発力がより一層向上させることが
できる。
【0015】上記エチレンビニルアセテート樹脂の発泡
体(A)はそのJC硬度(スポンジ硬度)が20〜80
の範囲、好ましくは40〜60の範囲にあるのがよい
(請求項4)。該JC硬度は発泡倍率により大きく変化
し、例えば、発泡倍率を大きくしてJC硬度を20未満
まで低下させた場合、緩衝部材が変形しやすくなり、水
平方向の使用時安定性が低下する。一方、発泡倍率を小
さくしてJC硬度が80を越えた場合は、緩衝部材の衝
撃吸収性が低下してしまう。
【0016】なお、ここでのJC硬度は(株)アスカー
社製、アスカー硬度計C型により測定した値である。ま
た、エチレンビニルアセテート樹脂発泡体のJC硬度
(スポンジ硬度)は発泡倍率だけでなく、エチレンと酢
酸ビニルの共重合比、共重合体の分子量、分子量分布等
により変化するものである故、一概に言うことはできな
いが、JC硬度を上記範囲とする場合、通常、発泡倍率
は5〜15倍の範囲とする。
【0017】また、上記イソブチレンとp−メチルスチ
レンの共重合体のメチル基を臭素化した組成物(x)及
びスチレンとイソプレンの共重合体であってイソプレン
含有量が50%以上である組成物(y)の混合物または
その発泡体(B)は、発泡体の場合、そのJC硬度が5
〜40、好ましくは10〜30の範囲にあるのがよく、
未発泡の場合、Ja硬度が5〜50の範囲、好ましくは
15〜30の範囲にあるのがよい。JC硬度が5未満の
場合、垂直方向の衝撃によってつぶれる可能性があり、
JC硬度が40を越える場合、緩衝部材(ミッドソー
ル)全体の衝撃吸収性が十分でなくなる。また、Ja硬
度が5より小さい場合、垂直方向の衝撃でつぶれやすく
なり、Ja硬度が50を越えると、衝撃吸収性が十分で
なくなる。なお、ここでのJC硬度は(株)アスカー社
製、アスカー硬度計C型により測定した値であり、Ja
硬度は(株)アスカー社製、アスカー硬度計JA型によ
り測定した値である。
【0018】上記イソブチレンとp−メチルスチレンの
共重合体のメチル基を臭素化した組成物(x)中におけ
るp−メチルスチレンの量は通常組成物のポリマー全体
の20重量%以下とし、臭素量は1〜2重量%程度とす
るのが好ましい。本組成物(x)は二重結合を全く持た
ないため、耐オゾン性、耐老化性に優れ、また、イソブ
チレンとp−メチルスチレンの共重合比にもよるが、室
温での損失正接(tanσ)が高く(一般に0.1〜1
0)、室温において特に優れた衝撃吸収性を発揮する。
【0019】一方、上記スチレンとイソプレンの共重合
体であってイソプレン含有量が50%以上である組成物
(y)は、10℃付近に損失正接(tanσ)のピーク
を有し、衝撃吸収性が極めて優れた熱可塑性エラストマ
ーであり、かつ、融点以上の温度で良好な成形性を示す
ものである。イソプレン含有量を上記50%以上にして
いるのは、イソプレン含有量が50%未満であると、イ
ソプレンからなる軟質相よりもスチレンからなる硬質相
が支配的となり、十分なゴム状弾性が得られなくなるた
めである。また、本組成物(y)は上記イソブチレンと
p−メチルスチレンの共重合体のメチル基を臭素化した
組成物(x)とは異なり、側鎖に二重結合を有してお
り、通常のゴムと同様に硫黄や過酸化物により加硫する
ことができる。よって、本組成物(y)と上記組成物
(x)の混合物は、衝撃吸収性だけでなく、耐オゾン
性、耐老化性等にも優れ、また、所望の形状に容易に成
形することができる。また、硫黄、有機過酸化物等の加
硫剤を配合して加硫することにより、混合物の強度を向
上させることができる。
【0020】組成物(x)及び組成物(y)の混合比は
重量比(組成物(x):組成物(y))で95:5〜2
0:80、好ましくは70:30〜30:70の範囲に
するのがよい。これは、組成物(y)の割合が5よりも
小さい場合には衝撃吸収能力が小さくなるためであり、
また、組成物(y)の割合が80よりも大きい場合は、
混合物が硬くなり過ぎたり、耐老化性が低下する傾向を
示すためである。
【0021】上記組成物(x)及び組成物(y)の混合
物を加硫する場合、加硫剤とともに発泡剤を配合してお
くことにより、加硫と同時に発泡して生成物が軽量化
し、衝撃吸収性をより高めることができる。なお、ここ
での発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニ
ウムなどの無機発泡剤や、N,N’−ジニトロソペンタ
メチレン・テトラミン・アゾジカルボンイミド等のアゾ
化合物、ベンゼン・スルホニルジドラジド等のスルホニ
ルヒドラジド類など有機発泡剤を使用できる。
【0022】加硫剤は通常組成物(x)及び組成物
(y)の混合物100重量部に対して0.1〜5重量部
の範囲で使用し、発泡剤は通常組成物(x)及び組成物
(y)の混合物100重量部に対して2〜10重量部の
範囲で使用する。
【0023】また、組成物(x)及び組成物(y)の混
合物には、強度向上のためにカーボンブラックやシリカ
等の充填剤を添加したり、低硬度化のためにパラフィン
オイル、ナフテンオイル等のゴム用軟化剤を添加するこ
とができる。充填剤としてカーボンブラックを使用する
場合、SRF、GPF、HAF、ISAF等の種々のカ
ーボンブラックを使用でき、カーボンブラックの種類及
び添加量は衝撃吸収性を良好とする様に適宜決定する。
通常、組成物(x)及び組成物(y)の混合物100重
量部に対して0〜200重量部の範囲内で使用する。軟
化剤の量や種類も、衝撃吸収性等の物性を良好とする様
に任意に選択可能であるが、例えば、パラフィンオイル
を使用する場合、組成物(x)及び組成物(y)の混合
物100重量部に対して0〜100重量部の範囲内で使
用できる。
【0024】また、加硫の効率化、架橋(加硫)度の調
整のために、加硫剤とともに、加硫促進剤、加硫促進助
剤、加硫遅延剤等を添加することができる。
【0025】加硫促進剤としては、例えば、チアゾール
系、チウラル系、ジチオカルバメート系加硫促進剤等を
用いる。詳細には、ジベンゾチアジルスルフィド(D
M)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMT
D)、テトラエチルチウラルジスルフィド、テトラブチ
ルチウラルジモノスルフィド、ジメチルジチオカルバメ
ートの鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ジエチルジチオカルバメー
トの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバメートの亜鉛塩、エ
チルフェニルジチオカルバメートの亜鉛塩、メルカプト
ベンゾチアゾール、ジペンタメチレンチウラムテトラス
ルフィド等を使用することができる。また、加硫促進助
剤としては、例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、酸化亜
鉛等の金属酸化物を用いることができる。
【0026】加硫促進剤は通常組成物(x)及び組成物
(y)の混合物100重量部に対して0.1〜3重量部
の範囲で使用し、加硫促進助剤は通常組成物(x)及び
組成物(y)の混合物100重量部に対して0.1〜1
重量部の範囲で使用することができる。
【0027】また、組成物(x)及び組成物(y)の混
合物に、これらとは異種のゴム材料らなる粉体や樹脂の
中空粒子等を添加することができる。特に、中空粒子は
加硫成形物の軽量化に有効である。
【0028】本発明の緩衝部材の製造方法は特に限定さ
れない。通常、エチレンビニルアセテート樹脂の圧縮成
形時に、組成物(x)及び組成物(y)の混合物または
その発泡体を挿入するスペースを設置し、SBS、CR
系のゴム系接着剤で固定した後、エチレンビニルアセテ
ート樹脂を発泡成形する際に組成物(x)及び組成物
(y)の混合物またはその発泡体を一体に成形する。こ
こでのエチレンビニルアセテート樹脂の発泡成形時の温
度は140℃〜160℃とすることができる。また、エ
チレンビニルアセテート樹脂の発泡体からなる緩衝部材
本体を形成した後、該緩衝部材本体に刃物等で上記切り
欠き部を形成し、ここに組成物(x)及び組成物(y)
の混合物またはその発泡体の成形体を挿入して埋め込
み、SBS、CR系のゴム系接着剤で接着する。
【0029】
【発明の実際の形態】以下、本発明の実際形態(実施
例)を比較例とともに説明する。 (実験例1)まず、エチレンビニルアセテート樹脂の発
泡体からなるJC硬度が50のミッドソール本体を形成
した。次に、下記の処方の混合物を加硫及び発泡成形し
て加硫ゴムの発泡体(比重:0.15、JC硬度:2
5、発泡倍率:7.3倍)を形成した。
【0030】 イソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体のメチル基が臭素化された組成 物(EXXON CHEMICA社製、EXXPRO 90−10(商品名)) 50重量部 イソプレンの配合量が70%であるスチレンとイソプレンの共重合体(クラレ (株)製、HYBRAR VS−1(商品名)) 50重量部 カーボンブラック(三菱化学製、LM−SRFカーボン(商品名)) 15重量部 パラフィンオイル 30重量部 ステアリン酸 1重量部 亜鉛華 2重量部 発泡剤(永和化成工業製、ビニホールAC3(商品名)) 6重量部 発泡助剤(永和化成工業製、セルペースト(商品名)) 6重量部 硫黄 1重量部 加硫促進剤(大内新興化学製、ノクセラーDM(商品名)) 2重量部
【0031】上記作成したミッドソール本体をそのまま
ミッドソールにしたものを比較例1のミッドソールと
し、上記作成したミッドソール本体に溝断面が方形のス
トライプ状溝(切り欠き部)を形成し、このストライプ
状溝(切り欠き部)に上記加硫ゴムの発泡体を角棒状に
加工したものを埋め込んで接着剤で固定したものを実施
例のミッドソールとした。実施例のミッドソールでは加
硫ゴム発泡体の埋め込み構造が異なる9種のミッドソー
ルを作成した(実施例1〜9)。
【0032】図1〜図9はこれら実施例1〜9のミッド
ソールの上面図であり、図10は実施例1〜3、7の棒
状加硫ゴム発泡体が存在する部分におけるミッドソール
の長さ方向の断面図、図11は実施例6の棒状加硫ゴム
発泡体が存在する部分におけるミッドソールの長さ方向
の断面図、図12は実施例4、5、8の棒状加硫ゴム発
泡体が存在する部分におけるミッドソールの長さ方向の
断面図、図13は実施例9の棒状加硫ゴム発泡体が存在
する部分におけるミッドソールの長さ方向の断面図、図
14は比較例のミッドソールの上面図である。これらの
図において、白抜き部はエチレンビニルアセテート樹脂
の発泡体からなるミッドソール本体(第1領域 (i))を
示し、斜線部は埋め込み配置した棒状の加硫ゴム発泡体
(第2領域(ii))を示している。また、図1〜9にはミ
ッドソール表面における各部の寸法、図10〜13には
ミッドソール断面における各部の寸法を記載した。
【0033】なお、上記とは別にエチレンビニルアセテ
ート樹脂の発泡体からなるJC硬度が20のミッドソー
ル本体を形成し、これを比較例2のミッドソールとし
た。
【0034】実施例1〜9及び比較例1、2のミッドソ
ールともに、全長を260mm、最大幅部の幅110m
m、前半部分(足裏の前半部分の下方に位置する部分)
の厚みを6mm、後半部分(足裏の後半部分の下方に位
置する部分)の厚みを15mmにした。実施例1〜8に
おいては、棒状の加硫ゴム発泡体をミッドソール本体の
上面から下面に貫通するように配置し、実施例9におい
ては、ミッドソールの前半部分における棒状の加硫ゴム
発泡体の厚みを4.5mm、ミッドソールの後半部分に
おける棒状の加硫ゴム発泡体の厚みを12mmにし、ミ
ッドソール本体の下面に貫通しないように配置した。
【0035】上記実施例及び比較例のミッドソールを用
い、アッパー、インソール及びアウトソールは通常の素
材(インソールはEVAの発泡体(厚み2mm)、アウ
トソールはIRゴム(50重量%)とBRゴム(50重
量%)の混合ゴム))を使用して、図15と同様の構造
からなるスポーツシューズを作製した。なお、これらシ
ューズの重量及び上記実施例及び比較例の各ミッドソー
ルにおける上面における加硫ゴム発泡体の面積率を、下
記の試験の結果kとともに下記表1に記載した。
【0036】性能評価試験 上記実施例及び比較例の各シューズを18人のテスター
に試着させ、フィーリングテストを行った。すなわち、
実際のシューズを履いて前後方向及び左右方向に移動す
る運動を行って、衝撃吸収性と移動時の安定性(レスポ
ンス)のフィーリングを採点した。採点は5点満点に
し、各テスターの平均値をを求めた。なおテスターには
どのシューズが実施例のミッドミッドソールを用いたも
のか、比較例のミッドミッドソールを用いたものかであ
るかは教えなかった。
【0037】さらに、シューズ装着時の単位面積荷重
(g/cm2 )を次の方法により測定した。テスターが
高さ30cmから垂直方向に飛び、着地した際に右足の
荷重値を測定し、踵部分の単位面積当りの荷重値を計算
により求めた。データの取込みは100hzで行い、最
大荷重値を読み取った。1足につき3回測定し、平均値
をとった。
【0038】
【表1】
【0039】比較例1のミッドソールを用いたシューズ
は前後方向の安定性はまずまずであったが、左右方向の
安定性に欠けるものであった。また、垂直方向衝撃吸収
性が悪く、単位面積荷重も大きい値を示した。また、比
較例2のミッドソールを用いたシューズは垂直方向衝撃
吸収性は良好で、単位面積荷重も小さい値を示したが、
前後方向及び左右方向ともに安定性が劣悪であった。
【0040】これらに対し、棒状の加硫ゴム発泡体をミ
ッドソール本体の上面から下面に貫通するように配置し
た実施例1〜8のミッドソールを用いたシューズは、い
ずれも、安定性、垂直方向衝撃吸収性、及び単位面積荷
重値のいすれもが良好であった。また、棒状の加硫ゴム
発泡体をミッドソール本体の下面に貫通しないように配
置した実施例9のミッドソールを用いたシューズは、安
定性は特に優れていたが、垂直方向衝撃吸収性及び単位
面積荷重値は上記実施例1〜8のミッドソールを用いた
シューズに比べて劣る結果であった。また、棒状の加硫
ゴム発泡体をミッドソール本体の長さ方向に貫通させた
実施例6のミッドソールを用いたシューズ及び棒状の加
硫ゴム発泡体をミッドソール本体の幅方向に貫通させた
実施例8のミッドソールを用いたシューズは安定性が他
の実施例のミッドソールを用いたシューズに比して低下
していた。
【0041】(実験例2)本実験例では、JC硬度が3
0のエチレンビニルアセテート樹脂の発泡体からなるミ
ッドソール本体、及びJC硬度が70のエチレンビニル
アセテート樹脂の発泡体からなるミッドソール本体を作
成し、これら用いて、棒状の加硫ゴム発泡体の挿入構造
を上記実施例2のミッドソールと同様にした実施例1
0、11のミッドソールを作製した。また、イソブチレ
ンとp−メチルスチレンの共重合体のメチル基が臭素化
された組成物と、イソプレンの配合量が70%であるス
チレンとイソプレンの共重合体からなる組成物の配合比
を70:30に変更してJC硬度を20にした加硫ゴム
発泡体を用いて実施例2のミッドソールと同様の構造に
した実施例12のミッドソールを作成した。更に、イソ
ブチレンとp−メチルスチレンの共重合体のメチル基が
臭素化された組成物と、イソプレンの配合量が70%で
あるスチレンとイソプレンの共重合体からなる組成物の
配合比を30:70に変更してJC硬度を25にした加
硫ゴム発泡体を用いて実施例2のミッドソールと同様の
構造にした実施例13のミッドソールを作製した。
【0042】これら実施例10〜13のミッドソールを
用いてシューズを作製し、これらについて、上記と同様
の性能評価試験行ったところ、下記表2に示すように、
上記実験例1における実施例のミッドソールを用いたシ
ューズと同等の良好な結果が得られた。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、エチレンビニルアセテート樹脂の発泡体から
なる領域と、イソブチレンとp−メチルスチレンの共重
合体のメチル基を臭素化した組成物及びスチレンとイソ
プレンの共重合体であってイソプレン含有量が50%以
上である組成物の混合物またはその発泡体からなる領域
を混在させることにより、衝撃吸収性及び剛性保持性の
両者を満足する靴用緩衝部材(ミッドソール)を形成で
きる。よって、該靴用緩衝部材(ミッドソール)を用い
たシューズを装着すると、足の移動(運動)による衝撃
力を十分に吸収する一方、吸収した衝撃エネルギーを反
発力に変えることができ、機敏な足の動きに対しても安
定した履き心地を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のミッドソールの上面図である。
【図2】 実施例2のミッドソールの上面図である。
【図3】 実施例3のミッドソールの上面図である。
【図4】 実施例4のミッドソールの上面図である。
【図5】 実施例5のミッドソールの上面図である。
【図6】 実施例6のミッドソールの上面図である。
【図7】 実施例7のミッドソールの上面図である。
【図8】 実施例8のミッドソールの上面図である。
【図9】 実施例9のミッドソールの上面図である。
【図10】 実施例1〜3、7のミッドソールの断面図
である。
【図11】 実施例6のミッドソールの断面図である。
【図12】 実施例4、5、8のミッドソールの断面図
である。
【図13】 実施例9のミッドソールの断面図である。
【図14】 比較例のミッドソールの断面図である。
【図15】 一般的なスポーツシューズの構造を示す分
解斜視図である。
【符号の説明】
50 靴本体 50A アッパー 50B インソール 51 アウトソール 52 ミッドソール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−65904(JP,A) 特開 平2−234702(JP,A) 特開 平8−134269(JP,A) 実開 昭59−79002(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A43B 1/00 - 23/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 靴本体と靴底との間に靴底のほぼ全域を
    覆うように介在させる板状の靴用緩衝部材であって、エ
    チレンビニルアセテート樹脂の発泡体(A)からなる第
    1領域と、イソブチレンとp−メチルスチレンの共重合
    体のメチル基を臭素化した組成物(x)及びスチレンと
    イソプレンの共重合体であってイソプレン含有量が50
    %以上である組成物(y)の混合物またはその発泡体
    (B)からなる第2領域とを混在させてなる靴用緩衝部
    材。
  2. 【請求項2】 上記エチレンビニルアセテート樹脂の発
    泡体(A)からなる板状の緩衝部材本体に側面がほぼ垂
    直方向に切り立った切り欠き部を形成し、該切り欠き部
    に、上記組成物(x)及び組成物(y)の混合物または
    その発泡体(B)を埋め込んで、該組成物(x)及び組
    成物(y)の混合物またはその発泡体(B)の上記緩衝
    部材本体の上面または下面における面積率を5〜40%
    としていることを特徴とする請求項1に記載の靴用緩衝
    部材。
  3. 【請求項3】 上記緩衝部材本体に形成した切り欠き部
    が、水平方向に伸び、かつ、少なくとも一端が緩衝部材
    本体の側面に達することなく緩衝部材本体の内部で終端
    する複数のストライプ状溝からなり、該複数のストライ
    プ状溝のそれぞれに上記組成物(x)及び組成物(y)
    の混合物またはその発泡体(B)の棒状成形体を埋め込
    んだ構造としている請求項2に記載の靴用緩衝部材。
  4. 【請求項4】 上記エチレンビニルアセテート樹脂の発
    泡体(A)のJC硬度が20〜80である請求項1〜3
    のいずれか一項に記載の靴用緩衝部材。
  5. 【請求項5】 上記組成物(x)と組成物(y)の混合
    比((X): (y) )が95:5〜20:80である請求項
    1〜4のいずれか一項に記載の靴用緩衝部材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の靴
    用緩衝部材を用いてなる靴。
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