JP2008132008A - 靴 - Google Patents

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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】足の爪先側に荷重がかかりやすい靴の提供。
【解決手段】靴のミッドソールは、低硬度部20、高硬度部22及び傾斜面24を備えている。低硬度部20及び高硬度部22は気泡を含んでおり、EVAを基材ポリマーとしている。傾斜面24は、爪先側から踵側に向かって上向きに傾斜している。更に、傾斜面24は、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾斜している。傾斜面24の上側であって、傾斜面24の爪先側かつインサイドには、低硬度部20が存在している。傾斜面24の下側であって、傾斜面24の踵側かつアウトサイドには、高硬度部22が存在している。低硬度部20の厚みは、傾斜面24に沿って、踵側から爪先側に向かって徐々に大きくなっている。高硬度部22の厚みは、傾斜面24に沿って爪先側から踵側に向かって徐々に大きくなっている。
【選択図】図5

Description

本発明は、ゴルフ、テニス、スカッシュ、フィールドホッケー、バスケットボール、エアロビクス体操等に適した靴に関する。
靴は、アウトソール、ミッドソール、インソール、アッパー等から構成されている。ミッドソールは、気泡を含むポリマー成形体からなる。通常のミッドソールには、基材ポリマーとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が用いられている。ミッドソールは、衝撃吸収性に寄与する。実開平2−134003号公報には、多層構造のミッドソールを備え、衝撃吸収性とトラクション性とに優れた靴が開示されている。
ゴルファーがゴルフボールを打撃する際は、左右の足先を結ぶ線が目標方向とほぼ平行となるようにアドレスする。アドレスでは、ゴルフクラブのヘッドはゴルフボールの近くに位置する。この状態からゴルファーはテイクバックを開始し、ヘッドを右へ、次いで上へと振り上げる。最もヘッドが振り上げられた位置は、トップ位置と称される。トップ位置からダウンスイングが開始されてヘッドが振り下ろされ、ヘッドがゴルフボールと衝突する。衝突後、ゴルファーはゴルフクラブを左へ、次いで上へと振り抜き、フィニッシュを迎える。
トップ位置からフィニッシュにかけて、ゴルファーは左足を軸としてボディターンを行う。同時にゴルファーは、右足で地面を蹴ってその力をゴルフボールに伝える。つまり、右利きのゴルファーは、左足を軸足として使い、右足を蹴足として使う。左利きゴルファーの場合は、右足を軸足として使い、左足を蹴足として使う。
実開平2−134003号公報
本発明者は、上級者とアベレージゴルファーとの間のスイングの相違を詳細に分析した。その結果、プロゴルファー等の上級者の方が、爪先側に体重をかける度合いが大きいという新たな知見が得られた。本発明者は、爪先側に体重がかかりやすい靴がスイングを安定化しうるという新たな技術思想を見出した。
他のスポーツにおいても、足の爪先側に体重がかかる動作が見られる。テニス及びスカッシュでは、ラケットをスイングするときに、足の爪先側に体重がかかる。フィールドホッケーでは、スティックをスイングするときに、足の爪先側に体重がかかる。バスケットボール及びエアロビクス体操では、左右反転動作のときに、足の爪先側に体重がかかる。これらのスポーツにおいても、動作に適した靴が望まれている。
本発明の目的は、足の爪先側に荷重がかかりやすい靴の提供にある。
本発明に係る靴は、ミッドソールとアウトソールとを有する。このミッドソールは、低硬度部と、高硬度部と、傾斜面とを備えている。この傾斜面の爪先側に低硬度部が存在している。この傾斜面の踵側に高硬度部が存在している。上記ミッドソールの長さ線上において爪先側端から踵側端へこの長さ線の距離の25%を移動した位置に、上記低硬度部、上記高硬度部及び上記傾斜面が存在する。
好ましくは、上記低硬度部の厚みは上記傾斜面に沿って踵側から爪先側に向かって徐々に大きくなっている。好ましくは、上記高硬度部の厚みは上記傾斜面に沿って爪先側から踵側に向かって徐々に大きくなっている。
好ましくは、上記傾斜面のインサイドに低硬度部が存在し、上記傾斜面のアウトサイドに高硬度部が存在する。
好ましくは、上記低硬度部の厚みは上記傾斜面に沿ってアウトサイドからインサイドに向かって徐々に大きくなっている。好ましくは、上記高硬度部の厚みは上記傾斜面に沿ってインサイドからアウトサイドに向かって徐々に大きくなっている。
好ましくは、上記傾斜面は、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾斜しており、且つ、爪先側から踵側に向かって上向きに傾斜している。
上記低硬度部の硬度HLの高硬度部の硬度HHに対する比(HL/HH)が、0.20以上0.90以下である請求項1から5のいずれかに記載の靴。
本発明に係る靴では、体重が加わったときに、ミッドソールの上面が、爪先側から踵側に向かって上向きに傾斜しやすい。この傾斜により、着用者は、足の爪先側に体重をかけやすい。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフ靴2が示された一部切り欠き側面図である。このゴルフ靴2は、アッパー4及び底部6を備えている。底部6は、インソール8、ミッドソール10及びアウトソール12からなる。インソール8は、ミッドソール10と積層されている。ミッドソール10は、アウトソール12と積層されている。アウトソール12は、その下面に、下方に向けて突出する多数の突起14を備えている。アッパー4の材質及び構造は、既知のアッパーのそれと同等である。インソール8の材質及び構造は、既知のインソールのそれと同等である。アウトソール12の材質及び構造は、既知のアウトソールのそれと同等である。
図2は、図1のゴルフ靴2のミッドソール10が示された平面図である。図2は、ミッドソール10の上面を示している。このミッドソール10は、ベース16と、このベース16の外縁に位置する側壁18とを備えている。このミッドソール10は、右足用である。左足用のミッドソールの形状は、図2に示された形状が左右反転した形状である。
図3は図2のIII−III線に沿った拡大断面図であり、図4は図2のIV−IV線に沿った拡大断面図であり、図5は図2のV−V線に沿った拡大断面図である。図3において、左側がインサイドであり、右側がアウトサイドである。図4において、左側がインサイド且つ爪先側であり、右側がアウトサイド且つ踵側である。図5において、左側が爪先側であり、右側が踵側である。III−III線、IV−IV線及びV−V線は、後述される位置Pを通る。
このミッドソール10は、気泡を含むポリマー成形体からなる。ミッドソール10の典型的な基材ポリマーは、EVAである。EVAにおける酢酸ビニル含有量は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。EVAにおける酢酸ビニル含有量は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下が特に好ましい。ミッドソールの基材ポリマーとして、EVAとポリオレフィンとが併用されることが好ましい。ポリオレフィンは、衝撃吸収性及び反発性に寄与しうる。この観点から、基材ポリマーの全量に対するポリオレフィンの量は5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。コスト及び接着性の観点から、ポリオレフィンの量は80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、15質量%以下が特に好ましい。好ましいポリオレフィンとしては、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ポリプロピレン及びポリエチレンが例示される。
ミッドソール10が、独立気泡を含んでもよく、連続気泡を含んでもよい。形状復元力及び非吸水性の観点から、独立気泡が好ましい。気泡は、通常は熱分解型発泡剤の発泡によって形成される。用いられる熱分解型発泡剤としては、アゾ化合物(例えばアゾジカルボンアミド)、ニトロソ化合物(例えばジニトロソペンタメチレンテトラミン)及びトリアゾール化合物が例示される。ミッドソール10の発泡倍率(気泡が存在する場合の密度に対する気泡が存在しない場合の密度の比)は、2倍以上が好ましく3倍以上がより好ましい。発泡倍率は、30倍以下が好ましく、15倍以下がより好ましく、10倍以下が特に好ましい。
このミッドソール10は、低硬度部20及び高硬度部22を備えている。低硬度部20の硬度は、高硬度部22の硬度よりも小さい。低硬度部20の弾性率は、高硬度部22の弾性率よりも小さい。ミッドソール10に圧縮荷重が加わったとき、低硬度部20は高硬度部22よりも変形しやすい。低硬度部20が、互いの硬度が異なる2以上の部位からなってもよい。高硬度部22が、互いの硬度が異なる2以上の部位からなってもよい。
このミッドソール10はさらに、傾斜面24を備えている。傾斜面24は、平面である。傾斜面24は、低硬度部20と高硬度部22との境界である。傾斜面24は、低硬度部20と高硬度部22との境界の一部を形成している。傾斜面24は、水平方向に対して傾斜している。この実施形態では、傾斜面24は、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾斜していると同時に、爪先側から踵側に向かって上向きに傾斜している。傾斜面24の上側であって、傾斜面24のインサイド且つ爪先側には、低硬度部20が存在している。傾斜面24の下側であって、傾斜面24のアウトサイド且つ踵側には、高硬度部22が存在している。高硬度部22は、低硬度部20のインサイドにも存在している。以下、低硬度部20よりもインサイドにある高硬度部26は、「内側高硬度部」と称される。高硬度部22は、低硬度部20の爪先側にも存在している。以下、低硬度部20よりも爪先側にある高硬度部27は、「爪先側高硬度部」と称される。
低硬度部20の厚みは、傾斜面24に沿って、踵側から爪先側に向かって徐々に大きくなっている。高硬度部22の厚みは、傾斜面24に沿って爪先側から踵側に向かって徐々に大きくなっている。
低硬度部20の厚みは、傾斜面24に沿って、アウトサイドからインサイドに向かって徐々に大きくなっている。高硬度部22の厚みは、傾斜面24に沿ってインサイドからアウトサイドに向かって徐々に大きくなっている。
ゴルファーがこのゴルフ靴2を着用し、底部6にゴルファーの体重が加わると、このミッドソール10が圧縮される。爪先側では低硬度部20の厚みが大きいので、爪先側の圧縮変形量は大きい。踵側では高硬度部22の厚みが大きいので、踵側の圧縮変形量は小さい。インサイドでは低硬度部20の厚みが大きいので、インサイドの圧縮変形量は大きい。アウトサイドでは高硬度部22の厚みが大きいので、アウトサイドの圧縮変形量は小さい。このミッドソール10では、体重が加わることで、偏った変形が生じる。ミッドソール10の変形により、インソール8の上面28(図1参照)の位置が変位する。爪先側における上面28の下方への変位は、踵側における上面28の下方への変位よりも大きい。インサイドにおける上面28の下方への変位は、アウトサイドにおける上面28の下方への変位よりも大きい。インソール8は、爪先側から踵側に向かって上向きに傾くと同時に、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾く。ゴルファーの足も、爪先側から踵側に向かって上向きに傾くと同時に、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾く。ゴルファーの体重は、主として爪先側且つインサイドにかかる。前述の通り、上級者は、アベレージゴルファーに比べて、爪先側に体重がかかる傾向がある。爪先側に体重をかけやすいゴルフ靴2は、アベレージゴルファーのスイングを、上級者のスイングに近づけうる。爪先側に体重をかけやすいゴルフ靴2は、スイングの安定に寄与しうる。また、ゴルファーはスイングのときに蹴足のインサイドで地面を蹴る。足がインサイドに傾いている場合、ゴルファーは力を地面に伝えやすい。このミッドソール10は、右利きゴルファーの右足に適している。このゴルフ靴2は、大きなヘッドスピードに寄与する。大きなヘッドスピードは、大きな飛距離を生む。
底部6にゴルファーの体重が加わっても、内側高硬度部26は大きくは変形しない。この内側高硬度部26は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。この内側高硬度部26により、足から地面に大きな力が伝えられうる。この内側高硬度部26は、スイングの安定と大きなヘッドスピードとに寄与する。
底部6にゴルファーの体重が加わっても、爪先側高硬度部27は大きくは変形しない。この爪先側高硬度部27は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。この爪先側高硬度部27により、足から地面に大きな力が伝えられうる。この爪先側高硬度部27は、スイングの安定と大きなヘッドスピードとに寄与する。
図2から図5の形状が左右反転されたミッドソールは、右利きゴルファーの軸足(すなわち左足)に適している。このミッドソールにより、ゴルファーの軸足は、爪先側から踵側に向かって上向きに傾き、且つ、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾く。ゴルファーは、軸足で体重を受け止めやすい。このミッドソールも、スイングの安定と大きな飛距離とに寄与する。
本発明において、体重が加わった状態とは、体重が60kgの着用者が左右の足に均等に体重をかけた状態を意味する。
左足用及び右足用のミッドソールにおいて、ミッドソールの偏った変形が達成されることが好ましい。ミッドソールの偏った変形が、左足用及び右足用のミッドソールのいずれか一方のみで達成されてもよい。
このミッドソール10では、低硬度部20及び高硬度部22の厚みが、傾斜面24に沿って徐々に変化している。従って、ミッドソール10の圧縮変形量は、傾斜面24に沿って連続的に変化する。ミッドソール10の圧縮変形量は、爪先側から踵側に向かって連続的に変化する。ミッドソール10の圧縮変形量は、インサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。圧縮変形量は、急激には変化しない。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。安定したスイングは、飛距離のばらつきを抑制する。安定したスイングはさらに、ゴルフボールの飛行方向のばらつきを抑制する。圧縮変形量が連続的に変化するミッドソール10は、歩行時の違和感を生じさせない。なお、傾斜面の傾斜角度は、一定であってもよいし、途中で変化していてもよい。低硬度部20及び高硬度部22の厚みが、段階的に変化していてもよい。この場合、傾斜面24の代わりに、階段状の面が採用されてもよい。
高硬度部22の発泡倍率よりも大きな発泡倍率が低硬度部20に適用されることにより、硬度の相違が達成されうる。高硬度部22の基材ポリマーとは異なる基材ポリマーが低硬度部20に用いられることにより、硬度の相違が達成されうる。高硬度部22における添加剤の量とは異なる量の添加剤が低硬度部20に添加されることにより、硬度の相違が達成されうる。高硬度部22の添加剤とは異なる添加剤が低硬度部20に配合されることにより、硬度の相違が達成されうる。
図2から明らかなように、低硬度部20の平面形状は、実質的に楕円である。楕円の低硬度部20を備えたミッドソール10では、前後方向においても、圧縮変形量が急激には変化しない。楕円の低硬度部20は、スイングの安定に寄与する。平面形状が長円である低硬度部も、スイングの安定に寄与する。
図2において符号Aで示された二点鎖線は、ミッドソール10の長さ線である。長さ線Aは、ミッドソール10の輪郭内に画かれうる最長の線分である。長さ線Aは、爪先側端30から踵側端32に至っている。図2において、長さ線Aの長さが符号Lによって示されている。図2において符号Bで示された二点鎖線は、幅線Bである。幅線Bは、長さ線Aと直交している。この幅線Bまでの爪先側端30からの距離は、(L/4)である。この幅線Bは、低硬度部20を通過している。
図2において符合Pで示された位置は、長さ線A上において爪先側端から踵側端へこの長さ線の距離の25%を移動した位置である。位置Pは、一箇所の点である。位置Pは、長さ線A上の点である。位置Pは、長さ線Aと幅線Bとの交点である。この位置Pに、低硬度部20、高硬度部22及び傾斜面24が存在している。
スイングにおいて最も力がかかるのは、母趾球の近傍である。前述の位置Pに低硬度部20、高硬度部22及び傾斜面24が存在することにより、ゴルファーは力を地面に伝えやすい。長さLは、通常は150mmから320mmである。
ゴルファーが力を地面に伝えやすいとの観点から、長さ線Aに沿った傾斜面24の距離は、5mm以上が好ましく、20mm以上がより好ましく、50mm以上が特に好ましい。効果の観点からはこの距離の上限に制限は無いが、通常は200mm以下、さらには105mm以下である。
傾斜面24は、低硬度部20の下面と高硬度部22の上面との境界面である。低硬度部20の下面が、傾斜面24と一致している。高硬度部22の上面が、傾斜面24と一致している。低硬度部20の下面の全てが、傾斜面24と一致している。高硬度部22の上面の全てが、傾斜面24と一致している。
図3において両矢印Waで示されているのは、傾斜面24の左右方向幅である。幅Waは、幅線Bに沿った断面において測定される。幅Waは、5mm以上100mm以下が好ましい。幅Waが5mm以上に設定されることにより、圧縮変形量の急激な変化が抑制される。この観点から、幅Waは20mm以上がより好ましく、30mm以上が特に好ましい。幅Waが100mm以下に設定されたゴルフ靴2では、ゴルファーが力を地面に伝えやすい。この観点から、幅Waは80mm以下がより好ましく、70mm以下が特に好ましい。なお、幅線Bに沿ったミッドソール10の幅Wは、通常は80mm以上120mm以下である。
図3において両矢印Wbで示されているのは、内側高硬度部26のうち上面が平坦な部位の幅である。幅Wbは、幅線Bに沿って測定される。幅Wbは、3mm以上25mm以下が好ましい。幅Wbが3mm以上に設定されることにより、足から地面へ十分な力が伝わる。この観点から、幅Wbは5mm以上がより好ましく、7mm以上がさらに好ましく、10mm以上が特に好ましい。幅Wbが25mm以下に設定されることにより、足が十分に傾斜する。この観点から、幅Wbは22mm以下がより好ましく、18mm以下が特に好ましい。
図3において両矢印Wcで示されているのは、内側高硬度部26の幅である。幅Wcは、幅線Bに沿って測定される。幅Wcは、13mm以上35mm以下が好ましい。幅Wcが13mm以上に設定されることにより、足から地面へ十分な力が伝わる。この観点から、幅Wcは15mm以上がより好ましく、17mm以上がさらに好ましく、20mm以上が特に好ましい。幅Wcが35mm以下に設定されることにより、足が十分に傾斜する。この観点から、幅Wcは32mm以下がより好ましく、28mm以下が特に好ましい。
図3において両矢印Wdで示されているのは、低硬度部20のアウトサイド端とミッドソールのアウトサイド端との距離である。距離Wdは、13mm以上、さらには15mm以上、さらには17mm以上、さらには20mm以上が好ましい。距離Wdは、35mm以下、さらには32mm以下、さらには28mm以下が好ましい。
図5において両矢印W1で示されているのは、傾斜面24の縦方向幅である。幅W1は、長さ線Aに沿った断面において測定される。幅W1は、10mm以上150mm以下が好ましい。幅W1が10mm以上に設定されることにより、圧縮変形量の急激な変化が抑制される。この観点から、幅W1は50mm以上がより好ましく、80mm以上が特に好ましい。幅W1が150mm以下に設定されたゴルフ靴2では、ゴルファーが力を地面に伝えやすい。この観点から、幅W1は130mm以下がより好ましく、120mm以下が特に好ましい。
図5において両矢印W2で示されているのは、爪先側高硬度部27のうち上面が平坦な部位の幅である。幅W2は、長さ線Aに沿って測定される。幅W2は、3mm以上25mm以下が好ましい。幅W2が3mm以上に設定されることにより、足から地面へ十分な力が伝わる。この観点から、幅W2は5mm以上がより好ましく、7mm以上がさらに好ましく、10mm以上が特に好ましい。幅W2が25mm以下に設定されることにより、足が十分に傾斜する。この観点から、幅W2は22mm以下がより好ましく、18mm以下が特に好ましい。
図5において両矢印W3で示されているのは、爪先側高硬度部27の幅である。幅W3は、長さ線Aに沿って測定される。幅W3は、13mm以上35mm以下が好ましい。幅W3が13mm以上に設定されることにより、足から地面へ十分な力が伝わる。この観点から、幅W3は15mm以上がより好ましく、17mm以上がさらに好ましく、20mm以上が特に好ましい。幅W3が35mm以下に設定されることにより、足が十分に傾斜する。この観点から、幅W3は32mm以下がより好ましく、28mm以下が特に好ましい。
図3において両矢印Tで示されているのは、ミッドソール10の厚みである。厚みTは、幅線Bに沿った断面において測定される。厚みTは、側壁18を除く部位の最大厚みである。厚みTは、2mm以上、さらには5mm以上である。厚みTは、25mm以下、さらには20mm以下、さらには15mm以下である。図4において両矢印tで示されているのは、低硬度部20の最大厚みである。インソール8の上面が十分に傾斜するとの観点から、厚みTに対する厚みtの比率は30%以上、さらには40%以上、さらには50%以上、さらには80%以上が好ましい。本実施形態では、低硬度部20は底面34に露出していない。
底面34に低硬度部20と高硬度部22との境界線が存在すると、この境界線が亀裂等の損傷の原因となることがある。ミッドソール10の耐久性の観点から、境界線が底面34に存在しないことが好ましい。換言すれば、低硬度部20が底面34に露出しないことが好ましい。耐久性の観点から、厚みTに対する厚みtの比率は100%未満が好ましく、98%以下がより好ましく、95%以下が特に好ましい。
図3において両矢印θ1で示されているのは、左右方向における、水平方向に対する傾斜面24の角度である。角度θ1は、幅線Bに沿った断面において測定される。角度θ1は、3度(degree)以上60度以下が好ましい。角度θ1が3度以上に設定されたゴルフ靴2では、ゴルファーが力を地面に伝えやすい。この観点から、角度θ1は5度以上がより好ましく、7度以上が特に好ましい。角度θ1が60度以下に設定さることにより、圧縮変形量の急激な変化が抑制される。この観点から、角度θ1は50度以下がより好ましく、40度以下がさらに好ましく、20度以下が特に好ましい。
図5において両矢印θ2で示されているのは、縦方向における、水平方向に対する傾斜面24の角度である。角度θ2は、長さ線Aに沿った断面において測定される。角度θ2は、3度(degree)以上60度以下が好ましい。角度θ2が3度以上に設定されたゴルフ靴2では、ゴルファーが力を地面に伝えやすい。この観点から、角度θ2は5度以上がより好ましく、7度以上が特に好ましい。角度θ2が60度以下に設定さることにより、圧縮変形量の急激な変化が抑制される。この観点から、角度θ2は50度以下がより好ましく、40度以下がさらに好ましく、20度以下が特に好ましい。
低硬度部20の硬度HLの、高硬度部22の硬度HHに対する比(HL/HH)は、0.20以上0.90以下が好ましい。比(HL/HH)が0.20以上に設定されることにより、圧縮変形量の急激な変化が抑制される。この観点から、比(HL/HH)は0.30以上がより好ましく、0.40以上が特に好ましい。比(HL/HH)が0.90以下に設定されることにより、脚が傾斜しやすい。この観点から、比(HL/HH)は0.85以下がより好ましく、0.80以下が特に好ましい。低硬度部20の硬度HLは、20以上70以下が好ましい。高硬度部22の硬度HHは、40以上85以下が好ましい。硬度は、日本ゴム協会標準規格に準拠して、高分子計器株式会社のアスカーC型硬度計にて測定される。
図3において両矢印Ta1で示されているのは、幅線Bに沿った断面におけるインサイド端での低硬度部20の厚みである。図3の実施形態では、厚みTa1は、幅線Bに沿った断面における低硬度部20の最大厚みに等しい。図3において両矢印Ta2で示されているのは、幅線Bに沿った断面における位置Pでの低硬度部20の厚みである。図3において両矢印Ta3で示されているのは、幅線Bに沿った断面におけるアウトサイド端での低硬度部20の厚みである。図3の実施形態では、厚みTa3は、幅線Bに沿った断面における低硬度部20の最小厚みに等しい。
図4において両矢印Tb1で示されているのは、IV−IV線に沿った断面におけるインサイド端での低硬度部20の厚みである。図4の実施形態では、厚みTb1は、低硬度部20の最大厚みに等しい。図4において両矢印Tb2で示されているのは、IV−IV線に沿った断面における位置Pでの低硬度部20の厚みである。図4において両矢印Tb3で示されているのは、IV−IV線に沿った断面におけるアウトサイド端での低硬度部20の厚みである。図4の実施形態では、厚みTb3は、IV−IV線に沿った断面における低硬度部20の最小厚みに等しい。図4の実施形態では、厚みTb3は、0である。
図5において両矢印Tc1で示されているのは、長さ線Aに沿った断面における爪先側端での低硬度部20の厚みである。図5の実施形態では、厚みTc1は、長さ線Aに沿った断面における低硬度部20の最大厚みに等しい。図5において両矢印Tc2で示されているのは、長さ線Aに沿った断面における位置Pでの低硬度部20の厚みである。図5において両矢印Tc3で示されているのは、長さ線Aに沿った断面におけるアウトサイド端での低硬度部20の厚みである。厚みTc3は、長さ線Aに沿った断面における低硬度部20の最小厚みに等しい。厚みTa2と厚みTb2と厚みTc2とは、等しい。つまり、Ta2=Tb2=Tc2である。
爪先側に体重をかかりやすくする観点から、厚みTc1と厚みTc2との差(Tc1−Tc2)は、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。ミッドソール10の寸法上の制約の観点から、差(Tc1−Tc2)は5mm以下が好ましい。爪先側に体重をかかりやすくする観点から、厚みTc2と厚みTc3との差(Tc2−Tc3)は、0mm以上が好ましく、0mmを超えるのがより好ましく、1mm以上がより好ましく、2mm以上が更に好ましい。ミッドソール10の寸法上の制約の観点から、差(Tc2−Tc3)は5mm以下が好ましい。
インサイドに体重をかかりやすくする観点から、厚みTa1と厚みTa2との差(Ta1−Ta2)は、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましい。ミッドソール10の寸法上の制約の観点から、差(Ta1−Ta2)は5mm以下が好ましい。インサイドに体重をかかりやすくする観点から、厚みTa2と厚みTa3との差(Ta2−Ta3)は、0mm以上が好ましく、0mmを超えるのがより好ましく、1mm以上がより好ましく、2mm以上が更に好ましい。ミッドソール10の寸法上の制約の観点から、差(Ta2−Ta3)は5mm以下が好ましい。
図6は、図2のミッドソール10の製造方法の一例が説明されるための断面図である。図6は、幅線Bに沿った断面図である。この製造方法では、まず第一部品36、第二部品38及び第三部品40が準備される。第一部品36、第二部品38及び第三部品40は、気泡を含むポリマー成形体からなる。第一部品36の硬度は、第二部品38及び第三部品40の硬度よりも小さい。第三部品40の輪郭は、ミッドソール10の輪郭に類似している。第三部品40は、打ち抜きよって形成された穴42を備えている。
この製造方法では、第一部品36と第二部品38とが貼り合わされる。第一部品36と第二部品38との境界は、傾斜する。次に、第一部品36及び第二部品38が、第三部品40の穴42に挿入される。次に、第一部品36、第二部品38及び第三部品40が金型に投入され、高温下で圧縮される。各部品36、38、40は、互いに接合される。この製造方法では、第一部品36が低硬度部20を形成し、第二部品38及び第三部品40が高硬度部22を形成する。第一部品36及び第二部品38が圧縮され、かつ第三部品40も圧縮された後、この第三部品40に第一部品36及び第二部品38が挿入されてもよい。
図7は、図2のミッドソール10の製造方法の他の例が説明されるための断面図である。この製造方法では、まず第一部品44及び第二部品46が準備される。第一部品44及び第二部品46は、気泡を含むポリマー成形体からなる。第一部品44及び第二部品46は、既に圧縮されている。第一部品44の硬度は、第二部品46の硬度よりも小さい。第二部品46の輪郭は、ミッドソール10の輪郭に類似している。第二部品46は、窪み48を備えている。窪み48の上面50は、傾斜している。
この製造方法では、第一部品44が第二部品46の窪み48に挿入され、両者が貼り合わされる。第一部品44と第二部品46との境界は、傾斜する。この製造方法では、第一部品44が低硬度部20を形成し、第二部品46が高硬度部22を形成する。
アウトソール12に低硬度部及び高硬度部が設けられることにより、足の傾斜が達成されてもよい。爪先側における突起14の密度が、踵側における突起14の密度よりも小さくされることで、足の傾斜が達成されてもよい。インサイドにおける突起14の密度が、アウトサイドにおける突起14の密度よりも小さくされることで、足の傾斜が達成されてもよい。
図8から図10は、本発明の他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール50が示された断面図である。このミッドソール50の平面形状は、図2に示されたミッドソール10の平面形状と同等である。図8には、幅線Bに沿った断面が示されている。この図8において、左側がインサイドであり、右側がアウトサイドである。図9には、図2のIV−IV線と同じ位置の線に沿った断面が示されている。この図9において、左側が爪先側且つインサイドであり、右側が踵側且つアウトサイドである。図10には、長さ線Aに沿った断面が示されている。この図10において、左側が爪先側であり、右側が踵側である。
このミッドソール50は、低硬度部54、高硬度部56、傾斜面58及び平坦面60を備えている。平坦面60は、傾斜面58に連続している。平坦面60は、ミッドソール50の底面に露出している。傾斜面58の上側であって、傾斜面58の爪先側且つインサイドには、低硬度部54が存在している。傾斜面58の下側であって、傾斜面58の踵側且つアウトサイドには、高硬度部56が存在している。
このミッドソール50でも、低硬度部54の圧縮変形量と高硬度部56の圧縮変形量との相違に起因して、足が傾斜する。この傾斜により、ゴルファーは、十分な力を地面に伝えることができる。このミッドソール50でも、圧縮変形量は、傾斜面58に沿って連続的に変化する。圧縮変形量は、爪先側から踵側に向かって連続的に変化する。圧縮変形量は、インサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。
図11から図13は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール62が示された断面図である。このミッドソール62の平面形状は、図2に示されたミッドソール10の平面形状と同等である。図11には、幅線Bに沿った断面が示されている。この図11において、左側がインサイドであり、右側がアウトサイドである。図12には、図2のIV−IV線と同じ位置の線に沿った断面が示されている。この図12において、左側が爪先側且つインサイドであり、右側が踵側且つアウトサイドである。図13には、長さ線Aに沿った断面が示されている。この図13において、左側が爪先側であり、右側が踵側である。
このミッドソール62は、低硬度部64、高硬度部66、傾斜面68、第一平坦面70及び第二平坦面72を備えている。第一平坦面70及び第二平坦面72は、傾斜面68と連続している。傾斜面68の上側であって、傾斜面68の爪先側且つインサイドには、低硬度部64が存在している。傾斜面68の下側であって、傾斜面68の踵側且つアウトサイドには、高硬度部66が存在している。第一平坦面70の下側には、高硬度部66が存在している。第二平坦面72の下側には、高硬度部66が存在している。
このミッドソール62でも、低硬度部64の圧縮変形量と高硬度部66の圧縮変形量との相違に起因して、足が傾斜する。この傾斜により、ゴルファーは、十分な力を地面に伝えることができる。このミッドソール62でも、圧縮変形量は、傾斜面68に沿って連続的に変化する。圧縮変形量は、爪先側から踵側に向かって連続的に変化する。圧縮変形量は、インサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。
図14は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール74が示された平面図である。この図14には、長さ線A及び幅線Bが示されている。このミッドソール74は、ベース76と、このベース76の外縁に位置する側壁78とを備えている。このミッドソール74は、右足用である。左足用のミッドソールは、図14に示された形状が左右反転した形状を呈する。
このミッドソール74の幅線Bに沿った断面形状は、図3に示されたミッドソール10の断面形状と同等である。このミッドソール74の、図2のIV−IV線に相当する線に沿った断面形状は、図4に示されたミッドソール10の断面形状と同等である。このミッドソール74の長さ線Aに沿った断面形状は、図5で示されたミッドソール10の断面形状と同等である。このミッドソール74は、低硬度部80及び高硬度部82を備えている。低硬度部80と高硬度部82との境界は、傾斜面を含んでいる。このミッドソール74でも、低硬度部80の圧縮変形量と高硬度部82の圧縮変形量との相違に起因して、足が傾斜する。この傾斜により、ゴルファーは、十分な力を地面に伝えることができる。このミッドソール74でも、圧縮変形量は、傾斜面に沿って連続的に変化する。圧縮変形量は、爪先側から踵側に向かって連続的に変化する。更に、圧縮変形量は、インサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。このミッドソール74でも、爪先側高硬度部84は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。このミッドソール74でも、内側高硬度部86は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。
図14から明らかなように、低硬度部80の平面形状は八角形である。八角形の低硬度部80を備えたミッドソール74では、前後方向における圧縮変形量の急激な変化が抑制されうる。八角形の低硬度部80は、スイングの安定に寄与する。平面形状が六角形、七角形、九角形、十角形である低硬度部も、スイングの安定に寄与しうる。
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール88が示された平面図である。この図15には、長さ線A及び幅線Bが示されている。このミッドソール88は、ベース89と、このベース89の外縁に位置する側壁91とを備えている。このミッドソール88は、右足用である。左足用のミッドソールは、図15に示された形状が左右反転した形状を呈する。
このミッドソール88の幅線Bに沿った断面形状は、図3に示されたミッドソール10の断面形状と同等である。このミッドソール88の、図2のIV−IV線に相当する線に沿った断面形状は、図4に示されたミッドソール10の断面形状と同等である。このミッドソール88の長さ線Aに沿った断面形状は、図5で示されたミッドソール10の断面形状と同等である。このミッドソール88は、低硬度部90及び高硬度部92を備えている。低硬度部90と高硬度部92との境界は、傾斜面を含んでいる。低硬度部90の平面形状は、略半楕円である。このミッドソール88でも、低硬度部90の圧縮変形量と高硬度部92の圧縮変形量との相違に起因して、足が傾斜する。この傾斜により、ゴルファーは、十分な力を地面に伝えることができる。このミッドソール88でも、圧縮変形量は傾斜面に沿って連続的に変化する。圧縮変形量は、爪先側から踵側に向かって連続的に変化する。更に、圧縮変形量は、インサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。このミッドソール88でも、爪先側高硬度部94は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。このミッドソール88でも、内側高硬度部96は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。
図16は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール98が示された平面図である。この図16には、長さ線A及び幅線Bが示されている。このミッドソール98は、ベース100と、このベース100の外縁に位置する側壁102とを備えている。このミッドソール98は、右足用である。左足用のミッドソールは、図16に示された形状が左右反転した形状を呈する。
このミッドソール98の幅線Bに沿った断面形状は、図3に示されたミッドソール10の断面形状と同等である。このミッドソール98の、図2のIV−IV線に相当する線に沿った断面形状は、図4に示されたミッドソール10の断面形状と同等である。このミッドソール98の長さ線Aに沿った断面形状は、図5で示されたミッドソール10の断面形状と同等である。このミッドソール98は、低硬度部104及び高硬度部106を備えている。低硬度部104と高硬度部106との境界は、傾斜面を含んでいる。低硬度部104の平面形状は、矩形である。このミッドソール98でも、低硬度部104の圧縮変形量と高硬度部106の圧縮変形量との相違に起因して、足が傾斜する。この傾斜により、ゴルファーは、十分な力を地面に伝えることができる。このミッドソール98でも、圧縮変形量は、傾斜面に沿って連続的に変化する。圧縮変形量は、爪先側から踵側に向かって連続的に変化する。圧縮変形量は、インサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。このミッドソール98でも、爪先側高硬度部108は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。このミッドソール98でも、内側高硬度部110は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図2に示された平面形状を有するとともに、図3、図4及び図5に示された断面形状を有するミッドソールを作成した。このミッドソールでは、長さLは280mmであり、幅Wは100mmであり、厚みTは6mmであり、幅Waが60mmであり、幅W1(図5参照)が90mmであり、幅W4(図2参照)が25mmであり、幅W5(図2参照)が45mmである。このミッドソールは、低硬度部及び高硬度部を備えている。低硬度部と高硬度部との境界は、傾斜面を含む。幅線Bに沿った傾斜面の幅は、60mmである。高硬度部の硬度HHは、60である。低硬度部の硬度HLは、40である。厚みTa1、厚みTa2、厚みTa3、厚みTb1、厚みTb2、厚みTb3、厚みTc1、厚みTc2及び厚みTc3は、下記の表1で示される通りとされた。高硬度部は、爪先側高硬度部を含む。長さ線Aに沿った爪先側高硬度部の幅W4は、25mmである。このミッドソールにアウトソール、インソール及びアッパーを取り付け、実施例1のゴルフ靴を得た。
[実施例2]
傾斜面の左右方向における傾斜を無くし、傾斜面の傾斜方向を前後方向のみとし、各部寸法を表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2のゴルフ靴を得た。
[比較例]
傾斜面を水平面に変更し、各部寸法を表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、比較例のゴルフ靴を得た。図17は、比較例のミッドソールの幅線Bに沿った断面図である。図18は、比較例のミッドソールの、図2のIV−IV線に相当する線に沿った断面図である。図19は、比較例のミッドソールの長さ線Aに沿った断面図である。比較例のミッドソール112は、低硬度部114と高硬度部116と水平面118とを有する。低硬度部114の厚みは、一定である。
[打撃テスト]
ゴルフ靴をゴルファーに着用させ、ドライバーでゴルフボールを10回打撃させた。そして、ヘッドスピード、飛距離、飛距離ばらつき、フェース角ばらつき及び打球方向ばらつきを測定した。この結果が、下記の表1に示されている。この表1において、ヘッドスピード及び飛距離は、平均値である。
Figure 2008132008
表1から明らかなように、実施例のゴルフ靴により、大きなヘッドスピードが得られ、かつ大きな飛距離が得られる。更に、実施例のゴルフ靴は、飛距離及び打球方向の安定に寄与する。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
足を傾斜させうる靴は、ゴルフ以外の種々のスポーツにも適している。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフ靴が示された一部切り欠き側面図である。 図2は、図1のゴルフ靴のミッドソールが示された平面図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った拡大断面図である。 図4は、図2のIV−IV線に沿った拡大断面図である。 図5は、図2のV−V線に沿った拡大断面図である。 図6は、図2のミッドソールの製造方法の一例が説明されるための断面図である。 図7は、図2のミッドソールの製造方法の他の例が説明されるための断面図である。 図8は、本発明の他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソールが示された断面図である。 図9は、図8のミッドソールの他の断面図である。 図10は、図8のミッドソールのさらに他の断面図である。 図11は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソールが示された断面図である。 図12は、図11のミッドソールの他の断面図である。 図13は、図11のミッドソールのさらに他の断面図である。 図14は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソールが示された平面図である。 図15は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソールが示された平面図である。 図16は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソールが示された平面図である。 図17は、比較例に係るゴルフ靴のミッドソールが示された断面図である。 図18は、図17のミッドソールの他の断面図である。 図19は、図17のミッドソールのさらに他の断面図である。
符号の説明
2・・・ゴルフ靴
4・・・アッパー
6・・・底部
8・・・インソール
10、50、62、74、88、98、112・・・ミッドソール
12・・・アウトソール
14・・・突起
16・・・ベース
18・・・側壁
20、54、64、80、90、104、114・・・低硬度部
22、56、66、82、92、106、116・・・高硬度部
24、58、68・・・傾斜面
26、86、96、110・・・内側高硬度部
27、84、94、108・・・爪先側高硬度部

Claims (6)

  1. ミッドソールとアウトソールとを有し、
    このミッドソールが、低硬度部と、高硬度部と、傾斜面とを備えており、
    この傾斜面の爪先側に低硬度部が存在し、この傾斜面の踵側に高硬度部が存在し、
    上記ミッドソールの長さ線上において爪先側端から踵側端へこの長さ線の距離の25%を移動した位置に、上記低硬度部、上記高硬度部及び上記傾斜面が存在する靴。
  2. 上記低硬度部の厚みが上記傾斜面に沿って踵側から爪先側に向かって徐々に大きくなっており、上記高硬度部の厚みが上記傾斜面に沿って爪先側から踵側に向かって徐々に大きくなっている請求項1に記載の靴。
  3. 上記傾斜面のインサイドに低硬度部が存在し、上記傾斜面のアウトサイドに高硬度部が存在する請求項1又は2に記載の靴。
  4. 上記低硬度部の厚みが上記傾斜面に沿ってアウトサイドからインサイドに向かって徐々に大きくなっており、上記高硬度部の厚みが上記傾斜面に沿ってインサイドからアウトサイドに向かって徐々に大きくなっている請求項1から3のいずれかに記載の靴。
  5. 上記傾斜面が、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾斜しており、且つ、爪先側から踵側に向かって上向きに傾斜している請求項1から4のいずれかに記載の靴。
  6. 上記低硬度部の硬度HLの高硬度部の硬度HHに対する比(HL/HH)が、0.20以上0.90以下である請求項1から5のいずれかに記載の靴。
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