JP2007159597A - 靴 - Google Patents

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Abstract

【課題】足のインサイドに荷重がかかりやすい靴の提供。
【解決手段】この靴は、底部6を備えている。この底部6は、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなる発泡変化部20を含む層を有している。この層は、例えばミッドソール10である。この靴は、例えばゴルフ靴2である。底部6は、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなる弾性変化部を含む層を有していてもよい。発泡変化部20は、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の発泡体よりなる。成形時に作用させる圧力又は温度を部分的に異ならせることにより、発泡変化部20が作製されうる。発泡変化部20は、足のインサイドに荷重がかかりやすくする。発泡変化部20は、例えばスイングの安定に寄与しうる。
【選択図】図4

Description

本発明は、ゴルフ、テニス、スカッシュ、フィールドホッケー、バスケットボール、エアロビクス体操等に適した靴に関する。
靴は、アウトソール、ミッドソール、インソール、アッパー等から構成されている。ミッドソールは、気泡を含むポリマー成形体からなる。通常のミッドソールには、基材ポリマーとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が用いられている。ミッドソールは、衝撃吸収性に寄与する。特開平2−134003号公報には、多層構造のミッドソールを備え、衝撃吸収性とトラクション性とに優れた靴が開示されている。
ゴルファーがゴルフボールを打撃する際は、左右の足先を結ぶ線が目標方向とほぼ平行となるようにアドレスする。アドレスでは、ゴルフクラブのヘッドはゴルフボールの近くに位置する。この状態からゴルファーはテイクバックを開始し、ヘッドを右へ、次いで上へと振り上げる。最もヘッドが振り上げられた位置は、トップ位置と称される。トップ位置からダウンスイングが開始されてヘッドが振り下ろされ、ヘッドがゴルフボールと衝突する。衝突後、ゴルファーはゴルフクラブを左へ、次いで上へと振り抜き、フィニッシュを迎える。
トップ位置からフィニッシュにかけて、ゴルファーは左足を軸としてボディターンを行う。同時にゴルファーは、右足で地面を蹴ってその力をゴルフボールに伝える。つまり、右利きのゴルファーは、左足を軸足として使い、右足を蹴足として使う。左利きゴルファーの場合は、右足を軸足として使い、左足を蹴足として使う。
特開平2−134003号公報
スイングのときゴルファーは、主として蹴足のインサイドに体重をかけて地面を蹴る。ゴルファーはまた、主として軸足のインサイドで体重を受け止める。このとき、力は靴を介して地面に伝わる。足のインサイドに荷重をかけることにより、スイングが安定しやすくなる。スイングに適した靴が望まれている。
他のスポーツにおいても、足のインサイドに体重がかかる動作が見られる。テニス及びスカッシュでは、ラケットをスイングするときに、足のインサイドに体重がかかる。フィールドホッケーでは、スティックをスイングするときに、足のインサイドに体重がかかる。バスケットボール及びエアロビクス体操では、左右反転動作のときに、足のインサイドに体重がかかる。これらのスポーツにおいても、動作に適した靴が望まれている。
本発明の目的は、足のインサイドに荷重がかかりやすい靴の提供にある。
本発明に係る靴は、底部を備えており、この底部は、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなる発泡変化部を含む層を有している。この発泡変化部を含む層は、少なくとも1層あればよい。この発泡変化部を含む層は、複数層設けられても良い。
本発明に係る他の靴は、底部を備えており、この底部は、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に弾性率が低くなる弾性変化部を含む層を有している。この弾性変化部を含む層は、少なくとも1層あればよい。この弾性変化部を含む層は、複数層設けられてもよい。
本発明に係る靴の製造方法は、発泡しうるポリマー材料が、偏在した状態で金型内に投入される工程と、金型内で偏在したポリマー材料を発泡させることにより、一方側から他方側にかけて徐々に発泡倍率が大きくなる発泡変化部を有するポリマー成形体が形成される工程と、この発泡変化部が、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなるように靴の底部に設けられる工程と、この底部とアッパーとから靴が作製される工程とを含む。
本発明に係る他の靴の製造方法は、発泡しうるポリマー材料が、金型内に投入される工程と、発泡中のポリマー材料に作用する加熱温度を部分的に異ならせることにより、一方側から他方側にかけて徐々に発泡倍率が大きくなる発泡変化部を有するポリマー成形体が形成される工程と、この発泡変化部が、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなるように靴の底部に設けられる工程と、この底部とアッパーとから靴が作製される工程とを含む。
本発明に係る他の靴の製造方法は、発泡しうるポリマー材料が、金型内に投入される工程と、発泡中のポリマー材料に作用する圧力を部分的に異ならせることにより、一方側から他方側にかけて徐々に発泡倍率が大きくなる発泡変化部を有するポリマー成形体が形成される工程と、この発泡変化部が、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなるように靴の底部に設けられる工程と、この底部とアッパーとから靴が作製される工程とを含む。
本発明に係る靴では、体重が加わったときに、底部の上面が、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾斜しやすくなる。この傾斜により、着用者は、足のインサイドに体重をかけやすい。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフ靴2が示された一部切り欠き側面図である。このゴルフ靴2は、アッパー4及び底部6を備えている。底部6は、インソール8、ミッドソール10及びアウトソール12を備えている。インソール8は、ミッドソール10と積層されている。ミッドソール10は、アウトソール12と積層されている。アウトソール12は、その下面に、下方に向けて突出する多数の突起14を備えている。アッパー4の材質及び構造は、既知のアッパーのそれと同等である。インソール8の材質及び構造は、既知のインソールのそれと同等である。アウトソール12の材質及び構造は、既知のアウトソールのそれと同等である。
図2は、図1のゴルフ靴2のミッドソール10が示された平面図である。このミッドソール10は、ベース16を備えている。ベース16は、その外縁に側壁18を備えている。このミッドソール10は、右足用である。左足用のミッドソールの形状は、図2に示された形状が左右反転した形状である。ミッドソール10のうち、後述される発泡変化部20以外の部分が、ベース16である。
図3は図2のIII−III線に沿った拡大断面図であり、図4は図2のIV−IV線に沿った拡大断面図であり、図5は図2のV−V線に沿った拡大断面図である。この図3から図5において、左側がインサイドであり、右側がアウトサイドである。
ベース16は、気泡を含まないポリマー成形体でもよい。好ましくは、このベース16は、気泡を含むポリマー成形体からなるのがよい。ベース16の典型的な基材ポリマーは、EVAである。EVAにおける酢酸ビニル含有量は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。EVAにおける酢酸ビニル含有量は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下が特に好ましい。ミッドソールの基材ポリマーとして、EVAとポリオレフィンとが併用されることが好ましい。ポリオレフィンは、衝撃吸収性及び反発性に寄与しうる。この観点から、基材ポリマーの全量に対するポリオレフィンの量は5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。コスト及び接着性の観点から、ポリオレフィンの量は80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、15質量%以下が特に好ましい。好ましいポリオレフィンとしては、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ポリプロピレン及びポリエチレンが例示される。
ベース16が、独立気泡を含んでもよく、連続気泡を含んでもよい。形状復元力及び非吸水性の観点から、独立気泡が好ましい。気泡は、通常は熱分解型発泡剤の発泡によって形成される。用いられる熱分解型発泡剤としては、アゾ化合物(例えばアゾジカルボンアミド)、ニトロソ化合物(例えばジニトロソペンタメチレンテトラミン)及びトリアゾール化合物が例示される。ミッドソール10の平均発泡倍率は、2倍以上が好ましく3倍以上がより好ましい。平均発泡倍率は、30倍以下が好ましく、15倍以下がより好ましく、10倍以下が特に好ましい。なお、発泡倍率とは、気泡が存在する場合の密度に対する気泡が存在しない場合の密度の比を意味する。
ミッドソール10は、発泡変化部20を備えている。発泡変化部20においては、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなっている。本実施形態では、発泡変化部20は、ベース16とは別に成形された別成形体22とされている。本実施形態では、別成形体22の全体が発泡変化部20である。なお、発泡変化部20は、ベース16と一体成形されていてもよい。また、別成形体22の一部が発泡変化部20とされていてもよい。なお、発泡変化部20全体の平均発泡倍率は、発泡変化部20以外の部分の平均発泡倍率と比較して高くてもよく、低くてもよい。
発泡変化部20は、気泡を含むポリマー成形体からなる。発泡変化部20の典型的な基材ポリマーは、EVAである。EVAにおける酢酸ビニル含有量は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。EVAにおける酢酸ビニル含有量は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下が特に好ましい。ミッドソールの基材ポリマーとして、EVAとポリオレフィンとが併用されることが好ましい。ポリオレフィンは、衝撃吸収性及び反発性に寄与しうる。この観点から、基材ポリマーの全量に対するポリオレフィンの量は5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。コスト及び接着性の観点から、ポリオレフィンの量は80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、15質量%以下が特に好ましい。好ましいポリオレフィンとしては、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ポリプロピレン及びポリエチレンが例示される。
発泡変化部20が、独立気泡を含んでもよく、連続気泡を含んでもよい。形状復元力及び非吸水性の観点から、独立気泡が好ましい。気泡は、通常は熱分解型発泡剤の発泡によって形成される。用いられる熱分解型発泡剤としては、アゾ化合物(例えばアゾジカルボンアミド)、ニトロソ化合物(例えばジニトロソペンタメチレンテトラミン)及びトリアゾール化合物が例示される。発泡変化部20の平均発泡倍率は、2倍以上が好ましく3倍以上がより好ましい。平均発泡倍率は、30倍以下が好ましく、15倍以下がより好ましく、10倍以下が特に好ましい。
発泡変化部20は、弾性変化部でもある。発泡変化部20において、発泡倍率が高い部分ほど弾性率が低く、発泡倍率が低い部分ほど弾性率が高くなっている。発泡変化部20において弾性率が最も高い部分の弾性率が、以下において最高弾性率とも称される。発泡変化部20のインサイドには、上記最高弾性率以上の弾性率を有する内側高弾性部26が設けられている。また、発泡変化部20のアウトサイドには、上記最高弾性率以上の弾性率を有する外側高弾性部27が設けられている。
ゴルファーがこのゴルフ靴2を着用し、底部6にゴルファーの体重が加わると、このミッドソール10が圧縮される。インサイドでは発泡変化部20の発泡倍率が大きいので、インサイドの圧縮変形量は大きくなりやすい。アウトサイドでは発泡変化部20の発泡倍率が小さいので、アウトサイドの圧縮変形量は小さくなりやすい。このミッドソール10では、体重が加わることで、偏った変形が生じる。ミッドソール10の変形により、インソール8の上面28(図1参照)の位置が変位する。インサイドにおける上面28の下方への変位は、アウトサイドにおける上面28の下方への変位よりも大きくなりやすい。上面28は、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾きやすい。この上面28の傾きにより、ゴルファーの足裏も、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾きやすい。ゴルファーの体重は、主としてインサイドにかかる。前述の通り、ゴルファーはスイングのときに蹴足のインサイドで地面を蹴る。足が傾いているので、ゴルファーは力を地面に伝えやすい。このミッドソール10は、右利きゴルファーの右足に適している。このゴルフ靴2は、大きなヘッドスピードに寄与する。大きなヘッドスピードは、大きな飛距離を生む。左足の靴においても、ゴルファーの体重は、主としてインサイドにかかる。前述したように、右利きゴルファーの場合、左足が軸足となる。軸足のインサイドに体重かかかることにより、軸足が安定する。軸足の安定は、大きな飛距離とショットの精度向上とに寄与する。
左足用及び右足用のミッドソールにおいて、ミッドソールの偏った変形が達成されることが好ましい。ミッドソールの偏った変形が、左足用及び右足用のミッドソールのいずれか一方のみで達成されてもよい。
発泡変化部20において、発泡倍率は、徐々に変化している。この変化は、連続的な変化でもよく、段階的な変化でもよい。即ち、発泡変化部20において、アウトサイドからインサイドにかけての発泡倍率の変化は、連続的でもよく、段階的でもよい。好ましくは、発泡倍率の変化は、連続的であるのがよい。発泡倍率の連続的な変化により、ミッドソール10の圧縮変形量は、インサイドからアウトサイドに向かって、連続的に変化する。圧縮変形量は、急激には変化しない。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。安定したスイングは、飛距離のばらつきを抑制する。安定したスイングはさらに、ゴルフボールの飛行方向のばらつきを抑制する。圧縮変形量が連続的に変化するミッドソール10は、歩行時の違和感を生じさせない。発泡倍率の変化が段階的である発泡変化部として、例えば、アウトサイドからインサイドにかけて発泡倍率が異なる部材を順次接合してなる発泡変化部が採用されうる。この接合は、例えば接着剤によりなされる。
図2から明らかなように、発泡変化部20の平面形状は、実質的に楕円である。楕円の発泡変化部20を備えたミッドソール10では、前後方向において、圧縮変形量が急激には変化しない。楕円の発泡変化部20は、スイングの安定に寄与する。平面形状が長円である発泡変化部20も、スイングの安定に寄与する。
図2において符号Aで示された二点鎖線は、ミッドソール10の長さ線である。長さ線Aは、ミッドソール10の輪郭内に画かれうる最長の線分である。長さ線Aは、爪先側端30から踵側端32に至っている。図2において、長さ線Aの長さが符号Lによって示されている。図2において符号Bで示された二点鎖線は、幅線Bである。幅線Bは、長さ線Aと直交している。この幅線Bまでの爪先側端30からの距離は、(L/4)である。この幅線Bは、発泡変化部20を通過している。換言すれば、長さ線Aに沿って爪先側端30から踵側端32へ、長さ線の距離Lの25%を移動した地点に、発泡変化部20が存在している。スイングにおいて最も力がかかるのは、母趾球の近傍である。前述の位置に発泡変化部20が存在することにより、ゴルファーは力を地面に伝えやすい。長さLは、通常は150mmから320mmである。
ゴルファーが力を地面に伝えやすいとの観点から、長さ線Aに沿った発泡変化部20の距離は、5mm以上が好ましく、20mm以上がより好ましく、50mm以上が特に好ましい。効果の観点からはこの距離の上限に制限は無いが、通常は200mm以下、さらには105mm以下である。
図4において両矢印Waで示されているのは、発泡変化部20の左右方向幅である。幅Waは、幅線Bに沿った断面において測定される。幅Waは、5mm以上100mm以下が好ましい。幅Waが5mm以上に設定されることにより、体重がインサイドにかかるように傾斜する効果(以下、傾斜効果ともいう)がより一層高まる。この観点から、幅Waは15mm以上がより好ましく、20mm以上がより好ましく、30mm以上がより好ましく、50mm以上が特に好ましい。幅Waが100mm以下に設定されたゴルフ靴2では、ゴルファーが力を地面に伝えやすい。この観点から、幅Waは80mm以下がより好ましく、70mm以下が特に好ましい。なお、幅線Bに沿ったミッドソール10の幅Wは、通常は80mm以上120mm以下である。
図4において両矢印Wbで示されているのは、内側高弾性部26のうち上面が平坦な部位の幅である。幅Wbは、幅線Bに沿って測定される。幅Wbは、3mm以上25mm以下が好ましい。幅Wbが3mm以上に設定されることにより、足から地面へ十分な力が伝わる。この観点から、幅Wbは5mm以上がより好ましく、7mm以上がさらに好ましく、10mm以上が特に好ましい。幅Wbが25mm以下に設定されることにより、足が十分に傾斜する。この観点から、幅Wbは22mm以下がより好ましく、18mm以下が特に好ましい。
図4において両矢印Wcで示されているのは、内側高弾性部26の幅である。幅Wcは、幅線Bに沿って測定される。幅Wcは、13mm以上35mm以下が好ましい。幅Wcが13mm以上に設定されることにより、足から地面へ十分な力が伝わる。この観点から、幅Wcは15mm以上がより好ましく、17mm以上がさらに好ましく、20mm以上が特に好ましい。幅Wcが35mm以下に設定されることにより、足が十分に傾斜する。この観点から、幅Wcは32mm以下がより好ましく、28mm以下が特に好ましい。
図4において両矢印Wdで示されているのは、外側高弾性部27の幅である。幅Wdは、13mm以上、さらには15mm以上、さらには17mm以上、さらには20mm以上が好ましい。幅Wdは、35mm以下、さらには32mm以下、さらには28mm以下が好ましい。
図4において両矢印Tで示されているのは、ミッドソール10の厚みである。厚みTは、幅線Bに沿った断面において測定される。厚みTは、側壁18を除く部位の最大厚みである。厚みTは、2mm以上、さらには5mm以上である。厚みTは、25mm以下、さらには20mm以下、さらには15mm以下である。図4において両矢印tで示されているのは、発泡変化部20の最大厚みである。厚みtは、幅線Bに沿った断面において測定される。インソール8の上面が十分に傾斜するとの観点から、厚みTに対する厚みtの比率は30%以上、さらには40%以上、さらには50%以上、さらには80%以上が好ましい。図4に示された実施形態では、この比率は100%である。換言すれば、ミッドソール10の底面34に、発泡変化部20がわずかに露出している。図3から明らかなように、III−III線に沿った断面では、発泡変化部20は底面34に露出していない。図5から明らかなように、V−V線に沿った断面でも、発泡変化部20は底面34に露出していない。耐久性の観点から、厚みTに対する厚みtの比率は100%未満が好ましく、98%以下がより好ましく、95%以下が特に好ましい。傾斜効果を高める観点から、厚みtは、3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましく、7mm以上が特に好ましい。過度の傾斜効果を抑制する観点から、厚みtは、20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましく、12mm以下が特に好ましい。
図6は、図2のミッドソール10の製造方法の一例が説明されるための断面図である。この製造方法では、まず発泡変化部20(別成形体22)とベース16とが準備される。発泡変化部20は、気泡を有するポリマー成形体である。ベース16も、気泡を有するポリマー成形体である。
発泡変化部20は、発泡変化部20専用の金型により予め熱成形されたものである。熱成形後、発泡変化部20の輪郭形状は、打ち抜きや研磨等により整えられてもよい。
ベース16は、ベース16専用の金型により予め成形されてなる。ベース16は、嵌め込み部36を有している。嵌め込み部36は、穴でもよいし、凹部でもよい。嵌め込み部36の形状は、発泡変化部20の形状と対応している。
発泡変化部20を嵌め込み部36に嵌め込んだ状態で、発泡変化部20とベース16とが接合される。この接合は、例えば接着剤によりなされる。発泡変化部20とベース16とが、融着されてもよい。発泡変化部20とベース16とが接合されることによりミッドソール10が形成される。
インソール8及びアウトソール12の製造方法は、既知のそれと同一である。ミッドソール10と、インソール8と、アウトソール12とが接合されて、底部6が製造される。この接合の方法は、既知のものと同一である。この接合は、例えば接着剤や縫着によりなされる。更に、底部6とアッパー4とが接合されて、ゴルフ靴2が製造される。この接合の方法は、既知ものと同一である。この接合は、例えば接着剤や縫着によりなされる。
次に、発泡変化部の製造方法が説明される。図7は、発泡変化部の第一の製造方法が説明されるための断面図である。なお、以下の第一〜第四の製造方法は、発泡変化部の製造方法であるとともに、弾性変化部の製造方法でもある。
発泡変化部は、金型38により熱成形されてなる。この金型38は、上型40と下型42とを有している。この第一の製造方法では、まず、開かれた金型38の内部に、ポリマー材料P1が仕込まれる(図7の(a)参照)。ポリマー材料P1は、下型42のキャビティ面44上に片寄せされた状態で配置される。
次に、金型38が閉じられる(図7の(b)参照)。閉じた状態の金型38の内部には、キャビティ39が形成される。キャビティ39は、上型40のキャビティ面46と、下型42のキャビティ面44とにより画成された空間である。ポリマー材料P1は、キャビティ39内において片寄せされている。ポリマー材料P1は、キャビティ39の一方側(図7(b)における右側)にのみ充填されている。ポリマー材料P1は、キャビティ39の他方側(図7(b)における左側)には充填されていない。キャビティ39の内部には、ポリマー材料P1が充填された充填部Jと、ポリマー材料P1が充填されていない空間部Kとが存在する。このようにして、ポリマー材料P1は、偏在した状態で金型内に投入される。
次に、加圧及び加熱がなされる。加熱により、ポリマー材料P1は発泡する。この発泡により、ポリマー材料P1の体積は膨張し、空間部Kは消失する。発泡により、発泡成形体P2が成形される。図7(c)が示すように、発泡成形体P2は、キャビティ39を充填している。発泡成形体P2の形状は、キャビティ39の形状と同一である。加熱前の状態から、膨張して発泡成形体P2に至るまでの被成形物が、ポリマー材料P1と称される。
発泡成形体P2が形成されるまでの過程において、充填部Jに充填された発泡前のポリマー材料P1のうち、空間部K側の部分は、空間部Kに向かって膨張する。ポリマー材料P1のうち、空間部K側は、膨張しやすい。空間部Kは、発泡中のポリマー材料P1に作用する圧力を部分的に異ならせうる。ポリマー材料P1をキャビティ39内において偏在させたことにより、発泡中のポリマー材料P1に作用する圧力は、部分的に異なる結果となる。発泡中のポリマー材料P1に作用する圧力は、空間部K側ほど小さくなる。したがって、発泡成形体P2の各部位における発泡倍率は、その一方側(図7(c)における右側)から他方側(図7(c)における左側)にかけて徐々に大きくなっている。
次に、金型38から発泡成形体P2が取り出される。取り出しにより、発泡成形体P2は、発泡成形体P2よりも体積の大きいポリマー成形体P3となる。当然ながら、ポリマー成形体P3においても、発泡倍率は変化している。即ち、ポリマー成形体P3の各部位における発泡倍率は、その一方側(図7(d)における右側)から他方側(図7(d)における左側)にかけて徐々に大きくなっている。
このポリマー成形体P3から、発泡変化部が作製される。例えば、ポリマー成形体P3を打ち抜くことにより、発泡変化部が作製される。また、ポリマー成形体P3が、二次成形用の金型により二次成形されてもよい。ポリマー成形体P3がそのまま発泡変化部として利用されてもよい。この場合、発泡成形体P2からポリマー成形体P3への体積増加を考慮して、金型38のキャビティ39が設計される。ポリマー成形体P3の表面に、スキン層が形成される場合がある。スキン層は、実質的に発泡していない。このスキン層は、サンディング等により取り除かれてもよい。スキン層を有したまま靴の底部に装着されてもよい。
発泡変化部は、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなるように靴の底部に設けられる。即ち、ポリマー成形体P3における一方側(発泡倍率の小さい側)が靴のアウトサイド側となるように、発泡変化部が配置される。換言すれば、ポリマー成形体P3における他方側(発泡倍率の大きい側)が靴のインサイド側となるように、発泡変化部が配置される。
図8は、発泡変化部の第二の製造方法が説明されるための断面図である。金型38の構造は、前述した第一の製造方法と同一である。
第二の製造方法では、まず、開かれた金型38の内部に、ポリマー材料P4が仕込まれる(図8の(a)参照)。前述した第一の製造方法と同様に、この第二の製造方法においても、ポリマー材料P1は、偏在した状態で金型内に投入される。ただし、偏在の態様が、第一の製法方法とは異なる。図8(b)が示すように、ポリマー材料P1は、金型上下方向における厚みが徐々に変化するように配置されている。その後の工程は、前述した第一の製造方法と同一である。
第二の製造方法においても、発泡成形体P5の各部位における発泡倍率は、その一方側(図8(c)における右側)から他方側(図8(c)における左側)にかけて徐々に大きくなっている。発泡倍率に変化が与えられた理由は、第一の製造方法のそれと同一である。発泡成形体P5が形成されるまでの過程において、充填部Jに充填された発泡前のポリマー材料P4のうち、空間部K側の部分は、空間部Kに向かって膨張する。ポリマー材料P4のうち、空間部K側は、膨張しやすい。図8の断面図において、キャビティ39の長手方向(図8(b)における左右方向)各位置における空間部Kの占める割合は、キャビティ39の他方側(図8(b)の左側)ほど大きい。よって、発泡中のポリマー材料P4に作用する圧力は、キャビティ39の一方側ほど大きくなる。ポリマー成形体P6から発泡変化部が形成される方法も、前述した第一の製造方法と同一である。
第一及び第二の製造方法におけるポリマー材料の偏在の態様は、例示にすぎない。ポリマー材料の偏在の態様として種々のものが考えられる。ポリマー材料を発泡させる前の段階において、キャビティ39内に充填部Jと空間部Kとが存在している場合、ポリマー材料は金型内において偏在している。また、ポリマー成形体の全体において発泡倍率が徐々に変化していてもよいし、ポリマー成形体の一部において発泡倍率が徐々に変化していてもよい。ポリマー成形体のうち、発泡倍率が徐々に変化した部分が、発泡変化部とされればよい。
図9は、発泡変化部の第三の製造方法を説明するための断面図である。第三の製造方法では、ポリマー材料P7は、金型内に投入された状態で偏在していない(図9(a)及び図9(b)参照)。
第三の製造方法における金型50の形状は、前述した第一及び第二の製造方法で用いたものと同じである。ただし、金型50に、温度勾配が付与されている。金型温度は、図9(c)が示すように、金型50の一方側(図面右側)から他方側(図面左側)にかけて徐々に高温とされている。この温度勾配は、例えば、金型を加熱する加熱手段(図示されない)による加熱度合いを、金型の部位ごとに異ならせることで達成されうる。
この第三の製造方法では、まず、開かれた金型50の内部に、ポリマー材料P7が仕込まれる(図9の(a)参照)。次に、金型50が閉じられる(図9の(b)参照)。ポリマー材料P7は、キャビティ51の全体に亘って充填されている。ポリマー材料P7は、偏在しない状態で金型内に投入されている。
次に、加圧及び加熱がなされる。加熱により、ポリマー材料P7は発泡しようとする。ただし、発泡前の状態において、ポリマー材料P7はキャビティ39を隙間無く充填しているので、ポリマー材料P7はキャビティ39内において膨張しない。
次に、上型52と下型54とが離され、金型50から発泡成形体P8が取り出される。取り出しにより、発泡成形体P8は、常圧のもとにおかれ、ポリマー成形体P9となる。このとき、発泡が一気に進行する。ポリマー成形体P9の発泡倍率は、低温で加熱された側において小さくなり、高温で加熱された側において大きくなる。その結果、ポリマー成形体P9の厚みは、低温で加熱された側において薄く、高温で加熱された側において厚くなる(図9(d)参照)。よって、ポリマー成形体P9の各部位における発泡倍率は、その一方側(図9(d)における右側)から他方側(図9(d)における左側)にかけて徐々に大きくなっている。その後の製造工程は、前述した第一〜第三の製造方法と同じである。発泡変化部として用いられる際、厚みを均一としたい場合には、ポリマー成形体P9の厚みが均一となるようにカットされる(図9(d)の破線参照)。
図10は、発泡変化部の第四の製造方法を説明するための断面図である。本実施形態では、平面状の金型が用いられる。この金型は、プレス上板56とプレス下板58とを有する。本製造方法では、まず、発泡前のポリマー材料P10が、金型内に投入される。次に、一回目の加熱及び加圧がなされる(図10(a)参照)。これは、一次プレスである。次に、発泡の途中段階で、ポリマー材料P10の位置が変更される。ポリマー材料P10の位置は、ポリマー材料P10の一部のみが、プレス上板56とプレス下板58との間となる位置とされる(図10の(b)参照)。ポリマー材料P10の一部のみがプレス上板56とプレス下板58とに挟まれた状態で、2回目の加熱及び加圧がなされる。これは、二次プレスである。二次プレスにおいて、加熱及び加圧されるのは、プレス上板56とプレス下板58とに挟まれた部分のみである。よって、二次プレスにおいて、発泡中のポリマー材料P10に作用する圧力は、部分的に異なる。即ち、プレス上板56とプレス下板58とに挟まれた部分は所定の圧力で加圧されているのに対し、プレス上板56とプレス下板58とに挟まれていない部分は、加圧されていない。このように、発泡中のポリマー材料に作用する圧力を部分的に異ならせることにより、得られたポリマー成形体(図示省略)は、一方側から他方側にかけて徐々に発泡倍率が大きくなる発泡変化部を有するポリマー成形体となる。
なお、発泡中のポリマー材料に作用する圧力を部分的に異ならせる製造方法としては、前述した第一乃至第四の製造方法の他、キャビティ内に作用するプレス圧力を部分的に異ならせうる金型を用いた製造方法でもよい。このような金型として、例えば上型及び下型のそれぞれが複数に分割された分割構造の金型と複数のプレス機とを備えた金型が例示されうる。
図2〜図5で示される実施形態では、ミッドソール10の一部が発泡変化部とされている。ミッドソールの全部が発泡変化部であってもよい。また、図11で示される断面図のように、ミッドソールの少なくとも一部において、ミッドソールの左右方向全幅に亘って発泡変化部60が設けられていてもよい。
傾斜効果の向上及び軽量化の観点から、発泡変化部の内側位置の発泡倍率S1は、3.0以上が好ましく、3.5以上がより好ましく、4.0以上が特に好ましい。軽量化の観点から、発泡変化部の中間位置の発泡倍率S2は、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましく、3.5以上が特に好ましい。軽量化の観点から、発泡変化部の外側位置の発泡倍率S3は、2.0以上が好ましく、2.5以上がより好ましく、3.0以上が特に好ましい。
へたりを抑えて耐久性を向上させる観点から、発泡変化部の内側位置の発泡倍率S1は、10.0以下が好ましく、9.0以下がより好ましく、8.0以下が特に好ましい。へたりを抑えて耐久性を向上させる観点から、発泡変化部の中間位置の発泡倍率S2は、9.0以下が好ましく、8.0以下がより好ましく、7.0以下が特に好ましい。傾斜効果を高めるとともに、へたりを抑えて耐久性を向上させる観点から、発泡変化部の外側位置の発泡倍率S3は、8.0以下が好ましく、7.0以下がより好ましく、6.0以下が特に好ましい。
傾斜効果を高める観点から、発泡変化部の内側位置の発泡倍率S1、発泡変化部の中間位置の発泡倍率S2及び発泡変化部の外側位置の発泡倍率S3は、関係式〔S1>S2>S3〕を満たしているのが好ましい。
傾斜効果を高める観点から、発泡変化部の内側位置の発泡倍率S1と発泡変化部の外側位置の発泡倍率S3との比(S1/S3)は、1.2以上が好ましく、1.3以上がより好ましく、1.4以上が特に好ましい。過度の傾斜効果による違和感を抑制するとともに、通常の歩行時における底部6の上面28(図1参照)の傾斜を抑制して歩行しやすくする観点から、比(S1/S3)は、5.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.0以下が特に好ましい。
傾斜効果を高める観点から、発泡変化部の内側位置の発泡倍率S1と発泡変化部の中間位置の発泡倍率S2との比(S1/S2)は、1.1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.3以上が特に好ましい。過度の傾斜効果による違和感を抑制するとともに、通常の歩行時における底部6の上面28(図1参照)の傾斜を抑制して歩行しやすくする観点から、比(S1/S2)は、4.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、2.0以下が特に好ましい。
傾斜効果を高める観点から、発泡変化部の中間位置の発泡倍率S2と発泡変化部の外側位置の発泡倍率S3との比(S2/S3)は、1.1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.3以上が特に好ましい。過度の傾斜効果による違和感を抑制するとともに、通常の歩行時における底部6の上面28(図1参照)の傾斜を抑制して歩行しやすくする観点から、比(S2/S3)は、4.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、2.0以下が特に好ましい。
各発泡倍率S1、S2及びS3は以下のように定義される。幅線B(図2参照)に沿った幅が最大幅となる位置(長さ線A方向の位置)において、発泡変化部が幅線B方向に3等分されたとき、最もインサイドに位置する分割体の平均発泡倍率が発泡倍率S1とされ、最もアウトサイドに位置する分割体の平均発泡倍率が発泡倍率S3とされ、最もインサイドに位置する分割体と最もアウトサイドに位置する分割体との間に位置する分割体の平均発泡倍率が発泡倍率S2とされる。なお、分割体同士を仕切る仕切り面は、長さ線A(図2参照)に沿った面となる。
発泡変化部又は弾性変化部の、幅線Bに沿った方向の幅が10mmより大きい位置(長さ線A方向位置)においては、内側硬度HL、中間硬度HM及び外側硬度HHが定義されうる。内側硬度HLは、発泡変化部又は弾性変化部のインサイド側エッジから幅線B方向に5mm離れた位置における硬度である。中間硬度HMは、発泡変化部又は弾性変化部の幅線B方向に沿った幅の中心位置における硬度である。外側硬度HHは、発泡変化部又は弾性変化部のアウトサイド側エッジから幅線B方向に5mm離れた位置における硬度である。
傾斜効果を高める観点から、好ましくは、幅線B(図1参照)方向の幅が最大幅となる位置において、内側硬度HL、中間硬度HM及び外側硬度HHは、〔HL<HM<HH〕の関係を満たすのがよい。
過度の軟らかさによる安定性低下と違和感とを抑制する観点から、内側硬度HLは、20以上が好ましく、30以上がより好ましく、35以上が特に好ましい。傾斜効果を高める観点から、内側硬度HLは、70以下が好ましく、60以下がより好ましく、55以下が特に好ましい。
中間硬度HMを内側硬度HLと外側硬度HHとの中間として傾斜効果を高める観点から、中間硬度HMは、30以上が好ましく、40以上がより好ましく、45以上が特に好ましい。中間硬度HMを内側硬度HLと外側硬度HHとの中間として傾斜効果を高める観点から、中間硬度HMは、80以下が好ましく、70以下がより好ましく、65以下が特に好ましい。
傾斜効果を高める観点から、外側硬度HHは、40以上が好ましく、50以上がより好ましく、55以上が特に好ましい。過度の硬さによるクッション性の低下を抑制する観点から、外側硬度HHは、85以下が好ましく、80以下がより好ましく、75以下が特に好ましい。
内側硬度HLの外側硬度HHに対する比(HL/HH)は、0.20以上0.90以下が好ましい。比(HL/HH)が0.20以上に設定されることにより、圧縮変形量の急激な変化が抑制される。この観点から、比(HL/HH)は0.30以上がより好ましく、0.40以上が特に好ましい。比(HL/HH)が0.90以下に設定されることにより、傾斜効果が向上し、ゴルファーが力を地面に伝えやすい。この観点から、比(HL/HH)は0.85以下がより好ましく、0.80以下が特に好ましい。
内側硬度HLの中間硬度HMに対する比(HL/HM)は、0.30以上0.93以下が好ましい。比(HL/HM)が0.30以上に設定されることにより、圧縮変形量の急激な変化が抑制される。この観点から、比(HL/HM)は0.40以上がより好ましく、0.50以上が特に好ましい。比(HL/HM)が0.93以下に設定されることにより、傾斜効果が向上する。この観点から、比(HL/HM)は0.92以下がより好ましく、0.90以下が特に好ましい。
中間硬度HMの外側硬度HHに対する比(HM/HH)は、0.30以上0.95以下が好ましい。比(HM/HH)が0.30以上に設定されることにより、圧縮変形量の急激な変化が抑制される。この観点から、比(HM/HH)は0.40以上がより好ましく、0.50以上が特に好ましい。比(HM/HH)が0.95以下に設定されることにより、傾斜効果が高まる。この観点から、比(HM/HH)は0.93以下がより好ましく、0.90以下が特に好ましい。
なお、内側硬度HL、中間硬度HM及び外側硬度HHは、日本ゴム協会標準規格に準拠して、高分子計器株式会社のアスカーC型硬度計にて測定される。
図12は、本発明の他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール70が示された平面図である。この図12には、長さ線A及び幅線Bが示されている。このミッドソール70は、ベース72と、このベース72の外縁に設けられた側壁74とを備えている。このミッドソール70は、右足用である。左足用のミッドソールは、図12に示された形状が左右反転した形状を呈する。このミッドソール70の幅線Bに沿った断面形状は、図4に示されたミッドソール10の断面形状と同等である。このミッドソール70は、発泡変化部76をを備えている。この発泡変化部76は、弾性変化部でもある。前述した発泡変化部20と、発泡変化部76との相違点は、平面形状である。
図12から明らかなように、発泡変化部76の平面形状は八角形である。八角形の発泡変化部76を備えたミッドソール70では、前後方向において、圧縮変形量が急激には変化しない。八角形の発泡変化部76は、スイングの安定に寄与する。平面形状が六角形、七角形、九角形、十角形である発泡変化部も、スイングの安定に寄与しうる。
図13は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール78が示された平面図である。この図13には、長さ線A及び幅線Bが示されている。このミッドソール78は、ベース80と、このベース80の外縁に設けられた側壁82とを備えている。このミッドソール78は、右足用である。左足用のミッドソールは、図13に示された形状が左右反転した形状を呈する。このミッドソール78の幅線Bに沿った断面形状は、図4に示されたミッドソール10の断面形状と同等である。このミッドソール78は、発泡変化部84を備えている。この発泡変化部84は、弾性変化部でもある。前述した発泡変化部20と、発泡変化部84との相違点は、平面形状である。
図13から明らかなように、発泡変化部84の平面形状は略半楕円である。略半楕円の発泡変化部84を備えたミッドソール78では、前後方向において、圧縮変形量が急激には変化しない。略半楕円の発泡変化部84は、スイングの安定に寄与する。
図14は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール86が示された平面図である。この図14には、長さ線A及び幅線Bが示されている。このミッドソール86は、ベース88と、このベース88の外縁に設けられた側壁90とを備えている。このミッドソール86は、右足用である。左足用のミッドソールは、図14に示された形状が左右反転した形状を呈する。このミッドソール86の幅線Bに沿った断面形状は、図4に示されたミッドソール10の断面形状と同等である。このミッドソール86は、発泡変化部92を備えている。この発泡変化部92は、弾性変化部でもある。前述した発泡変化部20と、発泡変化部92との相違点は、平面形状である。
図14から明らかなように、発泡変化部92の平面形状は矩形である。矩形の発泡変化部92を備えたミッドソール86では、前後方向において、圧縮変形量が急激には変化しない。矩形の発泡変化部92は、スイングの安定に寄与する。
発泡変化部の素材は、気泡を有するポリマー成形物とされる。このポリマー成形物の基材ポリマーは特に限定されず、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、RB(シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン)、ポリスチレン、ゴムなどが用いられうる。
発泡変化部又は弾性変化部は、インソールに設けられていてもよいし、アウトソールに設けられていてもよい。靴底の摩耗を抑える観点から、発泡変化部又は弾性変化部は、靴底に露出させないのが好ましい。靴の内部の摩耗を抑える観点、及び、歩行時に使用者が違和感を感じてしまうのを防止する観点から、発泡変化部又は弾性変化部は、靴の内側に露出させないのが好ましい。これらの観点から、発泡変化部又は弾性変化部は、ミッドソールに設けるのが好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
前述した第一の製造方法により、ミッドソールを作成した。ポリマー材料P1は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)と、ポリオレフィンであるエチレン−オクテンとからなる基材ポリマーに、架橋剤、顔料及び発泡剤を配合し、オープンロール及びニーダーで混練することにより得た。発泡剤は、アゾジカルボンアミドとした。このポリマー材料P1を、前述した第一の製造方法に従い、偏在した状態で金型38内に投入した。金型38の金型温度は155℃とされ、金型プレスのプレス圧力は150(kg/cm)とされた。プレス時間は30分とされた。得られたポリマー成形体P3を打ち抜き加工して、平面形状が楕円形である発泡変化部を得た。この発泡変化部を、別途成形されたベースと接着することより、ミッドソールを得た。このミッドソールでは、長さLは290mmであり、幅Wは100mmであり、厚みTは6mmである。このミッドソールは、発泡変化部を備えている。このミッドソールは、前述したミッドソール10と同様の構造を有する。発泡変化部の幅Waは、50mmである。幅Wbは、15mmである。このミッドソールでは、厚みtの厚みTに対する比率は、100%である。このミッドソールにアウトソール、インソール及びアッパーを取り付け、実施例1のゴルフ靴を得た。
実施例1に係るポリマー成形体P3は、一方側から他方側にかけて徐々に発泡倍率が大きくなっていた。よって、ポリマー成形体P3から発泡変化部を作製することができた。また、実施例1に係るポリマー成形体P3は、一方側から他方側にかけて徐々に弾性率が小さくなっていた。よって、ポリマー成形体P3から得られた発泡変化部は、弾性変化部であった。
[実施例2]
製造方法が、前述した第三の製造方法とされ、金型50の一方側の端部における成形中の金型温度が145℃とされ、金型50の他方側の端部における成形中の金型温度が160℃とされた以外は実施例1と同様にして、実施例2のゴルフ靴を得た。
実施例2に係るポリマー成形体P9は、一方側から他方側にかけて徐々に発泡倍率が大きくなっていた。よって、ポリマー成形体P9から発泡変化部を作製することができた。また、実施例2に係るポリマー成形体P9は、一方側から他方側にかけて徐々に弾性率が小さくなっていた。よって、ポリマー成形体P9から得られた発泡変化部は、弾性変化部であった。
[実施例3]
製造方法が、前述した第四の製造方法とされ、一次プレスの金型温度、プレス圧力及びプレス時間が、それぞれ155℃、150(kg/cm)及び10分とされ、二次プレスの金型温度、プレス圧力及びプレス時間が、それぞれ155℃、150(kg/cm)及び20分とされた以外は実施例1と同様にして、実施例3のゴルフ靴を得た。
実施例3に係るポリマー成形体は、一方側から他方側にかけて徐々に発泡倍率が大きくなっていた。よって、このポリマー成形体から発泡変化部を作製することができた。また、実施例3に係るポリマー成形体は、一方側から他方側にかけて徐々に弾性率が小さくなっていた。よって、このポリマー成形体から得られた発泡変化部は、弾性変化部であった。
足を傾斜させうる靴は、ゴルフ以外の種々のスポーツにも適している。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフ靴が示された一部切り欠き側面図である。 図2は、図1のゴルフ靴のミッドソールが示された平面図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った拡大断面図である。 図4は、図2のIV−IV線に沿った拡大断面図である。 図5は、図2のV−V線に沿った拡大断面図である。 図6は、図2のミッドソールの製造方法の一例が説明されるための断面図である。 図7は、本発明に係る発泡変化部(弾性変化部)の製造方法の一例が説明されるための断面図である。 図8は、本発明に係る発泡変化部(弾性変化部)の他の製造方法の一例が説明されるための断面図である。 図9は、本発明に係る発泡変化部(弾性変化部)の他の製造方法の一例が説明されるための断面図である。 図10は、本発明に係る発泡変化部(弾性変化部)の他の製造方法の一例が説明されるための断面図である。 図11は、本発明の他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソールが示された断面図である。 図12は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソールが示された平面図である。 図13は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソールが示された平面図である。 図14は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソールが示された平面図である。
符号の説明
2・・・ゴルフ靴
4・・・アッパー
6・・・底部
8・・・インソール
10、70、78、86・・・ミッドソール
12・・・アウトソール
14・・・突起
16・・・ベース
18・・・側壁
20、76、84、92・・・発泡変化部
38、50・・・金型
39、51・・・キャビティ
P1、P4、P7、P10・・・ポリマー材料

Claims (5)

  1. 底部を備えており、
    この底部は、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなる発泡変化部を含む層を有している靴。
  2. 底部を備えており、
    この底部は、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に弾性率が低くなる弾性変化部を含む層を有している靴。
  3. 発泡しうるポリマー材料が、偏在した状態で金型内に投入される工程と、
    金型内において偏在したポリマー材料を発泡させることにより、一方側から他方側にかけて徐々に発泡倍率が大きくなる発泡変化部を有するポリマー成形体が形成される工程と、
    この発泡変化部が、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなるように靴の底部に設けられる工程と、
    この底部とアッパーとから靴が作製される工程とを含む靴の製造方法。
  4. 発泡しうるポリマー材料が、金型内に投入される工程と、
    発泡中のポリマー材料に作用する加熱温度を部分的に異ならせることにより、一方側から他方側にかけて徐々に発泡倍率が大きくなる発泡変化部を有するポリマー成形体が形成される工程と、
    この発泡変化部が、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなるように靴の底部に設けられる工程と、
    この底部とアッパーとから靴が作製される工程とを含む靴の製造方法。
  5. 発泡しうるポリマー材料が、金型内に投入される工程と、
    発泡中のポリマー材料に作用する圧力を部分的に異ならせることにより、一方側から他方側にかけて徐々に発泡倍率が大きくなる発泡変化部を有するポリマー成形体が形成される工程と、
    この発泡変化部が、アウトサイドからインサイドにかけて徐々に発泡倍率が大きくなるように靴の底部に設けられる工程と、
    この底部とアッパーとから靴が作製される工程とを含む靴の製造方法。
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