JPH0827492B2 - マイクロフィルム撮影用ロータリーカメラ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、一定速度で搬送される原稿を、この原稿に
対して一定の減速比をもって送られるマイクロフィルム
に撮影するようにしたマイクロフィルム撮影用ロータリ
ーカメラに関するものである。

（発明の技術的背景） この種の従来のロータリーカメラは、多数のローラ群
やベルト群の間に原稿を挟んで搬送するように構成され
ていた。しかしこの従来のものは、原稿がローラあるい
はベルトの間に入る時に原稿が円滑に入らずに紙詰まり
を起こしたり（ジャム）、原稿の破損や曲がりが発生し
易いという問題があった。特に投入する原稿の厚さが薄
い場合や寸法が小さい場合にはこのような不具合が発生
し易かった。

また長期間の使用によりローラやベルトは摩耗する
が、この摩耗が進行すると原稿送り時に滑りが生じ、搬
送速度が不安定になることがある。このような時には原
稿の送り速度とフィルムの送り速度との同期がずれるこ
とになり、フィルム仕上り品質が低下するなどの問題も
あった。

さらにこの種の装置では、原稿を挿入する時に撮影面
を確認しながら挿入できるのが望ましく、装置も小型に
できるのが望ましい。

（発明の目的） 本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、
原稿のジャム・破損・曲がり等の不具合が発生しにく
く、長期間の使用に対しても搬送速度が不安定になるこ
とがなく、フィルムの仕上り品質を向上させることがで
き、さらに原稿を挿入する際に原稿の撮影面を確認しな
がら挿入できるようにし、かつ装置の小型化にも適する
マイクロフィルム撮影用ロータリーカメラを提供するこ
とを目的とするものである。

（発明の構成） 本発明によればこの目的は、一定速度で搬送される原
稿画像を、これと一定減速比をもって移動するマイクロ
フィルムに撮影するものにおいて、略直方体のケース
と、このケースの前面に設けられた原稿挿入台と、この
ケースの前面の前記原稿挿入台より下方に設けた原稿排
出台と、このケース内の前板に接近して横向きに配設さ
れ吸引負圧により原稿を回転筒体の表面に密着して搬送
する回転ドラムと、ケースの上板奥側に配設されたカメ
ラユニットと、このカメラユニット下方でかつ回転ドラ
ムの奥側に配設されこの回転ドラムのケース前板から遠
い半円筒面上で画像を読取りこの画像を縮小して下方か
ら前記カメラユニットへ導く光学系とを備え、原稿を前
記原稿挿入口から前記回転ドラムの上縁付近に向って挿
入し、回転ドラムの奥側の半円筒面に密着させて原稿排
出台へ排出することを特徴とするマイクロフィルム撮影
用ロータリーカメラ、により達成される。

（実施例） 第１図は本発明の一実施例の側断面図、第２図はその
回転ドラム付近の構造を示すII-II線断面図、第３図は
回転ドラムの分解斜視図、第４図は装置全体の外観図、
第５図は回転ドラム等の配置を示す正面図である。

第４、５図で符号10はケースであり、このケース10は
机12の上に置かれている。このケース10内は左右一対の
立壁14、16で３つの部屋に仕切られている。両立壁14、
16の間には、ケース10の前板10aに接近して水平に回転
ドラム18が配設されている。また左側の立壁14の左側に
は吸引ファン20が、右側の立壁16の右側には送風ファン
22が収容されている。ケース10の上板10b上の奥側には
カメラユニット24が配設されている。第４図で26は原稿
挿入台、28は排出台であり、これらはケース10の前板10
aに取り付けられている。すなわち原稿の挿入口と排出
口とは、共にケース10の前面に位置する。30は操作盤で
ある。

回転ドラム18は第２、３図に示すように構成される。
すなわち多数の小孔（直径約２〜7mm位）が適宜の間隙
で形成された円筒形の金属製の筒体32と、この筒体32の
内側にあって筒体32内を複数の部屋に仕切る仕切組立体
34とを備える。筒体32の外表面には、多孔質のフィルタ
（例えば商品名バイリーンHP-21）、布、紙、不織布な
どの通気性薄物部材32aを貼着しておくのが望ましい。
仕切組立体34は、一端が閉じた小径筒36と、この36の長
手方向に沿い放射状態にのびる５枚の仕切板38a〜38e
と、仕切板38a〜38eの軸方向の端面に固着された２枚の
仕切板40、42とを備える。この結果組立体34には、各仕
切板38a〜e,40,42で挟まれて径方向に開いた４つの部屋
Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄが画成される。なお小径筒36の閉端側の
仕切板40はその一部が扇状に切欠かれ、この切欠き部分
が吸引部となる部屋Ｂに臨んでいる。この組立体34の小
径筒36には、剥離部となる部屋Ｄに向って多数の小孔44
（第２図）が開口している。

この組立体34は筒体32内に挿入されてケース10側に固
定される。小径筒36の閉端側は筒体32に固着された端板
46に軸支され、また組立体34の他端すなわち小径筒36の
開口端の外周面は、筒体32に固着された端板48に軸支さ
れている。この小径筒36の開口端はこの端板48を貫通し
て突出し、前記ケース10の右側の立壁16に固定される。
また端板46は左側の立壁14に軸支されている。すなわち
端板46には軸受キャップ50が固定され、このキャップ50
に小径筒36の閉端が軸支され、このキャップ50がさらに
立壁14に軸支される。この結果組立体34は固定され、筒
体32はこの組立体34と同軸位置で回転可能となる。なお
組立体34の各仕切板38c〜38e、40、42の外縁は、金属筒
体32の内面に近接し、両者間の間隙は十分に小さくなっ
て空気の漏れが防止されている。端板46、48は金属筒体
32にビス止めされている。また組立体34は吸引部となる
部屋Ｂが第１図に示すように側面から見て左上に位置す
るように固定されている。

前記吸引ファン20は立壁14を挟んで回転ドラム18に対
向するように取付けられ、端板46および立壁14に設けた
窓46a、14aを通して部屋Ｂの空気を吸引するようになっ
ている。なお端板46と立壁14との間は、立壁14側に固定
したシール筒52でシールされる。ここにシール筒52の内
面が筒体32の端部外周に臨み、両者間が適宜の手段で気
密にシールされる。例えばラビリンスシールやリップシ
ールなどが用いられる。このため部屋Ｂは負圧になり、
筒体32の小孔および通気性薄物部材32aを通して外気が
この部屋Ｂに流入する。

前記送風ファン22の吐出口は、ダクト54によって前記
小径筒36の開口端に接続される。送風ファン22が吐出す
る空気は組立体34の小径筒36に導かれ、さらに小孔44か
ら部屋Ｄに供給される。従ってこの部屋Ｄの空気は筒体
32の小孔および通気性薄物部材32aを通り外へ吐出され
る。

筒体32は、操作盤30で運転スイッチが押されると電動
モータ56により一定速度で第１図上で反時計方向に回転
駆動される。すなわちモータ56のプーリ64、66および回
転ドラム18の端板48に一体成形したプーリ部分（第２図
参照）には平ベルト68が巻き掛けられ、このベルト68に
より筒体32は回転される。なお70はフィードローラ、72
はこれに転接するコンタクトローラであり、フィードロ
ーラ70はプーリ62によってベルト駆動される。挿入台26
から挿入される原稿はこれら両ローラ70、72の間に挟ま
れて回転ドラム18の上方に導かれる。

回転ドラム18はその部屋Ｂが負圧に吸引されているの
で筒体32の表面に原稿を負圧により吸着する。従って原
稿は筒体32に吸着されて搬送される。そしてこの原稿部
分が部屋Ｄに来ると、筒体32の表面から空気が流出して
いるので原稿が回転ドラム18から剥離されると共に上記
流出空気により排出台28に排出される。ここに、部屋Ｄ
付近の外周には排出台28方向に向けて排紙ファン74から
も空気が送られ、原稿の排出を促進している。なおこの
排紙ファン74は後記第２ミラー98の周囲から空気を取り
入れるので、第２ミラー98へのほこりの付着を防止でき
る。このように原稿が筒体32の上方に搬入されて来る
と、原稿センサ76（第１図）がこの原稿を検出し、カメ
ラユニット24の撮影を始動させる。このセンサ76として
は例えば反射型の光センサを用いることができる。

カメラユニット24は、フィルム77を供給する供給リー
ル78と、巻取リール80と、両リール78、80間に位置する
ガイドローラ82、84と、撮影ローラ86とを有する。撮影
ローラ86には同軸上に大径プーリ87が配設され、両者は
手動のクラッチで断続可能となっている。この大径プー
リ87は、減速プーリ88を介して、前記プーリ60と同軸上
の小プーリ61によって駆動される。ここにプーリ60と小
プーリ61とは電磁クラッチで断続可能になっている。こ
の結果この電磁クラッチを接続すれば減速プーリ88の大
径プーリはベルトによってプーリ60の小プーリ61により
駆動され、また減速プーリ88の小径プーリがベルトを介
して撮影ローラ86を駆動する。ここに減速プーリ88およ
び大径のプーリ87はケース10側に設けられ、大径プーリ
87と同軸上の撮影ローラ86はカメラユニット24側に設け
られる。カメラユニット24は着脱可能であり、このカメ
ラユニット24を第１、４、５図の位置に装着すれば撮影
ローラ86と大径ローラ87とが同軸上に位置し、手動のク
ラッチにより両者は接続される。そしてプーリ60上の電
磁クラッチの断続により、フィルム77の走行・停止が制
御される。なお撮影ローラ86により送られるフィルム77
の走行速度は、撮影画像の縮小率に応じて決められ、例
えば1/24に縮小する時には回転ドラム18の外周面の走行
速度の1/24の速度に設定される。

撮影ローラ86の下方には電磁シャッタ90および撮影レ
ンズ92が配設される。

本発明では光学系は回転ドラム18の奥側でかつカメラ
ユニット24の下方に形成される縦長の広い空間を使用し
て配置されている。

94は光源であり、原稿を吸引して筒体32に固定する部
屋Ｂの外周付近を照射する。ケース10内の上部奥側の隅
には横方向に長い第１ミラー96が配置され、またカメラ
ユニット24のレンズ92の鉛直下方であってケース10の底
面付近には第２ミラー98が配置されている。光源94で照
射された原稿の画像は、筒体32の斜め上方向に位置する
第１ミラー96と、ケース10内の底部に位置する第２ミラ
ー98により反射されてレンズ92に導かれる。ここに第２
ミラー98からレンズ92に至る光軸はほぼ垂直となり、ケ
ース10内の空間を最大限に利用して光路長の拡大が図ら
れている。なお100は第２ミラー98とレンズ92の間に位
置するスリットである。

次に本実施例の動作を説明する。操作盤30により電源
を投入すると各ファン20、22、74が作動し始める。この
ため回転ドラム18の部屋Ｂが負圧になるのでこの部屋Ｂ
の範囲内で筒体32およびその表面の薄物部材32aを通し
て部屋Ｂ内に空気を吸入する一方、部屋Ｄが正圧になる
のでこの部屋Ｄの範囲内で薄物部材32aの表面から空気
が吐出される。操作盤30により撮影スイッチを押せばモ
ータ56が作動しドラム18が回転する。原稿を挿入台26か
ら挿入すればローラ70、72によりドラム18上方に送られ
るが、この時原稿の先頭と終端とをセンサ76で検出し、
電磁クラッチを接・断してフィルム77の送りを開始・停
止する。また、画像読取位置に原稿が入る時間だけシャ
ッタ90を開く。この結果原稿の画像がフィルム77に入射
する。

この時のセンサ76とフィルム77とシャッタ90との相互
の動作関係は、センサ76が原稿の先頭を検出すると電磁
クラッチが接続されてフィルム77が動きだし、フィルム
77が動き始めてからこれに僅かに遅れてシャッタ90が開
放されるようになっている。またセンサ76が原稿の終端
を検出するとシャッタ90が閉じられ、これに後れてフィ
ルム77が停止されるようになっている。

原稿は部屋Ｂの範囲に来るとドラム18の表面に吸着さ
れ、筒体32と一体となって走行し撮影が行なわれる。原
稿が部屋Ｄの範囲に来ると、ドラム表面から空気が流出
しているので原稿はドラム表面から剥離され、ファン74
の吐出空気も加わって排出台28に空気流により円滑に送
られる。

（発明の効果） 本発明は以上のように、吸引部の空気負圧により原稿
を筒体の表面に吸引させて原稿を搬送するようにしたも
のであるから、原稿は吸引部で筒体表面に密着して円滑
に送られる。このため原稿のジャム、破損、曲がりなど
が発生しにくく、薄い原稿や小さい原稿であっても円滑
に搬送できる。また原稿が筒体に密着して搬送されるか
ら、搬送速度が常に安定し、フィルムの仕上がり品質を
向上させることができる。

また原稿は回転ドラムをケース前板から遠い半円筒面
上を搬送される時に画像が読み取られ、原稿は回転ドラ
ムの下縁からケース前板の下部に排出されるようにした
ので、原稿挿入時に原稿の撮影面が上面となり、この撮
影面を確認しながら挿入することができるから、原稿を
確認しやすくなる。さらに光学系はケースの奥側に配設
されるからカメラユニットや光学系がケースから上方へ
大きく突出することがなく、装置の小型化に適する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の側断面図、第２図はその回
転ドラム付近の構造を示すII-II線断面図、第３図は回
転ドラムの分解斜視図、第４図は装置全体の外観図、第
５図は回転ドラム等の配置を示す正面図である。 10……ケース、10a……前板、10b……上板、18……回転
ドラム、24……カメラユニット、26……投入口、28……
排出口、32……筒体、Ｂ……吸引部としての部屋、

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一定速度で搬送される原稿画像を、これと
   一定減速比をもって移動するマイクロフィルムに撮影す
   るものにおいて、 略直方体のケースと、このケースの前面に設けられた原
   稿挿入台と、このケースの前面の前記原稿挿入台より下
   方に設けた原稿排出台と、このケース内の前板に接近し
   て横向きに配設され吸引負圧により原稿を回転筒体の表
   面に密着して搬送する回転ドラムと、ケースの上板奥側
   に配設されたカメラユニットと、このカメラユニット下
   方でかつ回転ドラムの奥側に配設されこの回転ドラムの
   ケース前板から遠い半円筒面上で画像を読取りこの画像
   を縮小して下方から前記カメラユニットへ導く光学系と
   を備え、原稿を前記原稿挿入口から前記回転ドラムの上
   縁付近に向って挿入し、回転ドラムの奥側の半円筒面に
   密着させて原稿排出台へ排出することを特徴とするマイ
   クロフィルム撮影用ロータリーカメラ。