JPH08273779A - Icソケット - Google Patents

Icソケット

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JPH08273779A
JPH08273779A JP7401195A JP7401195A JPH08273779A JP H08273779 A JPH08273779 A JP H08273779A JP 7401195 A JP7401195 A JP 7401195A JP 7401195 A JP7401195 A JP 7401195A JP H08273779 A JPH08273779 A JP H08273779A
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正美 福永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ソケット本体内でコンタクトピンがIC部品を
安定状態に保持できるようにしたICソケットを提供す
ること。 【構成】直立しているコンタクトピン13の接点部13
eの先端形状は、溝13e1 を形成することによって鉤
状にし、溝13e1 と矩形面13e2 との間には直線状
に角部13e3 が形成されている。BGA(ボール・グ
リッド・アレー)がICソケットに装填された状態にお
いては、BGAの側方から見て、略球形をした接続端子
の水平直径位置より上方で、上記角部13e3 が接続端
子に接触する。そのため、BGAはコンタクトピン13
によって上方への移動を規制されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、IC,LSI等をパッ
ケージしたIC部品を検査するのに用いるICソケット
に関する。
【0002】
【従来の技術】このような、ICソケットの中には、所
謂オープン・トップ型と称して、IC部品挿入用の開口
を形成した略方形のカバー部材を設け、このカバー部材
を機械装置等によって押し下げることにより上方からI
C部品の挿入を可能にし、その押し下げを解除すること
によりIC部品の接続端子にコンタクトピンを接触させ
るようにしたものがある。このようなタイプのICソケ
ットには、カバー部材の下降時に、コンタクトピンをI
C部品の挿入路から側方へ退避させ、上昇時に、コンタ
クトピンをIC部品の接続端子に上方から接触させるよ
うにしたものが多い。そして、そのように構成すること
によって、コンタクトピンと接続端子を確実に接触させ
ることができると共にIC部品をコンタクトピンで押さ
え込みIC部品の位置を安定化させている。
【0003】しかしながら、そのような構成のものは接
続端子がIC本体の側方に位置するIC部品には適して
いるが、下方(底部)に設けられているものには適さな
い。そこで、そのようなIC部品に対しては、IC部品
を載置する位置より下方位置に、カバー部材の上下運動
に連動して左右又は上下に移動するスライド部材を設
け、その部材の移動によりコンタクトピンを接続端子に
接離させるようにすると共に、IC部品の位置を安定化
させるために、IC部品を載置してカバー部材が上方へ
復帰する過程でIC部品の上方位置に専用の押さえ部材
を臨ませ、載置面から上方へのIC部品の浮き上がりを
防止している。
【0004】また、接続端子がIC本体の下方(底部)
に配列されているものとしては、接続端子が金属製のピ
ンのものと、半田ボールと称されて少なくとも周面近傍
が半田で略球状に形成されたものとがある。後者のIC
部品はボール・グリッド・アレー(以下、BGAとい
う)と言われており、本発明は主にこの種のIC部品に
適するICソケットに関するものである。当初のBGA
用ICソケットは、BGAを装填した時、コンタクトピ
ンの先端が半田ボールの下方から突き上げるようにして
接触するものであった。しかし、半田ボールの下方面は
実際にプリント配線板に表面実装する場合の接合面であ
るため、要求品質が厳しく、検査時に表面に傷を付ける
ことは問題であった。そのため、最近では半田ボールの
側面から接触させるものが提案され、実施されるように
なってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、当初
のBGA用ICソケットは、コンタクトピンが半田ボー
ルを下から突き上げるものであるから、半田ボールとの
接触圧は十分得られる反面、BGAを上方から押さえ込
む専用の押さえ部材が不可欠なものであった。また、半
田ボールの側面からコンタクトピンを接触させるように
したものは、コンタクトピンの基部が半田ボールの略真
下で固定され、その基部を基点として左右に撓まされる
ため、先端の接点部は厳密には半田ボールの真横からで
はなく、僅かに下側から接することになる。従って、B
GAは上方に対し不安定な状態となっており、振動に対
して弱いものとなっている。
【0006】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、略
球形の接続端子をIC本体の下面に配列したIC部品用
のICソケットにおいて、ソケット本体内でコンタクト
ピンがIC部品を安定状態に保持できるようにしたIC
ソケットを提供することである。また、もう一つの目的
は半田ボールとの接触圧が十分に得られ且つワイピング
に適したICソケットを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、本発明は、IC本体に略球形の接続端子
を配列しているIC部品を該接続端子を下側にしてソケ
ット本体に挿入させるための開口を有し該ソケット本体
に対して上下動可能に取り付けられたカバー部材と、先
端部に前記接続端子に接触する接点部を有し基部を前記
ソケット本体に一体的に取り付けた複数のコンタクトピ
ンと、前記カバー部材の上下動に連動して往復作動し前
記コンタクトピンの接点部を前記接続端子に側方から接
離させるスライド部材とを備えたICソケットにおい
て、前記接点部の先端近傍に鉤状部を形成し、該鉤状部
が前記IC部品の側方から見て前記接続端子の水平直径
位置より上方位置で前記接続端子に接触するようにす
る。
【0008】また、本発明のICソケットは、好ましく
は、前記鉤状部に、前記コンタクトピンの長手方向に直
交する方向に直線状の角部が形成され、該角部が前記接
続端子に接触するようにする。
【0009】
【実施例】先ず、本実施例の全体的な構成の概略を図1
乃至図4を用いて説明する。図1は、本実施例に適用す
るBGAの一例を示しており、図(a)は側面図であ
り、図(b)は底面図である。BGAの底面には、直径
が約0.75mmの略球形をした複数の半田ボールBが
接続端子として配列されている。図2は本実施例のIC
ソケットの平面図であり、図3は図2のA−A線から視
た一部断面図であり、図4は図2のB−B線から視た断
面図である。本体1の底面側には、ロケートボード2が
図3において上下動可能に取り付けられている。ロケー
トボード2は、周知のように、ICソケットをプリント
配線板に取り付けるに際しコンタクトピンの位置決めを
容易にする。このロケートボード2が、図3においては
本体1から離れた状態で、また図4においては本体1に
接触した状態で示されている。
【0010】本体1の上面側には、先ずスライドプレー
ト3が配置されている。このスライドプレート3は、本
体1に一端を挿入している4本の基準ピン4にガイドさ
れ、本体1に対して図3において上下動可能となってい
る。スライドプレート3の上方位置には、上プレート5
が配置されている。この上プレート5は本体1に取り付
けられており、基準ピン4の他端を挿入する4個の受け
穴が形成されている。基準ピン4にはコイルバネ6が巻
回され、上プレート5に対してスライドプレート3を本
体1側、即ち図3において下側へ押している。また、上
プレート5の上面側には、図2で明瞭なように8個のガ
イド5aが形成されている。この各ガイド5aには図2
においてICソケットの中央へ向け斜面が形成されてい
る。そのため、BGAを上プレート5の上面に適切に案
内し載置することができる。
【0011】上プレート5の上方位置には、カバー7が
配置されている。このカバー7には、BGAを上方から
装填することができるように開口7aが形成されてい
る。また、カバー7は、図2の四隅において本体1との
間に設けられているコイルバネ8(図4)により、本体
1から離れる方向、即ち図3において上方へ押されてい
る。しかしながら、その上限位置は、四隅に設けられた
可撓性のフック部7bが本体1のフック部1aに係止さ
れた図3及び図4の位置となる。尚、以上説明した本体
1,ロケートボード2,スライドプレート3,上プレー
ト5,カバー7は、何れも合成樹脂で成形されている。
【0012】カバー7には、図3に示すように2本のス
ライドバー9が取り付けられ、両者はX形に配置されて
いる。同様にして反対側にももう一組が対称的に配置さ
れている。図4に示すように、スライドバー9はその一
端がカバー7に形成されたスリット7c内において圧入
ピン10に回転可能に取り付けられている。スライドバ
ー9の他端にはシャフト11が設けられており、図3に
おいてカバー7が上下動すると、スライドサポート12
上を左右に摺動するようになされいる。その詳しい構
成,作用については、追って説明する。
【0013】本体1には圧入によって複数のコンタクト
ピン13が取り付けられている。本体1の底面側に突き
出している接続端子はロケートボード2に配列された複
数の孔を貫通しており、上面側のコンタクト片は可撓性
を有し、スライドプレート3に配列された複数の孔を貫
通し、且つそれらの先端を上プレート5に配列された複
数の孔5bに挿入している。このコンタクトピン13の
形状や各孔の形状については追って詳しく説明する。
【0014】上記の説明で本実施例の全体構成が概略理
解できたと思うので、次に、各部の構成を詳細に説明す
る。先ず、図5乃至図9を用い本体1について説明す
る。図5は本体1の平面図であり、図6は図5のC−C
線断面図である。図7は図5のD−D線断面図であり、
図8は図5の背面図である。図9は本体1に形成された
複数の孔形状を示すものであり、図(a)は図5におけ
る枠イの拡大図であり、図(b)は図(a)のE−E線
断面図である。
【0015】図5及び図8で分かるように、上記したフ
ック部1aが四隅に形成されている。同じく四隅には、
上記したコイルバネ8を収容するための円柱形の穴1b
が形成されている。また、上記した基準ピン4の一端を
挿入する円柱形の穴1cが4箇所に形成されている。そ
の外、本体1の上面側には、4個のフック部1dと、8
個のフック部1eと、1本のピン1fが形成されてい
る。他方、底面側にはプリント配線板への位置決め用の
4本のピン1gが形成されている。更に、本体1にはコ
ンタクトピン13を圧入し取り付けるために複数の貫通
した孔1hが、図9(a)に示すように本体1の対角線
方向に細長く形成されており、また、4箇所に上記した
スライドサポート12を圧入するために貫通した一対の
平行な細長い孔1iが形成されている。
【0016】上記したロケートボード2が図10に詳細
に示されている。図(a)はロケートボード2の平面
図、図(b)は図(a)の右側面から視た一部断面図、
図(c)は背面図である。このロケートボード2には可
撓性の4個のフック部2aが形成されている。そして、
これらのフック部2aは図3及び図6において本体1の
下方から上方へ突き出し、フック部1dと係合するよう
になっている。ロケートボード2の背面には、プリント
配線板への位置決め用のピン2bと、プリント配線板と
の間に所定の間隔を空けるための8個の脚部2cが形成
されている。更に、ロケートボード2には、コンタクト
ピン13の接続端子を貫通させるために複数の孔2dが
形成されている。ロケートボード2の役目は周知である
のでその説明は省略する。
【0017】次に、スライドプレート3について、図1
1及び図12を用いて説明する。図11(a)はスライ
ドプレート3の平面図であり、図11(b)は図11
(a)においてF−F線から視た一部断面図であり、図
11(c)はスライドプレート3の背面図である。図1
2(a)は図11(a)における枠ロの拡大図であり、
図12(b)は図12(a)のG−G線断面図である。
スライドプレート3には、上記した基準ピン4に嵌合す
る貫通した4個の孔が形成され、また本体1への組み付
け方向を間違えないようにするために、本体1のピン1
fに嵌合させる孔3bが形成されている。
【0018】このスライドプレート3には、図11
(a)において上下方向に各二つの軸部3cが形成され
ており、上方の二つの軸部3cは右側のものより左側の
方が長く、下方の二つの軸部3cは左側のものより右側
の方が長く形成されている。そして、軸部3cは図3に
示すようにスライドバー9に接触するようになってい
る。また、スライドプレート3にはコンタクトピン13
を貫通させるために複数の孔3dが形成されているが、
この孔3dの傍らには上面側に各々図12で明らかなよ
うに突出部3eが形成されている。更に、孔3dの内部
は特殊な形状をしているが、その点については後で説明
する。
【0019】図13及び図14を用いて上プレート5の
説明をする。図13(a)は上プレート5の平面図であ
り、図13(b)は図13(a)のH−H線断面図であ
り、図13(c)は上プレート5の背面図である。ま
た、図14(a)は図13(a)の枠ホ内に示された孔
の拡大図であり、図14(b)は図14(a)のJ−J
線断面図である。上プレート5の上面側には、上記した
ようにBGAの位置を規制するために斜面を有するガイ
ド5aが8個形成されている。上プレート5の背面側に
は、上記した基準ピン4の他端を挿入する4個の穴5c
が形成されており、基準ピン4に巻回されたコイルバネ
6の両端は、この穴5cと、スライドプレート3の孔3
a内に形成された略円形状の溝とによって受けられてい
る。
【0020】また、上プレート5は、その背面側に形成
された8本の可撓性を有するフック部5dが本体1に形
成されたフック部1eと係合することによって、本体1
に取り付けられている。従って、コイルバネ6の付勢力
は、専らスライドプレート3を図3において下方へ動か
すように働かされている。更に、上プレート5を貫通し
て設けられた複数の孔5bの形状は、図14に示されて
いるように、コンタクトピン13の先端を受け入れるた
めの断面が略四角形の部分と、BGAの半田ボールBを
受け入れるための断面が円形の部分とで合成された形状
をしている。
【0021】図15乃至図17を用い、図3において上
プレート5の上方位置に配置されているカバー7の説明
をする。図15はカバー7の平面図であり、図16は図
15におけるK−K線断面図であり、図17は背面図で
ある。カバー7には、中央部に上記したようにBGAを
着脱するために必要な開口7aが形成されている。ま
た、四隅には4個の可撓性のフック部7bが形成されて
おり、本体1のフック部1aに係合するようにされてい
る。更に、四隅には、本体1の穴1bに軸方向へ摺動可
能に嵌合される4個の軸部7dが設けられている。この
穴1b内には図3に示すようにコイルバネ8が収容され
ており、その一端が軸部1dの先端に形成された断面が
略円形状の穴に嵌め込まれるようになっている。
【0022】スリット7cは、図17に示すように相対
する2辺にのみ形成されており、その形状は一直線では
ない。その理由は、上記したように各辺毎に2本のスラ
イドバー9をX形に配設するためである。この理由故に
また、上記で説明したように、スライドプレート3に形
成された軸部3cの長さも左右で異なっている。また、
カバー7の側面4箇所には孔7eが形成されているが、
この孔7eには上記したように、スライドバー9を回転
可能に取り付けるための圧入ピン10(図3)が圧入さ
れる。
【0023】次に、図18乃至図21を用い、スライド
バー9によってスライドプレート3を上下動させる構成
について説明する。図18乃至図20は図3における要
部断面説明図であり、図18はカバー7が作動前の上限
位置にある状態を、図19はカバー7が下限位置にある
状態を、図20は下限位置から上限位置に復帰する途中
の位置にある状態を夫々示しており、また図21は図1
8の要部断面説明図である。
【0024】本体1に形成された8個の孔1iには、夫
々スライドサポート12の基部12aが圧入されてい
る。このスライドサポート12は板材を打ち抜いたもの
であり全て同一形状をしているが、図示するように孔位
置に応じて向きを変えて圧入されている。スライドサポ
ート12にはシャフト11を摺動させるための凹部12
bが形成されており、図21に示すように一対のスライ
ドサポート12によって一つのシャフト11を受けてい
るが、これらの一対のスライドサポート12を、断面U
字形又はH形等の一部品として製作し、それを本体1に
圧入するようにしても差し支えない。また、凹部12b
をシャフト11を挿入させるスロット(長孔)として形
成しても差し支えない。
【0025】スライドバー9は、上記のように一端が圧
入ピン10に回転可能に取り付けられており、また他端
にはEリングのような周知の止め輪14によってシャフ
ト11がスライドバー9から抜けないようにして取り付
けられている。図21においては分かり易くするため
に、シャフト11と二つの止め輪14との間隔を故意に
大きくして示してある。
【0026】本実施例においては、このようにスライド
バー9に対してシャフト11を回転可能に取り付けてい
る。これはスライドサポート12の凹部12b内におい
て、シャフト11が単に摺動するだけでなく転動するよ
うにし、それによって凹部12b内における移動をスム
ーズにすると共に、シャフト11と凹部12bの磨耗を
少なくするためであり、このようなことを考慮しなけれ
ばシャフト11をスライドバー9と一体化することを妨
げるものではない。また、スライドバー9の他端近傍に
はスライドプレート3の軸部3cに摺接する押動部9a
が形成されている。
【0027】最後に、図22乃至図27を用いて、本実
施例のコンタクトピン13の形状と、それに直接関係す
る構成について詳しく説明する。図22はBGAを装填
していない初期状態を示しており、図22(a)は上プ
レート5の孔5b内におけるコンタクトピン13の位置
を示す平面図、図22(b)は図22(a)の下方から
視た断面図、図22(c)は図22(b)の右側方から
視た断面図である。同様にして、図23はカバー7の押
し下げ途中の状態を、図24は押し下げ完了の状態を、
図25はBGAを上プレート5に載置し復帰途中にある
状態を、図26はBGAの装填操作完了状態を示してい
る。また、図27はコンタクトピン13の先端形状の詳
細図であり、図27(a)は側面図、図27(b)は斜
視図である。
【0028】コンタクトピン13はベリリウム銅の板材
をプレス機械によって打ち抜き且つ折り曲げ加工したも
のであり、図22において分かるように、基部13aを
本体1の孔1h(図9)に圧入している。接続端子13
bはロケートボード2の孔2dに緩く嵌合している。基
部13aの上部は可撓性を有しており、図22(b)に
おいて左右方向に、且つ図22(c)においても左右方
向に撓むようになっている。そして、90°角度を変え
て二つの斜面部13c,13dが形成され、先端の接点
部13eは略90°に折り曲げられている。接点部13
eの先端形状は、図27に示すように、コンタクトピン
13の長手方向に直交するようにして溝13e1 を形成
し鉤状にしている。そして、溝13e1 と矩形面13e
2 との間で角部13e3 を形成している。
【0029】斜面部13cは、殆どの部分がスライドプ
レート3の孔3d(図12)内にあり、孔3d内に形成
された段部3fに押されて、コンタクトピン13が撓ま
されるようになっている。図22(c)には、段部3f
によって右方向に撓まされた状態が示されている。斜面
部13dは、スライドプレート3と上プレート5との間
に位置し、スライドプレート3の孔3dの傍らに形成さ
れた突出部3eに押されて、コンタクトピン13が図2
2(b)において左方向に撓まされるようになってい
る。
【0030】以上によって、本実施例の構成の説明を終
わり、次に、BGAの装脱操作について説明する。本実
施例におけるICソケットにおいて、BGAを装填する
前の初期位置は図3及び図18に示されている。そし
て、この時のコンタクトピン13の姿勢は図22に示さ
れている。先ず、図18の状態から、機械装置等によっ
て、コイルバネ8(図4)の力に抗してカバー7を押し
下げていく。それによって、X形に配置された2本のス
ライドバー9は、シャフト11をスライドサポート12
の凹部12b内で移動させ、左右に開いていく。
【0031】このシャフト11の移動により押動部9a
が軸部3cを押し、コイルバネ6(図4)の力に抗して
スライドプレート3を上方へ押し上げていく。従って、
この構成は、押動部9aを端面形状でなくスロットに
し、そこへ軸部3cに形成した細い軸を嵌合させるよう
にしても同じ作用を行わせることができる。図22にお
いて、スライドプレート3が上方へ移動していくと、孔
3d内の段部3fが斜面部13cとの係接位置から上方
へ退避するので、コンタクトピン13は自己の弾性によ
って図22(c)において左方向へ撓み、接点部13e
を同じく図22(c)において左方向へ、即ち図22
(b)において表面方向へ移動させる。このようにして
移動させた時の状態が図20及び図23に示されてい
る。
【0032】更に、カバー7を押し下げていくと、今度
はスライドプレート3の突出部3eが斜面部13dを押
す。そのため、コンタクトピン13は自己の弾性に抗し
て図23(b)において左方向へ撓まされ、接点部13
eを同じく左方向へ、即ち図23(c)において裏面方
向へ移動させられる。このようにしてカバー7が本体1
又は上プレート5によって下降を阻止された状態が図1
9及び図24に示されている。
【0033】本実施例の構成によれば、上記のようにし
てカバー7を下降させる場合、その負荷の増大が少なか
らず平均化され、最終的に機械装置等に掛かる負荷の軽
減化を図ることが可能である。即ち、図18の状態から
カバー7を押し下げていくと、コイルバネ6,8が緊張
されていく。更に押し下げの最終段階においてはコンタ
クトピン13の弾性も負荷となる。これらによる合計の
力はカバー7を押し下げていくにつれ大きくなり、この
うち、コイルバネ6の弾性力とコンタクトピン13の弾
性力とは、スライドプレート3の軸部3cを介してスラ
イドバー9の押動部9aに垂直方向に掛かることにな
る。
【0034】これに対して、スライドバー9の押動部9
aの端面は、カバー7を押し下げていくにつれ、本体1
に対する角度を小さくし、水平状態に近づいて行く。そ
のため、上記したコイルバネ6等の垂直方向の力によっ
てシャフト11を左右方向へ、即ちカバー7を上方へ動
かすように作用する力は減じられていく。また、押動部
9aが軸部3cに接する点とシャフト11の中心とを結
ぶ線分が、カバー7を押し下げていくにつれ、だんだん
と垂直に近づいていく。このことは、該線分が、上記垂
直方向の力、即ち軸部3cを介してスライドバー9の押
動部9aに掛かる力の作用線に一致する方向へ移動して
いることにほかならない。従って、本実施例の構成によ
れば、コイルバネ6の弾性力とコンタクトピン13の弾
性力とによってカバー7の押し下げに作用する負荷の増
加を軽減させることになる。
【0035】このようにして、カバー7をその下限位置
まで押し下げた状態で、BGAを開口7aから挿入し、
上プレート5に載置する。その場合、図24(a),
(b)で明らかなように、接点部13eは孔5bの一部
を形成している断面が円形状の部分から完全に退いてお
り、しかもこの円形部分の直径が、BGAの半田ボール
Bの直径よりも大きいため、BGAは何の支障もなく全
ての半田ボールBを各孔5bに挿入させて載置される。
【0036】BGAが上プレート5に載置された後、カ
バー7の押し下げ力を解除していく。それによって、カ
バー7は上昇し、スライドプレート3は下降する。スラ
イドプレート3の下降に伴い突出部3eが斜面部13d
から退いていくので、コンタクトピン13は自己の弾性
力により復帰作動を行うが、その作動は接点部13eが
半田ボールBに接して停止する。その時のカバー7,ス
ライドバー9,スライドプレート3の状態が図20,図
25に示されている。この時、接点部13eは角部13
e3 で半田ボールBに食い込み勝手に接触している。し
かも、その位置は半田ボールBの側面(図25(b)に
おいて水平直径位置)よりも上方で接触しているので、
別部品によってBGAを上プレート5に押しつけるよう
な力を与えておかなくとも、BGAを所定の位置に確実
に保持できる。
【0037】このような状態から更にスライドプレート
3が下降すると、コンタクトピン13はその斜面部13
cが段部3fに押され、図25(c)において右方向へ
撓まされる。この時、接点部13eの角部13e3 は上
記したように半田ボールBに対して食い込み勝手である
ため、僅かではあるが半田ボールBを線状に擦ることに
なる。それによって半田ボールBの表面に付着していた
ゴミや酸化皮膜など電気的導通性を損なう物質を確実に
取り除くこと(通常ワイピングと称している)ができ、
また圧力集中により接触の安定性を高めることができ
る。
【0038】また、BGAは実際にプリント配線板に接
合する場合のことを配慮して、半田ボールBの下側の球
面形状に対する要求品質が極めて厳しい。それに対し
て、ICソケットで検査する場合には、通常の場合であ
ってもコンタクトピンを半田ボールBに接触させるとき
やワイピングのとき、半田ボールBに傷をつけることが
あるが、本実施例の場合には接点部13eの角部13e
3 と半田ボールBとの接触部は、半田ボールBの側面よ
りも上方であるから、上記のような要求品質に十分に応
えることができる。
【0039】このようにして半田ボールBのワイピング
が行われた後、カバー7のフック部7bが本体1のフッ
ク部1aに係止され、BGAの装填操作が終了する。そ
の時の各部の状態は、図18,図26に示されている。
この状態でBGAの検査が行われた後、BGAをICソ
ケットから取り出す場合には、カバー7の押し下げ・解
除の一連の操作を再度行うことになる。その場合の各部
の作動は装填操作の場合と略同じであるため詳しい説明
を省略するが、コンタクトピンの作動は図26の状態か
ら図25,図24,図23,図22の順となり、図24
の時にBGAを取り出すことになる。
【0040】次に、コンタクトピン13の先端形状を鉤
状にした場合の別の例を図28,図29に示してある。
いずれの場合も、図27に示したものと同様に直線状の
角部13e3 が形成されている。図27に示したものは
プレス機械等によって押して溝を形成するのが望ましい
が、図28に示したものは、接点部13eの先端を折り
曲げることにより、図29に示したものは、異なる二つ
の厚さを有する材料を打ち抜くことによって製作するこ
とが容易である。
【0041】尚、上記の実施例においては、カバー7に
2本一組のスライドバー9を二組設けているが、夫々1
本ずつとしてもよい。但し、その場合にはスライドプレ
ート3の上下動を安定させるために両者をX形にして取
り付けることが好ましい。また、スライドバー9はカバ
ー7の各辺に全て設けるようにしてもよく、その場合に
もスライドバー9は各辺1本で構わない。更に、上記の
実施例においては複数の孔5bを形成した上プレート5
をBGAの載置手段としているが、コンタクトピン13
の接点部13a同志の接触の心配がなければ、BGAの
一部、例えば外周部のみを本体1の一部によって支持す
るようにしてもよい。
【0042】また、上記の実施例においては、カバー7
の上下動に連動させスライドプレート3を上下動させる
ことによってコンタクトピンを作動させているが、本発
明はカバー7の上下動に連動させスライドプレート3を
水平方向へ移動させるようにし、そのX方向への水平移
動でコンタクトピンを半田ボールに接離させ、Y方向へ
の水平移動でワイピングさせるようにしたICソケット
にも適用でき、また上記のワイピングを行わないように
したICソケットにも適用できるものである。また、上
記の実施例においては、コンタクトピンによってBGA
を上方から押さえ込んでいるので、専用の押さえ部材を
設けていないが、本発明は、事情によっては専用の押さ
え部材を設けることを妨げるものではない。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、コンタ
クトピンの接点部の先端近傍に鉤状部を形成し、該鉤状
部がIC部品の側方から見て略球形の接続端子の水平直
径位置より上方位置で接続端子に接触するようにしたた
め、ICソケット内においてコンタクトピンがIC部品
を上方から保持し、IC部品の位置を安定化させること
ができる。また接続端子はその下面を傷つけられること
がなく、更に鉤状部に形成された直線状の角部で接触さ
せるようにした場合には、十分な接触圧を得、且つワイ
ピングを行うのに有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に適用されるBGAを示してお
り、図(a)は側面図であり、図(b)は底面図であ
る。
【図2】本発明の実施例のICソケットの平面図であ
る。
【図3】図2のA−A線から視た一部断面図である。
【図4】図2の、B−B線から視た断面図である。
【図5】実施例における本体1の平面図である。
【図6】図5のC−C線断面図である。
【図7】図5のD−D線断面図である。
【図8】図5の背面図である。
【図9】実施例における本体に形成された複数の孔形状
を示すものであり、図(a)は図5における枠イの拡大
図であり、図(b)は図(a)のE−E線断面図であ
る。
【図10】実施例におけるロケートボードを示してお
り、図(a)は平面図、図(b)は図(a)の右側面か
ら視た一部断面図、図(c)は背面図である。
【図11】実施例におけるスライドプレートを示してお
り、図(a)は平面図、図(b)は図(a)においてF
−F線から視た一部断面図であり、図(c)は背面図で
ある。
【図12】図(a)は図11(a)における枠ロの拡大
図であり、図(b)は図(a)のG−G線断面図であ
る。
【図13】実施例における上プレートを示しており、図
(a)は平面図であり、図(b)は図(a)のH−H線
断面図であり、図(c)は背面図である。
【図14】図(a)は図13(a)の枠ホ内に示された
孔の拡大図であり、図(b)は図(a)のJ−J線断面
図である。
【図15】実施例におけるカバーの平面図である。
【図16】図15におけるK−K線断面図である。
【図17】図15の背面図である。
【図18】実施例においてカバーが上限位置にある状態
を示す要部断面説明図である。
【図19】実施例においてカバーが下限位置にある状態
を示す要部断面説明図である。
【図20】実施例においてカバーが下限位置から上限位
置に復帰する途中の位置にある状態を示す要部断面説明
図である。
【図21】図18の要部断面説明図である。
【図22】コンタクトピンの初期状態を示し、図(a)
は上プレートの孔内における位置を示す平面図、図
(b)は図(a)の下方から視た断面図、図(c)は図
(b)の右側方から視た断面図である。
【図23】カバーの押し下げ途中状態におけるコンタク
トピンを示し、図(a)は上プレートの孔内における位
置を示す平面図、図(b)は図(a)の下方から視た断
面図、図(c)は図(b)の右側方から視た断面図であ
る。
【図24】カバーの押し下げ完了状態におけるコンタク
トピンを示し、図(a)は上プレートの孔内における位
置を示す平面図、図(b)は図(a)の下方から視た断
面図、図(c)は図(b)の右側方から視た断面図であ
る。
【図25】BGAを上プレートに載置しカバーが復帰途
中状態におけるコンタクトピンを示し、図(a)は上プ
レートの孔内における位置を示す平面図、図(b)は図
(a)の下方から視た断面図、図(c)は図(b)の右
側方から視た断面図である。
【図26】BGAの装填操作完了状態におけるコンタク
トピンを示し、図(a)は上プレートの孔内における位
置を示す平面図、図(b)は図(a)の下方から視た断
面図、図(c)は図(b)の右側方から視た断面図であ
る。
【図27】コンタクトピンの先端形状の詳細図であり、
図(a)は側面図、図(b)は斜視図である。
【図28】コンタクトピンの先端形状の別の例を示す斜
視図である。
【図29】コンタクトピンの先端形状の更に別の例を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 本体 1a,1d,1e,2a,5d,7b フック部 1b,1c,5c 穴 1f,1g,2b ピン 1h,1i,2d,3a,3b,3d,5b,7e 孔 2 ロケートボード 2c 脚部 3 スライドプレート 3c,7d 軸部 3e 突出部 3f 段部 4 基準ピン 5 上プレート 5a ガイド 6,8 コイルバネ 7 カバー 7a 開口 7c スリット 9 スライドバー 9a 押動部 10 圧入ピン 11 シャフト 12 スライドサポート 12a,13a 基部 12b 凹部 13 コンタクトピン 13b 接続端子 13c,13d 斜面部 13e 接点部 13e1 溝 13e2 矩形面 13e3 角部 14 止め輪

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 IC本体に略球形の接続端子を配列して
    いるIC部品を該接続端子を下側にしてソケット本体に
    挿入させるための開口を有し該ソケット本体に対して上
    下動可能に取り付けられたカバー部材と、先端部に前記
    接続端子に接触する接点部を有し基部を前記ソケット本
    体に一体的に取り付けた複数のコンタクトピンと、前記
    カバー部材の上下動に連動して往復作動し前記コンタク
    トピンの接点部を前記接続端子に側方から接離させるス
    ライド部材とを備えたICソケットにおいて、前記接点
    部の先端近傍に鉤状部を形成し、該鉤状部が前記IC部
    品の側方から見て前記接続端子の水平直径位置より上方
    位置で前記接続端子に接触するようにしたことを特徴と
    するICソケット。
  2. 【請求項2】 前記接点部の先端に凸部を設け前記鉤状
    部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のICソ
    ケット。
  3. 【請求項3】 前記接点部の側方に前記コンタクトピン
    の長手方向に直交する方向へ溝部を形成し、該溝部より
    先端位置で前記鉤状部を形成したことを特徴とする請求
    項1に記載のICソケット。
  4. 【請求項4】 前記接点部の先端を所定の角度で折り曲
    げて前記鉤状部を形成したことを特徴とする請求項1に
    記載のICソケット。
  5. 【請求項5】 前記鉤状部には前記コンタクトピンの長
    手方向に直交する方向に直線状の角部が形成され、該角
    部が前記接続端子に接触するようにしたことを特徴とす
    る請求項1乃至4の何れかに記載のICソケット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6139348A (en) * 1996-10-22 2000-10-31 Enplas Corporation Electric connector with an elastically deformable contact pin
KR20010054178A (ko) * 1999-12-03 2001-07-02 송재인 볼 그리드 어레이용 집적회로 소켓
JP2003045595A (ja) * 2001-08-01 2003-02-14 Enplas Corp 電気部品用ソケット
JP2003317890A (ja) * 2002-04-23 2003-11-07 Enplas Corp 電気部品用ソケット

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