JP3588854B2 - Icソケット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、IC,LSI等をパッケージしたIC部品を検査するのに用いるICソケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような、ICソケットの中には、所謂オープン・トップ型と称して、IC部品挿入用の開口を形成した略方形のカバー部材を設け、このカバー部材を機械装置等によって押し下げることにより上方からIC部品の挿入を可能にし、その押し下げを解除することによりIC部品の接続端子にコンタクトピンを接触させるようにしたものがある。このようなタイプのICソケットには、カバー部材の下降時に、コンタクトピンをIC部品の挿入路から側方へ退避させ、上昇時に、コンタクトピンをIC部品の接続端子に上方から接触させるようにしたものが多い。そして、そのように構成することによって、コンタクトピンと接続端子を確実に接触させることができると共にIC部品をコンタクトピンで押さえ込みIC部品の位置を安定化させている。
【0003】
しかしながら、そのような構成のものは接続端子がIC本体の側方に位置するIC部品には適しているが、下方(底部)に設けられているものには適さない。そこで、そのようなIC部品に対しては、IC部品を載置する位置より下方位置に、カバー部材の上下運動に連動して左右又は上下に移動するスライド部材を設け、その部材の移動によりコンタクトピンを接続端子に接離させるようにすると共に、IC部品の位置を安定化させるために、IC部品を載置してカバー部材が上方へ復帰する過程でIC部品の上方位置に専用の押さえ部材を臨ませ、載置面から上方へのIC部品の浮き上がりを防止している。
【0004】
また、接続端子がIC本体の下方(底部)に配列されているものとしては、接続端子が金属製のピンのものと、半田ボールと称されて少なくとも周面近傍が半田で略球状に形成されたものとがある。後者のIC部品はボール・グリッド・アレー(以下、BGAという)と言われており、本発明は主にこの種のIC部品に適するICソケットに関するものである。当初のBGA用ICソケットは、BGAを装填した時、コンタクトピンの先端が半田ボールの下方から突き上げるようにして接触するものであった。しかし、半田ボールの下方面は実際にプリント配線板に表面実装する場合の接合面であるため、要求品質が厳しく、検査時に表面に傷を付けることは問題であった。そのため、最近では半田ボールの側面から接触させるものが提案され、実施されるようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、当初のBGA用ICソケットは、コンタクトピンが半田ボールを下から突き上げるものであるから、半田ボールとの接触圧は十分得られる反面、BGAを上方から押さえ込む専用の押さえ部材が不可欠なものであった。また、半田ボールの側面からコンタクトピンを接触させるようにしたものは、コンタクトピンの基部が半田ボールの略真下で固定され、その基部を基点として左右に撓まされるため、先端の接点部は厳密には半田ボールの真横からではなく、僅かに下側から接することになる。従って、BGAは上方に対し不安定な状態となっており、振動に対して弱いものとなっている。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、略球形の接続端子をIC本体の下面に配列したIC部品用のICソケットにおいて、ソケット本体内でコンタクトピンがIC部品を安定状態に保持できるようにしたICソケットを提供することである。また、もう一つの目的は半田ボールとの接触圧が十分に得られ且つワイピングに適したICソケットを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記の目的を達成するために、本発明は、IC本体に略球形の接続端子を配列しているIC部品を該接続端子を下側にしてソケット本体に挿入させるための開口を有し該ソケット本体に対して上下動可能に取り付けられたカバー部材と、先端部に前記接続端子に接触する接点部を有し基部を前記ソケット本体に一体的に取り付けた複数のコンタクトピンと、前記カバー部材の上下動に連動して往復作動し前記コンタクトピンの接点部を前記接続端子に側方から接離させるスライド部材とを備えたICソケットにおいて、前記接点部の先端近傍に鉤状部を形成し、該鉤状部が前記IC部品の側方から見て前記接続端子の水平直径位置より上方位置で前記接続端子に接触するようにする。
【0008】
また、本発明のICソケットは、好ましくは、前記鉤状部に、前記コンタクトピンの長手方向に直交する方向に直線状の角部が形成され、該角部が前記接続端子に接触するようにする。
【0009】
【実施例】
先ず、本実施例の全体的な構成の概略を図1乃至図4を用いて説明する。図1は、本実施例に適用するBGAの一例を示しており、図(a)は側面図であり、図(b)は底面図である。BGAの底面には、直径が約0.75mmの略球形をした複数の半田ボールBが接続端子として配列されている。図2は本実施例のICソケットの平面図であり、図3は図2のA−A線から視た一部断面図であり、図4は図2のB−B線から視た断面図である。本体1の底面側には、ロケートボード2が図3において上下動可能に取り付けられている。ロケートボード2は、周知のように、ICソケットをプリント配線板に取り付けるに際しコンタクトピンの位置決めを容易にする。このロケートボード2が、図3においては本体1から離れた状態で、また図4においては本体1に接触した状態で示されている。
【0010】
本体1の上面側には、先ずスライドプレート3が配置されている。このスライドプレート3は、本体1に一端を挿入している4本の基準ピン4にガイドされ、本体1に対して図3において上下動可能となっている。スライドプレート3の上方位置には、上プレート5が配置されている。この上プレート5は本体1に取り付けられており、基準ピン4の他端を挿入する4個の受け穴が形成されている。基準ピン4にはコイルバネ6が巻回され、上プレート5に対してスライドプレート3を本体1側、即ち図3において下側へ押している。また、上プレート5の上面側には、図2で明瞭なように8個のガイド5aが形成されている。この各ガイド5aには図2においてICソケットの中央へ向け斜面が形成されている。そのため、BGAを上プレート5の上面に適切に案内し載置することができる。
【0011】
上プレート5の上方位置には、カバー7が配置されている。このカバー7には、BGAを上方から装填することができるように開口7aが形成されている。また、カバー7は、図2の四隅において本体1との間に設けられているコイルバネ8(図4)により、本体1から離れる方向、即ち図3において上方へ押されている。しかしながら、その上限位置は、四隅に設けられた可撓性のフック部7bが本体1のフック部1aに係止された図3及び図4の位置となる。尚、以上説明した本体1,ロケートボード2,スライドプレート3,上プレート5,カバー7は、何れも合成樹脂で成形されている。
【0012】
カバー7には、図3に示すように2本のスライドバー9が取り付けられ、両者はX形に配置されている。同様にして反対側にももう一組が対称的に配置されている。図4に示すように、スライドバー9はその一端がカバー7に形成されたスリット7c内において圧入ピン10に回転可能に取り付けられている。スライドバー9の他端にはシャフト11が設けられており、図3においてカバー7が上下動すると、スライドサポート12上を左右に摺動するようになされいる。その詳しい構成,作用については、追って説明する。
【0013】
本体1には圧入によって複数のコンタクトピン13が取り付けられている。本体1の底面側に突き出している接続端子はロケートボード2に配列された複数の孔を貫通しており、上面側のコンタクト片は可撓性を有し、スライドプレート3に配列された複数の孔を貫通し、且つそれらの先端を上プレート5に配列された複数の孔5bに挿入している。このコンタクトピン13の形状や各孔の形状については追って詳しく説明する。
【0014】
上記の説明で本実施例の全体構成が概略理解できたと思うので、次に、各部の構成を詳細に説明する。先ず、図5乃至図9を用い本体1について説明する。図5は本体1の平面図であり、図6は図5のC−C線断面図である。図7は図5のD−D線断面図であり、図8は図5の背面図である。図9は本体1に形成された複数の孔形状を示すものであり、図(a)は図5における枠イの拡大図であり、図(b)は図(a)のE−E線断面図である。
【0015】
図5及び図8で分かるように、上記したフック部1aが四隅に形成されている。同じく四隅には、上記したコイルバネ8を収容するための円柱形の穴1bが形成されている。また、上記した基準ピン4の一端を挿入する円柱形の穴1cが4箇所に形成されている。その外、本体1の上面側には、4個のフック部1dと、8個のフック部1eと、1本のピン1fが形成されている。他方、底面側にはプリント配線板への位置決め用の4本のピン1gが形成されている。更に、本体1にはコンタクトピン13を圧入し取り付けるために複数の貫通した孔1hが、図9(a)に示すように本体1の対角線方向に細長く形成されており、また、4箇所に上記したスライドサポート12を圧入するために貫通した一対の平行な細長い孔1iが形成されている。
【0016】
上記したロケートボード2が図10に詳細に示されている。図(a)はロケートボード2の平面図、図(b)は図(a)の右側面から視た一部断面図、図(c)は背面図である。このロケートボード2には可撓性の4個のフック部2aが形成されている。そして、これらのフック部2aは図3及び図6において本体1の下方から上方へ突き出し、フック部1dと係合するようになっている。ロケートボード2の背面には、プリント配線板への位置決め用のピン2bと、プリント配線板との間に所定の間隔を空けるための8個の脚部2cが形成されている。更に、ロケートボード2には、コンタクトピン13の接続端子を貫通させるために複数の孔2dが形成されている。ロケートボード2の役目は周知であるのでその説明は省略する。
【0017】
次に、スライドプレート3について、図11及び図12を用いて説明する。図11(a)はスライドプレート3の平面図であり、図11(b)は図11(a)においてF−F線から視た一部断面図であり、図11(c)はスライドプレート3の背面図である。図12(a)は図11(a)における枠ロの拡大図であり、図12(b)は図12(a)のG−G線断面図である。スライドプレート3には、上記した基準ピン4に嵌合する貫通した4個の孔3aが形成され、また本体1への組み付け方向を間違えないようにするために、本体1のピン1fに嵌合させる孔3bが形成されている。
【0018】
このスライドプレート3には、図11(a)において上下方向に各二つの軸部3cが形成されており、上方の二つの軸部3cは右側のものより左側の方が長く、下方の二つの軸部3cは左側のものより右側の方が長く形成されている。そして、軸部3cは図3に示すようにスライドバー9に接触するようになっている。また、スライドプレート3にはコンタクトピン13を貫通させるために複数の孔3dが形成されているが、この孔3dの傍らには上面側に各々図12で明らかなように突出部3eが形成されている。更に、孔3dの内部は特殊な形状をしているが、その点については後で説明する。
【0019】
図13及び図14を用いて上プレート5の説明をする。図13(a)は上プレート5の平面図であり、図13(b)は図13(a)のH−H線断面図であり、図13(c)は上プレート5の背面図である。また、図14(a)は図13(a)の枠ホ内に示された孔の拡大図であり、図14(b)は図14(a)のJ−J線断面図である。上プレート5の上面側には、上記したようにBGAの位置を規制するために斜面を有するガイド5aが8個形成されている。上プレート5の背面側には、上記した基準ピン4の他端を挿入する4個の穴5cが形成されており、基準ピン4に巻回されたコイルバネ6の両端は、この穴5cと、スライドプレート3の孔3a内に形成された略円形状の溝とによって受けられている。
【0020】
また、上プレート5は、その背面側に形成された8本の可撓性を有するフック部5dが本体1に形成されたフック部1eと係合することによって、本体1に取り付けられている。従って、コイルバネ6の付勢力は、専らスライドプレート3を図3において下方へ動かすように働かされている。更に、上プレート5を貫通して設けられた複数の孔5bの形状は、図14に示されているように、コンタクトピン13の先端を受け入れるための断面が略四角形の部分と、BGAの半田ボールBを受け入れるための断面が円形の部分とで合成された形状をしている。
【0021】
図15乃至図17を用い、図3において上プレート5の上方位置に配置されているカバー7の説明をする。図15はカバー7の平面図であり、図16は図15におけるK−K線断面図であり、図17は背面図である。カバー7には、中央部に上記したようにBGAを着脱するために必要な開口7aが形成されている。また、四隅には4個の可撓性のフック部7bが形成されており、本体1のフック部1aに係合するようにされている。更に、四隅には、本体1の穴1bに軸方向へ摺動可能に嵌合される4個の軸部7dが設けられている。この穴1b内には図4に示すようにコイルバネ8が収容されており、その一端が軸部7dの先端に形成された断面が略円形状の穴に嵌め込まれるようになっている。
【0022】
スリット7cは、図17に示すように相対する2辺にのみ形成されており、その形状は一直線ではない。その理由は、上記したように各辺毎に2本のスライドバー9をX形に配設するためである。この理由故にまた、上記で説明したように、スライドプレート3に形成された軸部3cの長さも左右で異なっている。また、カバー7の側面4箇所には孔7eが形成されているが、この孔7eには上記したように、スライドバー9を回転可能に取り付けるための圧入ピン10(図3)が圧入される。
【0023】
次に、図18乃至図21を用い、スライドバー9によってスライドプレート3を上下動させる構成について説明する。図18乃至図20は図3における要部断面説明図であり、図18はカバー7が作動前の上限位置にある状態を、図19はカバー7が下限位置にある状態を、図20は下限位置から上限位置に復帰する途中の位置にある状態を夫々示しており、また図21は図18の要部断面説明図である。
【0024】
本体1に形成された8個の孔1iには、夫々スライドサポート12の基部12aが圧入されている。このスライドサポート12は板材を打ち抜いたものであり全て同一形状をしているが、図示するように孔位置に応じて向きを変えて圧入されている。スライドサポート12にはシャフト11を摺動させるための凹部12bが形成されており、図21に示すように一対のスライドサポート12によって一つのシャフト11を受けているが、これらの一対のスライドサポート12を、断面U字形又はH形等の一部品として製作し、それを本体1に圧入するようにしても差し支えない。また、凹部12bをシャフト11を挿入させるスロット(長孔)として形成しても差し支えない。
【0025】
スライドバー9は、上記のように一端が圧入ピン10に回転可能に取り付けられており、また他端にはEリングのような周知の止め輪14によってシャフト11がスライドバー9から抜けないようにして取り付けられている。図21においては分かり易くするために、シャフト11と二つの止め輪14との間隔を故意に大きくして示してある。
【0026】
本実施例においては、このようにスライドバー9に対してシャフト11を回転可能に取り付けている。これはスライドサポート12の凹部12b内において、シャフト11が単に摺動するだけでなく転動するようにし、それによって凹部12b内における移動をスムーズにすると共に、シャフト11と凹部12bの磨耗を少なくするためであり、このようなことを考慮しなければシャフト11をスライドバー9と一体化することを妨げるものではない。また、スライドバー9の他端近傍にはスライドプレート3の軸部3cに摺接する押動部9aが形成されている。
【0027】
最後に、図22乃至図27を用いて、本実施例のコンタクトピン13の形状と、それに直接関係する構成について詳しく説明する。図22はBGAを装填していない初期状態を示しており、図22(a)は上プレート5の孔5b内におけるコンタクトピン13の位置を示す平面図、図22(b)は図22(a)の下方から視た断面図、図22(c)は図22(b)の右側方から視た断面図である。同様にして、図23はカバー7の押し下げ途中の状態を、図24は押し下げ完了の状態を、図25はBGAを上プレート5に載置し復帰途中にある状態を、図26はBGAの装填操作完了状態を示している。また、図27はコンタクトピン13の先端形状の詳細図であり、図27(a)は側面図、図27(b)は斜視図である。
【0028】
コンタクトピン13はベリリウム銅の板材をプレス機械によって打ち抜き且つ折り曲げ加工したものであり、図22において分かるように、基部13aを本体1の孔1h(図9)に圧入している。接続端子13bはロケートボード2の孔2dに緩く嵌合している。基部13aの上部は可撓性を有しており、図22(b)において左右方向に、且つ図22(c)においても左右方向に撓むようになっている。そして、90°角度を変えて二つの斜面部13c,13dが形成され、先端の接点部13eは略90°に折り曲げられている。接点部13eの先端形状は、図27に示すように、コンタクトピン13の長手方向に直交するようにして溝13e1 を形成し鉤状にしている。そして、溝13e1 と矩形面13e2 との間で角部13e3 を形成している。
【0029】
斜面部13cは、殆どの部分がスライドプレート3の孔3d(図12)内にあり、孔3d内に形成された段部3fに押されて、コンタクトピン13が撓まされるようになっている。図22(c)には、段部3fによって右方向に撓まされた状態が示されている。斜面部13dは、スライドプレート3と上プレート5との間に位置し、スライドプレート3の孔3dの傍らに形成された突出部3eに押されて、コンタクトピン13が図22(b)において左方向に撓まされるようになっている。
【0030】
以上によって、本実施例の構成の説明を終わり、次に、BGAの装脱操作について説明する。本実施例におけるICソケットにおいて、BGAを装填する前の初期位置は図3及び図18に示されている。そして、この時のコンタクトピン13の姿勢は図22に示されている。先ず、図18の状態から、機械装置等によって、コイルバネ8(図4)の力に抗してカバー7を押し下げていく。それによって、X形に配置された2本のスライドバー9は、シャフト11をスライドサポート12の凹部12b内で移動させ、左右に開いていく。
【0031】
このシャフト11の移動により押動部9aが軸部3cを押し、コイルバネ6(図4)の力に抗してスライドプレート3を上方へ押し上げていく。従って、この構成は、押動部9aを端面形状でなくスロットにし、そこへ軸部3cに形成した細い軸を嵌合させるようにしても同じ作用を行わせることができる。図22において、スライドプレート3が上方へ移動していくと、孔3d内の段部3fが斜面部13cとの係接位置から上方へ退避するので、コンタクトピン13は自己の弾性によって図22(c)において左方向へ撓み、接点部13eを同じく図22(c)において左方向へ、即ち図22(b)において表面方向へ移動させる。このようにして移動させた時の状態が図20及び図23に示されている。
【0032】
更に、カバー7を押し下げていくと、今度はスライドプレート3の突出部3eが斜面部13dを押す。そのため、コンタクトピン13は自己の弾性に抗して図23(b)において左方向へ撓まされ、接点部13eを同じく左方向へ、即ち図23(c)において裏面方向へ移動させられる。このようにしてカバー7が本体1又は上プレート5によって下降を阻止された状態が図19及び図24に示されている。
【0033】
本実施例の構成によれば、上記のようにしてカバー7を下降させる場合、その負荷の増大が少なからず平均化され、最終的に機械装置等に掛かる負荷の軽減化を図ることが可能である。即ち、図18の状態からカバー7を押し下げていくと、コイルバネ6,8が緊張されていく。更に押し下げの最終段階においてはコンタクトピン13の弾性も負荷となる。これらによる合計の力はカバー7を押し下げていくにつれ大きくなり、このうち、コイルバネ6の弾性力とコンタクトピン13の弾性力とは、スライドプレート3の軸部3cを介してスライドバー9の押動部9aに垂直方向に掛かることになる。
【0034】
これに対して、スライドバー9の押動部9aの端面は、カバー7を押し下げていくにつれ、本体1に対する角度を小さくし、水平状態に近づいて行く。そのため、上記したコイルバネ6等の垂直方向の力によってシャフト11を左右方向へ、即ちカバー7を上方へ動かすように作用する力は減じられていく。また、押動部9aが軸部3cに接する点とシャフト11の中心とを結ぶ線分が、カバー7を押し下げていくにつれ、だんだんと垂直に近づいていく。このことは、該線分が、上記垂直方向の力、即ち軸部3cを介してスライドバー9の押動部9aに掛かる力の作用線に一致する方向へ移動していることにほかならない。従って、本実施例の構成によれば、コイルバネ6の弾性力とコンタクトピン13の弾性力とによってカバー7の押し下げに作用する負荷の増加を軽減させることになる。
【0035】
このようにして、カバー7をその下限位置まで押し下げた状態で、BGAを開口7aから挿入し、上プレート5に載置する。その場合、図24(a),(b)で明らかなように、接点部13eは孔5bの一部を形成している断面が円形状の部分から完全に退いており、しかもこの円形部分の直径が、BGAの半田ボールBの直径よりも大きいため、BGAは何の支障もなく全ての半田ボールBを各孔5bに挿入させて載置される。
【0036】
BGAが上プレート5に載置された後、カバー7の押し下げ力を解除していく。それによって、カバー7は上昇し、スライドプレート3は下降する。スライドプレート3の下降に伴い突出部3eが斜面部13dから退いていくので、コンタクトピン13は自己の弾性力により復帰作動を行うが、その作動は接点部13eが半田ボールBに接して停止する。その時のカバー7,スライドバー9,スライドプレート3の状態が図20,図25に示されている。この時、接点部13eは角部13e3 で半田ボールBに食い込み勝手に接触している。しかも、その位置は半田ボールBの側面(図25(b)において水平直径位置)よりも上方で接触しているので、別部品によってBGAを上プレート5に押しつけるような力を与えておかなくとも、BGAを所定の位置に確実に保持できる。
【0037】
このような状態から更にスライドプレート3が下降すると、コンタクトピン13はその斜面部13cが段部3fに押され、図25(c)において右方向へ撓まされる。この時、接点部13eの角部13e3 は上記したように半田ボールBに対して食い込み勝手であるため、僅かではあるが半田ボールBを線状に擦ることになる。それによって半田ボールBの表面に付着していたゴミや酸化皮膜など電気的導通性を損なう物質を確実に取り除くこと(通常ワイピングと称している)ができ、また圧力集中により接触の安定性を高めることができる。
【0038】
また、BGAは実際にプリント配線板に接合する場合のことを配慮して、半田ボールBの下側の球面形状に対する要求品質が極めて厳しい。それに対して、ICソケットで検査する場合には、通常の場合であってもコンタクトピンを半田ボールBに接触させるときやワイピングのとき、半田ボールBに傷をつけることがあるが、本実施例の場合には接点部13eの角部13e3 と半田ボールBとの接触部は、半田ボールBの側面よりも上方であるから、上記のような要求品質に十分に応えることができる。
【0039】
このようにして半田ボールBのワイピングが行われた後、カバー7のフック部7bが本体1のフック部1aに係止され、BGAの装填操作が終了する。その時の各部の状態は、図18,図26に示されている。この状態でBGAの検査が行われた後、BGAをICソケットから取り出す場合には、カバー7の押し下げ・解除の一連の操作を再度行うことになる。その場合の各部の作動は装填操作の場合と略同じであるため詳しい説明を省略するが、コンタクトピンの作動は図26の状態から図25,図24,図23,図22の順となり、図24の時にBGAを取り出すことになる。
【0040】
次に、コンタクトピン13の先端形状を鉤状にした場合の別の例を図28,図29に示してある。いずれの場合も、図27に示したものと同様に直線状の角部13e3 が形成されている。図27に示したものはプレス機械等によって押して溝を形成するのが望ましいが、図28に示したものは、接点部13eの先端を折り曲げることにより、図29に示したものは、異なる二つの厚さを有する材料を打ち抜くことによって製作することが容易である。
【0041】
尚、上記の実施例においては、カバー7に2本一組のスライドバー9を二組設けているが、夫々1本ずつとしてもよい。但し、その場合にはスライドプレート3の上下動を安定させるために両者をX形にして取り付けることが好ましい。また、スライドバー9はカバー7の各辺に全て設けるようにしてもよく、その場合にもスライドバー9は各辺1本で構わない。更に、上記の実施例においては複数の孔5bを形成した上プレート5をBGAの載置手段としているが、コンタクトピン13の接点部13a同志の接触の心配がなければ、BGAの一部、例えば外周部のみを本体1の一部によって支持するようにしてもよい。
【0042】
また、上記の実施例においては、カバー7の上下動に連動させスライドプレート3を上下動させることによってコンタクトピンを作動させているが、本発明はカバー7の上下動に連動させスライドプレート3を水平方向へ移動させるようにし、そのX方向への水平移動でコンタクトピンを半田ボールに接離させ、Y方向への水平移動でワイピングさせるようにしたICソケットにも適用でき、また上記のワイピングを行わないようにしたICソケットにも適用できるものである。また、上記の実施例においては、コンタクトピンによってBGAを上方から押さえ込んでいるので、専用の押さえ部材を設けていないが、本発明は、事情によっては専用の押さえ部材を設けることを妨げるものではない。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、コンタクトピンの接点部の先端近傍に鉤状部を形成し、該鉤状部がIC部品の側方から見て略球形の接続端子の水平直径位置より上方位置で接続端子に接触するようにしたため、ICソケット内においてコンタクトピンがIC部品を上方から保持し、IC部品の位置を安定化させることができる。また接続端子はその下面を傷つけられることがなく、更に鉤状部に形成された直線状の角部で接触させるようにした場合には、十分な接触圧を得、且つワイピングを行うのに有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に適用されるBGAを示しており、図(a)は側面図であり、図(b)は底面図である。
【図2】本発明の実施例のICソケットの平面図である。
【図3】図2のA−A線から視た一部断面図である。
【図4】図2の、B−B線から視た断面図である。
【図5】実施例における本体1の平面図である。
【図6】図5のC−C線断面図である。
【図7】図5のD−D線断面図である。
【図8】図5の背面図である。
【図9】実施例における本体に形成された複数の孔形状を示すものであり、図(a)は図5における枠イの拡大図であり、図(b)は図(a)のE−E線断面図である。
【図10】実施例におけるロケートボードを示しており、図(a)は平面図、図(b)は図(a)の右側面から視た一部断面図、図(c)は背面図である。
【図11】実施例におけるスライドプレートを示しており、図(a)は平面図、図(b)は図(a)においてF−F線から視た一部断面図であり、図(c)は背面図である。
【図12】図(a)は図11(a)における枠ロの拡大図であり、図(b)は図(a)のG−G線断面図である。
【図13】実施例における上プレートを示しており、図(a)は平面図であり、図(b)は図(a)のH−H線断面図であり、図(c)は背面図である。
【図14】図(a)は図13(a)の枠ホ内に示された孔の拡大図であり、図(b)は図(a)のJ−J線断面図である。
【図15】実施例におけるカバーの平面図である。
【図16】図15におけるK−K線断面図である。
【図17】図15の背面図である。
【図18】実施例においてカバーが上限位置にある状態を示す要部断面説明図である。
【図19】実施例においてカバーが下限位置にある状態を示す要部断面説明図である。
【図20】実施例においてカバーが下限位置から上限位置に復帰する途中の位置にある状態を示す要部断面説明図である。
【図21】図18の要部断面説明図である。
【図22】コンタクトピンの初期状態を示し、図(a)は上プレートの孔内における位置を示す平面図、図(b)は図(a)の下方から視た断面図、図(c)は図(b)の右側方から視た断面図である。
【図23】カバーの押し下げ途中状態におけるコンタクトピンを示し、図(a)は上プレートの孔内における位置を示す平面図、図(b)は図(a)の下方から視た断面図、図(c)は図(b)の右側方から視た断面図である。
【図24】カバーの押し下げ完了状態におけるコンタクトピンを示し、図(a)は上プレートの孔内における位置を示す平面図、図(b)は図(a)の下方から視た断面図、図(c)は図(b)の右側方から視た断面図である。
【図25】BGAを上プレートに載置しカバーが復帰途中状態におけるコンタクトピンを示し、図(a)は上プレートの孔内における位置を示す平面図、図(b)は図(a)の下方から視た断面図、図(c)は図(b)の右側方から視た断面図である。
【図26】BGAの装填操作完了状態におけるコンタクトピンを示し、図(a)は上プレートの孔内における位置を示す平面図、図(b)は図(a)の下方から視た断面図、図(c)は図(b)の右側方から視た断面図である。
【図27】コンタクトピンの先端形状の詳細図であり、図(a)は側面図、図(b)は斜視図である。
【図28】コンタクトピンの先端形状の別の例を示す斜視図である。
【図29】コンタクトピンの先端形状の更に別の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 本体
1a,1d,1e,2a,5d,7b フック部
1b,1c,5c 穴
1f,1g,2b ピン
1h,1i,2d,3a,3b,3d,5b,7e 孔
2 ロケートボード
2c 脚部
3 スライドプレート
3c,7d 軸部
3e 突出部
3f 段部
4 基準ピン
5 上プレート
5a ガイド
6,8 コイルバネ
7 カバー
7a 開口
7c スリット
9 スライドバー
9a 押動部
10 圧入ピン
11 シャフト
12 スライドサポート
12a,13a 基部
12b 凹部
13 コンタクトピン
13b 接続端子
13c,13d 斜面部
13e 接点部
13e1 溝
13e2 矩形面
13e3 角部
14 止め輪
Claims (5)
- IC本体に略球形の接続端子を配列しているIC部品を該接続端子を下側にしてソケット本体に挿入させるための開口を有し該ソケット本体に対して上下動可能に取り付けられたカバー部材と、先端部に前記接続端子に接触する接点部を有し基部を前記ソケット本体に一体的に取り付けた複数のコンタクトピンと、前記カバー部材の上下動に連動して往復作動し前記コンタクトピンの接点部を前記接続端子に側方から接離させるスライド部材とを備えたICソケットにおいて、前記接点部の先端近傍に鉤状部を形成し、該鉤状部が前記IC部品の側方から見て前記接続端子の水平直径位置より上方位置で前記接続端子に接触するようにしたことを特徴とするICソケット。
- 前記接点部の先端に凸部を設け前記鉤状部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のICソケット。
- 前記接点部の側方に前記コンタクトピンの長手方向に直交する方向へ溝部を形成し、該溝部より先端位置で前記鉤状部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のICソケット。
- 前記接点部の先端を所定の角度で折り曲げて前記鉤状部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のICソケット。
- 前記鉤状部には前記コンタクトピンの長手方向に直交する方向に直線状の角部が形成され、該角部が前記接続端子に接触するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のICソケット。
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