JPH08273748A - 取付保持具を有する電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーシングに追加のピンを差し込む方式で
は、コネクタの全高が増大し、ピンを差し込まなくても
取り付け可能であるために、ピンがコネクタの近くに垂
れ下げられるか、ケーシングから切り離されてしまう不
都合がある。 【解決手段】 ケーシング１のプラグ部２から離れた側
に、安定した開位置から安定した閉位置に移動可能とさ
れ、かつ、少なくとも１つのピン５を有するカバー４を
設ける。また、ピン５を、カバー４を閉鎖することによ
って、少なくとも１つのフック状の引掛けバネ部材３を
経由して少なくとも１つの孔６に係合し、かつ、引掛け
バネ部材３が引掛け位置から外れて揺動することを防止
するような配置および大きさに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、請求項１の前提
部分のように、取付保持具を有する電気コネクタに関す
るものである。この種のコネクタは、さらに具体的に
は、車両のエアバッグ拘束システムにおいて使用される
ものである。

【０００２】

【従来の技術】そのようなシステムにおいて、プラグ部
を有するコネクタは、エアバッグ点火装置のケーシング
内に配置される相手部材に接続される。前記点火装置、
衝撃吸収バッグおよび電源供給配線は、運転手側におい
てハンドルのインパクトパネル内に収納される。その場
所において利用できる空間はきわめて限定されているた
め、エアバッグシステムの各部材は非常にコンパクトで
なければならない。また、点火装置の電極における制御
できない電位変化がエアバッグを、はからずも起動させ
てしまうことがあるため、点火装置と制御システムとの
電気的接続は、制限システムにおいてきわめてデリケー
トな部分である。このため、プラグ部は、プラグの雄ピ
ンに押し当てられる雌ピンを有するとともに、該プラグ
部は、雌ピンに接触したときに、それらの間の短絡ブリ
ッジをこれらのプラグピンから隔離するようになってい
る。このコネクタを点火装置に着座させ、そして、それ
によって確実に電気的に接続することは、エアバッグシ
ステムの信頼性にとって、重要な前提条件である。

【０００３】そのようなシステムの公知のコネクタは、
掛金突起あるいは引掛け突起を有する弾性アーム状の留
金あるいは掛金部材を有している。これら掛金突起ある
いは引掛け突起は、点火装置のいずれかの側面の対応す
る孔内に導かれる。そして、これらの掛金突起あるいは
引掛け突起は、コネクタを確実に着座させるように正確
に導びくことによって、孔において捕獲されあるいは引
掛かるようになっている。しかしながら、この種の引掛
けアームであっても、引掛け突起が対応する肩部から滑
って外れ、アームが孔外に移動することによって、引っ
掛かりが解除されてしまうことがある。これを回避する
ために、引掛けアームに加えて孔を満たすように提供さ
れるピンを引掛けアームに沿って孔内に挿入することが
知られている。これによれば、引掛け突起は、引掛け肩
部から横に滑って外れることが不可能となる。

【０００４】この種のピンは、弓形部材を形成するよう
に２つ一組で結合される。この弓形部材は、プラグのケ
ーシング全体をその孔において貫通して点火装置ケーシ
ングの孔まで案内される。弓形部材を取付状態とするた
めに、ケーシングと弓形部材との間に網状の弾性接続部
材が設けられている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この構造の欠点は、完
成したケーシングに対して追加の部材が差し込まれなけ
ればならないことであり、その結果、コネクタの全高が
増大してしまう不都合がある。また、この種のコネクタ
は、ピンを差し込まなくても取り付けることができるた
めに、ピンは、網を真っ直ぐに引き伸ばしてコネクタの
近くに吊り下げられるか、あるいは、引き伸ばし過ぎて
故意にまたは偶発的にケーシングから切り離されてしま
うことになる。

【０００６】したがって、この発明の目的は、確実な取
り付けが自動的に行われ、かつ、安全機構を挿入しなけ
れば取り付けることが不可能であるとともに、安全ピン
を有する弓形部材によりコネクタの全高が増大させられ
ることのないように、上述した種類のコネクタを改良す
ることである。

【０００７】

【発明の実施の形態】この問題は、請求項１の特徴によ
り解決される。他の請求項は、この発明の好ましい実施
形態に対応して記載されている。この発明は、図面を参
照し、かつ、好ましい実施形態の記載によって、以下に
示される。

【０００８】図１は、この発明に係る電気コネクタの一
実施形態を示す斜視図である。図２は、図１のコネクタ
の一部を破断した側面図である。図３は、図１のコネク
タの平面図である。図４は、この発明に係るコネクタの
閉じた状態を示す一部を破断した正面図である。図５
は、この発明に係るコネクタの閉じた状態を示す一部を
破断した側面図である。

【０００９】図１は、この発明に係るコネクタのヒンジ
を開いた状態を示している。ケーシング１は平坦な平行
六面体の形状を有している。カバー４は、軸７回りに回
転するように前端面に軸支されている。プラグ部２は、
ケーシング１の基部から延び、かつ、引掛けアームおよ
び引掛け突起１８を有する掛金あるいは引掛けバネ部材
３が、前記プラグ部２の両側に該プラグ部２に平行に延
設されている。図１の実施形態では、ケーシング１は、
２つの区画、すなわち、基本的にカバーを押圧するバネ
機構を収容するチャンバ１１と、カバー１６によって覆
われ、電源配線１５および雌接続ピンを収容するチャン
バとに分けられている。カバー１６には、カバー４のベ
ースに相互に平行に設けられたピン５を貫通させる２つ
の孔１７が形成されている。ケーシングに対して閉じら
れたカバーを引っ掛けるための引掛け部材９は、ケーシ
ングの壁面およびカバー４の側壁に設けられている。バ
ネ８は、カバー４を安定して開いた位置に保持する。カ
バーを閉じて引掛け部材を適正に引っ掛けるステップを
忘れ、あるいは、引っ掛けることができなかった場合に
は、取り付けがそれ以上に進行することはない。

【００１０】図２および図３は、図１のコネクタの側面
図及び平面図である。平面図は、カバー１６を取り付け
ていないコネクタのケーシングを示している。そこに
は、プラグ部２内の雌ピンに加えて、カバー１６の孔に
重ね合わせられ、カバー４が閉じられたときにピン５を
貫通させる２つの孔６が示されている。図２は、バネ部
材８をも示している。バネ部材８は、この場合には、応
力がかけられていない位置において、その両端が９０゜
の角度をなし、バネに巻き軸に対してそれぞれ直角に配
される渦巻きバネである。図２に示されるように、ピン
５は、軸７回りの回動動作を妨げられることなく、孔１
７，６内に挿入され得るように、それらの頂部前縁を若
干傾斜させられている。図３には、ケーシング１のバネ
の区画１１と電源配線１５および雌ピンあるいはその類
のものを収容する区画とを分離する仕切り１０も示され
ている。

【００１１】図４および図５は、閉じた状態のコネクタ
の正面図および側面図である。これを見れば明らかなよ
うに、ピン５は、引掛けバネ部材３を引っ掛かり位置に
保持する。すなわち、引っ掛かり位置においては、引掛
け突起１５が、例えば、エアバッグ点火装置のコネクタ
のための凹所内の対応する縁の下方に係合する。ピン５
は、引掛け部材３が戻る方向に移動することを防止し、
これによって引掛け突起１５が対応する縁から外れるこ
とを防止する。また、図４および図５は、閉じた位置に
おける直角コネクタケーシングの寸法比率を示してい
る。これによれば、全高が横方向寸法と比較して非常に
低減されていることが明らかである。本発明のように、
ピン５をカバー内に収納することにより、追加の弓形部
材を閉じたケーシングに押し込む必要がないので、コネ
クタの全高寸法が低減されることになる。そのようなコ
ネクタは、コネクタカバーを閉じた状態でのみ、例え
ば、点火装置およびエアバッグのエアレセプタクル（ai
r receptacle）とともに、ハンドルのインパクトプレー
ト内に取り付けることができる。その結果、取り付け誤
りの危険性が十分に回避されることになる。カバーが開
かれていると、エアバッグシステムは、コネクタのため
の空間、例えば、ハンドル内にコネクタを収容すること
ができないからである。

【００１２】この発明に係る課題の解決手段は、したが
って、きわめて信頼性が高く、しかも、従来技術の欠点
を効果的に解消する簡易な構造の薄型コネクタシステム
を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る電気コネクタの一実施形態を示
す斜視図である。

【図２】図１のコネクタの一部を破断した側面図であ
る。

【図３】図１のコネクタの平面図である。

【図４】この発明に係るコネクタの閉じた状態を示す一
部を破断した正面図である。

【図５】この発明に係るコネクタの閉じた状態を示す一
部を破断した側面図である。

【符号の説明】

１ ケーシング ２ プラグ部 ３ 引掛けバネ部材 ４ カバー ５ ピン ６ 孔 ７ 回転軸 ８ バネ部材 ９ 引掛け部材 １０ 中間壁 １１ チャンバ １２ 縁部 １３ 側壁 １４ 頂壁 １５ 入力電線入口 １６ カバープレート １７ 孔 １８ フック

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシング（１）と、 該ケーシング（１）に形成されるプラグ部（２）と、 該プラグ部（２）の両側に該プラグ部（２）と平行にか
   つ該プラグ部（２）から一定距離をあけて配置され、前
   記プラグ部（２）の相手のコネクタ部分内の対応する凹
   所に係合されるフック状の引掛けバネ部材（３）とを有
   する電気コネクタであって、 前記ケーシング（１）が、プラグ部（２）から離れた側
   に、安定した開位置から安定した閉位置に移動可能とさ
   れかつ少なくとも１つのピン（５）が形成されたカバー
   （４）を有し、 前記ピンが、前記カバー（４）を閉鎖することによっ
   て、少なくとも１つのフック状の引掛けバネ部材（３）
   を経由して少なくとも１つの孔（６）に係合させられる
   とともに、該引掛けバネ部材（３）が、引掛け位置から
   外れて揺動することを防止するような配置および大きさ
   に設定されていることを特徴とする電気コネクタ。
2. 【請求項２】 前記カバー（４）およびケーシング
   （１）が、回転軸（７）の近傍で、バネ部材（８）によ
   り相互にほぼ直角に保持され、 前記カバーが、ケーシング側面およびカバー（４）に設
   けた引掛け部材（９）が相互に係合される引掛け位置ま
   で、バネ力に抗して閉じられることを特徴とする請求項
   １記載の電気コネクタ。
3. 【請求項３】 前記バネ部材（８）が、前記ケーシング
   内に中間壁（１０）によって残りの部分から仕切られた
   チャンバ（１１）内に配置されていることを特徴とする
   請求項２記載のコネクタ。
4. 【請求項４】 前記ピン（５）が、回転平面に直交する
   寸法よりも回転平面内に広く形成され、回転支点から離
   れた該ピンの縁部（１２）が、対応する孔への挿入を容
   易にするように先端位置において傾斜させられているこ
   とを特徴とする請求項１または請求項２記載のコネク
   タ。
5. 【請求項５】 前記カバー（４）が、２つの側壁（１
   ３）と１つの頂壁（１４）とを具備し、入力電線入口
   （１５）から離れた前記ケーシング（１）の端部に軸支
   されていることを特徴とする請求項１から請求項４のい
   ずれかに記載のコネクタ。
6. 【請求項６】 前記フック状の引掛け部材（３）が、前
   記プラグ部（２）の長手軸から離れて延びるフック（１
   ８）を有し、開口（６）内に係合される前記ピン（５）
   が、前記プラグ部（２）と前記フック状の引掛け部材
   （３）との間に配置されるとともに、該ピンの厚さが、
   前記プラグ部（２）と前記引掛け部材（３）との間の距
   離にほぼ一致していることを特徴とする請求項１から請
   求項５のいずれかに記載のコネクタ。
7. 【請求項７】 前記ケーシング（１）が、方形であり、
   かつ、少なくとも配線（１５）およびプラグ部（２）を
   含むケーシング部分が、ピンの通路のための孔（１７）
   を形成してなるカバープレート（１６）により閉じられ
   ていることを特徴とする請求項１から請求項６のいずれ
   かに記載のコネクタ。
8. 【請求項８】 カバー（４）を取り付けたケーシング
   （１）が、その横寸法より小さい高さ寸法を有するとと
   もに、プラグ部（２）が、自動車のための膨張可能な拘
   束システムの点火装置の接続ピン対から短絡ブリッジを
   除去するように設計されていることを特徴とする請求項
   １から請求項７のいずれかに記載のコネクタ。