JPH08273139A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH08273139A
JPH08273139A JP7542795A JP7542795A JPH08273139A JP H08273139 A JPH08273139 A JP H08273139A JP 7542795 A JP7542795 A JP 7542795A JP 7542795 A JP7542795 A JP 7542795A JP H08273139 A JPH08273139 A JP H08273139A
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JP7542795A
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Isao Kawasumi
功 河角
Kiyoshi Sato
潔 佐藤
Keiji Moroishi
圭二 諸石
Hisao Kawai
久雄 河合
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Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高保磁力を有するとともに、再生時のノイズ
やディスク1周内におけるエンベロープモジュレーショ
ンが小さい磁気記録媒体を提供する。 【構成】 ガラス基板1上に形成された下地層と、この
下地層の上に形成された磁性層5と、この磁性層5の上
に他の層を介して又は介さずに形成された保護層6と、
この保護層上に形成された潤滑層7とを有する磁気記録
媒体において、下地層を、ガラス基板に接する側に形成
されたAlからなる第1下地層2と、この第1下地層2
の上に形成されたCuからなる第2下地層3とを有し、
第1下地層2の厚さを10〜100オングストロームと
し、第2下地層3の厚さを第1下地層2の厚さの2〜1
0倍にした構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置に使
用される磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク等の磁気記録媒体に対す
る高記録密度記録化の要請は近年ますます厳しいものに
なっている。
【0003】ここで、一般に、ハードディスク等の磁気
記録媒体は、非磁性基板に下地層、磁性層及び保護層を
順次形成したもので、この上で磁気ヘッドが搭載された
ヘッドスライダーを浮上走行させながら記録及び再生を
行なう。したがって、この磁気記録媒体の高密度記録化
を実現するためには、磁性層の高保磁力化に加えて、ヘ
ッドスライダーの低浮上走行化及びCSS(contact st
art and stop)に対する高い耐久性等を実現することが
重要である。すなわち、ヘッドスライダーを低浮上走行
させることによって、記録・再生の際の磁気ヘッドと磁
性層との距離を小さくして高密度の記録・再生を可能に
する必要がある。また、この低浮上走行化させると、ヘ
ッドスライダーの走行開始及び停止時における摺動走行
と浮上走行との切替の繰り返し動作(CSS)の際に、
磁気ヘッド及び磁気記録媒体に加わる物理的・機械的負
担が急激に増すので、このCSSにおける磁気ヘッド及
び磁気記録媒体の耐久性向上(高CSS耐久性)も必要
になる。さらには、高密度記録化にともなって再生時の
ノイズ低減化もより厳しく要求される。
【0004】ところで、現状の多くのハードディスク
は、非磁性基板としてアルミ合金基板を用い、その表面
にNiーPめっきを施して研磨した後、テクスチャー加
工を施して表面に適度の表面粗さを付与しておき、しか
る後に、下地層、磁性層及び保護層等を順次スパッタ法
で形成したものである。すなわち、テクスチャー加工に
よる表面粗さに起因する凹凸が下地層及び磁性層を介し
て保護層表面に表われるようにして、CSSの際にヘッ
ドスライダーが磁気記録媒体に吸着したり、あるいは、
両者の間の摩擦力が所定以上に大きくならないようにし
ている。
【0005】しかしながら、この方式で、上記高保磁力
化、低浮上走行化及び高CSS化を実現させるには限界
があることがわかってきた。これは、テクスチャーによ
る表面凹凸が形成された上に、その凹凸にならって凹凸
のある下地層及び磁性層を形成していくことになるの
で、スパッタ粒子の入射角度が場所によって異なる等の
ことが原因で、下地層及び磁性層の成膜過程で成長すべ
き結晶が必ずしも良好に形成されないことが原因の1つ
であると考えられる。また、アルミ合金基板の硬度等の
機械的物性が、低浮上走行化及び高CSS耐久性を図る
ために必要とされる機械的耐久性を満たすには必ずしも
十分なものでなく、さらに、下地層、磁性層及び保護層
等を良好な特性にするためにより高い温度での加熱処理
をはじめとする物理的・化学的処理を施す必要がでてき
ているが、アルミ合金基板はこれら処理に対する耐熱性
や耐食性等の物理的・化学的耐性も十分でないことがわ
かってきた。
【0006】高密度記録化がより容易に実現できる可能
性の高いものとして、最近、非磁性基板にガラス基板を
用いた磁気記録媒体が注目されている。これは、ガラス
の機械的・物理的・化学的耐久性やその表面を比較的容
易に高い平面精度に形成できること等の性質が高密度記
録化実現により適していることがわかってきたためであ
る。すなわち、このガラス基板を用いた磁気記録媒体
は、表面を精密研磨したガラス基板上に、ただちに下地
層、磁性層及び保護層等を順次形成したものであり、ア
ルミ基板を用いた場合と異なり、基板の表面にテクスチ
ャー加工を施さず、保護層自体によって凹凸を付与する
ようにしたものである。このため、下地層や磁性層は、
極めて平滑な面上に形成されていくので、下地層や磁性
層の形成の際の各々の結晶成長の制御等が容易であり、
良好な特性の層を比較的容易に得ることができる。ま
た、保護層表面の粗さについても、アルミ基板を用いた
ものは、基板表面の粗さを下地層や磁性層を介して保護
層上に間接的に表しているので、その粗さ制御が必ずし
も容易でないが、これに比較して、ガラス基板を用いた
ものは、保護層自体によって直接粗さを決定できるの
で、比較的粗さ制御も容易である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、高密度記録化を実現するためには、高保磁力化、低
浮上走行化及び高CSS耐久性を実現することが重要で
あるが、これだけでは十分でない。すなわち、高密度記
録化にともなって、再生時のノイズやディスク1周内に
おけるエンベロープモジュレーション等についても、従
来は問題とならなかったようなレベルを問題にしなけれ
ばならず、これらの特性についても改善しなければなら
ないことがわかってきた。なお、ここで、再生時のノイ
ズとは、磁性粒の不均一性や記録ビット間に形成される
磁化反転幅等の磁気記録媒体に起因する雑音を意味し、
また、ディスク1周内におけるエンベロープモジュレー
ションとは、ある半径位置でのディスク1周内にみられ
る再生出力の変動を意味する。
【0008】本発明者等の研究によれば、これらの特性
は、下地層や磁性層を構成する膜の組み合わせ、あるい
は、これら膜形成時の処理条件、さらには、これら各層
と磁性層の上に形成される保護層との組み合わせ等によ
っても少なからず左右されるが、その中で、下地層を構
成する膜の組み合わせが極めて重要な要因の1つである
ことがわかってきた。
【0009】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、高保磁力を有するとともに、再生時のノイズ
やディスク1周内におけるエンベロープモジュレーショ
ンが小さい磁気記録媒体を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明にかかる磁気記録媒体は、 (構成1) 表面が精密研磨されたガラス基板上に形成
された下地層と、この下地層の上に形成された磁性層
と、この磁性層の上に他の層を介して又は介さずに形成
された保護層と、この保護層上に形成された潤滑層とを
有する磁気記録媒体において、前記下地層は、前記ガラ
ス基板に接する側に形成されたAlからなる第1下地層
と、この第1下地層の上に形成されたCuからなる第2
下地層とを有し、前記第1下地層の厚さを10〜100
オングストロームとし、前記第2下地層の厚さを前記第
1下地層の厚さの2〜10倍にしたことを特徴とする構
成とし、この構成1の態様として、 (構成2) 前記下地層は、前記第2下地層の上に、C
r,Mo,Zr,B,Si,Zn,Ti,W,V,T
a,Alから選ばれる元素を含む1層以上の層からなる
第3下地層を有することを特徴とする構成とし、この構
成2の態様として、 (構成3) 前記第3下地層が膜厚200〜1600オ
ングストロームのCr膜からなることを特徴とする構成
とした。
【0011】
【作用】上述の構成によれば、下地層を、「ガラス基板
に接する側に形成されたAlからなる第1下地層と、こ
の第1下地層の上に形成されたCuからなる第2下地層
とを有し、第1下地層の厚さを10〜100オングスト
ロームとし、第2下地層の厚さを第1下地層の厚さの2
〜10倍にした」もので構成したことにより、高保磁力
を有するとともに、再生時のノイズやディスク1周内に
おけるエンベロープモジュレーションが小さい磁気記録
媒体が得られるようになった。
【0012】ここで、第1下地層の厚さを10〜100
オングストロームとするのは、第1下地層の厚さを10
オングストローム未満にすると、保磁力が小さくなるか
らであり、100オングストロームを越えるものにする
と、媒体ノイズが増大するからである。
【0013】また、第2下地層の厚さを第1下地層の厚
さの2〜10倍にしたのは、2倍未満にすると、十分な
保磁力を得られないと共にノイズが高くなってしまうか
らであり、10倍を越えるものにすると、エンベロープ
モジュレーションが大きくなってしまうからである。
【0014】また、この場合、構成2のように、第3下
地層を設けることが上記ノイズ特性やモジュレーション
特性をより良好にする上で好ましく、さらに、構成3の
ように、第3下地層として厚さ200〜1600オング
ストロームのCrとすることが好ましいことが確認され
ている。
【0015】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の実施例1にかかる磁気記録
媒体の構成を示す模式的断面図である。以下、図1を用
いて実施例1にかかる磁気記録媒体及びその製造方法を
説明する。
【0016】図1に示されるように、この実施例の磁気
記録媒体は、要するに、ガラス基板1の上に、順次、第
1下地層2、第2下地層3、第3下地層4、磁性層5、
保護層6及び潤滑層7を形成した磁気ディスクである。
【0017】ガラス基板1は、化学強化ガラスを、外径
65mmφ、中心部の穴径20mmφ、厚さ0.9mm
のディスク状に形成し、その両主表面を表面粗さがRm
axで30オングストロームとなるように精密研磨した
ものである。
【0018】ここで、ガラス基板1を構成する化学強化
ガラスとしては、主たる成分として重量%で、SiO2
が62〜75%、Al2 3 が5〜15%、LiO2
4〜10%、Na2 Oが4〜12%、ZrO2 が5.5
〜15%それぞれ含有するとともに、Na2 O/ZrO
2 の重量比が0.5〜2.0、Al2 3 /ZrO2
重量比が0.4〜2.5である化学強化用ガラスを、N
aイオン及び/又はKイオンを含有する処理浴でイオン
交換処理して化学強化したもの(詳しくは、特開平5ー
32431号公報参照)を用いた。
【0019】第1下地層2は、厚さ約60オングストロ
ームのAlの薄膜である。
【0020】第2下地膜3は、厚さ約600オングスト
ロームのCu膜である。
【0021】第3下地層4は、厚さ約1200オングス
トロームのCr膜である。
【0022】磁性層5は、厚さ約500オングストロー
ムのCoNiCr膜である。ここで、CoNiCr膜の
組成は、原子%で、Co:Ni:Cr=65:25:1
0の組成を有している。
【0023】保護層6は、磁性層5の上に形成された厚
さ約50オングストロームのCr層61と、このCr層
61の上に形成された厚さ約300オングストロームの
カーボン(C)膜の2層からなる。
【0024】潤滑層7は、パーフルオロポリエーテルか
らなる潤滑剤(例えば、モンテジソン社製AM2001
がある)を浸漬法により、保護膜6上に塗布して膜厚約
20オングストロームに形成したものである。
【0025】次に、上述の実施例の磁気記録媒体の製造
方法を説明する。
【0026】まず、化学強化ガラスを、外径65mm
φ、中心部の穴径20mmφ、厚さ0.9mmのディス
ク状に形成し、その両主表面を表面粗さがRmaxで3
0オングストロームとなるように精密研磨してガラス基
板1を得る。
【0027】次に、上記ガラス基板1に、該ガラス基板
1の加熱処理、第1下地層2の成膜、第2下地層3の成
膜、第3下地層4の成膜、磁性層5の成膜及び保護層6
の成膜の各工程をインラインスパッタ装置を用いて連続
的に行う。
【0028】インラインスパッタ装置としては、周知の
インライン型のDCマグネトロンスパッタ装置を用い
た。図示しないが、このインラインスパッタ装置は、搬
送方向に向かって、基板加熱ヒータが設けられた第1の
チャンバー、Alターゲット及びCuターゲットが順次
設置された第2のチャンバー、加熱ヒータが設置された
第3のチャンバー、Crターゲット及びCoNiCrタ
ーゲットが順次設置された第4のチャンバー、並びに、
Crターゲット及びC(カーボン)ターゲットが順次設
置された第4のチャンバーがそれぞれ設けられたもので
ある。
【0029】そして、ガラス基板1をロードロック室を
介して第1のチャンバー内に導入すると、該ガラス基板
1は、所定の搬送装置によって上記各チャンバー内を次
々と所定の一定の速度で搬送され、その間に以下の成膜
や処理がなされる。
【0030】すなわち、まず、第1のチャンバー内で
は、基板を375℃で加熱する処理がなされる。第2の
チャンバー内では、第1下地層2たる膜厚60オングス
トロームのAl膜及び第2下地層3たる膜厚600オン
グストロームのCu膜が順次成膜される。第3のチャン
バー内では再度基板を加熱する処理がなされ、第4のチ
ャンバー内では第3下地層4たる膜厚1200オングス
トロームのCr膜及び磁性層5たる膜厚500オングス
トロームのCoNiCr膜が順次成膜される。第5のチ
ャンバー内では、保護層6を構成する膜厚50オングス
トロームのCr膜61及び膜厚300オングストローム
のC膜62が順次成膜される。なお、上記各チャンバー
内は1×10-5Torr以下の圧力まで減圧され、スパ
ッタガスとしてアルゴンが用いられる。スパッタガス圧
は、第2のチャンバー内では5mTorr、第4のチャ
ンバー内では3mTorr、第5のチャンバー内では5
mTorrである。
【0031】次いで、保護層6の形成までを行った基板
を上記インラインスパッタ装置から取り出し、その保護
層6の表面に、スピンコート法によってパーフルオロポ
リエーテルを塗布し、厚さ20オングストロームの潤滑
層7を形成して実施例1にかかる磁気記録媒体を得た。
【0032】(実施例2〜3)上述の実施例1における
第1下地層2の膜厚を100オングストローム、第2下
地層3の膜厚を1000オングストロームとした(第1
下地層の膜厚/第2下地層の膜厚=10)外は同一の構
成及び同一の製造方法で製造した磁気記録媒体を実施例
2とした。同様に、第1下地層2の膜厚を80オングス
トローム、第2下地層3の膜厚を400オングストロー
ムとした(第1下地層の膜厚/第2下地層の膜厚=5)
磁気記録媒体を実施例3とした。
【0033】(比較例1〜4)上述の実施例1における
第1下地層2の膜厚を50オングストローム、第2下地
層3の膜厚を1000オングストロームとした(第1下
地層の膜厚/第2下地層の膜厚=20)外は同一の構成
及び同一の製造方法で製造した磁気記録媒体を比較例1
とした。同様に、第1下地層2の膜厚を80オングスト
ローム、第2下地層3の膜厚を2000オングストロー
ムとした(第1下地層の膜厚/第2下地層の膜厚=2
5)磁気記録媒体を比較例2とした。同様に、第1下地
層2の膜厚を150オングストローム、第2下地層3の
膜厚を1500オングストロームとした(第1下地層の
膜厚/第2下地層の膜厚=10)磁気記録媒体を比較例
3とした。同様に、第1下地層2の膜厚を0オングスト
ローム(第1下地層なし)、第2下地層3の膜厚を10
00オングストロームとした(第1下地層の膜厚/第2
下地層の膜厚=0)磁気記録媒体を比較例4とした。
【0034】図2は上述の実施例1〜3及び比較例1〜
4の磁気記録媒体の特性を測定した結果を表にして示し
た図である。
【0035】なお、保磁力(Hc)の測定は、製造した
磁気記録媒体から8mmφの試料を切り出して、膜面方
向に磁場を印加し、振動試料型磁力計により最大外部印
加磁場10kOeで測定した。
【0036】また、記録再生特性(エンベロープモジュ
レーション及び媒体ノイズ)の測定は、次のようにして
行った。すなわち、得られた磁気ディスクを用いて、磁
気ヘッド浮上量が0.055μmの薄膜ヘッドを用い、
薄膜ヘッドと磁気ディスクの相対速度を6m/sで、線
記録密度70kfcc(1インチあたり70,000ビ
ットの線記録密度)における記録再生出力を測定した。
また、キャリア周波数8.5MHzで、測定帯域を15
MHzとしてスペクトルアナライザーにより信号記録再
生時のノイズスペクトラムを測定した。本測定に用いた
薄膜ヘッドは、コイルターン数50、トラック幅6μ
m、磁気ヘッドギャップ長0.25μmである。
【0037】図2の表から明らかなように、第1下地層
2(Al)の厚さを10〜100オングストロームとす
ると同時に、第2下地層3(Cu)の厚さを第1下地層
2の厚さの2〜10倍にした実施例1〜3においては、
保磁力が1550 Oe以上、エンベロープモジュレー
ションが4.2%以下、媒体ノイズが2.8μVrms
以下であり、十分な保磁力を確保しつつエンベロープモ
ジュレーションや媒体ノイズが十分に低い値に抑えられ
ている。これに対して、第1下地層2(Al)の膜厚は
適度の値を有するが第2下地層3(Cu)の膜厚が厚い
ために両者の膜厚の比率が10倍を越える比較例1及び
2においては、実施例に比較してエンベロープモジュレ
ーションがかなり大きくなっている。さらに、第1下地
層2(Al)の膜厚を100オングストローム以上(1
50オングストローム)にした比較例3(比率は100
倍)及び第1下地層2(Al)の膜厚を10オングスト
ローム未満(0オングストローム;第1下地層なし)に
した比較例4(比率は0倍)では、いずれもエンベロー
プモジュレーション及び媒体ノイズともに実施例に比較
して大きくなっていると共に、保磁力はかなり小さくな
っている。
【0038】以上実施例により本発明を説明してきた
が、本発明は以下の変形例及び応用例を含むものであ
る。
【0039】上述の実施例では、基板として、アルミノ
シリケート系の化学強化ガラスを用いた例を掲げたが、
ボロシリケート、アルミノボロシリケート、石英ガラ
ス、ソーダライムガラス等の他のガラスを使用すること
ができる。これらは、その表面を表面粗さがRmaxで
100オングストローム以下に容易に研磨して仕上げる
ことができるものである。また、基板の外径をより小径
にしまた厚さを薄くしてもよい。
【0040】また、実施例では、第1下地層及び第2下
地層及び第3下地層がそれぞれ1層構造である例を掲げ
たが、これら下地層は2層以上で構成したものでもよ
い。
【0041】磁性層としては、実施例で掲げた例のほか
にCoNiCrTa、CoNiPt、CoNiZr、C
oCrPt、CoPt、CoCrPtB、CoP等の他
のCo系合金やFe2 3 等の磁性材料により磁性層を
構成してもよい。
【0042】なお、下地層、磁性層、保護層等の形成
は、インラインスパッタ装置でなく、通常のスパッタ装
置、例えば、静止対向型スパッタ装置を用いて形成でき
ることは勿論である。
【0043】また、実施例では、保護層をCr層とC層
との2層構造で構成する例を掲げたが、保護層として
は、Cr層の代わりに、他の材料を用いてもよく、その
例として、Mo、Ti、TiW、CrMo、Ta、W、
Si、Ge等の非磁性材料、あるいはこれらの酸化物、
窒化物、炭化物等を用いてもよい。また、この層を2層
以上の層にしてもよい。さらには、C層の代わりに、例
えば、SiO2 、ZrO2 、SiN、SiC膜でもよ
く、あるいは、シリコン化合物等の膜材にシリカ微粒子
等の硬質微粒子を分散させたものでもよい。
【0044】さらに、実施例では潤滑層の材料としてパ
ーフルオロポリエーテルを用いたが、フルオロカーボン
系の液体潤滑剤やスルホン酸のアルカリ金属塩からなる
潤滑剤を用いることもできる。その膜厚は10〜30オ
ングストロームであることが好ましく、その理由は10
オングストローム未満であると耐摩耗性の向上を計るこ
とが充分でなく、また30オングストロームを越えると
耐摩耗性の向上がみられず、しかも磁気ヘッドの吸着の
問題が生ずるからである。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、ガラス
基板上に形成された下地層と、この下地層の上に形成さ
れた磁性層と、この磁性層の上に他の層を介して又は介
さずに形成された保護層と、この保護層上に形成された
潤滑層とを有する磁気記録媒体において、下地層を、ガ
ラス基板に接する側に形成されたAlからなる第1下地
層と、この第1下地層の上に形成されたCuからなる第
2下地層とを有し、第1下地層の厚さを10〜100オ
ングストロームとし、第2下地層の厚さを第1下地層の
厚さの2〜10倍にした構成とすることにより、高保磁
力を有するとともに、再生時のノイズやディスク1周内
におけるエンベロープモジュレーションが小さい磁気記
録媒体を得ているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1にかかる磁気記録媒体の構成
を示す模式的断面図である。
【図2】実施例1〜3及び比較例1〜4の磁気記録媒体
の特性を測定した結果を表にして示した図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…第1下地層、3…第2下地層、4
…第3下地層、5…磁性層、6…保護層、7…潤滑層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 久雄 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が精密研摩されたガラス基板上に形
    成された下地層と、この下地層の上に形成された磁性層
    と、この磁性層の上に他の層を介して又は介さずに形成
    された保護層と、この保護層上に形成された潤滑層とを
    有する磁気記録媒体において、 前記下地層は、前記ガラス基板に接する側に形成された
    Alからなる第1下地層と、この第1下地層の上に形成
    されたCuからなる第2下地層とを有し、 前記第1下地層の厚さを10〜100オングストローム
    とし、前記第2下地層の厚さを前記第1下地層の厚さの
    2〜10倍にしたことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記下地層は、前記第2下地層の上に、
    Cr,Mo,Zr,B,Si,Zn,Ti,W,V,T
    a,Alから選ばれる元素を含む1層以上の層からなる
    第3下地層を有することを特徴とする請求項1に記載の
    磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記第3下地層が膜厚200〜1600
    オングストロームのCr膜からなることを特徴とする請
    求項2に記載の磁気記録媒体。
JP7542795A 1995-03-31 1995-03-31 磁気記録媒体 Pending JPH08273139A (ja)

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JP (1) JPH08273139A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999014746A1 (fr) * 1997-09-17 1999-03-25 Showa Denko K.K. Support 'enregistrement magnetique et son procede de production
US6316062B1 (en) 1997-09-17 2001-11-13 Showa Denko K.K. Magnetic recording medium and method of producing the same

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