JPH08273159A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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- JPH08273159A JPH08273159A JP7542995A JP7542995A JPH08273159A JP H08273159 A JPH08273159 A JP H08273159A JP 7542995 A JP7542995 A JP 7542995A JP 7542995 A JP7542995 A JP 7542995A JP H08273159 A JPH08273159 A JP H08273159A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高保磁力と高い再生出力を有するとともに、
再生時のノイズが小さい磁気記録媒体を得ることができ
る磁気記録媒体の製造法を提供する。 【構成】 基板1上に、少なくとも下地層2,3,4と
磁性層5とを形成する工程を有する磁気記録媒体の製造
方法において、磁性層5の形成工程は、0.1〜5mT
orrの不活性ガス圧力下におけるスパッタリングによ
って、Co100-a- b Cra Tab (但し、a,bは原子
%を示し、10≦a≦16、2≦b≦6である)の組成
を有する磁性膜を形成するものであることを特徴とす
る。
再生時のノイズが小さい磁気記録媒体を得ることができ
る磁気記録媒体の製造法を提供する。 【構成】 基板1上に、少なくとも下地層2,3,4と
磁性層5とを形成する工程を有する磁気記録媒体の製造
方法において、磁性層5の形成工程は、0.1〜5mT
orrの不活性ガス圧力下におけるスパッタリングによ
って、Co100-a- b Cra Tab (但し、a,bは原子
%を示し、10≦a≦16、2≦b≦6である)の組成
を有する磁性膜を形成するものであることを特徴とす
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置その
他に使用される磁気記録媒体の製造方法に関する。
他に使用される磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク等の磁気記録媒体に対す
る高記録密度記録化の要請は近年ますます厳しいものに
なっている。
る高記録密度記録化の要請は近年ますます厳しいものに
なっている。
【0003】ここで、一般に、ハードディスク等の磁気
記録媒体は、非磁性基板に下地層、磁性層及び保護層を
順次形成したもので、この上で磁気ヘッドが搭載された
ヘッドスライダーを浮上走行させながら記録及び再生を
行なう。したがって、この磁気記録媒体の高密度記録化
を実現するためには、磁性層の高保磁力化に加えて、ヘ
ッドスライダーの低浮上走行化及びCSS(contact st
art and stop)に対する高い耐久性等を実現することが
重要である。すなわち、ヘッドスライダーを低浮上走行
させることによって、記録・再生の際の磁気ヘッドと磁
性層との距離を小さくして高密度の記録・再生を可能に
する必要がある。また、この低浮上走行化させると、ヘ
ッドスライダーの走行開始及び停止時における摺動走行
と浮上走行との切替の繰り返し動作(CSS)の際に、
磁気ヘッド及び磁気記録媒体に加わる物理的・機械的負
担が急激に増すので、このCSSにおける磁気ヘッド及
び磁気記録媒体の耐久性向上(高CSS耐久性)も必要
になる。さらには、高密度記録化にともなって再生時の
ノイズ低減化もより厳しく要求される。
記録媒体は、非磁性基板に下地層、磁性層及び保護層を
順次形成したもので、この上で磁気ヘッドが搭載された
ヘッドスライダーを浮上走行させながら記録及び再生を
行なう。したがって、この磁気記録媒体の高密度記録化
を実現するためには、磁性層の高保磁力化に加えて、ヘ
ッドスライダーの低浮上走行化及びCSS(contact st
art and stop)に対する高い耐久性等を実現することが
重要である。すなわち、ヘッドスライダーを低浮上走行
させることによって、記録・再生の際の磁気ヘッドと磁
性層との距離を小さくして高密度の記録・再生を可能に
する必要がある。また、この低浮上走行化させると、ヘ
ッドスライダーの走行開始及び停止時における摺動走行
と浮上走行との切替の繰り返し動作(CSS)の際に、
磁気ヘッド及び磁気記録媒体に加わる物理的・機械的負
担が急激に増すので、このCSSにおける磁気ヘッド及
び磁気記録媒体の耐久性向上(高CSS耐久性)も必要
になる。さらには、高密度記録化にともなって再生時の
ノイズ低減化もより厳しく要求される。
【0004】ところで、現状の多くのハードディスク
は、非磁性基板としてアルミ合金基板を用い、その表面
にNiーPめっきを施して研磨した後、テクスチャー加
工を施して表面に適度の表面粗さを付与しておき、しか
る後に、下地層、磁性層及び保護層等を順次スパッタ法
で形成したものである。すなわち、テクスチャー加工に
よる表面粗さに起因する凹凸が下地層及び磁性層を介し
て保護層表面に表われるようにして、CSSの際にヘッ
ドスライダーが磁気記録媒体に吸着したり、あるいは、
両者の間の摩擦力が所定以上に大きくならないようにし
ている。
は、非磁性基板としてアルミ合金基板を用い、その表面
にNiーPめっきを施して研磨した後、テクスチャー加
工を施して表面に適度の表面粗さを付与しておき、しか
る後に、下地層、磁性層及び保護層等を順次スパッタ法
で形成したものである。すなわち、テクスチャー加工に
よる表面粗さに起因する凹凸が下地層及び磁性層を介し
て保護層表面に表われるようにして、CSSの際にヘッ
ドスライダーが磁気記録媒体に吸着したり、あるいは、
両者の間の摩擦力が所定以上に大きくならないようにし
ている。
【0005】しかしながら、この方式で、上記高保磁力
化、低浮上走行化及び高CSS耐久性を実現させるには
限界があることがわかってきた。これは、テクスチャー
による表面凹凸が形成された上に、その凹凸にならって
凹凸のある下地層及び磁性層を形成していくことになる
ので、スパッタ粒子の入射角度が場所によって異なる等
のことが原因で、下地層及び磁性層の成膜過程で成長す
べき結晶が必ずしも良好に形成されないことが原因の1
つであると考えられる。また、アルミ合金基板の硬度等
の機械的物性が、低浮上走行化及び高CSS化を図るた
めに必要とされる機械的耐久性を満たすには必ずしも十
分なものでなく、さらに、下地層、磁性層及び保護層等
を良好な特性にするためにより高い温度での加熱処理を
はじめとする物理的・化学的処理を施す必要がでてきて
いるが、アルミ合金基板はこれら処理に対する耐熱性や
耐食性等の物理的・化学的耐性も十分でないことがわか
ってきた。
化、低浮上走行化及び高CSS耐久性を実現させるには
限界があることがわかってきた。これは、テクスチャー
による表面凹凸が形成された上に、その凹凸にならって
凹凸のある下地層及び磁性層を形成していくことになる
ので、スパッタ粒子の入射角度が場所によって異なる等
のことが原因で、下地層及び磁性層の成膜過程で成長す
べき結晶が必ずしも良好に形成されないことが原因の1
つであると考えられる。また、アルミ合金基板の硬度等
の機械的物性が、低浮上走行化及び高CSS化を図るた
めに必要とされる機械的耐久性を満たすには必ずしも十
分なものでなく、さらに、下地層、磁性層及び保護層等
を良好な特性にするためにより高い温度での加熱処理を
はじめとする物理的・化学的処理を施す必要がでてきて
いるが、アルミ合金基板はこれら処理に対する耐熱性や
耐食性等の物理的・化学的耐性も十分でないことがわか
ってきた。
【0006】高密度記録化がより容易に実現できる可能
性の高いものとして、最近、非磁性基板にガラス基板を
用いた磁気記録媒体が注目されている。これは、ガラス
の機械的・物理的・化学的耐久性やその表面を比較的容
易に高い平面精度に形成できること等の性質が高密度記
録化実現により適していることがわかってきたためであ
る。すなわち、このガラス基板を用いた磁気記録媒体
は、表面を精密研磨したガラス基板上に、ただちに下地
層、磁性層及び保護層等を順次形成したものであり、ア
ルミ基板を用いた場合と異なり、基板の表面にテクスチ
ャー加工を施さず、保護層自体によって凹凸を付与する
ようにしたものである。このため、下地層や磁性層は、
極めて平滑な面上に形成されていくので、下地層や磁性
層の形成の際の各々の結晶成長の制御等が容易であり、
良好な特性の層を比較的容易に得ることができる。ま
た、保護層表面の粗さについても、アルミ基板を用いた
ものは、基板表面の粗さを下地層や磁性層を介して保護
層上に間接的に表しているので、その粗さ制御が必ずし
も容易でないが、これに比較して、ガラス基板を用いた
ものは、保護層自体によって直接粗さを決定できるの
で、比較的粗さ制御も容易である。
性の高いものとして、最近、非磁性基板にガラス基板を
用いた磁気記録媒体が注目されている。これは、ガラス
の機械的・物理的・化学的耐久性やその表面を比較的容
易に高い平面精度に形成できること等の性質が高密度記
録化実現により適していることがわかってきたためであ
る。すなわち、このガラス基板を用いた磁気記録媒体
は、表面を精密研磨したガラス基板上に、ただちに下地
層、磁性層及び保護層等を順次形成したものであり、ア
ルミ基板を用いた場合と異なり、基板の表面にテクスチ
ャー加工を施さず、保護層自体によって凹凸を付与する
ようにしたものである。このため、下地層や磁性層は、
極めて平滑な面上に形成されていくので、下地層や磁性
層の形成の際の各々の結晶成長の制御等が容易であり、
良好な特性の層を比較的容易に得ることができる。ま
た、保護層表面の粗さについても、アルミ基板を用いた
ものは、基板表面の粗さを下地層や磁性層を介して保護
層上に間接的に表しているので、その粗さ制御が必ずし
も容易でないが、これに比較して、ガラス基板を用いた
ものは、保護層自体によって直接粗さを決定できるの
で、比較的粗さ制御も容易である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、高密度記録化を実現するためには、高保磁力化、低
浮上走行化及び高CSS耐久性を実現することが重要で
あるが、これだけでは十分でない。すなわち、高密度記
録化にともなって、より高い再生出力も要請され、さら
には、再生時のノイズについても、従来は問題とならな
かったようなレベルを問題にしなければならず、これら
の特性についても改善しなければならないことがわかっ
てきた。
に、高密度記録化を実現するためには、高保磁力化、低
浮上走行化及び高CSS耐久性を実現することが重要で
あるが、これだけでは十分でない。すなわち、高密度記
録化にともなって、より高い再生出力も要請され、さら
には、再生時のノイズについても、従来は問題とならな
かったようなレベルを問題にしなければならず、これら
の特性についても改善しなければならないことがわかっ
てきた。
【0008】本発明者等の研究によれば、これらの特性
は、磁性膜をスパッタリング法によって成膜する場合、
その磁性膜の組成と、その磁性膜の成膜の際における不
活性ガス圧力の条件によって少なからず左右されること
がわかってきた。
は、磁性膜をスパッタリング法によって成膜する場合、
その磁性膜の組成と、その磁性膜の成膜の際における不
活性ガス圧力の条件によって少なからず左右されること
がわかってきた。
【0009】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、高保磁力と高い再生出力を有するとともに、
再生時のノイズが小さい磁気記録媒体を提供することを
目的としている。
のであり、高保磁力と高い再生出力を有するとともに、
再生時のノイズが小さい磁気記録媒体を提供することを
目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法は、(構成
1) 基板上に、少なくとも下地層と磁性層とを形成す
る工程を有する磁気記録媒体の製造方法において、前記
磁性層形成工程は、0.1〜5mTorrの不活性ガス
圧力下におけるスパッタリングによって、Co100-a-b
Cra Tab (但し、a,bは原子%を示し、10≦a
≦16、2≦b≦6である)の組成を有する磁性膜を形
成するものであることを特徴とする構成とし、この構成
1の態様として、(構成2) 前記下地層形成工程は、
Al又はTiからなる第1下地層を形成する第1下地層
形成工程と、Cr,Mo,Zr,B,Si,Zn,W,
V,Taから選ばれる元素を含む1層以上の層からなる
第2下地層を形成する第2下地層形成工程とを有するこ
とを特徴とする構成とし、構成1又は2の態様として、
(構成3) 前記不活性ガスがArとKrとを主成分と
する混合ガスであることを特徴とする構成としたもので
ある。
めに本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法は、(構成
1) 基板上に、少なくとも下地層と磁性層とを形成す
る工程を有する磁気記録媒体の製造方法において、前記
磁性層形成工程は、0.1〜5mTorrの不活性ガス
圧力下におけるスパッタリングによって、Co100-a-b
Cra Tab (但し、a,bは原子%を示し、10≦a
≦16、2≦b≦6である)の組成を有する磁性膜を形
成するものであることを特徴とする構成とし、この構成
1の態様として、(構成2) 前記下地層形成工程は、
Al又はTiからなる第1下地層を形成する第1下地層
形成工程と、Cr,Mo,Zr,B,Si,Zn,W,
V,Taから選ばれる元素を含む1層以上の層からなる
第2下地層を形成する第2下地層形成工程とを有するこ
とを特徴とする構成とし、構成1又は2の態様として、
(構成3) 前記不活性ガスがArとKrとを主成分と
する混合ガスであることを特徴とする構成としたもので
ある。
【0011】
【作用】上述の構成1によれば、磁性層形成工程におい
て、0.1〜5mTorrの不活性ガス圧力下における
スパッタリングによって、Co100-a-b Cra Ta
b (但し、a,bは原子%を示し、10≦a≦16、2
≦b≦6である)の組成を有する磁性膜を形成するよう
にしたことにより、高保磁力と高い再生出力を有すると
ともに、再生時のノイズが小さい磁気記録媒体を得るこ
とが可能になった。
て、0.1〜5mTorrの不活性ガス圧力下における
スパッタリングによって、Co100-a-b Cra Ta
b (但し、a,bは原子%を示し、10≦a≦16、2
≦b≦6である)の組成を有する磁性膜を形成するよう
にしたことにより、高保磁力と高い再生出力を有すると
ともに、再生時のノイズが小さい磁気記録媒体を得るこ
とが可能になった。
【0012】これは、第1に、Co、Cr、Taを上記
組成比にしたことによるもので、特にTa添加によっ
て、磁性膜中の磁性粒の粒径が小さくなり、記録ビット
の遷移領域に生じるジグザグ磁壁が小さくなったために
媒体ノイズが低減し、同時に、磁性粒間の磁気的分離度
が促進されたことによる保磁力向上が寄与しているもの
と考えられる。
組成比にしたことによるもので、特にTa添加によっ
て、磁性膜中の磁性粒の粒径が小さくなり、記録ビット
の遷移領域に生じるジグザグ磁壁が小さくなったために
媒体ノイズが低減し、同時に、磁性粒間の磁気的分離度
が促進されたことによる保磁力向上が寄与しているもの
と考えられる。
【0013】また、第2に、磁性層の成膜時に不活性ガ
ス圧力を0.1〜5mTorrの低い圧力にしたことに
よる。ガス圧力をこの程度に低くすることによって、ス
パッタ粒子がガス成分と衝突する確率が小さくなり、平
均自由工程が長くなる。このため、スパッタ粒子が基板
に衝突するまでのエネルギー損失が小さく、膜への打ち
込み効果によってさらに磁性粒の磁気的分離度が高くな
り、上記組成による分離度側効果との相乗効果によって
保磁力をより高いものにしているものと考えられる。
ス圧力を0.1〜5mTorrの低い圧力にしたことに
よる。ガス圧力をこの程度に低くすることによって、ス
パッタ粒子がガス成分と衝突する確率が小さくなり、平
均自由工程が長くなる。このため、スパッタ粒子が基板
に衝突するまでのエネルギー損失が小さく、膜への打ち
込み効果によってさらに磁性粒の磁気的分離度が高くな
り、上記組成による分離度側効果との相乗効果によって
保磁力をより高いものにしているものと考えられる。
【0014】また、構成2によれば、第1下地層の存在
により第2下地層の膜厚を比較的薄くしてもこの上に形
成される磁性層の結晶粒の成長を良好なものにすること
ができ、さらに、構成3のように、不活性ガスとしてA
rとKrとを主成分とする混合ガスを用いることによ
り、構成1又は2の発明による効果をより著しいものに
することが可能になる。
により第2下地層の膜厚を比較的薄くしてもこの上に形
成される磁性層の結晶粒の成長を良好なものにすること
ができ、さらに、構成3のように、不活性ガスとしてA
rとKrとを主成分とする混合ガスを用いることによ
り、構成1又は2の発明による効果をより著しいものに
することが可能になる。
【0015】
(実施例1)図1は本発明の実施例1にかかる磁気記録
媒体の製造方法で製造された磁気記録媒体の構成を示す
模式的断面図である。以下、図1を用いてまず実施例1
にかかる製造方法で製造した磁気記録媒体を説明し、次
に実施例1の磁気記録媒体の製造方法を説明する。
媒体の製造方法で製造された磁気記録媒体の構成を示す
模式的断面図である。以下、図1を用いてまず実施例1
にかかる製造方法で製造した磁気記録媒体を説明し、次
に実施例1の磁気記録媒体の製造方法を説明する。
【0016】図1に示されるように、この実施例の製造
方法で製造した磁気記録媒体は、要するに、ガラス基板
1の上に、順次、第1下地層2、第2下地層3、第3下
地層4、磁性層5、保護層6及び潤滑層7を形成した磁
気ディスクである。
方法で製造した磁気記録媒体は、要するに、ガラス基板
1の上に、順次、第1下地層2、第2下地層3、第3下
地層4、磁性層5、保護層6及び潤滑層7を形成した磁
気ディスクである。
【0017】ガラス基板1は、化学強化ガラスを、外径
65mmφ、中心部の穴径20mmφ、厚さ0.9mm
のディスク状に形成し、その両主表面を表面粗さがRm
axで30オングストロームとなるように精密研磨した
ものである。
65mmφ、中心部の穴径20mmφ、厚さ0.9mm
のディスク状に形成し、その両主表面を表面粗さがRm
axで30オングストロームとなるように精密研磨した
ものである。
【0018】ここで、ガラス基板1を構成する化学強化
ガラスとしては、主たる成分として重量%で、SiO2
が62〜75%、Al2 O3 が5〜15%、LiO2 が
4〜10%、Na2 Oが4〜12%、ZrO2 が5.5
〜15%それぞれ含有するとともに、Na2 O/ZrO
2 の重量比が0.5〜2.0、Al2 O3 /ZrO2の
重量比が0.4〜2.5である化学強化用ガラスを、N
aイオン及び/又はKイオンを含有する処理浴でイオン
交換処理して化学強化したもの(詳しくは、特開平5ー
32431号公報参照)を用いた。
ガラスとしては、主たる成分として重量%で、SiO2
が62〜75%、Al2 O3 が5〜15%、LiO2 が
4〜10%、Na2 Oが4〜12%、ZrO2 が5.5
〜15%それぞれ含有するとともに、Na2 O/ZrO
2 の重量比が0.5〜2.0、Al2 O3 /ZrO2の
重量比が0.4〜2.5である化学強化用ガラスを、N
aイオン及び/又はKイオンを含有する処理浴でイオン
交換処理して化学強化したもの(詳しくは、特開平5ー
32431号公報参照)を用いた。
【0019】第1下地層2は、厚さ約60オングストロ
ームのAlの薄膜である。
ームのAlの薄膜である。
【0020】第2下地膜3は、厚さ約600オングスト
ロームのCr膜である。
ロームのCr膜である。
【0021】第3下地層4は、厚さ約1200オングス
トロームのCr膜である。
トロームのCr膜である。
【0022】磁性層5は、厚さ約500オングストロー
ムのCoCrTa膜である。ここで、CoCrTa膜の
組成は、原子%比で、Co:Cr:Ta=84:12:
4(a=12、b=4)の組成を有している。
ムのCoCrTa膜である。ここで、CoCrTa膜の
組成は、原子%比で、Co:Cr:Ta=84:12:
4(a=12、b=4)の組成を有している。
【0023】保護層6は、磁性層5の上に形成された厚
さ約50オングストロームのCr層61と、このCr層
61の上に形成された厚さ約300オングストロームの
カーボン(C)膜の2層からなる。
さ約50オングストロームのCr層61と、このCr層
61の上に形成された厚さ約300オングストロームの
カーボン(C)膜の2層からなる。
【0024】潤滑層7は、パーフルオロポリエーテルか
らなる潤滑剤(例えば、モンテジソン社製AM2001
がある)を浸漬法により、保護膜6上に塗布して膜厚約
20オングストロームに形成したものである。
らなる潤滑剤(例えば、モンテジソン社製AM2001
がある)を浸漬法により、保護膜6上に塗布して膜厚約
20オングストロームに形成したものである。
【0025】次に、上述の実施例の磁気記録媒体の製造
方法を説明する。
方法を説明する。
【0026】まず、化学強化ガラスを、外径65mm
φ、中心部の穴径20mmφ、厚さ0.9mmのディス
ク状に形成し、その両主表面を表面粗さがRmaxで3
0オングストロームとなるように精密研磨してガラス基
板1を得る。
φ、中心部の穴径20mmφ、厚さ0.9mmのディス
ク状に形成し、その両主表面を表面粗さがRmaxで3
0オングストロームとなるように精密研磨してガラス基
板1を得る。
【0027】次に、上記ガラス基板1に、該ガラス基板
1の加熱処理、第1下地層2の成膜、第2下地層3の成
膜、第3下地層4の成膜、磁性層5の成膜及び保護層6
の成膜の各工程をインラインスパッタ装置を用いて連続
的に行う。
1の加熱処理、第1下地層2の成膜、第2下地層3の成
膜、第3下地層4の成膜、磁性層5の成膜及び保護層6
の成膜の各工程をインラインスパッタ装置を用いて連続
的に行う。
【0028】インラインスパッタ装置としては、周知の
インライン型のDCマグネトロンスパッタ装置を用い
た。図示しないが、このインラインスパッタ装置は、搬
送方向に向かって、基板加熱ヒータが設けられた第1の
チャンバー、Alターゲット及びCrターゲットが順次
設置された第2のチャンバー、Crターゲット及びCo
CrTaターゲットが順次設置された第3のチャンバ
ー、並びに、Crターゲット及びC(カーボン)ターゲ
ットが順次設置された第4のチャンバーがそれぞれ設け
られたものである。
インライン型のDCマグネトロンスパッタ装置を用い
た。図示しないが、このインラインスパッタ装置は、搬
送方向に向かって、基板加熱ヒータが設けられた第1の
チャンバー、Alターゲット及びCrターゲットが順次
設置された第2のチャンバー、Crターゲット及びCo
CrTaターゲットが順次設置された第3のチャンバ
ー、並びに、Crターゲット及びC(カーボン)ターゲ
ットが順次設置された第4のチャンバーがそれぞれ設け
られたものである。
【0029】そして、ガラス基板1をロードロック室を
介して第1のチャンバー内に導入すると、該ガラス基板
1は、所定の搬送装置によって上記各チャンバー内を次
々と所定の一定の速度で搬送され、その間に以下の成膜
や処理がなされる。
介して第1のチャンバー内に導入すると、該ガラス基板
1は、所定の搬送装置によって上記各チャンバー内を次
々と所定の一定の速度で搬送され、その間に以下の成膜
や処理がなされる。
【0030】すなわち、まず、第1のチャンバー内で
は、基板を375℃で2分間加熱する処理がなされる。
第2のチャンバー内では、第1下地層2たる膜厚60オ
ングストロームのAl膜及び第2下地層3たる膜厚60
0オングストロームのCr膜が順次成膜される。第3の
チャンバー内では、第3下地層4たる膜厚1200オン
グストロームのCr膜及び磁性層5たる膜厚500オン
グストロームのCoCrTa膜が順次成膜される。第4
のチャンバー内では、保護層6を構成する膜厚50オン
グストロームのCr膜61及び膜厚300オングストロ
ームのC膜62が順次成膜される。なお、上記各チャン
バー内は1×10-5Torr以下の圧力まで減圧され、
スパッタガスとしてアルゴン(Ar;80〜98体積
%)とクリプトン(Kr;2〜20体積%)との混合ガ
スが用いられる。スパッタガス圧は、第2のチャンバー
内では5mTorr、第3のチャンバー内では2mTo
rr、第4のチャンバー内では5mTorrである。
は、基板を375℃で2分間加熱する処理がなされる。
第2のチャンバー内では、第1下地層2たる膜厚60オ
ングストロームのAl膜及び第2下地層3たる膜厚60
0オングストロームのCr膜が順次成膜される。第3の
チャンバー内では、第3下地層4たる膜厚1200オン
グストロームのCr膜及び磁性層5たる膜厚500オン
グストロームのCoCrTa膜が順次成膜される。第4
のチャンバー内では、保護層6を構成する膜厚50オン
グストロームのCr膜61及び膜厚300オングストロ
ームのC膜62が順次成膜される。なお、上記各チャン
バー内は1×10-5Torr以下の圧力まで減圧され、
スパッタガスとしてアルゴン(Ar;80〜98体積
%)とクリプトン(Kr;2〜20体積%)との混合ガ
スが用いられる。スパッタガス圧は、第2のチャンバー
内では5mTorr、第3のチャンバー内では2mTo
rr、第4のチャンバー内では5mTorrである。
【0031】次いで、保護層6の形成までを行った基板
を上記インラインスパッタ装置から取り出し、その保護
層6の表面に、スピンコート法によってパーフルオロポ
リエーテルを塗布し、厚さ20オングストロームの潤滑
層7を形成して実施例1にかかる磁気記録媒体を得た。
を上記インラインスパッタ装置から取り出し、その保護
層6の表面に、スピンコート法によってパーフルオロポ
リエーテルを塗布し、厚さ20オングストロームの潤滑
層7を形成して実施例1にかかる磁気記録媒体を得た。
【0032】(実施例2〜4)上述の実施例1における
磁性層5の形成工程におけるアルゴンとクリプトンとの
混合ガス圧力のみを変えて、1.5mTorr、5mT
orr、1.2mTorrとしたものを、それぞれ実施
例2,3,4とした。
磁性層5の形成工程におけるアルゴンとクリプトンとの
混合ガス圧力のみを変えて、1.5mTorr、5mT
orr、1.2mTorrとしたものを、それぞれ実施
例2,3,4とした。
【0033】(実施例5)上述の実施例1における磁性
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=86:12:2に
かえた外は実施例1と同一の構成(磁性層5の成膜時の
ガス圧力は2mTorr)を有するものを実施例5とし
た。
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=86:12:2に
かえた外は実施例1と同一の構成(磁性層5の成膜時の
ガス圧力は2mTorr)を有するものを実施例5とし
た。
【0034】(実施例6)上述の実施例1における磁性
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=82:12:6に
変えた外は実施例1と同一の構成(磁性層5の成膜時の
ガス圧力は2mTorr)を有するものを実施例6とし
た。
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=82:12:6に
変えた外は実施例1と同一の構成(磁性層5の成膜時の
ガス圧力は2mTorr)を有するものを実施例6とし
た。
【0035】(実施例7)上述の実施例1における磁性
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=86:10:4に
変え、かつ、磁性層5の成膜時のガス圧力を1.5mT
orrに変えた外は実施例1と同一の構成を有するもの
を実施例7とした。
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=86:10:4に
変え、かつ、磁性層5の成膜時のガス圧力を1.5mT
orrに変えた外は実施例1と同一の構成を有するもの
を実施例7とした。
【0036】(実施例8)上述の実施例1における磁性
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=80:16:4に
変え、かつ、磁性層5の成膜時のガス圧力を4mTor
rに変えた外は実施例1と同一の構成を有するものを実
施例8とした。
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=80:16:4に
変え、かつ、磁性層5の成膜時のガス圧力を4mTor
rに変えた外は実施例1と同一の構成を有するものを実
施例8とした。
【0037】(実施例9)上述の実施例1における不活
性ガスをアルゴン(Ar)単独のガスとし、また、磁性
層5の組成比をCo:Cr:Ta=80:16:4に
し、さらに、磁性層5の成膜時のガス圧力を4mTor
rに変えた外は実施例1と同一の構成を有するものを実
施例9とした。
性ガスをアルゴン(Ar)単独のガスとし、また、磁性
層5の組成比をCo:Cr:Ta=80:16:4に
し、さらに、磁性層5の成膜時のガス圧力を4mTor
rに変えた外は実施例1と同一の構成を有するものを実
施例9とした。
【0038】(比較例1〜2)上述の実施例1における
不活性ガスをアルゴン単独のガスとし、磁性層5の形成
工程におけるアルゴンガス圧力を変えて、6mTor
r、10mTorr(いずれも5mTorrを越える)
にしたものを、それぞれ比較例1,2とした。
不活性ガスをアルゴン単独のガスとし、磁性層5の形成
工程におけるアルゴンガス圧力を変えて、6mTor
r、10mTorr(いずれも5mTorrを越える)
にしたものを、それぞれ比較例1,2とした。
【0039】(比較例3)上述の実施例1における磁性
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=85:14:1
(Taが2%未満)に変え、かつ、磁性層5の成膜時の
ガス圧力を5mTorrに変えた外は実施例1と同一の
構成を有するものを比較例3とした。
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=85:14:1
(Taが2%未満)に変え、かつ、磁性層5の成膜時の
ガス圧力を5mTorrに変えた外は実施例1と同一の
構成を有するものを比較例3とした。
【0040】(比較例4)上述の実施例1における磁性
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=78:14:8
(Taが6%を越える)に変え、かつ、磁性層5の成膜
時のガス圧力を4mTorrに変えた外は実施例1と同
一の構成を有するものを比較例4とした。
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=78:14:8
(Taが6%を越える)に変え、かつ、磁性層5の成膜
時のガス圧力を4mTorrに変えた外は実施例1と同
一の構成を有するものを比較例4とした。
【0041】(比較例5)上述の実施例1における磁性
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=88:8:4(C
rが10%未満)に変え、かつ、磁性層5の成膜時のガ
ス圧力を1mTorrに変えた外は実施例1と同一の構
成を有するものを比較例5とした。
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=88:8:4(C
rが10%未満)に変え、かつ、磁性層5の成膜時のガ
ス圧力を1mTorrに変えた外は実施例1と同一の構
成を有するものを比較例5とした。
【0042】(比較例6)上述の実施例1における磁性
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=76:20:4
(Crが16%を越える)に変え、かつ、磁性層5の成
膜時のガス圧力を3mTorrに変えた外は実施例1と
同一の構成を有するものを比較例6とした。
層5の組成比を、Co:Cr:Ta=76:20:4
(Crが16%を越える)に変え、かつ、磁性層5の成
膜時のガス圧力を3mTorrに変えた外は実施例1と
同一の構成を有するものを比較例6とした。
【0043】図2は上述の実施例1〜9及び比較例1〜
6の磁気記録媒体の特性を測定した結果を表にして示し
た図である。
6の磁気記録媒体の特性を測定した結果を表にして示し
た図である。
【0044】なお、保磁力(Hc)の測定は、製造した
磁気記録媒体から8mmφの試料を切り出して、膜面方
向に磁場を印加し、振動試料型磁力計により最大外部印
加磁場10kOeで測定した。
磁気記録媒体から8mmφの試料を切り出して、膜面方
向に磁場を印加し、振動試料型磁力計により最大外部印
加磁場10kOeで測定した。
【0045】また、記録再生特性(再生出力及び媒体ノ
イズ)の測定は、次のようにして行った。すなわち、得
られた磁気ディスクを用いて、磁気ヘッド浮上量が0.
055μmの薄膜ヘッドを用い、薄膜ヘッドと磁気ディ
スクの相対速度を6m/sで、線記録密度70kfcc
(1インチあたり70,000ビットの線記録密度)に
おける記録再生出力を測定した。また、キャリア周波数
8.5MHzで、測定帯域を15MHzとしてスペクト
ルアナライザーにより信号記録再生時のノイズスペクト
ラムを測定した。本測定に用いた薄膜ヘッドは、コイル
ターン数50、トラック幅6μm、磁気ヘッドギャップ
長0.25μmである。
イズ)の測定は、次のようにして行った。すなわち、得
られた磁気ディスクを用いて、磁気ヘッド浮上量が0.
055μmの薄膜ヘッドを用い、薄膜ヘッドと磁気ディ
スクの相対速度を6m/sで、線記録密度70kfcc
(1インチあたり70,000ビットの線記録密度)に
おける記録再生出力を測定した。また、キャリア周波数
8.5MHzで、測定帯域を15MHzとしてスペクト
ルアナライザーにより信号記録再生時のノイズスペクト
ラムを測定した。本測定に用いた薄膜ヘッドは、コイル
ターン数50、トラック幅6μm、磁気ヘッドギャップ
長0.25μmである。
【0046】図2の表から明らかなように、磁性層5の
形成工程における不活性ガス圧力が0.1〜5mTor
rであり、かつ、成膜される磁性層5の組成がCo
100-a-bCra Tab (但し、a,bは原子%を示し、
10≦a≦16、6.2≦b≦6である)である場合に
は、得られた磁気記録媒体は、全て、保磁力が1580
Oe以上、再生出力が165μV以上、媒体ノイズが
2.8μVrms以下であるという優れた特性を有して
いることがわかる。
形成工程における不活性ガス圧力が0.1〜5mTor
rであり、かつ、成膜される磁性層5の組成がCo
100-a-bCra Tab (但し、a,bは原子%を示し、
10≦a≦16、6.2≦b≦6である)である場合に
は、得られた磁気記録媒体は、全て、保磁力が1580
Oe以上、再生出力が165μV以上、媒体ノイズが
2.8μVrms以下であるという優れた特性を有して
いることがわかる。
【0047】これに対して、磁性層5の成膜工程時にお
けるアルゴンガス圧力が6mTorrであって、5mT
orrを越える比較例1では、保磁力が1500 O
e、再生出力が160μVでいずれも各実施例に比較し
て低く、逆に、媒体ノイズは2.9μVrmsといずれ
の実施例よりも大きく、いずれの特性も実施例に比較し
て劣る。
けるアルゴンガス圧力が6mTorrであって、5mT
orrを越える比較例1では、保磁力が1500 O
e、再生出力が160μVでいずれも各実施例に比較し
て低く、逆に、媒体ノイズは2.9μVrmsといずれ
の実施例よりも大きく、いずれの特性も実施例に比較し
て劣る。
【0048】同様に、アルゴンガス圧力を10mTor
rとさらに大きく5mTorrを越える比較例2では、
保磁力が1400 Oe、再生出力が155μVでいず
れも各実施例に比較してさらに低く、逆に、媒体ノイズ
は3.1μVrmsであってさらに大きくなっており、
実施例に比較してさらに劣る。
rとさらに大きく5mTorrを越える比較例2では、
保磁力が1400 Oe、再生出力が155μVでいず
れも各実施例に比較してさらに低く、逆に、媒体ノイズ
は3.1μVrmsであってさらに大きくなっており、
実施例に比較してさらに劣る。
【0049】また、磁性層5の組成におけるTaの含有
率が1%であって、2%未満である比較例3において
も、保磁力が1500 Oe、再生出力が160μVで
いずれも各実施例に比較して低く、逆に、媒体ノイズは
3.0μVrmsといずれの実施例よりも大きく、いず
れの特性も実施例に比較して劣る。
率が1%であって、2%未満である比較例3において
も、保磁力が1500 Oe、再生出力が160μVで
いずれも各実施例に比較して低く、逆に、媒体ノイズは
3.0μVrmsといずれの実施例よりも大きく、いず
れの特性も実施例に比較して劣る。
【0050】また、磁性層5の組成におけるTaの含有
率が8%であって、6%を越える比較例4においては、
媒体ノイズは2.3μVrmsと実施例と同等レベルで
あるが、保磁力が1570 Oe、再生出力が155μ
Vでいずれも各実施例に比較して低いので総合特性で実
施例に比較して劣る。
率が8%であって、6%を越える比較例4においては、
媒体ノイズは2.3μVrmsと実施例と同等レベルで
あるが、保磁力が1570 Oe、再生出力が155μ
Vでいずれも各実施例に比較して低いので総合特性で実
施例に比較して劣る。
【0051】磁性層5の組成におけるCrの含有率が8
%であって、10%未満である比較例5においては、保
磁力が1300 Oe、再生出力が155μVでいずれ
も各実施例に比較して低く、逆に、媒体ノイズは4.1
μVrmsといずれの実施例よりも大きく、いずれの特
性も実施例に比較して劣る。
%であって、10%未満である比較例5においては、保
磁力が1300 Oe、再生出力が155μVでいずれ
も各実施例に比較して低く、逆に、媒体ノイズは4.1
μVrmsといずれの実施例よりも大きく、いずれの特
性も実施例に比較して劣る。
【0052】磁性層5の組成におけるCrの含有率が2
0%であって、16%を越える比較例6においては、保
磁力が1600 Oeと実施例と同等であり、媒体ノイ
ズも2.2μVrmsと低く実施例と同等であるが、再
生出力が150μVでいずれも各実施例に比較して低い
ので、総合特性で実施例に比較して劣る。
0%であって、16%を越える比較例6においては、保
磁力が1600 Oeと実施例と同等であり、媒体ノイ
ズも2.2μVrmsと低く実施例と同等であるが、再
生出力が150μVでいずれも各実施例に比較して低い
ので、総合特性で実施例に比較して劣る。
【0053】以上実施例により本発明を説明してきた
が、本発明は以下の変形例及び応用例を含むものであ
る。
が、本発明は以下の変形例及び応用例を含むものであ
る。
【0054】上述の実施例では、基板として、アルミノ
シリケート系の化学強化ガラスを用いた例を掲げたが、
ボロシリケート、アルミノボロシリケート、石英ガラ
ス、ソーダライムガラス等の他のガラスを使用すること
ができる。これらは、その表面を表面粗さがRmaxで
100オングストローム以下に容易に研磨して仕上げる
ことができるものである。また、基板の外径をより小径
にしまた厚さを薄くしてもよい。さらには、基板はガラ
スでなくてもよく、アルミ基板やセラミックス基板、あ
るいは、高分子フィルムであってもよい。
シリケート系の化学強化ガラスを用いた例を掲げたが、
ボロシリケート、アルミノボロシリケート、石英ガラ
ス、ソーダライムガラス等の他のガラスを使用すること
ができる。これらは、その表面を表面粗さがRmaxで
100オングストローム以下に容易に研磨して仕上げる
ことができるものである。また、基板の外径をより小径
にしまた厚さを薄くしてもよい。さらには、基板はガラ
スでなくてもよく、アルミ基板やセラミックス基板、あ
るいは、高分子フィルムであってもよい。
【0055】また、実施例では、第1下地層がAlであ
る場合を掲げたが、これは、TiSi、Pb、Cu、I
n又はGaのいずれか1又は2以上を主たる成分とする
ものでもよい。
る場合を掲げたが、これは、TiSi、Pb、Cu、I
n又はGaのいずれか1又は2以上を主たる成分とする
ものでもよい。
【0056】また、実施例では、第2下地層がCrであ
る場合を掲げたが、これは、TiW、Mo、Ti、T
a、W、Zr、Cu、Al、Zn、In、Sn等の非磁
性材料を用いることができる。なお、これら下地層は2
層以上で構成したものでもよい。
る場合を掲げたが、これは、TiW、Mo、Ti、T
a、W、Zr、Cu、Al、Zn、In、Sn等の非磁
性材料を用いることができる。なお、これら下地層は2
層以上で構成したものでもよい。
【0057】なお、下地層、磁性層、保護層等の形成
は、インラインスパッタ装置でなく、通常のスパッタ装
置、すなわち、静止対向型スパッタ装置を用いて形成で
きることは勿論である。
は、インラインスパッタ装置でなく、通常のスパッタ装
置、すなわち、静止対向型スパッタ装置を用いて形成で
きることは勿論である。
【0058】また、実施例では、保護層をCr層とC層
との2層構造で構成する例を掲げたが、保護層として
は、Cr層の代わりに、他の材料を用いてもよく、その
例として、Mo、Ti、TiW、CrMo、Ta、W、
Si、Ge等の非磁性材料、あるいはこれらの酸化物、
窒化物、炭化物等を用いてもよい。また、この層を2層
以上の層にしてもよい。さらには、C層の代わりに、例
えば、SiO2 、SiN、SiC、ZrO2 膜でもよ
く、あるいは、有機シリコン化合物等の膜材にシリカ微
粒子等の硬質微粒子を分散させたものでもよい。
との2層構造で構成する例を掲げたが、保護層として
は、Cr層の代わりに、他の材料を用いてもよく、その
例として、Mo、Ti、TiW、CrMo、Ta、W、
Si、Ge等の非磁性材料、あるいはこれらの酸化物、
窒化物、炭化物等を用いてもよい。また、この層を2層
以上の層にしてもよい。さらには、C層の代わりに、例
えば、SiO2 、SiN、SiC、ZrO2 膜でもよ
く、あるいは、有機シリコン化合物等の膜材にシリカ微
粒子等の硬質微粒子を分散させたものでもよい。
【0059】さらに、実施例では潤滑層の材料としてパ
ーフルオロポリエーテルを用いたが、フルオロカーボン
系の液体潤滑剤やスルホン酸のアルカリ金属塩からなる
潤滑剤を用いることもできる。その膜厚は10〜30オ
ングストロームであることが好ましく、その理由は10
オングストローム未満であると耐摩耗性の向上を計るこ
とが充分でなく、また30オングストロームを越えると
耐摩耗性の向上がみられず、しかもスペーシングロスの
問題が生ずるからである。
ーフルオロポリエーテルを用いたが、フルオロカーボン
系の液体潤滑剤やスルホン酸のアルカリ金属塩からなる
潤滑剤を用いることもできる。その膜厚は10〜30オ
ングストロームであることが好ましく、その理由は10
オングストローム未満であると耐摩耗性の向上を計るこ
とが充分でなく、また30オングストロームを越えると
耐摩耗性の向上がみられず、しかもスペーシングロスの
問題が生ずるからである。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、磁性層
形成工程において、0.1〜5mTorrの不活性ガス
圧力下におけるスパッタリングによって、Co100-a-b
CraTab (但し、a,bは原子%を示し、10≦a
≦16、2≦b≦6である)の組成を有する磁性膜を形
成するようにしたことにより、高保磁力と高い再生出力
を有するとともに、再生時のノイズが小さい磁気記録媒
体を得ることを可能にしたものである。
形成工程において、0.1〜5mTorrの不活性ガス
圧力下におけるスパッタリングによって、Co100-a-b
CraTab (但し、a,bは原子%を示し、10≦a
≦16、2≦b≦6である)の組成を有する磁性膜を形
成するようにしたことにより、高保磁力と高い再生出力
を有するとともに、再生時のノイズが小さい磁気記録媒
体を得ることを可能にしたものである。
【図1】本発明の実施例1にかかる磁気記録媒体の製造
方法で製造される磁気記録媒体の構成を示す模式的断面
図である。
方法で製造される磁気記録媒体の構成を示す模式的断面
図である。
【図2】実施例1〜9及び比較例1〜6の磁気記録媒体
の特性を測定した結果を表にして示した図である。
の特性を測定した結果を表にして示した図である。
1…ガラス基板、2…第1下地層、3…第2下地層、4
…第3下地層、5…磁性層、6…保護層、7…潤滑層。
…第3下地層、5…磁性層、6…保護層、7…潤滑層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/18 H01F 41/18 (72)発明者 河角 功 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 (72)発明者 河合 久雄 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上に、少なくとも下地層と磁性層と
を形成する工程を有する磁気記録媒体の製造方法におい
て、 前記磁性層形成工程は、0.1〜5mTorrの不活性
ガス圧力下におけるスパッタリングによって、Co
100-a-b Cra Tab (但し、a,bは原子%を示し、
10≦a≦16、2≦b≦6である)の組成を有する磁
性膜を形成するものであることを特徴とする磁気記録媒
体の製造方法。 - 【請求項2】 前記下地層形成工程は、Al又はTiか
らなる第1下地層を形成する第1下地層形成工程と、C
r,Mo,Zr,B,Si,Zn,W,V,Taから選
ばれる元素を含む1層以上の層からなる第2下地層を形
成する第2下地層形成工程とを有することを特徴とする
請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項3】 前記不活性ガスがArとKrとを主成分
とする混合ガスであることを特徴とする請求項1又は2
に記載の磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7542995A JPH08273159A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7542995A JPH08273159A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08273159A true JPH08273159A (ja) | 1996-10-18 |
Family
ID=13575974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7542995A Pending JPH08273159A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08273159A (ja) |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP7542995A patent/JPH08273159A/ja active Pending
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