JPH08271542A - 加速度検出装置及び乗員保護装置 - Google Patents

加速度検出装置及び乗員保護装置

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JPH08271542A
JPH08271542A JP7071155A JP7115595A JPH08271542A JP H08271542 A JPH08271542 A JP H08271542A JP 7071155 A JP7071155 A JP 7071155A JP 7115595 A JP7115595 A JP 7115595A JP H08271542 A JPH08271542 A JP H08271542A
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JP
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point correction
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JP7071155A
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English (en)
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Satoshi Hatake
聡志 畠
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は車両に作用する加速度を検出する加
速度検出装置と、その検出値に基づいて、所定の運動状
況下で車両の乗員を保護するための処理を実行する乗員
保護装置に関する。 【構成】 エアバッグの点火装置であるスクイブ30に
点火トランジスタ32を接続し、点火トランジスタ32
をマイクロコンピュータ34で制御する。マイクロコン
ピュータ34は、Gセンサ38の零点補正値Yn を演算
すると共に、そのYn を用いて現実の加速度を検出し、
所定値を越える減速度が検出された際に点火トランジス
タ32をオンとする。マイクロコンピュータ34は、Y
n を揮発性メモリRAM34eと不揮発性メモリEEP
ROM36に書き込み、電源オンの直後は、EEPRO
M34内のYn を用いて加速度検出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速度検出装置及び乗
員保護装置に係り、特に、車両に作用する加速度を検出
するのに好適な加速度検出装置、及び、その加速度検出
装置を用いて、車両に対して所定値を越えるエネルギが
作用したと判断できる場合に、車両乗員を保護するため
の処理を実行する乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平6−15618
4号公報に開示される如く、所定期間の出力の平均値に
基づいて零点補正を行う加速度検出装置が開示されてい
る。すなわち、加速度の検出は、一般に、加速度の作用
に起因して特定の部材に発生する歪みの大きさを、歪み
ゲージ等で検出することにより行われる。この際、歪み
ゲージ等からは、加速度の作用に起因して生する出力値
に、何ら加速度が作用しない状況下で出力される値(以
下、零点補正値と称す)が重畳されて出力される。従っ
て、現実に作用した加速度を精度良く検出するために
は、歪みゲージ等の出力から零点補正値を減ずる補正を
行うことが必要である。
【0003】ところで、加速度検出装置が、例えば車両
のように、絶えず様々な加速度の付与を受ける移動体に
搭載される場合は、加速度検出装置に何らの加速度も作
用していない状態を特定することが必ずしも容易ではな
い。従って、このような場合は、歪みゲージ等の出力値
から直接的に零点補正値を読みだすことが困難であり、
適切な零点補正を行うためには、何らかの工夫を講ずる
ことが必要となる。
【0004】これに対して、車両の走行中は、加減速、
及び左右旋回が、ほぼ均等に繰り返し行われるため、車
両に作用する加速度を長期的に平均化すれば、その値
は、何らの加速度も車両に作用していない場合に出力さ
れる値に近づく。このため、上記公報記載の装置の如
く、所定期間における出力の平均値に基づいて零点補正
を行うこととすれば、高精度な零点補正を実現すること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の加
速度検出装置の如く、零点補正の実行に先立って、所定
期間の出力の平均値を求める必要がある構成において
は、装置の電源がオフとされ、過去所定期間における出
力データが消去されると、再度電源がオンとされた後、
所定期間は、零点補正が行い得ない状態に陥る。この意
味で、上記従来の加速度検出装置は、簡易に、高精度な
零点補正を実現し得るという効果を有してはいるもの
の、電源がオンとされた後、所定期間は、加速度の検出
精度が悪化し易いという問題を有するものであった。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、零点補正値を揮発性メモリと共に不揮発性メモ
リに記憶し、電源がオンとされた直後は、不揮発性メモ
リ内に記憶される零点補正値に基づいて零点補正を行う
ことにより、上記の課題を解決する加速度検出装置を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する加速度検出装置及び乗員保護装置の原理構成図を
示す。すなわち、上記の目的は、図1に示す如く、出力
の零点補正値を求める零点補正値算出手段M1と、零点
補正値に基づいて検出加速度を補正する検出加速度補正
手段M7とを備える加速度検出装置において、データの
書き込みが可能な揮発性記憶手段M2と、該揮発性記憶
手段M2に、前記零点補正値M1を書き込む揮発性デー
タ書き込み手段M3と、データの書き込みが可能な不揮
発性記憶手段M4と、該不揮発性記憶手段M4に、前記
零点補正値M1を書き込む不揮発データ書き込み手段M
5と、前記揮発性記憶手段M2に記憶される零点補正値
がリセットされた場合に、前記不揮発性記憶手段M4に
記憶される零点補正値を読みだす不揮発データ読み出し
手段M6と、を備える請求項1記載の加速度検出装置に
より達成される。
【0008】また、上記請求項1記載の加速度検出装置
を用いて車両の運動状況を検出し、所定の運動状況が検
出された際に、乗員の保護を図るべく、所定の処理を実
行する乗員保護装置であって、前記揮発データ書き込み
手段M3が、所定間隔毎に、前記揮発性記憶手段M2に
新たな零点補正値M1を書き込むと共に、前記不揮発デ
ータ書き込み手段M5が、前記所定間隔に比して長い間
隔毎に、前記不揮発性記憶手段M4に新たな零点補正値
M1を書き込む請求項2記載の乗員保護装置は、車両運
動状態の検出頻度の低下を防止しつつ、前記不揮発性記
憶手段M4へのデータの書き込みを可能とする点で有効
である。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明において、零点補正値算出
手段M1によって算出される零点補正値は、揮発データ
書き込み手段M3によって揮発性記憶手段M2に書き込
まれる。検出加速度補正手段M7は、その零点補正値を
用いて検出加速度の補正を行う。
【0010】また、零点補正値算出手段M1によって算
出される零点補正値は、揮発性記憶手段M2に記憶され
ると共に、不揮発データ書き込み手段M5によって不揮
発性記憶手段M4に書き込まれる。従って、加速度検出
装置の電源がオフとなり、揮発性記憶手段M2の記憶デ
ータが消去されても、電源がオフとされる直前に不揮発
性記憶手段M4に書き込まれた零点補正値が、不揮発性
記憶手段M4内に記憶された状態となる。
【0011】また、前記不揮発データ読み出し手段M6
は、揮発性記憶手段M2の記憶データがリセットされた
場合、その後、不揮発性記憶手段M4から零点補正値を
読み出す。従って、加速度検出装置の電源がオンとされ
た後に、揮発性記憶手段M2内に零点補正値が記憶され
ていなければ、前回電源がオフとされる直前に不揮発性
記憶手段M4に記憶された零点補正値が読み出され、以
後、その零点補正値に基づいて高精度に零点補正が実行
されることになる。
【0012】請求項2記載の乗員保護装置において、前
記加速度検出装置が検出する加速度は、車両の運動状況
を表すデータの一部を構成する。従って、車両が所定の
運動状況となった際の乗員保護装置の応答性を高めるた
めには、可能な限り加速度を頻繁に検出することが望ま
しい。
【0013】ところで、揮発性記憶手段M2へのデータ
の書き込みは、車両の運動状態が変化するスピードに対
して、極めて短時間で行うことができる。一方、不揮発
性記憶手段M4へのデータの書き込みには、比較的長時
間を要する。従って、揮発性記憶手段M2に零点補正値
M1を書き込む毎に、不揮発性記憶手段M4に零点補正
値M1を書き込むこととすると、加速度を検出するため
の一連の処理に要する時間が長期化し、検出頻度が低下
する事態を招く。
【0014】これに対して、本発明においては、不揮発
データ書き込み手段M5が、揮発性記憶手段M2への零
点補正値M1の書き込み間隔に比して長い間隔毎に、新
たな零点補正値M1を不揮発性記憶手段M4に書き込
む。この場合、不揮発性記憶手段M4への零点補正値M
1の書き込み頻度が低下し、頻繁に加速度検出が行い得
る状態となる。
【0015】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である加速度検出
装置を用いて構成した、エアバッグ装置の駆動回路のブ
ロック構成図を示す。同図に示す如く、駆動回路の電源
電圧端子10、及び接地端子12には、それぞれ直流電
源の+12V端子、及びGND端子が接続されている。
【0016】電源電圧端子10には、ダイオード14を
介して昇圧回路16が接続されている。昇圧回路16
は、12Vの入力電圧を、エアバッグの拡開に必要な電
圧に昇圧する回路であり、その出力端子にはダイオード
18のアノード端子が接続されている。
【0017】ダイオード18のカソード端子には、昇圧
された駆動電圧を導く高圧ライン19が接続されてい
る。高圧ライン19には、抵抗20とダイオード22と
が並列に接続されている。これら抵抗20、及びダイオ
ード22は、共にバックアップコンデンサ24の一の電
極に接続されている。ここで、バックアップコンデンサ
24の他の電極は接地されており、また、ダイオード2
2は、バックアップコンデンサ24から高圧ライン19
へ向かう電荷の流れのみを許容する方向に配設されてい
る。
【0018】高圧ライン19には、セーフィングセンサ
26、及び抵抗28が並列に接続されている。セーフィ
ングセンサ26は、エアバッグの誤動作を防止するため
に配設された機械式のセンサであり、車両に所定値を越
える減速度が生じた場合にオンとなるように構成されて
いる。
【0019】セーフィングセンサ26及び抵抗28の他
端には、エアバッグの点火装置であるスクイブ30の一
端が接続されている。このスクイブ30に、所定値を越
える電流が供給されると、スクイブ30が着火し、図示
しないエアバッグの内部に展開ガスが供給される。ま
た、スクイブ30の他端には、nチャネルFETで構成
される点火トランジスタ32のドレイン端子が接続され
ている。ここで、点火トランジスタ32のソース端子は
接地されており、また、そのゲート端子は、マイクロコ
ンピュータ34が内蔵する入出力ポート34aに接続さ
れている。
【0020】マイクロコンピュータ34は、入出力ポー
ト34a、入力ポート34b、中央処理ユニット(CP
U)34c、読み出し専用のメモリ(ROM)34d、
読み出し・書き込みが自由な揮発性のメモリ(RAM)
34e、及びそれらを相互に接続するバスライン34f
を備えている。
【0021】ここで、マイクロコンピュータ34の入出
力ポート34aには、上述した点火トランジスタ32の
他、データの書き込みが可能であると共に、書き込んだ
データを電気的な方法で消去し得る不揮発性のメモリ
(EEPROM;ElectricallyErasable Programable
ROM)36が接続されている。
【0022】また、マイクロコンピュータ34の入力ポ
ート34bには、車両に作用する前後方向の加速度G
を、電気信号に変換して出力するGセンサ38が接続さ
れている。尚、Gセンサ38、及びマイクロコンピュー
タ34は、5V電源で駆動する必要があるため、駆動回
路中には、高圧ライン19上の電圧を5Vに変換してG
センサ38、及びマイクロコンピュータ34に供給する
5V電源回路40が設けられている。
【0023】かかる構成のエアバッグ装置において、車
両に所定値を越える減速度が作用すると、マイクロコン
ピュータ34は、Gセンサ38の出力よりその運動状況
を検出する。そして、マイクロコンピュータ34は、か
かる運動状況を検出すると、点火トランジスタ32に対
してオン信号を出力する。この際、セーフィングセンサ
26においても所定値を越える減速度が検出されていれ
ば、セーフィングセンサ26、及び点火トランジスタ3
2が共にオン状態となり、スクイブ30に電流が流通
し、エアバッグが展開されることになる。
【0024】尚、車両に所定値を越える減速度が作用す
ると共に、駆動回路への電力供給が遮断された場合は、
バックアップコンデンサ24内に蓄えられた電荷がダイ
オード22を介して高圧ライン19からスクイブ30に
供給される。このため、かかる場合においても、エアバ
ッグは確実に展開されることになる。
【0025】ところで、上記構成のエアバッグ装置にお
いて、誤動作を防止しつつ、所定運動状況下でエアバッ
グを確実に展開させるためには、Gセンサ38の出力に
基づいて、マイクロコンピュータ34が、精度良く車両
に作用した減速度を検出し得ることが必要である。
【0026】これに対して、Gセンサ38は、環境温度
の変化や経時変化等に起因して、出力をドリフトさせる
特性を有している。すなわち、図3は、Gセンサ38の
斜視図を示したものであるが、同図に示す如く、Gセン
サ38は、片持ち梁状に形成されたカンチレバー38a
と、カンチレバー38a上に形成されたゲージ部38b
と、歪みが生じた際にゲージ部38bに生ずるピエゾ抵
抗の変化を電気信号に変換する集積回路部38cとから
なる半導体式Gセンサである。
【0027】この場合、集積回路部38cから出力され
る電気信号には、各部に生ずる製造上の誤差、温度特
性、経時変化等の影響が重畳することになり、高精度な
加速度検出を実現するためには、Gセンサ38の出力に
生ずるドリフトを相殺すべく、Gセンサ38に何ら加速
度が作用していない状況下で出力される値を零点補正値
として検出し、その零点補正値を現実の出力値から減じ
て零点補正を施すことが必要となる。
【0028】ここで、本実施例のエアバッグ装置は、マ
イクロコンピュータ34で演算したGセンサ38の零点
補正値を、RAM34e及びEEPROM36に記憶さ
せ、電源オフによりRAM34e内のデータがリセット
された場合には、再度電源がオンとされた際にEEPR
OM36内のデータで零点補正値をバックアップするこ
とにより、常に高精度な零点補正を可能とする点に特徴
を有している。
【0029】図4は、かかる機能を実現すべくマイクロ
コンピュータ34が実行するルーチンの一例のフローチ
ャートを示す。以下、同図を参照して、本実施例の乗員
保護装置の特徴的機能につい説明する。車両のイグニッ
ションスイッチがオンとされ、エアバッグ装置の電源が
オンとなると、本ルーチンが起動される。本ルーチンで
は、先ずステップ100において、マイクロコンピュー
タ34の初期チェックを実行する。初期チェックが終了
すると、次にステップ102において、前回電源がオフ
される以前にEEPROM36に記憶しておいた零点補
正値を、マイクロコンピュータ34内に読み込み、続く
ステップ104で、その零点補正値を、過去最新の零点
補正値Yn としてRAM34eに記憶する。
【0030】これらの処理を終えたら、ステップ106
へ進み、Gセンサ38の出力値を読み込み、その値をX
n として記憶する。尚、この場合、Xn は、車両に作用
している加速度に応じた出力値に、Gセンサ38の出力
ドリフト分が重畳した値である。
【0031】次に、ステップ108では、Yn =(1−
A)Yn +A・Xn なるディジタルフィルタ演算を行う
ことにより、新たな零点補正値Yn を求める。ここで、
Aは1に対して小さな定数である。従って、上記の演算
を行う場合、零点補正値Ynには、徐々にGセンサ38
の現実の出力値Xn が反映され、本ステップ108が繰
り返し実行された場合、Yn は、やがてGセンサ38の
出力値Xn の平均値に収束することになる。
【0032】ところで、本実施例においてGセンサ38
が搭載される車両には、加速時、減速時に、それぞれ逆
向きの加速度が作用する。従って、長期間にわたってG
センサ38の出力値を平均化すれば、加速時に生ずる加
速度と減速時に生ずる減速度とが相殺され、その平均値
は、車両に何らの加速度も作用していない場合にGセン
サ38から出力される値に近似することになる。
【0033】このため、上記ステップ108が繰り返し
実行され、零点補正値Yn がXn の平均値に収束した場
合、その値Yn は、車両に何らの加速度も作用していな
い場合にGセンサ38から出力される値に精度良く一致
することになる。従って、以後、Gセンサ38の出力値
n から収束値たる零点補正値Yn を減ずる補正を施せ
ば、補正後の値Zn =Xn −Yn は、精度良く現実に車
両に作用している加速度の大きさを表すことになる。
【0034】ところで、上述の手法により零点補正値Y
n を算出する場合において、車両が加減速中である場合
をも含めて、Yn の収束値を、加速度が作用していない
場合にGセンサ38が出力する値に精度良く一致させる
ためには、定数Aを十分に小さな値として、Xn の一次
的な変動がYn に反映され難い状況を形成することが有
効である。このため、本実施例においては、定数Aを1
に比して十分に小さな値に設定している。
【0035】従って、上記ステップ108中に示す新た
なYn が、Gセンサ38の出力値X n の平均値から大き
く離れた値であるとすれば、零点補正値Yn が、加速度
の非作用時にGセンサ38が出力する値に収束するまで
に長い期間を要し、長期にわたって高精度な加速度検出
が行い得ない事態となる。
【0036】これに対して、本ルーチンでは、上記の如
く電源がオンとされた後、初回の処理が、前回電源がオ
フとされる前にEEPROM36に記憶された零点補正
値に基づいて実行される。この場合、EEPROM36
内にその零点補正値が記憶された後、再度電源がオンと
されるまでの間には、Gセンサ38にさほど大きな特性
ドリフトが生ずることがないため、電源がオンとされた
直後から、高精度な零点補正が実行し得る状態となる。
【0037】この点、本実施例の乗員保護装置は、Gセ
ンサの零点補正値を揮発性メモリにのみ記憶し、電源が
オンとされた後しばらくの間は高精度な零点補正が実行
し得ない装置に比して、電源がオンとされた直後から適
切なエアバッグの作動判定を行い得るという利益を有し
ていることになる。
【0038】上記ステップ108の処理を終えたら、次
にステップ110において、EEPROM36に記憶さ
れる零点補正値Yn を更新する処理、すなわち、EEP
ROM36に記憶されているデータを消去し、上記ステ
ップ108で求めた新たなY n を書き込む処理を実行す
る。このため、以後、電源がオフとされた場合、EEP
ROM36には、マイクロコンピュータ34で演算され
た最新の零点補正値Y n が、不揮発性データとして記憶
されることになる。
【0039】ステップ112では、過去n−1回の処理
毎に求めた零点補正後のGセンサ38の出力値Z2 〜Z
n を、それぞれZ1 〜Zn-1 として記憶し直す処理を行
う。また、ステップ114では、今回のルーチン処理で
求めたXn 、及びYn を用いて、零点補正後の値Zn
算出する処理を行う。
【0040】そして、ステップ116で、今回の処理で
求めたデータを含む過去n個の零点補正後の値Z1 〜Z
n を累積し、ステップ118で、その累積値Zが所定値
A以上であるかを判別する。ここで、所定値Aは、エア
バッグを展開する必要がある程度に大きなエネルギが車
両に入力した際に、Z≧Aが成立するような適当な値に
設定されている。
【0041】従って、上記ステップ118においてZ≧
Aが成立すると判別された場合は、以後、ステップ12
0において、エアバッグを展開させるべく、点火トラン
ジスタ32にオン信号を供給する点火動作を実行した後
上記ステップ106へ進む。一方、Z≧Aが不成立であ
る場合は、点火動作を行うことなく、上記ステップ10
6へ進む。以後、電源がオフとされるまで、繰り返し、
上記ステップ106〜120の処理が実行される。
【0042】この場合、零点補正値Yn を演算するにあ
たり、Xn を長期にわたって平均化する処理を実行して
いるにもかかわらず、上記の如く電源がオンとされた直
後から、適切な零点補正値を設定することができ、車両
の運転中は、常に高精度に加速度検出を行い得ることに
なる。従って、本実施例の乗員保護装置によれば、電源
がオンとされた直後であるか否かに関わらず、車両が所
定の減速状態となった際に、確実に運転者の保護を図る
ことができる。
【0043】尚、上述した実施例は、電源がオンとされ
ると、その後EEPROM36の記憶データを最新の零
点補正値として、検出加速度の零点補正を行うこととし
ているが、EEPOM36の記憶データの利用方法はか
かる手法に限るものではない。すなわち、例えば、電源
がオンとされた後所定の期間は、EEPOM36から読
みだした値を用いて検出加速度の零点補正を行うと共
に、EEPROM36から読みだした値とは独立に、G
センサ38の出力に基づく零点補正値の算出を行い、所
定期間が経過した後は、算出した零点補正値を用いて検
出加速度の零点補正を行うこととしても良い。
【0044】ところで、上記図4に示すルーチンは、零
点補正値Yn の演算、検出された減速度に基づくエアバ
ッグの作動判定等の処理と、不揮発性メモリであるEE
PROM36に記憶される零点補正値Yn の更新とを同
一頻度で行う場合を例示したものであるが、EEPRO
M36には、加速度の非作用時にGセンサ38から発せ
られる出力値に近似する零点補正値Yn が記憶されてい
れば足り、その更新は必ずしも零点補正値Yn が演算さ
れる毎に行う必要はない。
【0045】また、マイクロコンピュータ34において
は、0.25〜0.35 msec の時間で零点補正値Yn
の演算、RAM34eにおける零点補正値Yn の更新、
検出された加速度に基づくエアバッグの作動判定等の処
理が実行できるのに対して、EEPROM36において
零点補正値Yn を更新するためには、データの消去時
間、書き込み時間を併せて20〜30 msec の時間が必
要である。従って、EEPROM36における零点補正
値Yn の更新処理を、他の処理と同一頻度で、かつ、直
列処理により実行することとすれば、高頻度でエアバッ
グの作動判定を行うことができなくなる。
【0046】このため、上記の如く、EEPROM36
を用いてGセンサ38の零点補正値Yn をバックアップ
する装置においては、エアバッグの作動判定頻度を確保
するという意味で、EEPROM36における零点補正
値Yn の更新頻度を、エアバッグの作動判定頻度等に比
して下げ、かつ、EEPROM36における零点補正値
n の更新処理を、エアバッグの作動判定処理等と並列
に実行することが好ましい。
【0047】図5は、マイクロコンピュータ34が、か
かる機能を満たすべく実行するルーチンの一例のフロー
チャートを示す。尚、同図において、上記図4に示すル
ーチン中のステップと同一処理を実行するステップにつ
いては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】すなわち、車両のイグニッションスイッチ
がオンとされ、エアバッグ装置の電源がオンとなると、
図5に示すルーチンが起動し、ステップ100〜108
において、EEPROM36内に記憶されていた零点補
正値Yn 、及びGセンサ38の出力値Xn に基づいて零
点補正値Yn が演算される。
【0049】ステップ108の処理が終了すると、次に
ステップ200において、カウンタCの値が所定値C0
に到達しているかを判別する。今回が初回の処理である
とすれば、C≧C0 が不成立であると判別され、以後、
ステップ202においてカウンタCがインクリメントさ
れた後、ステップ112〜120の処理、すなわち、エ
アバッグの作動判定処理が実行され、その後、上記ステ
ップ106以降の処理が繰り返し実行される。
【0050】一方、ステップ202において、C≧C0
が成立すると判別された場合は、以後、ステップ204
へ進み、EEPROM36における零点補正値Yn の更
新処理を開始すべき指令を発し、次いでステップ206
においてカウンタCをリセットした後ステップ112へ
進む。この場合、以後、マイクロコンピュータ34にお
いて、ステップ112に続く処理が実行されるのと平行
して、EEPROM36において、データを消去し、最
新のYn を書き込む処理が実行される。
【0051】ここで、本実施例においては、図5中ステ
ップ106〜120に示す処理の実行に要する時間が約
0.25 msec であり、一方、EEPROM36の零点
補正値Yn の更新に要する時間が約20 msec であるこ
とから、所定値C0 を100に設定している。従って、
図5に示すステップ204の指令は、エアバッグの作動
判定が100回実行される毎に、すなわち25 msec 毎
に発せられることになる。この場合、EEPROM36
におけるYn の更新と平行して、エアバッグの作動判定
処理が、0.25 msec 毎の高い頻度で実行されること
になる。
【0052】このため、マイクロコンピュータ34が、
上記図5に示すルーチンを実行する場合、不揮発性メモ
リであるEEPROM36により零点補正値Yn がバッ
クアップできることに加え、エアバッグの作動について
の優れた応答性が確保できることになる。尚、本ルーチ
ンは、前記請求項2記載の発明の実施例に相当してい
る。
【0053】ところで、上記図4及び図5に示すルーチ
ンは、エアバッグ装置の電源がオンとされた後、単にE
EPROM36に記憶されている零点補正値をマイクロ
コンピュータ34内に読み込むこととしている(ステッ
プ102)が、零点補正値を読み込む際に上限、下限の
ガード値を設けることとしてもよい。この場合、EEP
ROM36から異常値が読み込まれた際の影響を抑制す
ることができ、加速度検出精度の著しい悪化を防ぐこと
ができる。
【0054】更に、EEPROM36から零点補正値を
マイクロコンピュータ34内に読み込む際に、その値が
上限、下限のガード値から外れている場合は、エアバッ
グの駆動回路中に異常が生じたものとして、異常警報を
発する等の処理を行うこととしてもよい。この場合、駆
動回路中に生じた異常をいち早く察知することができ、
エアバッグ装置において更に高度な信頼性が確保できる
ことになる。
【0055】また、上述した実施例は、乗員保護装置と
してエアバッグ装置を例示しているが、本発明の適用は
これに限るものではなく、例えば、プリローダ等の乗員
保護装置に適用することも可能である。尚、上記実施例
においては、RAM34eが前記した揮発性記憶手段M
2に、EEPROM36が前記した不揮発性記憶手段M
4にそれぞれ相当している。また、マイクロコンピュー
タ34が、上記ステップ108の処理を実行することに
より、前記した揮発データ書き込み手段M3が、上記ス
テップ110、又はステップ200〜206の処理を実
行することにより前記した不揮発データ書き込み手段M
5が、更に、上記ステップ102の処理を実行すること
により前記した不揮発データ読み出し手段M6がそれぞ
れ実現されている。
【0056】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、揮発性記憶手段と共に不揮発性記憶手段にも零点補
正値を記憶させておき、電源がオンとされた直後は、不
揮発性記憶手段に記憶されている零点補正値を用いて零
点補正を行うことができる。このため、電源がオフとさ
れることにより揮発性記憶手段の記憶データが消去され
るにも関わらず、電源がオンとされた直後から、高精度
な零点補正を実行することができる。従って、本発明に
係る加速度検出装置によれば、電源がオンとされた直後
をも含めて、常に高精度な加速度検出を行うことができ
る。
【0057】また、請求項2記載の発明によれば、揮発
性記憶手段への零点補正値の書き込み頻度に対して低い
頻度で、不揮発性記憶手段への零点補正値の書き込みが
行われる。この場合、不揮発性記憶手段への零点補正値
の書き込み頻度が低いため、加速度検出装置の零点補正
は、揮発性記憶手段に記憶される零点補正値に基づい
て、頻繁に、かつ、精度良く行うことができる。従っ
て、本発明によれば、車両運動状況の検出頻度を大幅に
低げることなく、不揮発性記憶手段に零点補正値を記憶
させることができる。
【0058】このため、本発明に係る乗員保護装置によ
れば、電源がオンとされた直後を含むあらゆる状況下
で、精度良く、かつ、頻繁に車両運動状況を検出するこ
とができ、車両が所定の運動状況となった際には、常
に、優れた応答性をもって乗員を適切に保護することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加速度検出装置及び乗員保護装置
の原理構成図である。
【図2】本発明の一実施例であるエアバッグ装置の駆動
回路のブロック構成図である。
【図3】本実施例のエアバッグ装置に用いるGセンサの
斜視図である。
【図4】本実施例のエアバッグ装置においてマイクロコ
ンピュータが実行するルーチンの一例のフローチャート
である。
【図5】本実施例のエアバッグ装置においてマイクロコ
ンピュータが実行するルーチンの他の例のフローチャー
トである。
【符号の説明】
M1 零点補正値 M2 揮発性記憶手段 M3 揮発データ書き込み手段 M4 不揮発性記憶手段 M5 不揮発データ書き込み手段 M6 不揮発データ読み出し手段 26 セーフィングセンサ 30 スクイブ 32 点火トランジスタ 34 マイクロコンピュータ 34e RAM 36 EEPROM 38 Gセンサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力の零点補正値を求める零点補正値算
    出手段と、零点補正値に基づいて検出加速度を補正する
    検出加速度補正手段とを備える加速度検出装置におい
    て、 データの書き込みが可能な揮発性記憶手段と、 該揮発性記憶手段に、前記零点補正値を書き込む揮発性
    データ書き込み手段と、 データの書き込みが可能な不揮発性記憶手段と、 該不揮発性記憶手段に、前記零点補正値を書き込む不揮
    発データ書き込み手段と、 前記揮発性記憶手段に記憶される零点補正値がリセット
    された場合に、前記不揮発性記憶手段に記憶される零点
    補正値を読みだす不揮発データ読み出し手段と、 を備えることを特徴とする加速度検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の加速度検出装置を用いて
    車両の運動状況を検出し、所定の運動状況が検出された
    際に、乗員の保護を図るべく、所定の処理を実行する乗
    員保護装置であって、 前記揮発データ書き込み手段が、所定間隔毎に、前記揮
    発性記憶手段に新たな零点補正値を書き込むと共に、前
    記不揮発データ書き込み手段が、前記所定間隔に比して
    長い間隔毎に、前記不揮発性記憶手段に新たな零点補正
    値を書き込むことを特徴とする乗員保護装置。
JP7071155A 1995-03-29 1995-03-29 加速度検出装置及び乗員保護装置 Pending JPH08271542A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013019837A (ja) * 2011-07-13 2013-01-31 Advics Co Ltd 車両用の加速度センサの出力補正装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013019837A (ja) * 2011-07-13 2013-01-31 Advics Co Ltd 車両用の加速度センサの出力補正装置

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